JP5255507B2 - 造粒体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの方法では、得られた無機物質造粒体は、耐水性及び強度特性において十分ではなかった。
本発明は、耐水性及び強度特性に優れた造粒体及びその製造方法を提供するものである。
(1)平均粒子径5〜150μmの無機物質100〜600質量部、平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質200〜700質量部、及び平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質200〜700質量部からなり、粒子径5〜150μm、粒子径0.7μm以上5μm未満、粒子径0.1μm以上0.7μm未満の各粒度範囲に頻度極大値を有する無機物質1000質量部、合成樹脂エマルジョン及び/又は合成ゴムラテックス2〜20質量部、減水剤1.5〜10質量部、水100〜200質量部からなる、5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1.0mm以上、及び1.0mm未満の各粒度範囲において、10質量%以上の粒子を有する造粒体。
(2)105℃で1時間乾燥した造粒体の乾燥前と乾燥後のJIS B 7721における強度試験の圧縮強度が、0.2MPa以上である前記(1)に記載の造粒体。
(3)無機物質がシリカ又はアルミナである前記(1)又は前記(2)に記載の造粒体。
(4)平均粒子径5〜150μmの無機物質100〜600質量部、平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質200〜700質量部、平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質200〜700質量部からなり、粒子径5〜150μm、粒子径0.7μm以上5μm未満、粒子径0.1μm以上0.7μm未満の各粒度範囲に頻度極大値を有する無機物質1000質量部、合成樹脂エマルジョン及び/又は合成ゴムラテックス2〜20質量部、減水剤1.5〜10質量部、水100〜200質量部を用いて造粒してなる前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の造粒体の製造方法。
本発明の無機物質としては、シリカ、溶融シリカ、アルミナ、溶融アルミナ、セメント、炭酸カルシウム、酸化チタン、ジルコニア、粘土鉱物、活性炭等多岐に渡るが、特に、粒子形態が球状に近い溶融シリカ、溶融アルミナにおいて、耐水性及び強度特性が優れた無機物質造粒体を得ることが可能である。特に、溶融シリカは水とのシラノール結合により水硬性を有するため、耐水性及び強度特性に優れた無機物質造粒体を得ることが可能である。
各粒度範囲において頻度極大値を有する無機物質を用いることにより、耐水性及び強度特性の優れた無機物質造粒体を製造するができる。
無機物質の平均粒子径は0.1〜150μmであることが好ましい。平均粒子径が150μmを超える粗粉の無機物質では、造粒体の造粒状態、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる恐れがある。平均粒子径が0.1μm未満の微粉の無機物質では、造粒体の造粒状態、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる恐れがある。
なお、本願における粒子径は粒子直径である。
無機物質造粒体の製造に用いる無機物質1000質量部は、平均粒子径5〜150μmの無機物質100〜600質量部、平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質は200〜700質量部、平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質200〜700質量部からなることが好ましい。
平均粒子径5〜150μmの無機物質が100質量部未満では造粒体の造粒状態、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる恐れがあり、600質量部を超えると造粒体の造粒状態、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる恐れがある。
平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質が200質量部未満及び700質量部を超えると、造粒体の粒径分布が本願の請求項の範囲に入りにくくなり、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる場合がある。
平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質が200質量部未満及び700質量部を超えると、造粒体の粒径分布が本願の請求項の範囲に入りにくくなり、耐水性及び強度特性において優れた無機物質造粒体を製造することが難しくなる場合がある。
この無機物質造粒体を4mmの開口径の篩いで篩った後、篩上の無機物質造粒体を更に、5mm、8mm、10mmの各開口径の篩いで篩った。篩い後の造粒体を105℃で1時間の乾燥した、乾燥前と乾燥後のJIS B 7721における強度試験の圧縮強度は、0.2MPa未満であった。
無機質造粒体は、ハンドミサーによる混合型造粒機により、造粒を行った。表1及び表2の配合の各材料を用いて、減水剤を予め混入した合成樹脂エマルジョン、無機物質(球状溶融シリカ)、及び水をハンドミキサにより、1分間混練した。
なお、実験No.21は5分間混練した。
使用材料
(1)合成樹脂エマルジョン
「デンカEVAラテックス70」エチレン/酢酸ビニル共重合体(固形分56重量%)
電気化学工業社製
(2)減水剤
「FTN−30」 ポリエチレングリコール系水溶性高分子 グレースケミカルズ社製
(3)無機物質
(A)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 200(μm)、頻度極大値240(μm)
(B)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 140(μm)、頻度極大値150(μm)
(C)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 15(μm)、頻度極大値 18(μm)
(D)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 5.1(μm)、頻度極大値6.0(μm)
(E)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 4.2(μm)、頻度極大値4.8(μm)
(F)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径 2.2(μm)、頻度極大値2.6(μm)
(G)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径0.72(μm)、頻度極大値0.79(μm)
(H)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径0.60(μm)、頻度極大値0.68(μm)
(I)球状溶融シリカ粉末、平均粒子径0.10(μm)、頻度極大値0.14(μm)
(1)比表面積
本発明の球状溶融シリカ質粉末の比表面積は、BET法による比表面積測定に基づいて測定する。比表面積測定機として、マウンテック社製商品名「マックソーブ モデルHM−1208」を用いて測定した。
(2)平均粒子径
本発明の球状溶融シリカ質粉末の平均粒子径は、JIS R 1630「ファインセラミックス原料のレーザー回折・散乱法による粒子径分布測定方法」に基づいて測定した。
レーザー回折散乱式粒度分布測定用試料の調製は、媒体に水を用い、PIDS(Polarization Intensity Differential Scattering)濃度を45〜55質量%に調整し、200W出力の超音波ホモジナイザーに1分間かけて行った。粒度分布の解析は0.04〜2000μmの範囲を粒子径チャンネルがlog(μm)=0.04の幅で116分割にして行った。水の屈折率には1.33を用い、非晶質シリカ質粉末の屈折率には1.46を用いた。測定した粒度分布において、累積質量が50%となる粒子径が平均粒子径である。
(3)粒度分布
篩い試験により、5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1mm以上、及び1mm未満の各粒度範囲の無機物質造粒体を、手動で篩い、篩残分を質量%で求めた。
(4)造粒体の造粒状態
造粒体を篩い試験によって得られた粒度分布により、造粒状態を判断した。5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1mm以上、及び1mm未満の各粒度範囲において、無機物質造粒体が10質量%以上の場合には、均一に分布していると判断し、造粒状態を◎と判断する。5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1mm以上、1mm未満のいずれかの粒度範囲において、無機物質造粒体の質量が3%未満の場合には、不均一に分布していると判断し、造粒状態を×と判断する。5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1mm以上、及び1mm未満の各粒度範囲において、無機物質造粒体が3質量%以上10質量%未満の場合には、均一分布が不十分であり、造粒状態を△と判断した。
(5)造粒体の圧縮強度
造粒体の強度試験方法は、造粒体を4mmの開口径の金網にて篩い後、篩上の造粒体を更に、表に示した開口径の篩を通し、その篩上部分の造粒体を使用した。篩い後の造粒体を105℃で1時間の乾燥し、乾燥前と乾燥後の造粒体の圧縮強度をJIS B 7721による電子式プッシュプルゲージ法を用いて測定した。
測定装置には、「デジタルプッシュプルゲージ品番M845TG−1D」(株式会社シロ産業)を使用した。
(6)造粒体の浸水試験
得られた造粒体は、造粒体1kgに対して水5kgが入ったポリ袋に入れて、水に浸漬させ、20±2℃の恒温養生室内で1週間静置し、水中養生を行った。1週間後、造粒体を含んだ6kgのポリ袋を1回/秒、振幅20cm、で1分間(60回)振動させた。水が白濁しない場合、造粒体が破壊されていないと判断して○、水が白濁した場合、造粒体が破壊されたと判断して×、○とも×とも判定出来ない僅かに白濁した中間を△とした。白濁の判定方法は、JIS Z 8102の物体色の色によった。
なお、実験No.4,5,6,11,12,14,15,25,29,30,31,37,38,44,45,46の比較例は、造粒体が団子状態となり、適切な造粒ができなかった。
Claims (4)
- 平均粒子径5〜150μmの無機物質100〜600質量部、平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質200〜700質量部、及び平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質200〜700質量部からなり、粒子径5〜150μm、粒子径0.7μm以上5μm未満、粒子径0.1μm以上0.7μm未満の各粒度範囲に頻度極大値を有する無機物質1000質量部、合成樹脂エマルジョン及び/又は合成ゴムラテックス2〜20質量部、減水剤1.5〜10質量部、水100〜200質量部からなる、5.6mm以上、5.6mm未満〜2.8mm以上、2.8mm未満〜1.0mm以上、及び1.0mm未満の各粒度範囲において、10質量%以上の粒子を有する造粒体。
- 105℃で1時間乾燥した造粒体の乾燥前と乾燥後のJIS B 7721における強度試験の圧縮強度が、0.2MPa以上である請求項1に記載の造粒体。
- 無機物質がシリカ又はアルミナである請求項1又は2に記載の造粒体。
- 平均粒子径5〜150μmの無機物質100〜600質量部、平均粒子径0.7μm以上5μm未満の無機物質200〜700質量部、平均粒子径0.1μm以上0.7μm未満の無機物質200〜700質量部からなり、粒子径5〜150μm、粒子径0.7μm以上5μm未満、粒子径0.1μm以上0.7μm未満の各粒度範囲に頻度極大値を有する無機物質1000質量部、合成樹脂エマルジョン及び/又は合成ゴムラテックス2〜20質量部、減水剤1.5〜10質量部、水100〜200質量部を用いて造粒してなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の造粒体の製造方法。
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