JP6362284B2 - 耐塩性に優れた吸水性樹脂粒子 - Google Patents
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Description
さらにゴムに吸水剤を配合し水膨潤性ゴムを調製し、これを止水材として使用する技術も提案されている。
(a)「吸水性樹脂」
本明細書において、「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、以下の物性を有するものをいう。すなわち、無加圧下吸水倍率(CRC)が、必須に5g/g以上、好ましくは10〜100g/g、さらに好ましくは20〜80g/gであり、また、水可溶分(Extractables)が、必須に0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0〜20重量%、特に好ましくは0〜10重量%である高分子ゲル化剤をいう。
中和率50モル%以上のポリアクリル酸(塩)系架橋重合体(ただしアクリル酸以外の繰り返し単位は全体の0〜50モル%さらには下記範囲)が80質量%以上含まれている吸水性樹脂。
スルホン酸基含有単量体(特にスルホン酸基含有単量体アクリルアミド単量体)及びその塩を20〜90mol%、アクリル酸、アクリル酸塩のいずれか1種以上を80〜10mol%含むモノマー(その他単量体は全単量体中0〜50モル%)を共重合して得られる架橋重合体が80質量%以上含まれている吸水性樹脂
(b)「EDANA」及び「ERT」
「EDANA」は、European Disposables and Nonwovens Associationsの略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(ERT/EDANA Recomeded Test Method)の略称である。本明細書においては、特に断りのない限り、ERT原本(公知文献:2002年改定)に基づいて、吸水性樹脂の物性を測定する。
本発明の微小粒度吸収倍率は、EDANA法(ERT442.2−02(2002))に準拠し、以下(c−1)に一部測定方法を変更して測定した。
本発明の吸水性樹脂の人工海水吸水倍率(Artifical Sea Water Free Swell Capacity、ASW−FSCと称することがある)は、人工海水を用いた微小粒度吸収倍率である。尚、人工海水は下記組成である。
イオン交換水1kgに対する、添加試薬及び各添加量は下記の通りである。
CaCl2・2H2O:1.326(g)
Na2SO4 :3.505(g)
KCl :0.597(g)
NaCl :20.747(g)
(d)人工海水吸収速度(ASW−Vortex)
本発明の吸水性樹脂の吸収速度(Artifical Sea Water Vortex Time、ASW−Vortexと称することがある)は、JIS法(JIS K 7224「高吸水性樹脂の吸水速度試験方法」)に準拠して測定した。なお、本発明においては測定溶液を上記組成の人工海水に変更して測定した。
本発明の吸水性樹脂の含水率は、EDANA法(ERT430.2−02)に準拠して測定した。なお、本発明においては、乾燥温度を180℃に変更して測定した。
本発明の吸水性樹脂の粒度は光散乱粒度測定装置(HORIBA社製 LA−920)により測定した。
本明細書において、「吸水剤」とは、吸水性樹脂を主成分とする水性液のゲル化剤を意味する。なお、該水性液としては、水に限らず、尿、血液、糞、廃液、湿気や蒸気、氷、水と有機溶媒及び/又は無機溶媒との混合物、雨水、地下水、海水等であってもよく、水を含めば特に制限されるものではない。これらの中でも、海水や塩、特に2価の塩を含有する地下水がより好ましい。本発明に係る吸水性樹脂の含有量は、吸水材の重量全体に対して、好ましくは70〜99重量%であり、より好ましくは80〜99重量%であり、更に好ましくは90〜99重量%である。吸水性樹脂以外のその他の成分としては、吸水速度や粉末(粒子)の耐衝撃性の観点から、水が好ましく、必要により後述の添加剤が含まれる。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は、「X以上Y以下」であることを意味する。また、重量の単位である「t(トン)」は、「Metric ton(メトリック トン)」であることを意味する。
(1)重合工程
本工程は、単量体水溶液を重合して含水ゲル状架橋重合体を得る工程である。
(a)−1.吸水性樹脂A
本発明に係る吸水性樹脂Aは、その原料(単量体)として、好ましくは、アクリル酸(塩)、及びアクリル酸(塩)を主成分として使用する。
(a)−2.吸水性樹脂B
本発明に係る吸水性樹脂Bは、その原料(単量体)として、好ましくは、スルホン酸基含有単量体(特にスルホン酸基含有単量体アクリルアミド単量体)とアクリル酸(塩)の共重合体であり、代表的には、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)(以下、AMPS(塩)とする)及びアクリル酸(塩)、又は2−スルホエチル−メタクリレート(塩)(以下、SEMS(塩)とする)及びアクリルアミド及びアクリル酸(塩)、又は2−スルホエチル−メタクリレート(塩)(以下、SEMS(塩)とする)を主成分として使用する。(両者の合計は50〜100モル%でその他単量体は全単量体中0〜50モル%、さらには0〜30モル%、0〜10モル%) 前記単量体の酸基は、少なくとも一部が中和されていることが好ましく、吸水性樹脂の吸水性能の観点から、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩から選ばれる一価塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩から選ばれる塩がさらに好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
り好ましくは0〜20質量%である。
本発明では、吸水特性の観点から架橋剤(以下「内部架橋剤」と称することもある)を使用することが特に好ましい。内部架橋剤の使用量は、物性面から、架橋剤を除く全単量体に対して、0.001〜5モル%が好ましく、0.005〜2モル%がより好ましく、0.01〜1モル%がさらに好ましく、0.03〜0.5モル%が特に好ましい。
本発明で使用される重合開始剤としては、重合の形態によって適宜選択され、光分解型重合開始剤、熱分解型重合開始剤、レドックス系重合開始剤等を例示できる。重合開始剤の使用量は、全単量体に対して、0.0001〜1モル%が好ましく、0.001〜0.5モル%がより好ましい。
本発明の実施形態に係る重合方法は、通液性や吸水速度といった吸水性樹脂の物性や重合制御の容易さといった観点から、通常、水溶液重合又は逆相懸濁重合で行われる。これらの重合方法の中でも、従来、重合の制御や着色の改善が困難であった水溶液重合が好ましく、連続水溶液重合がより好ましく、高濃度・高温開始連続水溶液重合が特に好ましい。
上記重合工程で得られた含水ゲル状架橋重合体(含水ゲル)は、そのまま乾燥を行っても良いが、吸水速度や通液性の面から、重合時又は重合後、必要により解砕機(ニーダー、ミートチョパー等)を用いてゲル解砕され粒子状にされる。すなわち、上記ゲル解砕後の粒子状含水ゲルの重量平均粒子径(ふるい分級で規定)は、好ましくは0.1〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜3mmの範囲である。
上記含水ゲル状架橋重合体は乾燥され、乾燥重合体とされる。その乾燥減量(粉末ないし粒子1gを180℃で3時間加熱)から求められる樹脂固形分は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85〜99重量%、さらに好ましくは90〜98重量%、特に好ましくは92〜97重量%の範囲に調整され乾燥重合体を得る。
前記乾燥工程で得られた乾燥重合体は、そのまま粉砕工程に供給されてもよいが、凝集物が含まれている場合(特に通気バンド式乾燥機で乾燥してブロック状物となる場合)には、乾燥重合体(特にブロック状凝集物)は粒子径が0.1〜10mm、好ましくは0.5〜5mm、さらに好ましくは1〜3mmの粒子状に解砕(凝集をほぐし)されて、粉砕工程に供給されるのが好ましい。(以下、乾燥後のブロック状凝集物を粗く粉砕(一部凝集した程度に粉砕)すること粗粉砕とも呼ぶが、本願でいう0次粉砕工程に該当する。
後述の少なくとも2種類の衝撃式粉砕機を用いた第1粉砕工程及び第2粉砕工程に加えて、好ましくは、1時粉砕のまえに0次粉砕工程を設けてなる。0次粉砕工程では粒子状又はその凝集物を粗く粉砕(一部凝集した程度に粉砕)して流動粉末ないし流動凝集物とすることであり、好ましくは、ふるい分級で重量平均0.1〜100mm程度(1〜100mm、さらには1〜10mm)に粗粉砕される。
本発明の粉砕方法は、特定の形式の複数の粉砕機を組み合わせる方法、すなわち複数の粉砕工程(一次粉砕および2次粉砕、好ましくはさらに上記0次粉砕)を有する方法である。その結果、従来行われていたような目的とする粒度にそろえるための分級と大粒子の粉砕とを繰り返すことなく、粒度のそろった粉砕品を高収率で得る事が出来る。
る
(粒度)
最終に目的とする体積平均粒子径としては1〜150μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜80μm、更に好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmに調整される。また、粒度分布は変動係数(標準偏差σ÷体積平均粒子径)が小さいほどよく、通常、0.8以下、好ましくは0.7以下、特に好ましくは0.6以下に調整される。これらの測定方法については、光散乱粒度分布測定装置(HORIBA社製 LA−920)等を用いて測定される。体積平均粒子径を特定範囲にまで小さく且つ狭く制御することで、吸水速度のみならず、微小粒度吸水倍率が向上することが見出された。
本発明では、粉砕工程−分級工程及びその前後は輸送装置で連結されてなるが、用いられる輸送装置としては、上記輸送工程で用いられる輸送機としては、例えば、ベルトコンベヤー、スクリューコンベヤー、チェーンコンベヤー、振動コンベヤー、ニューマチックコンベヤー等であり、その内壁面を外側から加熱する手段及び/又は保温する手段を備えたものを挙げることができる。これらの輸送工程では減圧又は加圧とされる。
本発明に用いられる分級装置は、ふるい網面を有するものであれば特に限定されず、例えば、バイブレーティングスクリーンやシフタに分類されるものが挙げられる。バイブレーティングスクリーンには、傾斜形、ローヘッド(Low−head)形、ハムマー(Hum−mer)、レーブン(Rhewum)、タイロック(Ty−Rock)、ジャイレックス(Gyrex)、及び楕円振動(Eliptex)等があり、シフタにはレシプロ(Reciprocating)形、Exolon−grader、Traversator−sieb、Sauer−meyer、ジャイレトリーシフタ(Gyratory)、ジャイロシフタ、及びローテックススクリーン(Ro−tex)等がある。
上記以外に、必要により、蒸発モノマーのリサイクル工程、造粒工程、などを設けてもよい。さらには、経時色安定性効果やゲル劣化防止等のために、後述の添加剤を単量体ないしその重合物に使用してもよい。
本発明に係る製造方法で得られる吸水性樹脂は、吸収速度(Vortex)が10秒以内であることが好ましいが、当該吸水性樹脂を止水材、特に水膨張ゴムとして使用する場合には、上記の物性以外に、下記の(a)〜(d)の少なくとも1つ以上、好ましくは吸収速度(Vortex)を含めた2つ以上、より好ましくは3つ以上の物性を、所望する範囲に制御することが望まれる。これらの物性が下記の範囲を満たさない場合、本発明の効果が十分に得られず、高濃度で多価金属塩を含有する水性液体の吸収において、十分な性能を発揮せず、更に、本発明の製造方法を用いる効果が小さくなるおそれがある。
本発明の吸水性樹脂の人工海水吸収倍率(ASW−FSC)は、後述の微小粒度吸水倍率で規定され、10(g/g)以上が好ましく、15(g/g)以上がより好ましく、20(g/g)以上が更に好ましく、25(g/g)以上が特に好ましい。上限値は特に限定されないが、他の物性とのバランスから、50(g/g)以下が好ましく、45(g/g)以下がより好ましく、40(g/g)以下が更に好ましい。ASW−FSCは架橋密度(例えば架橋剤量の添加量抑制によりASW−FSC向上)や添加剤(例えば無機微粒子の添加によるASW−FSC向上)で制御できる。
本発明の吸水性樹脂の人工海水吸収速度(ASW−Vortex)は、後述の微小粒度吸水速度で規定され、30秒以下が好ましく、20秒以下がより好ましく、15秒以下が更に好ましく、10秒以下が特に好ましい。
本発明の吸水性樹脂の含水率(180℃で3時間)は、1重量%を超えて15重量%以下が好ましく、1〜13重量%がより好ましく、2〜10重量%が更に好ましく、1〜9重量%が特に好ましい。上記含水率を上記範囲に制御することで、粉体特性(例えば、流動性、搬送性、耐ダメージ性等)に優れた吸水性樹脂を得ることができる。含水率は乾燥の程度(温度、時間)や乾燥後の水添加や加熱処理で制御できる。
本発明の吸水性樹脂粒子は、破砕状不定形で、体積平均粒子径が1〜150μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜80μm、更に好ましくは5〜50μm、特に好ましくは5〜30μmの微小粒子である。
さらに、目的に応じて、吸水性樹脂には酸化剤、酸化防止剤、水、多価金属化合物、シリカや金属石鹸等の水不溶性無機粉末、ポリアクリル酸微粒子等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、高分子ポリアミン、パルプや熱可塑性繊維などを吸水性樹脂中に0〜3質量%、好ましくは0〜1質量%添加してもよい。
平均粒子径が100μm以下の吸水性樹脂粉末は、自己凝集性が高いため、従来の測定方法では正しい評価が行うことが出来ない。そのため、微小粒度吸水性樹脂のための評価方法を新たに開発した。
5gの吸水性樹脂と5gの親水性シリカ(トクヤマ製;レオロシール−QS20)を、ペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所、AC100V、単相60Hz、参考規格JIS K 5101−1−2:2004)で30分間混合して得る。
本発明の人工海水吸収速度の測定方法であり、基本的な測定方法はVortex法に準じるが、測定に供するサンプルは、前記測定用混合サンプル0.8gを計量して用いる。
本発明の人工海水吸水倍率の測定方法であり、基本的な測定方法は442.2−02(2002)ないし相当のWSP442.3(2010)で規定のAAP法において、重りを使用せずに無荷重下吸収倍率を測定する。詳細な測定方法は実施例で示す通りである。測定に供するサンプルは、前記測定用混合サンプル(0.2g)を用いる。
本発明の吸水性樹脂の用途は特に限定されにないが、好ましくは、土木工事用止水材、トンネル工事のセグメント間止水材や光ケーブル用止水テープ等の産業用途に使用され得る。特に、水膨潤性ゴムなど、硬水や海水など多価金属イオンを含有する水性液体に接しても吸水速度が極めて速く、しかも長期に亘り特に優れた吸水性能が発揮される。
吸水性樹脂5gと親水性シリカ(トクヤマ製;レオロシール−QS20)5gを225mlマヨネーズ瓶に仕込み、ペイントシェーカー(株式会社東洋精機製作所、AC100V、単相60Hz、参考規格JIS K 5101−1−2:2004)で30分間振とう混合し、測定用混合サンプル(約10g)を得る。なお、測定に用いる吸水性樹脂5gが予め他の添加剤(たとえば、シリカ、キレート剤、水など)を含んでいる場合もそのまま5g計量する。
前記人工海水による微小粒度吸水速度の測定において、人工海水を30℃の生理食塩水(0.9質量%NaCl水溶液)に変更した以外は、同様の測定を行った。
以下に記載するFGA1は吸水性樹脂粉末/シリカの1/1(重量比)の人工海水吸水倍率(30分値)であり、FGAはFGA1からシリカ由来の吸水量を差し引いて補正した吸水性樹脂粉末事態の人工海水吸水倍率(30分値)である。
WBS :ブランクテストに用いたシリカ質量(g)
WBS1:ブランクテストにおける浸漬30分後のシリンダー全質量(g)
WBS2:ブランクテストにおける吸水量(g)
=WBS1−WBC
FGAB:ブランクテストから求められるシリカ吸水倍率(g/g)
=WBS2/WBS
WSS1:測定用混合サンプル調製に用いたシリカ質量(g)
WSA1:測定用混合サンプル調製に用いた吸水性樹脂質量(g)
RSS1:測定用混合サンプル中のシリカ質量比(−)
=WSS1÷(WSS1+WSA1)
RSA1:測定用混合サンプル中の吸水性樹脂質量比(−)
=WSA1÷(WSS1+WSA1)
WS :測定に用いた測定用混合サンプル質量(g)
WSS :測定に用いた測定用混合サンプル中のシリカ質量(g)
=WS1×RSS1
WSA :測定に用いた測定用混合サンプル中の吸水性樹脂質量(g)
=WS1×RSA1
WS1 :浸漬30分後のシリンダー全質量(g)
WS2 :吸水量(g)
=WS1−(WBC+WS)
FGA1:測定用混合サンプルの微小粒度吸水倍率(g/g)
=WS2÷WS
FGA :微小粒度吸水倍率(g/g)
=(WS1−WBC−WSS×FGAB)÷WSA
(粒子径測定方法)
レーザー回析式粒度分布装置HORIBA社製 LA−920を使用し、分布形態:標準、粒子径基準:体積、グラフ形態:棒グラフ、に設定した後、試料バスにメタノールを入れて空気抜き及び光軸調整を行う。次にサンプルを試料バスに入れ、サンプルを投入したと同時に、超音波を2分かけた後、透過率が81〜88%になるようサンプル濃度を調整する。測定は、サンプル濃度調整後、再度超音波処理を2分行った後に実施する。
重合工程(ベルト上での静置重合)、ゲル細粒化(解砕)工程、乾燥工程、粉砕工程、分級工程、及び各工程間の輸送工程の各装置が接続され、各工程を連続して行うことができる吸水性樹脂の連続製造装置を用いた。尚、生産能力は、1時間あたり約3500kgである。この連続製造装置を用いて、吸水性樹脂粉体を連続製造した。
次に、上記の単量体水溶液(1)を40℃に調整し、定量ポンプで連続フィードを行い、48質量%水酸化ナトリウム水溶液97.1質量部を、次いで、4質量%過硫酸ナトリウム水溶液8.05質量部をラインミキシングにて連続混合した。このラインミキシングにより得られた連続混合物を、両端に堰を有する平面ベルトに厚み約7.5mmで供給して、連続的に3分間重合を行い、含水ゲル状架橋重合体(1)を得た。
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム(AMPS)50%水溶液235.4質量部とアクリル酸43.2質量部、アクリル酸ナトリウム37%水溶液152.3質量部及び脱イオン水58.6質量部を混合した液にメチレンビスアクリルアミド1.5%水溶液15.0質量部を溶解し、反応液とした。
アクリルアミド40質量%水溶液276.7質量部とアクリル酸ナトリウム37質量%水溶液169.7質量部、2-スルホエチルメタクリル酸ナトリウム43質量%水溶液11.2重量部及び脱イオン水33.2質量部を混合した液にメチレンビスアクリルアミド1.5質量%水溶液22.9質量部を溶解し、反応液とした。
実施例1において、ピンミルにより細粒化(一次粉砕)された後、第2粉砕工程に送らずに粉砕を終了した以外は、実施例1と同様の操作を行い、連続的に体積平均粒子径186μmの比較用吸水性樹脂粉体(1)を得た。
実施例2において、ピンミルにより細粒化(一次粉砕)された後、第2粉砕工程に送らずに粉砕を終了した以外は、実施例3と同様の操作を行い、連続的に体積平均粒子径181μmの比較用吸水性樹脂粉体(2)を得た。
実施例3において、フラッシュミルにより細粒化(2次粉砕)された後、第3粉砕工程のジェットミルへ空気輸送され、粒子径を50μmとするために、空気圧を0.25Mpaに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、体積平均粒子径44.8μm、標準偏差30.78μm、最小粒子径1.981μm、最大粒子径133.103μm、の吸水性樹脂粉体(4)を得た。得られた吸水性樹脂粉体(4)について上記、微小粒度吸水速度及び微小粒度吸水倍率の測定方法にしたがって測定した。測定結果を表1に示す。
実施例3において、フラッシュミルにより細粒化(2次粉砕)された後、第3粉砕工程のジェットミルへ空気輸送され、ジェット気流を用いた被粉砕物間の衝突による微粉化を行う際に得られる粒子径を75μmにするために、空気圧を0.15Mpaに変更した以外は、実施例3と同様の操作を行い、連続的に体積平均粒子径75μmの吸水性樹脂粉体(5)を得た。得られた吸水性樹脂粉体(5)について上記、微小粒度吸水速度及び微小粒度吸水倍率の測定方法にしたがって測定した。測定結果を表1に示す。
実施例3において、フラッシュミルにより細粒化(2次粉砕)された後、第3粉砕工程に送らずに粉砕を終了した以外は、実施例3と同様の操作を行い、連続的に体積平均粒子径109μmの吸水性樹脂粉体(6)を得た。得られた吸水性樹脂粉体(6)について上記、微小粒度吸水速度及び微小粒度吸水倍率の測定方法にしたがって測定した。測定結果を表1に示す。
実施例3において、ピンミルにより細粒化(一次粉砕)された後、第2粉砕工程に送らずに粉砕を終了した以外は、実施例3と同様の操作を行い、連続的に体積平均粒子径191μmの比較用吸水性樹脂粉体(3)を得た。
表1及び図1に示す通り、実施例1(FGA=21.9g/g)と比較例1(同12.4g/g)との対比、実施例2(FGA=39.2g/g)と比較例2(同33.0g/g)との対比、図1にも示す実施例3〜6(FGA=32.6〜37.0g/g)と比較例3(同21.2g/g)との対比から明らかなように、同じ吸水性樹脂であっても粉砕後の体積平均粒径が臨界的に1〜150μmでは吸水速度、吸水倍率(FGA)とも大きく向上することが判る。より細かい粒子径で吸水速度が向上することは周知(非特許文献1)であるが、体積平均粒子径1〜150μmで人工海水吸水倍率(FGA)が向上することは知られていない。
Claims (6)
- 体積平均粒子径が1〜150μmで、変動係数が1以下であり、吸水性樹脂と無機化合物との混合サンプルを用いた測定方法により得られる人工海水吸水倍率(FGA)が20g/g以上である、不定形吸水性樹脂粒子。
- 吸水性樹脂と無機化合物との混合サンプルを用いた測定方法により得られる人工海水吸水速度(ASW−Vortexで規定)が15秒以下である請求項1に記載の吸水性樹脂粒子。
- 含水率(180℃で3時間の乾燥減量で規定)が1〜15重量%である、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂粒子。
- 吸水性樹脂が中和率50モル%以上のポリアクリル酸(塩)系架橋重合体(アクリル酸以外の繰り返し単位は全体の0〜50モル%)を80質量%以上含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子。
- 吸水性樹脂がスルホン酸基含有アクリルアミド単量体及びその塩を20〜90mol%、アクリル酸、アクリル酸塩のいずれか1種以上を80〜10mol%含むモノマー(その他単量体は全単量体中0〜50モル%)を共重合して得られる架橋重合体が80質量%以上含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂粒子の使用であって、土木工事用止水材用、水膨潤性ゴム及び止水テープのいずれか1つの使用。
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