JP5255252B2 - 光結合器の製造方法および光結合器 - Google Patents

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Description

本発明は、光回路基板に備えられた光伝送路と光素子とを光結合させるための光結合器およびその製造方法に関するものである。
近年、半導体からなる集積素子の分野では、高速・高密度化への進展が著しく、従来の電気的な配線による相互接続では、信号の遅延、減衰、干渉等により、十分な特性が期待できなくなることが問題となっている。この問題は、IOボトルネックといわれ、これを解決するために光インターコネクション技術が注目されている。光インターコネクション技術は、通信機器相互間や通信機器内のボード間にとどまらず、1つのボード内の集積回路素子間にも適用することが検討されている。
従来のボード内光インターコネクションを実現するための光回路基板として、例えば特許文献1に開示されている光導波路が形成された多層プリント基板が知られている。ここでは、基板表面に実装された面発光型光素子(VCSEL)から基板に垂直な方向に出射された信号光を、光配線に形成された光路変換ミラーで反射させることで光伝送路を導波させ、導波した信号光を別の光路変換ミラーで反射させて面受光型光素子(プレーナー型フォトダイオード)によって受光するものである。
光信号を用いた光伝送システムでは、発光素子や受光素子等に加えて、光信号を伝播させるための光伝送路が必要となり、各受発光素子を光伝送路に光結合させて用いている。光信号は、光強度の高低で表されることから、光伝送システムでは光強度を維持することが重要である。また、受発光素子を実装するには電気回路基板が必要となり、これが受発光素子と光伝送路との間に実装されるため、受発光素子と光伝送路とが離れた構造となっている。その結果、受発光素子と光伝送路との間で十分な光強度が確保できなくなってしまうといった問題があった。
このような構造の光伝送システムにおいて、十分な光強度を確保するには受発光素子と光伝送路との間を高い光結合効率で光結合する手段が必要となる。高い光結合効率を実現する光結合手段として、受発光素子と光伝送路との間に光を伝搬させるための光導波路を用いるものが従来から知られている(特許文献2)。光導波路を用いた光結合手段を図11に示す。ここでは、光素子901と光伝送路902との間を、光導波路(光ピン)903を用いて光結合した例を示している。
また、非特許文献1には、光素子と光伝送路との間を光結合させるための光導波路が、いわゆる自己形成法という方法で形成されるものが開示されている。自己形成法により光結合器の光導波路を形成する方法を図12に示す。ここでは、光素子911の受発光面にコア用樹脂として未硬化の紫外線硬化樹脂913を配置し、その上に所定のパターンが形成されたマスク914を載置し、その上から紫外線等の光を照射することによりコア912を形成している。
特許公開2006−120956号公報 特許公開2004−157438号公報 第20回エレクトロニクス実装学会講演大会、22C−07、「マスク転写法光ロッドとファイバの光接続」東海大学 久保宏行他、2006.3.22
しかしながら、上記従来の光結合器およびその製造方法では、以下のような問題があった。受発光素子と光伝送路との間を光結合させるための光導波路を、上記の光ピン等のように光ファイバを加工して形成する方法では、量産性に欠けるといった問題があった。
また、自己形成法によりコアを形成する方法では、量産性を高めることは可能なものの、クラッドが形成されていないと信頼性が低くなるという問題と、信頼性を向上させるためにコア周囲にクラッドを形成しようにも、未硬化のクラッド用樹脂でコアの周囲だけを適切に覆うように配置することが困難といった問題があった。すなわち、クラッド用樹脂が少ない(図13(a))とコアを十分に覆うことができなくなる一方、クラッド用樹脂をコアの周りに多く配置すると(図13(b))、クラッドを形成しない周囲にもクラッド用樹脂が溢れて付着したり、コア端部の界面もクラッド用樹脂で不均一に覆われて光軸が曲がってしまう、等の問題があった。
そこで、本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、クラッド用樹脂に対する濡れ性を利用してコアの外周面にクラッドを適切に形成することが可能な光結合器の製造方法および光結合器を提供することを目的としている。
この発明の光結合器の製造方法の第1の態様は、電気回路基板と、前記電気回路基板に略平行に設けられた光伝送路とを備えた光回路基板に、光素子を光結合させるための光導波路を備えた光結合器の製造方法であって、前記光素子の受発光面または前記電気回路基板の開口部に前記光導波路のコアを形成する第1のステップと、クラッド用樹脂を前記コア周辺に配置する第2のステップと、前記クラッド用樹脂を硬化して前記光導波路のクラッドを形成する第3のステップと、前記光素子の受発光面または前記電気回路基板の開口部の周囲に前記コアの長さに略等しい高さの堰止部を形成する第4のステップと、前記クラッド用樹脂の濡れ性が少なくとも前記堰止部に対するものより高い押さえ板を前記コア上部に配置する第5のステップと、を含み、前記第4のステップを少なくとも前記第2のステップより先に行い、前記第5のステップを少なくとも前記第3のステップより先に行うことを特徴とする。
この発明の光結合器の製造方法の他の態様は、前記押さえ板は、前記コアの光結合面と対向する領域を含む所定の領域がその外周の領域よりも前記クラッド用樹脂に対する濡れ性が高くなるように形成されていることを特徴とする。
これにより、コア先端の光結合面と同一平面状に配置されるクラッド用樹脂の断面を、押さえ板上の濡れ性が高い領域と略等しい大きさにすることができる。従って、クラッドの断面を、押さえ板上の濡れ性が高い領域の大きさによって選択的に形成することができる。
この発明の光結合器の製造方法の他の態様は、前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記コアの方が前記堰止部より高いことを特徴とする。
これにより、クラッド用樹脂を堰止部よりコアの方に多く集中させることができ、より少ない量のクラッド用樹脂でコアを覆うことが可能となる。
この発明の光結合器の製造方法の他の態様は、前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記押さえ板の方が前記堰止部より高いことを特徴とする。
これにより、クラッド用樹脂を堰止部より押さえ板の方に多く集中させることができ、コア先端の光結合面までより少ない量のクラッド用樹脂でコアを覆うことが可能となる。
この発明の光結合器の製造方法の他の態様は、前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記コアの方が前記光素子および前記光回路基板より高いことを特徴とする。
これにより、クラッド用樹脂を光素子および光回路基板の面上に拡がらせることなくコアの外周面に効率的に配置することが可能となる。
本発明によれば、コアに対する濡れ性の高いクラッド用樹脂をコア周辺に配置することで、コアの外周面に好適な状態でクラッドを形成することが可能な光結合器の製造方法および光結合器を提供することが可能となる。
図面を参照して本発明の好ましい実施の形態における光結合器の製造方法および光結合器について詳細に説明する。なお、同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。本発明の光結合器の製造方法および光結合器では、コアに対する濡れ性が高いクラッド用樹脂を用いることで、コアの外周面に好適な状態でクラッドを形成している。ここで用いている濡れ性とは、固体が空気と接して形成される固体・気体間の界面が消失し、新たに固体・液体間の界面が生じて固体表面の一部が固体・液体界面で置き換えられる現象を言い、この固体表面がその液体で"濡らされた"と言う。
本発明の第1の実施形態に係る光結合器の製造方法、およびこの製造方法を用いて製造された光結合器を、図1、2を用いて以下に説明する。図1は、本実施形態に係る光結合器の製造方法を説明するための工程図であり、図2は、本実施形態に係る光結合器の製造方法により製造された光結合器を用いて、光回路基板と光素子とを光結合した実施例を示す断面図と、光素子搭載基板121の下面図とを対応させて示している。光素子搭載基板121の下面図は、光素子搭載基板121に形成された素子側光導波路110aと堰止部142aを下側から見た図である。
図2では、本実施形態の光結合器100が、光素子搭載用基板121に搭載された光素子120と、光回路基板130に備えられた光伝送路131とを高効率で光結合するために用いられている。光回路基板130は、電気回路基板132と、これに略平行に設置された光伝送路131とを備えている。光結合器100は、光素子120の受発光面120aに設置された素子側光導波路110aと、光伝送路131の上面に形成された電気回路基板132の開口部133に設置された基板側光導波路110bとで構成されている。
素子側光導波路110aおよび基板側光導波路110bは、それぞれコア111a、111bとその外周面に形成されたクラッド112a、112bとで構成されており、それぞれが光素子120の受発光面120aおよび電気回路基板132の開口部133に別々に形成されている。光素子120を光素子搭載用基板121と一体に光回路基板130上に設置するときに、素子側光導波路110aの素子側光結合面113aと基板側光導波路110bの基板側光結合面113bとが効率よく光結合するように位置決めされている。
光素子搭載用基板121は、はんだ151で電気回路基板132に電気的に接続されている。素子側光導波路110aおよび基板側光導波路110bは、はんだ151とともに接着剤152で一体に固定されている。接着剤152は、素子側光導波路110aおよび基板側光導波路110bの外周に充填されるだけでなく、素子側光結合面113aと基板側光結合面113bとの間の隙間にも充填される。その結果、素子側光導波路110aのコア111aと基板側光導波路110bのコア111bとの間にも接着剤152が充填されることから、接着剤152には透過率の高いものを用いるのが望ましい。
なお、光素子搭載用基板121上および電気回路基板132上にそれぞれ素子側堰止部142a、基板側堰止部142bが設けられているが、後述するように、これは素子側光導波路110aおよび基板側光導波路110bを形成するときに用いたものであり、光素子120と光回路基板130との光結合に必ずしも必要なものではない。
光素子120と光回路基板130とを光結合器100を用いて光結合することにより、光素子120と光伝送路131に設けられた反射面134との間で、光導波路110aのコア111aと光導波路110bのコア111b内を光が伝送するように構成され、これにより光の減衰を抑えて高い光結合を実現することができる。
上記のような光結合器100を製造するための本発明の光結合器の製造方法の第1の実施形態を以下に説明する。図1では、光素子120の受発光面120aに素子側光導波路110aを形成する場合を例に示しているが、電気回路基板132の開口部133に基板側光導波路110bを形成する場合も、図1と同様の製造方法を用いることができる。
本実施形態の光結合器の製造方法では、光結合器を製造するために堰止部および押さえ板を用いている。まず図1(a)の第1ステップにおいて、光素子搭載用基板121の光素子120が搭載された同一面上に、光素子120を中心に素子側堰止部142aを設置する。素子側堰止部142aの高さは、コア111aに略等しくするのがよい。
図1(b)に示す第2ステップでは、素子側堰止部142aで囲まれた光素子120の受発光面120a上にコア用樹脂114を所定の高さまで充填し、その上からマスク141を載置する。マスク141にはコア111の断面と略等しい大きさの光透過部141aが形成されており、光透過部141aが光素子120の真上に位置するように位置決めする。コア用樹脂114には光硬化性樹脂を用いるものとし、例えばエポキシ系樹脂等を用いることができる。
図1(c)に示す第3ステップでは、マスク141の上方から紫外光等の光を照射する。照射された光は、光透過部141aのみでコア用樹脂114に達することができ、光透過部141aの直下に位置するコア用樹脂114のみが照射光を受けて硬化する。これにより、光透過部141aの径と略等しい径のコア111aが形成される。このようにして、例えば径が30〜100μm程度のコア111aを形成することができる。
図1(d)に示す第4ステップでは、マスク141を取り除き、未硬化のコア用樹脂114を除去する。
図1(e)に示す第5ステップでは、素子側堰止部142aで囲まれたコア111aの周りにクラッド用樹脂115を充填する。本実施形態のクラッド用樹脂115は、コア111aに対する高い濡れ性を有している。これにより、クラッド用樹脂115をコア111aの周りに集中させることができ、同図に示すように、コア111aを中心に盛り上がるようにクラッド用樹脂115を分布させることができる。
上記のように、コア111aに対する濡れ性の高いクラッド用樹脂115を用いることで、少ない量のクラッド用樹脂115でコア111aの先端まで覆うように分布させることができる。クラッド用樹脂115には、エポキシ系樹脂等の光硬化性樹脂やアクリル系の熱硬化樹脂を用いることができる。また、素子側堰止部142aのクラッド用樹脂115に対する濡れ性は、コア111aよりも低くするのがよい。
図1(f)に示す第6ステップでは、クラッド用樹脂115の上に押さえ板143を載置する。この押さえ板143には、クラッド用樹脂115に対する高い濡れ性を有するものを用いる。このような押さえ板143を用いることで、クラッド用樹脂115がコア111aを伝って押さえ板143に多く集まるようにすることができる。その結果、クラッド用樹脂115がコア111aの先端で所定の厚さまで集まるようになる。このとき、コア111aの先端におけるクラッド用樹脂115の厚さは、機械的強度を確保するためにも、アスペクト比3以下とすることが望ましい。
図1(g)に示す第7ステップでは、押さえ板143の上方から紫外光等の光を照射してクラッド用樹脂115を硬化させる。これにより、素子側光導波路110aが形成される。ここでは、クラッド用樹脂115として光硬化性樹脂を用いる場合を示しており、この場合には押さえ板143として透過率の高い板を用いる必要がある。また、クラッド用樹脂115として熱硬化樹脂を用いた場合には、外部からクラッド用樹脂115を加熱して硬化させる。
上記の各ステップの処理により、コア111aとクラッド112aとからなる素子側光導波路110aを形成することができる。本実施形態の光結合器の製造方法では、コア111aに対する濡れ性の高いクラッド用樹脂115を用いてクラッド112aを形成しており、これによりクラッド用樹脂115をコア111aの周りに集中させることが可能となり、コア111aの外周に好適なクラッド112aを形成することができる。
また、コア111aの周囲にクラッド用樹脂115を閉じ込めるための堰止部142aを設けることで、少量のクラッド用樹脂115でコア111aの外周面を覆うことができ、クラッド用樹脂115の余剰分が発生することもなく、光導波路110aの周囲にクラッド用樹脂115を飛散させてしまうおそれもない。本実施形態の製造法により製造される光結合器100は、コア111aを略中心として堰止部142aで囲まれた所定の範囲以内にクラッド112aが形成されている。
さらに、クラッド用樹脂115に対する漏れ性の高い押さえ板143をコア111aの上部に配置することで、少ない量のクラッド用樹脂115で先端の光結合面113aまで十分な厚さでコア111aの外周面を覆うことができる。これにより、光結合面113aまで十分な厚さを有するクラッド112aを備えた光導波路110aを形成することができ、高い光閉じ込め効果を有する光導波路110aを提供することができる。
本実施形態の光結合器の製造方法において、コア111aの光結合面113aと押さえ板143との間に図3に例示するような所定幅の隙間160を設けた場合には、この隙間160にクラッド用樹脂115が充填されて硬化される。その結果、光結合面113aもクラッド112aで覆われて保護される。また、光結合面113a上に形成されるクラッド112aは均一の幅でかつ平坦な面を形成することから、ここで光軸が曲げられるおそれもない。このように、光結合面113aも含めてコア111aの外周面全体をクラッド112aで覆うようにすることで、コア111aの損傷を防止することができる。
堰止部142aのクラッド用樹脂115に対する濡れ性は、コア111aより低くするのがよい。これにより、図1(e)に示すように、クラッド用樹脂115を堰止部142aに少なく、かつコア111aの周囲に多く集まるようにすることができる。このように、クラッド用樹脂115をより多くコア111aの外周面に集中させるようにすることにより、少ない量のクラッド用樹脂115でコア111aの外周面を覆わせることが可能となる。
本発明の光結合器の製造方法の第2の実施形態を、図4を用いて以下に説明する。図4は、第2の実施形態の光結合器の製造方法を説明するための工程図であり、クラッド112aを形成する第4ステップ以降の工程のみを示している。コア111aの形成は、第1の実施形態と同様に、図1(a)〜(c)までの各ステップで行う。本実施形態では、素子側堰止部142aおよび押さえ板143を用いないでクラッド112aを形成する。
本実施形態では、図4(a)に示すように、第4ステップの未硬化のコア用樹脂114を除去する際に、素子側堰止部142aも取り外している。すなわち、堰止部142aを取り外すことで、未硬化のコア用樹脂114を容易に除去できる。
図4(b)に示す第5ステップでは、コア111aの周りにクラッド用樹脂115を充填する。本実施形態でも、コア111aに対する高い濡れ性を有するクラッド用樹脂115を用いていることから、クラッド用樹脂115をコア111aの周りに集中させることができる。
図4(c)に示す第6ステップでは、クラッド用樹脂115の上方から紫外光等の光を照射してクラッド用樹脂115を硬化させる。これにより、素子側光導波路110aが形成される。この第6ステップは、第1の実施形態の第7ステップに相当するものであり、本実施形態では第1の実施形態の第6ステップを省略している。
本実施形態では、素子側堰止部142aおよび押さえ板143を用いていないことから、コア111aの周りに十分な厚さのクラッド112aを形成するためには、第1の実施形態の場合よりも多くのクラッド用樹脂115が必要となる可能性がある。しかしながら、素子側堰止部142aおよび押さえ板143を用いずに、簡略な方法で素子側光導波路110aを形成することができる。従って、コア111aの先端のクラッド112aの厚さを薄くできる場合には好適な方法である。
本発明の光結合器の製造方法の第3の実施形態を、図5を用いて以下に説明する。図5は、第3の実施形態の光結合器の製造方法を説明するための工程図であり、クラッド112aを形成する第5ステップ以降の工程のみを示している。コア111aの形成は、第1の実施形態と同様に、図1(a)〜(d)までの各ステップで行う。本実施形態では、素子側堰止部142aを用いてクラッド112aを形成しており、押さえ板143は用いていない。
図5(a)に示す第5ステップでは、コア111aの周りにクラッド用樹脂115を充填する。本実施形態でも、コア111aに対する高い濡れ性を有するクラッド用樹脂115を用いており、かつ素子側堰止部142aを用いていることから、クラッド用樹脂115をコア111aの周りに集中させることができる。素子側堰止部142aのクラッド用樹脂115に対する濡れ性は、コア111aよりも低くするのがよい。
図5(b)に示す第6ステップでは、クラッド用樹脂115の上方から紫外光等の光を照射してクラッド用樹脂115を硬化させる。これにより、素子側光導波路110aが形成される。第2の実施形態の場合と同様に、この第6ステップも第1の実施形態の第7ステップに相当するものであり、第1の実施形態の第6ステップを省略している。
本実施形態では、素子側堰止部142aを用いていることから、少ない量のクラッド用樹脂115でコア111aの外周面に十分な厚さのクラッド112aを形成することができる。また、クラッド用樹脂115が素子側堰止部142aで閉じ込められることから、周囲に漏れたりするのを防止することができる。しかしながら、押さえ板143を用いていないことから、光結合面113aの外周に十分な厚さのクラッド112aを形成するためには、第1の実施形態の場合よりも多くのクラッド用樹脂115が必要となる可能性がある。
押さえ板143を用いてクラッド112aを形成する第1の実施形態の光結合器の製造方法において、押さえ板143のクラッド用樹脂115に対する濡れ性を所定の領域のみで高くしてもよい。すなわち、図6に示すように、コア111aの光結合面113aと対向する押さえ板143の領域を含む領域143aのみにおいて、クラッド用樹脂115に対する濡れ性を高くすることができる。図6は、光素子搭載用基板121上に素子側堰止部142aおよび所定の領域のみ濡れ性が高い押さえ板143を載置して内部にクラッド用樹脂115を充填した状態を示す断面図である。
このように、所定の領域143aのみの濡れ性を選択的に高くすると、先端の断面積が領域143aに略等しいクラッド112aを形成することができる。従って、コア先端の光結合面113aと略同一平面状に配置されるクラッド112aの断面を、押さえ板上の濡れ性が高い領域143aの大きさによって選択的に形成することができる。また、クラッド用樹脂115が領域143aを越えて押さえ板143上に広がるのを防止することができ、より効率的にコア111aの周囲にクラッド用樹脂115を分布させることができる。
本発明の光結合器の製造方法では、クラッド用樹脂に対する濡れ性を、クラッド用樹脂を充填させる領域を形成する光素子、光回路基板、堰止部、押さえ板、およびコアのそれぞれで好適に調整することで、コアの外周部に任意の形状のクラッドを形成することができる。
まず、第1の実施形態の光結合器の製造方法において、クラッド用樹脂115に対する濡れ性を素子側堰止部142aより押さえ板143の方を高くすることにより、コア111aの外周面から押さえ板143にかけてより多くのクラッド用樹脂115を集中させることができる。その結果、少ない量のクラッド用樹脂115でコア111aの外周面を先端の光結合面113aまで確実に覆うことが可能となる。押さえ板143の濡れ性を素子側堰止部142aより高くした一例を図7に示す。同図に例示するように、押さえ板143の濡れ性を高くすることにより、例えば両端部が太く中央が細いクラッド212aを有する素子側光導波路210aを形成することも可能である。
また、コア111aのクラッド用樹脂115に対する濡れ性を光素子120より高くすることで、クラッド用樹脂115を光素子120の面上に拡がらせることなくコア111aの外周面に効率的に集中させることができる。その結果、例えば図8に示すように、両端部が細く中央に向かうほど太くなるクラッド312aを有する素子側光導波路310aを形成することも可能となる。ここでは、素子側光導波路310aの製造方法について説明しているが、基板側光導波路を製造する場合には、コア111bのクラッド用樹脂に対する濡れ性を光回路基板130より高くすることで、同様の形状のクラッドを形成することができる。
また、コア111aのクラッド用樹脂115に対する濡れ性を光素子120および押さえ板143より高くすることで、クラッド用樹脂115をコア111aの外周面にさらに多く集中させることができる。一例を図9に示す。
さらに、コア111aおよび押さえ板143のクラッド用樹脂115に対する濡れ性を光素子120より高くした場合には、図10に例示するような光結合面113aでクラッドの径を大きくした光導波路を形成することが可能となる。
上記で説明した本発明の光結合器の製造方法は、光結合器の量産性に優れた製造方法であり、より少ない量のクラッド用樹脂でコアを覆う好適な形状のクラッドを形成することができるコスト面でも優れた製造方法である。また、光結合器の製造中にクラッド用樹脂を必要外のところに付着させたり、光結合面に形成されたクラッドで光軸を曲げてしまう、といったおそれもない。従って、コアとクラッドとで高い光閉じ込め効果が得られる高品質な光結合器を提供することが可能となる。
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係る光結合器及びその製造方法の一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態における光結合器及びその製造方法の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
本発明の第1の実施形態に係る光結合器の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第1の実施の形態に係る光結合器を用いて光回路基板と光素子とを光結合した実施例を示す平面図および断面図である。 光結合面をクラッド用樹脂で覆うようにした本実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 本発明の第2の実施形態の光結合器の製造方法を説明する工程図である。 本発明の第3の実施形態の光結合器の製造方法を説明する工程図である。 所定の領域のみ濡れ性が高い押さえ板を用いた本発明の別の実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 押さえ板の濡れ性を素子側堰止部より高くしたときの本発明の別の実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 コアの濡れ性を光素子より高くしたときの本発明の別の実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 コアの濡れ性を光素子および押さえ板より高くしたときの本発明の別の実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 コアおよび押さえ板の濡れ性を光素子より高くしたときの本発明の別の実施形態の光結合器の製造方法の1ステップを示す工程図である。 従来の光結合手段の一例を示す図である。 従来の光結合用の光導波路を形成する例を示す図である。 従来の光結合用の光導波路を形成する例を示す図である。
符号の説明
100 光結合器
110a、110b、210a、310a 光導波路
111a、111b コア
112a、112b、212a、312a クラッド
113a、113b 光結合面
114 コア用樹脂
115 クラッド用樹脂
120、901、911 光素子
120a 受発光面
121 光素子搭載用基板
130 光回路基板
131、902 光伝送路
132 封止樹脂電気回路基板
133 開口部
134 反射面
141,914 マスク
141a 光透過部
142a、142b 堰止部
143 押さえ板
151 はんだ
152 接着剤
160 隙間
147、247 層状クラッド

Claims (5)

  1. 電気回路基板と、前記電気回路基板に略平行に設けられた光伝送路とを備えた光回路基板に、光素子を光結合させるための光導波路を備えた光結合器の製造方法であって、
    前記光素子の受発光面または前記電気回路基板の開口部に前記光導波路のコアを形成する第1のステップと、
    クラッド用樹脂を前記コア周辺に配置する第2のステップと、
    前記クラッド用樹脂を硬化して前記光導波路のクラッドを形成する第3のステップと、前記光素子の受発光面または前記電気回路基板の開口部の周囲に前記コアの長さに略等しい高さの堰止部を形成する第4のステップと、
    前記クラッド用樹脂の濡れ性が少なくとも前記堰止部に対するものより高い押さえ板を前記コア上部に配置する第5のステップと、を含み、
    前記第4のステップを少なくとも前記第2のステップより先に行い、
    前記第5のステップを少なくとも前記第3のステップより先に行う
    ことを特徴とする光結合器の製造方法。
  2. 前記押さえ板は、前記コアの光結合面と対向する領域を含む所定の領域がその外周の領域よりも前記クラッド用樹脂に対する濡れ性が高くなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の光結合器の製造方法。
  3. 前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記コアの方が前記堰止部より高い
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の光結合器の製造方法。
  4. 前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記押さえ板の方が前記堰止部より高い
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光結合器の製造方法。
  5. 前記クラッド用樹脂に対する濡れ性は、前記コアの方が前記光素子および前記光回路基板より高い
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光結合器の製造方法。
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