JP5253945B2 - 延焼防止装置および排水配管構造 - Google Patents

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Description

本発明は、高層集合住宅または事務所ビル等で各階において発生する排水を集合させ下階に送り出す排水配管構造および排水配管構造に使用される延焼防止装置に関する。
例えば高層住宅では、上階と下階との防火区画等である床スラブを貫通する排水配管が設けられている。各階で発生する生活排水は、各階で横枝管から排水集合管に集められる。各階で集められた排水は、排水集合管に接続された立管により順次下層の階に送られて、ベンド管および排水横主管を経て下水管に送り出される。
ところで、高層住宅の上下階を隔てる防火区画を貫通して設けられる排水配管は、下階で発生した火災が排水配管内を通して上階に延焼しないことが求められる。そのため、従来、床スラブを貫通して設置される排水集合管、上下の床スラブに設けられたそれぞれの排水集合管に接続される立管および横枝管の一部には、いずれも不燃材料で製造されたものが使用されていた。
不燃材料で製造された立管および横枝管としては、一般に、鋳鉄管、鋼管等の金属製の排水管が使用される。また、近年、軽量なことから、硬質塩化ビニル樹脂製の内管を繊維入りモルタルの外管で被覆した耐火二層管が使用されることも多くなっている(特許文献1)。
特開2005−282330号公報
金属材料で製造された管および耐火二層管は、不燃性であることから高層住宅等における立管および横枝管として使用するのに適している。しかし、金属材料で製造された管は、重いことから運搬の自由度が低く、施工現場における寸法合わせ等の加工作業が容易ではないという問題がある。また、耐火二層管は、寸法合わせのための切断作業において内
管および外管を別々に切断しなければならず作業が繁雑になり、また切断時に外管のモルタルから粉塵が発生する等の問題がある。
これらの不燃材料で製造された管に比べて、硬質塩化ビニル樹脂等の可燃性樹脂で製造された管は、切断等の加工性および価格の点で優れる。しかし、樹脂で製造された立管および横枝管は、これらが施工された階で火災が発生すると燃焼し焼失する。そして、立管が燃焼すると、火炎は排水集合管を通って上階の樹脂で製造された立管および横枝管を燃焼させる。このように、立管および横枝管に樹脂で製造された管を使用すると、上下階を隔てる防火区画で火災をくい止めることができないという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、高層住宅等の建築物において、排水用の立管として可燃性の樹脂製管を使用しても下階で発生した火災の上階への延焼を防止することが可能な延焼防止装置および排水配管構造を提供することを目的とする。
本発明に係る延焼防止装置は、排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、前記ケースは、前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、互いに対向する平面を有し前記立管を貫通させたとき前記ケースの他の一部に連続または密着した1対の支持部と、を備え、前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、前記回動支持部は、それぞれの前記支持部の前記上流側にそれぞれ備えられており、前記回動支持部ごとの前記遮断部材は、それぞれが同一形状の略矩形の板状の遮断部を有して前記略矩形の対向する端縁が当接して前記1対の支持部における前記互いに対向する平面の間を閉じることにより前記ケースの内外を遮断するように形成され、前記錘は前記保持部に保持されており、前記ケースおよび前記遮断部材は、前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記ケースの内外を遮断するように形成されている。
ここで、前記ケースの内外とは、延焼防止装置が排水集合管の排出側に連結されたときに、立管が無かったとしたら排水集合管にそのまま連通するケースの内部を「内」とし、ケースの外側を「外」としたものである。すなわち、「ケースの内外を遮断する」とはケースを隔てて貫通している立管の上下方向においてケースの開口部を遮断することを意味するものである。
前記ケースとは、遮断部材を完全に収納し可動部分が外部に露出しない状態を構成できるものを意味する。また遮断とは、実質的に延焼を防止できる程度に閉じられていればよく、完全に閉じていない場合も含むものとする。
本発明に係る他の延焼防止装置は、排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、前記ケースは、前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、前記立管の下流側において前記ケースの他の一部に連続する円筒状の支持部と、を備え、前記回動支持部は、前記支持部の上流側にその周方向に等間隔に複数設けられており、前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部、および前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部からなる同一形状のものが前記回動支持部と同数備えられて、その平面視の形状が、前記回動支持部と同数が組み合わされたとき前記支持部の内径と略同じ大きさの径の円となる分割円であり、かつ前記立管と前記支持部との間に収容可能に湾曲した遮断部を有し、前記錘は前記保持部に保持されており、前記ケースおよび前記遮断部材は、前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮断部が前記ケースの内外を遮断するように形成されている。
当該延焼防止装置において、前記錘は、前記支持部に外嵌されて前記支持部の軸方向に移動可能とするのが好ましい。
発明に係る他の延焼防止装置は、排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、前記ケースは、前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部を備え、前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、前記錘は前記保持部に保持されており、かつ前記ケースおよび前記遮断部材は、前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮断部が前記ケースの内外を遮断するように形成され、前記ケース内に、火災時に膨張して前記遮断部材が前記ケースの内外を遮断する方向に回動するのを補助するための熱膨張性耐火材が備えられている。
本発明に係る他の延焼防止装置は、排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、いずれも前記ケース内に収容された、回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、前記ケースは、前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部を備え、前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、前記錘は、前記遮断部材を回動させる錘本体が前記ケースに前記立管を貫通させた状態における前記回動支持部の前記立管についての下流側に配され、固定されることなく前記保持部に保持されており、かつ前記ケースおよび前記遮断部材は、前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮断部が前記ケースの内外を遮断するように形成されている。
延焼防止装置には、前記排水集合管の下端部に取り付けられた後において少なくとも前記ケースの外周を被覆可能な断熱材が付属するのが好ましい。
また、前記遮断部材の数は6であるのが好ましい。
本発明に係る排水配管構造は、不燃材料で形成され建築物の床スラブに埋設された排水集合管と、可燃性樹脂で形成され前記排水集合管の下部に接続された立管と、前記立管が貫通するケースを備えて前記排水集合管の下端部に取り付けられた延焼防止装置と、断熱材と、でその基本が構成され、前記延焼防止装置は、前記ケース内に収容され回動可能な遮断部材と、前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、を備え、前記遮断部材は、前記立管が除かれて前記回動支持部廻りに回動したときに前記ケースの内外を遮断するように形成されており、前記断熱材は、少なくとも前記ケースの外周を被覆する。
本発明によると、排水用の立管として可燃性の樹脂製管を使用しても下階で発生した火災の上階への延焼を防止することが可能な延焼防止装置および排水配管構造を提供することができる。
〔実施例1〕
図1は排水配管構造1の概要を示す図、図2は延焼防止装置2の正面断面図、図3は図2におけるA−A矢視断面図、図4は図2におけるB−B矢視断面図、図5は図2におけるC−C矢視断面図、図6は遮断部材19が支持部27に支持される様子を示す図、図7は遮断部材19の平面図である。ここで、図4および図5は、延焼防止装置2内を立管4が貫通している状態が示されている。
図1において、排水配管構造1は、排水集合管3、立管4、横枝管5および延焼防止装置2等を1単位として構成される。各階を区画する床スラブ6ごとに設置された排水配管構造1は、下層の階から上層の階に順次接続されて、高層建築物の上層の階から下層の階までの一貫した排水配管システムを形成する。
なお、以下の説明において、1単位の排水配管構造1を構成する立管4、横枝管5は、いずれも排水集合管3の床スラブ6上面から突出する部分(排水の流入側)に接続された
ものであり、延焼防止装置2は、床スラブ6に埋設された排水集合管3におけるこの床スラブ6から下方に突出する部分(後に説明する立管下部接続部16)に設けられたものである。
1単位の排水配管構造1を便宜的にこのように規定したが、構成する排水集合管3を1つ下の床スラブ6dに埋設されたもの(3d)として、立管4をこの排水集合管3(3d)の上端(立管上部接続部13)に接続されたもの(4d)と解し、延焼防止装置2を、1つ上の排水集合管3とこの立管4dとの連結部分に設けられた延焼防止装置2と解してもよい。
さて、排水集合管3は、各階に設けられた横枝管5から流入する排水を上層の階から流下する排水に合流させ、合流した排水を下階の立管4に流下させるためのものである。
排水集合管3は、建築物の上階Fdと下階とを区画する防火区画である床スラブ6を貫通する貫通孔11内に固定されている。排水集合管3は、前述したように上部が床スラブ6の上面より上に突出し、下部が床スラブ6の下面より下に突出している。貫通孔11とその中に収容された排水集合管3との間には、モルタル、セメントまたはセメントモルタル等の不燃性充填材料12が充填される。排水集合管3は、立管4を接続するための立管上部接続部13および横枝管5を接続するための横枝管接続部14を、床スラブ6の上面に突出する上部に有する。
排水集合管3は、横枝管接続部14を1つまたは複数有するが、横枝管接続部14を有しないものとしてもよい。この場合、排水配管構造1は、横枝管5を含まないものとして構成される。
排水集合管3は、断面が円形であって下方に開口する孔である受け口を備えた立管下部接続部16を下部に有する。また、立管下部接続部16の下端外周にはフランジ17が一体化されている。なお、排水集合管3は、断面の形状が矩形であってもよい。
排水集合管3は、鉄の鋳物や鋼、ステンレス鋼等により製作される。
立管4は、下階の床スラブ6に固定された排水集合管3とその上階Fの床スラブに固定された排水集合管とを接続するためのものである。
横枝管5は、設置された階のトイレ、洗面所および風呂場等で発生する排水を排水集合管3に送るためのものである。
立管4および横枝管5は、いずれも可燃性の塩化ビニル樹脂で製作された円管が使用される。立管4および横枝管5に、他の可燃性の樹脂を使用してもよい。立管4および横枝管5のいずれかに耐火二層管または遮音シート巻樹脂管を使用してもよい。
立管上部接続部13と立管4との接続は、立管4の端部が立管上部接続部13内に挿入されることにより行われる。横枝管接続部14と横枝管5との接続は、横枝管5の端部が横枝管接続部14内に挿入されることにより行われる。排水集合管3と立管4との接続、および排水集合管3と横枝管5との接続は、公知の他の方法で行うことができる。
図2〜図5を参照して、延焼防止装置2は、本体7および接続部8からなる。図4および図5における延焼防止装置2は、排水配管構造1におけるものであるが、内部を貫通する立管4を無視して図示されたものである。
なお、以下の説明において図2における上を上または上方、下を下または下方、および上下方向を上下方向という。また、図2における横方向を横方向といい、図3における上下方向を幅方向という。したがって、図4および図5において横の方向は延焼防止装置2においては幅方向となる。
本体7は、ケース18、2つの遮断部材19,19、2つの錘20,20および4つの熱膨張性耐火材21,21で構成される。
ケース18は、外観が直方体の箱状であって上面が開放され、下底(底に相当)25に円形の立管孔26が設けられている。立管孔26は、内径が延焼防止装置2の取付対象である立管4の外径よりもわずかに大きい。
ケース18の内部には、矩形状の平板で形成され、側面に平行にかつ立管孔26を挟んで対向するように下底25から垂直に立ち上がる2つの支持部27,27が設けられている。支持部27,27は、それぞれの幅方向端がケース18に接続されている。ケース1
8の幅方向の両側における2つの支持部27,27に挟まれた部分は、他の部分よりも厚みを有して内方に張り出している。
なお、この支持部はケースと一体成形品として製作する方法以外に、別部材として製作してケースに組み込んで用いても良い。
また、支持部27,27は、それぞれの幅方向端が、1対の連結材28,28により連結されている。連結材28は、細長い板材で形成され、幅方向の端縁をケース18における支持部27,27間の内面に当接させて支持部27,27に固定されている。支持部27の上端には、幅方向中央から両側に広い範囲に渡って帯状の切り欠きを備えている。切り欠きとなった部分の幅方向に長く続く端面29は、図6によく示されるように、断面が上に凸状の曲面となっている。
図6および図7を参照して、遮断部材19は、遮断部30および保持部31からなる。
遮断部30は、金属製の板材で製作され、平らな平板部32、1対の側面部33,33および1対の収容部34,34からなる。平板部32は、図4を参照して、時計回りに図4におけるa〜jを結ぶ形状、つまり同一形状の2つの台形をそれぞれの上底で接続し、さらにそれぞれの下底に、下底の長さを長辺とする長方形を接続した形状を有する。
側面部33,33は、平板部32の幅方向両端におけるそれぞれの上下の端から平板部に直交し、かつ上の端からは直下に対し45度で、下の端からは直上に対し45度で延びて平板部32の上下方向略中央で略直交し連続する、一定の幅を有する帯状の部分35を備える。また、側面部33には、その帯状の部分35の上半分および下半分のいずれからも、外側の端縁に連続し帯状の部分35に直交して外方に拡がるそれぞれ矩形の当接部36a,36bが含まれる。
収容部34,34は、遮断部30の幅方向両側にそれぞれ設けられる。一方の側の収容部34は、平板部32の幅方向一方の側における、平板部32の上半分の形状台形の側面相当端縁と側面部33の上半分における内側(平板部32側)端縁とを繋ぐ略正三角形の部分37a、および平板部32の下半分における形状台形の側面相当端縁と側面部33の上半分における内側(平板部32側)端縁とを繋ぐ略正三角形の部分37bが、平板部32の上下中央で略120度の角度を有して連続して形成されている。他方の側の収容部34も同じ構成である。収容部34は、平板部32と側面部33とが直交する角(かど)に四面体の空間38を形成する。
保持部31は、平板部32の上端に所定の幅で連続し、支持部27に対して側面部33とは反対側の斜め上方に延びた、全体として幅方向に長い矩形状の部分である。ここで、所定の幅とは、本体7の支持部27における、切り欠きとなった部分の端面29の長さよりも若干小さな寸法である。保持部31は、幅方向の両側における平板部32の上端から支持部27の厚さの略2倍離れた位置から、幅方向外方に拡がる係止部39,39を有する。それぞれの係止部39,39は、幅方向における平板部32の端に相当する位置まで延び、係止部39のねもとには、上方に隆起して横方向に続く隆起帯40が設けられている。
遮断部材19は、遮断部30が支持部27よりも内方になるように、および保持部31が支持部27よりも外方になるようにして、支持部27の端面29に載せられてケース18に収容される。遮断部材19は、図3および図5に示されるように、幅方向両側の係止部39,39が、支持部27における端面29よりも幅方向外方の上部への張り出し部分43,43に係止されて、支持部27からの落下が防止されている。
錘20は、外殻部41および錘本体42からなる。
外殻部41は、遮断部材19における幅方向両側の隆起帯40,40間の距離より若干小さな幅を有する矩形の金属製の板材が、長手方向(前記「幅」の方向に直交する方向)一方が若干長くなるように2つに曲げ加工されて製作されている。他方の端に比べて突き出た一方の端近傍は、他方の端と反対側に断面「U」字状に折り曲げられ鉤部44が形成されている。
2つに曲げ加工された外殻部41が重なる部分は、その間に空間が設けられており、この空間に錘本体42が挟み込まれて固定されている。錘本体42は、比重が大きな不燃材
料、錘20においては鉄等が使用される。なお、外郭部41、錘本体42は別部材で形成せずに、一体成形したものを用いても良い。
錘20は、錘本体42が遮断部材19における保持部31の下方に差し入れられ、鉤部44が保持部31の隆起帯40,40間に掛けられて、ケース18に収容される。
熱膨張性耐火材21は、所定温度以上、例えば200℃以上になったときに膨張してその体積が5〜40倍に増加する、熱膨張黒鉛を含有するゴム系材料や樹脂製材料等からなるものが使用される。熱膨張性耐火材21は、遮断部材19における収容部34が形成する四面体の空間38に収容され、接着剤または両面テープにより収容部34に固着されている。
遮断部材19を、収容部34,34が設けられていない、平板部32が矩形であるものとしてもよい。
延焼防止装置2は、排水配管構造1に組み入れられる前に、遮断部材19が錘20により支持部27の端面29廻りに回動するのを防止するために、ケース18の下底25からネジ50,…,50にて固定されている。
接続部8は、蓋部45およびフランジ46からなる。
蓋部45は、内径が立管4の外径より若干大きな管状の部分(以下「管状部」という)47と、管状部47の一方の端に連続する断面矩形の枠状の部分(枠部)48とで構成されている。管状部47は、接続部8が本体7と一体化されたときに、その軸心が立管孔26の中心と一致するように形成されている。
フランジ46は、延焼防止装置2を排水集合管3に取り付ける際に、立管下部接続部16に一体化されたフランジ17にボルト49等により一体化するためのものである。
接続部8は、枠部48が、遮断部材19,19、錘20,20および熱膨張性耐火材21,21等が収容されたケース18の四方外面と嵌め合わされて、ネジにより本体7に固定されている。
延焼防止装置2は、排水配管構造1においては、延焼防止装置2の立管孔26、管状部47およびフランジ46を貫通する立管4とともに、排水集合管3の立管下部接続部16に取り付けられる。延焼防止装置2が排水集合管3に取り付けられた後に、延焼防止装置2の動作を可能とするために、ケース18の下底25からネジ50,…,50が取り除かれる。
次に延焼防止装置2を有する排水配管構造1における延焼防止について説明する。
図8は動作した延焼防止装置2の正面断面図、図9は動作した延焼防止装置2の図2におけるA−A矢視断面図である。
図1において、下階Fdで火災が発生し排水配管構造1が設置された場所に火炎が到達すると、可燃性の樹脂で製作された立管4dおよび横枝管5dは燃焼し始める。立管4dの大部分が燃焼し焼失すると、それまで錘20による支持部27の端面29廻りの回動を立管4dによって妨げられていた1対の遮断部材19,19は、互いに接近する方向に回動する。また、立管4dが落下または焼失する過程で、熱膨張性耐火材21は、周囲の火炎等により加熱されて温度が上昇し膨張を開始する。膨張する熱膨張性耐火材21,21は、収容部34,34を内方に押し出し、錘20による遮断部材19の回動を補助する。
回動する両遮断部材19,19は、やがて一方の下側の当接部36bが他方の下側の当接部36bに当接し、平板部32が重なり合うのを防止して、適切に支持部27,27間を閉じる。また、遮断部材19,19のそれぞれの上側の当接部36a,36aが連結材28の下面に当接することによって、遮断部材19,19の過度の回動が防止され、同時に、排水集合管3に連通するケース18の内側と、火災が生じたケース18の外側とが遮断される。
このように、延焼防止装置2は、火災時に、錘20,20がその自重により遮断部材19,19を回動させ、熱膨張性耐火材21がその膨張により遮断部材19,19の回動を補助して、延焼防止装置2内における上階Fuの排水集合管3に連通する流路を遮断する。
なお、熱膨張耐火材21,21はあくまでも補助的に設けているものであって、熱膨張
耐火材21,21を設けずに錘20のみで動作させることができる。
したがって、延焼防止装置2を備えた排水配管構造1は、下階Fdに火災が発生しても、上階Fuの立管4および横枝管5の内部に火炎が到達するのが阻止される。
すなわち、排水集合管3が不燃性材料にて形成されているため、一時的にケース18内に炎が入り込んでも排水集合管3が延焼防止領域として働くため、延焼防止装置2の一連の動作を完了し遮蔽部30,30が閉まるまでの間においても上階へ燃え広がることが防止できる。
延焼防止装置2のこの働きにより、延焼防止装置2を有する排水配管構造1は、立管4,4dおよび横枝管5,5dを可燃性材料で構成した場合であっても、上階Fuへの延焼を防止することができる。
また、延焼防止装置2は、遮断部材19,19が排水集合管3に近い側、つまり排水配管構造1に組み入れられたときに上になる側、を回動支点として支持部27,27間を閉じるように動作するため、すなわち遮断部材を下流側から上流側に回動させることにより排水管路を閉塞させるため、より上階から排水集合管3に流入する排水を一時的に排出することが可能である。そのため、延焼防止装置2は、火災階より上階においても、排水詰まり等の障害が生じるおそれがない。
〔実施例2〕
図10は他の実施形態による延焼防止装置2Bの正面断面図、図11は動作前後の延焼防止装置2Bの平面断面図、図12は動作後の延焼防止装置2Bの正面断面図である。ここで、図11(a)は動作前、図11(b)は動作後の、いずれも図10におけるD−D矢視断面図である。
以下の説明において図10および図12における上を上または上方、下を下または下方、および上下方向を上下方向といい、水平方向を横方向という。また、図11における上下方向を幅方向という。
延焼防止装置2Bは、本体7Bおよび接続部8Bからなる。
延焼防止装置2Bにおける先に説明した延焼防止装置2と同一の構成を有する部分については、図10〜図12で延焼防止装置2におけると同一の符合を付し、その説明を省略する。
延焼防止装置2Bにおける本体7Bは、ケース18B、2つの遮断部材19B,19B、4つの付勢部材22B,…,22Bおよび2つの熱膨張性耐火材21B,21Bで構成される。
ケース18Bは、外観が直方体の箱状であって上面が開放され、下底(底に相当)25に円形の立管孔26が設けられている。
ケース18Bの内部には、矩形状の平板で形成された2つの支持部27B,27Bが、ケースの横方向の内面に接するように、平行にかつ立管孔26を挟んで対向して、下底25から垂直に立ち上げられている。支持部27B,27Bは、一方の端がケース18Bの幅方向一方の内面に接続され、他方の端がケース18Bの幅方向他方の内面に接続されている。
支持部27Bの上部は、内方に略直角に折り曲げられ、その先端で、幅方向に延びる支持軸23Bを有して遮断部材19Bの一端を回動可能に保持している。
これら支持部は別部材としてケースに組み込む方法とともに、ケースと一体的に形成する方法で製作しても良い。
遮断部材19B,19Bは、全体として矩形の平板で形成されている。遮断部材19B,19Bは、2つが1対として観音開きの扉のように支持軸23B,23B廻りに回動し、回動して水平になった場合に、支持部27B,27B間を閉じることができるように形成されている。
付勢部材22B,…,22Bには、ねじりコイルバネが使用される。付勢部材22Bは、コイル部分に支持軸23Bを貫通させ、一方のアームが支持部27Bの上端に、他方のアームが遮断部材19Bに係止されることにより、遮断部材19Bを、重力に抗して上方に回動するように付勢している。付勢部材22Bは、2つが1組となって1つの遮断部材
19Bを付勢する。
回動力付勢部材としては、ねじりコイルバネ以外にも、スプリング、板バネ、形状記憶合金または熱膨張性耐火材等の部材を使用してもよい。
熱膨張性耐火材21Bは、略直方体状に成形された、例えば200℃以上になったときに膨張してその体積が5〜40倍に増加する部材である。熱膨張性耐火材21Bは、延焼防止装置2Bが排水配管構造に組み込まれたとき、支持部27Bと立管4との間に位置するように配されている。
接続部8Bは、蓋部45Bおよびフランジ46からなる。
蓋部45Bは、内径が立管4の外径より若干大きな管状の管状部47、管状部47の一方の端に連続する断面矩形の枠状の部分(枠部)48、および係合部24Bで構成されている。係合部24Bは、管状部47と枠部48とを連続させる(水平な)段部60Bを内方に拡大した矩形の板に、その幅方向の中央に、立管4の外径より僅かに大きな曲率を有する凹状湾曲面61Bを設けたものである。蓋部45Bは、段部60Bが支持軸23Bの直上となるように、つまり係合部24Bが上下方向については支持軸23Bの直上となるように形成されている。
排水配管構造において、延焼防止装置2Bは、立管4を管状部47、対向する2つの係合部24B,24Bの間および立管孔26を貫通させて排水集合管3に取り付けられる。延焼防止装置2Bは、その内部を貫通する立管4により、遮断部材19B,19Bが付勢部材22B,…,22Bの付勢力を蓄えた状態に維持される。
延焼防止装置2Bは、火災時に次のように動作する。
火災により、排水配管構造における可燃性の樹脂で製作された立管および横枝管が焼失する過程で、熱膨張性耐火材21B,21Bは、高温の雰囲気により加熱されて温度が上昇し膨張を開始する。遮断部材19B,19Bは、膨張する熱膨張性耐火材21B,21Bにより内方への回動、すなわち係合部24B,24B間を閉じる方向に回動を開始する。また、遮断部材19Bは、立管4が焼失すると付勢力が蓄えられた付勢部材22B,22Bによっても、内方に回動する。
回動する両遮断部材19B,19Bは、それぞれが係合部24B,24Bの下面に当接して回動を停止する。遮断部材19B,19Bは、係合部24B,24Bに係止され、観音開きの扉が閉じたような状態で、係合部24B,24B間を閉じる。延焼防止装置2Bのこの動作により、排水集合管3に連通するケース18の内側と、火災が生じたケース18の外側とが遮断される。
延焼防止装置2Bを有する排水配管構造は、上階の立管4および横枝管に可燃性材料で製作されたものを使用しても、これらに火炎等が到達せず、上階への延焼を防止することができる。
延焼防止装置2Bは、閉じた後にも、より上階から排水集合管3に所定の量の排水が流入した場合にのみ一時的に開となってこれを流下させるので、延焼防止装置2は、火災階より上階において、排水詰まり等の障害が生じない。
〔実施例3〕
図13は他の実施形態による延焼防止装置2Cの正面断面図、図14は図13におけるE−E矢視断面図、図15は遮断部材19Cの平面図である。図13および図14における延焼防止装置2Cは、排水配管構造1に組み入れられたものであるが、便宜のため内部を貫通する立管4が無視されている。
延焼防止装置2Cは、本体7Cおよび接続部8Cからなる。
以下の説明において図13における上を上または上方、下を下または下方、および上下方向を上下方向という。また、図13における横方向を水平方向といい、図15における横方向を横方向という。
本体7Cは、ケース18C、6つの遮断部材19C,…,19Cおよび錘20Cで構成される。
ケース18Cは、中空の円柱であって上面に開口を有し、下方の底25Cの中心に円形の立管孔26Cが設けられている。立管孔26Cは、径が延焼防止装置2の取付対象であ
る立管4の外径よりもわずかに大きい。
ケース18Cの中空内部には、立管孔26Cの内径よりも大きな内径を有する円筒状の支持部27Cが、その軸を立管孔26Cの中心と一致させて、一端が底25Cに一体化されている。支持部27Cは、開放された他端が、ケース18Cにおける円筒状の側壁58Cの上端の高さより僅かに低い位置まで延びている。支持部27Cは、この他端に、周方向に等間隔に配された6つの切り欠き(端から軸方向に凹状に切り取った部分)29C,…,29Cを有する。切り欠き29Cは、支持部27Cの軸方向に延びて対向する2つの側面と、この側面に直交し周方向に延びた底面51Cとで形成され、底面51Cは、支持部27Cにおける径方向の内方端近傍に頂上を有する傾斜面となっている。底面51Cを、凸状の曲面としてもよい。
ケース18Cの上端近傍の外面には、雄ネジが設けられている。
遮断部材19Cは、遮断部30Cおよび保持部31Cからなる。
遮断部30Cは、平面視(図15)において頂角が略60度である2等辺三角形に似た形状であり、その底辺に相当する面は、平面視において支持部27Cの内径と略同じ曲率を有する曲線(遮断部30Cとしては曲面52C)となっている。つまり、遮断部30Cは、平面視の形状が、6つが組み合わされて支持部27Cの内径と略同じ大きさの径の円となる分割円である。また、遮断部30Cは、支持部27Cの内径よりも外径が小さく立管4の外径よりも内径が大きい円管から、その軸方向を前記した2等辺三角形の高さ方向として切り出したような、湾曲する板である。
保持部31Cは、ネック部53Cおよび係止部54Cからなる。
ネック部53Cは、曲面52Cの長手方向(図15における横方向)の中央から、湾曲する遮断部30Cの曲率中心と反対側の外方の前記した2等辺三角形の頂角とは逆側に突出しながら頂角側に向けて徐々に湾曲して延びている。ネック部53Cは、支持部27Cにおける切り欠き29Cの幅より若干狭い一定の幅を有する。
係止部54Cは、ネック部53Cの突出端に連続し遮断部20Cに略平行に前記した2等辺三角形の頂角とは逆側に延びている。係止部54Cは、同時に、ネック部53Cが突出する方向に直交する方向にも拡がっている。係止部54Cは、保持部31Cにおけるネック部53Cが突出する側の外面から少なくとも支持部27Cの厚さ以上離れた位置に設けられている。係止部54Cは、好ましくは、保持部31C側の外面が支持部27Cの外面よりも若干大きな曲率を有する曲面で形成される。係止部54Cは、ネック部53C比べて横方向両側に張り出している(図15)。この両側における張り出した部分を張出部43C,43Cという。保持部31Cの端面(図15における上方端面)55Cは、水平方向に厚さを有し、または水平方向外方(遮断部30Cから遠ざかる方向)に拡がっている。
遮断部材19Cは、遮断部30Cが支持部27Cよりも内方になるように、保持部31Cが支持部27Cよりも外方になるようにして、ネック部53Cが切り欠き29Cに嵌め込まれている。遮断部材19Cは、張出部43C,43Cが支持部27Cの外面に係止されて、支持部27Cからの落下が防止されている。
遮断部材19Cの数は6に限られず、排水配管構造1を構成する立管4の外径および支持部27Cの内径に応じて他の数、例えば4,5または7以上とすることができる。
錘20Cは、いずれも金属製の外殻部41Cおよび錘本体42Cからなる。
外殻部41Cは、円筒状の外殻56C、および外殻56Cの一方の端を閉塞する円板状の押圧部57Cからなる。外殻56Cは、その外径がケース18Cの側壁58Cの内径よりも小さい。押圧部57Cは、中心に支持部27Cの外径よりもわずかに大きな径の孔59Cを有する。
錘本体42Cは、孔59Cと略等しい内径を有する円環状の重量物である。錘本体42Cは、円環における内側の孔の中心を孔59Cの中心に一致させて、外殻部41Cにおける押圧部57Cとは逆側の端部に固定されている。
本体7Cは、次のようにして組み立てられる。
先ず錘20Cにおける錘本体42Cの孔に支持部27Cの上端を挿通させ、錘20Cを
ケース18Cの底25Cから浮かせた状態、つまり支持部27Cの上端よりも錘20Cの押圧部57Cが上に位置する状態で、支持部27Cの上端と押圧部57Cとの間から遮断部材19Cの保持部31Cを支持部27Cと外殻56Cとの間に差し入れ、6つの遮断部材19C,…,19Cのそれぞれのネック部53C,…,53Cを各切り欠き29C,…,29Cに嵌め入れる。その後、押圧部57Cの孔59Cに支持部27Cの上端を挿通させ、錘20Cを自重により下方に移動させる。このとき、錘20Cは、その押圧部57Cの下面が遮断部材19Cにおける係止部54Cの端面55Cを押圧し、遮断部材19C,…,19Cを切り欠き29C,…,29Cの底面51C,51C廻りに回動させるので、支持部27Cの内側は閉じられた状態となる。
接続部8Cは、蓋部45Cおよびフランジ46Cからなる。
蓋部45Cは、内径が立管4の外径より若干大きな管状の部分(管状部)47Cと、管状部47Cの一方の端に連続する円筒状の枠部48Cで構成されている。枠部48Cは、その内径がケース18Cの外径に近い大きさを有し、端近傍の内面にはケース18Cの上端に設けられた雄ネジに螺合可能な雌ネジが設けられている。
管状部47Cとこれよりも径大の枠部48Cとの境は段60C(「段部60C」という)となっている。
接続部8Cは、その蓋部45Cにおける雌ネジとケース18Cにおける雄ネジとが螺合されて、本体7Cと一体化されている。延焼防止装置2Cにおいては、本体Cに一体化された蓋部45Cの段部60Cの内面が支持部27Cにおける切り欠き29Cの開口の直上に位置するように構成されており、この構成により、延焼防止装置2Cを傾けまたは転倒させても、錘20Cが支持部27Cから脱落し、または外れ、切り欠き29Cから遮断部材19Cが外れるという不具合が防止されている。
延焼防止装置2Cを使用して排水配管構造1を形成する場合は、立管4と略同じ外径を有する円管であるダミー管が、取り付け前の延焼防止装置2Cにフランジ46C側から挿入される。このダミー管の挿入により、閉じられていた遮断部材19C,…,19Cは錘20Cの自重に抗して遮断部30Cが支持部27Cの内面に接するまで回動される。この遮断部材19C,…,19Cが開かれた状態のときに、立管4をケース18Cの立管孔26Cから延焼防止装置2C内に挿入し、ダミー管をフランジ46Cに押し戻すように立管4を押し進めて、最終的に立管4を延焼防止装置2Cに貫通させる。最後に、延焼防止装置2Cを貫通させた立管4とともに排水集合管3に固定する。以上の作業により、排水配管構造1における排水集合管3、立管4および延焼防止装置2Cの一体化が完了する。
この方法以外にも、分割構成されたダミー管を使用することにより、排水集合管3に設置した状態でも取り出せる様にすれば、あらかじめ延焼防止装置2Cを排水集合管3に取り付けたあとに立管4を設置することもできる。また、常温では固化する蝋材にて遮断部材19Cを支持部27Cに仮止めしておく方法もある。
排水配管構造1における延焼防止装置2Cは、先に説明した排水配管構造1における延焼防止装置2と同様に、排水集合管3の立管下部接続部16におけるフランジ17に固定される。
図16は動作した延焼防止装置2Cの正面断面図、図17は動作した延焼防止装置2Cの図13におけるE−E矢視断面図である。
高層住宅等の下階で火災が発生し、可燃性の樹脂で製作された立管4の大部分が燃焼して焼失し、または軟化して落下すると、遮断部材19C,…,19Cは、立管4によるその回動への制約がなくなり、錘20Cは降下可能となる。そこで、錘20Cは、その自重によって降下を開始し、錘20Cの降下に伴ってその押圧部57Cが遮断部材19C,…,19Cの係止部54Cを下方に押し下げる。そうすると、遮断部材19C,…,19Cは、切り欠き29Cの底面51Cを支点として回動し、やがて隣り合う遮断部材19C,19Cの遮断部30C,30Cにおける側面61Ca,61Cb同士が当接して、ケース18C内の支持部27C内側を閉塞する。
このように、延焼防止装置2Cは、火災時に、錘20Cがその自重により遮断部材19C,…,19Cを回動させ、延焼防止装置2C内で上階の排水集合管に連通する流路を遮
断する。
したがって、延焼防止装置2Cを備えた排水配管構造1は、下階に火災が発生しても、排水集合管3に接続された立管および横枝管の内部に火炎が入り込むおそれがない。延焼防止装置2Cを有する排水配管構造1は、立管4および横枝管に可燃性材料で製作されたものを使用しても、上階への延焼を防止することができる。
延焼防止装置2Cは、延焼防止装置2と同様に遮断部材19C,…,19Cが排水集合管3に近い側を回動支点として支持部27C内を閉じるように動作し、延焼防止装置2C内に流入する排水量と錘20Cとのバランスによって支持部27C内の開閉を繰り返すことが可能である。延焼防止装置2Cは、火災によって遮断部材19C,…,19Cが一旦閉じた後にも火災階より上階から排水集合管3に流入する排水を一時的に排出することが可能であり、排水詰まり等の障害が生じるおそれがない。
〔実施例4〕
図18は他の実施形態による延焼防止装置2Dの正面断面図である。図18(a)は動作前、図18(b)は動作後の断面図である。図18(a)における延焼防止装置2Dは、排水配管構造に組み入れられたものであるが、便宜のため内部を貫通する立管4を無視して図示されたものである。
延焼防止装置2Dは、上記した延焼防止装置2Cと支持部27Dの形態が異なる。
延焼防止装置2Dにおける延焼防止装置2Cと同一の構成を有する部分については、図18において延焼防止装置2Cにおけるものと同一の符合を付し、その説明を省略する。
延焼防止装置2Dにおける支持部27Dは、ケース18Dの側壁58Cの内面に直交してその外周が一体化された環状の部分(環状部)62Dと、この内側端縁に一体化され上方に延びる筒状の部分(筒状部)63Dとからなる。
延焼防止装置2Dでは、環状部62Dとケース18Dの下底25Cとの間に、環状に成形された熱膨張性耐火材21Dが収められている。
延焼防止装置2Dは、配置された階で火災が発生すると、錘20Cとともに熱膨張性耐火材21Dが膨張することによっても、遮断部材19C,…,19Cが動作して、その立管上部接続部13で可燃性の立管に接続された排水集合管3内を、火災雰囲気から遮断することができる(図18(b))。
図19は排水配管構造1を断熱材64E,65Eで保護した様子を示す図である。
排水配管構造1における延焼防止装置2,2B〜2Dをより確実に動作させるためには、延焼防止装置2,2B〜2Dが過度に加熱されるのを防止するため、図19に示されるように、配管流路におけるその前後を断熱材64E,65Eにより被覆するのが好ましい。
すなわち、コイルバネのような弾性力を有する金属の場合、耐熱材(SKD4)を使用しても400℃以上の高温にさらされると弾性力が失われて、動作しなくなるおそれがある。したがって、火災発生時から所定の時間内において、延焼防止装置2D内の温度が所定温度内におさまるように、断熱材64E,65Eで覆い、火災の熱が延焼防止装置2Dに直接およぶことを防ぐものである。また、同時に立管4が燃焼または脱落してできる開口部には、熱膨張耐火材を発泡させて塞ぎ、熱気が入り込むのを防ぐことも有効である。
また、延焼防止装置2,2B〜2Dを構成する金属板が高温にさらされることにより変形したり、強度低下をおこすのを防ぐためにも、延焼防止装置2,2B〜2D、排水集合管3および立管4の周囲に断熱材64E,65Eを巻き、温度上昇を抑えることが有効である。
上述の実施形態において、延焼防止装置2,2Bを、観音開きの扉のように回動する遮断部材19,19,19B,19Bに換えて、1つの遮断部材が片開きの扉のように回動するように形成してもよい。そのように構成された延焼防止装置であっても、延焼防止装置2,2Bと同様に、錘を用いて、遮断部材を、その排水集合管3に近い側を回動支点として回動可させ、火災時の上階への延焼を防止することができる。
接続部8,8Cは、排水集合管3との接続をフランジ48,48Cで行う形式であるが、排水集合管との接続を他の公知の形式で行うものとしてもよい。
なお、遮断部材19,19,19C,…,19Cが延焼防止装置2,2B〜2D内における排水集合管3に連通する流路を遮断する動作を「回動」と記したが、上記における「回動」は、その動作の開始から終了まで回動中心が変化しない場合のほか、遮断部材19,19,19C,…,19Cが動作する過程でその回動中心が変化する場合も含むものである。
また、遮断部材19,19,19C,…,19Cを、ケース18,18B〜18Dに支持された軸廻りに回動するものとしてもよい。この場合、遮断部材の回動中心は、回動の開始から終了まで変化しない。
その他、排水配管構造1、延焼防止装置2,2B〜2Dの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質等は、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、高層集合住宅または事務所ビル等で各階において発生する排水を集合させ下階に送り出す排水システムにて使用される延焼防止装置および排水配管構造に利用することができる。
図1は排水配管構造の概要を示す図である。 図2は延焼防止装置の正面断面図である。 図3は図2におけるA−A矢視断面図である。 図4は図2におけるB−B矢視断面図である。 図5は図2におけるC−C矢視断面図である。 図6は遮断部材が支持部に支持される様子を示す図である。 図7は遮断部材の平面図である。 図8は動作した延焼防止装置の正面断面図である。 図9は動作した延焼防止装置の図2におけるA−A矢視断面図である。 図10は他の実施形態による延焼防止装置の正面断面図である。 図11は動作前後の延焼防止装置の平面断面図である。 図12は動作後の延焼防止装置の正面断面図である。 図13は他の実施形態による延焼防止装置の正面断面図である。 図14は図13におけるE−E矢視断面図である。 図15は遮断部材の平面図である。 図16は動作した延焼防止装置の正面断面図である。 図17は動作した延焼防止装置の図13におけるE−E矢視断面図である。 図18は他の実施形態による延焼防止装置の正面断面図である。 図19は排水配管構造を断熱材で被覆した様子を示す図である。
1 排水配管構造
3 排水集合管
4 立管
18,18B〜18D ケース
19,19B,19C 遮断部材
20,20C 錘
21,21B,21D 熱膨張性耐火材
22B 回動力付勢部材(付勢部材)
23B 回動支持部(支持軸)
29 回動支持部(切り欠き部分の端面)
30,30C 遮断部
31,31C 保持部
42,42C 錘本体
51C 回動支持部(切り欠きの底面)
64E 断熱材
65E 断熱材

Claims (7)

  1. 排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、
    いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、
    前記ケースは、
    前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、
    互いに対向する平面を有し前記立管を貫通させたとき前記ケースの他の一部に連続または密着した1対の支持部と、を備え、
    前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、
    前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、
    前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、
    前記回動支持部は、それぞれの前記支持部の前記上流側にそれぞれ備えられており、
    前記回動支持部ごとの前記遮断部材は、
    それぞれが同一形状の略矩形の板状の遮断部を有して前記略矩形の対向する端縁が当接して前記1対の支持部における前記互いに対向する平面の間を閉じることにより前記ケースの内外を遮断するように形成され、
    前記錘は前記保持部に保持されており、
    前記ケースおよび前記遮断部材は、
    前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記ケースの内外を遮断するように形成されている
    ことを特徴とする延焼防止装置。
  2. 排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、
    いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、
    前記ケースは、前記立管を貫通させたとき
    前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、
    前記立管の下流側において前記ケースの他の一部に連続する円筒状の支持部と、
    を備え、
    前記回動支持部は、前記支持部の上流側にその周方向に等間隔に複数設けられており、
    前記遮断部材は、
    前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、
    前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部、および前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部からなる同一形状のものが前記回動支持部と同数備えられて、
    その平面視の形状が、前記回動支持部と同数が組み合わされたとき前記支持部の内径と略同じ大きさの径の円となる分割円であり、
    かつ前記立管と前記支持部との間に収容可能に湾曲した遮断部を有し、
    前記錘は前記保持部に保持されており、
    前記ケースおよび前記遮断部材は、
    前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮断部が前記ケースの内外を遮断するように形成されている
    ことを特徴とする延焼防止装置。
  3. 前記錘は、
    前記支持部に外嵌されて前記支持部の軸方向に移動可能な、
    請求項2に記載の延焼防止装置。
  4. 排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、
    いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、
    前記ケースは、
    前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部を備え、
    前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において、
    前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、
    前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、
    前記錘は前記保持部に保持されており、
    かつ前記ケースおよび前記遮断部材は、
    前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮断部が前記ケースの内外を遮断するように形成され、
    前記ケース内に、火災時に膨張して前記遮断部材が前記ケースの内外を遮断する方向に回動するのを補助するための熱膨張性耐火材が備えられた
    ことを特徴とする延焼防止装置。
  5. 排水集合管の排出側に連結される立管を貫通可能なケースと、
    いずれも前記ケース内に収容された回動可能な遮断部材および前記遮断部材を回動させるための錘と、を有し、
    前記ケースは、
    前記立管を貫通させたとき前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部を備え、
    前記遮断部材は、前記ケースに前記立管を貫通させた状態において
    前記回動支持部の前記立管についての下流側に延びる遮断部と、
    前記回動支持部の前記立管についての上流側に延びる保持部と、からなり、
    前記錘は、前記遮断部材を回動させる錘本体が前記ケースに前記立管を貫通させた状態における前記回動支持部の前記立管についての下流側に配され、固定されることなく前記保持部に保持されており、
    かつ前記ケースおよび前記遮断部材は、
    前記錘が自重により降下し前記遮断部材が前記回動支持部廻りに回動したときに前記遮
    断部が前記ケースの内外を遮断するように形成されている
    ことを特徴とする延焼防止装置。
  6. 前記排水集合管の下端部に取り付けられた後において少なくとも前記ケースの外周を被覆可能な断熱材が付属する
    請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の延焼防止装置。
  7. 不燃材料で形成され建築物の床スラブに埋設された排水集合管と、
    可燃性樹脂で形成され前記排水集合管の下部に接続された立管と、
    前記立管が貫通するケースを備えて前記排水集合管の下端部に取り付けられた延焼防止装置と、
    断熱材と、でその基本が構成され、
    前記延焼防止装置は、
    前記ケース内に収容されて回動可能な遮断部材と、
    前記立管の外方に位置し前記遮断部材を回動可能に支持する回動支持部と、を備え、
    前記遮断部材は、前記立管が除かれて前記回動支持部廻りに回動したときに前記ケースの内外を遮断するように形成されており、
    前記断熱材は、少なくとも前記ケースの外周を被覆する
    ことを特徴とする排水配管構造。
JP2008234965A 2008-09-12 2008-09-12 延焼防止装置および排水配管構造 Active JP5253945B2 (ja)

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