JP5252624B2 - アブレイシブウォータージェット用研掃材、それを用いたアブレイシブウォータージェット - Google Patents
アブレイシブウォータージェット用研掃材、それを用いたアブレイシブウォータージェット Download PDFInfo
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Description
しかしながら、これら研掃材を用いた場合には加工処理後に研掃材粉が発生し、そのため産業廃棄物が発生するといった課題があった。
従来、使用されている研掃材の硬さは、例えば、旧モース硬さではアルミナで9、シリカで7、シリコンカーバイドで9.5、ガーネットで7、鋳鉄グリットで7である。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
一方、本発明でいう合成マグドロクリンカーとは、水酸化マグネシウムに水酸化カルシウムをスラリー状で添加し、脱水後、成型・焼成して得られるクリンカーである。
粒子の形状は特に限定されないが、処理能力の面からも粒子表面にできるだけエッジを有することが好ましい。焼成ドロマイトの粒度は、63〜710μmが好ましく、75〜600μmがより好ましい。63μmより粒度が小さくなると、加工処理の能力が低下する傾向にある。また、710μmより粒度が大きくなると、ノズルが閉そくし易くなったり、酸溶液への溶解性が低下したりする傾向にある。
なお、本発明でいう粒度とは、日本工業規格(JIS)のJIS R 6002−1998「研削といし用研磨材の粒度の試験方法」に記載の篩い分け試験方法によって質量百分率を算出し、質量百分率が50%となるときの篩い目開き寸法をさす。
酸溶液の濃度は酸の種類により一義的に決めることはできないが、通常、0.15〜6mol/lが好ましい。濃度が0.15mol/lより低いと研掃材が溶解せず、6mol/lより高いと不経済となるため好ましくない。
振動ボールミルを用いて表1に示す粒度の研掃材を調製し、加工処理性能と酸溶解性について評価した。結果を表1に示す。
研掃材a:ドロマイト(栃木県葛生産)を1000℃に加熱した電気炉中で1時間焼成し、得られたドロマイトクリンカーをジョークラッシャーとブラウンクラッシャーを用いて粉砕したもの。比重3.0、旧モース硬さ5.0、化学組成としての成分は、MgO35%、CaO64%、Fe2O31%
研掃材b:研掃材aに炭酸カルシウム(上越鉱業社製、商品名「タンカル」)を混合し、1000℃に加熱した電気炉中で1時間焼成し、得られたクリンカーをジョークラッシャーとブラウンクラッシャーを用いて粉砕したもの。比重3.2、旧モース硬さ5.0、化学組成としての成分は、MgO25%、CaO74%、Fe2O31%
研掃材c:研掃材aに炭酸カルシウム(上越鉱業社製、商品名「タンカル」)を混合し、1000℃に加熱した電気炉中で1時間焼成し、得られたクリンカーをジョークラッシャーとブラウンクラッシャーを用いて粉砕したもの。比重3.2、旧モース硬さ5.0、化学組成としての成分は、MgO30%、CaO69%、Fe2O31%
研掃材d:研掃材aに海水マグネシア(宇部マテリアル社製、商品名「UBE98HD」)を混合し、1000℃に加熱した電気炉中で1時間焼成し、得られたクリンカーをジョークラッシャーとブラウンクラッシャーを用いて粉砕したもの。比重3.3、旧モース硬さ5.0、化学組成としての成分は、MgO60%、CaO39%、Fe2O31%
研掃材e:研掃材aに海水マグネシア(宇部マテリアル社製、商品名「UBE98HD」)を混合し、1000℃に加熱した電気炉中で1時間焼成し、得られたクリンカーをジョークラッシャーとブラウンクラッシャーを用いて粉砕したもの。比重3.4、旧モース硬さ5.5、化学組成としての成分は、MgO85%、CaO15%
研掃材f:ガーネット、宇部サンド工業社製、商品名「ガーネット」、比重4.0、旧モース硬さ7、化学組成としての成分は、SiO236%、Al2O320%、Fe2O334%、MgO7%、CaO3%
酸溶液A:塩酸、和光純薬工業社製、商品名「6mol/l塩酸」
水:蒸留水
粒度:篩い目開き寸法が53〜1000μmであるJIS Z8801−2006「試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい」に規定する試験用網ふるい18種類を用意し、篩い目の小さな篩いから順に受け皿へ積み重ねる。試料を1段目の篩いに入れ、ロータップ試験機(衝動数156回/分、回転数290回/分)を用いて5分間振とうする。各々の篩いと受け皿上の試料重量をはかり、質量百分率を求める。求めた質量百分率から、50%となるときの篩い目開き寸法を粒度とした。
加工処理性能試験:ウォータージェット加工機(フロージャパン社製、インテグレーテッド・フライング・ブリッジ、吐出圧力:200MPa、研掃材供給量:1.0kg/分)を用いてSUS製の基板(厚さ20mm、幅50mm)を幅方向に切断して評価した。5分未満に切断した場合を良、5分以上10分未満で切断できた場合をやや良、10分を経過しても切断できなかった場合を不良とした。
酸溶解性試験:酸溶液を入れたビーカーに研掃材を投入し、マグネチックスターラーを用いて20℃環境下で12時間撹拌した。撹拌後、研掃材と酸の混合物を、アスピレーターを用いて吸引ろ過し、未溶解の研掃材の量から次式を用いて溶解率を算出した。
溶解率(%)=(酸溶液に投入した研掃材の量(部)−酸溶液に未溶解の研掃材の量(部))/酸溶液に投入した研掃材の量(部)×100
酸溶液(塩酸)の濃度を表2に示すように変化したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示す。
酸溶液/研掃材比を表3に示すように変化したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
酸溶液の種類を表4に示すように変化したこと以外は、実施例1と同様に行なった。結果を表4に示す。
酸溶液B:硫酸、和光純薬工業社製、商品名「1mol/l硫酸」
酸溶液C:硝酸、和光純薬工業社製、商品名「1mol/l硝酸」
酸溶液D:酢酸、和光純薬工業社製、商品名「1mol/l酢酸」
Claims (3)
- 化学組成としてMgO成分を30%以上含有し粒度が63〜710μmである酸溶液に溶解することを特徴とする、焼成ドロマイトを含有するアブレイシブウォータージェット用研掃材。
- 請求項1に記載の研掃材を用いるアブレイシブウォータージェット。
- 化学組成としてMgO成分を30%以上含有し粒度が63〜710μmである酸溶液に溶解する焼成ドロマイトを含有するアブレイシブウォータージェット用研掃材を用いてなる、アブレイシブウォータージェットの加工処理性能が良好であり、かつ、加工処理後に発生する産業廃棄物を低減する方法。
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