JP5252313B2 - 高圧ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関(以下「エンジン」という)に用いられる高圧ポンプに関する。
従来、エンジンへ燃料を供給する燃料供給装置は、高圧燃料を圧送する高圧ポンプを備える。高圧ポンプは、カムシャフトの回転によって往復移動するプランジャを備えるのが一般的である。高圧ポンプの動作は、具体的に、プランジャが上死点から下死点へ移動するときにポンプ内の燃料ギャラリから加圧室へ燃料を吸入する吸入行程、プランジャが下死点から上死点へ向かうときに一部の低圧の燃料を燃料ギャラリへ戻す調量行程、及び、吸入弁を閉じてからさらに上死点へ向かうプランジャによって燃料が加圧される加圧行程に大別される。
ところで、燃料ギャラリへは通常インレットから燃料が供給されるが、この供給量は、高圧ポンプ上流側の低圧ポンプのポンプ性能によって決まってくる。このとき、エンジン回転数が大きくなり、カムシャフトの回転数が大きくなると、プランジャが高速で往復移動することになるため、インレットから供給される燃料だけでは、吸入行程において加圧室を満たすだけの燃料が吸入できなくなる虞がある。
このような問題を解決するための技術として、プランジャが補助的なポンプ機能を果たし、インレットからの燃料とは別に燃料ギャラリへ燃料を送り出す高圧ポンプが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、燃料ギャラリに、パルセーションダンパと呼ばれるダンパ部材が配設された高圧ポンプが提案されている。ダンパ部材は、皿状のダイアフラム(仕切壁)の端部を内部に空間が形成されるように溶接して形成される。内部の空間には、ヘリウムガスやアルゴンガスが封入されるのが一般的である。
ここでダイアフラムは薄板の金属であるため、内部のヘリウムガスやアルゴンガスガスの圧力と外部の燃料ギャラリの燃料圧力とによって、端部を除くダイアフラムの可動部が、外側又は内側へ移動する。この可動部の移動によって、ダンパ部材の膨張、収縮が実現される。
具体的には、上記吸入行程では、加圧室の容積が増加することで燃料ギャラリ内の圧力が下がるため、ダンパ部材は膨張し、燃料の吸入効率の向上に寄与する。一方、上記調量行程では、加圧室の容積が減少することで加圧室内の燃料が燃料ギャラリに戻されることで燃料ギャラリ内の圧力が上がるため、ダンパ部材は収縮し、燃料の脈動の抑制に寄与する。
特表2008−525713号公報
しかしながら、上記特許文献1の補助的なポンプ機能により燃料ギャラリの中央部へ燃料を供給する構成に対し、上述したダンパ部材を設けることを考えた場合、燃料供給によってダンパ部材の機能が阻害される虞がある。具体的には、吸入行程において補助的な燃料供給がなされると、燃料ギャラリへ供給された燃料がダンパ部材に衝突し、ダンパ部材の膨張を阻害する虞がある。例えば、エンジンの高速回転時には、プランジャが高速で往復移動し、供給される燃料の流速が大きくなるため、特に、ダンパ部材の機能が阻害されやすい。結果として、吸入効率の低下や燃圧脈動の増加を招来することが懸念される。
本発明は上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、プランジャが補助的なポンプ機能を果たしつつ、ダンパ部材の機能も十分に発揮される高圧ポンプを提供することにある。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の高圧ポンプでは、ハウジングに、燃料が供給される燃料ギャラリ、燃料を加圧する加圧室、及び、燃料ギャラリから加圧室までを接続する吸入通路が形成されている。
加圧室の容積変化は、プランジャの大径部によって作出される。プランジャの小径部は、大径部よりも小径の部分であり、大径部と一体に、加圧室の反対側に形成されている。
オイルシールホルダは、プランジャに対応させてハウジングに取り付けられる。このオイルシールホルダに囲繞されるシール部材が、上述したハウジングと共に、プランジャの小径部の周囲に、可変容積室を形成する。この可変容積室から燃料ギャラリまでを接続するのが容積室通路である。これにより、プランジャによって加圧室の容積が増加すると、可変容積室の容積が減少し、可変容積室から容積室通路を経由して燃料ギャラリへ燃料が供給される。
このような構成の下、本発明では、ダンパ部材が、燃料ギャラリの内部に配設されている。ダンパ部材は、燃料ギャラリ内部の燃料圧力の変化により膨張又は収縮する。ここで特に、本発明では、燃料の流動が相対的に大きくなり得る容積室通路の延長領域を燃料ギャラリ内部に想定し、当該延長領域からダンパ部材の可動部が外れるよう構成されている。ここで延長領域は、例えばプランジャが高速移動する場合等に、燃料の流動が大きくなる領域であり、容積室通路の形状等に基づいて燃料ギャラリの内部に想定することができる。
本発明によれば、燃料の流動が大きくなり得る延長領域からダンパ部材の可動部が外れているため、たとえ燃料の流動が大きくなったとしても、ダンパ部材の機能が阻害されることを抑制できる。その結果、プランジャが補助的なポンプ機能を果たしつつ、ダンパ部材の機能も十分に発揮される。
ここでダンパ部材の可動部とは、高圧ポンプが通常作動している燃料インレット圧により燃料ギャラリ内に生じる燃料圧力でダンパ部材の各ダイアフラムが変位する範囲をいう。
具体的には、請求項2に示すように、ハウジングに対し、延長領域からダンパ部材の可動部が外れるように燃料ギャラリを形成することが例示される。つまり、燃料ギャラリの所定位置にダンパ部材が配置されることを前提とし、燃料ギャラリの形成位置を変えることで、ダンパ部材と容積室通路の延長領域との位置関係を調整するのである。このようにすれば、プランジャが補助的なポンプ機能を果たしつつ、ダンパ部材の機能も十分に発揮される。
また、請求項3に示すように、ハウジングに対し、延長領域からダンパ部材の可動部が外れるように、プランジャの軸方向に対し傾斜する容積室通路を形成することが例示される。この場合は、容積室通路を傾斜されることで、ダンパ部材と容積室通路の延長領域との位置関係を調整する。このようにすれば、プランジャが補助的なポンプ機能を果たしつつ、ダンパ部材の機能も十分に発揮される。
さらに、請求項4に示すように、延長領域が、ダンパ部材における支持部材よりも可動部側の部分から外れると共に、支持部材に向かうように容積室通路を形成してもよい。
このようにすれば、プランジャがさらに高速移動し、可変容積室から燃料ギャラリに噴出する燃料の流動が大きくなったとしても、ダンパ部材のダイアフラムの動きが阻害されることがない。これにより、吸入行程時には、ダンパ部材による吸入アシスト効果とともに、可変容積室による燃料供給効果のどちらも十分に得られる。したがって、吸入効率が向上する。
また、可変容積室から燃料ギャラリに噴出する燃料は、支持部材に衝突することで、エネルギーが減少する。このため、流速が遅くなるので、ダンパ部材によって燃圧脈動が低減される時間が増加する。これにより、燃圧脈動を確実に抑制することができる。
請求項5に示すように、環状の支持部材の径方向内側の内壁に延長領域が向かうように容積室通路を形成することが例示される。可変容積室から燃料ギャラリに噴出する燃料は、環状の支持部材の径方向内側の内壁に衝突することでエネルギーが減少する。このようにして、流速が遅くなった燃料は、環状の支持部材の径方向内側の空間で、ダンパ部材により燃圧脈動が確実に抑制される。
さらにまた、請求項6に示すように、容積室通路が、延長領域からダンパ部材の可動部が外れるように開口端を形成する蓋部材を有することとしてもよい。この場合は、蓋部材によって容積室通路の開口端を形成することで、ダンパ部材と容積室通路の延長領域との位置関係を調整する。このようにすれば、プランジャが補助的なポンプ機能を果たしつつ、ダンパ部材の機能も十分に発揮される。
請求項7に示すように、ダンパ部材における支持部材よりも可動部側の部分から延長領域が外れると共に、この延長領域が支持部材に向かうように開口端を形成する蓋部材を容積室通路が有することとしてもよい。また、請求項8に示すように、環状の支持部材の径方向内側の内壁に延長領域が向かうように開口端を形成する蓋部材を容積室通路が有することとしてもよい。このようにすれば、燃料ギャラリの位置、又は容積室通路を大幅に設計変更することなく、蓋部材の形状を設定することで、請求項4、5と同様の作用効果を得ることができる。
なお、容積室通路の延長領域からダンパ部材の可動部が外れるようにする、という技術思想は、例えば請求項9に示すように、容積室通路の燃料ギャラリ側の開口端から噴出する燃料が、ダンパ部材の可動部に衝突しないよう構成されていることとしてもよい。
さらに請求項10に示すように、容積室通路は、この容積室通路から燃料ギャラリに排出される燃料がダンパ部材における支持部材よりも可動部側の部分に衝突することなく、支持部材に衝突するように形成されていることとしてもよい。このようにすれば、請求項4と同様の作用効果を得ることができる。
さらにまた、請求項11に示すように、容積室通路は、この容積室通路から燃料ギャラリに排出される燃料が支持部材に衝突した後、ダンパ部材の非可動部に衝突するように形成されていることとしてもよい。こうすることで、可変容積室から燃料ギャラリに噴出する燃料の流動によって、ダンパ部材の可動部の動きが阻害されることがない。また、可変容積室から燃料ギャラリに噴出する燃料は、支持部材に衝突した後、ダンパ部材の非可動部に衝突することでエネルギーを大幅に減少することができる。これにより、流速が遅くなった燃料は、ダンパ部材によって燃圧脈動を低減される時間が増加するので、燃圧脈動を確実に抑制することができる。
請求項12に示すように、容積室通路から燃料ギャラリに排出される燃料が、ダンパ部材における支持部材よりも可動部側の部分に衝突することなく、支持部材に衝突するように開口端を形成する蓋部材を容積室通路が有していることとしてもよい。このようにすれば、請求項7と同様の作用効果を得ることができる。
また例えば請求項13に示すように、容積室通路の燃料ギャラリ側の開口端から供給される燃料の動圧によるダンパ部材の可動部に対する作用を抑制するよう構成されていることとしてもよい。
以下では、本発明を適用した第1〜第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態は、請求項1、2、9、13を具現化するものであり、第2実施形態は、請求項1、3、9、13を具現化するものであり、第3実施形態は、請求項1、6、9、13を具現化するものである。また、第4実施形態は、請求項1〜5、9〜11、13を具現化するものであり、第5実施形態は、請求項1〜13を具現化するものである。
本発明の第1実施形態の高圧ポンプの構成を説明するための断面図である。 インレットからの供給通路及び可変容積室からの戻り通路を示す断面図である。 図2のIII−III線断面を模式的に示す説明図である。 プランジャが上死点に移動した状態を示す高圧ポンプの断面図である。 プランジャが下死点に移動した状態を示す高圧ポンプの断面図である。 本発明の第2実施形態の高圧ポンプの構成を説明するための断面図である。 本発明の第3実施形態の高圧ポンプの構成を説明するための断面図である。 本発明の第4実施形態の高圧ポンプの構成を説明するための断面図である。 図8の部分拡大図である。 本発明の第5実施形態の高圧ポンプの構成を説明するための断面図である。
以下、車両に搭載されて用いられる高圧ポンプに本発明を適用した実施形態を、図面に基づいて説明する。この高圧ポンプは、燃料タンクから低圧ポンプにて汲み上げられる燃料を加圧してインジェクタの接続される燃料レールへ供給するものである。
(第1実施形態)
本形態の高圧ポンプは、図1に示すごとくである。高圧ポンプ1は、図示しないインレットから供給される燃料を加圧し、吐出弁部70から図示しない燃料レールへ燃料を吐出する。なお、インレットの上流側には、低圧ポンプからの配管が接続される。
高圧ポンプ1は、外郭を構成している本体部10、プランジャ部30、吸入弁部50、及び、吐出弁部70を備えている。
本体部10は、外郭を構成するハウジング11を備えている。ハウジング11の一方向(図1中では上方)にカバー12が取り付けられており、カバー12とハウジング11とで囲まれる空間が燃料ギャラリ13となっている。燃料ギャラリ13は、その内部に、パルセーションダンパ131を有している。パルセーションダンパ131は、その端部を挟持されて配置されている。
パルセーションダンパ131は、内部に空間が形成されるように皿状の金属部材を重ね合わせ、当該金属部材の端部を溶接して作られる、上面視円形状の部材である。内部の空間には、ヘリウムガスやアルゴンガスが封入されている。このヘリウムガスやアルゴンガスの封入圧は、インレットから供給される燃料圧力よりもやや低めか、あるいは、同等となっている。パルセーションダンパ131は、燃料流路が形成された下部材135とホルダ136とで挟持されている。ホルダ136はカバー12が取り付けられることで弾性変形するスプリングワッシャ137の弾性力によって下部材135側へ付勢され、これにより、下部材135と共にパルセーションダンパ131を挟持する。
また、プランジャ部30は、カバー12のちょうど反対側(図1中の下方)に設けられている。そして、プランジャ部30と燃料ギャラリ13との中間付近に、燃料を加圧可能な加圧室14が形成されている。
さらにまた、カバー12及びプランジャ部30の配列方向に直交する方向に、吸入弁部50(図1中の左方)及び吐出弁部70(図1中の右方)が設けられている。
このような構成により、燃料ギャラリ13に供給された燃料は、吸入弁部50を経由し、加圧室14を経由して、吐出弁部70から吐出される。
次に、プランジャ部30、吸入弁部50、及び、吐出弁部70の構成について、詳細に説明する。
最初にプランジャ部30について説明する。
プランジャ部30は、プランジャ31、オイルシールホルダ32、スプリングシート33、及び、プランジャスプリング34などを備えている。
プランジャ31は、ハウジング11の内部に形成されたシリンダ15に支持される大径部311と、オイルシールホルダ32に外周を囲まれた大径部311よりも径の小さな小径部312とを有している。これら大径部311及び小径部312は、一体となっており、同位相で軸方向に往復移動する。
オイルシールホルダ32は、シリンダ15の端部に配置されており、プランジャ31の小径部外周を囲む基部321と、ハウジング11に圧入される圧入部322とを有している。
基部321は、略円筒状であり、プランジャ31の小径部312の外周を囲む。基部321は、その内部に、リング状のシール323を有している。シール323は、内周のテフロンリング(「テフロン」は登録商標)と、外周のOリングとからなる。このシール323により、プランジャ31の小径部312周囲の燃料油膜の厚さが調整され、エンジンへの燃料のリークが抑制される。このシール323に隣接して、加圧室14側に、プランジャストッパ324が配設されている。また、基部321は、その先端部分に、オイルシール325を有している。このオイルシール325によって、プランジャ31の小径部312の周囲のオイル油膜の厚さが規制され、オイルのリークが抑制される。
圧入部322は、基部321の周囲に円筒状に張り出す部分であり、断面コ字状となっている。一方、ハウジング11には、圧入部322に対応する凹部16が形成されている。これにより、オイルシールホルダ32は、圧入部322が凹部16の径外方向の内壁に圧接する態様で圧入される。
スプリングシート33は、プランジャ31の端部に配設されている。プランジャ31の端部は、図示しないタペットに当接している。タペットは、図示しないカムシャフトに取り付けられたカムにその外面を当接させ、カムシャフトの回転により、カムプロフィールに応じて軸方向に往復移動する。これにより、プランジャ31が軸方向に往復移動することになる。
プランジャスプリング34は、スプリングシート33に一端を係止され、他端をオイルシールホルダ32の圧入部322の深部に係止されている。これにより、プランジャスプリング34は、プランジャ31の戻しバネとして機能し、プランジャ31をタペットに当接させるよう付勢する。
かかる構成により、カムシャフトの回転に応じたプランジャ31の往復移動が実現される。このとき、プランジャ31の大径部311によって、加圧室14の容積変化が作出される。
また、本形態では特に、プランジャ31の小径部312の周囲に、可変容積室35が形成されている。ここでは、ハウジング11のシリンダ15、プランジャ31の大径部311の基端面(小径部312との段差面)、小径部312の外周壁、及び、オイルシールホルダ32のシール323に囲まれた領域が、可変容積室35である。シール323が燃料のリークを抑制することは上述したが、シール323は、可変容積室35を液密にシールし、可変容積室35からエンジンへの燃料のリークを防止する。
可変容積室35は、プランジャストッパ324の燃料流路326、圧入部322の径内方向において凹部16との間に形成される円筒状の円筒流路327、凹部16の深部に形成される環状の環状流路328、及び、ハウジング11内部に形成された戻し流路17(図中に破線で示す流路)を経由して、燃料ギャラリ13に接続する。
次に、吸入弁部50について説明する。
吸入弁部50は、図1に示すように、ハウジング11によって形成される筒部51、筒部51の開口を覆う弁部カバー52、及び、コネクタ53等を備えている。
筒部51は、略円筒状に形成され、内部に燃料通路55を有している。燃料通路55には、略円筒状のシートボディ56が配置されている。シートボディ56の内部には、吸入弁57が配置されている。この吸入弁57の内部には、スプリング58が収容配置されている。
また、吸入弁57には、ニードル59が当接している。このニードル59は、上述した弁部カバー52を貫通し、コネクタ53の内部まで延びている。コネクタ53は、コイル531と当該コイル531へ通電するための端子532とを有している。コイル531の内側には、所定位置に保持される固定コア533、可動コア534、及び、固定コア533と可動コア534との間に介在するスプリング535が配置されている。ここで、可動コア534に固定されるのが、上述したニードル59である。つまり、可動コア534とニードル59とは一体になっている。
かかる構成により、コネクタ53の端子532を介して通電が行われると、コイル531にて発生する磁束によって固定コア533と可動コア534との間に磁気吸引力が発生する。その結果、可動コア534が固定コア533側へ移動し、これに伴ってニードル59が、加圧室14から離れる方向へ移動する。このときは、吸入弁57の移動がニードル59にて規制されない。したがって、吸入弁57がシートボディ56に着座可能となり、吸入弁57の着座により、燃料通路55と加圧室14とが遮断される。
一方、コネクタ53の端子532を介した通電が行われないと、磁気吸引力は発生しないため、スプリング535によって、可動コア534が加圧室14へ近づく方向へ移動する。これにより、ニードル59が加圧室14側へ移動する。その結果、ニードル59によって吸入弁57の移動が規制され、吸入弁57が加圧室14側に保持される。このときは、吸入弁57がシートボディ56から離座することとなり、燃料通路55と加圧室14とが連通する。
次に、吐出弁部70について説明する。
吐出弁部70は、図1に示すように、ハウジング11にて形成される円筒状の収容部71を有している。この収容部71にて形成される収容室711に、吐出弁72、スプリング73、及び、係止部74が収容されている。また、収容室711の開口部分が、吐出口75となっている。吐出口75とは反対側の収容室711の深部には、弁座712が形成されている。
吐出弁72は、スプリング73の付勢力と図示しない燃料レール側からの圧力とにより、弁座712に当接する。これにより、吐出弁72は、加圧室14の燃料の圧力が低いうちは、燃料の吐出を停止する。一方、加圧室14の燃料の圧力が大きくなってスプリング73の付勢力と燃料レール側からの圧力とに打ち勝つと、吐出弁72が吐出口75の方向へ移動する。これにより、収容室711へ流入した燃料は、吐出口75から吐出される。
次に、燃料ギャラリ13への燃料供給等について説明する。図2は、図1に示した高圧ポンプ1の断面の一部を切り欠き、可変容積室35からの戻し流路17及び、インレットからの供給通路18を示している。また、図3は、図2のIII−III線断面を模式的に示す説明図である。図3では、燃料ギャラリ13の部分のみを示している。
図3に示すように、ハウジング11で構成される燃料ギャラリ13の底面には、容積室開口部132及びインレット開口部133が形成されている。そして、上述した戻し流路17(図2参照)が容積室開口部132へ接続されている。また、上述した供給通路18(図2参照)が、インレット開口部133に接続されている。供給通路18には、フィルタ19が配設されている。これにより、図示しない低圧燃料ポンプを経由してインレットへ供給された燃料が燃料ギャラリ13へ供給されることになる。また、燃料ギャラリ13には、吸入部134が形成されている。この吸入部134から吸入される燃料が、吸入弁部50から加圧室14へ送られる。
次に、高圧ポンプ1の作動について説明する。なお、図4はプランジャ部30のプランジャ31が上死点にある状態を示し、図5はプランジャ部30のプランジャ31が下死点にあることを示している。
高圧ポンプ1は、吸入行程、調量行程、及び、加圧行程を繰り返すことで動作する。
吸入行程は、燃料ギャラリ13から加圧室14へ燃料を吸入する行程である。このとき、プランジャ31は、上死点(図4参照)から下死点(図5参照)へ向かって移動し、吸入弁57は開弁状態となっている。
調量行程は、加圧室14から燃料ギャラリ13へ燃料を戻す行程である。このとき、プランジャ31は、下死点(図5参照)から上死点(図4参照)へ向かって移動し、吸入弁57は開弁状態となっている。よって、調量工程にて加圧室14から燃料ギャラリ13へ戻る燃料は、低圧の燃料である。本調量方法をプレストローク調量と呼ぶ。
加圧行程は、加圧室14から吐出弁部70を経由して燃料を吐出する行程である。このとき、プランジャ31は、上死点(図4参照)へ向かって移動し、吸入弁57は閉弁状態となっている。
なお、図4及び図5では、吸入弁57は、便宜上、すべて開弁状態で示している。
ここで可変容積室35の機能を説明する。
上記吸入行程では、プランジャ31の移動により加圧室14の容積が増加する。一方、可変容積室35の容積は減少する。したがって、可変容積室35に蓄えられた燃料が燃料ギャラリ13へ供給されることになる。
上記調量行程では、プランジャ31の移動により加圧室14の容積が減少する。一方、可変容積室35の容積は増加する。したがって、加圧室14から燃料ギャラリ13へ戻される燃料の一部は、可変容積室35へ送られる。
ここで、可変容積室35の容積変化は、加圧室14と同様に、プランジャ31の大径部311によって生じる。つまり、加圧室14の容積変化と可変容積室35の容積変化とは、いわば同位相で生じる。
なお、加圧行程においては、吸入弁57が閉弁状態となることで、加圧室14から燃料ギャラリ13への燃料の戻りは問題にならない。
このような可変容積室35の機能により、以下のような効果が得られる。
吸入行程において、可変容積室35の容積の減少が「60」であるとすると、可変容積室35から燃料ギャラリ13へ「60」の燃料が供給される。ここで加圧室14の容積の増加が「100」であるとすると、インレット開口部133からの燃料の供給量は、「40」で賄えることになる。
一方、調量行程において問題となるのは、燃料の脈動である。加圧室14の容積の減少が「100」であるとすると、100に相応する脈動が燃料ギャラリ13に発生する。この脈動がインレット開口部133から供給通路18へ伝播すると、図示しない燃料配管の振動などが生じ騒音や異音を発生させる要因となる。ところが、可変容積室35の容積の増加が「60」である場合、燃料ギャラリ13に発生する脈動は、「40」に相応するものに抑えられる。
しかも、上述したように加圧室14の容積変化と可変容積室35の容積変化とは同位相で生じるため、エンジンの回転数によらず、常に効果が得られる。
また、可変容積室35を形成すべくプランジャ31に小径部312を設けているが、小径部312をシール323及びオイルシール325でシールする場合、大径の部分でシールする場合と比べ、円周が小さくなるため、効果的なシールが実現される。
さらにまた、小径部312の径はそのままとし、大径部311の径を大きくすれば、吐出量を増加させることができる。この場合、基本的に大径部311及び、大径部311が摺動するシリンダ15を設計するだけでよく、簡単な設計変更で吐出量をアップさせることができる。
なお、本形態における燃料ギャラリ13が「燃料ギャラリ」を構成し、加圧室14が「加圧室」を構成し、燃料通路55が「吸入通路」を構成し、ハウジング11が「ハウジング」を構成する。また、プランジャ31が「プランジャ」を構成し、オイルシールホルダ32が「オイルシールホルダ」を構成し、シール323が「シール部材」を構成し、燃料流路326、円筒流路327、環状流路328及び戻し流路17が「容積室通路」を構成し、パルセーションダンパ131が「ダンパ部材」を構成し、可動部131aが「可動部」を構成する。
次に、本形態の高圧ポンプ1の特徴的構成について詳述する。高圧ポンプ1が、燃料ギャラリ13に配設されるパルセーションダンパ131を有することは既に述べた。このパルセーションダンパ131には、上述したように、ヘリウムガスやアルゴンガスが封入されている。これにより、内部のヘリウムガス又はアルゴンガスの圧力と外部の燃料ギャラリ13の燃料圧力とによって、端部を除くパルセーションダンパ131の可動部131aが、外側又は内側へ変形する。可動部131aは、平面視円形状の部分であり、図3に記号Aで示す部分である。図2には可動部131aの径を記号Bで示した。この可動部131aの変形によって、パルセーションダンパ131の膨張、収縮が実現される。
ここで特に、本形態では、図2及び図3に示すように、燃料の流動が相対的に大きくなり得る戻し流路17の延長領域(図2中に記号R1で示した領域)を燃料ギャラリ13内部に想定し、当該延長領域からパルセーションダンパ131の可動部131a(図2中の記号B、図3中の記号A参照)が外れるよう構成した。換言すれば、戻し流路17の燃料ギャラリ13側の容積室開口部132から噴出する燃料が、パルセーションダンパ131の可動部131aに衝突しないよう構成した。また換言すれば、戻し流路17の燃料ギャラリ13側の容積室開口部132から供給される燃料の動圧によるパルセーションダンパ131の可動部131aに対する作用を抑制するよう構成した。
また、本形態では、燃料ギャラリ13の所定位置にパルセーションダンパ131が配置されることを前提とし、燃料ギャラリ13の形成位置によって、パルセーションダンパ131と戻し流路17の延長領域との位置関係を調整している。
このようにすれば、たとえ燃料の流動が大きくなったとしても、パルセーションダンパ131の機能が阻害されることを抑制できる。その結果、プランジャ31が可変容積室35によるポンプ機能を果たしつつ、パルセーションダンパ131の機能も十分に発揮される。
(第2実施形態)
上記形態では、燃料ギャラリ13の形成位置によって、パルセーションダンパ131と戻し流路17の延長領域との位置関係を調整している。
これに対し、本形態では、戻し流路を傾斜させるようにした。図6に示すごとくである。戻し流路171は、プランジャ31の軸に対し、燃料ギャラリ13へ向かうに連れて当該軸から離れるように傾斜している。これにより、上記形態と同様、戻し流路171の延長領域(図6中に記号R2で示す領域)から、パルセーションダンパ131の可動部131aが外れるようになっている。その結果、上記形態と同様の効果が奏される。
(第3実施形態)
上記形態では、燃料ギャラリ13の形成位置(図2参照)によって、又は、戻し流路171(図6参照)の傾斜によって、パルセーションダンパ131と戻し流路171の延長領域との位置関係を調整している。
これに対し、本形態では、図7に示すように、戻し流路172が蓋部材172aを備えることとし、この蓋部材172aによって、戻し流路172の開口端が形成されるようにした。これにより、上記形態と同様、戻し流路172の延長領域(図7中に記号R3で示す領域)から、パルセーションダンパ131の可動部131aが外れるようになっている。その結果、上記形態と同様の効果が奏される。
(第4実施形態)
上記形態では、燃料ギャラリ13の形成位置又は戻し流路の傾斜角度によって、パルセーションダンパ131の可動部が戻し通路の延長領域から外れるように構成した。
これに対し、本形態では、図8に示すように、戻し通路173の延長領域R4が、下部材135のみに向かうように構成している。戻し流路173の延長領域R4は、パルセーションダンパ131における下部材135よりも径方向内側の部分が全て外れるようになっている。
この構成により、可変容積室35から戻し流路173を経由し燃料ギャラリ13に噴出する燃料は、下部材135の径方向内側の内壁に衝突するので、パルセーションダンパ131のダイアフラムの動きを阻害することがない。このため、吸入行程時には、パルセーションダンパ131による吸入アシスト効果とともに、可変容積室35による燃料供給効果のどちらも十分に得ることができる。したがって、吸入行程時、加圧室14への吸入効率が向上する。
また、図9の矢印Xに示すように、下部材135の径方向内側の内壁に衝突した燃料は、エネルギーが減少する。次に、矢印Yに示すように、下部材135の径方向内側の内壁に衝突し、流れの向きを変えた燃料は、パルセーションダンパ131の非可動部Cに衝突し、さらにエネルギーが減少する。このようにして流速の遅くなった燃料は、下部材135の径方向内側の空間に滞留し、パルセーションダンパ131のダイアフラムによって燃圧脈動を低減される時間が増加する。これにより、燃圧脈動が確実に抑制される。
一方、矢印Zに示すように、下部材135に設けられた絞り孔135aを通過する燃料は、この絞り孔135aを通過する際に流速が遅くなり、下部材135の径方向内側の空間に出るので、燃圧脈動が抑制される。
したがって、吸入効率が向上するとともに、燃圧脈動を抑制することができる。
なお、本形態における下部材135が特許請求の範囲に記載の「支持部材」を構成し、戻し流路173が特許請求の範囲の「容積室流路」を構成する。
(第5実施形態)
上記第4実施形態では、燃料ギャラリ13の形成位置及び戻し流路173の傾斜角度によって、戻し通路173の延長領域が下部材135のみに向かうように構成した。
これに対し、本形態では、図9に示すように、戻し流路172が蓋部材139を有することとし、この蓋部材139によって、戻し流路172の開口端が形成されるようにした。これにより、戻し流路172の延長領域R5が下部材135のみに向かうようになっている。
戻し流路172は、プランジャ31の軸と平行に形成され、燃料ギャラリ13側が下部材135へ向けて延び、クランク状に形成されている。戻し流路172の開口端を形成する蓋部材139が、戻し流路172の燃料ギャラリ13側に設けられている。
蓋部材139は、燃料ギャラリ13内に突出し、戻し流路172の延長領域R5が下部材135のみに向かうように傾斜している。このため、可変容積室35から戻し流路172を経由し燃料ギャラリ13に噴出する燃料は、蓋部材139に案内され、下部材135の径方向内側の内壁に衝突する。このため、パルセーションダンパ131のダイアフラムの動きが阻害されることなく、吸入行程時には、パルセーションダンパ131による吸入アシスト効果とともに、可変容積室35による燃料供給効果のどちらも十分に得ることができる。したがって、吸入行程時、加圧室14への吸入効率が向上する。
また、部材135の径方向内側の内壁に衝突した燃料はエネルギーが減少し、流速が遅くなり、下部材135の径方向内側の空間に滞留するので、パルセーションダンパ131のダイアフラムによって燃圧脈動を低減される時間が増加する。
したがって、吸入効率が向上するとともに、燃圧脈動を抑制することができる。
このように、本形態では、燃料ギャラリ13の位置及び容積室通路172の傾斜角度を大幅に設計変更することなく、蓋部材139の形状を設定することで、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明は、上記実施形態に何等限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々なる形態で実施可能である。
1:高圧ポンプ、10:本体部、11:ハウジング、12:カバー、13:燃料ギャラリ、131:パルセーションダンパ(ダンパ部材)、131a:可動部、132:容積室開口部、133:インレット開口部、134:吸入部、135:下部材、136:ホルダ、137:スプリングワッシャ、14:加圧室、15:シリンダ、16:凹部、17、171、172:戻し流路、172a:蓋部材、18:供給通路、19:フィルタ、30:プランジャ部、31:プランジャ、311:大径部、312:小径部、32:オイルシールホルダ、321:基部、322:圧入部、323:シール、324:プランジャストッパ、325:オイルシール、326:燃料流路、327:円筒流路、328:環状流路、33:スプリングシート、34:プランジャスプリング、35:可変容積室、50:吸入弁部、51:筒部、52:弁部カバー、53:コネクタ、531:コイル、532:端子、533:固定コア、534:可動コア、535:スプリング、55:燃料通路、56:シートボディ、57:吸入弁、58:スプリング、59:ニードル、70:吐出弁部、71:収容部、711:収容室、712:弁座、72:吐出弁、73:スプリング、74:係止部、75:吐出口

Claims (13)

  1. 燃料が供給される燃料ギャラリ、燃料を加圧する加圧室、及び、前記燃料ギャラリから前記加圧室までを接続する吸入通路を有するハウジングと、
    前記加圧室の容積変化を作出する大径部、及び、当該大径部と一体に前記加圧室の反対側に形成され前記大径部よりも小径の小径部を有するプランジャと、
    前記プランジャに対応させて前記ハウジングに取り付けられるオイルシールホルダと、
    前記オイルシールホルダに囲繞され、前記ハウジングと共に、前記小径部の周囲に、可変容積室を形成するシール部材と、
    前記可変容積室から前記燃料ギャラリまでを接続する容積室通路と、
    前記燃料ギャラリの内部に配設され、当該燃料ギャラリ内部の燃料圧力の変化により膨張又は収縮可能なダンパ部材と、
    を備え、
    前記プランジャによって、前記加圧室の容積が増加すると前記可変容積室の容積が減少し、前記可変容積室から前記容積室通路を経由して前記燃料ギャラリへ燃料が供給されるようになっており、
    燃料の流動が相対的に大きくなり得る前記容積室通路の延長領域を前記燃料ギャラリ内部に想定し、当該延長領域から前記ダンパ部材の可動部が外れるよう構成されていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  2. 請求項1に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ハウジングには、前記延長領域から前記ダンパ部材の可動部が外れるように、前記燃料ギャラリが形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  3. 請求項1又は2に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ハウジングには、前記延長領域から前記ダンパ部材の可動部が外れるように、前記プランジャの軸方向に対し傾斜する前記容積室通路が形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する支持部材を備え、
    前記容積室通路は、前記ダンパ部材における前記支持部材よりも前記可動部側の部分から前記延長領域が外れると共に、前記支持部材に前記延長領域が向かうように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ハウジングの内壁と前記ダンパ部材との間に設けられ、前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する環状の支持部材を備え、
    前記容積室通路は、前記支持部材の径方向内側の内壁に前記延長領域が向かうように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記容積室通路は、前記延長領域から前記ダンパ部材の可動部が外れるように、開口端を形成する蓋部材を有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する支持部材を備え、
    前記容積室通路は、前記ダンパ部材における前記支持部材よりも前記可動部側の部分から前記延長領域が外れると共に、前記支持部材に前記延長領域が向かうように開口端を形成する蓋部材を有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ハウジングの内壁と前記ダンパ部材との間に設けられ、前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する環状の支持部材を備え、
    前記容積室通路は、前記支持部材の径方向内側の内壁に前記延長領域が向かうように開口端を形成する蓋部材を有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  9. 燃料が供給される燃料ギャラリ、燃料を加圧する加圧室、及び、前記燃料ギャラリから前記加圧室までを接続する吸入通路を有するハウジングと、
    前記加圧室の容積変化を作出する大径部、及び、当該大径部と一体に前記加圧室の反対側に形成され前記大径部よりも小径の小径部を有するプランジャと、
    前記プランジャに対応させて前記ハウジングに取り付けられるオイルシールホルダと、
    前記オイルシールホルダに囲繞され、前記ハウジングと共に、前記小径部の周囲に、可変容積室を形成するシール部材と、
    前記可変容積室から前記燃料ギャラリまでを接続する容積室通路と、
    前記燃料ギャラリの内部に配設され、当該燃料ギャラリ内部の燃料圧力の変化により膨張又は収縮可能なダンパ部材と、
    を備え、
    前記プランジャによって、前記加圧室の容積が増加すると前記可変容積室の容積が減少し、前記可変容積室から前記容積室通路を経由して前記燃料ギャラリへ燃料が供給されるようになっており、
    前記容積室通路の前記燃料ギャラリ側の開口端から噴出する燃料が、前記ダンパ部材の可動部に衝突しないよう構成されていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
  10. 請求項9に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する支持部材を備え、
    前記容積室通路は、この容積室通路から前記燃料ギャラリに排出される燃料が前記ダンパ部材における前記支持部材よりも前記可動部側の部分に衝突することなく、前記支持部材に衝突するように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  11. 請求項9または10に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する支持部材を備え、
    前記容積室通路は、この容積室通路から前記燃料ギャラリに排出される燃料が前記支持部材に衝突した後、前記ダンパ部材の非可動部に衝突するように形成されていることを特徴とする高圧ポンプ。
  12. 請求項9〜11のいずれか一項に記載の高圧ポンプにおいて、
    前記ダンパ部材を前記燃料ギャラリ内に支持する支持部材を備え、
    前記容積室通路は、前記容積室通路から前記燃料ギャラリに排出される燃料が前記ダンパ部材における前記支持部材よりも前記可動部側の部分に衝突することなく、前記支持部材に衝突するように開口端を形成する蓋部材を有していることを特徴とする高圧ポンプ。
  13. 燃料が供給される燃料ギャラリ、燃料を加圧する加圧室、及び、前記燃料ギャラリから前記加圧室までを接続する吸入通路を有するハウジングと、
    前記加圧室の容積変化を作出する大径部、及び、当該大径部と一体に前記加圧室の反対側に形成され前記大径部よりも小径の小径部を有するプランジャと、
    前記プランジャに対応させて前記ハウジングに取り付けられるオイルシールホルダと、
    前記オイルシールホルダに囲繞され、前記ハウジングと共に、前記小径部の周囲に、可変容積室を形成するシール部材と、
    前記可変容積室から前記燃料ギャラリまでを接続する容積室通路と、
    前記燃料ギャラリの内部に配設され、当該燃料ギャラリ内部の燃料圧力の変化により膨張又は収縮可能なダンパ部材と、
    を備え、
    前記プランジャによって、前記加圧室の容積が増加すると前記可変容積室の容積が減少し、前記可変容積室から前記容積室通路を経由して前記燃料ギャラリへ燃料が供給されるようになっており、
    前記容積室通路の前記燃料ギャラリ側の開口端から供給される燃料の動圧による前記ダンパ部材の可動部に対する作用を抑制するよう構成されていること
    を特徴とする高圧ポンプ。
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