JP5251961B2 - サイクロン分離装置並びに電気掃除機 - Google Patents
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Description
上記の課題に対して、集塵室内に蓄積されたごみを圧縮する圧縮手段を搭載した技術(例えば特許文献2)が開示されている。
図1は本発明に係る電気掃除機の外観を示す斜視図である。図1に示すように、電気掃除機100は、吸込口体1と、吸引パイプ2と、接続パイプ3と、サクションホース4と、サイクロン方式の掃除機本体5とから構成されている。吸込口体1は床面上のごみおよび含塵空気を吸い込む。吸込口体1の出口側には真直ぐな円筒状の吸引パイプ2の一端が接続されている。吸引パイプ2の他端には、電気掃除機100の運転を制御する操作スイッチが設置された取手が設けられており、中途にて若干折れ曲がった接続パイプ3の一端が接続されている。接続パイプ3の他端には、可撓性を有する蛇腹状のサクションホース4の一端が接続されている。さらに、サクションホース4の他端には、掃除機本体5が接続されている。掃除機本体5には電源コードが接続されており、電源コードが外部電源に接続されることで、通電し、図示しない電動送風機が駆動されて吸引動作を行う。吸込口体1、吸引パイプ2、接続パイプ3およびサクションホース4は、含塵空気を掃除機本体5の外から内部に流入させるための吸引経路の一部を構成する。
各部の構成、動作および効果については後述することとするが、一次サイクロン分離装置10は、一次流入口11と、一次旋回室12と、0次開口部113と、一次開口部13と、0次集塵室114と、一次集塵室14と、一次排出口15、一次排出管16と、を備えている。さらに、二次サイクロン分離装置20は、二次流入口21と、二次旋回室22と、二次開口部23と、二次集塵室24と、二次排出口25、二次排出管26と、を備えている。また、上述した0次集塵室114と一次集塵室14と二次集塵室24とは1つのケース部品により形成されているとともに、0次集塵室114は二次集塵室24を包囲するように配されている。
なお、一次サイクロン分離装置10は特許請求の範囲でいうサイクロン分離装置、一次流入口11は特許請求の範囲でいう流入口、一次旋回室12は特許請求の範囲でいう旋回室、0次開口部113は特許請求の範囲でいう第1の開口部、一次開口部13は特許請求の範囲でいう第2の開口部、0次集塵室114は特許請求の範囲でいう第1の集塵室、一次集塵室14は特許請求の範囲でいう第2の集塵室、一次排出口15は特許請求の範囲でいう排出口にそれぞれ相当する。
掃除機本体5の内部に流入した空気は、吸入風路49を経て一次サイクロン分離装置10に到達する。一次サイクロン分離装置10において、一次流入口11、一次旋回室12、一次排出口15の順に流れていき、該一次排出口15から排出された空気は一次排出管16を通って二次サイクロン分離装置20に到達する。二次サイクロン分離装置20において、二次流入口21、二次旋回室22、二次排出口25の順に流れていき、該二次排出口25から排出された空気は二次排出管26を通過して、排気風路51側へと流れていく。その後、該空気は、排気風路51、フィルター52、電動送風機53および排気口54からなる排気経路を経て掃除機本体5の外部に排出される構成となっている。
また、一次サイクロン集塵装置10の下流位置に二次サイクロン集塵装置20が設置されているため、二次サイクロン集塵装置20が一次サイクロン集塵装置10では捕集しきれなかったごみを捕集し、集塵ユニット50としての捕集性能を向上することができ、掃除機本体5から排出される空気をさらに清浄化することができる。
図7は集塵ユニット50の外観を示す斜視図であり、図8は集塵ユニット50の前面図である。図9は集塵ユニット50の左側面図であり、図10は集塵ユニット50の上面図である。図11は図8の集塵ユニット50のA−A断面図、図12は図8の集塵ユニット50のB−B断面図、図13は図10の集塵ユニット50のC−C断面図、図14は図13の集塵ユニット50のD−D断面図、図15は図13の集塵ユニット50のE−E矢視断面図、図16は図13の集塵ユニット50のF−F断面図、図17は電気掃除機の集塵ユニットのC−C断面における連通部の拡大図である。
一次サイクロン分離装置10は、 吸入風路49から含塵空気を取り込む一次流入口11と、一次流入口11をおおよそ接線方向に接続することで一次流入口11から導入した含塵空気を旋回させる一次旋回室12とを備え、一次流入口11から流入した吸気を旋回してごみを分離した後に該吸気を一次排出口15から排出する。また、この一次排出口15からの排気を、二次サイクロン分離装置20へと導く一次排出管16を備えている。
また、一次排出管16は、一次旋回室12とその軸をおおよそ一致させて、一次旋回室12内に突出して設置されており、その突出部の側壁は、多数の微細孔を持つ略円筒形状の円筒体16bと、多数の微細孔を持つ略円錐形状の円錐体16aとで構成し、この微細孔により一次排出口15を構成している。
また、一次旋回室12は、その側壁が、略円筒形状の円筒部12bと、略円錐形状の円錐部12aとで構成されている。また、円筒部12bの一部が開口して形成された0次開口部113と、円錐部12aの一部が開口して形成された一次開口部13と、0次開口部113を介して一次旋回室12と連通する0次集塵室114と、一次開口部13を介して一次旋回室12と連通する一次集塵室14とを備えているとともに、0次集塵室114は0次開口部113から下方に延在するように形成されている。また、0次開口部113は一次流入口11よりも低い位置に形成されている。
さらに、図13および図17に示すように、0次集塵室114と一次集塵室14とを区画する隔壁30には、その一部を開口する隔壁開口部30aを形成するともに、該隔壁開口部30aの0次集塵室114側の側面に多数の微細孔32zを備えたメッシュ部材32を設置することで0次集塵室114と一次集塵室14とを流通する連通部31を構成している。また、メッシュ部材32は枠体33と隔壁30で挟持して固定されている。なお、微細孔32zの開口面積は0次開口部113の開口面積よりも小さく構成されており、より好ましくは0次集塵室114内に捕捉されるごみの通過を抑制するために開口径をφ1mm以下とするのがよい。また、0次集塵室114に比較的嵩の大きなごみを捕捉するために、0次開口部113の開口面積は一次開口部13の開口面積よりも大きく形成している。また、連通部31は、連通部31と0次開口部113との間の中間点よりも下方に位置する隔壁30の部分に配置するように形成、つまり連通部31と0次開口部113との間の距離を、隔壁30が延在する方向における隔壁30の中心位置と0次開口部113との間の距離よりも長く構成している。
一次サイクロン分離装置10は、吸入風路49を経て一次流入口11から含塵空気を取り込むと、含塵空気は、一次旋回室12の側壁に沿って流入するため旋回気流となり、その旋回気流の中心軸近傍の強制渦領域とその外周側の準自由渦領域とを形成しながら、その経路構造と重力とにより下向きに流れていく。このとき、遠心力がごみに作用するため、例えば大きな繊維ごみや毛髪等の比較的嵩の大きなごみ(以下、「ごみA」という)が一次旋回室12の内壁に押し付けられて旋回気流から分離され、0次開口部113を介して0次集塵室114内に送られる。この際、気流の一部が0次開口部113を介して0次集塵室114内に流入し、連通部31を流通して一次集塵室14内へ流れ込む。この気流と自重により、ごみAは0次集塵室114を下降した後、連通部31の非開口部および連通部31周囲の隔壁30に押し付けられる形で圧縮される。これは、微細孔32zの開口面積を0次開口部113の開口面積よりも小さく構成したことによるものであり、連通部31の非開口部および連通部31周囲の隔壁30により、0次開口部113を通過したごみAが一次集塵室14内へ流れ込むことを阻害しつつ気流の力で圧縮し、該気流を一次集塵室14内に流入させることができる。なお、一次集塵室14内に流入した気流は、一次開口部13を通って一次旋回室12に流入し、一次排出口15から排出される。
また、圧縮機能を備える0次集塵室114内に、圧縮すると嵩が大きく減るごみA(繊維ごみや毛髪)を捕捉して圧縮するため、より効率的にごみの容積を減らして0次集塵室114の空容積を増やすことができる。
また、連通部31を、連通部31と0次開口部113との間の中間点よりも下方に位置する隔壁30の部分に配置するように形成、つまり連通部31と0次開口部113との間の距離を、隔壁30が延在する方向における隔壁30の中心位置と0次開口部113との間の距離よりも長く構成ことで、連通部31と0次開口部113との間の距離が遠くなり、ごみAが溜まる起点を0次開口部113から離すことができ0次開口部113からのごみAの再飛散を防止抑制することができる。
また、0次集塵室114の下方に延在する隔壁30の下方に連通部31を備えたことで、ごみAの自重も利用してさらに圧縮効果を高めている。
また、連通部31を隔壁30の下方に備えたことで、ごみAは0次集塵室114の下方から蓄積されることとなり、ごみAは0次開口部113を介して一次旋回室12へ飛散しにくくなる。
また、連通部31を多数の微細孔32zを備えたメッシュ部材32で構成することで、ごみAを一次集塵室14に極力流入させずに圧縮する。
なお、ごみAは繊維ごみや毛髪を主とするために、一定量溜まった状態でもごみAは通気性を備えており、連通部31の通気量は殆ど損なわれることなく、ごみAに対して圧縮力を作用させ続けることができる。
なお言うまでもないが、本構成はごみを空気の力で圧縮する構成であり、ごみ圧縮用の可動部を備えていないため、可動部の強度や寿命の信頼性に関する課題はなく、また0次集塵室114および一次集塵室14に捕捉したごみの全てに対して確実に圧縮力を付与することができる。
二次サイクロン分離装置20は、一次サイクロン分離装置20で分離できなかった微細塵を含む含塵空気が流れ込む二次流入口21と、略円筒形状に形成され、二次流入口21が接線方向に連通し、該二次流入口21から流れ込んだ含塵空気を旋回させて空気とごみを分離する二次旋回室22と、該二次旋回室22内の含塵空気から分離した空気を排出する二次排出口25と、含塵空気から分離したごみを捕捉する二次集塵室24と、該二次集塵室24と二次旋回室22とを連通する二次開口部23を備えている。また、二次サイクロン分離装置20は、二次旋回室22の壁面の一部を開口し、その開口部から二次旋回室22内に突出させて二次排出管26を設け、その二次排出管26の先端開口を二次排出口25とし、電動送風機53と二次旋回室22内を連通する。また、二次旋回室22は、その側壁が、略円筒形状の二次円筒部22bと、略円錐形状の二次円錐部22aとで構成されている。
二次サイクロン分離装置20は、一次サイクロン分離装置10から排出された微細塵を含む含塵空気を二次流入口21から取り込むと、この含塵空気は二次旋回室22の側壁に沿って流入するため旋回気流となり、中心軸近傍の強制渦領域とその外周側の準自由渦領域とを形成しながら、その経路構造と重力とにより下向きに流れていく。このとき、遠心力がごみに作用するため、一次サイクロン分離装置10では捕捉しきれなかった微細塵が二次旋回室22の内壁に押し付けられて吸気から分離され、下降する旋回流に乗って二次旋回室22の下方に進んだ後、二次開口部23を介して二次集塵室24内に捕集される。ごみが除去された空気は、二次旋回室22の中心軸に沿って上昇し、二次排出口25から排出される。二次排出口25から排出された空気は、二次排出管26を通って、排気風路51へと導かれる。これにより、電気掃除機100から排出される空気をさらに清浄化することができる。
以下に説明する実施の形態2は、連通部31の複数配置について説明するものであり、前述の実施の形態1と基本的には同様であるため、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略するものとする。
図18は、実施の形態2を示す図8の電気掃除機の集塵ユニットのI−I断面である。
図18に示すように、連通部31を複数設けている。また、複数の連通部31のうち0次開口部113から距離が近い方の連通部31bの開口面積を、0次開口部113から距離が遠い方の連通部31aの開口面積よりも小さくしている。
以下に説明する実施の形態3は、連通部31の配置について説明するものであり、前述の実施の形態1および2と基本的には同様であるため、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略するものとする。
図20は、実施の形態3に係る集塵ユニットのごみ捨て時の分解図である。図21は、実施の形態3に係る集塵ユニットの分解図である。図22は、実施の形態3を示す図3のZ−Z断面図である。なお、図23は実施の形態3の効果を説明するための本実施の形態の構造に該当しない図3のZ−Z断面図である。
図20に示すように、0次集塵室114を有底形状とし、かつ0次集塵室114と一次旋回室12とを着脱自在として、ごみ捨て時には一次旋回室12から0次集塵室114を外した後に、0次集塵室114を逆さにしてごみを捨てる構成としている。また、図2に示すように、掃除機本体5の高さを抑えるために集塵ユニット50が重力に対して傾斜するように配置され、0次集塵室114の開口面114aは重力に対して傾斜するように配置されている。このような構成において、図22に示すように、0次集塵室114の中心軸よりも高い位置に連通部31を設けている。
逆に、図23に示すように、0次集塵室114の中心軸よりも低い位置に連通部31を設けた場合には、ごみAの上面が0次集塵室114の開口面114aに対して大きな角度を持ってしまうために、0次集塵室114の空容積が残されている状態でごみAの上面が0次集塵室114からはみ出してしまい、限られた0次集塵室114の内容積を有効に使うことができない。
以下に説明する実施の形態4は、連通部31の通気量について説明するものであり、前述の実施の形態1〜3と基本的には同様であるため、実施の形態1と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略するものとする。
図24に、連通部31の通気率を変化させた際の捕集効率および旋回速度の変化に関するグラフを示す。横軸の通気率(%)は、一次流入口11に流入する風量に対する連通部31を流通する風量の割合を示し、下式にて計算される。
通気率(%)=(連通部31を流通する風量(m3/s))÷(一次流入口11に流入する風量(m3/s))×100
また、縦軸左側の捕集効率(%)は、集塵ユニット50に流入したごみ量に対する集塵ユニット50で捕集したごみ量の割合を示し、下式にて計算される。
捕集効率(%)=(集塵ユニット50に流入したごみ量(g))÷(集塵ユニット50で捕集したごみ量(g))×100
また、縦軸右側の旋回速度(m/s)は、一次旋回室12内の旋回方向の速度成分の大きさであり、気流解析にて計算を行った結果である。
図24に示すように、通気率5%以下では捕集効率はほぼ横這いであるが、5%を超えると捕集効率が低下し始める。これは図24に示す旋回速度の低下の挙動とよく相関しており、旋回力が低下すると捕集効率が低下することがわかる。
実施の形態4では、一次サイクロン分離装置10の捕集効率を低下させることなく、ごみAの圧縮力を極力高める、すなわち連通部31の通気量を極力多くするために、連通部31を流れる空気の風量を流入口11から流れ込む空気の風量の5%となるように、連通部31の開口面積を調整して構成している。
Claims (10)
- 外部風路からの含塵空気が流れ込む流入口と、
略円筒形状に形成され、該流入口から流れ込んだ含塵空気を旋回させて空気と塵埃を分離する旋回室と、
前記旋回室の一部を開口して形成された第1の開口部と、
前記旋回室の一部を開口して形成され、かつ前記第1の開口部よりも下流側に配置された第2の開口部と、
前記第1の開口部を介して前記旋回室と連通する第1の集塵室と、
前記第2の開口部を介して前記旋回室と連通する第2の集塵室と、
前記旋回室内の空気を排出する排出口と、
を備え、
前記第1の集塵室と前記第2の集塵室とを区画する隔壁に設けた連通部により前記第1の集塵室と前記第2の集塵室とを連通するとともに、
前記連通部の開口面積を前記第1の開口部の開口面積よりも小さくしたことを特徴とするサイクロン分離装置。 - 前記第1の開口部の開口面積を前記第2の開口部の開口面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1記載のサイクロン分離装置。
- 前記連通部は、前面視において前記第1の開口部との間の中間点よりも下方に位置する隔壁部分に配置することを特徴とする請求項1または2いずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記第1の集塵室を前記第1の開口部から下方に延在するように構成し、前記連通部を前記隔壁の下方に備えたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記連通部を、多数の微細孔を備えたメッシュ部材にて構成したことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記連通部を複数設けたことを特徴とする請求項1〜5記載いずれかにサイクロン分離装置。
- 前記複数の連通部のうち前記第1の開口部から距離が近い方の連通部の開口面積を、前記第1の開口部から距離が遠いほうの連通部の開口面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項6に記載のサイクロン分離装置。
- 前記第1の集塵室を有底形状とし、かつ前記第1の集塵室と前記旋回室とを着脱自在とした構成において、前記第1の集塵室の開口面が重力に対して傾斜するように配置し、前記第1の集塵室の中心軸よりも高い位置に前記連通部を備えたことを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記連通部を流れる空気の風量を前記流入口から流れ込む空気の風量の5%以下とすることを特徴とする請求項1〜8に記載のサイクロン分離装置。
- 前記請求項1〜9いずれかに記載のサイクロン分離装置を備えたことを特徴とする電気掃除機。
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