JP5251706B2 - 孔加工治具 - Google Patents
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Description
燃料噴射装置は通常、先端部が半球状あるいは円錐台状に成形されたノズルを備え、当該ノズルの先端部が内燃機関における燃焼室あるいは吸気管の内部に挿入された状態で当該ノズルの先端部から燃料を噴射する。
燃料噴射装置のノズルの先端部にはノズルの内部空間と外部とを連通する燃料噴射口が形成される。加圧された燃料をノズルの内部空間から燃料噴射口を通じてノズルの外部(燃焼室あるいは吸気管の内部)に噴射することにより、噴射された燃料はノズルの外部において大きく減圧され、霧化される(微細な粒子となる)。
内燃機関の更なる燃費の向上あるいは排気ガスの清浄度の向上の観点から、燃料噴射装置のノズルの先端部には通常、複数の燃料噴射口が形成されるとともに、これらの燃料噴射口から異なる複数の方向に燃料が噴射される。
しかし、燃料噴射口として筒状のノズルの軸線方向に平行な方向の孔を形成する場合には特許文献1に記載の方法を適用することが可能であるが、筒状のノズルの軸線方向に対して平行でない(傾斜した)孔を形成する場合には特許文献1に記載の方法を適用することが実質的に不可能である。
しかし、特許文献2に記載の方法は、形成する孔の径が小さい場合には切削刃の強度が不足するため、所望のテーパ角度を有する孔を形成することが困難であるという問題点を有する。
特に、燃料噴射装置のノズルの先端部に形成される燃料噴射口として直径が100ミクロン程度の孔を形成する場合には、下孔の直径を100ミクロンよりも小さく設定し、切削刃の外形寸法を下孔の直径よりもさらに小さくする必要がある。このような条件下では、切削時に作用する曲げ応力に耐えられる強度を有する切削刃を既存の材料を用いて製造することは困難である。
しかし、特許文献3に記載のツールホルダは、工具(切削刃)が固定される工具軸の直径が大きいので、燃料噴射装置のノズルの先端部に形成される燃料噴射口の如き直径の小さい孔を形成する用途に適用することが困難である。
また、特許文献3に記載のツールホルダは大まかな形状が予め形成された孔の内周面の仕上げに用いられるものであり、全く孔が形成されていない対象物に対して単独で孔を形成することはできない(別途下孔を加工する作業を要する)。
しかし、特許文献4に記載の方法はレーザ加工装置により予め形成される下孔の形状(テーパ角度)を制御する方法については開示していない。
しかし、特許文献5に記載の方法は放電加工装置が電極を傾斜させる具体的な構成を開示していない。
また、特許文献5に記載の方法を実施する放電加工装置はその装置構成が複雑化するとともに高い加工精度を得ることが困難である(あるいは、高い加工精度を得るために非常に高価なものとなる)という問題を有する。
すなわち、放電加工装置は、電極の寸法精度および損耗の影響による加工精度の低下を防止するために電極を長手方向の軸を中心に回転させる機構を備えるのが一般的であるが、電極を傾斜させる場合、当該長手方向の軸とは異なる(平行でない)別の軸周りに電極を回転させる機構をも備える必要が生じ、装置が複雑化する。また、電極にこのような複雑な動作をさせた場合、加工精度を確保するのが困難である。
さらに、特許文献5に記載の方法は、電極の長手方向の軸とは異なる別の軸周りに電極を回転させる機構を備えない既存の放電加工装置を有効に活用することができない。
しかし、特許文献6に記載の方法を大量生産される対象物に適用するためにはレーザー光線の幾何学形状、光線パラメータ等を長期にわたり一定に保持することを要するが、これらを一定に保持するためには多大なメンテナンスを要する。
従って、特許文献6に記載の方法では、高い寸法精度および高い再現性を確保しつつ所望の形状の孔を形成することは困難である。
しかし、特許文献7に記載の方法も特許文献5に記載の方法と同様に、その装置構成が複雑化するという問題を有する。
加工対象物に対して加工工具により加工線に沿って孔を加工する際に用いられる孔加工治具であって、
加工工具の加工線に対して垂直な加工基準面に対して第一角度θだけ傾斜した加工面を有するとともに前記加工面に対して垂直かつ前記加工線に交差する回転軸線を中心に回転駆動される回転部材と、
加工対象物の軸線が前記回転軸線を含む面上にあり、前記加工対象物の軸線が前記加工面に対して第二角度φだけ傾斜し、かつ、前記加工対象物における加工部位が前記加工線と前記回転軸線との交差点に配置された状態を保持しつつ、前記加工対象物を前記回転部材に固定する固定部材と、
を具備するものである。
前記第一角度θを調整する第一角度調整機構を具備するものである。
前記第二角度φを調整する第二角度調整機構を具備するものである。
図1に示す孔加工治具100は放電加工装置により燃料噴射装置用ノズル10に燃料噴射孔11a・11a・・・を形成するときに用いられる治具である。
本実施形態の放電加工装置は、電極21の軸線方向(長手方向)が上下方向に対して平行な状態を保持しつつ、電極21を上下方向(すなわち、電極21の軸線方向)に移動させることが可能である。
以下では、説明の便宜上、電極21は上下方向に対して平行な加工線21aに沿って移動するものとする。加工線21aは本発明に係る加工線の実施の一形態である。
加工基準面23aは水平面に対して平行である。従って、加工基準面23aは加工線21aに対して垂直である。
燃料噴射装置用ノズル10は胴体部11および基部12を具備する。
胴体部11は円筒形状の部材である。燃料噴射孔11a・11a・・・が形成される前の段階では、胴体部11の先端部(一端部)は閉塞されており、かつ胴体部11の先端部の形状は半球状である。
基部12は胴体部11と一体の部材である。基部12の外形は円筒形状であり、胴体部11の反対側端面から貫通して胴体部11の内部に連通する貫通孔が形成される。基部12の外形(直径)は胴体部11の直径よりも大きく、胴体部11の軸線および基部12の軸線は一直線となる。
以下では、説明の便宜上、胴体部11の軸線を「燃料噴射装置用ノズル10の軸線10a」と定義する。「燃料噴射装置用ノズル10の軸線10a」は本発明に係る「加工対象物の軸線」の実施の一形態である。
例えば、加工対象物の形状が概ね円筒形状、円柱形状あるいは円錐台形状の如き回転体形状である場合には、当該回転体の回転軸線を「加工対象物の軸線」として設定することが可能である。また、加工対象物の形状が直方体あるいは立方体の如き平滑な面を有する形状である場合には、当該平滑な面に平行な直線を「加工対象物の軸線」として設定することが可能である。
図2に示す如く、燃料噴射孔11a・11a・・・は燃料噴射装置用ノズル10の先端部(胴体部11の先端部)に形成される孔である。
燃料噴射孔11a・11a・・・は入口側(胴体部11の内周面側)の開口部から出口側(胴体部11の外周面側)の開口部に向かって徐々に直径が小さくなる形状(逆テーパ形状)を有する。
本実施形態のベース部材110は金属材料からなるブロック状の部材であり、ベース上面110aおよびベース下面110bを有する。
ベース上面110aはベース部材110の上面を成す平面である。ベース下面110bはベース部材110の下面を成す平面である。ベース上面110aはベース下面110bに対して第一角度θだけ傾斜している。
ベース部材110は、ベース下面110bが加工基準面23aに当接した状態で基準板23に固定される。従って、基準板23に固定されたベース部材110のベース上面110aは、加工基準面23aに対して第一角度θだけ傾斜している。
回転部材120は回転テーブル121、軸部材122およびベアリング123・124を備える。
回転テーブル121の周面(外周面)には周方向に延びたリング状の溝であるベルト溝121bが形成される。
軸部材122がベース部材110に回転可能に軸支されたとき、回転軸線122aはベース上面110aに対して垂直となる。従って、加工面121aはベース上面110aに対して平行となり、加工面121aは加工基準面23aに対して第一角度θだけ傾斜することとなる。
また、軸部材122がベース部材110に回転可能に軸支されたとき、回転軸線122aが交差点105(図1中の白丸参照)において加工線21aと交差する。交差点105は本発明に係る「加工線と回転軸線との交差点」の実施の一形態である。
回転軸線122aは加工面121aに対して垂直となり、かつ、加工線21aは加工基準面23aに対して垂直となるので、加工線21aと回転軸線122aとの成す角度は第一角度θに一致する。
駆動機構130はモータ131、フレキシブル駆動ケーブル132、プーリ133、軸部材134、ベアリング135、スラストベアリング136・137およびベルト138を備える。
本実施形態ではモータ131はベース部材110に直接固定されず、加工液槽22の外部となる位置に配置される。
従って、モータ131は加工液槽22に貯留された加工液に接触せず、モータ131に防水対策(防液対策)あるいは防爆対策を特に施す必要は無い(高価なモータをモータ131として使用する必要がない)。
また、モータ131をベース部材110に直接固定する場合に比べて孔加工治具100のうち加工液槽22の内部に配置される部分を小さくすることが可能であり、加工液槽22の内部の空間が小さい場合でも加工液槽22の内部に孔加工治具100を設置することが可能である。
軸部材134がベース部材110に回転可能に軸支されたとき、プーリ133および軸部材134の軸線はベース上面110aに対して垂直となる。
このように、回転テーブル121は、駆動機構130により回転軸線122aを中心に回転駆動される。
このように構成することにより、モータ131の駆動軸131aおよびフレキシブル駆動ケーブル132が回転するときに発生する振動が回転テーブル121に伝達されず、加工精度の向上に寄与する(駆動軸131aおよびフレキシブル駆動ケーブル132が回転するときに発生する振動による加工精度の低下を防止することが可能である)。
固定部材140は本体部材141、ホルダ部材142、係合ピン143、高さ方向スペーサ144および軸方向スペーサ145を備える。
ホルダ収容孔141aはその一端部が本体部材141の一側面に開口し、その他端部が本体部材141の他側面に開口する孔である。貫通孔141bはその一端部が本体部材141の上面に開口し、その他端部がホルダ収容孔141aの内周面に開口する孔である。
本体部材141は後で詳述する高さ方向スペーサ144を介して回転テーブル121の加工面121aに固定される。
ホルダ本体142aの一端部(本体部材141の一側面に対応する端部)にはノズル収容穴142cが形成される。ノズル収容穴142cは略円柱形状の穴であり、ノズル収容穴142cの開口方向から見たノズル収容穴142cの形状は概ね円形となる。
ノズル収容穴142cに燃料噴射装置用ノズル10の基部12を収容したとき、基部12の外周面はノズル収容穴142cの内周面に当接した状態となる。
また、基部12はホルダ本体142aに設けられた図示せぬ固定手段(例えば、セットボルト等)によりホルダ本体142aに固定される。従って、基部12がノズル収容穴142cに収容された燃料噴射装置用ノズル10は、ホルダ本体142aに対して「燃料噴射装置用ノズル10の軸線10a」周りに相対回転不能である。
ホルダ本体142aの外周面にはホルダ本体142aの周方向に並んだ計六つの係合穴142d・142d・・・が形成される。なお、六つの係合穴142d・142d・・・はホルダ本体142aの外周面に等間隔で(ホルダ本体142aの軸線方向から見て60°ずつ位相をずらして)配置されるが、図1ではこれらのうち二つの係合穴142d・142dのみが図示される。
作業者がハンドル142bを手で握って回すことにより、ホルダ部材142、ひいては基部12がノズル収容穴142cに収容された燃料噴射装置用ノズル10を本体部材141に対して相対回転させることが可能である。
貫通孔141bに貫装された係合ピン143の軸部の先端部(係合ピン143の頭部が延設されている方の端部と反対側の端部)を六つの係合穴142d・142d・・・のいずれかに嵌装することにより、本体部材141に対するホルダ部材142の回転、ひいては本体部材141に対する「基部12がノズル収容穴142cに収容された燃料噴射装置用ノズル10」の「燃料噴射装置用ノズル10の軸線10a周りの回転」を規制する(相対回転不能とする)ことが可能である。
例えば、厚さ(一対の板面間の距離)が異なる複数の高さ方向スペーサ144・144・・・を予め用意しておき、これらの高さ方向スペーサ144・144・・・の中から本体部材141と回転テーブル121との間に介装されるものを選択することにより、回転テーブル121に対する本体部材141の高さ方向の位置(厳密には、回転軸線122aの長手方向の位置)を調整することが可能である。
例えば、厚さ(一対の板面間の距離)が異なる複数の軸方向スペーサ145・145・・・を予め用意しておき、これらの軸方向スペーサ145・145・・・の中からノズル収容穴142cに収容されるものを選択することにより、本体部材141、ひいては固定部材140に対する燃料噴射装置用ノズル10の突出量(燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aの長手方向の位置)を調整することが可能である。
このように、固定部材140は、燃料噴射装置用ノズル10を回転テーブル121、ひいては回転部材120に固定することが可能である。
(1)燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aは、回転軸線122aを含む面上にある(換言すれば、軸線10aと回転軸線122aとが同一平面上に存在する)。
(2)燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aは、加工面121aに対して第二角度φだけ傾斜する。
(3)燃料噴射装置用ノズル10における加工部位は、加工線21aと回転軸線122aとの交差点105に配置される。本実施形態では燃料噴射装置用ノズル10における加工部位は胴体部11の先端部であり、より詳細には交差点105は胴体部11の先端部の半球状の外周面上となる位置に配置される。
本実施形態の「孔加工手順」は以下の(a)〜(i)の各作業からなり、作業者がこれらの作業を順に行う。
なお、回転軸線122aを基準として見た場合における電極21の加工時の軌跡30は、図4に示す如く「互いに頂点が交差点105で重なり、かつ回転軸線122aを中心とする上下一対の円錐の外周面を合わせた形状」となる。
これにより、作業者が加工液槽22に貯留された加工液に手を浸漬せずに作業することが可能な状態となる。
軸平面10bは燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aに垂直な平面であり、軸平面10bと回転軸線122aとの成す角度、すなわち燃料噴射装置用ノズル10の噴射角度は第二角度φに一致する。
ここで「孔のテーパ角度」は孔の軸線(中心線)を含む平面(切断面)で孔を切断したときに得られる二本の「切断面と孔の内周面との交線」が成す角度を指す。孔の形状が孔の軸線(中心線)を中心とする回転体形状である場合には、当該孔の軸線と「切断面と孔の内周面との交線」とが成す角度の二倍が孔のテーパ角度に等しくなる。
本実施形態では燃料噴射孔11aの直径は燃料噴射孔11aの出口側(胴体部11の外周面側)の開口部において最も小さくなるが、燃料噴射孔11aの出口側の開口部の直径は電極21の直径とほぼ同じ大きさとなる。
従って、孔加工治具100を用いることにより、燃料噴射装置用ノズル10に形成される燃料噴射孔11a・11a・・・のテーパ角度ψ、および燃料噴射装置用ノズル10の噴射角度を精度良く設定することが可能である。
燃料噴射装置用ノズル10に対して電極21により加工線21aに沿って燃料噴射孔11a・11a・・・を加工する際に用いられるものであって、
電極21の加工線21aに対して垂直な加工基準面23aに対して第一角度θだけ傾斜した加工面121aを有するとともに「加工面121aに対して垂直かつ加工線21aに交差する回転軸線122a」を中心に回転駆動される回転部材120と、
燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aが回転軸線122aを含む面上にあり、燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aが加工面121aに対して第二角度φだけ傾斜し、かつ、燃料噴射装置用ノズル10における加工部位(胴体部11の先端部)が加工線21aと回転軸線122aとの交差点105に配置された状態を保持しつつ、燃料噴射装置用ノズル10を回転部材120に固定する固定部材140と、
を具備する。
このように構成することにより、テーパ角度ψが第一角度の二倍に等しく、かつ噴射角度が第二角度φに等しい逆テーパ形状を有する孔である燃料噴射孔11a・11a・・・を燃料噴射装置用ノズル10に精度良く形成することが可能である。
逆テーパ形状を有する燃料噴射孔11a・11a・・・を形成する場合には、燃料噴射孔11a・11a・・・において直径が最小径となる部分に対応する点である交差点105が「外形の寸法精度が良く、かつ固定部材140により回転部材120の所定の位置に精度良く固定された」燃料噴射装置用ノズル10の胴体部11の先端部の半球状の外周面上となる位置に配置される。
ここで、仮に燃料噴射装置用ノズル10の長さがばらついたり、あるいは回転部材120に固定される位置がばらついたりした場合には、交差点105が燃料噴射装置用ノズル10の胴体部11の先端部の半球状の外周面上よりも外側に外れた位置に配置されてしまう場合がある。この場合には、燃料噴射孔11a・11a・・・において直径が最小径となる部分である燃料噴射孔11a・11a・・・の出口側の開口部の直径が、交差点105が燃料噴射装置用ノズル10の胴体部11の先端部の半球状の外周面上に配置される場合よりも大きくなってしまう。
正テーパ形状を有する燃料噴射孔11d・11d・・・を形成する場合にも同様の事態が起こり得る。
これに対して、X形状の燃料噴射孔11c・11c・・・を燃料噴射装置用ノズル10に形成する場合には、交差点106の位置が多少ばらついても(移動しても)、胴体部11の先端部の半球状の外周面および内周面で挟まれる範囲内であれば燃料噴射孔11c・11c・・・の最小径は変化せず、内燃機関の燃焼現象に及ぼす影響を抑えることが可能である。
例えば、ハンドル142bを省略し、代わりに回転角度を調整可能なモータ(例えば、ステッピングモータ)を設けることにより、本体部材141に対する燃料噴射装置用ノズル10の(軸線10a周りの)回転角度を調整しても良い。
例えば、本発明をドリル等の切削工具を用いた加工装置、あるいはレーザ加工装置により孔を加工する用途に適用することも可能である。
ドリル等の切削工具を用いた加工装置の場合、ドリル等の切削工具が本発明に係る加工工具に相当し、ドリル等の切削工具の回転中心を示す線が本発明に係る加工線に相当する。レーザ加工装置の場合、レーザ光が工具が本発明に係る加工工具に相当し、レーザ光の照射方向を示す線が本発明に係る加工線に相当する。
ただし、本発明が切削工具を用いた加工装置に適用される場合には切削工具の強度(特に、曲げ強度)が確保されること、本発明がレーザ加工装置に適用される場合にはレーザが十分に収束していること、が望ましい。
すなわち、本発明を一端が開口するとともに他端部が閉塞された「穴」を形成する用途に適用しても良い。
図7に示す如く、孔加工治具200はベース部材110、回転部材120、駆動機構130、固定部材140、第一角度調整機構250および第二角度調整機構260を具備する。
第一角度調整機構250は第一支点ブラケット251・251、第一支点軸252、第一調整軸253および第一調整ブロック254・254を備える。
このように構成することにより、第一支点軸252を中心として「ベース部材110、回転部材120、駆動機構130、固定部材140および第二角度調整機構260を合わせたもの」を基準板23に対して回動することが可能である。
第一調整軸253の両端部がそれぞれ第一調整ブロック254・254に支持された状態では、加工基準面23aとベース部材110のベース上面110aとの成す角度、すなわち第一角度θは保持される。
第二角度調整機構260は第二支点ブラケット261、第二調整ベース262、第二支点軸263、第二調整ブロック264・264、第二調整ブラケット265・265および第二調整軸266を備える。
このように構成することにより、第二支点軸263を中心として固定部材140を回転テーブル121に対して回動することが可能である。
第二調整ブロック264・264の下端面には溝が形成され、当該溝が嵌合した状態で第一調整ブロック254・254が第二調整軸266により支持される。
第二調整ブロック264・264が第二調整軸266に支持された状態では、固定部材140に保持された燃料噴射装置用ノズル10の軸線10aと回転テーブル121の加工面121aとの成す角度、すなわち第二角度φは保持される。
第一角度θを調整する第一角度調整機構250を具備する。
このように構成することにより、燃料噴射装置用ノズル10に形成される燃料噴射孔11a・11a・・・のテーパ角度ψを容易かつ精度良く調整(変更)することが可能である。
第二角度φを調整する第二角度調整機構260を具備する。
このように構成することにより、燃料噴射装置用ノズル10の噴射角度を容易かつ精度良く調整(変更)することが可能である。
10 軸線(加工対象物の軸線)
11 胴体部
11a 燃料噴射孔(孔)
21 電極(加工工具)
21a 加工線
23 加工基準板
23a 加工基準面
100 孔加工治具(第一実施形態)
120 回転部材
121a 加工面
122a 回転軸線
140 固定部時
200 孔加工治具(第二実施形態)
250 第一角度調整機構
260 第二角度調整機構
Claims (3)
- 加工対象物に対して加工工具により加工線に沿って孔を加工する際に用いられる孔加工治具であって、
前記加工工具の加工線に対して垂直な加工基準面に対して第一角度θだけ傾斜した加工面を有するとともに前記加工面に対して垂直かつ前記加工線に交差する回転軸線を中心に回転駆動される回転部材と、
加工対象物の軸線が前記回転軸線を含む面上にあり、前記加工対象物の軸線が前記加工面に対して第二角度φだけ傾斜し、かつ、前記加工対象物における加工部位が前記加工線と前記回転軸線との交差点に配置された状態を保持しつつ、前記加工対象物を前記回転部材に固定する固定部材と、
を具備する孔加工治具。 - 前記第一角度θを調整する第一角度調整機構を具備する請求項1に記載の孔加工治具。
- 前記第二角度φを調整する第二角度調整機構を具備する請求項1または請求項2に記載の孔加工治具。
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