JP5251282B2 - 紫外線センサの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、紫外線センサの製造方法に関するもので、特に、ヘテロ接合を形成する積層構造を有するダイオード型の紫外線センサの製造方法に関するものである。
この発明にとって興味ある背景技術として、たとえば特許第3952076号公報(特許文献1)に記載されるものがある。特許文献1には、n型半導体のZnO層とp型半導体の(Ni,Zn)O層とを積層した構造を有する紫外線センサが記載されている。特許文献1に記載される紫外線センサは、より詳細には、ZnO層と、これに接するように設けられる(Ni,Zn)O層と、ZnO層に電気的に接続される第1の端子電極と、(Ni,Zn)O層に電気的に接続される第2の端子電極とを備え、ZnO層が紫外線の受光側に位置されるように用いられる。
上述の特許文献1に記載の紫外線センサにおいて、ZnO層は比較的高い透光性を有しているものの、紫外線がZnO層を透過して、ZnO層と(Ni,Zn)O層との界面にまで到達する必要があるため、ZnO層を透過する際の減衰によって、感度が低下してしまうという問題に遭遇する。
特許第3952076号公報
そこで、この発明の目的は、上述のような課題を解決し得る紫外線センサの製造方法を提供しようとすることである。
この発明に係る製造方法によって製造される紫外線センサは、上述した技術的課題を解決するため、ZnOがNiOに固溶してなる酸化物半導体からなる、(Ni,Zn)O層と、(Ni,Zn)O層の一方主面の一部を覆うように形成されるものであって、ZnOを含む酸化物半導体からなる、ZnO層とを含む積層体を備え、さらに、(Ni,Zn)O層とZnO層との接合部の少なくとも一部を露出させた状態で積層体の外表面上に形成され、かつ(Ni,Zn)O層に電気的に接続される、第1の端子電極と、(Ni,Zn)O層とZnO層との接合部の少なくとも一部を露出させた状態で積層体の外表面上に形成され、かつ(Ni,Zn)O層およびZnO層の双方に電気的に接続される、第2の端子電極と、第1の端子電極に電気的に接続されながら、(Ni,Zn)O層内に形成される、内部電極とを備えることを特徴としている。
上述した紫外線センサにおいて、積層体の、ZnO層が形成された側の主面に、段差が形成され、上述の接合部が、この段差を生じさせる立ち上がり面上に露出していることが好ましい。より好ましくは、上記立ち上がり面は、積層体の主面の斜め上方に向くように傾斜している。
この発明は、上述した紫外線センサを製造する方法にも向けられる。この発明に係る紫外線センサの製造方法は、(Ni,Zn)O層となるべき(Ni,Zn)Oグリーン層と、(Ni,Zn)Oグリーン層上に積層される、ZnO層となるべきZnOグリーン層と、ZnOグリーン層の一部を覆うようにZnOグリーン層上に積層される、NiOを含むNiOグリーン層とを含む、グリーン積層体を作製する工程と、グリーン積層体を焼成する工程と、焼成工程によって得られた焼結積層体におけるNiOグリーン層に由来するNiO焼結層とZnOグリーン層に由来するZnO焼結層の、NiO焼結層に覆われていた部分とを除去する工程とを備えることを特徴としている。
この発明に係る紫外線センサの製造方法において、グリーン積層体を作製する工程は、NiOグリーン層をZnOグリーン層に食い込ませることによってグリーン積層体の主面が平坦化されるように、グリーン積層体を積層方向にプレスする工程を含むことが好ましい。
また、この発明に係る紫外線センサの製造方法に備える前述のグリーン積層体を作製する工程において、グリーン積層体は、複数個の紫外線センサを取り出すための集合積層体の状態にあり、集合積層体の状態にあるグリーン積層体を、個々の紫外線センサを得るために分割する工程をさらに備えることが好ましい。
この発明に係る製造方法によって製造された紫外線センサによれば、p型半導体である(Ni,Zn)O層とn型半導体であるZnO層との接合部の少なくとも一部が露出した構造を有しているので、検出されるべき紫外線は、ZnO層を透過して上記接合部にまで到達する必要がない。したがって、ZnO層を透過する際の減衰によって、紫外線センサの感度が低下してしまうという問題を回避することができる。
また、この発明に係る製造方法によって製造された紫外線センサによれば、抵抗調整に必要なトリミングを容易に行なうことができる。
この発明に係る製造方法によって製造された紫外線センサにおいて、積層体の、ZnO層が形成された側の主面に段差が形成され、上記接合部が、この段差を生じさせる立ち上がり面上に露出していると、紫外線に対する感度をより向上させることができ、この立ち上がり面が、積層体の主面の斜め上方に向くように傾斜していると、上方からの紫外線を効率良く感知することができるようになり、紫外線に対する感度をより一層向上させることができる。また、段差が形成されていると、紫外線センサの方向性を簡単に視認することができる。
の発明に係る紫外線センサの製造方法によれば、(Ni,Zn)Oグリーン層と、その上に積層されるZnOグリーン層と、ZnOグリーン層の一部を覆うようにZnOグリーン層上に積層されるNiOグリーン層とを含む、グリーン積層体を作製し、これを焼成したとき、NiOグリーン層に由来するNiO焼結層とZnOグリーン層に由来するZnO焼結層の、NiO焼結層に覆われていた部分とは、その下の(Ni,Zn)Oグリーン層に由来する(Ni,Zn)O層との間で収縮率に差が生じ、境界で応力が発生する。そのため、低温に戻した際に、熱膨張率の差により応力が限界に達し、上記境界において剥離が生じる。したがって、この発明に係る紫外線センサを能率的に製造することができる。
この発明に係る紫外線センサの製造方法において、グリーン積層体を作製するにあたって、NiOグリーン層をZnOグリーン層に食い込ませることによってグリーン積層体の主面が平坦化されるように、グリーン積層体を積層方向にプレスする工程が実施されると、上述した除去工程の結果、(Ni,Zn)O層とZnO層との接合部を立ち上がり面上に露出させた段差を形成することができ、また、立ち上がり面が斜め上方に向くように傾斜させることが容易である。
グリーン積層体を作製する工程において、グリーン積層体が、複数個の紫外線センサを取り出すための集合積層体の状態にあり、個々の紫外線センサを得るため、集合積層体の状態にあるグリーン積層体を分割するようにすれば、紫外線センサの生産性を向上させることができる。
図1および図2は、この発明の製造方法によって製造される第1の実施形態による紫外線センサ1を示すもので、図1は図2の線A‐Aに沿う断面図であり、図2は平面図である。
紫外線センサ1は、ZnOがNiOに固溶してなる酸化物半導体からなる、(Ni,Zn)O層2と、(Ni,Zn)O層2の一方主面3の一部を覆うように形成されるものであって、ZnOを含む酸化物半導体からなる、ZnO層4とを含む積層体5を備えている。
さらに、紫外線センサ1は、上記(Ni,Zn)O層2とZnO層4との接合部6の少なくとも一部を露出させた状態で積層体5の外表面上に形成され、かつ(Ni,Zn)O層2に電気的に接続される、第1の端子電極7と、(Ni,Zn)O層2とZnO層4との接合部6の少なくとも一部を露出させた状態で積層体5の外表面上に形成され、かつ(Ni,Zn)O層2およびZnO層4の双方に電気的に接続される、第2の端子電極8と、第1の端子電極7に電気的に接続されながら、(Ni,Zn)O層2内に形成される、内部電極9とを備えている。
この紫外線センサ1では、p型の(Ni,Zn)O層2とn型のZnO層4との接合部6が露出しており、この接合部6に形成される空乏層に紫外線が当たったとき、ここにキャリアが励起され、光電流が生じ、この光電流を第1および第2の端子電極7および8間で検知することによって、紫外線を検知することができる。
図示した好ましい実施形態では、積層体5の、ZnO層4が形成された側の主面10には、段差11が形成され、上記接合部6は、この段差11を生じさせる立ち上がり面12上に露出している。したがって、紫外線に対する感度をより向上させることができる。さらに、この実施形態では、上記立ち上がり面12は、積層体5の主面10の斜め上方に向くように傾斜しているので、上方からの紫外線を効率良く感知することができ、よって、紫外線に対する感度をより一層向上させることができる。
(Ni,Zn)O層2は、(Ni1−xZn)Oで表される組成を有するものであるが、xは0.2≦x≦0.4の範囲とされることが好ましい。これによって、良好な感度を安定して得ることができるからである。xが0.2未満では、(Ni,Zn)O層2とZnO層4とが同時焼成に得られる場合、互いの間で良好な接合状態が得られないことがあったり、また、(Ni,Zn)O層2の抵抗が上昇したりして、紫外線センサ1の出力が低下することがある。他方、xが0.4を越えると、(Ni,Zn)O層2が焼成により得られる場合、(Ni,Zn)O層2中にZnO粒子が発生し、ZnO層4との間で良好な接合界面が得られず、紫外線センサ1の出力が低下することがある。
ZnO層4は、前述のように、ZnOを含む酸化物半導体からなるものであるが、ZnOを主成分としながら、たとえば、ドープ材として、Al、Co、In、Gaなどを含有したり、拡散物として、Fe族であるFe、Ni、Mnなどを含有したり、不純物として、Zr、Siなどを含有したりしていてもよい。特に、Zrは、粉砕時のメディアから生じるコンタミネーションとして含まれることがある。
ZnO層4は、特にCoを含有することが好ましい。なぜなら、Coの含有によって、暗電流が低減され、その結果、感度が向上されるからである。なお、Coの含有量が3モル%を超えると、透光率が低下し、それによる感度の低下がもたらされるので好ましくない。
次に、紫外線センサ1の好ましい製造方法について、図3ないし図8を参照して説明する。
図3には、紫外線センサ1を製造するにあたって用意されるグリーンシートの典型的なものが平面図で示されている。なお、図3において、(1)〜(4)は、そのまま、積層順序をも表している。
図3(1)には、NiOを含むNiOグリーンシート13が示されている。NiOグリーンシート13は、後述する(Ni,Zn)Oグリーンシート16と同様、(Ni,Zn)Oを含む組成とされてもよい。NiOグリーンシート13には、たとえばレーザを用いて穴加工が施され、それによって窓14が形成される。図示した窓14は矩形であるが、この形状は任意に変更することができる。
図3(2)には、前述のZnO層4となるべきZnOグリーンシート15が示されている。
図3(3)および(4)には、前述の(Ni,Zn)O層2となるべき(Ni,Zn)Oグリーンシート16が示されている。図3(4)に示した(Ni,Zn)Oグリーンシート16は、図3(3)に示した(Ni,Zn)Oグリーンシート16の下に積層されるものであり、その上には、前述の内部電極9となるべきたとえばPdペーストからなる導電性ペースト膜17が所定のパターンをもって形成される。図3では図示しないが、さらにいくつかの(Ni,Zn)Oグリーンシート16が用意される。
次に、図4に示すようなグリーン積層体18を得るため、図3に示したグリーンシート13、15および16を積層する工程が実施される。より詳細には、全体として所定の厚みが得られるように、いくつかの(Ni,Zn)Oグリーンシート16が積層され、その上に、図3(4)に示した導電性ペースト膜17が形成された(Ni,Zn)Oグリーンシート16が積層され、その上に、たとえば1枚の図3(3)に示した(Ni,Zn)Oグリーンシート16が積層され、その上に、図3(2)に示したZnOグリーンシート15が積層され、その上に、図3(1)に示した窓14を有するNiOグリーンシート13が積層される。
このようにして得られたグリーン積層体18は、図4に示すように、(Ni,Zn)Oグリーンシート16によって与えられた(Ni,Zn)Oグリーン層19と、ZnOグリーンシート15によって与えられたZnOグリーン層20と、NiOグリーンシート13によって与えられたNiOグリーン層21とを含む構造を有する。ここで、NiOグリーン層21には窓14が形成されていたため、NiOグリーン層21は、ZnOグリーン層20の一部を覆う状態となる。また、内部電極9となるべき導電性ペースト膜17は、(Ni,Zn)Oグリーン層19の内部に位置される。
なお、上述のように、グリーン積層体18を得るため、単独で取扱可能なグリーンシート13、15および16を予め用意しておき、これを積層するようにすれば、得られた紫外線センサ1において、(Ni,Zn)O層2やZnO層4の各々について十分な厚みを得ることが容易であるが、このような利点を特に望まないならば、グリーンシートによらず、所望の組成を有するスラリーを所定の順序で塗布することによって、グリーン積層体18を得るようにしてもよい。
次に、グリーン積層体18を積層方向にプレスする工程が実施される。これによって、グリーン積層体18は、図5に示すように、NiOグリーン層21がZnOグリーン層20に食い込む状態となり、グリーン積層体18の主面22が平坦化される。
次に、グリーン積層体18が焼成される。これによって、図6に示すような焼結積層体23が得られる。焼結積層体23には、完成品としての紫外線センサ1に備える要素が既に形成されている。すなわち、焼結積層体23には、(Ni,Zn)Oグリーン層19の焼結によって得られた(Ni,Zn)O層2、ZnOグリーン層20の焼結によって得られたZnO層4および導電性ペースト膜17の焼結によって得られた内部電極9が形成されている。
また、NiOグリーン層21の焼結によって、NiO焼結層24が形成される。さらに、ZnOグリーン層20に由来してZnO焼結層が形成され、このZnO焼結層の主要部が、前述したように、ZnO層4を構成することになるが、ZnO焼結層の、NiO焼結層24に覆われている部分、すなわちNiO被覆部25においては、焼成時において、次のような現象が生じる。
まず、NiO被覆部25の上にあるNiO焼結層24が、(Ni,Zn)Oからなる場合、外部に向かってZnの昇華が生じ、Znの濃度が低下し、(Ni,Zn)O層2との間でZnの濃度差が生じる。NiO焼結層24と(Ni,Zn)O層2との中間のNiO被覆部25においては、Znは、Zn濃度の低い方へ拡散する傾向にあるので、NiO被覆部25に含まれるZnは、その上にあるNiO焼結層24へ主として拡散する。他方、下にある(Ni,Zn)O層2には上記Znはほとんど拡散しない。
その結果、NiO焼結層24では、Zn過剰になり、また、中間のNiO被覆部25ではZnが減少するので、NiO焼結層24およびNiO被覆部25の収縮率は、それらの下の(Ni,Zn)O層2の収縮率との間で差を生じ、境界26で応力が発生する。焼成工程の後、低温に戻されると、熱膨張差により、上記応力が限界に達し、境界26において剥離が生じる。
その結果、図7に示すような紫外線センサ1のための積層体5が得られる。なお、上述の剥離において、不所望な残留物が積層体5側に生じたとしても、たとえばバレリングを行なうことにより、残留物を容易に除去することができる。
なお、図6に示した焼結積層体23において、ZnO層4が最も上に位置する部分では、ZnOは、ZnO層4から昇華するとともに、下の(Ni,Zn)O層2にも拡散する。そして、後者のZnの拡散により、ZnO層4と(Ni,Zn)O層2との間の接合がより強固になり、良好な接合状態が保たれ、NiO被覆部25において生じたような剥離は生じない。
図7に示すような積層体5が得られた後、図1および図2に示すように、端子電極7および8が形成される。端子電極7および8の形成には、たとえばアルミニウムの蒸着法が適用される。
上述した紫外線センサ1の製造方法において、作製されるグリーン積層体18は、図8に示すように、複数個の紫外線センサ1を取り出すための集合積層体27の状態とされることが好ましい。図8において、図4に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。また、図8では、個々の紫外線センサ1を得るために分割する工程において用いられる分割線28および29が1点鎖線で示されている。
図9および図10は、この発明の製造方法によって製造される第2の実施形態による紫外線センサ1aを示すもので、図9は図10の線B‐Bに沿う断面図であり、図10は平面図である。図9および図10において、図1および図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図9および図10に示した紫外線センサ1aでは、前述の紫外線センサ1と比較して、積層体5の、ZnO層4が形成された側の主面10に段差11が形成されるが、この段差11は、ZnO層4の厚み分のみによって形成されるため、接合部6は、段差11を生じさせる立ち上がり面12上には露出していない点で異なっている。
このような紫外線センサ1aを製造しようとする場合、通常、(Ni,Zn)O層2となるべき(Ni,Zn)Oグリーンシート上に、ZnO層4となるべき所定の大きさにカットしたZnOグリーンシートを所定の位置に配置することが行なわれる。
ところで、前述の第1の実施形態に関連して図8に示した集合積層体27に相当する集合積層体を、この第2の実施形態による紫外線センサ1aの製造のために作製しようとする場合、所定の大きさにカットしたZnOグリーンシートを、(Ni,Zn)Oグリーンシート上に複数位置決めして配置する必要があり、非常に手間のかかる作業となり、あまり実用的ではない。そのため、ZnOグリーンシートの積層に代えて、印刷方法などのマスクを用いた方法によりZnOグリーン層を形成することが考えられるが、その場合には、ZnOグリーン層において所望の密度を得ることができなかったり、薄いZnOグリーン層しか得られなかったりして、得られた紫外線センサ1aにおいて、ZnO層4の抵抗が上昇するなどの問題が生じる。
これに対して、前述の図8に示した集合積層体27の場合には、集合積層体27を得るため、互いに同じ大きさの(Ni,Zn)OグリーンシートとZnOグリーンシートとNiOグリーンシートとを積層し、最も上に積層されるNiOグリーンシートについてレーザ加工などにより穴加工を施しておけばよいだけであるので、上記の問題は解消される。
次に、この発明の製造方法によって製造された紫外線センサによる効果を確認するために実施した実験例について説明する。この実験例では、第1の実施形態に基づき、試料となる紫外線センサを作製した。
まず、ZnO層となるべきグリーンシートを作製するため、ZnOおよびAlの各原料無機粉末を、それぞれ、ZnOおよびAlO3/2に換算して、99.99モル%および0.01モル%となるように秤量し、これに純水を加え、PSZ(部分安定化ジルコニア)ビーズをメディアとしてボールミルにて平均粒径0.5μm以下となるように混合粉砕処理した。
次いで、混合粉砕処理後のスラリーを脱水乾燥し、50μmの程度の粒径となるように造粒した後、1200℃の温度で2時間仮焼した。次に、このようにして得られた仮焼粉末に、再び、純水を加え、PSZビーズをメディアとしてボールミルにて平均粒径0.5μmになるまで混合粉砕処理した。
次に、この混合粉砕処理後のスラリーを脱水乾燥した後、有機溶剤および分散剤を加えて混合し、さらにバインダおよび可塑剤を加えて成形用のスラリーとし、このスラリーにドクターブレード法を適用して、ZnO層となるべき厚み20μmのグリーンシートを得た。
また、(Ni,Zn)O層となるべきグリーンシートを作製するため、NiO粉末およびZnO粉末を、NiO:ZnOモル比で70:30の割合となるように配合し、これに純水を加え、PSZビーズをメディアとしてボールミルにて混合粉砕処理した。
次いで、混合粉砕処理後のスラリーを脱水乾燥し、50μmの程度の粒径となるように造粒した後、1200℃の温度で2時間仮焼した。次に、このようにして得られた仮焼粉末に、再び、純水を加え、PSZビーズをメディアとしてボールミルにて平均粒径0.5μmになるまで混合粉砕処理した。
次に、この混合粉砕処理後のスラリーを脱水乾燥した後、有機溶剤および分散剤を加えて混合し、さらにバインダおよび可塑剤を加えて成形用のスラリーとし、このスラリーにドクターブレード法を適用して、(Ni,Zn)O層となるべき厚み10μmのグリーンシートを得た。
次に、内部電極となる導電性ペースト膜を形成するため、上記(Ni,Zn)O層となるべき特定のグリーンシート上に、Pdおよびビヒクルを含むペーストを印刷し、60℃で1時間乾燥させた。
また、上記(Ni,Zn)O層となるべきグリーンシートは、グリーン積層体において、最も上に積層されるNiOを含むNiOグリーン層を形成するためにも用いた。この場合、上記(Ni,Zn)O層となるべきグリーンシートに、窓となるべき穴加工を炭酸ガスレーザにより施した。
次に、第1の実施形態による構造を有する紫外線センサが得られるように、上述した(Ni,Zn)O層用グリーンシートを50枚、その上に内部電極となる導電性ペースト膜を印刷した(Ni,Zn)O層用グリーンシートを1枚、さらに、その上に(Ni,Zn)O層用グリーンシートを1枚、次いで、ZnO層用グリーンシートを1枚、順次積層し、さらに、穴加工したNiOグリーン層用グリーンシートを積層した。そして、これらを20MPaの圧力で圧着した後、3.2mm×1.6mmの寸法にカットした。
次に、上述のようにしてカットされたグリーン積層体を300℃の温度でゆっくりとかつ十分に脱脂した後、1250℃の温度で5時間焼成し、焼結積層体を得た。
次に、粒径3mmのアルミナビーズとともに、上記焼結積層体をポットに入れ、遊星ミルを用いてバレリングを施した。
次に、Alの蒸着法を適用することにより、上記焼結積層体の各端部に、第1および第2の端子電極を形成した。
以上のようにして得られた試料に係る紫外線センサについて、ZnO層側の端子電極がプラスとなり、内部電極に接続する端子電極がマイナスとなるように、1Vのバイアス電圧をかけ、暗室において、波長370nmの紫外線光を、ZnO層側の外表面に照射し、試料としての紫外線センサに流れる光電流を計測した。ここで、上記光の照射強度は、1μW〜10mW/cmとし、測定温度は、25℃±1℃となるようにコントロールした。
この結果が図11に示されている。なお、図11において、点線で示した特性は、比較例としての前述の特許文献1(特許第3952076号公報)の図6に示した構造を有する紫外線センサのものである。
次に、高圧水銀ランプの光をグレーティングし、波長を分解して700〜200nmの波長の光を試料に当て、抵抗の変化を調べた。その結果が図12に示されている。なお、波長により光の強度が異なるため、図12に示した抵抗変化は強度補正されている。
この発明の範囲内にある実施例としての紫外線センサによれば、比較例と比較して、変化が大きくなっていることがわかる。この理由は、第1の実施形態による紫外線センサの構造が立体的に機能することにより、ZnO層と(Ni,Zn)O層との接合部が段差の立ち上がり面上に露出し、効率良く光を捉えることができるからである。分光特性についても、200nmから380nmまで比較的フラットであり、幅広く紫外線を感知できる。
さらに、追加の試料として、実施例による紫外線センサの表面に、紫外線透過性の良いシリコーンゴムの膜を100℃で2時間キュアーして形成したものを作製した。このシリコーンゴムの膜はその張力によりドーム状に形成された。そのため、この追加の試料によれば、光の集光効果により、変化率をさらに10.3%高めることができた。なお、シリコーンゴムは柔軟性が有するため、紫外線センサの傷防止に効果がある。また、シリコーンゴムには、耐熱性があり、かつはんだをはじく性質があるため、フローはんだやリフローはんだにも対応できる。
この発明の製造方法によって製造される第1の実施形態による紫外線センサ1を示す、図2の線A−Aに沿う断面図である。 図1に示した紫外線センサ1の平面図である。 図1に示した紫外線センサ1を製造するために用意されるNiOグリーンシート13、ZnOグリーンシート15および(Ni,Zn)Oグリーンシート16を示す平面図である。 図3に示したグリーンシート13、15および16を積層して得られたグリーン積層体18を示す断面図である。 図4に示したグリーン積層体18の、積層方向にプレスした後の状態を示す断面図である。 図5に示したグリーン積層体18を焼成して得られた焼結積層体23を示す断面図である。 図6に示した焼結積層体23からNiO焼結層24およびNiO被覆部25を除去して得られた積層体5を示す断面図である。 図4に示したグリーン積層体18を複数集合した状態とした集合積層体27を示す平面図である。 この発明の製造方法によって製造される第2の実施形態による紫外線センサ1aを示す、図10の線B−Bに沿う断面図である。 図9に示した紫外線センサ1aの平面図である。 実験例において作製した実施例に係る試料と比較例に係る試料とについて、照射する紫外線の光強度と抵抗値との関係を示す図である。 実験例において作製した実施例に係る試料について、照射する光の波長と感度との関係を示す図である。
符号の説明
1,1a 紫外線センサ
2 (Ni,Zn)O層
4 ZnO層
5 導電層
6 接合部
7 第1の端子電極
8 第2の端子電極
9 内部電極
11 段差
12 立ち上がり面
13 NiOグリーンシート
14 窓
15 ZnOグリーンシート
16 (Ni,Zn)Oグリーンシート
18 グリーン積層体
19 (Ni,Zn)Oグリーン層
20 ZnOグリーン層
21 NiOグリーン層
23 焼結積層体
24 NiO焼結層
25 NiO被覆部
27 集合積層体

Claims (3)

  1. ZnOがNiOに固溶してなる酸化物半導体からなる、(Ni,Zn)O層と、
    前記(Ni,Zn)O層の一方主面の一部を覆うように形成されるものであって、ZnOを含む酸化物半導体からなる、ZnO層と
    を含む積層体を備え、さらに、
    前記(Ni,Zn)O層と前記ZnO層との接合部の少なくとも一部を露出させた状態で前記積層体の外表面上に形成され、かつ前記(Ni,Zn)O層に電気的に接続される、第1の端子電極と、
    前記(Ni,Zn)O層と前記ZnO層との接合部の少なくとも一部を露出させた状態で前記積層体の外表面上に形成され、かつ前記(Ni,Zn)O層および前記ZnO層の双方に電気的に接続される、第2の端子電極と、
    前記第1の端子電極に電気的に接続されながら、前記(Ni,Zn)O層内に形成される、内部電極と
    を備える、紫外線センサを製造する方法であって、
    前記(Ni,Zn)O層となるべき(Ni,Zn)Oグリーン層と、前記(Ni,Zn)Oグリーン層上に積層される、前記ZnO層となるべきZnOグリーン層と、前記ZnOグリーン層の一部を覆うようにZnOグリーン層上に積層される、NiOを含むNiOグリーン層とを含む、グリーン積層体を作製する工程と、
    前記グリーン積層体を焼成する工程と、
    前記焼成工程によって得られた焼結積層体における前記NiOグリーン層に由来するNiO焼結層と前記ZnOグリーン層に由来するZnO焼結層の、前記NiO焼結層に覆われていた部分とを除去する工程と
    を備える、紫外線センサの製造方法。
  2. 前記グリーン積層体を作製する工程は、前記NiOグリーン層を前記ZnOグリーン層に食い込ませることによって前記グリーン積層体の主面が平坦化されるように、前記グリーン積層体を積層方向にプレスする工程を含む、請求項に記載の紫外線センサの製造方法。
  3. 前記グリーン積層体を作製する工程において、前記グリーン積層体は、複数個の紫外線センサを取り出すための集合積層体の状態にあり、前記集合積層体の状態にある前記グリーン積層体を、個々の紫外線センサを得るために分割する工程をさらに備える、請求項またはに記載の紫外線センサの製造方法。
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