JP5251005B2 - 有機el用化合物および有機elデバイス - Google Patents
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Description
(1)ホスト材料は、ホールと電子の両方を流すことができる材料。
(2)発光層中に発光ドーパントを併用しない有機ELデバイスにおいては、ホスト材料からの発光が観察されるが、発光ドーパントとホスト材料とを併用した場合には、ホスト材料からの発光はほとんど観察されなくなり、発光ドーパントが主として発光するようになる。
(3)ホスト材料と発光ドーパントとを併用した有機EL素子において観察されるEL発光のスペクトルは発光ドーパント中の発光中心の蛍光または燐光である。ここで言う発光中心とは、発光ドーパントの一部分を指し、強い蛍光/燐光を発することが可能な有機分子骨格を意味し、発光の波形がこの部分によってほぼ決定される部分骨格を意味する。
(1)ホストと発光ドーパントの混合溶液を塗布した際に、発光ドーパントがブリーディングしてくる現象が見られる。これは、一般的に、ポリマー中に低分子材料の混合溶液を塗布/乾燥すると、乾燥する際に低分子材料が表層に出てきたり、塗布膜中に偏析したりする現象が見られることに起因する。
(2)発光ドーパント材料のホール、電子をトラップする機能が低い。これは、ホストが共役系ポリマーの場合に顕著である。共役系ポリマーの場合にはホストポリマー分子内をホールと電子が優先的に流れてしまうため、発光ドーパントがホールおよび電子をトラップし難いと予想される。
(3)発光ドーパント材料の開発が遅れていた。これは、上記の2つの理由により、高分子塗布型有機ELデバイスの分野においては、ホスト+発光ドーパントの系が蒸着系EL(低分子EL)に比べてその効果が薄かったために、材料の開発が遅れていたと考えられる。
上記(1)に示した課題に対しては、以下のような解決策を採ることができる。
・発光ドーパントを高分子量化することにより、塗布/乾燥時に発光ドーパントがブリーディングしないようにすることができる。ドーパント全体がπ共役(一般的なπ共役に加え、N原子を介在とした共役も含める)であることが好ましいが、塗布型有機ELにおいては適当な溶剤に対して溶解することが必要であるため、設計によっては適当な分子量にて非共役系の連結基で高分子量化することもできる。
・上記(1)の解決策において高分子量化する際に、分子設計の方針として、ホールまたは電子を優先的にトラップし得る官能基を発光ドーパント分子内に組み込むことにより、ドーパントの機能を向上させる。特に、ホールトラップ機能を有する官能基を分子内に組み込むことにより、ドーパントとしての機能を向上させる。
・ドーパント中の発光中心とホールトラップ機能を有する官能基とは、π共役で連結していることが好ましい。これは、π共役させることにより、発光中心が直接ホールトラップしたことと同じ効果が得られるためである。
・ホールトラップ性を向上させる目安としては、ホスト材料のIP(イオン化ポテンシャル)値であり、ホスト材料と同等以上に酸化され易いことが必要である。
そして、本発明者はこのような知見の基にさらに研究を重ねた結果、本発明を完成させた。
また、式(1)に示すものはホールトラップユニットとして機能し、式(2)および(3)は高分子量化するための連結ユニットとして機能する。さらに、式(2)に示すものは電子トラップユニットとしても機能し、発光層中を流れる電子の量を微小ながらコントロールする機能を有している。また、式(4)に示すものは分子末端がハロゲン元素にならないための官能基である。
すなわち、上記の「励起状態」から「基底状態」への緩和する過程において放出されるエネルギーが、EL発光として観測されるのである。
このような構成のもとに、該ポリマー分子を有機ELデバイスに使用することにより、特に高効率で長寿命な発光、すなわち発光分子によって決定される発光色領域の発光を得ることができる。
なお、上記式(8)中のrは、該ポリマー分子を構成するオリゴマーユニット(式(7)〜式(9)および式(1)〜式(4)で構成される最低ユニットを意味する)の重合度を表す整数である。
また、上記式(8)中においてはq=0が望ましいが、塗布用インクの溶媒種によっては式(3)で示す構成ユニットが無いと溶解性が落ちたり、rの値によっても溶解性が悪くなるため、q=1〜4の整数となることもある。
このように構成された上記オリゴマーは、上記式(8)においてr=1を意味するようになる。
上記のようなオリゴマーの分子設計により、十分なEL発光輝度を得ることができる。
このようなオリゴマーユニットの分子設計により、十分なEL発光輝度を得ることができる。
このようなオリゴマーユニットの分子設計により、溶媒に対する溶解性を向上させることが可能になる。また、電子の流れをコントロールすることが可能になり、発光効率の最適化を図ることが可能になる。
具体的には、上記Aで示されるユニットとして上記式(9)で示される基を用いた場合、黄色発光を得るためには式(9)と式(1)との直接結合が2箇所存在しているのが好ましい。式(9)と式(1)との直接結合が1つである場合には黄緑色を呈し、0の場合には青緑色を呈するからである。
また、上記Aで示されるユニットとして上記式(10)で示される基を用いた場合、黄色発光を得るためには式(10)と式(1)との直接結合が最低1箇所存在しているのが好ましい。
さらに、上記Aで示されるユニットとして上記式(11)で示される基を用いた場合、緑色発光を得るためには式(11)と式(1)との直接結合が最低1箇所存在しているのが好ましい。
なお、上記有機EL用化合物においては、上記式(8)で示されるオリゴマーユニットの構成において、分子末端がハロゲンにならないための官能基である上記式(4)で示されるユニットの数を表す整数bは、2であるのが好ましい。
上記の有機EL用化合物を使用することにより、良好な有機ELデバイスが得られる。
また、上記有機ELデバイスにおいては、上記の有機EL用化合物を発光層に使用しているのが好ましい。
上記の有機EL用化合物を発光層に使用することにより、材料の特性を引き出すことが可能となり、発光効率、輝度半減寿命特性が良好なデバイスを得ることが可能になる。
ここで、上記の発光層とは、有機ELデバイスに電圧を印加し、電流が流れた際にEL発光する部位(層)を意味している。塗布型有機ELの場合、該発光層を構成する材料は通常1種類のみの場合が多い。役割としては、電子、ホールの注入/輸送に加え、EL発光の3つの機能を持ち合わせている。
上記の有機EL用化合物を発光層中において発光ドーパント材料として使用することにより材料の特性を引き出すことが可能となり、黄色発光の機能を有し、発光効率、輝度半減寿命特性が良好なデバイスを得ることが可能になる。
上記発光層中における上記発光ドーパントと上記ホスト材料とは、下記式(12)で示される重量%表示のk値が、0.5重量%以上、10.0重量%以下となるような割合で含有されているのが好ましい。
k=(a/(b+c))×100 …式(12)
(ただし、上記式(12)中のaは、上記発光ドーパント材料中での、上記式(5)〜(7)等の発光分子からなるユニットが占める重量であり、bは使用された発光ドーパント材料の重量であり、cは使用されたホスト材料の重量である。)
上記ホスト材料には、その性能として、ホールと電子とを良好に輸送する特性が望まれている。また、分子軌道におけるHOMO (最高占有分子軌道)とLUMO(最低非占有分子軌道)とのエネルギーギャップが、上記ポリマー分子中の上記式(5)〜(7)等に示すユニット(発光分子)よりも大きいことも望まれている。さらには、LUMO(最低非占有分子軌道)の真空準位が、上記式(8)に示されるポリマーよりも高いことが望まれている。
このような性能を満たすことにより、ホールと電子との両方がホスト材料から発光ドーパントに良好に注入され、発光効率、寿命が向上するようになる。
このようにすれば、発光層中へのホールの注入性がより向上し、発光効率の向上が図られる。
また、HOMO(最高占有分子軌道)とLUMO(最低非占有分子軌道)とのエネルギーギャップについては、使用するホスト材料の薄膜吸収スペクトルを用いて測定することができ、一般的には吸収スペクトルの最大長波長での吸収端をエネルギーギャップとして用いている。さらに、LUMOの真空準位については、上記HOMOの真空準位とHOMO−LUMOのギャップより簡単に求めることができる。
このように、上記の有機EL用化合物がスピンコート法もしくは液滴吐出法により塗布されて発光層が作製されていることにより、この有機ELデバイスは良好な発光効率、輝度半減寿命特性を有するものとなる。
ここで、上記の有機EL用化合物はオリゴマーまたはポリマー分子であるため、ホスト材料のポリマーとの相溶性が良好である。したがって、発光層中において、ホスト材料と発光ドーパント材料とを均一に分散させることが可能になる。
なお、上記の有機EL用化合物は分子量が大きいため、蒸着成膜法では一部または全部が蒸着時に分解してしまい、得られる有機ELデバイスの特性を損なってしまう。
まず、本発明の有機EL用化合物の第1実施形態について、その合成例に基づき説明する。
(有機EL用化合物)
本発明の有機EL用化合物の第1実施形態として、下記式(13)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
3,10−ジブロモ−7,14−ジフェニルアセナフト[1,2−k]フルオランテン(異性体:3,11−ジブロモ−7,14−ジフェニルアセナフト[1,2−k]フルオランテン)(中間体)を、図1に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、大気下において、300cm3のシュレンク管に、7,14−ジフェニルアセナフト[1,2−k]フルオランテン5gを投入した。
次に、そこへ溶媒としてクロロホルム50cm3を投入し、60℃で加熱溶解させた。さらに、そこへ溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)50cm3を投入した。40℃に冷却後、N−ブロモスクシンイミド(NBS)3.9gを4回に分けて3時間かけて投入した。投入後、50℃にて1時間加熱し、その後室温にて10時間、攪拌放置した。
反応後、クロロホルム/水にて分液ロートを用いて洗浄、分離を行った。不純物はシリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿によっ除去した。シリカゲルクロマトグラフィーの展開溶媒はトルエン:ヘキサン=1:3にて行い、再沈殿はジクロロメタン/ヘキサンにて行った。
これにより、黄白色固体3.2g(収率48.2%)を得た。
2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸を、図2に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4g(7.3E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF100cm3を加えて溶液とした。この溶液を−70℃に冷却した。そこへ1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.9cm3を添加し、1時間放置した。冷却を保持したままボロン酸トリエチル1.1g(7.5E−3mol)を添加し1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。精製は再沈殿法にて行った。溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸を、図3に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、4,4’−ビスブロモフェニルメタン5g(1.5E−2mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF50cm3を加えて溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液10.2cm3(1.5E−2mol)を添加し、1時間放置した。次いで、冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル2.2g(1.5E−2mol)を添加し1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。続いて、分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、エバポレーターを使用して溶媒を除去した。
これにより、透明粘稠体4gを得た。また、この状態で次反応に使用するようにした。
図4に示す合成ルートによってEL材料(EL材料1)、すなわち本発明における第1実施形態の有機EL用化合物を合成した。
まず、Ar置換した300cm3のシュレンク管に、先に合成した(合成例1)ジフェニルアセナフト[1,2−k]フルオランテン誘導体0.5g(7.86E−4mol)、4−ブロモジフェニルアミン0.78g(3.14E−3mol)を投入し、次に、そこへ乾燥キシレン100cm3を投入し、130℃に加熱した。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1g、t−ブトキシカリウム0.3g、トリスt−ブチルホスフィン0.1gを加え、油浴を140℃設定にて5時間反応させた。5時間後、80℃まで温度を冷却させ、そこへエタノール25cm3、炭酸ナトリウムの飽和水溶液50cm3を加え、15分間攪拌した。
その後、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸(合成例2)1.6g(3.14E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1gを加えてさらに4時間反応させた。4時間後さらに、市販のフェニルボロン酸0.19g(1.57E−3mol)を加えて4時間反応させた。反応させている間は微量のArをフローし続けて、酸素および水の混入を防いだ。
反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に、反応液を室温まで冷却後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。シリカゲルクロマトグファフィーの展開溶媒はキシレンを用いた。再沈殿精製に用いた溶媒はジクロロメタン/ヘキサンを用いた系およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、赤橙色固体0.6g(収率27%)を得た。(ただし、分子量を2857として計算した。)
(有機EL用化合物)
本発明の有機EL用化合物の第2実施形態として、下記式(14)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
図5に示す合成ルートによって上記式(14)に示すEL材料(EL材料2)を合成した。
まず、Ar置換した300cm3のシュレンク管に、先に合成した(合成例1)ジフェニルアセナフト[1,2−k]フルオランテン誘導体0.5g(7.86E−4mol)、4−ブロモジフェニルアミン0.78g(3.14E−3mol)を投入し、次に、そこへ乾燥キシレン100cm3を投入し、130℃に加熱した。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1g、t−ブトキシカリウム0.3g、トリスt−ブチルホスフィン0.1gを加え、油浴を140℃設定にて5時間反応させた。5時間後、80℃まで温度を冷却させ、そこへエタノール25cm3、炭酸ナトリウムの飽和水溶液50cm3を加え、15分間攪拌した。
その後、1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸(合成例3)0.46g(1.57E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1gを加えてさらに4時間反応させた。4時間後さらに、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸(合成例2)1.61g(3.14E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1gを加えて4時間反応させた。次いで、市販のフェニルボロン酸0.19g(1.57E−3mol)を加えてさらに5時間反応させた。反応させている間は微量のArをフローし続けて、酸素および水の混入を防いだ。
反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に反応液を室温まで冷却後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。シリカゲルクロマトグファフィーの展開溶媒はキシレンを用いた。再沈殿精製に用いた溶媒はジクロロメタン/ヘキサンを用いた系およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、赤色固体0.6g(収率24%)を得た。(ただし、分子量を3190として計算した。)
まず、ホスト1として、下記式(15)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
EL用ホスト材料(ホスト1)として、上記式(15)に示すポリフルオレンを、図6に示す合成方法に基づき、以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に示した合成方法により合成した、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸5g(9.7E−3mol)、および市販のフェニルボロン酸0.008g(6.6E−5mol)、ブロモベンゼン0.01g(6.6E−5mol)を計量投入した。そこへ、蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。さらに、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.56g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて10時間反応させた。
反応後、反応液を室温まで冷却し、1リットルの分液ロートに移してトルエン抽出を行うと共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿法を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒は、ジクロロメタン/ヘキサンを用いた系、およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、白色固体2g(回収量として、収率52%)を得た。
EL用ホスト材料(ホスト2)として、上記式(16)に示すフルオレンとトリフェニルアミンの共重合体を、図7に示す合成方法に基づき、以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に示した合成方法により合成した、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸5g(9.7E−3mol)、4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸1.2g(3.2E−3mol)、および市販のフェニルボロン酸0.008g(6.6E−5mol)、ブロモベンゼン0.01g(6.6E−5mol)を計量投入した。そこへ、蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。さらに、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.56g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて5時間反応させた。
反応後、反応液を室温まで冷却し、1リットルの分液ロートに移してトルエン抽出を行うと共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿法を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒は、ジクロロメタン/ヘキサンを用いた系、およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、白色固体1.5g(回収量として、収率33%)を得た。
EL用ホスト材料(ホスト3)として、上記式(17)に示すフルオレンとトリフェニルアミンとアントラセンとの共重合体を、図8に示す原料合成方法、図9に示すホスト材料の合成方法に基づき、以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、9,10−ジブロモアントラセン2g(5.9E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF50cm3を加えて分散溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4cm3(5.9E−3mol)を添加し、1時間放置した。冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル0.87g(5.9E−3mol)を添加し、1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、THFを100cm3添加して完全に溶解させた後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、エバポレーターを使用して溶媒を除去し、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。
精製は再沈殿法によって行った。また、溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
これにより、淡黄白色(薄緑色に着色)固体1g(収率56%)を得た。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に示した合成方法により合成した、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸5g(9.7E−3mol)、4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸1.2g(3.2E−3mol)、9−ブロモアントラセ−10イル-ボロン酸0.96g(3.2E−3mol)、および市販のフェニルボロン酸0.008g(6.6E−5mol)、ブロモベンゼン0.01g(6.6E−5mol)を計量投入した。そこへ、蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。さらに、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.7gおよび炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて5時間反応させた。
5時間後、フェニルボロン酸0.2g(1.65E−3mol)を加え、さらに1時間反応させた。1時間後、反応液を室温まで冷却し、1リットルの分液ロートに移してトルエン抽出をすると共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒はジクロロメタン/ヘキサンを用いた系およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、淡黄白色固体2.1g(回収量として、収率41%)を得た。
(合成参考文献)
Polymers for Advanced Technologies, 15(5), 266-269; 2004
Eur. Pat. Appl., 1298117, 02 Apr 2003
Helvetica Chimica Acta, 85(7), 2195-2213; 2002
Organometallics, 20(24), 5162-5170; 2001
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Journal of Organic Chemistry, 62(3), 530-537; 1997
Indian Journal of Chemistry, Section B:Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry, 22B(3), 225-9; 1983
次に、本発明の有機ELデバイスの一実施形態について、図10を参照して説明する。
図10において符号100は有機ELデバイスであり、この有機ELデバイス100は、透光性基板101上に透光性の陽極(第1電極)102と、陰極(第2電極)105とを有し、これら陽極102と陰極105との間に、機能層を備えたものである。機能層は、正孔注入/輸送層103と、発光層104とが積層されて構成されている。このような構成からなる有機ELデバイス100は、発光層104で発光した光を透光性基板101側から出射するボトムエミッション方式となっている。
ガラス等からなる透明基板(図示せず)を用意し、該透明基板上に図示しない薄膜トランジスタ(TFT)素子や各種配線等を公知の方法により形成した。さらに、層間絶縁層や平坦化膜を形成した後、スパッタ法または蒸着法によりインジウム錫酸化物(ITO)を全面成膜し、これをフォトリソグラフィ法により画素毎にパターニングすることで画素電極(陽極)102を得た。なお、画素電極102としては、透光性の導電材料であれば良く、ITO以外にもインジウム亜鉛酸化物等を用いて形成することもできる。
上記の陽極(画素電極)102を形成したガラス基板を、中性洗剤、アセトン、エタノールを用いて超音波洗浄し、煮沸エタノール中から引き上げて乾燥した。次に、この透明電極表面を大気圧において酸素プラズマ処理を行い、基板表面を親水性に改質した後、大気下において基板をスピンコートホルダーにセットした。
次に、陽極(画素電極)102が形成された基板に、正孔注入/輸送層の形成材料として、H.C.Starck社製品のPEDOT/PSS(重量比で1:2.5)(BAYTRON(登録商標)P)の水分散液を大気下にてスピンコーティングし、その後、窒素下にて100℃で30分の乾燥を行い、ホール注入/輸送層103を形成した。乾燥後の膜厚は50nmであった。
発光層104の形成材料として、上記実施形態で作製した本発明の有機EL用化合物であるEL材料1,2(発光ドーパント材料)と、EL用ホスト材料1、2、3(ホスト材料)とからなる材料を作製した。これらEL材料1,2(発光ドーパント材料)とEL用ホスト材料1、2、3(ホスト材料)との組み合わせによって得られた形成材料を、以下の表1に示すように実施例1〜実施例6とする。また、比較のため、EL用ホスト材料1、2、3(ホスト材料)のみからなる形成材料を比較例1〜3とする。
そして、上記EL材料1,2(発光ドーパント材料)とEL用ホスト材料1、2、3(ホスト材料)とを適宜比で混合し、さらに溶媒に溶解させて溶液(インク)を形成し、この溶液をスピンコート法で上記正孔注入/輸送層103の表面上に例えば100nmの膜厚で成膜し、発光層104を形成した。この際、塗布成膜後、窒素下にて100℃で30分間乾燥を行った。また、上記溶液を成膜した際、正孔注入/輸送層103は相溶することがなかった。
なお、上記の溶液を用い、スピンコート法に代えて液滴吐出法(インクジェット法)で成膜することもできる。
発光層104形成後、真空蒸着装置にて、その真空到達度を10−7〜10−8Torrとして、LiFを1nm、Caを5nm、Alを200nmと順に積層し、陰極105を形成した。
[封止工程]
最後に封止工程では、陰極105上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材200を塗布し、封止層を形成した。さらに、封止層(封止材200)上に封止基板201を貼設した。この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
この有機ELデバイス100において、上記した本発明の有機EL用化合物を用いて発光層104を形成したものでは、後述する実験結果より発光特性(輝度)及び信頼性(輝度半減寿命)に優れたものとなり、したがって、従来に比べ発光の高効率化、長寿命化が図られたものとなる。
上記したように発光層104の形成材料について、以下の表1に示す材料を用いた。
実施例2おいては、上記式(14)で示す(EL材料2)と上記式(15)で示す(ホスト1)とを1:6.5の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例3おいては、上記式(13)で示す(EL材料1)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:7.2の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例4おいては、上記式(14)で示す(EL材料2)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:6.5の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例5おいては、上記式(13)で示す(EL材料1)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:7.2の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例6おいては、上記式(14)で示す(EL材料2)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:6.5の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例2においては、上記式(16)で示す(ホスト2)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例3においては、上記式(17)で示す(ホスト3)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
上記の各有機ELデバイスに対し、その発光層104に直流100mA/cm2の電流が流れるように電圧を印加し、発光させた。
EL波形を図11、図12に示す。なお、図11には実施例1、実施例3、実施例5のEL波形を示し、図12には実施例2、実施例4、実施例6のEL波形を示す。また、図13には比較例1のEL波形を示し、図14には比較例2のEL波形を示し、図15には比較例3のEL波形を示す。
なお、実施例1において、上記電流を得るための印加電圧は6.0Vであった。
同様に、実施例2においては印加電圧は5.9V、実施例3においては印加電圧は6.1V、実施例4においては印加電圧は6.0V、実施例5においては印加電圧は5.8V、実施例6においては印加電圧は5.8V、比較例1においては印加電圧は6.0V、比較例2においては印加電圧は5.8V、比較例3においては印加電圧は5.7Vであった。
(有機EL用化合物)
本発明の有機EL用化合物の第3実施形態として、下記式(18)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
ペリレン誘導体(中間体)を、図16に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した500cm3のシュレンク管に、溶媒用として乾燥させたジメチルホルムアミド(DMF)150cm3を投入し、そこへ、Ni(COD)2を17.18g(6.45E−2mol)、2,2’−ビピリジン10.08g(6.45E−2mol)、およびシクロオクタジエン(3cm3)を加えて、70℃で0.5時間加温した。 0.5時間後、そこへ5,6−ジブロモアセナフチレン10g(3.23E−2mol)、1,8−ジブロモナフタレン9.23g(3.23E−2mol)を加え、90℃にて反応させた。
5時間反応させた後、反応溶液を室温まで冷却させ、そこへメタノール50cm3と10%塩酸水を30cm3添加した。沈殿物をろ過にて回収後、十分な水、メタノールで洗浄を行った。
ろ物を300cm3のクロロホルムに溶解させ、シリカゲルを用いて目的物を分離した。展開溶媒にはヘキサン、トルエンを使用した。
さらにジクロロメタン、ヘキサンを用いて再沈澱により精製を行った。
これにより、暗赤色固体:1.5g(収率16.8%)を得た。また、MS+:276が確認された。
ビスブロモフェニル−ベンゾインデノペリレンを、図17に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した100cm3のシュレンク管に、先に合成したペリレン中間体1.29g(4.67E−3mol)、1,3−ビス−4−ブロモフェニル−イソベンゾフラン2g(4.67E−3mol)、および蒸留乾燥させたキシレン50cm3を加え、130℃にて20時間反応させた。
反応後、放置冷却し、沈澱してきた目的中間体をろ過した。ろ物を300cm3の加熱クロロホルムにて洗浄を行った後、目的中間体を回収した。
これにより、中間体としての黄色固体1.5g(収率45%)を得た。
次に、上記中間体1.5gを300cm3のフラスコに投入し、そこへ酢酸150cm3を投入し、130℃で1時間加熱した。加熱後、100℃まで温度を下げた後、48%HBr水溶液を20cm3添加した。30分加熱後、水を投入して固形分を回収した。
固形分を蒸留水、メタノールで十分洗浄した後、目的物の分離精製を、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿法を用いて行った。
これにより、赤色固体0.8g(収率54%)を得た。また、MS++1:684が確認された。
2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸を、図18に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4g(7.3E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF100cm3を加えて溶液とした。この溶液を−70℃に冷却した。そこへ1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.9cm3を添加し、1時間放置した。冷却を保持したままボロン酸トリエチル1.1g(7.5E−3mol)を添加し1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。精製は再沈殿法にて行った。溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸を、図19に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、市販の4,4’ −ジブロモ−トリフェニルアミン4g(9.9E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF100cm3を加えて溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液9.9cm3(1.48E−2mol)を添加し、1時間放置した。次いで、冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル1.9g(1.3E−2mol)を添加し、1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。続いて、分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。精製は再沈殿法にて行った。また、溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
これにより、白色(薄緑色に着色)固体1.4g(収率40%)を得た。
1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸を、図20に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、4,4’−ビスブロモフェニルメタン5g(1.5E−2mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF50cm3を加えて溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液10.2cm3(1.5E−2mol)を添加し、1時間放置した。次いで、冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル2.2g(1.5E−2mol)を添加し1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。続いて、分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、エバポレーターを使用して溶媒を除去した。
これにより、透明粘稠体4gを得た。また、この状態で次反応に使用するようにした。
図21に示す合成ルートによって上記式(18)に示すEL材料(EL材料3)、すなわち本発明の有機EL用化合物の第3実施形態を合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に合成した(合成例1)インデノペリレン誘導体0.5g(7.28E−4mol)、4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸0.54g(1.46E−3mol)を投入し、次に、そこへ蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.06g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて加熱した。1時間後、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸1.5g(2.91E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.06gを加えて5時間反応させた。
次いで、市販のフェニルボロン酸0.18g(1.46E−3mol)を加えてさらに5時間反応させた。反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に、反応液を室温まで冷却後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒はジクロロメタン/ヘキサンを用いた系およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、赤色固体0.5g(収率25%)を得た。(ただし、分子量を2722として計算した。)
本発明の有機EL用化合物の第4実施形態として、下記式(19)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
図22に示す合成ルートによって上記式(19)に示すEL材料(EL材料4)を合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に合成したインデノペリレン誘導体0.5g(7.28E−4mol)、4−ブロモ-トリフェニルアミノボロン酸0.54g(1.46E−3mol)を投入し、次に、そこへ蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.06g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて加熱した。1時間後、1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸0.42g(1.46E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.06gを加えて反応させた。2時間後、さらに2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸1.5g(2.91E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4 )0.06gを加えて5時間反応させた。
次いで、市販のフェニルボロン酸0.12g(1.04E−3mol)を加えてさらに5時間反応させた。反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に、反応液を室温まで冷却後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒はジクロロメタン/ヘキサンを用いた系およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、赤色固体0.4g(収率18%)を得た。(ただし、分子量を3054として計算した。)
(合成参考文献)
J.Am.Chem.Soc.118,2374-2379 (1996)
Polymers for Advanced Technologies, 15(5), 266-269; 2004
Eur. Pat. Appl., 1298117, 02 Apr 2003
Helvetica Chimica Acta, 85(7), 2195-2213; 2002
Organometallics, 20(24), 5162-5170; 2001
Journal of Organic Chemistry, 69(3), 987-990; 2004
Journal of Organic Chemistry, 62(3), 530-537; 1997
次に、このようにして得られる本発明の有機EL用化合物を用いて、図10に示した有機ELデバイス100の発光層104を以下のようにして形成した。
すなわち、発光層104の形成材料について、以下の表2に示す材料を用いた。
実施例8においては、上記式(19)で示す(EL材料4)と上記式(15)で示す(ホスト1)とを1:7.6の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例9においては、上記式(18)で示す(EL材料3)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:8.7の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例10においては、上記式(19)で示す(EL材料4)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:7.6の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例11においては、上記式(18)で示す(EL材料3)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:8.7の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例12においては、上記式(19)で示す(EL材料4)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:7.6の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例2においては、上記式(16)で示す(ホスト2)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例3においては、上記式(17)で示す(ホスト3)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
上記の各有機ELデバイスに対し、その発光層104に直流100mA/cm2の電流が流れるように電圧を印加し、発光させた。
EL波形を図23、図24に示す。なお、図23には実施例7、実施例9、実施例11のEL波形を示し、図24には実施例8、実施例10、実施例12のEL波形を示す。また、比較例に関しては、前記したように図13に比較例1のEL波形を、図14に比較例2のEL波形を、図15に比較例3のEL波形をそれぞれ示している。
なお、実施例7において、上記電流を得るための印加電圧は6.1Vであった。
同様に、実施例8においては印加電圧は6.1V、実施例9においては印加電圧は5.9V、実施例10においては印加電圧は5.9V、実施例11においては印加電圧は5.8V、実施例12においては印加電圧は5.8Vであった。また、上記したように、比較例1においては印加電圧は6.0V、比較例2においては印加電圧は5.8V、比較例3においては印加電圧は5.7Vであった。
(有機EL用化合物)
本発明の有機EL用化合物の第5実施形態として、下記式(20)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
5,12−ビス−4ブロモフェニル−テトラセン誘導体を、図25に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した500cm3のシュレンク管に、2g(7.7E−3mol)の5,12−テトラセンキノン、溶媒用として乾燥させたテトラヒドロフラン100cm3を投入し、−78℃(ドライアイスにて冷却)に冷却した。別途、300cm3のシュレンク管に4.6g(1.9E−2mol)の1,4−ジブロモベンゼンを計量し、投入した。そこへ、溶媒として乾燥させたテトラヒドロフラン100cm3を投入し、−78℃(ドライアイスにて冷却)に冷却した。
冷却後、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液11.3cm3を添加し、1時間放置した。放置後、大気に触れないように注意しながら、Li液をテトラセンキノンの溶液にスポイトにて添加した。3時間はドライアイスでの冷却を継続させたまま反応させ、3時間後には室温放置にて一晩反応させた。反応後、トルエン、蒸留水を添加し分液ロートにて十分に洗浄し、その後、有機層を5gの硫酸マグネシウムにて乾燥後、エバポレータにて溶媒を除去した。
精製はシリカゲルクロマトグラフィ−および、再沈殿により行った。シリカゲルクロマトグラフィーにおける展開溶媒にはトルエンを用いた。また、再沈殿はジクロロメタン、ヘキサンを用いて行った。
これにより、白色固体:3.5g(収率84%)を得た。
5,12−ビス−p−ブロモフェニルナフタセンを、図26に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、大気下にて300cm3のナスフラスコに、先に合成したアルコール中間体3.0g(5.22E−3mol)を計量し投入した。そこへ、溶媒として酢酸150cm3を計量し投入した。別途、塩化スズ(II)の塩酸(35%)溶液(塩化スズ:塩酸=1:1(重量比))を調製し、20cm3を先のアルコール中間体の酢酸溶液に投入した。室温にて3時間反応後、トルエンを添加し、分液ロートを使用して蒸留水にて十分に洗浄を行った。十分に洗浄した後、有機層を5gの硫酸マグネシウムにて乾燥後、エバポレータにて溶媒を除去した。
精製はシリカゲルクロマトグラフィ−および再沈殿により行った。シリカゲルクロマトグラフィーにおける展開溶媒にはトルエンとヘキサンの混合液(トルエン:ヘキサン=1:2)を用いた。また、再沈殿はジクロロメタン、ヘキサンを用いて行った。
これにより、白色固体:2.3g(収率82%)を得た。
2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸を、図27に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、2,7−ジブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン4g(7.3E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF100cm3を加えて溶液とした。この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液4.9cm3を添加し、1時間放置した。冷却を保持したままボロン酸トリエチル1.1g(7.5E−3mol)を添加し、1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。
精製は再沈殿法にて行った。溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸を、図28に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、市販の4,4’−ジブロモ−トリフェニルアミン4g(9.9E−3mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF100cm3を加えて溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液9.9cm3(1.48E−2mol)を添加し、1時間放置した。次いで、冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル1.9g(1.3E−2mol)を添加し、1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。続いて、分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、ヘキサンを加えて目的物を析出させた。精製は再沈殿法にて行った。また、溶媒としてはTHFとヘキサンとを使用した。
これにより、白色(薄緑色に着色)固体1.4g(収率40%)を得た。
1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸を、図5に示す合成方法で以下のようにして合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、4,4’−ビスブロモフェニルメタン5g(1.5E−2mol)、およびナトリウム乾燥させたTHF50cm3を加えて溶液とした。次に、この溶液を−70℃に冷却した。そこへ、1.5mol/lのn−ブチルリチウムヘキサン溶液10.2cm3(1.5E−2mol)を添加し、1時間放置した。次いで、冷却状態を保持したままボロン酸トリエチル2.2g(1.5E−2mol)を添加し、1.5時間反応させた。反応後、反応液を5℃において40%HCl水溶液5cm3を添加した。1時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を用いてpHが7になるように中和した。
次に、分液ロートを使用して有機層(THF層)を分離した。続いて、分離したTHF溶液に硫酸マグネシウムを適量加えて水分を除去した。ろ紙を用いて硫酸マグネシウムを除いた後、エバポレーターを使用して溶媒を除去した。
これにより、透明粘稠体4gを得た。また、この状態で次反応に使用するようにした。
図30に示す合成ルートによって上記式(20)に示すEL材料(EL材料5)、すなわち本発明の有機EL用化合物の第5実施形態を合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に合成した(合成例1)テトラセン誘導体0.5g(9.29E−4mol)、4−ブロモ-トリフェニルアミノボロン酸0.68g(1.86E−3mol)を投入し、次に、そこへ蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて加熱した。1時間後、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸1.9g(3.72E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1gを加えて5時間反応させた。
次いで、市販のフェニルボロン酸0.23g(1.86E−3mol)を加えてさらに5時間反応させた。反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に、反応液を室温まで冷却した後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒は、ジクロロメタン/ヘキサンを用いた系、およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、黄色固体 0.52g(収率22%)を得た。(ただし、分子量を2574として計算した。)
本発明の有機EL用化合物の第6実施形態として、下記式(21)に示すポリマー分子を、以下の合成例に基づく合成法によって作製した。
図31に示す合成ルートによって上記式(21)に示すEL材料(EL材料6)を合成した。
まず、Ar置換した200cm3のシュレンク管に、先に合成した(合成例1)テトラセン誘導体0.5g(9.29E−4mol)、4−ブロモ−トリフェニルアミノボロン酸0.68g(1.86E−3mol)を投入し、次に、そこへ蒸留エタノール50cm3、蒸留トルエン100cm3を加えて溶液とした。
次いで、そこへテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1g、および炭酸ナトリウムの飽和水溶液を30cm3添加し、80℃にて加熱した。1時間後、1−(4−ブロモベンジル)−4−フェニルボロン酸0.54g(1.86E−3mol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.07gを加えて反応させた。2時間後さらに、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−7−ボロン酸1.91g(3.72E−3mol)、へテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム錯体(Pd(PPh3)4)0.1gを加えて5時間反応させた。
次いで、市販のフェニルボロン酸0.23g(1.86E−3mol)を加えてさらに5時間反応させた。反応後、加熱下で空気を反応液にバブリングにて30分間送入した。次に、反応液を室温まで冷却した後、1リットルの分液ロートに移しトルエン抽出をすると共に、蒸留水で十分に洗浄を行った。分液ロート中のトルエン層を硫酸マグネシウムで十分に乾燥後、シリカゲルクロマトグラフィーおよび再沈殿を用いて精製を行った。
再沈殿精製に用いた溶媒は、ジクロロメタン/ヘキサンを用いた系、およびジクロロメタン/メタノールを用いた系である。
これにより、黄色固体 0.54g(収率20%)を得た。(ただし、分子量を2906として計算した。)
(合成参考文献)
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Journal of the American Chemical Society (1963), 85(11), 1561-4.
次に、このようにして得られる本発明の有機EL用化合物を用いて、図10に示した有機ELデバイス100の発光層104を以下のようにして形成した。
すなわち、発光層104の形成材料について、以下の表3に示す材料を用いた。
実施例14においては、上記式(21)で示す(EL材料6)と上記式(15)で示す(ホスト1)とを1:5.51の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例15おいては、上記式(20)で示す(EL材料5)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:6.35の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例16においては、上記式(21)で示す(EL材料6)と上記式(16)で示す(ホスト2)とを1:5.51の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例17においては、上記式(20)で示す(EL材料5)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:6.35の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
実施例18においては、上記式(21)で示す(EL材料6)と上記式(17)で示す(ホスト3)とを1:5.51の混合比(重量比)で使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、実施例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例2においては、上記式(16)で示す(ホスト2)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
また、比較例3においては、上記式(17)で示す(ホスト3)のみを使用し、これをクロロホルムに溶解させて固形分が1.5wt%の溶液(インク)を得た。そして、この溶液(インク)を用いて上記したように発光層104を形成し、比較例品としての有機ELデバイスを得た。
上記の各有機ELデバイスに対し、その発光層104に直流100mA/cm2の電流が流れるように電圧を印加し、発光させた。
EL波形を図32、図33に示す。なお、図32には実施例13、実施例15、実施例17のEL波形を示し、図33には実施例14、実施例16、実施例18のEL波形を示す。また、比較例に関しては、前記したように図13に比較例1のEL波形を、図14に比較例2のEL波形を、図15に比較例3のEL波形をそれぞれ示している。
なお、実施例13において、上記電流を得るための印加電圧は6.3Vであった。
同様に、実施例14においては印加電圧は6.3V、実施例15においては印加電圧は6.1V、実施例16においては印加電圧は6.1V、実施例17においては印加電圧は5.8V、実施例18においては印加電圧は5.8Vであって。また、上記したように、比較例1においては印加電圧は6.0V、比較例2においては印加電圧は5.8V、比較例3においては印加電圧は5.7Vであった。
よって、本発明の有機ELでバイスは、従来に比べ発光の高効率化、長寿命化が図られたものとなる。
Claims (12)
- 有機ELデバイスに用いられる発光材料としての有機EL用化合物であって、
前記発光材料の発光色領域を決定する発光分子と、下記式(1)〜式(4)で示される分子のうち、少なくとも式(1)、式(2)、式(4)で示される分子全てとを構成ユニットとして有するポリマー分子からなり、
前記発光分子が、下記式(5)〜式(7)で示される分子より選択された一種からなり、
前記ポリマー分子が、下記式(8)で示される有機EL用化合物。
- 上記式(8)で示されるポリマー分子において、
発光ユニットである上記Aで示されるユニットの数を表す整数mが1または2であることを特徴とする請求項1記載の有機EL用化合物。 - 上記式(8)で示されるポリマー分子において、ホールトラップ機能を有するユニットである上記式(1)で示されるユニットの数を表す整数nが2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機EL用化合物。
- 上記式(8)で示されるポリマー分子において、高分子量化のための連結ユニットとして機能するとともに電子トラップとしての機能を有するユニットである上記式(2)で示されるユニットの数を表す整数pが1ないし4であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL用化合物。
- 上記式(8)で示されるポリマー分子の構成において、上記Aで示されるユニットと上記式(1)で示されるユニットとが最低1箇所直接連結していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機EL用化合物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL用化合物を使用した有機ELデバイス。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL用化合物を発光層に使用した有機ELデバイス。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機EL用化合物を発光層中において発光ドーパント材料として使用した有機ELデバイス。
- 上記発光層は、上記発光ドーパント材料とホスト材料とによって形成されてなり、
上記発光層中における上記発光ドーパントと上記ホスト材料とは、下記式(12)で示される重量%表示のk値が、0.5重量%以上、10.0重量%以下となるような割合で含有されていることを特徴とする請求項8記載の有機ELデバイス。
k=(a/(b+c))×100 …式(12)
(ただし、上記式(12)中のaは、上記発光ドーパント材料中での、上記発光分子からなるユニットが占める重量であり、bは使用された発光ドーパント材料の重量であり、cは使用されたホスト材料の重量である。) - 上記発光層は、上記発光ドーパント材料とホスト材料とによって形成されてなり、
上記ホスト材料が、フルオレン、アリールアミン、アントラセンより選ばれた少なくとも1種の材料からなるホモポリマーまたは共重合ポリマーであることを特徴とする請求項8又は9に記載の有機ELデバイス。 - 上記発光層と陽極との間に少なくとも1層のホール注入層またはホール輸送層を設けたことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載の有機ELデバイス。
- 上記発光層が、スピンコート法もしくは液滴吐出法により塗布されて作製されたことを特徴とする請求項7〜11のいずれか一項に記載の有機ELデバイス。
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