JP6083642B2 - フェニルカルバゾール基置換ジフェニルケトン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

フェニルカルバゾール基置換ジフェニルケトン化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、塗布型有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)に好適に用いることができるフェニルカルバゾール基置換ジフェニルケトン化合物及びそれを用いた有機EL素子に関する。
有機EL素子の高性能化のためには、高度に機能分離した積層構造が必要不可欠である。このような積層構造の形成プロセスは、蒸着法と塗布法に大別される。
蒸着法では、有機層の積層化が可能であるため、電極から発光層への電荷注入や電荷と励起子の閉じ込めが容易であり、高効率の素子作製が可能である。その一方で、大面積での均一な成膜が困難であること、材料の利用効率が低いこと、高コストであること等の課題を有している。
これに対して、塗布法では、有機層を溶液から成膜するため、素子の大面積化や低コスト化が可能であるという利点を有している。しかしながら、塗布法においては、積層する際に下層が塗布溶媒により溶解することが課題となっている。
このため、塗布法により多段積層するためには、直交溶媒を用いて積層する方法が望ましく、一般的には、有機EL材料を溶かしにくいアルコール系溶媒を用いて電子輸送材料等を塗布積層することが試みられている。
また、溶解性の低い高分子ホスト材料を用いることにより、上層に電子輸送材料等を塗布成膜することが可能であるが、電荷注入・輸送性の高い共役系高分子材料は、励起三重項エネルギーT1が比較的低く、リン光発光の閉じ込めに不利となる。その一方で、ポリビニルカルバゾール等の非共役系高分子は、十分に高いT1エネルギーを有しているが、電荷注入・輸送性に乏しい。
このため、十分に高いT1エネルギーと電荷注入・輸送性とを併せ持つ材料が求められ、このような材料としては低分子材料が好ましいと考えられる。
しかしながら、蒸着法で用いられる低分子ホスト材料であるCBP(分子量484)等の膜上にアルコール溶媒をスピンコートすると、この膜はほとんど溶け出してしまう。
これに対しては、分子量を1,000程度まで増加させてアルコール溶媒に対して難溶化させることが考えられ、例えば、ホスト材料として下記に示すフェニルカルバゾール3量体(以下、Tris−PCzと略称する)(分子量725)を用いることが知られている(特許文献1,2参照)。
Figure 0006083642
国際公開第2012/008281号 国際公開第2011/048821号
前記Tris−PCzは、ホール輸送性材料であるが、ホスト材料としては、電子輸送性が高いものも求められる。
そこで、本発明者らは、十分に高いT1エネルギーと電荷注入・輸送性とを併せ持つ低分子材料であり、ホスト材料としてTris−PCzよりも優れた特性を有する材料の検討・開発を行った結果、本発明に係る新規化合物を見出した。
すなわち、本発明は、十分に高いT1エネルギーと電荷注入・輸送性とを併せ持つ低分子材料であり、かつ、アルコール溶媒に対して難溶で、塗布法により機能分離された多段積層を可能とする新規化合物、特に、発光層の上に電子輸送層の塗布を可能とするために、発光層のホスト材料としても好適な新規化合物及びこれを用いた有機EL素子を提供することを目的とするものである。
本発明によれば、上記技術的課題を解決するものとして、下記化学式(1)又は化学式(2)で表されるフェニルカルバゾール基置換ジフェニルケトン化合物が提供される。
Figure 0006083642
Figure 0006083642
上記のようなジフェニルケトン化合物は、十分に高いT1エネルギーと電荷注入・輸送性とを併せ持ち、ホスト材料としての特性に優れており、塗布成膜による有機EL材料として好適に用いることができる。
本発明に係る有機EL素子は、一対の電極間に発光層を含む1層又は複数層の有機層を備えた有機EL素子において、前記有機層の少なくとも1層が、前記ジフェニルケトン化合物を含有していることを特徴とする。
上記の本発明に係るジフェニルケトン化合物を用いることにより、有機EL素子を構成する各層の積層を塗布成膜により好適に行うことができる。
前記有機EL素子においては、前記有機層の少なくとも1層が、ホスト材料として前記ジフェニルケトン化合物と、ゲスト材料として蛍光又はリン光材料とを含有していることが好ましい。
前記ジフェニルケトン化合物は、発光層におけるホスト材料としても好適に用いることができる。
上記有機EL素子においては、前記化学式(1)で表されるジフェニルケトン化合物を含有する有機層に隣接して電子輸送層の塗布膜を好適に形成することができる。
本発明に係るジフェニルケトン化合物は、ホスト材料として優れた特性を有しており、有機EL材料として好適であり、バイポーラ電荷輸送性及び発光量子収率の向上に寄与し得るものである。
前記ジフェニルケトン化合物によれば、各層が機能分離された多段積層構造の形成を可能とし、特に、発光層のホスト材料として適用することにより、発光層の上に電子輸送層の塗布成膜が可能となるため、成膜プロセスの効率化、低コスト化も図られる。
したがって、前記ジフェニルケトン化合物を用いた本発明に係る有機EL素子は、大面積かつ低コストな表示素子や光源への応用が期待される。
実施例1に係る有機EL素子の層構成を示した概略断面図である。 実施例2に係る有機EL素子の層構成を示した概略断面図である。 実施例1及び比較例1の有機EL素子の電流効率−電流密度曲線を示したグラフである。 実施例2及び比較例2の有機EL素子の電流効率−電流密度曲線を示したグラフである。 実施例3の有機EL素子の電流効率−電流密度曲線を示したグラフである。 実施例4〜8の有機EL素子の電流効率−電流密度曲線を示したグラフである。
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明に係るジフェニルケトン化合物は、上記化学式(1)又は化学式(2)で表される構造からなる。
これらの化合物は、ジフェニルケトンのフェニル基にフェニルカルバゾールが付加したものであり、化学式(1)はフェニルカルバゾール置換基が4つのもの(以下、PCPKと略称する)(分子量1146)、化学式(2)はフェニルカルバゾール置換基が2つのもの(以下、PCPK2と略称する)(分子量664)である。
上記のようなジフェニルケトンとフェニルカルバゾールを組み合わせてなる化合物は、十分に高いT1エネルギーと電荷注入・輸送性とを併せ持ち、ホスト材料としての特性に優れたものである。
また、ジフェニルケトンとフェニルカルバゾールとの組み合わせにより、分子量を1,000程度にまで増加させることにより、アルコール溶媒に対して難溶化させることが可能となる。特に、分子量が1,000を超えるPCPKは、ファンデルワールス力が高まることにより、アルコール溶媒に対する溶け出しが抑制されるため、塗布成膜による有機EL材料として好適である。
PCPK及びPCPK2の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、下記実施例に示すような方法により合成することするができる。
また、本発明に係る有機EL素子は、前記PCPK又はPCPK2を、一対の電極間に発光層を含む1層又は複数層の有機層を備えた有機EL素子の前記有機層の少なくとも1層に含有しているものである。このような有機EL素子の構成は、具体的には、陽極/発光層/陰極、陽極/ホール注入層/発光層/陰極、陽極/ホール注入層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極等の構造等が挙げられる。
さらに、ホール輸送発光層、電子注入層、電子輸送発光層等をも含む公知の積層構造であってもよい。
また、本発明に係る有機EL素子は、1つの発光層を含む発光ユニットが電荷発生層を介して直列式に複数段積層されてなるマルチフォトンエミッション構造の素子であってもよい。
前記有機EL素子において、本発明に係るジフェニルケトン化合物は、前記有機層のいずれに用いられてもよく、ホール輸送材料、発光材料、電子輸送材料とともに分散して用いることや、この分散させた層中へ発光色素をドープすることも可能である。さらに、前記ジフェニルケトン化合物に、酸化性ドーパントを作用させることによりホール注入輸送層として、また、還元性ドーパントを作用させることにより電子注入輸送層として用いることもできる。
前記ジフェニルケトン化合物は、蛍光又はリン光材料をゲスト材料とした場合に、ホスト材料として機能し得ることから、発光層においても好適に適用することができる。
また、PCPKを発光層におけるホスト材料として用いた場合、発光層の不溶化も図られるため、その上に、電子輸送層を塗布成膜によって形成することが可能となる。すなわち、PCPKを含有する有機層と電極との間においても、機能分離された電子輸送層の塗布膜を積層させることができる。
したがって、有機EL素子の積層構造において、電極等の金属層以外の有機層は、すべて塗布膜により形成することが可能となり、しかも、高効率での発光が可能な塗布型有機EL素子を得ることが可能となる。
前記有機EL素子の積層構造において、本発明に係るジフェニルケトン化合物以外の成膜材料は、特に限定されるものではなく、公知のものから適宜選択して用いることができ、低分子系又は高分子系のいずれであってもよい。
前記各層の膜厚は、各層同士の適応性や求められる全体の層厚さ等を考慮して、適宜状況に応じて定められるが、通常、5nm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
上記各層の成膜方法は、蒸着法やスピンコート等の塗布法等のいずれでもよいが、上記のように、本発明に係るジフェニルケトン化合物は、素子の大面積化や低コスト化に有利な塗布成膜において、特にその優位性を発揮し得るものであることから、塗布法がより好ましい。
また、電極も、公知の材料及び構成でよく、特に限定されるものではない。例えば、ガラスやポリマーからなる透明基板上に透明導電性薄膜が形成されたものが用いられ、ガラス基板に陽極として酸化インジウム錫(ITO)電極が形成された、いわゆるITO基板が一般的である。一方、陰極は、Al等の仕事関数の小さい(4eV以下)金属や合金、導電性化合物により構成される。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例1)PCPKの合成
Figure 0006083642
2200mL三口フラスコに化合物a2.60g(8.26mmol)、脱水ジエチルエーテル150mlを加え、窒素雰囲気下、−70℃以下にて撹拌した。n−ブチルリチウム5.0ml(1.65mol/ln−ヘキサン溶液,8.25mmol)を−70℃以下60分以内で加え、2時間撹拌した。化合物b2.40g(9.09mmol)の脱水ジエチルエーテル30ml溶液を一度に加えた後、さらに2時間撹拌した。反応混合液を室温に戻した後、メタノール100mlを加え、反応を終了させた。
溶媒を留去後、得られた粘体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→4:1)にて精製し、目的物である化合物cを収量2.59g(5.18mmol)、収率63%で得た。
なお、生成物は、1H NMR、EI−Massにより同定した(以下、同様)。
Figure 0006083642
次に、300mL三角フラスコにセライト10.5g、活性モレキュラーシーブス3A4.2g、ジクロロメタン75ml、クロロクロム酸ピリジニウム3.35g(15.5mmol)を加え、撹拌した。化合物c2.58g(5.16mmol)のジクロロメタン35ml溶液を加えた後、1.5時間撹拌した。
反応混合物について、アルミナショートカラムで不溶部を除去した。ろ液を濃縮後、得られた粘体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=19:1→4:1)にて精製し、目的物である化合物dを収量2.43g(4.88mmol)、収率95%で得た。
Figure 0006083642
そして、50mL四口フラスコに、化合物d500mg(1.00mmol)、化合物e1.38g(4.81mmol)、1.35Mリン酸三カリウム水溶液10ml、キシレン20ml、エタノール10mlを加え、1時間窒素バブリングした。そこに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)64mg(0.07mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル57mg(0.14mmol)を加え、12時間還流撹拌した。
反応溶液を室温に戻し、溶媒を留去した。得られた残渣にトルエン、飽和食塩水を加え、洗浄・抽出を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ別した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:ジクロロメタン=2:1→0:1)を行った後、メタノールで再沈殿を行い、目的物であるPCPKを収量1.12g(0.98mmol)、収率98%で得た。
(合成例2)PCPK2の合成
Figure 0006083642
300mL三口フラスコに化合物f1.21ml(9.96mmol)、脱水ジエチルエーテル150mlを加え、窒素雰囲気下−70℃以下にて撹拌した。n−ブチルリチウム6.0ml(1.65mol/ln−ヘキサン溶液,9.90mmol)を−70℃以下60分以内で加え、2時間撹拌した。化合物g1.29ml(11.0mmol)の脱水ジエチルエーテル30ml溶液を一度に加えた後、さらに2時間撹拌した。反応混合液を室温に戻した後、メタノール100mlを加え、反応を終了させた。
溶媒を留去後、得られた粘体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、目的物である化合物hを収量1.44g(4.21mmol)、収率42%で得た。
Figure 0006083642
次に、200mL三角フラスコにセライト8.5g、活性モレキュラーシーブス3A3.4g、ジクロロメタン60ml、クロロクロム酸ピリジニウム2.72g(12.6mmol)を加え、撹拌した。化合物h1.44g(4.21mmol)のジクロロメタン10ml溶液を加えた後、1.5時間撹拌した。
反応混合物について、アルミナショートカラムで不溶部を除去した。ろ液を濃縮後、得られた粘体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)にて精製し、目的物である化合物iを収量1.26g(3.71mmol)、収率88%で得た。
Figure 0006083642
そして、50mL四口フラスコに、化合物i386mg(1.14mmol)、化合物e800mg(2.78mmol)、1.35Mリン酸三カリウム水溶液10ml、キシレン20ml、エタノール10mlを加え、1時間窒素バブリングした。そこに、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)73mg(0.08mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル66mg(0.16mmol)を加え、12時間還流撹拌した。
反応溶液を室温に戻し、溶媒を留去した。得られた残渣にトルエン、飽和食塩水を加え、洗浄・抽出を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、乾燥剤をろ別した。ろ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→3:2)を行った後、メタノールで再沈殿を行い、目的物であるPCPK2を収量584g(0.88mmol)、収率77%で得た。
上記により合成したPCPKについて、以下に示すような各種特性評価を行った。
(薄膜の溶解性試験)
PCPKを濃度10mg/mlでTHFに溶解させ、石英基板上にスピンコート(2000rpm、20秒間)により成膜し、窒素雰囲気下、135℃で30分間熱処理し、薄膜を形成した。
この薄膜上に、メタノール(MeOH)又はイソプロパノール(IPA)100μlを計2回スピンコートし、それぞれ紫外−可視(UV−vis)吸収スペクトルを測定した。吸光度差から溶媒に対する耐性を評価した結果、PCPK薄膜は、MeOH、IPAにほとんど不溶であることが確認された。
これにより、塗布成膜したPCPK薄膜は、その上に電子輸送層等を塗布成膜可能であることが示された。
(イオン化ポテンシャルIp測定)
PYS(光電子収量分光)測定装置を用いて、PCPKのイオン化ポテンシャルIを測定したところ、5.76eVであった。また、UV−vis吸収スペクトルの吸収端から光学エネルギーギャップEgを見積もり、イオン化ポテンシャルIpとの差から電子親和力Eaを2.81eVと算出した。
(ホスト材料とした場合の発光量子収率PLQE測定)
PCPKに、緑色リン光材料としてIr(ppy)3を12wt%の濃度でドープした薄膜のPLQEを測定した(励起波長330nm)。薄膜の形成は、原料を濃度8mg/mlでTHFに溶解させ、石英基板上にスピンコート(3000rpm、30秒間)により成膜し、窒素雰囲気下、135℃で30分間熱処理することにより行った。
測定の結果、PLQEは68.7%であった。
以下、PCPKを用いた塗布型リン光有機EL素子の作製例を示す。
(実施例1)PCPKホスト
図1に示すような層構成からなる有機EL素子を作製した。
インジウム−スズ酸化物(略称:ITO)付きガラス基板(陽極1)上にポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(略称:PEDOT:PSS)の水分散液をスピンコート(2500rpm、30秒間)した後、120℃で10分間熱処理し、ホール注入層2(厚さ40nm)を形成した。
次いで、PCPKに緑色リン光材料Ir(ppy)3を12wt%の濃度で混合した原料を濃度8mg/mlでTHFに溶解させ、PEDOT:PSS上にスピンコート(2500rpm、30秒間)した後、135℃で30分間熱処理し、発光層3(厚さ50nm)を形成した。
さらに、2,2’,2”−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBi)を濃度6.7mg/mlでMeOHに溶解させ、発光層3上にスピンコート(2000rpm)した後、135℃で30分間熱処理し、電子輸送層4(40nm)を形成した。
最後に、電子注入層5としてLiq(1nm)と、Al陰極6(80nm)を真空蒸着により形成した。
上記において作製した有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(40nm)/PCPK:12wt%Ir(ppy)3(40nm)/TPBi(40nm)/Liq(1nm)/Al(80nm)である。
(比較例1)TCTAホスト
実施例1において、PCPKに代えて、汎用ホスト材料であるTCTAをホスト材料として用い、それ以外については実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例2)PCPKホスト+インターレイヤー
実施例1において、ホール注入層2と発光層3の間に、インターレイヤー7を挿入し、それ以外については実施例1と同様にして、図2に示すような層構成からなる有機EL素子を作製した。
インターレイヤー7は、IL−HT12(住友化学株式会社製)を濃度7mg/mlでp−キシレンに溶解させ、ホール注入層2上にスピンコート(4000rpm、10秒間)した後、200℃で1時間熱処理して形成した。
上記において作製した有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(40nm)/IL−HT−12(20nm)/PCPK:12wt%Ir(ppy)3(40nm)/TPBi(40nm)/Liq(1nm)/Al(80nm)である。
(比較例2)Tris−PCzホスト+インターレイヤー
実施例2において、PCPKに代えて、ホール輸送性ホスト材料であるTris−PCzをホスト材料として用い、それ以外については実施例2と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例3)混合ホスト+インターレイヤー
実施例2において、電子輸送性ホスト材料であるPCPKをホール輸送性ホストであるTris−PCzと重量比1:1で混合したものをホスト材料として用い、また、電子輸送層4の形成時の熱処理温度を135℃から60℃に変更し、それ以外については実施例2と同様にして、有機EL素子を作製した。
(実施例4〜8)混合ホスト+インターレイヤー
実施例3において、IL−HT12に代えて、TFBを用いてインターレイヤー7を形成し、また、発光層3を厚さ50nmとして、発光層4の形成時の熱処理温度を100℃、120℃、135℃、150℃、170℃とし、それ以外については実施例3と同様にして、各有機EL素子を作製した。
上記において作製した各有機EL素子の層構成を簡略化して表すと、ITO/PEDOT:PSS(40nm)/TFB(20nm)/PCPK:Tris−PCz:12wt%Ir(ppy)3(50nm)/TPBi(40nm)/Liq(1nm)/Al(80nm)である。
(素子特性評価)
上記実施例及び比較例で作製した各素子について、発光輝度100cd/m2、1000cd/m2のときの駆動電圧、電力効率、電流効率、外部量子効率の測定を行った。
これらの測定結果をまとめて表1に示す。
また、図3に実施例1及び比較例1について、図4に実施例2及び比較例2について、図5に実施例3について、図6に実施例4〜8についての各有機EL素子の電流効率−電流密度曲線を示す。
Figure 0006083642
表1及び図3〜6のグラフに示した評価結果から分かるように、ホスト材料としてPCPKを用いた場合(実施例1)の方が、TCTAを用いた場合(比較例1)よりも高効率であることが認められた。PCPKは、TCTAと比べて、TPBiからの電子注入が容易であるためと考えられる。
また、ホスト材料としてPCPKを用いた場合(実施例2)は、Tris−PCzを用いた場合(比較例2)に比べて高電圧化したが、低電流密度域において効率が大幅に向上することが認められた。Tris−PCzは、LUMOが浅く、電子注入に不利であり、キャリアバランスに劣っているためと考えられる。
また、PCPK:Tris−PCz混合ホスト材料を用いること(実施例3)により、大幅な高効率化が認められた。
発光層の形成時の熱処理温度を変化させた場合(実施例4〜8)、150℃(実施例7)が最も高効率となった。150℃での熱処理により、発光層の構成分子のパッキングが最より密となったためと考えられる。また、150℃を超える温度では、結晶化が始まり、効率が低下したものと考えられる。
1 陽極
2 ホール注入層
3 発光層
4 電子輸送層
5 電子注入層
6 陰極
7 インターレイヤー

Claims (4)

  1. 下記化学式(1)又は化学式(2)で表されるフェニルカルバゾール基置換ジフェニルケトン化合物。
    Figure 0006083642
    Figure 0006083642
  2. 一対の電極間に発光層を含む1層又は複数層の有機層を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記有機層の少なくとも1層が、請求項1記載のジフェニルケトン化合物を含有していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記有機層の少なくとも1層が、ホスト材料として請求項1記載のジフェニルケトン化合物と、ゲスト材料として蛍光又はリン光材料とを含有していることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記化学式(1)で表されるジフェニルケトン化合物を含有する有機層に隣接して電子輸送層の塗布膜が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
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