JP5250991B2 - セキュリティデバイス及びその検証方法並びに印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光子を用いることによって確認される潜像の特性を用いることにより真偽判定を容易に行うことが可能なセキュリティデバイス及びその検証方法並びにセキュリティデバイスを用いた印刷物に関するものである。
従来から潜像を偽造防止に用いた技術は種々存在する。例えば、万線のピッチの隙間を利用して隠し文字等を入れ、万線部分を隠蔽することで隠し文字が現れる方法や、凹版印刷により、角度を変えた場合に文字が現れる方法がある。しかし、これらの方法はよく見ると潜像が見えてしまう。
また、網点や万線のピッチもしくは角度を部分的に変えた潜像を形成し、この潜像に整然と並んだ網点もしくは万線の透明フィルムを重ねることにより、画像が出現する方法がある。しかし、この方法では複雑な画像を形成できないという問題がある。
また、特殊インキを用いることにより潜像を形成する方法として、熱をかけることにより可逆的に発色もしくは消色し、しばらく放置すると元の状態に戻る可逆性感熱発色インキ(サーモクロミックインキ)を用いた方法などがある。しかし、これらの方法はインキの耐性という点において問題がある。
同様に特殊インキを用いる方法として、紫外線を照射することにより発色するフォトクロミックインキを用いた方法、紫外線を照射することにより発光する蛍光インキを用いた方法、赤外光を吸収するインキにて潜像を形成し、この潜像上に可視光を透過させず赤外光を透過させる層を設ける方法などがある。しかし、これらの方法は潜像を表示するために大掛かりな装置が必要になる。
また、近年では潜像の形成に液晶を用いた方法が提案されている。この方法では、液晶の一部に配向性を与えることにより潜像を形成しており、偏光子を用いることによって潜像が視認可能となる。
近年、支持体の表面上にOVD層及び潜像形成層が積層して形成されたOVD形成媒体の該潜像形成層に、目視では透明で偏光子を用いた目視では可視可能な、配向された潜像部分を設けたOVD形成媒体を用いることにより、OVD形成媒体の偽造防止効果を向上させることが提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1において、OVD形成層上に潜像形成層として液晶層を重ね、液晶の一部を配向させることにより、目視では潜像画像が全く視認できず、通常のOVDとしか認識できないが、円偏光子を重ねることにより潜像画像が鮮明に出現することが可能となることが確認されている。
特開2001−63300号公報
しかし、上記の方法においては液晶の配向方向を複数に制御するのは困難であるため、複雑な構成の画像を表現するのは困難である。そこで、意匠性の高い潜像の形成や更なる偽造防止効果の向上が求められている。
本発明は上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、複雑な構成の画像の表現を可能とし、意匠性の高い潜像を形成することができるセキュリティデバイス及びその検証方法並びにセキュリティデバイスを用いた印刷物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるセキュリティデバイスは、少なくとも一方の面に凹凸を有し光に対して散乱性を与えると共に光の偏光性を維持して反射する反射層と、前記反射層の凹凸を有する面に形成され、光の偏光性を維持する透明あるいは半透明の中間層と、前記中間層の前記反射層と反対の面に形成され、配向を行う凹凸パターンを有する配向層と、前記配向層の前記中間層と反対の面に形成され、液晶分子を含み、前記液晶分子が前記配向層の凹凸パターンに沿って配向し、偏光子を介して潜像を視認することが可能な潜像形成層とを備え、前記中間層が前記界面の凹凸を吸収することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のセキュリティデバイスにおいて、前記中間層は、前記反射層及び前記配向層と密着する接着性もしくは粘着性を有することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2記載のセキュリティデバイスにおいて、少なくとも一方の面に凹凸を有する基材を備え、前記反射層は、前記基材の一方の面に金属薄膜を形成することによって構成されることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3記載のセキュリティデバイスにおいて、前記基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1記載のセキュリティデバイスにおいて、前記反射層は微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1また2記載のセキュリティデバイスにおいて、前記中間層の膜厚は0.1〜100μmであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層が延在する平面上に延在する基準線に対して、前記凹凸パターンを形成する凹凸の長手方向がなす角度をパターン角度とし、前記凹凸パターンを形成する領域全体において前記パターン角度が実質的に同一であることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項1記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に形成される前記凹凸パターンは該凹凸パターンを形成する凹凸のパターン角度が異なる、少なくとも2つの領域を有することを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1、7または8記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に形成される前記凹凸パターンは該凹凸パターンを構成する凹部と凸部のうちの凹部のピッチが0.1〜10μmであり、深さが0.1〜1μmであることを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項1または7乃至9の何れか1項に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に形成される前記凹凸パターンが回折格子もしくは一方向性拡散パターンであることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項1または7乃至10の何れか1項に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に実質的に深さの等しい少なくとも二つの領域を設け、これにより、前記潜像形成層の膜厚が等しい少なくとも2つの領域が形成されることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項11に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に設けられる実質的に深さの等しい領域の深さは、0.1〜5μmであることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項1または7乃至12の何れか1項に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に深さの異なる少なくとも2つの領域を設け、これにより、前記潜像形成層の膜厚が異なる少なくとも2つの領域が形成されることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項13に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記配向層に設けられる深さの異なる領域の深さは、0.1〜5μmであることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項1記載のセキュリティデバイスにおいて、前記液晶分子は光重合性のネマティック液晶であり、前記配向層に形成される前記凹凸パターンに沿って配向し、重合によって固定されることを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項1項に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記潜像形成層の前記配向層と反対の面に耐性を向上させる保護層が形成されていることを特徴とする。
請求項17の発明は、請求項1項に記載のセキュリティデバイスにおいて、前記潜像形成層の前記配向層に臨む側と反対側に偏光子層が形成されていることを特徴とする。
請求項18の発明は、セキュリティデバイスの検証方法であって、請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子或いは前記偏光子層を介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行うことを特徴とする。
請求項19の発明は、セキュリティデバイスの検証方法であって、請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子或いは前記偏光子層を介して観察した際に現れる潜像を確認し、且つその状態を維持しつつ該セキュリティデバイスを前記仮想平面と直行する仮想軸周りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行うことを特徴とする。
請求項20の発明は、印刷物であって、請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを備えることを特徴とする。
本発明のセキュリティデバイス及びその検証方法並びにセキュリティデバイスを用いた印刷物においては、配向層上に形成された凹凸パターンの方向を領域ごとに異なる方向に設計することにより、液晶の配向方向を制御することが可能となるため、凹凸パターンの設計によって複雑な構成の画像の表現を可能とし、意匠性の高い潜像を形成することが可能となるものである。
以下、本発明にかかるセキュリティデバイス及びその検証方法並びにセキュリティデバイスを用いた印刷物の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明にかかるセキュリティデバイスの一例を示す断面図であり、図2は本発明にかかるセキュリティデバイスの他の例を示す断面図である。
図1に示すセキュリティデバイスは、基材1と、この基材1の一方の面に形成された反射層2と、この反射層2の基材1と反対の面に形成された中間層3と、この中間層3の反射層2と反対の面に形成され凹凸パターンからなる配向層4と、この配向層4の中間層3と反対の面に形成された潜像形成層5とを含んで構成されている。
また、図2に示すセキュリティデバイスは、基材1と、この基材1の一方の面に形成された反射層2と、この反射層2の基材1と反対の面に形成された中間層3と、この中間層3の反射層2と反対の面に形成され凹凸パターンからなる配向層4と、この配向層4の中間層3と反対の面に形成された潜像形成層5と、この潜像形成層5の配向層4と反対の面に形成された保護層6とを含んで構成されている。
反射層2は、中間層3との界面に凹凸を有し入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に、前記入射される光の偏光性を維持する、すなわち偏光を乱さないで反射させるものである。
この実施の形態における反射層2は微小な凹凸を有する金属反射膜であることとする。すなわち、反射層2は偏向を乱さない金属反射膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性金属反射層は、例えば、微小な表面凹凸構造にアルミニウム等の金属を蒸着・スパッタなどにより薄膜形成することによって得られる。一例としては、基材1の表面に凹凸加工を施し、アルミニウムを蒸着することにより作製される。
このような散乱性金属反射層を形成する金属には、アルミニウム、白金、金、銀、銅、チタン、ビスマス、ゲルマニウム、インジウム、スズなどが挙げられる。
また、表面に凹凸加工を施す基材としては、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略称する)、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアセテート、ポリスチレン、エポキシ樹脂などのフィルムが挙げられる。
特に、PETは機械的強度、寸法安定性、耐溶剤性、加工適性に優れ、価格も比較的安価であるという点から基材として非常に優秀である。しかし、光学的異方性があるため、偏光を利用し、かつ基材を光が通過するデバイスには用いることができない。しかるに、本実施の形態においては、基材の一方の面に金属薄膜が形成されていることにより基材を光が通過しないため、用いることが可能となる。
また、反射層2は、微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜であってもよい。この場合、反射層2は、偏光を乱さない一層または多層の誘電体膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性誘電体層は、例えば、微小な表面凹凸構造に硫化亜鉛等の高屈折率材料とフッ化マグネシウム等の低屈折率材料を多層蒸着することによって得られる。
中間層3は反射層2と配向層4の間に形成され、反射層2と配向層4の密着性を向上させ、かつ反射層2の界面の微小な凹凸を吸収し、配向層4への凹凸パターンの形成性を向上させるものである。
中間層3を形成する材料としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系樹脂塩化ビニル系、スチレン系、セルロース系、ポリアセテート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、フェノール系、メラミン系の樹脂などが挙げられる。
中間層3の膜厚は0.1μm以下になると反射層2界面の凹凸を吸収するのに不十分であり、また、100μm以上になると割れ易く、また複屈折を生じやすくなるため0.1〜100μmの範囲であることが望ましいが、更に望ましくは1〜10μmである。
配向層4は凹部と凸部によって形成された、複数の凹凸からなる凹凸パターンが形成されている。
また、配向層4に形成される凹凸パターンは、回折格子のように周期的な構造であってもよく、一方向性拡散パターンのようにある程度ランダムであってもよい。ただし、一方向性拡散パターンとは、凹凸構造の長手方向がある程度ランダムでありながらも平均的には一方向に配置されている構造のことである。また、凹凸パターンの溝に関して、ピッチが0.1〜10μm、深さが0.05〜1μmであることとする。
配向層4に形成される凹凸パターンは、布などで擦ることにより凹凸を形成するラビングによって形成されたものであっても良い。
また、配向層4は入射される光に対して散乱性を与えて射出する特徴を有するものであっても良い。
また、配向層4は入射される光の偏光性を維持して射出する特徴を有するものであっても良い。
潜像形成層5に含まれる液晶分子は配向層4上に形成される凹凸パターンに沿って配向し固定する。このとき、液晶分子の長軸方向と凹凸パターンの溝方向が同一方向になるように配向する。この液晶分子の配向により、偏光子を介したときのみ観察可能な像を形成する。これを、偏光子を通して観察することにより、配向方向に応じて異なる色が形成される。このとき用いる偏光子は直線偏光子とする。
また、潜像形成層5に含まれる液晶分子は、流動性が高く配向が容易であり、且つ配向した液晶分子を光照射により配向を保ったまま硬化させることが可能である光重合性のネマティック液晶であることが望ましい。
潜像形成層5に含まれる液晶分子の持つ複屈折によって、潜像形成層3の膜厚が変化すると透過した光に与える位相差が変化するため、偏光子を介して観察すると膜厚に応じて異なる色が観察される。
潜像形成層5に膜厚の異なる領域を与えたい場合には、配向層4に深さの異なる領域を与えることによって膜厚の異なる領域を得ることが可能となる。このとき、配向層4に与える深さの異なる領域の深さは0.1〜5μmである。
保護層6は潜像形成層5上に形成され、潜像形成層5を劣化から保護し、セキュリティデバイスの耐性を向上させるものである。
図3は本発明にかかるセキュリティデバイスの検証方法に用いられる偏光子の概略図であり、配向層4にそれぞれ0°と90°方向の凹凸パターンからなる領域7aと7bを配置した場合の偏光子8の構成例を示している。
セキュリティデバイスの検証に際しては、偏光子8を介して像を確認し、かつ本発明のセキュリティデバイスを傾けて観察する際の色変化を確認する。すなわち、セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子8を介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行う。
この場合、観察される潜像は、独特の色を呈する。これは、潜像形成層3の通常観察されにくい液晶分子の異方性に由来する効果が、反射層2により、傾けて観察したときに顕著に現れるためである。
具体的には、偏光子8を介して正面方向から観察すると、領域7a、7bが潜像として観察でき、次にセキュリティデバイスを傾けて観察すると、例えば7aが赤、7bが緑というように、それぞれ異なる色に見える。尚このとき、偏光子8の透過軸は45°方向とする。
図4は本発明にかかるセキュリティデバイスの検証方法の他の例を示す偏光子の概略図を示すもので、配向層4に関する偏光子8の構成は図3に示したものと同様である。
セキュリティデバイスの検証に際しては、偏光子8を介して像を確認し、かつ本発明のセキュリティデバイスを傾けて観察する際の色変化を確認し、かつ偏光子8を水平に90°回転させたときの色変化を観察する。
すなわち、本発明のセキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子8を介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつセキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う。
この場合観察される像は、独特の色を呈しており、かつ回転させることで色変化が起こる。これは、本発明のセキュリティデバイスを回転させることで、液晶分子の配向方向が回転したのと同じ効果が生まれるためである。観察される色は、液晶分子の配向方向に由来しているため、配向方向が異なると観察される色も変わる。
この場合、観察される色は、具体的には回転前における領域7aが赤、領域7bが緑であったものが、90°回転後は領域7aが緑、領域7bが赤となる。
これは、セキュリティデバイスを90°回転させることによって潜像形成層5に含まれる液晶分子の配向方向が90°回転したのと同じ効果が出るためである。
また、これらの観察される色は、潜像形成層5に含まれる液晶分子の配向方向および膜厚、偏光子8の透過軸方向などにより制御可能である。
また、偏光子8をあらかじめ偏光子層として構成した場合においても、同様な効果が得られる。
図5は、本発明にかかるセキュリティデバイスの実施の形態の一つである凹凸パターンと層構成を示す概略図である。
この図5に示すセキュリティデバイスは、基材1と、この基材1の一方の面に形成された反射層2と、この反射層2の基材1と反対の面に形成された中間層3と、この中間層3の反射層2と反対の面に形成され凹凸パターンからなる配向層4と、この配向層4の中間層3の反対の面に形成された潜像形成層5とを含んで構成されている。また、配向層4に深さが等しく、パターン角度がそれぞれ0°と90°の凹凸パターンで形成されている2つの領域が形成されている。
この場合、本セキュリティデバイスに関して、偏光子8を介しかつ傾けて観察すると、パターン角度が異なる2つの領域において、液晶の配向方向の違いに由来する色の違いが観察される。
図6は、本発明にかかるセキュリティデバイスの実施の形態の一つである凹凸パターンと層構成を示す概略図である。
この図6に示すセキュリティデバイスは、基材1と、この基材1の一方の面に形成された反射層2と、この反射層2の基材1と反対の面に形成された中間層3と、この中間層3の反射層2と反対の面に形成され凹凸パターンからなる配向層4と、この配向層4の中間層3の反対の面に形成された潜像形成層5とを含んで構成されている。また、配向層4に深さが異なり、パターン角度が共に90°の凹凸パターンで形成されている2つの領域が形成されている。
この場合、本セキュリティデバイスに関して、偏光子8を介しかつ傾けて観察すると、配向層4の深さが異なる2つの領域において、潜像形成層に含まれる液晶の膜厚が違うことに由来する色の違いが観察される。
ここで、液晶の膜厚の違いに由来する色の違いについて記す。
これは、液晶の複屈折によって生じる位相差が膜厚および波長に依存するためであり、以下の式より明らかである。
Re=Δnd
(Δn=ne−no)
I=Isin(2θ)sin(Reπ/λ)
ただし、Re:位相差、Δn:複屈折、d:液晶の膜厚、ne:常光線の屈折率、no:異常光線の屈折率、I:入射される光強度、I:透過光強度、θ:液晶の配向方向と偏光板の透過軸の角度、λ:波長である。
また、図5、6の構成では、パターン角度或いは液晶の膜厚のどちらか一方のみが異なる構成であったが、両者を組み合わせることによって更に複雑な色の表現が可能となる。
凹凸パターンの形成方法としては、二光束干渉法によってホログラムパターンを記録する方法の他、例えば電子ビームによって回折格子パターンを描画する方法、バイト切削等により回折格子パターンを形成する方法等がある。
このように形成した凹凸パターンを、電鋳によって金属版に起こすなどして原版を作製し、その原版から熱可塑性樹脂にエンボス成形法でパターンを転写することで、大量に凹凸パターンを複製できる。また、熱可塑性樹脂にエンボス成形法で転写する代わりに、紫外線硬化樹脂を用いる成形法によってパターンを転写してもよい。
液晶材料としては、光重合タイプのネマティック液晶が望ましい。凹凸パターン上に塗布し配向させた後、紫外線ランプ等で露光することで配向を固定することができる。
また、本発明のセキュリティデバイスを備える、有価証券、銀行券、身分証明書、クレジットカードなどのセキュリティ性の求められる印刷物は、通常の印刷とは異なる目視効果を備え、かつコピーなどによる偽造を防止でき、かつ本発明のセキュリティデバイスの検証機能により真贋判定が可能である。
以上、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成のみに限定されず、例えば、潜像形成層の配向層に臨む側と反対側に偏光子層が形成されるようにしてもよい。また、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、各種の偏向例及び修正例に想到し得るものであり、それらに関しても本発明の技術的範囲に属するものとする。
本発明にかかるセキュリティデバイスの一例を示す概略断面図。 本発明にかかるセキュリティデバイスの他の例を示す概略断面図。 本発明にかかるセキュリティデバイスの検証方法の概略図。 本発明にかかるセキュリティデバイスの検証方法の他の例を示す概略図。 本発明にかかるセキュリティデバイスの実施例における配向層と層構成の概略図。 本発明にかかるセキュリティデバイスの実施例における配向層と層構成の概略図。
符号の説明
1……基材、2……反射層、3……中間層、4……配向層、5……潜像形成層、6……保護層、7a,7b……凹凸パターン、8……偏光子。

Claims (20)

  1. 少なくとも一方の面に凹凸を有し光に対して散乱性を与えると共に光の偏光性を維持して反射する反射層と、
    前記反射層の凹凸を有する面に形成され、光の偏光性を維持する透明あるいは半透明の中間層と、
    前記中間層の前記反射層と反対の面に形成され、配向を行う凹凸パターンを有する配向層と、
    前記配向層の前記中間層と反対の面に形成され、液晶分子を含み、前記液晶分子が前記配向層の凹凸パターンに沿って配向し、偏光子を介して潜像を視認することが可能な潜像形成層とを備え、
    前記中間層が前記界面の凹凸を吸収する、
    ことを特徴とするセキュリティデバイス。
  2. 前記中間層は、前記反射層及び前記配向層と密着する接着性もしくは粘着性を有することを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
  3. 少なくとも一方の面に凹凸を有する基材を備え、前記反射層は、前記基材の一方の面に金属薄膜を形成することによって構成されることを特徴とする請求項1または2記載のセキュリティデバイス。
  4. 前記基材はポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項3記載のセキュリティデバイス。
  5. 前記反射層は微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜であることを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
  6. 前記中間層の膜厚は0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1また2記載のセキュリティデバイス。
  7. 前記配向層が延在する平面上に延在する基準線に対して、前記凹凸パターンを形成する凹凸の長手方向がなす角度をパターン角度とし、前記凹凸パターンを形成する領域全体において前記パターン角度が実質的に同一であることを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
  8. 前記配向層に形成される前記凹凸パターンは該凹凸パターンを形成する凹凸のパターン角度が異なる、少なくとも2つの領域を有することを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
  9. 前記配向層に形成される前記凹凸パターンは該凹凸パターンを構成する凹部と凸部のうちの凹部のピッチが0.1〜10μmであり、深さが0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1、7または8記載のセキュリティデバイス。
  10. 前記配向層に形成される前記凹凸パターンは回折格子もしくは一方向性拡散パターンであることを特徴とする請求項1または7乃至9の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  11. 前記配向層に実質的に深さの等しい少なくとも二つの領域を設け、これにより、前記潜像形成層の膜厚が等しい少なくとも2つの領域が形成されることを特徴とする請求項1または7乃至10の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  12. 前記配向層に設けられる実質的に深さの等しい領域の深さは、0.1〜5μmであることを特徴とする請求項11に記載のセキュリティデバイス。
  13. 前記配向層に深さの異なる少なくとも2つの領域を設け、これにより、前記潜像形成層の膜厚が異なる少なくとも2つの領域が形成されることを特徴とする請求項1または7乃至12の何れか1項に記載のセキュリティデバイス。
  14. 前記配向層に設けられる深さの異なる領域の深さは、0.1〜5μmであることを特徴とする請求項13に記載のセキュリティデバイス。
  15. 前記液晶分子は光重合性のネマティック液晶であり、前記配向層に形成される前記凹凸パターンに沿って配向し、重合によって固定されることを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
  16. 前記潜像形成層の前記配向層と反対の面に耐性を向上させる保護層が形成されていることを特徴とする請求項1項に記載のセキュリティデバイス。
  17. 前記潜像形成層の前記配向層に臨む側と反対側に偏光子層が形成されていることを特徴とする請求項1項に記載のセキュリティデバイス。
  18. 請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子或いは前記偏光子層を介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。
  19. 請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光子或いは前記偏光子層を介して観察した際に現れる潜像を確認し、且つその状態を維持しつつ該セキュリティデバイスを前記仮想平面と直行する仮想軸周りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行うことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。
  20. 請求項1または7乃至17の何れか1項に記載のセキュリティデバイスを備えることを特徴とする印刷物。
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