JP5249670B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、バットレス部での耐久力を向上させた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤの耐久力を改善するべく、バットレス部からサイドウォール部にかけてゴム厚を厚くすることが行われている。しかし、ゴム厚を厚くすることによりタイヤ重量が増加し、タイヤの発熱量が増大するため、耐久力の改善効果が十分とは言えなかった。そこで、近年では、ゴム厚を厚くすることなく耐久力を高める手法の提案が望まれている。
本発明者は、研究を重ねた結果、走行時におけるタイヤの撓み変形に伴って、タイヤの最大屈曲部よりも外周側のバットレス部に局部的な応力集中が発生し易くなることを見出し、そのような応力集中を緩和させることによってタイヤの耐久力を向上させることを考えた。
下記特許文献1には、パターンノイズの低減を目的として、リブ列の剛性的な不連続部分に対応したサイドウォール部のタイヤ周方向位置に、剛性変化部分としての凹設部を設けた空気入りタイヤが記載されている。しかし、このタイヤでは、凹設部の設定範囲がタイヤ径方向に広く、タイヤが全体的に撓み易くなるため、バットレス部での局部的な応力集中を緩和することができない。そのうえ、サイドウォール部のゴムボリュームが低減することから、運動性能への悪影響が懸念される。
下記特許文献2には、バットレス部のゴム厚を減じるうえでの装飾的効果を高めるべく、凹状部をタイヤ周方向に並べて配置した空気入りタイヤが記載されている。しかし、このタイヤでは、凹状部を一律に近接させて配置していることから、後述するようなショルダーブロックの外周端のスリット近傍部分での応力集中には何ら対処がなされず、バットレス部での局部的な応力集中を十分に緩和することができない。
特開2003−237317号公報 特開2000−79809号公報
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バットレス部での局部的な応力集中を緩和して、優れた耐久力を発揮することができる空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく、バットレス部での応力集中について更なる研究を重ねたところ、以下の事柄を見出した。即ち、図7に示すように、バットレス部において応力が集中する箇所は、ショルダーブロック18の外側端18aのタイヤ幅方向WD外側にてタイヤ周方向PDに延びるだけでなく、ショルダーブロック18の外側端18aのスリット17近傍となる部分18bにも及んでいることを見出した。
なお、図7は走行時の空気入りタイヤにおける応力分布を示す概念図であり、応力が特に集中している領域にハッチングを施したものである。トレッド面16にて応力が集中している領域は接地面であり、その接地面のタイヤ幅方向外側WDに位置するバットレス部にて応力が局部的に集中している様子を表している。本発明は、かかる現象に着目してなされたものであり、下記の如き構成により上記目的を達成することができるものである。
即ち、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に交差する方向に延びた複数本のスリットと、前記スリットによって区分された複数のショルダーブロックとを含むトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、前記ショルダーブロックの外側端よりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、そのショルダーブロックの外側端よりもタイヤ周方向長さを短くしたブロック対向窪みが、前記ショルダーブロックの各々に対応して形成され、トレッド面の最外径位置を基準としてタイヤ断面高さの10〜40%となる高さの範囲にて、前記ブロック対向窪みがタイヤ周方向に沿って間隔を置いて配列されており、前記スリットの外側端よりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、そのスリットの外側端に対してタイヤ周方向長さを同等以下にしたスリット対向窪みが、前記スリットの各々に対応して形成され、前記ブロック対向窪みと前記スリット対向窪みがタイヤ周方向に沿って間隔を置いて配列されていて、前記スリット対向窪みの各々のタイヤ周方向長さを、対応するスリットの外側端のタイヤ周方向長さの50〜100%としたものである。
本発明の空気入りタイヤによれば、上記の如きブロック対向窪みをタイヤ周方向に配列していることから、バットレス部での局部的な応力集中を緩和することができる。しかも、ショルダーブロックの外側端よりもタイヤ周方向長さが短いブロック対向窪みを、ショルダーブロックの各々に対応して形成しているため、ショルダーブロックの外側端のスリット近傍部分に集中する応力を分散できる。その結果、バットレス部での局部的な応力集中を効果的に緩和して、優れた耐久力を発揮することができる。
本発明では、ブロック対向窪みの設定範囲を、トレッド面の最外径位置を基準としてタイヤ断面高さの10〜40%となる高さの範囲に定めている。仮に、これが10%未満であると、ブロック対向窪みがショルダーブロックに干渉する場合があり、トレッド面の剛性低下に伴って耐久力が低下するおそれがある。一方、40%を超えると、タイヤが全体的に撓むためにバットレス部での応力集中を局部的に緩和し難くなると共に、サイドウォール部のゴムボリュームが低減して運動性能が悪化する傾向にある。
上記のように、本発明に係る空気入りタイヤでは、前記スリットの外側端よりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、そのスリットの外側端に対してタイヤ周方向長さを同等以下にしたスリット対向窪みが、前記スリットの各々に対応して形成され、前記ブロック対向窪みと前記スリット対向窪みがタイヤ周方向に沿って間隔を置いて配列されている。
かかる構成によれば、ショルダーブロックの外側端のスリット近傍部分での応力集中を緩和する作用を確保しつつ、バットレス部での剛性変化を局部的に高めることによって、更にはタイヤ周方向に並んだブロック対向窪みの設定箇所と非設定箇所との剛性差を低減することによって、バットレス部での耐久力をより効果的に向上することができる。
上記のように、本発明に係る空気入りタイヤでは、前記スリット対向窪みの各々のタイヤ周方向長さを、対応するスリットの外側端のタイヤ周方向長さの50〜100%としている。これにより、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保できる。即ち、これを50%未満とした場合には、スリット対向窪みによる剛性変化が少なく、バットレス部での応力集中を緩和する効果が小さくなる傾向にある。一方、100%を超えると、ブロック対向窪みと接近し過ぎてクラックが発生し易くなる傾向にある。
上記において、前記ブロック対向窪みの各々のタイヤ周方向長さを、対応するショルダーブロックの外側端のタイヤ周方向長さの30〜70%としたものが好ましい。これにより、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保できる。即ち、これを30%未満とした場合には、ブロック対向窪みによる剛性変化が少なく、バットレス部での応力集中を緩和する効果、特にショルダーブロックの外側端のスリット近傍部分に集中する応力を分散する効果が小さくなる傾向にある。一方、70%を超えると、スリット対向窪みを形成した場合に、スリット対向窪みと接近し過ぎてクラックが発生し易くなる傾向にある。
上記において、前記ブロック対向窪みが、円形状又は楕円形状の外縁を有したすり鉢状に形成されているものが好ましい。かかる構成によれば、ブロック対向窪みに角張った部分が形成されないため、ブロック対向窪み内における応力の集中を防いでクラックの発生を適切に防止できる。
上記において、前記ブロック対向窪みの深さを、その設定箇所におけるゴム厚の3〜15%で且つ1.5mm以下としたものが好ましい。これにより、ブロック対向窪みの設定箇所におけるゴム厚を確保し、当該箇所での耐久力の悪化を防ぐことができる。即ち、これが3%未満であると、ブロック対向窪みによる応力集中の緩和効果が小さくなる傾向にある。一方、15%を超えると、若しくは1.5mmを超えると、タイヤの度重なる屈曲によって、ブロック対向窪みの設定箇所にクラックが発生し易くなる傾向にある。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図である。図2は、その空気入りタイヤの斜視図であり、図1のA矢視に相当する。図3は、その空気入りタイヤの要部を拡大して示す平面図である。本発明は、図4のようにスリット対向窪み12が形成されるものであるが、図1〜3において、スリット対向窪みが形成されていない場合について、このタイヤの構造を予め説明する。
この空気入りタイヤは、ビードコア1a及びビードフィラー1bが配設された一対のビード部1と、ビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びるサイドウォール部2と、そのサイドウォール部2の各々のタイヤ径方向外側に連なるトレッド部3とを備える。一対のビード部1の間には、少なくとも1枚のプライから構成されたカーカス層4が配設され、そのカーカス層4の外周側に、たが効果による補強を行うベルト層5が配設されている。
トレッド面6には、要求されるタイヤ性能や使用条件に応じて種々のトレッドパターンが形成される。本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向PDに交差する方向に延びた複数本のスリット7と、そのスリット7によって区分された複数のショルダーブロック8とを含んだトレッドパターンを備える。このトレッド面6には、タイヤ周方向PDに沿って延びる複数本の主溝9が設けられており、ショルダーブロック8はタイヤ幅方向WDの最外側に位置する主溝9よりも外側に配置されている。尚、符号Cはタイヤ赤道線である。
この空気入りタイヤでは、ショルダーブロック8の外側端8aよりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、その外側端8aよりもタイヤ周方向長さを短くしたブロック対向窪み11が、ショルダーブロック8の各々に対応して形成されている。ブロック対向窪み11は、トレッド面6の最外径位置PPを基準としてタイヤ断面高さHの10〜40%となる高さの範囲h内に設定され、ブロック対向窪み11同士が互いに接しないように、タイヤ周方向PDに沿って間隔を置いて配列されている。
ブロック対向窪み11が形成される部位は、このタイヤのバットレス部となる。バットレス部とは、サイドウォール部2のタイヤ径方向外側の部分であって、平坦な舗装路での通常走行時には接地しない部分を言う。走行時には、タイヤの撓み変形に伴って、バットレス部に局部的な応力集中が発生し易くなるが(図7参照)、ブロック対向窪み11をタイヤ周方向PDに配列することによって、かかる局部的な応力集中を緩和することができる。
図3に示すように、ブロック対向窪み11は、そのブロック対向窪み11が対応するショルダーブロック8の外側端8aからタイヤ幅方向WDに間隔(距離d)を置いて形成されており、その外側端8aのタイヤ幅方向外側への投影領域PA1内に収められている。更に、ブロック対向窪み11は、その投影領域PA1の境界線BL1の各々からタイヤ周方向PDに間隔を置いて配置されている。
前述のように、ブロック対向窪み11のタイヤ周方向長さL11は、そのブロック対向窪み11が対応するショルダーブロック8の外側端8aのタイヤ周方向長さL8aよりも短く設定されている。これらの長さの比L11/L8aは、ブロック対向窪み11の各々において30〜70%が好ましく、50〜70%がより好ましい。これによって、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保することができる。
このように、ショルダーブロック8の外側端8aよりもタイヤ周方向長さが短いブロック対向窪み11を、ショルダーブロック8の各々に対応して形成していることから、ショルダーブロック8の外側端8aのスリット近傍部分8bに集中する応力を分散でき、その結果、バットレス部での局部的な応力集中を効果的に緩和して、優れた耐久力を発揮することができる。
図7のようにブロック対向窪みを形成しない場合には、ショルダーブロック18の外側端18aのスリット近傍部分18bに応力が集中する傾向にあり、これはスリット近傍部分18bが外側端18aの他の部分に比べて動き易いことに起因していると考えられる。これに対して、図1,2に示すタイヤでは、ブロック対向窪み11を形成したことによって外側端8aのスリット近傍部分8bと他の部分との動き易さが平均化し、それ故にスリット近傍部分8bに集中しがちな応力を分散できるものと考えられる。一方で、外側端8aよりもタイヤ周方向長さが長い窪みを形成した場合には、そのような効果が得られず、スリット近傍部分8bに集中する応力を分散することができない。
本実施形態では、ショルダーブロック8の各々に1つのブロック対向窪み11が対応して形成されている。これにより、上述した長さの比L11/L8aの関係を満たし易いうえ、ブロック対向窪み11同士の間隔を確保し易いことから、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保することができる。
ブロック対向窪み11と、そのブロック対向窪み11が対応するショルダーブロック8の外側端8aとのタイヤ幅方向WDの距離dは、3〜20mmが好ましく、5〜15mmがより好ましい。この距離dが3mm未満であると、トレッド面6の剛性低下に伴って耐久力が低下するおそれがある。一方、距離dが20mmを越えると、スリット近傍部分8bにおける応力分散効果が小さくなる傾向にある。
本実施形態では、ブロック対向窪み11が、円形状または楕円形状の外縁を有したすり鉢状に形成されていて、半球面状の底面を有する例を示す(図1参照)。但し、本発明は、ブロック対向窪みの形状について特に限られるものではない。
ブロック対向窪み11の深さは、該ブロック対向窪み11の設定箇所におけるゴム厚(タイヤ外表面からカーカス層4までの厚み)の3〜15%で且つ1.5mm以下とすることが好ましい。これにより、ブロック対向窪み11の設定箇所におけるゴム厚を確保し、当該箇所での耐久力の悪化を防ぐことができる。
図4は、本発明に係る空気入りタイヤの例を示す斜視図である。図5は、その空気入りタイヤの要部を拡大して示す平面図である。この空気入りタイヤは、図1〜3で示した空気入りタイヤにスリット対向窪み12を形成したものである。
即ち、この空気入りタイヤでは、スリット7の外側端7aよりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、その外側端7aに対してタイヤ周方向長さを同等以下にしたスリット対向窪み12が、スリット7の各々に対応して形成されている。スリット対向窪み12の各々は、ブロック対向窪み11の間に配置され、ブロック対向窪み11と接しないようにタイヤ周方向PDに沿って間隔を置いて配列されている。
かかる構成によれば、上述したようなショルダーブロック8の外側端8aのスリット近傍部分8bでの応力集中を緩和する作用を確保しつつ、バットレス部での剛性変化を局部的に高めることによって、更にはタイヤ周方向PDに並んだブロック対向窪み11の設定箇所と非設定箇所との剛性差を低減することによって、バットレス部での耐久力をより効果的に向上することができる。
図5に示すように、スリット対向窪み12は、そのスリット対向窪み12が対応するスリット7の外側端7aからタイヤ幅方向WDに間隔を置いて形成されており、その外側端7aのタイヤ幅方向外側への投影領域PA2内に収められている。更に、スリット対向窪み12は、その投影領域PA2の境界線BL2の各々からタイヤ周方向PDにはみ出さないように配置されている。
前述のように、スリット対向窪み12のタイヤ周方向長さL12は、そのスリット対向窪み12が対応するスリット7の外側端7aのタイヤ周方向長さL7aと同等以下に設定されている。これらの長さの比L12/L7aは、スリット対向窪み12の各々において50〜100%であり、60〜90%がより好ましい。これによって、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保することができる。
本実施形態では、スリット7の各々に1つのスリット対向窪み12が対応して形成されていて、ブロック対向窪み11とスリット対向窪み12が1つずつ交互に配列されている。これにより、上述した長さの比L12/L7aの関係を満たし易いうえ、ブロック対向窪み11との間隔を確保し易いことから、バットレス部での局部的な応力集中をより適切に緩和すると共に、クラックの発生を防止してタイヤの耐久力を確保することができる。
スリット対向窪み12は、ブロック対向窪み11と同様に、円形状または楕円形状の外縁を有したすり鉢状に形成されていることが好ましい。また、図4,5の例では、スリット対向窪み12をタイヤ幅方向WDに長い楕円形状とし、応力が集中しがちな領域に行き届くように、ブロック対向窪み11と同等の幅寸法に設定されている。但し、本発明は、スリット対向窪みの形状について特に限られるものではない。
スリット対向窪み12の深さは、ブロック対向窪み11と同様に、該スリット対向窪み12の設定箇所におけるゴム厚の3〜15%で且つ1.5mm以下とすることが好ましい。これにより、スリット対向窪み12の設定箇所におけるゴム厚を確保し、当該箇所での耐久力の悪化を防ぐことができる。
本発明の空気入りタイヤが備えるトレッドパターンは、スリットと該スリットにより区分されたショルダーブロックとを含むものであれば、前述の実施形態で示したものに限られず、種々のパターンを適宜に採用可能である。したがって、例えば、スリット7がタイヤ幅方向WDに対して傾斜していてもよく、ショルダーブロック8が矩形以外の形状であっても構わない。
図6に示したショルダーブロックの平面図は、(A)が図2、3で示した実施形態に相当し、(b)がその変形例である。前述の実施形態では、(A)に示すようにスリット7が主溝9に連通する例を示したが、本発明では、(B)に示すような主溝9に連通しないスリット7´によって、ショルダーブロック8が実質的に区分されているものでも構わない。この場合、スリット7´は接地端Eに交差して延びていることが好ましい。
また、前述の実施形態では、ショルダーブロック8の外側端8aのタイヤ周方向長さL8aが一様となる例を示したが、本発明では、ショルダーブロック毎に外側端のタイヤ周方向長さが異なっていても構わない。かかる場合においても、ブロック対向窪みはショルダーブロックに対応して形成され、そのブロック対向窪みの外側端に対するタイヤ周方向長さは上述した長さの比L11/L8aの関係を満たすことが好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記の如きブロック対向窪みをバットレス部に形成すること以外は、通常の空気入りタイヤと同等であり、従来公知の材料、形状、構造、製法などが何れも本発明に採用することができる。本発明では、タイヤ幅方向の片側のバットレス部にのみブロック対向窪みを形成するものでも構わないが、両側のバットレス部に形成することが好ましい。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例について説明する。実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)耐久力
JISD4230に規定する方法により耐久性試験を行った。試験段階3を終えてもクラック等が確認されない場合は、継続してタイヤに速度および負荷を与えることとし、不具合が確認されるまでの試験時間を測定した。従来例を100として指数評価し、当該数値が大きいほど試験時間が長い、即ち耐久力に優れていることを示す。
(2)乗心地
実車にタイヤを装着して走行し、フィーリング試験による官能評価を行った。従来例を100として指数評価し、当該数値が大きいほど乗心地が良好であることを示す。
従来例
図1,2に示すような構造を有する空気入りタイヤ(タイヤサイズ:265/35R19 98Y)において、ブロック対向窪み及びスリット対向窪みを形成していないタイヤを従来例とした(図7参照)。ショルダーブロック8の外側端8aのタイヤ周方向長さL8aは一律に26.92mm、スリット7の外側端7aのタイヤ周方向長さL7aは一律に3.2mm、バットレス部のゴム厚は6.0mmである。
比較例
バットレス部にタイヤ周方向に延びる環状溝を設けたこと以外は、従来例と同じにしたタイヤを比較例とした。この環状溝は、溝幅を10.0mm、溝深さを0.9mmとし、溝底を深さ方向に凸となる湾曲面により形成した。環状溝の設定範囲は、トレッド面の最外径位置を基準として15.5〜25.8mmとなる範囲であり、これはタイヤ断面高さの16.7〜27.8%となる高さの範囲に相当する。
参考例
バットレス部に図2,3に示すようなブロック対向窪みを形成したこと以外は、従来例と同じにしたタイヤを参考例とした。このブロック対向窪みは、幅を10.0mm、深さを0.9mmとし、楕円形状の外縁を有するすり鉢状に形成されたものである。ブロック対向窪みの設定範囲は、トレッド面の最外径位置を基準として15.5〜25.8mmとなる範囲であり、これは比較例の環状溝の設定範囲と同じである。また、ブロック対向窪みのタイヤ周方向長さL11は一律に18.8mmであり、長さの比L11/L8aは69.8%となる。
実施例
バットレス部に図4,5に示すようなスリット対向窪みを形成したこと以外は、参考例と同じにしたタイヤを実施例とした。このスリット対向窪みは、幅を10.0mm、深さを0.5mmとし、楕円形状の外縁を有するすり鉢状に形成されたものである。スリット対向窪みの設定範囲は、ブロック対向窪みの設定範囲と同じである。また、スリット対向窪みのタイヤ周方向長さL12は一律に3.0mmであり、長さの比L12/L7aは93.8%となる。結果を表1に示す。
Figure 0005249670
表1に示すように、参考例及び実施例は、従来例及び比較例に比べて耐久力が優れており、バットレス部にブロック対向窪みを形成したことによる改善効果が確認される。特に実施例では、ブロック対向窪みに併せてスリット対向窪みを形成していることから、その改善効果が大きい。これに対して、比較例では、ブロック対向窪みと同じ位置に環状溝を設けているものの、参考例及び実施例のような改善効果が見られない。また、参考例及び実施例では、乗心地にも優れていることが分かる。
空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線半断面図 図1の空気入りタイヤの斜視図 図1の空気入りタイヤの要部を拡大して示す平面図 本発明に係る空気入りタイヤの例を示す斜視図 図4の空気入りタイヤの要部を拡大して示す平面図 ショルダーブロックの平面図 走行時の空気入りタイヤにおける応力分布を示す概念図
符号の説明
2 サイドウォール部
6 トレッド面
7 スリット
7a スリットの外側端
8 ショルダーブロック
8a ショルダーブロックの外側端
11 ブロック対向窪み
11L ブロック対向窪みのタイヤ周方向長さ
12 スリット対向窪み
12L スリット対向窪みのタイヤ周方向長さ
H タイヤ断面高さ
PP 最外径位置

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に交差する方向に延びた複数本のスリットと、前記スリットによって区分された複数のショルダーブロックとを含むトレッドパターンを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記ショルダーブロックの外側端よりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、そのショルダーブロックの外側端よりもタイヤ周方向長さを短くしたブロック対向窪みが、前記ショルダーブロックの各々に対応して形成され、
    トレッド面の最外径位置を基準としてタイヤ断面高さの10〜40%となる高さの範囲にて、前記ブロック対向窪みがタイヤ周方向に沿って間隔を置いて配列されており、
    前記スリットの外側端よりもタイヤ幅方向外側に位置すると共に、そのスリットの外側端に対してタイヤ周方向長さを同等以下にしたスリット対向窪みが、前記スリットの各々に対応して形成され、
    前記ブロック対向窪みと前記スリット対向窪みがタイヤ周方向に沿って間隔を置いて配列されていて、
    前記スリット対向窪みの各々のタイヤ周方向長さを、対応するスリットの外側端のタイヤ周方向長さの50〜100%としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ブロック対向窪みの各々のタイヤ周方向長さを、対応するショルダーブロックの外側端のタイヤ周方向長さの30〜70%とした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ブロック対向窪みが、円形状又は楕円形状の外縁を有したすり鉢状に形成されている請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ブロック対向窪みの深さを、その設定箇所におけるゴム厚の3〜15%で且つ1.5mm以下とした請求項1〜3いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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