JP5248923B2 - 発振回路、及びこれを用いた無線受信回路、スイッチ装置 - Google Patents

発振回路、及びこれを用いた無線受信回路、スイッチ装置 Download PDF

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本発明は、発振周波数を調節可能な発振回路、及びこれを用いた無線受信回路、スイッチ装置に関する。
従来の電圧制御発振器としては、例えば図12に示すようなものが提供されていた。図12において、電圧制御発振器101は、直流電圧発生部102と発振回路103から構成されている。直流電圧発生部102は、マイクロコントローラ104とローパスフィルタ105と水晶発振器109とから構成されている。
マイクロコントローラ104は、CPU(Central Processing Unit)やその周辺回路が集積された集積回路である。マイクロコントローラ104は、パルス幅や周期を設定可能ないわゆるPWM(Pulse Width Modulation)モジュールと呼ばれるパルス発生回路141を備えている。このようなパルス発生回路141を複数チャンネル備えたマイクロコントローラが、市場に広く流通している。
また、マイクロコントローラ104には、水晶発振器109が接続されている。水晶発振器109は、所定の周波数を有するクロック信号を、マイクロコントローラ104に供給する。マイクロコントローラ104内の各回路ブロックは、水晶発振器109から供給されるクロック信号に基づき動作するようになっている。
ローパスフィルタ105の時定数は、マイクロコントローラ104から出力されるパルス信号142を平滑し、直流に変換可能なように、パルス信号142の周期に対して十分大きい値に設定されている。発振回路103はLC共振回路106、結合コンデンサ107、増幅器108から構成されている。
そして、マイクロコントローラ104から任意のデューティ比をもつパルス信号142を出力すると、そのパルス信号142はローパスフィルタ105によって平滑化され直流電圧V105に変換され、この直流電圧V105が直流電圧発生部102の出力電圧となる。直流電圧発生部102から出力された直流電圧V105は、LC共振回路106内の可変容量コンデンサ161に印加される。この印加電圧により可変容量コンデンサ161の静電容量が決定され、その結果LC共振回路106の共振周波数が決定する。
LC共振回路106は、共振周波数において、LC共振回路106内の損失と増幅器108の負性抵抗が互いにキャンセルするところで安定した発振が持続される。従って、電圧制御発振器101の発振周波数はLC共振回路106の共振周波数によって決定される。
ここで、直流電圧発生部102から出力されて可変容量コンデンサ161に印加される直流電圧V105は、パルス信号142のデューティ比に比例する。また可変容量コンデンサ161の静電容量は、可変容量コンデンサ161に印加される電圧の関数で表される。さらに、電圧制御発振器101の発振周波数は可変容量コンデンサ161の静電容量に応じて変化する。
したがって、マイクロコントローラ104から出力されるパルス信号142のデューティ比を調節することにより、電圧制御発振器101の発振周波数を調節することが可能となる。
このような構成の電圧制御発振器101を無線受信器の局部発振器として使用すると、機械式の可変容量コンデンサ(いわゆるバリコン)を用いる場合と比べて、安価な回路構成で、機械的な調整を行うことなく受信周波数の調整が可能な無線受信器を実現できる。
マイクロコントローラ104によるパルス信号142のデューティ比の制御は、パルス幅とパルス周期とをマイクロコントローラ104に内蔵されているパルス発生回路に設定することによって行われる。ここで、マイクロコントローラ104に内蔵されているパルス発生回路141は、水晶発振器109から供給されるクロック信号に基づいて、パルス信号142を生成する。
例えば、パルス発生回路141は、水晶発振器109から供給されるクロック信号のパルス数を計数することにより、パルス信号142の信号立上りタイミングや立下りタイミングを、パルス幅及びパルス周期の設定値に応じて決定するようになっている。従って、パルス幅及びパルス周期をパルス発生回路141に設定可能な最小の単位時間は、水晶発振器109から供給されるクロック信号の周期となる。
そのため、パルス信号142のデューティ比を制御するためにパルス信号142のパルス幅を設定するときは、デューティ比を調節可能な最小のステップ幅は、(クロック信号の周期)/(パルス信号142の周期)となる。より具体的には、クロック信号の周期をφ、パルス発生回路141の周期をNφとしたとき、パルス信号142のパルス幅Pは、0、φ、2φ、・・・、Nφの(N+1)段階の設定が可能となる。そうすると、デューティ比を調節可能な最小単位のステップ幅は1/Nとなる。
このとき、可変容量コンデンサ161に印加される直流電圧V105の、調節可能な最小単位のステップ幅は、Vcc/Nとなる。そして、電圧制御発振器101の発振周波数を調節可能な最小単位のステップ幅は、S×Vcc/Nとなる。ただし、SはLC共振回路106の電圧感度、Vccはパルス信号142がハイレベルのときの電圧である。具体例として、N=10、Vcc=3.0(V)のときの、パルス信号142のパルス幅Pと、可変容量コンデンサ161に印加される直流電圧V105との関係を図13に示す。
一方、局部発振器を用いた無線受信器においては、局部発振器の発振周波数や、図示しない送信器の送信周波数が、周囲温度の変化によって変動した場合、IF信号の中間周波数が設計中心値からずれてしまう。これに対応するため、IFフィルタの通過帯域を広帯域にしたり、復調部の特性を広帯域化したりする必要が生じて、受信感度が低くなるという不都合があった。
そこで、下記の特許文献1には、PWM信号にて発振周波数を制御可能な発振回路を局部発振器として用いたリモートコントロール受信機の例が示されている。このリモートコントロール受信機は、リモートコントロール送信機より送信されてくる搬送波を受信中に、リモートコントロール受信機のPWM信号を制御して同調電圧を変化させることで、受信周波数を微調整することが示されている。
実開平5−39034号公報
ところで、上述のような電圧制御発振器101において、発振周波数の調整精度の向上が望まれている。特に、局部発振器を用いた無線受信器では、局部発振器の発振周波数のずれは受信感度に影響するから、局部発振器の発振周波数の調整精度を向上したいというニーズがある。
ここで、上述のような電圧制御発振器101において、発振周波数の調節が可能な最小単位のステップ幅は、パルス信号142のデューティ比を調節可能な最小単位のステップ幅によって決まる。従って、発振周波数の調節精度を向上するには、パルス信号142のデューティ比を調節可能な最小単位のステップ幅を小さくする必要がある。
パルス信号142のデューティ比を調節可能な最小単位のステップ幅を小さくするには、上記Nを大きくすればよい。Nを大きくする方法としては、クロック信号の周期φを短くする方法と、パルス信号142の周期を伸ばす方法とが考えられる。
しかしながら、クロック信号の周期φを短くすると、クロック信号の周波数が増大するから、このクロック信号で動作している他の回路ブロックにおける消費電流を増大させてしまうという、不都合がある。特に、図12に示すように、パルス発生回路141がマイクロコントローラ104に内蔵されている場合、クロック信号の周波数を増大しようとすると、マイクロコントローラ104そのものを高速のクロック周波数で動作するものにする必要があり、コストの増大を招くという、不都合がある。
また、パルス信号142の周期を伸ばすと、パルス信号142を充分に平滑化するために、ローパスフィルタ105の時定数をより大きくする必要が生じる。しかしながら、ローパスフィルタ105の時定数を増大させると、パルス信号142のデューティ比を設定してからそのデューティ比に応じた直流電圧V105が得られるまでの応答時間が長くなるため、電圧制御発振器101の発振周波数調整に要する時間が増加するという、不都合があった。
本発明の目的は、消費電力の増大と、発振周波数調整に要する時間の増大とを低減しつつ、従来よりも発振周波数の調整精度を向上させることが容易な発振回路、及びこれを用いた無線受信回路、スイッチ装置を提供することにある。
本発明に係る発振回路は、所定の第1制御電圧を生成する第1制御電圧生成部と、所定の第2制御電圧を生成する第2制御電圧生成部と、前記第1及び第2制御電圧に応じた周波数の発振信号を生成する発振信号生成部とを備え、前記第1制御電圧生成部は、所定の周期で第1パルス信号を出力する第1パルス生成部と、前記第1パルス信号を平滑して得られた電圧を出力する第1平滑部と、前記第1平滑部から出力された電圧を、予め設定された比率に変換して前記第1制御電圧として前記発振信号生成部へ出力する第1電圧変換部と、前記第1パルス信号のパルス幅の設定を受け付ける第1パルス幅設定部とを備え、前記第2制御電圧生成部は、所定の周期で第2パルス信号を出力する第2パルス生成部と、前記第2パルス信号を平滑して得られた電圧を出力する第2平滑部と、前記第2平滑部から出力された電圧を、前記第1電圧変換部とは異なる比率に変換して前記第2制御電圧として前記発振信号生成部へ出力する第2電圧変換部と、前記第2パルス信号のパルス幅の設定を受け付ける第2パルス幅設定部とを備える。
この構成によれば、第1パルス幅設定部によって受け付けられたパルス幅で、第1パルス生成部から所定の周期の第1パルス信号が出力され、この第1パルス信号が、第1平滑部によって平滑されて、第1電圧変換部へ出力される。第1電圧変換部では、当該平滑された電圧が予め設定された比率に変換されて第1制御電圧として発振信号生成部へ出力される。一方、第2パルス幅設定部によって受け付けられたパルス幅で、第2パルス生成部から所定の周期の第2パルス信号が出力され、この第2パルス信号が、第2平滑部によって平滑されて、第2電圧変換部へ出力される。第2電圧変換部では、当該平滑された電圧が第1電圧変換部とは異なる比率に変換されて第2制御電圧として発振信号生成部へ出力される。そして、発振信号生成部によって、第1及び第2制御電圧に応じた周波数の発振信号が生成される。
この場合、複数のパルス信号を平滑して得られた複数の制御電圧に応じて、発振信号の周波数が設定されるので、複数のパルス信号のパルス幅を設定する設定値の組み合わせによって、発振信号の周波数を設定することができる。従って、背景技術のように一つのパルス信号を平滑して得られた電圧に基づき発振周波数を変化させる場合よりも、発振周波数の調整精度を向上させることが容易となる。また、クロック信号の周波数を増大させたりパルス信号の周期を延ばしたりする必要がないので、消費電力の増大と、発振周波数調整に要する時間の増大とを低減しつつ、従来よりも発振周波数の調整精度を向上させることが容易となる。
また、前記発振信号生成部は、前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧を受け付ける第1信号端子と、前記第2制御電圧生成部で生成される第2制御電圧を受け付ける第2信号端子と、前記第1及び第2信号端子間に接続された可変容量コンデンサと、前記可変容量コンデンサを用いて発振することで前記発振信号を生成する発振部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、第1制御電圧と第2制御電圧との差が、可変容量コンデンサに印加される。そうすると、第1及び第2パルス信号のパルス幅の組み合わせに応じた電圧が、可変容量コンデンサに印加されて、可変容量コンデンサの静電容量が変化する。そして、発振部は、この可変容量コンデンサを用いて発振することで発振信号を生成するから、第1及び第2パルス信号のパルス幅の組み合わせに応じて発振信号の周波数を変化させることが可能となる。
また、前記発振信号生成部は、前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧と、前記第2制御電圧生成部で生成される第2制御電圧とを加算して得られる加算電圧を出力する電圧加算部と、前記発振信号を生成すると共に、当該発振信号の発振周波数を前記電圧加算部から出力される加算電圧に応じて変化させる発振部とを備えることが好ましい。
この構成によれば、第1パルス信号のパルス幅と、第2パルス信号のパルス幅とを設定することができる。そして、これら複数のパルス信号を平滑して得られた複数の制御電圧が加算され、その加算電圧に応じて発振信号の周波数が変化する。従って、複数のパルス幅の組み合わせに応じて発振信号の周波数を変化させることが可能となる。
また、前記第2制御電圧生成部は、複数設けられ、前記各第2制御電圧生成部が備える第2電圧変換部は、前記各第2制御電圧生成部が備える第2平滑部から出力された電圧を、互いに異なる比率に変換して前記第2制御電圧として前記電圧加算部へそれぞれ出力し、前記電圧加算部は、前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧と、前記複数の第2電圧変換部から出力される複数の第2制御電圧とを加算して得られる加算電圧を前記発振部へ出力することが好ましい。
この構成によれば、第2制御電圧生成部が複数設けられ、各第2制御電圧生成部における第2電圧変換部の電圧変換比率が互いに異なる比率にされているので、パルス幅の組み合わせにより生成可能な制御電圧の種類が増加する。そして、第2制御電圧生成部の数は多いほど、パルス幅の組み合わせが増加して発振周波数の調整精度が向上する。一方、第2制御電圧生成部の数が増加しても、電圧加算部によって各制御電圧生成部で生成される制御電圧が加算されることで加算電圧が得られるので、第2制御電圧生成部の数を増加させて発振周波数の調整精度を向上させることが容易である。
また、前記第1及び第2パルス生成部のうち少なくとも一つは、前記周期の設定を受け付ける周期設定部を備えることが好ましい。
この構成によれば、第1及び第2パルス信号のうち少なくとも一つの周期を変化させることができるから、第1及び第2パルス信号のパルス幅と、1及び第2パルス信号のうち少なくとも一つの周期との組み合わせに応じて、発振信号の周波数を変化させることが可能となる。そうすると、第1及び第2パルス信号のパルス幅の組み合わせのみに応じて発振信号の周波数を変化させる場合よりも、組み合わせの数が増加することによって、発振周波数の調整精度を向上させることができる。
また、本発明に係る無線受信回路は、上述の発振回路と、無線信号を受信する受信部と、前記受信部によって取得された受信信号と前記発振回路によって生成された発振信号とを混合し、前記受信信号を中間周波数に変換して中間周波数信号を生成する混合部と、前記中間周波数信号に基づく信号を復調する復調部と、前記中間周波数信号に基づく信号の周波数を検出する周波数検出部と、前記受信部によって予め設定された基準周波数の無線信号が受信された場合に前記周波数検出部によって検出される周波数と前記第1及び第2パルス信号のパルス幅との対応関係を示す対応関係情報を、予め記憶する対応関係記憶部と、前記受信部によって前記無線信号が受信されたとき、前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、前記第1及び第2パルス幅設定部に前記第1及び第2パルス信号のパルス幅をそれぞれ設定することにより、前記発振回路で生成される発振信号の周波数を補正する補正処理部とを備える。
この構成によれば、受信部によって無線信号が受信されたとき、補正処理部によって、周波数検出部で検出される周波数と、対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、第1及び第2パルス信号生成部で生成される第1及び第2パルス信号のパルス幅が設定される。そして、この第1及び第2パルス信号が第1及び第2平滑部で平滑され、第1及び第2電圧変換部で電圧変換されることにより、第1及び第2制御電圧が生成される。さらに、発振信号生成部によって、第1及び第2制御電圧に応じて発振信号の周波数が変化される結果、発振信号の周波数(局部発振周波数)が補正され、中間周波数のずれが低減される。その結果、中間周波数信号をフィルタリングするIFフィルタの通過帯域を狭帯域にしたり、復調部の特性を狭帯域にしたりすることが容易となるので、無線受信回路の受信感度を向上することが容易となる。
また、本発明に係る無線受信回路は、上述の発振回路と、無線信号を受信する受信部と、前記受信部によって取得された受信信号と前記発振回路によって生成された発振信号とを混合し、前記受信信号を中間周波数に変換して中間周波数信号を生成する混合部と、前記中間周波数信号に基づく信号を復調する復調部と、前記中間周波数信号に基づく信号の周波数を検出する周波数検出部と、前記受信部によって予め設定された基準周波数の無線信号が受信された場合に前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記第1及び第2パルス信号におけるパルス幅及び周期との対応関係を示す対応関係情報を、予め記憶する対応関係記憶部と、前記受信部によって前記無線信号が受信されたとき、前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、前記第1及び第2パルス幅設定部に前記第1及び第2パルス信号のパルス幅をそれぞれ設定し、前記周期設定部に前記周期を設定することにより、前記発振回路で生成される発振信号の周波数を補正する補正処理部とを備える。
この構成によれば、受信部によって無線信号が受信されたとき、補正処理部によって、周波数検出部で検出される周波数と、対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、第1及び第2パルス信号生成部で生成される第1及び第2パルス信号のパルス幅及び周期が設定される。そして、この第1及び第2パルス信号が第1及び第2平滑部で平滑され、第1及び第2電圧変換部で電圧変換されることにより、第1及び第2制御電圧が生成される。さらに、発振信号生成部によって、第1及び第2制御電圧に応じて発振信号の周波数が変化される結果、発振信号の周波数(局部発振周波数)が補正され、中間周波数のずれが低減される。その結果、中間周波数信号をフィルタリングするIFフィルタの通過帯域を狭帯域にしたり、復調部の特性を狭帯域にしたりすることが容易となるので、無線受信回路の受信感度を向上することが容易となる。
また、温度を検出する温度検出部と、温度の変化に対応した、前記発振回路により生成される前記発振信号の周波数の変化量を示す温度関係情報を予め記憶する温度関係記憶部とをさらに備え、前記補正処理部は、さらに、前記温度関係記憶部に記憶されている温度関係情報に基づいて、前記温度検出部によって検出された温度に対応する前記発振信号の周波数の変化量を取得し、当該周波数の変化量を相殺するように前記第1及び第2パルス幅設定部に設定される前記第1及び第2パルス信号のパルス幅を調節することが好ましい。
この構成によれば、補正処理部は、温度関係記憶部に記憶されている温度関係情報に基づいて、温度検出部によって検出された温度に対応する発振信号の周波数の変化量を取得する。そして、補正処理部は、温度に依存する発振信号の周波数の変化量を相殺するように、第1及び第2パルス幅設定部に設定される第1及び第2パルス信号のパルス幅を調節するので、温度の影響で生じた発振信号の周波数のずれを補正することができる。この場合、補正処理部は、受信部が無線信号を受信していない状態においても温度の影響による発振周波数のずれを低減することができる。
また、本発明に係るスイッチ装置は、上述の無線受信回路と、操作ハンドルと、負荷への給電経路を開閉するスイッチング素子と、前記無線受信回路における前記復調部により復調された信号、及び前記操作ハンドルにより受け付けられた操作に応じて、前記スイッチング素子を開閉させるスイッチ制御部とを備える。
この構成によれば、無線受信回路によって受信された無線信号に応じて負荷への給電経路の開閉が行われるスイッチ装置において、無線受信回路の発振信号の周波数が補正され、中間周波数のずれが低減されるので、スイッチ装置における無線信号の受信感度が向上する。
このような構成の発振回路は、複数のパルス信号を平滑して得られた複数の制御電圧に応じて、発振信号の周波数が設定されるので、複数のパルス信号のパルス幅を設定する設定値の組み合わせによって、発振信号の周波数を設定することができる。従って、背景技術のように一つのパルス信号を平滑して得られた電圧に基づき発振周波数を変化させる場合よりも、発振周波数の調整精度を向上させることが容易となる。また、クロック信号の周波数を増大させたりパルス信号の周期を延ばしたりする必要がないので、消費電力の増大と、発振周波数調整に要する時間の増大とを低減しつつ、従来よりも発振周波数の調整精度を向上させることが容易となる。
また、このような構成の無線受信回路、及びスイッチ装置は、局部発振周波数として用いられる発振信号の周波数を補正できるので、無線信号の受信感度を向上することが容易となる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る無線受信回路を用いたスイッチ装置と、送信機とを備えた負荷制御システムを示す説明図である。図1に示す負荷制御システムは、無線信号を送信する送信機W1と、無線信号に応じて照明負荷LDを点滅するスイッチ装置1とで構成される。スイッチ装置1は、照明負荷LDと直列接続されて、電源(商用交流電源)ACに接続されている。なお、負荷は、蛍光灯及び蛍光灯電子安定器などの照明負荷LDに限られず、他の照明負荷や、照明負荷以外の負荷であってもよい。
また、スイッチ装置1の前面には、操作ハンドル10が設けられている。
図2は、図1に示すスイッチ装置1の構成の一例を示すブロック図である。スイッチ装置1は、無線受信回路2、スイッチング素子11、スイッチ制御部12、及びスイッチ入力部13を備えている。
スイッチ入力部13は、例えば操作ハンドル10と連動するように配設されたタクトスイッチを用いて構成されている。スイッチング素子11は、例えばトライアック等のスイッチング素子である。スイッチング素子11は、スイッチ制御部12からの制御信号に応じて照明負荷LDへの給電経路を開閉する。
スイッチ制御部12は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されている。そして、スイッチ制御部12は、送信機W1から送信され、無線受信回路2によって受信された信号、及びスイッチ入力部13から出力されたオン、オフ信号に応じて、スイッチング素子11を開閉させる。
図3は、本発明の一実施形態に係る発振回路の一例である局部発振器22を備えた無線受信回路2の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す無線受信回路2は、アンテナANT、低雑音増幅器LNA、高周波フィルタRF−FLT、ミキサMIX(混合部)、IFフィルタIF−FLT、IFアンプIF−AMP、復調部DMOD、周波数/電圧変換回路FV(周波数検出部)、温度センサTS(温度検出部)、水晶発振器OSC、制御部21、及び局部発振器22を備えている。この場合、アンテナANT、低雑音増幅器LNA、及び高周波フィルタRF−FLTが、受信部の一例に相当している。
制御部21は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、所定の制御プログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)と、アナログデジタルコンバータADと、パルス生成部PWMG1(第1パルス生成部)と、パルス生成部PWMG2(第2パルス生成部)と、記憶部211と、これらの周辺回路等とを備えて構成されている。記憶部211は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)や、例えばROMの一部等、不揮発性の記憶素子を用いて構成されている。
そして、制御部21は、例えばROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、補正処理部CALとして機能する。制御部21は、例えば1チップのマイクロコントローラを用いて構成されている。また、制御部21の各部は、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号に応じて動作するようになっている。
記憶部211には、アンテナANTによって、予め設定された基準周波数の無線信号が受信された場合に周波数/電圧変換回路FVによって検出されるべき周波数を示す周波数変換電圧Vfvと、パルス信号PWM1,PWM2で生成されるパルス信号PWM1,PWM2のパルス幅及び周期との対応関係を示す対応関係情報が、予め記憶されている。
対応関係情報は、例えばパルス信号PWM1,PWM2のパルス幅及び周期とそのパルス幅及び周期によって得られる後述の制御電圧Vvc(周波数指示電圧)との対応関係を示すパルス幅変換情報と、制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとの対応関係を示す制御電圧変換情報とを含んで構成されている。
また、記憶部211には、温度の変化に対応した、局部発振器22により生成される発振信号の周波数の変化量を示す温度関係情報が、予め記憶されている。この場合、記憶部211は、対応関係記憶部、及び温度関係情報記憶部の一例に相当している。パルス幅変換情報、制御電圧変換情報、及び温度関係情報は、例えばデータテーブル化されていてもよく、あるいは関数式に近似されていてもよい。
局部発振器22は、並列共振回路23(発振部)と、出力回路24と、結合コンデンサC3と、ローパスフィルタLPF1(第1平滑部)と、ローパスフィルタLPF2(第2平滑部)と、電圧変換部CNV2(第2電圧変換部)とを備えている。また、局部発振器22は、制御部21に内蔵されたパルス生成部PWMG1と、パルス生成部PWMG2とを含んで構成されている。
この場合、並列共振回路23、出力回路24、及び結合コンデンサC3によって、発振信号生成部の一例が構成されている。また、パルス生成部PWMG1、ローパスフィルタLPF1、及び配線25によって、第1制御電圧生成部の一例が構成されている。また、パルス生成部PWMG2、ローパスフィルタLPF2、及び電圧変換部CNV2によって、第2制御電圧生成部の一例が構成されている。
並列共振回路23は、コンデンサC1と可変容量コンデンサVCとコンデンサC7との直列回路と、コンデンサC2と、インダクタLとが並列接続されて構成されている。そして、コンデンサC7と、コンデンサC2と、インダクタLとの接続点が、グラウンドに接続されている。可変容量コンデンサVCは、例えば可変容量ダイオードが用いられる。
また、可変容量コンデンサVCとコンデンサC1との接続点P1(第1信号端子)、すなわち可変容量コンデンサVCのカソードには、ローパスフィルタLPF1から出力される直流電圧Vdc1(第1制御電圧)が印加される。また、可変容量コンデンサVCとコンデンサC7との接続点P2(第2信号端子)、すなわち可変容量コンデンサVCのアノードには、ローパスフィルタLPF2から電圧変換部CNV2を介して出力される直流電圧Vdc2(第2制御電圧)が印加される。なお、第1、第2信号端子は、例えばランドやパッド等の配線パターンであってもよく、例えば電極やコネクタ等であってもよい。
可変容量コンデンサVCの静電容量は、可変容量コンデンサVCの両端、すなわち接続点P1,P2間に印加される電圧に応じて変化する。接続点P1,P2間に印加される電圧を制御電圧Vvcとすると、制御電圧Vvcは、下記の式(1)によって得られる。
Vvc=Vdc1−Vdc2 ・・・(1)
そして、並列共振回路23の発振周波数は、可変容量コンデンサVCの静電容量に応じて変化する。
出力回路24は、トランジスタTr1、抵抗R1、及びコンデンサC4,C5,C6を備える。トランジスタTr1のベースは、結合コンデンサC3を介して、並列共振回路23におけるコンデンサC1,C2とインダクタLとの接続点P3に接続されている。また、トランジスタTr1のベースは、共振用のコンデンサC4,C5を介してグラウンドに接続され、コンデンサC4,C5の接続点が、トランジスタTr1のエミッタに接続されている。トランジスタTr1のエミッタは、抵抗R1を介してグラウンドに接続されている。
トランジスタTr1のコレクタには、直流電源電圧Vccが供給されている。そして、トランジスタTr1のエミッタは、コンデンサC6を介してミキサMIXに接続されている。そして、並列共振回路23から出力された発振信号が、出力回路24で増幅されて、局部発振信号S1としてミキサMIXへ出力される。
そうすると、並列共振回路23の発振周波数は、可変容量コンデンサVCの静電容量に応じて変化するから、局部発振信号S1の周波数、すなわち局部発振周波数は、直流電圧Vdc1,Vdc2に応じて変化することとなる。
また、局部発振器22の各部は、温度によって特性が変化するため、局部発振器22の温度に応じて局部発振周波数が変動する。この温度に応じた局部発振周波数の変化量が、温度関係情報として記憶部211に記憶されている。
そして、送信機W1から送信された無線信号は、アンテナANT、低雑音増幅器LNA及び高周波フィルタRF−FLTによって受信され、受信信号S2としてミキサMIXへ出力される。ミキサMIXは、受信信号S2と局部発振信号S1とを混合して、IF信号S3(中間周波数信号)としてIFフィルタIF−FLTへ出力する。
ミキサMIXから出力されたIF信号S3は、IFフィルタIF−FLTを通過して、IFアンプIF−AMPにて増幅される。そして、IFアンプIF−AMPで増幅された信号すなわちIF信号S3に基づく信号S4が、復調部DMODにて復調されて、信号S5として制御部21へ出力される。制御部21は、復調部DMODによって復調された信号S5を、図2に示すスイッチ制御部12へ出力する。
周波数/電圧変換回路FVは、信号S4の周波数に応じた電圧を、周波数変換電圧VfvとしてアナログデジタルコンバータADへ出力する。周波数/電圧変換回路FVは、例えば、信号S4の周波数に比例する電圧を、周波数変換電圧Vfvとして出力する。この場合、周波数変換電圧Vfvは、IF信号S3の周波数、すなわち中間周波数IFを示している。
温度センサTSは、環境温度、あるいは局部発振器22の温度Tを検出し、その温度Tに応じた電圧VtsをアナログデジタルコンバータADへ出力する。アナログデジタルコンバータADは、周波数変換電圧Vfvや、温度Tを示す電圧Vtsをデジタル値に変換し、補正処理部CALへ出力する。
パルス生成部PWMG1,PWMG2は、いわゆるPWMモジュールと呼ばれるパルス発生回路である。パルス生成部PWMG1,PWMG2は、パルス信号PWM1(第1パルス信号)、パルス信号PWM2(第2パルス信号)を生成する。
また、パルス生成部PWMG1は、パルス信号PWM1のパルス幅や周期の設定を受け付ける図略の設定レジスタ(第1パルス幅設定部、周期設定部)を備えている。パルス生成部PWMG2は、パルス信号PWM2のパルス幅や周期の設定を受け付ける図略の設定レジスタ(第2パルス幅設定部、周期設定部)を備えている。
そして、パルス生成部PWMG1,PWMG2は、それぞれ補正処理部CALによって設定された周期、及びパルス幅で、パルス信号PWM1,PWM2をローパスフィルタLPF1,LPF2へ出力する。すなわち、パルス生成部PWMG1,PWMG2は、補正処理部CALによって、周期とパルス幅で設定されたデューティ比Dr1,Dr2のパルス信号PWM1,PWM2を、ローパスフィルタLPF1,LPF2へそれぞれ出力するようになっている。
ローパスフィルタLPF1は、パルス信号PWM1を平滑し、直流電圧Vdc1として配線25を介して並列共振回路23の接続点P1へ出力する。この場合、パルス信号PWM1のハイレベルの電圧を、電圧Vccとすると、直流電圧Vdc1は、下記の式(2)で与えられる。
Vdc1=Vcc×Dr1 ・・・(2)
この場合、配線25は、変換比率が「1」に設定された第1電圧変換部の一例に相当している。
また、ローパスフィルタLPF2は、パルス信号PWM2を平滑して得られた電圧VLP2を、電圧変換部CNV2へ出力する。電圧変換部CNV2は、ローパスフィルタLPF2から出力された電圧VLP2を、予め設定された比率に変換して直流電圧Vdc2として並列共振回路23の接続点P2へ出力する。
ここで、パルス信号PWM2のハイレベルの電圧を、電圧Vccとすると、ローパスフィルタLPF2の出力電圧VLP2は、下記の式(3)で与えられる。
VLP2=Vcc×Dr2 ・・・(3)
電圧変換部CNV2は、例えばローパスフィルタLPF2と接続点P2との間に直列に接続された抵抗R2と、接続点P2とグラウンドとの間に接続された抵抗R3とから構成されている。ここで、抵抗R2の抵抗値をR、抵抗R3の抵抗値をRとすると、直流電圧Vdc2は、下記の式(4)で与えられる。
Vdc2=VLP2×R/(R+R) ・・・(4)
これにより、補正処理部CALは、式(1)〜(4)に基づいて、パルス信号PWM1,PWM2の周期とパルス幅とを設定し、デューティ比Dr1,Dr2を調節することによって、制御電圧Vvcを調節し、局部発振信号S1の周波数を制御できるようになっている。
ここで、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周期をφ、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期をN・φ(φのN倍)、パルス信号PWM1,PWM2がハイレベルのときの電圧をVcc、パルス信号PWM1のパルス幅をP・φ,パルス信号PWM2のパルス幅をP・φとし、ローパスフィルタLPF1及びLPF2の時定数がパルス周期N・φより十分大きいならば、Vdc1=Vcc・P/N、VLP2=Vcc・P/Nとなる。
以下、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期が、周期φの何倍であるかを示すNを用いて、周期Nと表記する。そして、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcは、以下の式(5)で表される。
Vvc=Vdc1−Vdc2
=(Vcc/N)×{P−P×R/(R+R)} ・・・(5)
式(5)から、パルス信号PWM1のパルス幅Pによって制御電圧Vvcの粗調整が可能となり、パルス信号PWM2のパルス幅Pによって制御電圧Vvcの微調整が可能となることが判る。
特に、R/(R+R)=1/Nを満足するように、抵抗値R、Rを選べば、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcは、以下の式(6)で示される。
Vvc=Vdc1−Vdc2=Vcc×(P/N+P/N) ・・・(6)
式(6)から、制御電圧Vvcを調節可能な単位ステップ幅は、Vcc/Nとなる。
このとき、並列共振回路23の電圧感度をSとすると、局部発振信号S1を調節可能な単位ステップ幅は、S×Vcc/Nとなる。
図4は、N=10、Vcc=3.0[V]、R/(R+R)=1/10としたときの、パルス幅P,Pの設定例、及びそのパルス幅の組み合わせから得られる制御電圧Vvcを説明するための一覧表である。この場合、図4に示す周期N、パルス幅P,P、及び制御電圧Vvcが、上述のパルス幅変換情報に相当している。
図4から明らかなように、パルス幅Pを粗調整用、パルス幅Pを微調整用に使用することによって、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcを調整可能な単位ステップ幅は、Vcc/10=0.03[V]となる。その結果、局部発振信号S1を調節可能な単位ステップ幅は、S×Vcc/100となる。
なお、図3に示す局部発振器22においては、第1,第2制御電圧生成部は、パルス信号をローパスフィルタで平滑化した後、電圧変換部で電圧変換する例を示したが、先に電圧変換した後にローパスフィルタで平滑化しても同様の効果を奏する。
以上のように構成された局部発振器22は、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周波数を増大させることなく、従って消費電力の増大を低減しつつ、局部発振信号S1を調節可能な単位ステップ幅を従来より小さくできるので、局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。また、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期を伸ばすことなく、従って発振周波数調整に要する時間の増大を低減しつつ局部発振信号S1を調節可能な単位ステップ幅を従来より小さくできるので、局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。
補正処理部CALは、記憶部211に記憶されている温度関係情報に基づいて、温度センサTSによって検出された温度Tに対応する局部発振信号S1の周波数の変化量を取得し、当該周波数の変化量を相殺するようにパルス生成部PWMG1,PWMG2の周期とパルス幅とを設定し、デューティ比Dr1,Dr2を調節する。
また、補正処理部CALは、周波数/電圧変換回路FVによって検出された周波数を示す周波数変換電圧Vfvと、記憶部211に記憶されている対応関係情報とに基づいて、IF信号S3の周波数すなわち中間周波数IFが、設計中心値fIF0となるようにパルス生成部PWMG1,PWMG2の周期とパルス幅とを設定し、デューティ比Dr1,Dr2を調節することにより、局部発振器22で生成される局部発振信号S1の周波数を補正する。
次に、記憶部211に記憶される温度関係情報と対応関係情報との生成方法について、説明する。温度関係情報と対応関係情報とは、例えば製品出荷前の検査工程において生成され、記憶部211に記憶される。まず、対応関係情報に含まれるパルス幅変換情報は、例えば図4に示すようなパルス幅変換テーブルとして、予め記憶部211に記憶される。
図5は、温度関係情報の初期設定方法の一例を示すフローチャートである。まず、無線受信回路2を標準温度(例えば25℃)に保った状態で、検査用標準信号をアンテナANTから入力する(ステップST1)。
このとき周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvで示される中間周波数IFが、設計中心値fIF0と一致するように、パルス生成部PWMG1,PWMG2のパルス幅P、Pを調整する。なお、周期Nは、予め固定値、例えば10に設定されているものとする。そして、中間周波数IFが、設計中心値fIF0と一致したときのパルス幅P、Pの組み合わせを、基準パルス幅(P10、P20)とする(ステップST2)。
次に、中間周波数IFが設計中心値fIF0と一致したときの温度センサTSの出力電圧をアナログデジタルコンバータADにてA/D変換して得られた温度Tを示す基準温度電圧Vts0と、基準パルス幅(P10、P20)とを、記憶部211に記憶させる。ここで、局部発振器22の発振周波数は、周囲温度の関数となる。周囲温度(または周囲温度によって決まる温度センサTSの出力電圧)と局部発振器22の発振周波数との関係をデータテーブル化し、そのデータテーブルを記憶部211に温度関係情報として記憶させる(ステップST3)。
図6は、対応関係情報の初期設定方法の一例を示すフローチャートである。
まず、無線受信回路2を標準温度(例えば25℃)に保った状態で、検査用標準信号をアンテナANTから入力する(ステップST5)。このとき周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvで示される中間周波数IFが、設計中心値fIF0と一致するように、パルス生成部PWMG1,PWMG2のパルス幅P,Pを調整する。このとき、周期Nは固定値であるとする。そして、中間周波数IFが、設計中心値fIF0と一致したときのパルス幅P,Pを基準パルス幅(P10,P20)とする(ステップST6)。
次に、基準パルス幅(P10,P20)を、記憶部211に記憶されているパルス幅変換情報を用いて制御電圧Vvcに変換し、基準制御電圧Vvc0として取得する(ステップST7)。ここで、R/(R+R)=1/Nであれば、式(6)から、Vvc0=Vcc×(P10/N+P20/N)となる。
次に、中間周波数IFが設計中心値fIF0と一致したときに周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvを、アナログデジタルコンバータADで変換して得られた基準周波数電圧Vfv0と、基準制御電圧Vvc0とを、対応関係情報として記憶部211に記憶させる(ステップST8)。
ここで、周波数/電圧変換回路FVの入出力特性と、局部発振器22の電圧感度(入力電圧/出力周波数特性)と、パルス幅の組み合わせ(P,P)と、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcとの関係とは、設計段階で明らかにできるので、制御電圧Vvcの変化量と、周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvとの関係も既知となる。そこで、周波数/電圧変換回路FVの入出力特性および局部発振器22の電圧感度(入力電圧/出力周波数特性)がともに線形性をもつように設計すれば、制御電圧Vvcと周波数/電圧変換回路FVの周波数変換電圧Vfvとの関係を、一次関数で表すことができる。
図7は、制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとの関係を表す一次関数を、制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとを座標軸とする直交座標平面上に表した直線L1を示すグラフである。このようにして得られた直線L1の傾きAも、対応関係情報として記憶部211に記憶させる(ステップST7)。この場合、直線L1を示す情報が、制御電圧変換情報に相当している。
次に、無線受信回路2の運用時における動作について、説明する。図8は、図3に示す無線受信回路2の動作の一例を示すフローチャートである。まず、補正処理部CALは、温度センサTSの出力電圧Vtsを取得する(ステップST11)。
次に、補正処理部CALは、記憶部211にデータテーブルとして記憶されている温度関係情報を参照し、当該データテーブルによって、温度センサTSから得られた電圧Vtsと対応付けられている発振周波数を、局部発振器22の発振周波数として推定する(ステップST12)。
そして、補正処理部CALは、現在の発振周波数が、標準温度における発振周波数からずれていると推定される場合は、既知の値である局部発振器22の電圧感度をもとにそのずれを補償するための制御電圧Vvcを算出し(ステップST13)、その制御電圧Vvcを実現するパルス幅(P,P)を、記憶部211に記憶されているパルス幅変換テーブルを用いて取得する。補正処理部CALは、このようにして得られたパルス幅(P,P)を、パルス生成部PWMG1,PWMG2に設定する(ステップST14)。これに伴い、局部発振器22の発振周波数のずれが低減される。
以上、ステップST11〜ST14の処理により、無線受信回路2は、送信器から送出される信号を受信していない状態においても温度変化による発振周波数のずれを補償することができるので、高感度な無線受信回路2を実現することが容易となる。
また、ステップS14においては、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周波数を増大させることなく、従って消費電力の増大を低減しつつ、局部発振信号S1の調整精度が従来より向上されている。また、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期を伸ばすことなく、従って発振周波数調整に要する時間の増大を低減しつつ局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。
無線受信回路2は、この状態で、送信機W1からの信号を待ち受ける(ステップST15)。なお、ステップST11〜ST14の温度補償は、必ずしも実行しなくてもよい。ステップST11〜ST14を実行しない場合、パルス生成部PWMG1,PWMG2に基準パルス幅(P10,P20)を設定した状態で、送信機W1からの信号を待ち受けるようにしてもよい。
そして、送信機W1から送信された無線信号が、アンテナANTで受信され、高周波フィルタRF−FLTを経て、ミキサMIXからIF信号S3が出力される(ステップS15でYES)。このとき、IF信号S3の中間周波数IFは、送信機W1及び無線受信回路2の温度特性によって、周囲温度の影響を受けて、設計中心値fIF0からずれてしまう。そのため、中間周波数IFは、fIF0+△fIFとなり、周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvは、電圧Vfv1となる。
この電圧Vfv1が、アナログデジタルコンバータADによってデジタル値に変換されて、補正処理部CALによって取得される(ステップST16)。そして、補正処理部CALは、電圧Vfv1と、記憶部211に記憶されている対応関係情報とに基づいて、新たな制御電圧Vvc2を取得し、制御電圧Vvc2に対応するパルス幅(P,P)をパルス幅変換テーブルから求めてパルス生成部PWMG1,PWMG2に設定する(ステップST17)。
図9は、ステップST17における制御電圧Vvc2の取得方法を説明するための説明図である。図9においては、制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとを座標軸とする直交座標平面上に直線L1が示されている。今、パルス生成部PWMG1,PWMG2にはパルス幅(P11,P21)が設定され、制御電圧は制御電圧Vvc1になっている。また、周波数変換電圧Vfvは、電圧Vfv1になっている。
そうすると、座標(Vvc1,Vfv1)を示す第1座標Px1は、記憶部211に記憶されている直線L1上にはない。これは、例えば周囲温度の影響により、無線受信回路2における制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとの関係が、記憶部211に記憶されている対応関係情報から変化したことを意味している。
そこで、補正処理部CALは、現状の座標(Vvc1,Vfv1)である第1座標Px1を通り、かつ傾きがAである一次関数で表される直線L2(第1補正対応情報)を生成する。直線L2の傾きは、直線L1の傾きAと近似しているものとする。そして、補正処理部CALは、直線L2上で、周波数/電圧変換回路FVから出力される周波数変換電圧Vfvが、記憶部211に記憶されている基準周波数電圧Vfv0、あるいは基準周波数電圧Vfv0に温度補正を加えた目標周波数電圧Vfv0’になるような制御電圧Vvc2を求めて、制御電圧Vvc2に対応するパルス幅(P12,P22)をパルス生成部PWMG1,PWMG2に設定することで、中間周波数IFを設計中心値fIF0に戻すことができる。
より具体的には、補正処理部CALは、ステップST17において、記憶部211に記憶されている対応関係情報、すなわち直線L1を示す一次関数によって制御電圧Vvc1(第1制御電圧)と対応付けられている目標周波数電圧Vfv0’(目標周波数)と、ステップST16で得られた電圧Vfv1(第1周波数)との差△Vfv1を、△Vfv1=Vfv1―Vfv0’として算出する。この場合、目標周波数電圧Vfv0’は、ステップST11〜ST14において、基準周波数電圧Vfv0における温度の影響が補正された値に相当する。
そして、補正処理部CALは、制御電圧Vvc1と、記憶部211に記憶されている傾きAとから、調整後の新たな制御電圧Vvc2(第2制御電圧)を、Vvc2=Vvc1―△Vfv1/Aとして算出する。
補正処理部CALが、このようにして得られた制御電圧Vvc2に対応するパルス幅(P12,P22)をパルス生成部PWMG1,PWMG2に設定すると、パルス生成部PWMG1,PWMG2から出力されたパルス信号が平滑され、分圧されて、制御電圧Vvcが制御電圧Vvc2となる。これに伴い局部発振器22の発振周波数が変化し、中間周波数IFが補正される。
なお、ステップST11〜ST14の温度補償を実行しない場合は、制御電圧Vvc1の代わりに基準制御電圧Vvc0を用い、目標周波数電圧Vfv0’の代わりに基準周波数電圧Vfv0を用いるようにすればよい。
以上、ステップST17では、直線L2の傾きがAと等しいと仮定して、中間周波数IFを修正した。しかしながら、例えば温度の影響で局部発振器22の特性が変化した場合、制御電圧Vvcと周波数変換電圧Vfvとの関係を示す一次関数の傾きが、直線L1と等しいとは限らない。
そこで、補正処理部CALは、再び制御電圧Vvcの補正を行う際に、前回の補正の際に得られた第1座標Px1(Vvc1,Vfv1)と、制御電圧Vvc2を設定後にアナログデジタルコンバータADから出力された電圧Vfv2(第2周波数)とに基づいて、新たな直線L3を生成し、直線L3の傾きBを用いて新たな制御電圧Vvc3を設定する(ステップST18)。
具体的には、補正処理部CALは、ステップST18において、デューティ比が制御電圧Vvc2に設定されている状態で、周波数/電圧変換回路FV及びアナログデジタルコンバータADで得られる電圧Vfv2(第2周波数)と制御電圧Vvc2とで示される第2座標Px2(Vvc2,Vfv2)と、第1座標Px1(Vvc1,Vfv1)とを通る一次関数で表される直線L3(第2補正対応情報)を生成する。
そして、補正処理部CALは、目標周波数電圧Vfv0’と電圧Vfv2との差△Vfv2を、△Vfv2=Vfv2―Vfv0’として算出する。そして、補正処理部CALは、制御電圧Vvc2と、差△Vfv2と、直線L3の傾きBとから、調整後の新たな制御電圧Vvc3(第3制御電圧)を、Vvc3=Vvc2―△Vfv2/Bとして算出する。
さらに、補正処理部CALが、このようにして得られた制御電圧Vvc3に対応するパルス幅(P13,P23)を、パルス幅変換テーブルから求めてパルス生成部PWMG1,PWMG2に設定することにより、局部発振器22の発振周波数の調整精度を向上することができる。
なお、復調部DMODと周波数/電圧変換回路FVとを別々のブロックとしたが、FM受信器やFSK(Frequency Shift Keying)受信器においては、復調部DMOD自体が周波数/電圧変換機能を備えることになるので、復調部DMODと別に周波数/電圧変換回路FVを設ける必要がない。したがって、本発明に係る無線受信回路を、FM受信器やFSK(Frequency Shift Keying)受信器に適用した場合には、回路規模の増大を低減することが容易である。
以上のように構成された無線受信回路2は、送信器から送出される信号の周波数ずれをキャンセルするように局部発振器の発振周波数ずれを補償することで、中間周波数IFのずれが抑制された高感度な無線受信回路を実現することができる。
また、ステップST17,ST18においては、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周波数を増大させることなく、従って消費電力の増大を低減しつつ、局部発振信号S1の調整精度が従来より向上されている。また、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期を伸ばすことなく、従って発振周波数調整に要する時間の増大を低減しつつ局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。
なお、図4において、周期Nを固定値とする例として、N=10、Vcc=3.0[V]、R/(R+R)=1/10としたときのパルス幅の設定例を示したが、周期Nを、10を上回らない範囲内(ローパスフィルタLPF1,LPF2の時定数を大きくしなくても十分にパルス信号PWM1,PWM2を平滑化できる範囲内)で可変にしてもよい。
ローパスフィルタLPF1,LPF2は、周期N=10のパルス信号PWM1,PWM2を十分に平滑化するような時定数が設定されているので、周期Nを、10を上回らない任意の値としても、直流電圧Vdc1及び電圧VLP2は十分に平滑化された直流電圧となるため問題ない。
図10は、周期Nを1〜10の範囲で変化させた場合のパルス幅設定の数値例である。図10に示すように、周期N、パルス幅P、パルス幅Pの3変数を調節することにより、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcの調整可能な単位ステップ幅の平均値は0.0096[V]となり、図4に示すように、発振周波数の調整可能な精度が周期Nを10に固定した場合に比べておよそ3倍になる。
従って、図10に示すように、周期N、パルス幅P、パルス幅Pの3変数と、制御電圧Vvcとの対応関係を示すデータをパルス幅変換テーブルとして記憶部211に記憶しておき、補正処理部CALが、ステップST14、ST17、ST18において、このパルス幅変換テーブルを用いて、周期N、パルス幅P、パルス幅Pの組み合わせにより制御電圧Vvcを調節することで、局部発振器22の発振周波数の調整精度をさらに向上させることができる。
また、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周波数を増大させることなく、従って消費電力の増大を低減しつつ、局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。そして、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期を伸ばすことなく、従って発振周波数調整に要する時間の増大を低減しつつ局部発振信号S1の調整精度を従来より向上させることができる。
すなわち、前記制御電圧変換情報は、一次関数で近似できる情報であり、前記補正処理部は、第1及び第2パルス信号のパルス幅及び周期に応じて得られる周波数指示電圧が、第1周波数指示電圧になるように前記第1及び第2パルス信号のパルス幅及び周期が設定されているときに前記受信部によって前記無線信号が受信された場合、前記制御電圧変換情報によって前記第1周波数指示電圧と対応付けられている目標周波数と、前記周波数検出部で検出された第1周波数との差を前記一次関数で近似された前記制御電圧変換情報の傾きで除して得られた値だけ、前記第1周波数指示電圧を変化させて得られる第2周波数指示電圧を生じさせる前記第1及び第2パルス信号のパルス幅及び周期を、前記パルス信号生成部における新たな第1及び第2パルス信号のパルス幅及び周期として設定することにより、前記補正を実行する。
また、前記補正処理部は、前記補正を実行する際に、前記周波数指示電圧と前記周波数とを座標軸とする座標平面上で、前記第1周波数指示電圧と前記第1周波数とで示される第1座標を通り、かつ前記制御電圧変換情報と等しい傾きを有する一次関数で表される第1補正対応情報を生成し、再び補正を実行する際に、前記周波数指示電圧が前記第2周波数指示電圧に設定されている状態で前記受信部によって前記無線信号が受信された場合、前記周波数検出部で検出される第2周波数と前記第2周波数指示電圧とで示される第2座標と、前記第1座標とを通る一次関数で表される第2補正対応情報を生成し、前記目標周波数と前記第2周波数との差を、前記第2補正対応情報を表す一次関数の傾きで除して得られる値だけ、前記第2周波数指示電圧を変化させて得られる第3周波数指示電圧を、前記パルス信号生成部における新たな周波数指示電圧として設定することにより、前記補正を実行する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る無線受信回路について説明する。図11は、第2実施形態に係る無線受信回路2aを説明するための説明図である。無線受信回路2aは、補正処理部CAL’、記憶部211a、及び局部発振器22a以外は図3に示す無線受信回路2と同様であるので、図11においてその記載を省略している。
局部発振器22aは、図3に示す局部発振器22とは、パルス生成部PWMG3、ローパスフィルタLPF3、及び電圧加算器ADD(電圧加算部)をさらに備える点で異なる。また、並列共振回路23aは、並列共振回路23とは、コンデンサC7を備えず、可変容量コンデンサVCのアノードが直接グラウンドに接続されている点で異なる。
その他の構成は、図3に示す無線受信回路2と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施形態の特徴的な点について説明する。
パルス生成部PWMG3は、パルス生成部PWMG1,PWMG2と同様に構成されている。そして、パルス生成部PWMG3は、補正処理部CAL’によって設定された周期Nでパルス幅Pのパルス信号PWM3をローパスフィルタLPF3へ出力する。ローパスフィルタLPF3は、パルス信号PWM3を平滑して電圧VLP3として電圧変換部CNV3へ出力する。
電圧変換部CNV3は、例えばローパスフィルタLPF3と電圧加算器ADDとの間に直列に接続された抵抗R4と、電圧加算器ADDとグラウンドとの間に接続された抵抗R5とから構成されている。そして、抵抗R4,R5で分圧された電圧が、直流電圧Vdc3として電圧加算器ADDへ供給されるようになっている。
また、パルス生成部PWMG3、ローパスフィルタLPF3、及び電圧変換部CNV3によって、第2制御電圧生成部の一例が構成されており、図11に示す局部発振器22aは、第2制御電圧生成部を二つ備えている。
ここで、抵抗R4の抵抗値をR、抵抗R5の抵抗値をRとすると、直流電圧Vdc3は、下記の式(7)で与えられる。
Vdc3=VLP3×R/(R+R) ・・・(7)
電圧加算器ADDは、直流電圧Vdc1,Vdc2,Vdc3を加算して、制御電圧Vvc(加算電圧)として並列共振回路23aの接続点P1(可変容量コンデンサVCのカソード)へ出力する。ここで、R/(R+R)=1/Nを満足するようにR、Rを設定し、R/(R+R)=1/Nを満足するように設定することで、R、RをR、Rと異なる抵抗値に設定すれば、可変容量コンデンサVCに印加される制御電圧Vvcは、以下の式(8)で与えられる。
Vvc=Vcc×(P/N+P/N+P/N) ・・・(8)
このとき、制御電圧Vvcの調節可能な単位ステップ幅は、Vcc/Nとなる。そして、無線受信回路2aの発振周波数、すなわち局部発振信号S1の周波数の、調整可能な単位ステップ幅は、S×Vcc/Nとなる。
記憶部211aには、式(8)によって与えられるパルス幅P,P,Pの組み合わせと、制御電圧Vvcとの対応関係が、パルス幅変換テーブルとして記憶されている。
補正処理部CAL’は、ステップST14、ST17、ST18において、記憶部211aに記憶されているパルス幅変換テーブルを用いて、パルス幅P,P,Pの組み合わせによって、制御電圧Vvcを制御する。これにより、局部発振器22の発振周波数の調整精度をさらに向上させることができる。
また、水晶発振器OSCから出力されるクロック信号の周波数を増大させることなく、従って消費電力の増大を低減しつつ、局部発振信号S1の調整精度を図3に示す局部発振器22より向上させることができる。そして、パルス信号PWM1,PWM2のパルス周期を伸ばすことなく、従って発振周波数調整に要する時間の増大を低減しつつ局部発振信号S1の調整精度を局部発振器22より向上させることができる。
なお、図11に示す局部発振器22aは、まずパルス信号PWM1,PWM2,PWM3を平滑化し、次に電圧変換し、最後に各パルス信号を加算する例を示したが、電圧変換、平滑化、加算、の順に行ってもよいし、電圧変換、加算、平滑化の順に行ってもよい。
さらに、パルス信号のチャンネル数を増加させる(第2制御電圧生成部の数を増加させる)ことで発振周波数の調整精度を、より向上させることが可能になる。例えば、パルス信号のチャンネル数をn個とした場合、局部発振信号S1の周波数の、調整可能な単位ステップ幅は、S×Vcc/Nとなる。
本発明の一実施形態に係る無線受信回路を用いたスイッチ装置と、送信機とを備えた負荷制御システムを示す説明図である。 図1に示すスイッチ装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る無線受信回路の構成の一例を示すブロック図である。 パルス幅P,Pの設定例、及びそのパルス幅の組み合わせから得られる制御電圧Vvcを説明するための一覧表である。 温度関係情報の初期設定方法の一例を示すフローチャートである。 対応関係情報の初期設定方法の一例を示すフローチャートである。 制御電圧と周波数変換電圧との関係を表す一次関数を、制御電圧と周波数変換電圧とを座標軸とする直交座標平面上に表した直線を示すグラフである。 図3に示す無線受信回路の動作の一例を示すフローチャートである。 図8に示すステップST17における制御電圧の取得方法を説明するための説明図である。 周期Nを1〜10の範囲で変化させた場合のパルス幅設定の数値例である。 本発明の第2実施形態に係る無線受信回路を説明するための説明図である。 背景技術に係る発振回路の構成を示すブロック図である。 図12に示す発振回路において、パルス信号のパルス幅Pと、可変容量コンデンサに印加される直流電圧との関係を示す説明図である。
符号の説明
1 スイッチ装置
2,2a 無線受信回路
10 操作ハンドル
11 スイッチング素子
12 スイッチ制御部
21 制御部
22,22a 局部発振器
23,23a 並列共振回路
24 出力回路
25 配線
211,211a 記憶部
ADD 電圧加算器
ANT アンテナ
CAL,CAL’ 補正処理部
CNV2,CNV3 電圧変換部
DMOD 復調部
FV 電圧変換回路
IF−AMP IFアンプ
IF−FLT IFフィルタ
LD 照明負荷
LNA 低雑音増幅器
LPF1,LPF2,LPF3 ローパスフィルタ
MIX ミキサ
OSC 水晶発振器
P1,P2,P3 接続点
PWM1,PWM2,PWM3 パルス信号
R1,R2,R3,R4,R5 抵抗
RF 高周波フィルタ
S1 局部発振信号
Tr1 トランジスタ
VC 可変容量コンデンサ
Vfv 周波数変換電圧
Vvc 制御電圧
W1 送信機

Claims (9)

  1. 所定の第1制御電圧を生成する第1制御電圧生成部と、
    所定の第2制御電圧を生成する第2制御電圧生成部と、
    前記第1及び第2制御電圧に応じた周波数の発振信号を生成する発振信号生成部とを備え、
    前記第1制御電圧生成部は、
    所定の周期で第1パルス信号を出力する第1パルス生成部と、
    前記第1パルス信号を平滑して得られた電圧を出力する第1平滑部と、
    前記第1平滑部から出力された電圧を、予め設定された比率に変換して前記第1制御電圧として前記発振信号生成部へ出力する第1電圧変換部と、
    前記第1パルス信号のパルス幅の設定を受け付ける第1パルス幅設定部とを備え、
    前記第2制御電圧生成部は、
    所定の周期で第2パルス信号を出力する第2パルス生成部と、
    前記第2パルス信号を平滑して得られた電圧を出力する第2平滑部と、
    前記第2平滑部から出力された電圧を、前記第1電圧変換部とは異なる比率に変換して前記第2制御電圧として前記発振信号生成部へ出力する第2電圧変換部と、
    前記第2パルス信号のパルス幅の設定を受け付ける第2パルス幅設定部とを備えること
    を特徴とする発振回路。
  2. 前記発振信号生成部は、
    前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧を受け付ける第1信号端子と、
    前記第2制御電圧生成部で生成される第2制御電圧を受け付ける第2信号端子と、
    前記第1及び第2信号端子間に接続された可変容量コンデンサと、
    前記可変容量コンデンサを用いて発振することで前記発振信号を生成する発振部とを備えること
    を特徴とする請求項1記載の発振回路。
  3. 前記発振信号生成部は、
    前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧と、前記第2制御電圧生成部で生成される第2制御電圧とを加算して得られる加算電圧を出力する電圧加算部と、
    前記発振信号を生成すると共に、当該発振信号の発振周波数を前記電圧加算部から出力される加算電圧に応じて変化させる発振部とを備えること
    を特徴とする請求項1記載の発振回路。
  4. 前記第2制御電圧生成部は、複数設けられ、
    前記各第2制御電圧生成部が備える第2電圧変換部は、前記各第2制御電圧生成部が備える第2平滑部から出力された電圧を、互いに異なる比率に変換して前記第2制御電圧として前記電圧加算部へそれぞれ出力し、
    前記電圧加算部は、
    前記第1制御電圧生成部で生成される第1制御電圧と、前記複数の第2電圧変換部から出力される複数の第2制御電圧とを加算して得られる加算電圧を前記発振部へ出力すること
    を特徴とする請求項3記載の発振回路。
  5. 前記第1及び第2パルス生成部のうち少なくとも一つは、
    前記周期の設定を受け付ける周期設定部を備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発振回路。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発振回路と、
    無線信号を受信する受信部と、
    前記受信部によって取得された受信信号と前記発振回路によって生成された発振信号とを混合し、前記受信信号を中間周波数に変換して中間周波数信号を生成する混合部と、
    前記中間周波数信号に基づく信号を復調する復調部と、
    前記中間周波数信号に基づく信号の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記受信部によって予め設定された基準周波数の無線信号が受信された場合に前記周波数検出部によって検出される周波数と前記第1及び第2パルス信号のパルス幅との対応関係を示す対応関係情報を、予め記憶する対応関係記憶部と、
    前記受信部によって前記無線信号が受信されたとき、前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、前記第1及び第2パルス幅設定部に前記第1及び第2パルス信号のパルス幅をそれぞれ設定することにより、前記発振回路で生成される発振信号の周波数を補正する補正処理部と
    を備えることを特徴とする無線受信回路。
  7. 請求項5記載の発振回路と、
    無線信号を受信する受信部と、
    前記受信部によって取得された受信信号と前記発振回路によって生成された発振信号とを混合し、前記受信信号を中間周波数に変換して中間周波数信号を生成する混合部と、
    前記中間周波数信号に基づく信号を復調する復調部と、
    前記中間周波数信号に基づく信号の周波数を検出する周波数検出部と、
    前記受信部によって予め設定された基準周波数の無線信号が受信された場合に前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記第1及び第2パルス信号におけるパルス幅及び周期との対応関係を示す対応関係情報を、予め記憶する対応関係記憶部と、
    前記受信部によって前記無線信号が受信されたとき、前記周波数検出部によって検出される周波数と、前記対応関係記憶部に記憶されている対応関係情報とに基づいて、前記第1及び第2パルス幅設定部に前記第1及び第2パルス信号のパルス幅をそれぞれ設定し、前記周期設定部に前記周期を設定することにより、前記発振回路で生成される発振信号の周波数を補正する補正処理部と
    を備えることを特徴とする無線受信回路。
  8. 温度を検出する温度検出部と、
    温度の変化に対応した、前記発振回路により生成される前記発振信号の周波数の変化量を示す温度関係情報を予め記憶する温度関係記憶部とをさらに備え、
    前記補正処理部は、さらに、
    前記温度関係記憶部に記憶されている温度関係情報に基づいて、前記温度検出部によって検出された温度に対応する前記発振信号の周波数の変化量を取得し、当該周波数の変化量を相殺するように前記第1及び第2パルス幅設定部に設定される前記第1及び第2パルス信号のパルス幅を調節すること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の無線受信回路。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の無線受信回路と、
    操作ハンドルと、
    負荷への給電経路を開閉するスイッチング素子と、
    前記無線受信回路における前記復調部により復調された信号、及び前記操作ハンドルにより受け付けられた操作に応じて、前記スイッチング素子を開閉させるスイッチ制御部と
    を備えることを特徴とするスイッチ装置。
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