以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
(液晶表示装置の第1の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第1の実施形態)
この実施形態は、構成1および構成26に対応している。
図3は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この液晶表示装置は、マトリックス状に配置されたTFT、画素電極12を備えている。スイッチング素子であるTFTのゲート電極は、走査線G1、G2、...、Gnに接続されている。走査線G1、G2、...、Gnは、Yドライバ14から出力されるゲート信号を伝達する信号線である。TFTのドレイン電極は、信号線D1、D2、...、Dmに接続されている。信号線D1、D2、...、Dmは、Xドライバ16から出力されるデータ信号を伝達する信号線である。TFTのソース電極は、画素電極12に接続されている。
また、対向電極(図示せず)が、画素電極12に対向して配置されている。液晶(図示せず)は、画素電極12と対向電極とに挟持され、液晶セルCが形成されている。そして、縦横に配列された液晶セルCにより、液晶パネルAが構成されている。この実施形態では、液晶セルCは、例えば応答時間が約2msと短いπセルにより構成されている。なお、液晶パネルAは、他の液晶表示モードであるTN形LCD、横電界駆動型LCDなどを使用することも可能である。
Yドライバ14、Xドライバ16は、制御回路18により制御されている。制御回路18は、外部から表示データを受けている。Yドライバ14、Xドライバ16、および制御回路18は、図1に示した制御回路6に対応している。
液晶パネルAは、互いに間隔を置いた複数の第1画素領域20と、これ等第1画素領域20に隣接し互いに間隔を置いた第2画素領域22とに区画されている。第1画素領域20および第2画素領域22は、各走査線に沿って帯状に形成されている。
図4は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込む状態を示している。なお、液晶パネルAは、説明を簡単にするため、縦6画素、横8画素としている。
すなわち、液晶パネルAは、6本の走査線G1-G6および8本の信号線D1-D8により駆動される。
走査線G1-G6は、図の波形に示したように、1画面を表示する1フレームの期間(16ms)に2回活性化され、Hパルスのゲート信号を液晶パネルAに伝達する。したがって、各液晶セルCは、1フレームの期間に2つのデータを表示することができる。図3に示したYドライバ14は、各走査線G1-G6を位相をずらして配列順に活性化し、いわゆる線順次走査を行う。このため、Yドライバ14等の制御回路は、従来の回路を大幅に変更することなく構成される。ここでは、1フレームの期間のうち、走査線G1-G6の1回目の活性化が行われる期間を第1フィールドと称し、走査線G1-G6の2回目の活性化が行われる期間を第2フィールドと称する。
図3に示した制御回路18は、1フレームの期間に2画面分の表示データを受け取る。制御回路18は、第1フィールドにおいて、最初に受けた表示データのうち第1画素領域20に対応するデータをこの領域20に書き込み、リセットデータとして黒データを第2画素領域22に書き込む。ここで、表示データが書き込まれた液晶セルCは、白で示し、黒データが書き込まれた液晶セルCは、網掛けで示している。この結果、図4の表示画面(a)に示すように、第1フィールドが終了した時点で、表示データは、1本の走査線にそれぞれ対応して1ラインおきに書き込まれる。例えば、走査線G1と信号線D1とが交差する太枠で示した液晶セルCは、図に波形で示したように、第1フィールドにおいて透過光量が増大し、白が表示される。
制御回路18は、上記のように最初に受けた表示データのうち第2画素領域22に対応する表示データを捨て、代わりに黒データを書き込む制御を行う。表示データの黒データへの変換は、簡単なゲート回路で行うことができる。また、この実施形態では、表示データの一部をバッファメモリ等に蓄えておく必要はない。このため、制御回路18のうち変換処理に必要な回路は、最小限の規模になる。また、黒データの変換時の制御は簡単に行える。
次に、制御回路18は、第2フィールドにおいて、2回目に受けた表示データのうち第2画素領域22に対応するデータをこの領域22に書き込み、リセットデータとして黒データを第1画素領域20に書き込む制御を行う。制御回路18は、最初に受けた表示データのうち第1画素領域20に対応する表示データは捨て、代わりに黒データを書き込む。この結果、図4の表示画面(b)に示すように、第1フィールドで表示データが書き込まれた第1画素領域20の表示は、黒データによりリセットされる。
制御回路18は、上述した書き込み動作を繰り返して行うことで、第1画素領域20に書き込まれた表示データと第2画素領域22に書き込まれた表示データとを交互にリセット(黒)する。このため、動画像における尾引き等のぼけが発生することが防止される。
図4の表示画面(c)は、第1フィールドにおいて走査線G3が活性化されたときの状態を示している。表示データが隣接する複数ラインに表示されるのは、走査線G3により制御されるラインとその隣接するラインの2ラインだけである。その他のラインは、表示データと黒データとが交互に表示されている。
図4の表示画面(d)は、第1フィールドにおいて走査線G4が活性化されたときの状態を示している。黒データが隣接する複数ラインに表示されるのは、走査線G4により制御されるラインとその隣接するラインの2ラインだけである。その他のラインは、表示データと黒データとが交互に表示されている。
このように、表示データおよび黒データの書き込みが、液晶パネル20のまとまった領域でなく、複数の第1画素領域20、第2画素領域22に分散して行われるため、フリッカーが表示画面に発生することが防止される。
以上、本発明の液晶表示装置および液晶表示装置の制御方法では、液晶パネルAを互いに分散された複数の第1画素領域20と第2画素領域22とに区画し、これ等領域20、22に交互に表示データとリセットデータとを書き込んだ。このため、表示画像のぼけを軽減することができ、フリッカーが表示画面に発生することを防止することができる。
制御回路18は、表示データの黒データへの変換処理を、表示データの一部を捨て、代わりに黒データを書き込むことで行った。このため、制御回路18のうち変換処理を、簡単なゲート回路により行うことができる。したがって、制御回路18の回路規模を最小限にすることができ、変換処理の制御を簡単に行うことができる。
各走査線G1-G6は、従来と同様に線順次走査されるため、Yドライバ14等の制御回路は、従来の回路を大幅に変更することなく構成することが可能である。すなわち、走査線の制御を簡単に行うことができる。
なお、この実施形態では、応答時間が約2msのπセルを使用して液晶パネルAを構成した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、応答時間が16ms程度の液晶セルを用いてもよい。この場合、1フレームの期間を、例えば32msにすることで、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。液晶セルは、垂直配向で、液晶パネルに対して水平の電界を一部に含み、誘電率εの異方性が正のVA(Vertical Alignment)型、垂直配向、垂直電界で誘電率εの異方性が負のMVA(Multi-domain Vertical Alignment)型、水平配向、水平電界のIPS(In Plane Switching)型等を使用することが考えられる。
(液晶表示装置の第2の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第2の実施形態)
この実施形態は、構成1および構成26に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図5は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態では、第1画素領域20および第2画素領域22が液晶セルCごとに格子状に形成されている。制御回路24は、外部から伝達される表示データの一部を保持するバッファメモリ24aを備えている。その他の構成は、上述した第1の実施形態と同一である。
図6は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込む状態を示している。
この実施形態では、図5に示した制御回路24は、1フレームの期間(16ms)に、1画面分の表示データを受け取る。制御回路18は、第1フィールドにおいて、取り込んだ表示データのうち第1画素領域20に対応するデータをこの領域20に書き込み、リセットデータとして黒データを第2画素領域22に書き込む。すなわち、制御回路24は、Xドライバ16に対して表示データとリセットデータである黒データとを交互に出力する。信号線D1-Dmには、1本おきに表示データと黒データとが伝達される。制御回路18は、表示データのうち第1フィールドで黒データを書き込む第1画素領域22に対応するデータをバッファメモリ24aに一時保持する。なお、Yドライバ14が行う走査線G1-Gnの制御は第1の実施形態と同じである。
この結果、図6の表示画面(a)に示すように、第1フィールドが終了した時点で、液晶パネルAには、市松模様のデータが表示される。例えば、走査線G1と信号線D1とが交差する太枠で示した液晶セルCは、波形で示したように、第1フィールドにおいて透過光量が増大し、白が表示される。
次に、制御回路24は、第2フィールドにおいて、バッファメモリ24aに保持している表示データを読み出し、このデータを第2画素領域22に書き込み、リセットデータとして黒データを第1画素領域20に書き込む制御を行う。この結果、図6の表示画面(b)に示すように、第1フィールドで表示データが書き込まれた第1画素領域20の表示は、黒データによりリセットされる。
制御回路18は、上述した書き込み動作を繰り返して行うことで、第1画素領域20に書き込まれた表示データと第2画素領域22に書き込まれた表示データとを交互にリセット(黒)する。このため、動画像における尾引き等の画像のぼけが発生することが防止される。
図6の表示画面(c)は、走査線G3が第1フィールドにおいて活性化されたときの状態を示している。表示データが、連続する複数の液晶セルCに表示されるのは、走査線G3により制御されるラインにおける互いに離れた液晶セルCと、その隣接するラインの液晶セルCだけである。このため、表示データが、走査線方向に連続する複数の液晶セルCに表示されることはない。その他の液晶セルCには、表示データと黒データとが交互に表示されている。
図6の表示画面(d)は、走査線G4が第1フィールドにおいて活性化されたときの状態を示している。黒データが、連続する複数の液晶セルCに表示されるのは、走査線G4により制御されるラインにおける互いに離れた液晶セルCと、その隣接するラインの液晶セルCだけである。このため、黒データが走査線方向に連続する複数の液晶セルCに表示されることはない。その他のラインは、表示データと黒データとが交互に表示されている。
このように、表示データおよび黒データの書き込みが、複数の第1画素領域20、第2画素領域22(すなわち、各液晶セルCごと)に交互に分散して行われるため、フリッカーが表示画面に発生することが防止される。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、第1画素領域20および第2画素領域22を走査線方向にも区画した。このため、フリッカーが表示画面に発生することをより確実に防止することができる。
(液晶表示装置の第3の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第3の実施形態)
図7は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成1、構成2、および構成27に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、液晶パネルAは、2つの帯状の第1画素領域20と、2つの帯状の第2画素領域22とを交互に有している。
第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ2ライン分の液晶セルCに対応して区画されている。なお、液晶パネルAは、説明を簡単にするため、縦8画素、横8画素としている。実際には、液晶セルCの高さおよび幅は、約0.3mmであり、第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ数ラインから数十ラインあるいは数百、数千ラインの液晶セルCに対応して区画されている。
また、ポリカーボネイト等の透明な樹脂からなる導光板26が、液晶パネルAの背面側における第1画素領域20、第2画素領域22に対向する位置にそれぞれ配置されている。各導光板26が互いに接する端面は、微細な凹凸加工が施されている。この凹凸により、導光板26の端面に導かれた光は乱反射し、導光板26の継ぎ目が目立たなくなる。導光板26の長手方向の一端には、バックライトとして蛍光管F1-F4がそれぞれ取り付けられている。その他の構成は、制御回路(図示せず)が蛍光管F1-F4を制御する機能を有することを除き、上述した第1の実施形態と同一である。
図8は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込む状態を示している。
走査線G1-G8は、図の波形に示したように、1画面を表示する1フレームの期間(16ms)に2回活性化され、いわゆる線順次走査が行われる。そして、第1フィールドにおいて、表示データのうち第1画素領域20に対応するデータがこの領域20に書き込まれ、リセットデータとして黒データが第2画素領域22に書き込まれる。第2フィールドにおいて、表示データのうち第2画素領域22に対応するデータがこの領域22に書き込まれ、リセットデータとして黒データが第1画素領域20に書き込まれる。
また、走査線G1-G8の制御に合わせて蛍光管F1-F4を点滅する制御が行われる。
例えば、第1フィールドにおいて、走査線G1の活性化に同期して蛍光管F1が点灯される。走査線G5の活性化に同期して蛍光管F3が点灯される。同様に、走査線G4、G8の活性化に同期して蛍光管F2、F4が消灯される。第2フィールドにおいて、走査線G2、G6の活性化に同期して蛍光管F1、F3が消灯され、走査線G3、G7の活性化に同期して蛍光管F2、F4が点灯される。
図8の表示画面(a)は、第1フィールドにおいて走査線G8が活性化されたときの状態を示している。点灯している蛍光管F1、F3は、図中、白抜きで示している。同様に、図8の表示画面(b)は、第2フィールドにおいて走査線G8が活性化されたときの状態を示している。すなわち、この実施形態では、表示データを書き込む第1画素領域20、第2画素領域22に対応する蛍光管を点灯させ、黒データを書き込む第1画素領域20、第2画素領域22に対応する蛍光管を消灯する制御が行われる。この制御は図示しない制御回路により行われる。この結果、黒データが表示される際の輝度は低下し、表示データと黒データとのコントラスト比が上がる。したがって、見やすい画面が構成される。また、表示データを表示しない第1画素領域20、第2画素領域22に対応する蛍光管は消灯されるため、消費電力が低減される。
図9(a)、(b)は、第1フィールドにおいて走査線G3が活性化されたときの状態と、第2フィールドにおいて走査線G3が活性化されたときの状態を示している。
図9(a)において、蛍光管F2の消灯は、走査線G3に対応するラインに黒データが書き込まれたときには行われない。これは、第1フィールドにおいて走査線G3の活性化時に、走査線G4に対応するラインに表示データが表示されているためである。蛍光管F2の消灯は、図8の波形に示したように、走査線G4の活性化に同期して行われる。
これに対し、図9(b)において、蛍光管F2の点灯は、走査線G3の活性化に同期して行われる。これは、第2フィールドにおいて走査線G3の活性化時に、この走査線G3に対応するラインに表示データが表示されるためである。これらの点灯、消灯のタイミングにより、最も明るい表示が可能になる。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、液晶パネルAの背面側にバックライトを取り付けたので、表示データの書き込み時とリセットデータである黒データの書き込み時とでコントラスト比を大きくすることができ、見やすい画面を構成することができる。
蛍光管F1-F4を使用したので、第1画素領域および第2画素領域に合わせて、容易にバックライトを構成することができる。
第1画素領域および第2画素領域の大きさに合わせて導光板26を設けたので、使用する蛍光管の数を最小限にすることができる。
なお、この実施形態では、蛍光管F1-F4を点灯した後に消灯した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、蛍光管F1-F4は、完全に消灯するのでなく、輝度を弱くしてもよい。
(液晶表示装置の第4の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第4の実施形態)
図10は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成2および構成27に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、液晶パネルAは、4つの第1画素領域20と、4つの第2画素領域22とを互いに隣接させて格子状に区画されている。なお、液晶パネルAは、説明を簡単にするため、縦8画素、横8画素としている。また、発光ダイオードL1-L8が、液晶パネルAの背面側における第1画素領域20、第2画素領域22に対向する位置にそれぞれ配置されている。すなわち、発光ダイオードL1-L8は、縦2画素、横4画素に対応して配置されている。実際には、第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ数十画素から数百画素の液晶セルCに対応して区画されている。その他の構成は、制御回路(図示せず)が発光ダイオードL1-L8を制御する機能を有することを除き、上述した第1の実施形態と同一である。
なお、発光ダイオードL1-L8の代わりに上述した第3の実施形態のように、蛍光管と導光板を用いてもよい。
図11は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込む状態を示している。
走査線G1-G8は、波形で示すように、1画面を表示する1フレームの期間(16ms)に2回活性化され、いわゆる線順次走査が行われる。第1フィールドにおいて、表示データのうち第1画素領域20に対応するデータがこの領域20に書き込まれ、リセットデータとして黒データが第2画素領域22に書き込まれる。第2フィールドにおいて、表示データのうち第2画素領域22に対応するデータがこの領域22に書き込まれ、リセットデータとして黒データが第1画素領域20に書き込まれる。
また、走査線G1-G8の制御に合わせて発光ダイオードを点滅する制御が行われる。例えば、第1フィールドにおいて、走査線G1の活性化に同期して発光ダイオードL1が点灯される。走査線G3、G5、G7の活性化に同期して発光ダイオードL6、L3、L8が点灯される。同様に、走査線G2、G4、G6、G8の活性化に同期して発光ダイオードL5、L2、L7、L4が消灯される。第2フィールドにおいて、走査線G1、G3、G5、G7の活性化に同期して発光ダイオードL5、L2、L7、L4が点灯され、走査線G2、G4、G6、G8の活性化に同期して発光ダイオードL1、L6、L3、L8が消灯される。
図11の表示画面(a)は、第1フィールドにおいて走査線G8が活性化されたときの状態を示している。点灯している発光ダイオードL1、L3、L6、L8は、図中、白抜きで示している。同様に、図11の表示画面(b)は、第2フィールドにおいて走査線G8が活性化されたときの状態を示している。すなわち、この実施形態では、表示データを書き込む第1画素領域20、第2画素領域22に対応する発光ダイオードを点灯させる制御が行われる。この制御は、図示しない制御回路により行われる。
図12(a)、(b)は、第1フィールドにおいて走査線G3が活性化されたときの状態と、第2フィールドにおいて走査線G3が活性化されたときの状態を示している。
図12(a)において、発光ダイオードL2の消灯は、走査線G3に対応するラインに黒データが書き込まれたときには行われない。これは、第1フィールドにおいて走査線G3の活性化時に、走査線G4に対応するラインに表示データが表示されているためである。発光ダイオードL2の消灯は、図11の波形に示したように、走査線G4の活性化に同期して行われる。逆に、発光ダイオードL2の点灯は、走査線G3が活性化されたときに行われる。これは、走査線G3に対応するラインに表示データが表示されるためである。
これに対し、図12(b)において、発光ダイオードL2の点灯は、走査線G3の活性化に同期して行われる。これは、第2フィールドにおいて走査線G3の活性化時に、この走査線G3に対応するラインに表示データが表示されるためである。
この実施形態においても、上述した第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、この実施形態では、バックライトとして発光ダイオードL1-L8を使用した例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、バックライトは、PDP(Plasma Display Panel)を用いて構成してもよく、この場合には、面積の小さい第1画素領域20、第2画素領域22を多数設けることができる。
(液晶表示装置の第5の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第5の実施形態)
図13は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成2および構成27に対応している。第1および第3の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、液晶パネルAは、2つの帯状の第1画素領域20と、2つの帯状の第2画素領域22とを交互に有している。第1画素領域20、第2画素領域22は、説明を簡単にするため、それぞれ1ライン分の液晶セルCに対応して区画されている。実際には、第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ数ラインから数十ラインまたは数百、数千ラインの液晶セルCに対応して区画されている。また、蛍光管F1-F4が、液晶パネルAの背面側における第1画素領域20、第2画素領域22に対向する位置にそれぞれ配置されている。実際には、各蛍光管F1-F4は、走査線方向に複数の蛍光管を並列して構成されている。制御回路30は、Yドライバ14、Xドライバ16、および各蛍光管F1-F4を制御している。制御回路30は、所定の周波数の交流電圧を、位相をずらして各蛍光管F1-F4に供給する機能を有している。
図14は、上述した液晶表示装置において蛍光管F1-F4が点滅する状態と走査線G1-G4が駆動される状態を示している。
蛍光管F1-F4は、同一の周期で発光するが、その位相は所定だけずれている。
このため、蛍光管F1-F4の輝度が最大になる位相と輝度が最小になる位相とは、それぞれずれている。図13に示した制御回路30は、1フレームの周期を蛍光管F1-F4の発光周期に合わせ、走査線G1-G4を、それぞれ蛍光管F1-F4の輝度が最大および輝度が最小になるタイミングの少し前に活性化する。具体的には、走査線G1は、第1フィールドにおいて蛍光管F1の輝度が最大になる手前で活性化され、第2フィールドにおいて、蛍光管F1の輝度が最小になる手前で再び活性化される。走査線G2は、第1フィールドにおいて蛍光管F2の輝度が最小になる手前で活性化され、第2フィールドにおいて、蛍光管F2の輝度が最大になる手前で再び活性化される。走査線G3は、第1フィールドにおいて蛍光管F3の輝度が最大になる手前で活性化され、第2フィールドにおいて、蛍光管F3の輝度が最小になる手前で再び活性化される。走査線G4は、第1フィールドにおいて蛍光管F4の輝度が最小になる手前で活性化され、第2フィールドにおいて、蛍光管F4の輝度が最大になる手前で再び活性化される。
第1フィールドにおいて、走査線G1、G3の活性化により、図13に示した第1画素領域20に表示データが書き込まれる。走査線G2、G4の活性化により、第2画素領域22に黒データが書き込まれる。第1フィールドにおいて、走査線G1、G3の活性化により、第1画素領域20に黒データが書き込まれる。走査線G2、G4の活性化により、第2画素領域22に表示データが書き込まれる。
したがって、各蛍光管F1-F4の輝度は、表示データの書き込み直後に最大になり、黒データの書き込み直後に最小になる。この結果、蛍光管F1-F4の点灯・消灯の制御を特別に行うことなく、フリッカーのない、コントラスト比の高い画像が表示される。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、制御回路30は、1フレームの周期を蛍光管F1-F4に供給される交流電圧の周期に合わせて走査線G1-G4を制御したので、蛍光管F1-F4のオンオフ制御を特別に行うことなく、画面のコントラスト比を上げることができる。
(液晶表示装置の第6の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第6の実施形態)
図15は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成1、構成4、構成26、および構成28に対応している。第1および第3の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、制御回路32は、ホールド駆動回路34とインパルス駆動回路36とガンマ補正用テーブル38とを備えている。その他の構成は、上述した第5の実施形態と同一である。
ガンマ補正用テーブル38は、ホールド駆動時の補正データ、インパルス駆動時の補正データ、および液晶パネルAの温度に対応した補正データを有している。
制御回路32は、例えば動画像を表示するときにインパルス駆動回路36を活性化し、静止画像を表示するときにホールド駆動回路34を活性化する。すなわち、この実施形態では、表示画面に応じてホールド駆動とインパルス駆動とを切り替え制御可能である。ここで、静止画像は写真に限らない。例えば、本発明の液晶表示装置が、パーソナルコンピュータに接続される場合、このコンピュータ上で使用される表計算用のソフトウエア等の画面は、静止画像として扱われる。
また、制御回路32は、1フレーム期間中に表示データの表示される割合が低いインパルス駆動を行う際に、蛍光管F1-F4の輝度をホールド駆動時に比べて上げる制御を行う。このため、ホールド駆動時とインパルス駆動時とで輝度のばらつきが低減される。
制御回路32は、ホールド駆動時とインパルス駆動時とでそれぞれ最適なガンマ補正を行う。
さらに、制御回路32は、液晶パネルAの温度を温度検出信号として受け、この温度に応じて、ガンマ補正用テーブルから補正データを読み出す。制御回路32は、この補正データに応じて表示データのガンマ補正を行い、各液晶セルCへの書き込み電圧を調整する。
液晶パネルAの温度は、温度センサで検出してもよく、TFT等の素子を流れる電流値をモニタすることで検出してもよい。
この実施形態においても、上述した第1および第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、静止画像の表示をホールド駆動で行い、動画像の表示をインパルス駆動で行ったので、どの画像に対しても最適な画面表示を行うことができる。
インパルス駆動時に蛍光管F1-F4の輝度を上げる制御を行ったので、ホールド駆動時とインパルス駆動時とで輝度のばらつきを低減することができる。
ホールド駆動時とインパルス駆動時とでそれぞれ最適なガンマ補正を行ったので、特に、インパルス駆動時に液晶セルCの透過光量の変化を速くすることができ、輝度を上げることができる。
液晶パネルAの温度変化に対応してガンマ補正を行ったので、液晶パネルAの温度変化にかかわりなく、表示画面の輝度、コントラスト、および階調表示特性を一定にすることができる。
(液晶表示装置の第7の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第7の実施形態)
図16は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置における液晶パネルAの概要を示している。この実施形態は、構成1および構成26に対応している。
液晶パネルAは、4つの帯状の第1画素領域20と、4つの帯状の第2画素領域22とを交互に有している。第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ1ライン分の液晶セルCに対応して区画されている。なお、液晶パネルAは、説明を簡単にするため、縦8画素、横8画素としている。その他の構成は、上述した第1の実施形態と同一である。図において、走査線G1-G8とともに示した括弧内の数字は、走査線G1-G8の駆動順序を示している。
図17は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込むタイミングを示している。
図示しない制御回路は、第1フィールド、第2フィールドともに、走査線G1、G8、G3、G6、G2、G4、G5、G7の順で活性化する。そして、制御回路は、第1フィールドにおいて、表示データのうち第1画素領域20に対応するデータをこの領域20に書き込み、黒データを第2画素領域22に書き込む。第2フィールドにおいて、制御回路は、表示データのうち第2画素領域22に対応するデータをこの領域22に書き込み、黒データを第1画素領域20に書き込む。
この実施形態のにおいても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、走査線G1-G8を配列順に関係のない所定の順序で駆動したので、フリッカーの発生をより確実に防止することができる。
(液晶表示装置の第8の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第8の実施形態)
図18は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置における液晶パネルAの概要を示している。この実施形態は、構成1および構成26に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
液晶パネルAは、2つの帯状の第1画素領域20と、2つの帯状の第2画素領域22とを交互に有している。第1画素領域20、第2画素領域22は、それぞれ3ライン分の液晶セルCに対応して区画されている。なお、液晶パネルAは、説明を簡単にするため、縦12画素、横8画素としている。その他の構成は、上述した第1の実施形態と同一である。図において、走査線G1-G12とともに示した括弧内の数字は、走査線G1-G12の駆動順序を示している。
図19は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込むタイミングを示している。
図示しない制御回路は、第1フィールド、第2フィールドともに、走査線G1、G7、G4、G10、G2、G8、G5、G11、G3、G9、G6、G12の順で活性化する。すなわち、制御回路は、同一の第1画素領域20、第2画素領域22内では、線順次走査を行う。そして、制御回路は、第1フィールドにおいて、表示データのうち第1画素領域20に対応するデータをこの領域20に書き込み、黒データを第2画素領域22に書き込む。制御回路は、第2フィールドにおいて、表示データのうち第2画素領域22に対応するデータをこの領域22に書き込み、黒データを第1画素領域20に書き込む。
この実施形態のにおいても、上述した第1および第7の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、一部の領域について線順次走査が行われため、制御回路を複雑化することなく、フリッカーの発生をより確実に防止することができる。
(液晶表示装置の第9の実施形態)
図20は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成5および構成29に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、縦横に複数の液晶セルCが配列されて液晶パネルAが構成されている。液晶パネルAの背面側には、複数ラインの液晶セルCで区画される帯状の領域Gr.1、Gr.2、Gr.3、Gr4に対応して蛍光管F1-F4がそれぞれ配置されている。なお、各蛍光管F1-F4は、複数の蛍光管により構成してもよい。制御回路40は、互いに離れた蛍光管F1、F3と蛍光管F2、F4とをそれぞれオンオフ制御する機能と、ホールド駆動を行う機能とを有している。蛍光管F1、F3は第1バックライトとして、蛍光管F2、F4は第2バックライトとして点滅する。
図21は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込むタイミングを示している。ここでは、説明を簡単にするため、12本の走査線G1-G12で構成された液晶パネルAの例を示す。
制御回路40は、第1フィールドにおいて走査線G1-G3、G7-G9を順次に走査するホールド駆動を行い、第2フィールドにおいて走査線G4-G6、G10-G12を順次に走査するホールド駆動を行う。各走査線G1-G12は、1フレームの期間に1回活性化される。
制御回路40は、第1フィールドにおいて蛍光管F1、F3を点灯、蛍光管F2、F4を消灯し、第2フィールドにおいて蛍光管F1、F3を消灯、蛍光管F2、F4を点灯する。この結果、第1フィールドでは、蛍光管F1、F3に対応する画素が表示され、第2フィールドでは、蛍光管F2、F4に対応する画素が表示される。すなわち、蛍光管F1、F3、蛍光管F2、F4が交互に点滅され擬似的なインパルス駆動が行われる。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(液晶表示装置の第10の実施形態)
図22は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。上述した実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、上述した液晶表示装置の第9の実施形態と同一の液晶パネルA、蛍光管F1-F4、Yドライバ14、およびXドライバ16を備えている。液晶パネルAの背面側には、複数ラインの液晶セルCで区画される帯状の領域Gr.1、Gr.2、Gr.3、Gr4に対応して蛍光管F1-F4がそれぞれ配置されている。
また、制御回路41は、蛍光管F1-F4を順次点灯消灯する機能を有している。なお、制御回路41は、同時に二つ以上の領域を点灯あるいは消灯してもよい。また、この実施形態では、液晶パネルAを4つの大きな領域Gr.1、Gr.2、Gr.3、Gr4に分けているが2つ以上の任意の数のグループに分けることが可能である。
図23は、上述した液晶表示装置に表示データを書き込むタイミング(蛍光管F1-F4の点灯、消灯のタイミングを含む)を示している。ここでは、説明を簡単にするため、12本の走査線G1-G12で構成された液晶パネルAの例を示す。
各蛍光管F1-F4の点灯、消灯の周期は1フレーム、すなわち液晶パネルの走査周期と一致している。領域Gr.1は、各走査線G1-G3上の画素からなる3つの小グループで構成されている。同様に、領域Gr.2、Gr.3、Gr4は、それぞれ3つの小グループで構成されている。
以下、領域Gr.1での動作を中心に説明する。
制御回路41は、走査線G1-G3に表示データを書き込んだ後、所定時間T1が経過した後、領域Gr.1に対応している蛍光管F1を点灯する。そして、制御回路41は、走査線G1が走査される所定時間T2前に蛍光管F1を消灯する。所定時間Tは、“0”にすることも可能であるが、蛍光管F1の消灯に要する時間以上に設定することが望ましい。これにより表示の混在が防止できる。ここで、所定時間T1を1フレームの時間(ここでは16ms)の1/2以上とすることで、黒が表示されている時間が長くなり、より良好な表示が実現できる。
ここで、領域Gr.1内で最後に走査された走査線G3上の液晶素子は、蛍光管F1が点灯される以前に応答が完了していることが望まれる。このことから、液晶素子の全階調での応答時間は、上記所定時間T1よりも短いほうがよい。例えば、πセルあるいは垂直配向あるいは水平配向の横電界駆動型の液晶表示装置などを用いるとよい。このとき、所定時間T1は、1フレームの時間の4/5以下とすることが望ましい。1フレームは、一般的に16msであるので、液晶の応答速度は全階調間で10ms以下になるように調整することが望ましい。
なお、制御回路41は、領域Gr.2、Gr.3、Gr4についても、領域Gr.1と同様に制御を行う。
この実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(液晶表示装置の制御方法の第9の実施形態)
図24は、この実施形態で使用される液晶表示装置42およびパーソナルコンピュータ44を示している。
液晶表示装置42は、従来より使用されている液晶表示装置と同様の構成をしている。液晶表示装置42は、制御回路46、Xドライバ、Yドライバ、液晶パネルAを備えている。制御回路46は、A/D変換部48を有している。
パーソナルコンピュータ44は、デジタルの表示データをアナログデータに変換するビデオカード50を備えている。ビデオカード50は、アナログ変換の際に、1フレームの表示データを1ライン毎に黒データに変換する機能を有している。このため、各ラインには、1フレームおきに黒データが書き込まれることになる。黒データに変換される表示データは、捨てられてもよく、次のフレームの表示に使用してもよい。そして、ビデオカード50は、液晶表示装置42のA/D変換部48に1ライン毎に黒データを有する表示データを順次送出する。
液晶表示装置42は、受け取ったデータを液晶パネルAにそのまま表示する。液晶パネルAには、1ラインおきに帯状の黒データが表示される。
この実施形態では、従来と同様の液晶表示装置42を使用した場合にも、画像のぼけを防止することができ、フリッカーの発生を防止することができる。
この実施形態では、ビデオカード50に黒データの変換機能を持たせた例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、液晶表示装置42のA/D変換部48に黒データの変換機能を持たせてもよい。
(液晶表示装置の制御方法の第10の実施形態)
図25は、この実施形態で使用されるパーソナルコンピュータ52を示している。パーソナルコンピュータ52は、例えばノート型のように液晶表示装置54を内蔵している。パーソナルコンピュータ52は、デジタルの表示データの一部を黒データに変換するデータ変換部58を備えている。
データ変換部58は、1フレームの表示データを1ライン毎に黒データに変換する機能を有している。このため、各ラインには、1フレームおきに黒データが書き込まれることになる。黒データに変換される表示データは、捨てられてもよく、次のフレームの表示に使用してもよい。データ変換部58は、液晶表示装置54の制御回路56に1ライン毎に黒データを有する表示データを順次送出する。液晶表示装置54は、受け取ったデータを液晶パネルAにそのまま表示する。液晶パネルAには、1ラインおきに帯状の黒データが表示される。なお、データ変換部58は、電子回路で構成してもよく、ソフトウエアのプログラムとして構成してもよい。
この実施形態においても、上述した液晶表示装置の制御方法の第10の実施形態と同様の効果を得ることができる。
この実施形態では、データ変換部58に黒データの変換機能を持たせた例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、液晶表示装置54の制御回路56に黒データの変換機能を持たせてもよい。
(液晶表示装置の制御方法の第11の実施形態)
図26は、この実施形態で使用される液晶表示装置60の概要を示している。
液晶表示装置60の制御回路62は、外部から供給されるインタレース方式の表示データ(TV信号)を変換するデータ変換部64を備えている。また、液晶表示装置60は、従来と同様のXドライバ、Yドライバ、液晶パネルAを備えている。
データ変換部64は、各フィールドの表示データA1-A4、B1-B4を受け、これ等表示データの間に黒データを挿入する機能を有している。制御回路は、黒データが挿入された各フィールドのデータを1フレームのデータとしてそれぞれ液晶パネルAに表示する。液晶パネルAには、帯状の黒を1ラインおきに交互に有する画面が表示される。
この実施形態においても、上述した液晶表示装置の制御方法の第10の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、インタレース方式の表示データ(TV信号)を使用して、画像のぼけのない良好な画面を構成することができる。
なお、上述した各実施形態では、例えば図4の波形に示したように、表示データを書き込む時間と、黒データを書き込む時間を同一にした例について述べた。
本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、表示データを書き込む時間を黒データを書き込む時間に比べて短くしてもよい。この場合、画像のぼけをさらに軽減することができる。
上述した各実施形態では、1フレームの期間を16msにした例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。1フレームの期間は、使用する液晶セルの応答時間に合わせて決めればよい。
(液晶表示装置の第11の実施形態)
図27は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成6、構成7、および構成11に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この液晶表示装置は、マトリックス状に配置されたTFT、画素電極12を備えている。スイッチング素子であるTFTのゲート電極は、走査線G1、G2、...、Gnに接続されている。走査線G1、G2、...、Gnは、Yドライバ14から出力されるゲート信号を伝達する信号線である。TFTのドレイン電極は、信号線D1、D2、...、Dmに接続されている。信号線D1、D2、...、Dmは、Xドライバ16から出力されるデータ信号を伝達する信号線である。TFTのソース電極は、画素電極12に接続されている。
また、対向電極(図示せず)が、画素電極12に対向して配置されている。液晶(図示せず)は、画素電極12と対向電極とに挟持され、液晶セルCが形成されている。そして、縦横に配列された液晶セルCにより、液晶パネルAが構成されている。
液晶パネルAは、各走査線Gnの走査方向に沿って5つの画素領域70に区画されている。この液晶パネルAに対向してアクリル樹脂等で形成された透明な導光板72が、液晶パネルAの背面側に配置されている。導光板72における走査線Gnの走査方向の一端には、バックライトとして蛍光管(冷陰極管)F5が取り付けられている。
この実施形態では、液晶パネルAは、15インチのXGA液晶パネルが使用されている。この液晶パネルAは、改良されたVA(Vertical Alignment)型またはOCB(Optically Compensated Birefringence)型を採用している。液晶パネルAの液晶セルCの応答速度は約7msと速い。
図28は、バックライトの詳細を示している。
ポリマー分散型の液晶フィルム74が、導光板72における液晶パネルAと反対側の面に接着されている。この実施形態では、日本板硝子製の液晶調光シート「ウムフィルム」が、液晶フィルムに採用されている。液晶フィルム74の対向電極(図示せず)は、蛍光管F5から照射される光の導光方向に沿って5つに分割されており、5つの散乱部74a〜74eが形成されている。なお、図では、説明を分かりやすくするために、液晶フィルム74を5分割しているが、実際には、液晶フィルム74自体は、1枚で構成されている。各散乱部74a〜74eの形成位置は、液晶パネルAの5つの画素領域70にそれぞれ対応している。
導光板72から照射される光を散乱するプリズム板等の散乱板76が、導光板72における液晶パネルA側の面に接着されている。光を導光板72側に反射するミラー78が、液晶フィルム74の外面に接着されている。
各部材の接着は、屈折率がアクリル板と同等のイマージョンオイルを使用している。
図に示した例では、網掛けで示した散乱部74dの対向電極に、電圧は印加されていない。このとき、この散乱部74dは、光を散乱する散乱領域になる。残りの4つの散乱部74a、74b、74c、74eの対向電極に、所定の電圧が印加されている。これら散乱部は、光を透過する。この結果、散乱部74dに対向する液晶パネルの画素領域70のみに光が照射される。散乱領域は、各散乱部74a〜74eの対向電極を制御することで容易に形成、消滅される。
図示していないが、導光板72の両端(図の左右)に光を反射するミラー等を取り付けることで、光は、繰り返し導光板72内を進行し、散乱部74dで散乱され、導光板72の外部に導かれる。すなわち、蛍光管F5から照射された光は、所望の位置に集光され、照射される。
このように、本実施形態では、導光板72に照射された光を効率よく使用できるため、消費電力を低減できる。この例では、蛍光管F5の消費電力を最大5分の1まで低減できる。また、1本の蛍光管F5で複数の照射領域を形成できるため、蛍光管の劣化による表示むらは発生しない。液晶フィルム74は、導光板72における液晶パネルAの反対側に接着されている。このため、液晶パネルAに向けて照射される光が、液晶フィルム74により遮られることはない。散乱部が液晶パネルAから離れているため、隣接する照射領域の境界を目立たなくできる。散乱部は、ポリマー分散型の液晶フィルム74により容易に形成できる。
図29は、上述した液晶表示装置における液晶パネルAおよびバックライトの制御を示している。図の縦方向は時間を示し、図の横方向は蛍光管F5から照射される光の導光方向を示している。図の矢印は、各走査線Gnの走査を示している。
この実施形態では、1フレームの期間に各走査線Gnを1回走査し、表示データを画素電極12に書き込むホールド駆動による線順次走査が行われ、走査線Gnが図の右下方向に向けて順次に走査される。バックライトは、注目する画素領域70の走査が終了した後、3.2msの期間点灯する。この3.2msは、1フレーム時間(16ms)の5分の1であり、一つの画素領域70の走査期間に等しい。バックライトの点灯とは、液晶フィルム74の散乱部74a〜74eが光を散乱する状態になることをいう。
例えば、散乱部74bに対応する画素領域70において、最後の走査線Gnが走査された後、バックライトが点灯するまでの時間は、9.6msである。この時間は、図27に示した液晶セルCのワーストの応答時間を示しており、画素領域70の数をnとして式(1)により表される。
1フレーム時間×(n−2)/(2×n).....(1)
本実施形態の液晶の反応速度は、約7msであるため、画素領域70の最後の走査で表示データが書き込まれた液晶セルCは、バックライトが点灯するまでに確実に応答を完了できる。この結果、動画像の表示においても、ぼけの発生を低減できる。
なお、図28では、散乱部74a〜74eを導光板72における液晶パネルAと反対側の面に接着した例について述べた。例えば、散乱部74a〜74eは、導光板72における液晶パネルA側の面に接着してもよい。この場合、散乱部74a〜74eで乱反射した光は、導光板72の外部に向けて照射される。そして、液晶パネルAの所定の照射領域に光が照射される。隣接する照射領域の境界が明確になるため、より視認性よくインパルス駆動ができ、フリッカーの発生が防止される。
(液晶表示装置の第12の実施形態)
この実施形態は、構成12に対応している。この液晶表示装置の主要部の構成は、液晶セルCがπセルであることを除き、図27と同一である。なお、πセルの応答時間は、約2msと速い。
図30は、この実施形態で使用されるバックライトの詳細を示している。
この実施形態では、2枚の導光板80の間に、図28と同一の液晶フィルム74が挟み込まれている。このため、液晶フィルム74は、導光板80で確実に保護される。また、いわゆるサンドイッチ構造のため、光の照射機構を精度よく、かつ容易に形成できる。図30は、網掛けで示した散乱部74dが光を散乱する散乱領域になっていることを示している。
導光板80から照射される光を散乱するプリズム板等の散乱板76が、導光板80における液晶パネルA側の面に接着されている。光を導光板80側に反射するミラー78が、導光板80における液晶パネルAと反対側の面に接着されている。
図31は、上述した液晶表示装置における液晶パネルAおよびバックライトの制御を示している。
図31において縦方向は時間を示し、図の横方向は蛍光管F5から照射される光の導光方向を示している。
この実施形態では、1フレームの期間に各走査線Gnを2回走査し、リセットデータ(黒)と表示データとを画素電極に書き込むインパルス駆動による線順次走査が行われ、走査線Gnが図の右下方向に向けて順次に走査される。灰色の矢印は、リセットデータを書き込むための各走査線Gnの走査を示し、黒色の矢印は、表示データを書き込むための各走査線Gnの走査を示している。
バックライトは、注目する画素領域70の走査が終了した後、3.2msの期間点灯する。この3.2msは、1フレーム時間(16ms)の5分の1であり、一つの画素領域70の走査期間に等しい。表示データの書き込みは、リセットデータの書き込みから6.4ms後に書き込みまれる。
例えば、散乱部74bに対応する画素領域70において、最後の走査線Gnがに走査された後、バックライトが点灯するまでの時間は、3.2msである。この時間は、液晶セルCのワーストの応答時間を示しており、画素領域70の数をnとして式(2)により表される。
1フレーム時間×[[(n−1)/(2×n)]−1/n].....(2)
本実施形態の液晶の反応速度は、約2msであるため、画素領域70の最後の走査で表示データが書き込まれた液晶セルCは、バックライトが点灯するまでに確実に応答を完了できる。この結果、動画像の表示においても、ぼけの発生を低減できる。
なお、画素領域70が偶数の場合、液晶のワーストの応答時間は、式(3)により表される。
1フレーム時間×[[(n−2)/(2×n)]−1/n].....(3)
例えば、6つの画素領域70に区画された液晶パネルAの場合、応答時間が約2.6ms以下の液晶セルCを使用することで、ぼけのない良好な表示画面が得られる。
この実施形態においても、図27に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、液晶フィルム74を導光板80の間に挟むことで、液晶フィルム74を確実に保護できる。導光板80および散乱部74a〜74eからなる光の照射機構を精度よく、かつ容易に形成できる。
なお、2枚の導光板80の間に液晶フィルム74を挟むだけでなく、図32に示すように、導光板80の外面に、さらに液晶フィルム74を接着してもよい。
(液晶表示装置の第13の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、図27と同一である。この実施形態は、構成7に対応している。
図33は、この実施形態で使用されるバックライトの詳細を示している。
この実施形態では、蛍光管F5から照射される光の導光方向に沿って、導光板82が5つに分割されている。ポリマー分散型の液晶フィルム84からなる散乱部84a〜84dが、隣接する導光板82の端面に接着されている。導光板82の端面は、導光方向に対して垂直になっている。また、液晶フィルム84からなる散乱部84eが、蛍光管F5側に位置する導光板82の端面に接着されている。散乱部84a〜84eは、導光方向を遮って、この導光方向に垂直に配置されている。すなわち、導光板82内を通過する光は、必ず、散乱部84a〜84eを透過する。
図34は、液晶フィルム84の詳細構造を示している。
液晶フィルム84は、誘電率εの異方性が負のネマティック液晶85a(低分子液晶)を樹脂層85bで覆った構造を有している。樹脂層85bは、高分子液晶で形成されている。この実施形態では、大日本インキ製の紫外線硬化性の液晶樹脂が、樹脂層85bに採用されている。液晶85aと樹脂層85bにおける液晶の径方向の屈折率n1、液晶の軸方向の屈折率n2は、同一になる。
液晶フィルム84の全ての液晶は、対向電極に電圧が印加されない状態で、液晶フィルム84面に垂直に配向されており、入射光を透過する。液晶フィルム84のネマティック液晶85aは、対向電極に電圧が印加されると、電界に垂直になろうとする。液晶85aの軸方向は、ランダムになるため、入射光を散乱させる。図の網掛けで示した散乱部84dは、電圧が印加され、光を散乱する散乱領域になっている。
液晶フィルム84は、基板上に垂直配向膜を塗布した後、紫外線硬化性の液晶と低分子液晶との混合物を注入し、紫外線により樹脂層85bを硬化させて製造される。
図35は、通常の樹脂層(高分子)で形成された液晶フィルムの例を示している。
この種の液晶フィルムは、液晶層と樹脂層の屈折率が異なるため、斜めの入射光を散乱してしまう。図34に示した液晶フィルム84は、斜めの入射光をそのまま透過する。
この実施形態においても、図30に示した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、導光板82内を進行する光は、必ず散乱部84a〜84eのいずれかを透過する。このため、光を確実に散乱できる。
散乱部84a〜84eは、導光方向に対して垂直に配置された。このため、導光板82の端面は垂直であればよく、導光板82と散乱部84a〜84eとを容易に精度よく接合できる。
液晶フィルム84におけるネマティック液晶85aを覆っている樹脂層85bは、屈折率がネマティック液晶85aに等しい高分子液晶で構成された。このため、散乱部84a〜84eが光を透過する状態のときに、ネマティック液晶85aと樹脂層85bとの界面で発生する散乱を防止できる。
なお、ネマティック液晶85aおよび高分子液晶は、対向電極に電圧が印加されない状態で、導光方向に対して垂直に配向されていても、同様の効果を得られる。
(液晶表示装置の第14の実施形態)
この実施形態は、構成7に対応している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図27と同一である。
図36は、この実施形態で使用されるバックライトの詳細を示している。
この実施形態では、蛍光管F5から照射される光の導光方向に沿って、散乱部84a〜84eが斜めに配置されている。それ以外の構造は、図32と同一である。
この実施形態では、内を透過する光は、必ず散乱部に84a〜84eにより散乱でき、散乱された光を、液晶パネルAに向けて多量に照射できる。
(液晶表示装置の第15の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第12の実施形態)
図37は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成8および構成30に対応している。上述した実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、縦横に複数の液晶セルCが配列されて液晶パネルAが構成されている。導光板72、液晶フィルム74、および蛍光管F5からなるバックライト88が、液晶パネルAの背面側に配置されている。制御回路90は、手動スイッチSWの出力および表示データを受け、Yドライバ14、Xドライバ16、バックライト88を制御している。
手動スイッチSWは、表示データを書き込んでからリセットデータを書き込む間での期間である発光時間を調整するためのスイッチである。すなわち、液晶パネルの表示画像を見ている人が、発光時間を自由に調整できる。
制御回路90は、1フレームの期間に各走査線Gnを2回走査し、表示データとリセットデータ(黒)とを液晶セルCに書き込むインパルス駆動による線順次走査をする。制御回路90は、バックライト88を制御し、表示データの書き込みに同期して、導光板72に形成された散乱部74a〜74eから順次に光を照射させる。すなわち、発光時間は、液晶パネルAのインパルス駆動と、バックライトの制御により調整される。
また、制御回路90は、手動スイッチSWの操作に応じて、蛍光管F5の照射強度を調整し、液晶パネルの表示輝度を一定に保持する。
この実施形態では、表示画像を見ている人が、手動スイッチSWを操作して表示画像を最も見やすくなるように直接調整できる。例えば、発光時間は、静止画を見ているときに長くされ、動画像を見ているときに短くされる。このように、表示画像を見ている人の感覚に合わせて調整できるため、動画像のぼけを軽減でき、フリッカーの発生を防止できる。
液晶パネルAの表示輝度は、発光時間の制御に連動して一定に保持されるように制御された。静止画像であるか動画像であるかを問わず、表示輝度が常に一定の輝度に保持されるため、画面が見やすくなる。
なお、発光時間は、液晶パネルAの前面に液晶等で構成されるシャッターを配置し、シャッターの開閉制御で調整してもよい。
また、表示画像の輝度調整は、液晶セルCに書き込む表示データの信号量で調整してもよい。
(液晶表示装置の第16の実施形態、液晶表示装置の制御方法の第13の実施形態)
図38は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成9および構成31に対応している。上述した実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、上述した実施形態と同様に、発光時間は、液晶パネルAのインパルス駆動と、バックライトの制御により調整されている。
制御回路92は、表示データの動きを予測する離散コサイン変換(DCT)部94からの情報を受け、表示データが静止画像、動画像のいずれであるかを判定し、それぞれの画像に合わせて発光時間を制御する。具体的には、制御回路92は、離散コサイン変換における直流成分の動きの予測が1ブロック(16画素×16ライン)の大きさを超えたときに、表示画像を動画像と判定する。動画像と判定した場合、発光時間は短くされる。また、バックライト88の輝度が上げられ、液晶パネルAの表示輝度は、一定に保持される。
離散コサイン変換の情報を使用することで、アナログ信号の揺らぎにより連続する静止画像が動画像と判定されることが防止される。特に、直流成分が10%以上変化したときに、動画像と判定することが望ましい。
この実施形態では、離散コサイン変換の情報により、表示データが静止画像が動画像かを判定し、発光時間を調整した。動画像を表示するときに発光時間を短くすることで、動画像のぼけが軽減でき、フリッカーの発生が防止できる。
動画像の動き補償に広く使用されている離散コサイン変換の手法を用いて、確実に静止画像と動画像とを判定できる。
なお、発光時間は、液晶パネルAの前面に液晶等で構成されるシャッターを配置し、シャッターの開閉制御で調整してもよい。
(液晶表示装置の第17の実施形態)
図39は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。この実施形態は、構成10に対応している。上述した実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この液晶表示装置の主要部の構成は、図38と同一である。
制御回路96は、ホールド駆動とインパルス駆動とを切り替える機能を有している。制御回路96は、表示データが静止画のときにホールド駆動をし、動画像のときにインパルス駆動をする。制御回路96は、走査線Gnのインパルス制御と、バックライトの点滅制御とにより、インパルス駆動を行う。
表示画像は、1フレームの表示画像の画素のうち、前回表示した1フレームの表示画像の画素と異なる割合が10%を超えたときに、動画像と判定される。すなわち、表示データのうち、動画像の比率が所定以上の時に、制御は、ホールド駆動からインパルス駆動に切り替えられる。
また、制御回路96は、動画像を表示するときに、バックライト88の輝度を上げ、液晶パネルAの表示輝度を静止画像のときと同一にする。このため、インパルス駆動とホールド駆動とにかかわらず、液晶パネルAの表示輝度は一定になる。換言すれば、静止画像の時に、表示輝度を下げることが可能になり、消費電力が低減できる。
この実施形態では、スイッチング素子にポリシリコンTFTを使用している。
スイッチング速度がアモルファスシリコンTFTより大きいポリシリコンTFTで画素電極が制御されるため、特にインパルス制御時に動画像のぼけを低減できる。
この実施形態においても、上述した実施形態と同様に、動画像においてぼけが軽減でき、フリッカーの発生を防止できる。
なお、上述した実施形態に限定されず、表示データが、2フレーム以上にわたり変化したときに、動画像と判定し、ホールド駆動からインパルス駆動に切り替えてもよい。
また、離散コサイン変換により動き補償を行い、1フレームの表示画像および前回表示した1フレームの表示画像におけるそれぞれの直流成分の平均値が、所定値以上相違するときに、動画像と判定し、ホールド駆動からインパルス駆動に切り替えてもよい。
あるいは、離散コサイン変換により動き補償を行い、圧縮画像情報の中に画像の動きを示すベクトル情報が含まれるときに動画像と判定し、ホールド駆動からインパルス駆動に切り替えてもよい。
さらに、液晶パネルAの前面に液晶等で構成されるシャッターを配置し、インパルス駆動時の発光時間をシャッターの開閉制御で調整してもよい。
(液晶表示装置の第18の実施形態)
この実施形態は、構成13に対応している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図27と同一である。図27と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図40は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
バックライトユニットBLUは、導光板102を有している。導光板102における液晶パネルAと反対側の面に、偏光分離シート104a(第1偏光分離シート)、液晶シャッター106、偏光分離シート104b(第2偏光分離シート)、および散乱シート108が、順次接着されている。偏光分離シート104a、104bは、非偏光光のうち、常光成分のみを透過し、他の成分(異常光成分)を反射する機能を有している。
この実施形態では、導光板102は、アクリル板(屈折率:約1.5)が使用され、偏光分離シート104a、104bは、メルク・ジャパン(株)製の“Transmax”が使用されている。“Transmax”は、コレステリック液晶を用いて形成されている。液晶シャッター106は、走査線の走査方向に沿って10個の領域(図では3つの領域のみ記載)に区画されている。液晶シャッター106は、液晶パネルAのインパルス制御に合わせて、各領域を順次開口(透過状態)する機能を有している。“Transmax”および液晶シャッター106の屈折率は、導光板102と同様、約1.5である。散乱シート108は、乳白色の樹脂板を使用して形成されている。また、液晶パネルAは、15インチのXGA液晶パネルが使用されている。
次に、バックライトユニットBLUの動作を説明する。
蛍光管F5から照射された光(非偏光光)は、導光板102内を全反射(0〜41°の範囲)しながら進行する。光のうち異常光成分は、偏光分離シート104aで反射され、導光板102内を再び全反射しながら進行する(図40(a))。
非偏光光のうち常光成分は、偏光分離シート104aを透過し、液晶シャッター106に届く。液晶シャッター106が複屈折状態(図の網掛け部分)の場合、偏光分離シート104aを透過した光は、液晶シャッター106で位相を90°ずらされ異常光成分として偏光分離シート104bに届く(図40(b))。光は、偏光分離シート104bで反射され、再び液晶シャッター106で位相を90°ずらされ元の常光成分に戻る。この後、光は、偏光分離シート104aを透過し、再び導光板102内に戻される(図40(c))。一方、液晶シャッター106が複屈折状態でない場合(透過状態、図の透明部分)、偏光分離シート104aを透過した光(常光成分)は、液晶シャッター106および偏光分離シート104bを透過し、散乱シート108で散乱(反射)される(図40(d))。散乱シートにより乱反射された光は、再び偏光分離シート104b、液晶シャッター106、偏光分離シート104aを透過し、導光板102内に戻る。このとき、光の成分のほとんどは、臨界角を超えており、導光板102を透過して液晶パネルAに向けて照射される(図40(e))。
液晶表示装置は、液晶シャッターの所定の領域を、液晶パネルの制御に合わせて順次透過状態にすることで容易にインパルス駆動できる。このため、動画像のぼけが軽減され、フリッカーの発生が防止される。
図示していないが、導光板102の両端(図の左右)に光を反射するミラー等を取り付けることで、光は、繰り返し導光板102内を進行し、液晶シャッター106の所定の領域から液晶パネルAに向けて照射される。すなわち、蛍光管F5から照射された光は、所望の位置に集光され、照射される。
このように、本実施形態では、導光板102に照射された光を効率よく使用できるため、消費電力を低減できる。この例では、蛍光管F5の消費電力を最大10分の1まで低減できる。また、1本の蛍光管F5で複数の照射領域を形成できるため、蛍光管の劣化による表示むらは発生しない。
(液晶表示装置の第19の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第18の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13および構成14に対応している。第18の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図41は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、導光板102のバックパネルA側に、100nmのリタデーションを有する位相差シート110が貼付されている。位相差シート110のリタデーション値は、特に限定されない。それ以外の構成は、図40と同一である。
図42は、位相差フィルム110の遅相軸A1、偏光分離シート104aの透過軸A2、液晶シャッター106の液晶の配向方向A3、偏光分離シート104bの透過軸A4を示している。この実施形態では、透過軸A2、A4の方向が、液晶の配向方向A3に合わせられている。遅相軸A1の方向は、任意でよい。
図41に示したように、導光板102内を進行する光は、位相差シート110により反射光の位相をずらされる。すなわち、導光板102内を全反射する光(異常光成分)は、位相差シート110により位相をずらされ、常光成分を含むようになる。すなわち、偏光分離シート104aを透過する常光成分を増加させることができる。
この実施形態においても、第18の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、光の利用効率が向上するため、消費電力をさらに低減できる。
(液晶表示装置の第20の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第18の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13および構成15に対応している。第18の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図43は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、散乱シート108の代わりに、複数のプリズム112aから形成されたプリズムシート112が接着されている。それ以外の構成は、図40と同一である。
各プリズム112aのプリズム面は、アルミニウム等を蒸着した反射膜112bを有している。各プリズム112aは、入射した光を液晶パネルAの垂直方向に対して±20°で出射するように設計されている。すなわち、液晶シャッター106を透過する常光成分は、プリズムシート112で反射され、液晶パネルAに向けてほぼ垂直に照射される。
この実施形態においても、第18の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、プリズムシート112の作用により液晶パネルAに向けて所定の角度の光を照射できるため、この照射強度を高くできる。
(液晶表示装置の第21の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第18の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13および構成15に対応している。第18の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図44は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、導光板102の液晶パネルA側に、偏光分離シート104a、液晶シャッター106、偏光分離シート104b、およびプリズムシート112が、順次接着されている。このプリズムシート112は、プリズム面102bに反射膜を有していない。
導光板102を進行する光が偏光分離シート104a、104b、液晶シャッター106を透過・反射するメカニズムは、第18の実施形態と同一である。透過状態の液晶シャッター106を透過した光は、プリズム面112bで屈折し、液晶パネルAに向けて照射される。
この実施形態においても、第18および第20の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(液晶表示装置の第22の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第21の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13ないし構成15に対応している。第21の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図45は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、導光板102のバックパネルAと反対側の面に、位相差シート110が貼付されている。この実施形態においても、第19および第21の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(液晶表示装置の第23の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第18の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13に対応している。第18の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図46は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、導光板102の液晶パネルA側に、空気層114を介して偏光分離シート104a、液晶シャッター106、偏光分離シート104bが配置されている。導光板102の液晶パネルAと反対側の面に、間隔をおいて複数の散乱パターン116が印刷されている。散乱パターン116は、ストライプパターンに形成してもよく、チェックパターンに形成してもよい。また、導光板102の液晶パネルAと反対側に、反射板118が配置されている。
導光板102内を進行する光(非偏光光)のうち、散乱パターン116により臨界角を超えた成分は、導光板102から空気層114を介して偏光分離シート104aに照射される(図46(a))。この光のうち、異常光成分は、偏光分離シート104aで反射され、空気層114を介して導光板102内に再び戻される(図46(b))。光のうち常光成分は、偏光分離シート104aを透過し、偏光分離シート104aを透過し、液晶シャッター106に届く。液晶シャッター106が複屈折状態(図の網掛け部分)の場合、偏光分離シート104aを透過した光のうち常光成分は、偏光分離シート104aを透過し、液晶シャッター106で位相を90°ずらされ、偏光分離シート104bで反射され、導光板102内に再び戻される(図46(c))。一方、液晶シャッター106が複屈折状態でない場合(透過状態、図の透明部分)、偏光分離シート104aを透過した光(常光成分)は、液晶シャッター106および偏光分離シート104bを透過し、液晶パネルAに向けて照射される(図46(d))。
この実施形態においても、第18の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、導光板102内を進行する光は、散乱パターン116により容易に臨界角を超えるため、光の利用効率を向上できる。
(液晶表示装置の第24の実施形態)
この液晶表示装置の主要部の構成は、第24の実施形態と同一である。この実施形態は、構成13に対応している。第24の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
図47は、この実施形態で使用されるバックライトユニットBLUの詳細を示している。
この実施形態では、偏光分離シート104aの代わりに、偏光分離シート120が使用されている。この偏光分離シート120は、常光成分を透過し、異常光成分を乱反射する特性を有している。偏光分離シート120として、例えば、3M社製の“DRPF(Diffuse Reflective Polarizing film)”が使用されている。
導光板102から空気層114を介して偏光分離シート120に照射される光のうち、異常光成分は、この偏光分離シート120で乱反射され、導光板102内に再び戻される。それ以外の動作は、第23の実施形態と同一である。
この実施形態においても、第23の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、上述した第18〜第24の実施形態で使用した偏光分離シート104a、104bは、“Transmax”に限定されない。偏光分離シート104a、104bは、屈折率の異なる複数のフィルムを積層して形成してもよく、複数のプリズムからなるプリズムアレイを用いて形成してもよい。複数のフィルムを積層した偏光分離シートとして、例えば、3M社製の“D-BEF”を使用できる。プリズムアレイとして、例えば、3M社製の“Weber”を使用できる。
(液晶表示装置の第25の実施形態)
図48は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成16ないし構成18に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この液晶表示装置は、マトリックス状に配置されたTFTおよび液晶セルCを有する液晶パネルAを備えている。液晶セルCの大きさは、ほぼ100μm×300μmである。スイッチング素子であるTFTのゲート電極は、走査線G1、G2、...、Gnに接続されている。TFTのドレイン電極は、信号線D1、D2、...、Dmに接続されている。TFTのソース電極は、後述する液晶セルCの表示電極122に接続されている。また、第2画素電極124が、表示電極122の下に走査線Gnに沿って形成されている。第2画素電極124の幅は、約10μmである。この実施形態では、液晶パネルの液晶モードは、電界があるときに光を透過するノーマリブラックである。液晶パネルAに、VA(Vertical Alignment)型またはOCB(Optically Compensated Birefringence)型等の応答速度の速い液晶が採用されている。液晶パネルAに、ツイストネマティック(TN)型を採用してもよい。
図49は、図48の液晶セルCにおける信号線Dmに沿った断面を示している。
液晶セルCは、CF基板126とTFT基板128との間に液晶層130を挟み込んで形成されている。CF基板126の内側に第1画素電極132が形成され、TFT基板128の内側に表示電極122が形成されている。第1画素電極132は、接地線に接続されている。TFT基板128の内側に第2画素電極124が形成されている。第2画素電極124は、接地線に接続されている。
第2画素電極124と表示電極122との間に、厚さ0.4μm、幅10μmのアモルファスシリコンからなる薄膜134が、CVD技術を使用して形成されている。アモルファスシリコンの抵抗率は、1E8〜1E9Ωcmであり、液晶層(1E14Ωcm)に比べ抵抗が低い。アモルファスシリコンおよび液晶層130の比誘電率は、それぞれ5および12である。そして、この薄膜134により補助容量が形成されている。
図50は、図49に示した液晶セルCの等価回路を示している。
液晶セルCは、液晶層の容量CLC・抵抗RLCおよび補助容量の容量CS・抵抗RSを並列に接続した2つのCR時定数回路とみなすことができる。この等価回路の過渡現象は、時間をt、電圧をVとして式(4)〜(6)で表わされる。
V(t)=V0・exp(−t/CR).....(4)
C=CLC+CS.....(5)
R=(RLC×RS)/(RLC+RS).....(6)
図51は、上述した液晶セルCに表示データ(白)を書き込む状態を示している。
まず、走査線Gnが選択され、液晶セルCに表示データが書き込まれる。第1画素電極132と表示電極122との間は、所定の電圧になり、液晶層130の透過率は上昇する。ここで、両電極間の電圧は、式(4)に従い減少するため、液晶層130の透過率は減少する。このため、液晶セルCは、表示データを表示した後、自動的にリセットされる。すなわち、黒データが表示される。この結果、1フレームの期間(16.7ms)に表示データとリセットデータとを表示するインパルス駆動ができる。なお、飽和電圧以上の電圧で表示データを書き込むことで、透過率を上げることができる。
次に、本発明において検討した内容を示す。
図52は、図49に示した等価回路のCR時定数による印加電圧の変化を示している。1フレーム期間の後半に黒データを表示するために、印加電圧は、16.7ms後に初期電圧の20%以下になることが望ましい。このとき、CR時定数は、0.01以下になる。
図53は、アモルファスシリコンを使用してCR時定数回路を形成する際の印加電圧の変化を示している。アモルファスシリコンは、図52で説明した条件を満たしている。
図54は、アモルファスシリコンの膜厚d[μm]と面積S[μm2]とによる印加電圧の変化を示している。(膜厚d/面積S)<2000[1/μm]のときに、図52で説明した条件を満たすことが分かる。この結果、アモルファスシリコンの幅が3μm(この製造プロセスにおける最小パターン)でも十分にインパルス駆動可能である。アモルファスシリコン(補助容量)の面積Sが小さいほど、液晶セルCの開口率が上がり、高い輝度の液晶パネルAを形成できる。なお、補助容量の面積は、表示電極122の面積の10%以下が望ましい。
図55は、アモルファスシリコンの膜厚の変動による印加電圧の変化を示している。一般に、半導体製造プロセスでは、膜厚の変動は、±5%程度を考慮しなくてはならない。一方で、膜厚の変動が±5%を超えると、液晶パネルAの輝度むらが発生するおそれがある。図55では、(膜厚d/面積S)<400[1/μm]のときに、±5%の膜厚の変動に対するCR時定数の誤差が見られなくなっている。すなわち、(膜厚d/面積S)<400[1/μm]であれば液晶パネルAの輝度むらは発生しにくい。
以上、本発明の液晶表示装置では、特別な制御回路を使用することなく、液晶セルCの充放電特性を利用することで液晶パネルAをインパルス駆動できる。この結果、動画像のぼけを軽減でき、フリッカーの発生を防止できる。
なお、上述した実施形態では、補助容量をアモルファスシリコンで形成した例について述べた。これに限定されず、補助容量を窒化珪素と炭化珪素との複合材料で形成してもよい。この際、窒化珪素および炭化珪素を含む混合ガスを用いてCVDにより成膜してもよい。窒化珪素と炭化珪素とをそれぞれ成膜して2層膜を形成してもよい。窒化珪素からなる膜と炭化珪素からなる膜とを隣接して形成してもよい。
また、膜厚の変動に対する液晶セルCの輝度の差を調整する輝度補正回路を備えてもよい。この場合、膜厚の変動が±5%を超えても、輝度むらの発生を防止できる。
(液晶表示装置の第26の実施形態)
図56は、この実施形態で使用される液晶パネルAの詳細を示している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図48とほぼ同一である。
この実施形態は、構成19ないし構成21に対応している。第25の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
液晶パネルAは、マトリックス状に配置された液晶セルCを有している。液晶セルCの画素電極は、2つのTFT(薄膜トランジスタ)136、138のソース電極に接続されている。TFT138の閾値電圧は、TFT136の閾値電圧より高く設定されている。TFT136のドレイン電極は、信号線Dmに接続されている。TFT138のドレイン電極は、リセットデータ(黒データ)に対応する電圧が供給される電極140に接続されている。電極140は、信号線Dmに沿って形成されている。TFT138のゲート電極は、このTFT138と同一の液晶セルCに接続されたTFT136を制御する走査線Gnの隣の走査線Gn+1(後に走査される走査線)に接続されている。換言すれば、走査線の走査方向に隣接する液晶セルC(画素電極)にそれぞれ接続されるTFT136のゲート電極およびTFT138のゲート電極は、同一の走査線Gnに接続されている。走査線Gnの本数が従来と同一のため、液晶パネルAの透過効率が減少することが防止される。
この実施形態では、液晶パネルAの液晶モードは、電界があるときに光を透過するノーマリブラックである。液晶パネルAに、VA(Vertical Alignment)型またはOCB(Optically Compensated Birefringence)型等の応答速度の速い液晶が採用されている。液晶パネルAに、強誘電型、反強誘電型、あるいはツイストネマティック(TN)型を採用してもよい。
図57は、TFT136の構造を示している。なお、TFT138もほぼ同一の構造を有している。
TFT136は、ゲート絶縁膜136aを介してゲート電極136bと半導体層136cとを対向させ、この半導体層136cにデータ電極136d(ドレイン電極)および画素電極136e(ソース電極)を接続して形成されている。
TFT136およびTFT138の閾値電圧は、ゲート絶縁膜136aの厚さを変えることで調整されている。具体的には、TFT138は、TFT136に比べてゲート絶縁膜が厚い。上記以外にも、閾値電圧は、一般のMOSFETと同様に、(1)ゲート絶縁膜136aの材料を変える、(2)半導体層136cの材料を変える、(3)半導体層136cの不純物濃度を変えることでも調整できる。
図58は、液晶パネルAの動作を示している。
この実施形態では、1フレームの期間(16.7ms)に、走査線Gnが2回選択され、線順次操作が実行される。走査線Gnの2回目の選択は、最初の選択に比べて高い電圧で行われる。具体的には、走査線Gnを最初に選択する電圧は、TFT136の閾値電圧より高く、TFT138の閾値電圧より低い。走査線Gnを2回目に選択する電圧は、TFT138の閾値電圧より高い。
まず、走査線Gnが選択され、液晶セルCに表示データが書き込まれる(表示画面(a)の網掛け部分)。走査線Gnの電圧は、TFT138の閾値電圧より低いため、リセットデータは書き込まれない。各画面表示(a)〜(d)は、着目する走査線Gnに対応する液晶セルCの変化のみを表示している。
次に、走査線Gn+1が選択され、液晶セルCに表示データが書き込まれる(表示画面(b)の網掛け部分)。
最初の走査線Gnが選択されて5ms後、2回目の選択(高電圧)が行われる。このとき、別の走査線に対応する表示データが、走査線Gnに対応する液晶セルCに書き込まれる。同時に、走査線Gn-1に対応する液晶セルCにリセットデータ(黒データ)が書き込まれる(表示画面(c)の網掛け部分および黒部分)。
次に、走査線Gn+1が高電圧にされ、別の走査線に対応する表示データが走査線Gn+1に対応する液晶セルCに書き込まれる。同時に、走査線Gnに対応する液晶セルCにリセットデータ(黒データ)が書き込まれる(表示画面(d)の網掛け部分および黒部分)。すなわち、表示画面(c)で走査線Gnに対応する液晶セルCに書き込まれた無効な表示データは、その直後に黒データにより上書きされる。
以上、この実施形態の液晶表示装置では、走査線Gnの本数を増大することなく、また、制御回路を複雑にすることなく、表示データとリセットデータとを交互に書き込むインパルス駆動ができる。動画像のぼけを軽減でき、フリッカーの発生を防止できる。
(液晶表示装置の第27の実施形態)
図59は、この実施形態で使用される液晶パネルAの詳細を示している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図48とほぼ同一である。
この実施形態は、構成19ないし構成21に対応している。第26の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、リセットデータ(黒データ)に対応する電圧が供給される電極140が、走査線Gnに沿って形成されている。その他の構成は、第26の実施形態と同一である。
この実施形態においても、上述した第26の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(液晶表示装置の制御方法の第14の実施形態)
図60は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成32ないし構成34に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この液晶表示装置は、マトリックス状に配置されたTFTおよび液晶セルCを有する液晶パネルAを備えている。走査線G1、G2、...、Gnは、Yドライバ(ゲートドライバ)14から出力されるゲート信号を伝達する信号線である。信号線D1、D2、...、Dmは、Xドライバ(データドライバ)16から出力されるデータ信号を伝達する信号線である。Yドライバ14、Xドライバ16は、制御回路18により制御されている。制御回路18は、外部から表示データおよびクロックを受けている。制御回路18は、Yドライバ14に、走査開始信号GSTR、クロック信号GCLK、表示データを書き込むためのゲート信号制御信号DTGOE、およびリセットデータ(黒データ)を書き込むためのゲート信号制御信号BLGOEを出力している。制御回路18は、Xドライバ16に、1ライン分の表示データDISP、および表示データの出力タイミングを制御するドライバ出力制御信号LPを出力している。
図61は、制御回路18の詳細を示している。
制御回路18は、データ取込部18a、データドライバ制御部18b、ゲートドライバ制御部18c、ゲート走査ライン判定部18d、GOE作成部18e、ゲート走査条件記憶部18f、非走査期間判定部18g、および非走査期間記憶部18hを有している。
データ取込部18aは、表示データおよびクロックを取り込み、取り込んだ信号をデータドライバ18bおよびゲートドライバ制御部18cに出力している。
データドライバ制御部18bは、表示データDISPおよびドライバ出力制御信号LPを生成している。ゲートドライバ制御部18cは、GOE生成部18eで生成されるゲート信号制御信号DTGOEおよびゲート信号制御信号BLGOEの元になるタイミング信号を受け、ゲート信号制御信号DTGOEおよびゲート信号制御信号BLGOEを出力している。ゲート走査ライン判定部18dは、表示データの書き込み開始から1/2フレームが走査されたことを検出し、この後、ゲートドライバ制御部18cを制御して、黒データを書き込むためのゲート信号制御信号BLGOEを出力させる。
ゲート走査条件記憶部18fは、前回のフレームにおけるゲート信号の走査条件を記憶している。非走査期間判定部18gは、表示データを書き込む最終の走査線の走査からフレームの終了までの期間である非走査期間において、ゲート信号を何回走査可能かをカウントする。非走査期間記憶部18hは、非走査期間判定部18gにおいてカウントされた値を記憶する。
ゲートドライバ制御部18cおよびデータドライバ制御部18bは、表示データを書き込む最終の走査線の走査後、非走査期間判定部18gの制御を受けて、非走査期間記憶部18hに記憶されている値だけ、黒データを書き込むように動作する。液晶パネルAの表示については、後述する図63で詳細に説明する。
図62は、制御回路18の動作を示している。
まず、一水平期間の開始時に、ドライバ出力制御信号LPが1回出力される。ドライバ出力制御信号LPの立ち下がりで表示データDOUTがラッチされ、その後ドライバ出力制御信号LPの低レベルの期間、表示データDOUTが出力される。ドライバ出力制御信号LPの高レベルの期間、黒データDOUTが出力される。ここで、黒データの電圧は、表示データを生成する交流電源の中心電圧(VDD/2)にされている。
ゲート信号制御信号DTGOEは、ドライバ出力制御信号LPの低レベル期間に低レベルになり、ゲート信号制御信号BLGOEは、ドライバ出力制御信号LPの高レベル期間に低レベルになる。制御回路18の内部で生成される基本ゲート信号GOUTの高レベルとゲート信号制御信号BLGOEの低レベルとから黒データを書き込むゲート信号Gn(BL)が生成される。同様に、基本ゲート信号GOUTの高レベルとゲート信号制御信号DTGOEの低レベルとから表示データを書き込むゲート信号Gn(DT)が生成される。そして、ゲート信号Gn(BL)に同期して黒データ(DOUT)が書き込まれ、書き込むゲート信号Gn(DT)に同期して表示データ(DOUT)が書き込まれる。すなわち、本実施形態の制御回路18では、一水平期間に、表示データだけでなく黒データを出力(2値を出力)できる。
図63は、液晶パネルAの動作を示している。
1フレームの期間に走査線G1-Gnが順次に走査され、表示データが書き込まれる。表示データの書き込みから1/2フレーム後に、走査線G1-Gnが再び順次に走査され、黒データ(B)が書き込まれる。すなわち、インパルス駆動が行われる。黒データは、上述したように、ドライバ出力制御信号LPの高レベル期間に出力されるデータDOUTを使用して書き込まれる。
制御回路18は、非走査期間においても、走査線G1-Gnを順次に走査し、黒データを書き込む制御をする。このため、表示データが表示されている表示データ保持期間T1は、常に一定になる。
破線でしめしたパルスは、従来、黒データを書き込んでいたタイミングである。この場合、表示データ保持時間T1は液晶パネルの上側と下側とで異なっていた。
図64(a)は、本発明を適用した液晶表示装置の表示の概要を示している。表示データと黒データの表示期間は常に一定になっている。
図64(b)は、従来の液晶表示装置の表示の概要を示している。画面の中央を境に、表示データと黒データの表示期間が変わるため、画面の上側と下側とで輝度が異なってしまう。すなわち、表示むらが発生する。
以上、本発明の液晶表示装置の制御方法では、一水平周期中に、表示データと黒データの2値を出力し、インパルス駆動を行った。このため、動画像のぼけを軽減でき、フリッカーの発生を防止できる。
黒データを、非走査期間にも順次書き込んだ。このため、液晶パネルAにおける表示データの明るさを均一にでき、表示むらの発生を防止できる。
また、表示データを生成する従来のデータドライバをそのまま流用してインパルス駆動が可能である。
(液晶表示装置の制御方法の第15の実施形態)
図65は、制御回路18の動作を示している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図60と同一である。
この実施形態は、構成32ないし構成34に対応している。図60と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
制御回路18は、黒データの電圧を、表示データを生成する交流電源の中心電圧(VDD/2)から正側および負側に、それぞれVBL+、VBL-だけずらしている。具体的には、黒データは、極性選択信号POLが高レベルのときにVBL+にされ、黒データは、極性選択信号POLが低レベルのときにVBL-にされる。その他の動作は、図62と同一である。
この実施形態においても、上述した液晶表示装置の制御方法の第14の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、黒データについても交流駆動するため、より確実に黒表示できる。
(液晶表示装置の制御方法の第16の実施形態)
図66は、制御回路18の動作を示している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図60と同一である。
この実施形態は、構成32ないし構成34に対応している。図60と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
制御回路18は、ドライバ出力制御信号LPの低レベル期間を短くすることで、表示データの出力期間を短くしている。ドライバ出力制御信号LPの高レベル期間は、相対的に長くなるため、黒データの出力期間は長くなる。そして、ゲート信号Gn(DT)とゲート信号Gn(BL)との活性化期間が等しくされている。この実施形態では、黒データを書き込むゲートパルスの幅を十分に広くでき、黒データを確実に書き込むことができる。
なお、表示データの出力期間が短くなるため、この実施形態では、表示データを左右に2分割し、各領域についてそれぞれ走査線を走査して表示データを表示している。
(液晶表示装置の制御方法の第17の実施形態)
図67は、液晶パネルAの動作を示している。この液晶表示装置の主要部の構成は、図60と同一である。
この実施形態は、構成32ないし構成34に対応している。
制御回路18は、黒データを1フレーム期間中に複数回書き込む。すなわち、黒データの書き込みが補完されている。このため、黒データを確実に書き込むことができる。
なお、上述した液晶表示装置の制御方法の第14の実施形態では、基本ゲート信号GOUTとゲート信号制御信号DTGOEとから表示データを書き込むゲート信号Gn(DT)を生成した例について述べた。これに限定されず、制御を簡略化し、基本ゲート信号GOUTをそのままゲート信号Gn(DT)として使用してもよい。この場合、黒データが画素電極に書き込まれた後、表示データが上書きされるが、表示品質に問題はない。
上述した液晶表示装置の制御方法の第16の実施形態では、ゲート信号Gn(DT)とゲート信号Gn(BL)との活性化期間を等しくした例について述べた。これに限定されず、ゲート信号Gn(DT)とゲート信号Gn(BL)との活性化期間との比率は、任意に設定可能である。
(液晶表示装置の第28の実施形態)
図68は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成22に対応している。第1の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この液晶表示装置は、マトリックス状に配置されたTFT(図示せず)および液晶セルCを有する液晶パネルAを備えている。液晶パネルAは、Xドライバ16およびYドライバ14により制御されている。バックライト141が、液晶パネルAの背面に配置されている。バックライト141は、走査線の走査方向に沿って10本の直下型の冷陰極管(発光部)を並列して形成されている。Xドライバ16、Yドライバ14、およびバックライト141は、制御回路142により制御されている。このときの駆動周波数は、60Hzである。
この実施形態では、液晶パネルAは、液晶層の厚さが2.2μmのツイストネマティック(TN)型(15インチ、画素数1024×768)を採用している。この液晶は、誘電率εが−3.2、屈折率nが0.2007、NI転移温度が70℃、応答時間τmが14msである。そして、バックライト141の冷陰極管を順次に点滅させることで、インパルス駆動をしている。なお、1フレームの期間における点灯期間の比率であるduty比は、10%である。
図69は、本実施形態で採用した条件(液晶の応答時間、冷陰極管の本数、duty比)を決める根拠を示している。
一般に、冷陰極管等の発光部の点灯後における液晶セルCの過渡応答による輝度の変化が、発光部の点灯期間における輝度(図の網掛け部分)の5%を超えるとき、画像にゴーストが発生し、あるいは、画像のぼけが顕著になると言われている。このため、発光部の消灯期間(図のOFF)にこの発光部に対応する走査線を走査し、表示データの書き込みを開始するインパルス駆動を行う場合、発光部が点灯した後に変化する液晶セルCの輝度の変化(図の斜線部分S)は、5%以下にする必要がある。
図70は、液晶の応答時間を測定する場合の基準を示している。
まず、液晶の最大輝度を100、最低輝度を0にし、輝度が0、25、50、75、100になる電圧をそれぞれV0、V25、V50、V75、V100と定義する。これ等5つの電圧の間の応答時間の最大値を、液晶の応答時間とする。ここで、応答時間は、立ち上がり、立ち下がりの両方を測定する。また、所定の透過率の95%が得られる時間を応答時間とする。
図71は、画像のゴースト、ぼけを発生させないための液晶の応答時間、発行部の区画数(冷陰極管の本数)、duty比の条件を示している。なお、図71は、1フレーム時間を16.7msに設定した場合を示している。横軸をフレーム時間Tで割ることで、図71は、時間に依存しないグラフとなる。この場合、1フレーム時間Tが16.7msと異なる場合でも、Tとτmとの比率で議論できる。
この実施形態で採用した条件は、図71(a)である。ゴースト等の不具合は、採用した条件が各曲線の右下側に位置するとき発生する。本実施形態の条件では、冷陰極管を7本にしても、ゴーストが発生しないことが分かる。また、duty比を20%にした場合、ゴーストが発生することが分かる。応答時間が14msの液晶を用い、duty比を20%にする場合、冷陰極管を14本以上にする必要がある。
同様に、応答時間が11msの液晶を採用し、duty比を40%以上にする場合には、冷陰極管を10本以上にする必要がある(図71(b))。応答時間が8msの液晶を採用し、duty比を50%以上にする場合には、冷陰極管を7本以上にする必要がある(図71(c))。自発分極Psが56pC/cm2、液晶層の厚さが1.5μm、応答時間が0.55msの閾値レス型の反強誘電液晶を採用し、duty比を80%にする場合、冷陰極管を5本以上にする必要がある(図71(d))。なお、duty比は大きい方が、輝度を向上する上で有利である。
以上、この実施形態の液晶表示装置では、冷陰極管の点灯後における液晶セルCの過渡応答による輝度の変化が、冷陰極管の点灯期間における輝度の5%以下になるように、冷陰極管の本数、冷陰極管の1フレームの期間における点灯期間の比率(duty比)、および液晶セルCの応答時間を定めた。このため、画像のゴーストおよびぼけの発生を防止できる。
(液晶表示装置の第29の実施形態)
図72は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成22および構成23に対応している。第28の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
この実施形態では、液晶シャッター144および常時点灯しているバックライト146によりバックライト機構が形成されている。液晶シャッター144は、走査線Gnの走査方向に沿って9つに区画されたITO(Indium Tin Oxide)からなる透明電極を有している。これ等透明電極により、9つの領域144aが形成されている。これ等領域144aの一つまたは複数がバックライト146からの光を透過する状態になることで、後述する複数の発光部が形成される。バックライト146は、紫外光成分を含む光を照射する機能を有している。液晶パネルAにおける液晶シャッター144と反対側の内面に、蛍光体(図示せず)が塗布されている。蛍光体を塗布することで、液晶パネルに表示される画像の視角が大きくなり、高い輝度で表示データを表示できる。
図73は、発光部が形成される状態を示している。
奇数フレームにおいて、8番目までの隣接する2つ領域144aが、それぞれ光を透過する状態(発光部)になる。9番目の領域144aは、一つのみで光を透過する状態(発光部)になる。そして、1フレームの期間に、5つの発光部が順次に点滅される。
同様に、偶数フレームにおいて、1番目の領域144aは、一つのみで光を透過する状態(発光部)になる。2番目から9番目までの隣接する2つの領域144aが、それぞれ光を透過する状態(発光部)になる。そして、1フレームの期間に、5つの発光部が順次に点滅される。発光部の境界の位置は、奇数フレームと偶数フレームとで異なる。発光部の境界をフレーム毎に移動し、インパルス駆動することで、境界部分が見えにくくなる。
なお、この実施形態では、応答時間が7msのOCB(Optically Compensated Birefringence)型の液晶を採用し、duty比を60%にしてインパルス駆動している。
この条件は、図71を満足しているため、ゴーストは発生しない。
以上、この実施形態の液晶表示装置においても第28の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、同時に点灯する発光部の領域がフレーム毎に変化するため、発光部の境界部分を見えにくくできる。
なお、上述した第28の実施形態では、液晶パネルAにTN型を採用した例について述べた。これに限定されず、液晶パネルAに、強誘電型、あるいは等の応答時間の速い液晶を採用してもよい。
(液晶表示装置の第30の実施形態)
図74は、この実施形態で使用されるTFT駆動液晶表示装置の概要を示している。
この実施形態は、構成24および構成25に対応している。第28の実施形態と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。
液晶表示装置は、制御回路148および動き補償を行う補間回路150を有している。補間回路150は、外部から供給される表示データを受け、動き補償を行い、予測データを制御回路148に出力している。液晶パネルAは、15インチのVA(Vertical Alignment)型が採用されている。液晶パネルAの画素数は、1024×768である。この液晶は、誘電率εが−3.8、屈折率nが0.0082である。バックライト146は、duty比50%で点滅を繰り返す冷陰極管で形成されている。
1フレーム期間は、16.7ms(60Hz)である。
図75は、液晶表示装置の動作および動き補償の概要を示してる。
この実施形態では、走査線Gn(n=768)は、線順次走査される。バックライト146は、1フレームの期間の前半に点灯(ON)され、後半に消灯(OFF)され、インパルス駆動が行われる。バックライト146は、384番目以降の走査線G384〜G768の走査時に消灯されている。走査線G384〜G768に対応する液晶セルCに書き込まれた表示データは、次のフレームのバックライト146の点灯時に外部に照射される。また、走査線G289〜G383の走査で書き込まれた表示データは、当該フレームにおけるバックライト146が点灯しているわずかな期間だけ外部に照射される。
このため、この実施形態では、図中太線で示した走査線G289〜G768の走査で書き込まれる表示データについて動き補償をしている。実際には、図中の網掛けで示した次のフレームの開始時期に表示されるべき予測データが、走査線G289〜G768の走査時に書き込まれる。予測データは、当該フレームの表示データと、次のフレームの表示データとから補間して算出される。走査線G1〜G288の走査に対応する表示データは、補間することなく、そのまま書き込まれる。
図76は、補間回路150の詳細を示している。
補間回路150は、ブロック分割処理部150a、最適ブロック検出部150b、フレームメモリ150c、動きベクトル算出部150d、データ補間部150e、およびデータ合成部150fを有している。
ブロック分割処理部150aは、走査線G289〜G768に対応する現在のフレームデータを受け、液晶パネルAを16×16画素の領域に区画する処理を行う。動き補償は、この領域単位で行われる。
最適ブロック検出部150bは、当該フレームの表示データと前回のフレームの表示データとを上記領域単位で比較し、前回のフレームにおける所定の領域が、当該フレームどの領域に移動したかを検出する。
フレームメモリ150cは、1フレーム分の表示データを記憶する。
動きベクトル算出部150dは、一般に、ブロックマッチング技法と称する技術を使用し、各領域毎に動きベクトルを算出する。
データ補間部150eは、動きベクトルを走査線Gn毎に所定の割合で内分し、予測データを求める。内分する割合は、走査線Gnの走査から次のフレームにおけるバックライトの点灯までの時間に応じて決められる。
データ合成部150fは、走査線G289〜G768に対応する予測データと、走査線G1〜G288に対応する表示データとを合成し、表示するフレームデータとして出力する。
そして、図75に示したように、図中網掛けで示した次のフレームの開始時期に表示されるべき予測データが、走査線G289〜G768の走査時に書き込まれる。この結果、動画像のぼけ、および動画像のぎこちない動きが防止できる。すなわち、動画像の品質が向上できる。
なお、上述した第30の実施形態では、液晶パネルAにVA型を採用した例について述べた。これに限定されず、液晶パネルAに、OCB型、強誘電型、あるいは反強誘電型を採用してもよい。
上述した第30の実施形態では、バックライト146を点滅し、インパルス駆動した例について述べた。これに限定されず、バックライトと液晶シャッターとでバックライト機構を構成し、液晶シャッターを制御することでインパルス駆動してもよい。このとき液晶シャッターに採用する液晶は、VA型、OCB型、強誘電型、あるいは反強誘電型のいずれかが望ましい。
上述した第30の実施形態では、バックライト146は、duty比50%で点滅を繰り返した例について述べた。duty比が小さくなるほど画面が暗くなるが、動画像の品質を向上するためには、バックライト146は、duty比50%以下で点滅を繰り返すほうがよい。
以上の実施形態において説明した発明を整理して以下の項を開示する。
(1)構成1記載の液晶表示装置において、前記第1画素領域および前記第2画素領域は、前記走査線方向に沿って帯状に区画されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、図1に示したように、走査線方向に沿って帯状に区画された第1画素領域7および第2画素領域8に、順次表示データおよびリセットデータが書き込まれる。リセットデータの書き込む領域が複数の画素領域7、8に分散している。このため、表示画像のぼけを軽減することができ、表示画面にフリッカーが発生することを防止することができる。
(2)構成1記載の液晶表示装置において、前記第1画素領域および前記第2画素領域は、格子状に区画されていることを特徴とする液晶表示装置。
図77は、追加開示項(2)を示すブロック図である。
この液晶表示装置では、第1画素領域7および第2画素領域8は、格子状に区画されている。そして、格子状に区画された第1画素領域7および第2画素領域9に、順次表示データおよびリセットデータが書き込まれる。リセットデータの書き込む領域が複数の画素領域7、8に分散している。このため、表示画像のぼけを軽減することができ、表示画面にフリッカーが発生することを防止することができる。
(3)構成2記載の液晶表示装置において、前記バックライトは、発光ダイオード、蛍光管、PDPのいずれかにより構成されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、図2に示したように、バックライト9は、発光ダイオード、蛍光管、PDPのいずれかにより構成されている。このため、第1画素領域7および第2画素領域8の大きさに合わせて、バックライトを構成することが可能になる。
(4)構成2記載の液晶表示装置において、前記バックライトは、蛍光管により構成され、前記1フレームの周期は、該蛍光管に印加される交流信号の周期に合わせられ、前記蛍光管の輝度のピークに合わせて前記表示データの書き込みが行われることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、バックライトは、蛍光管により構成されている。1画面を構成する1フレームの周期は、蛍光管に印加される交流信号の周期に合わせられている。蛍光管の輝度のピークに合わせて表示データの書き込みを行うことで、蛍光管のオンオフ制御を特別に行うことなく、表示データの書き込み時とリセットデータの書き込み時とのコントラスト比が大きくなる。
(5)構成1記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記1フレームごとに2画面分の前記表示データを受け取り、該表示データのうち前記リセットデータを書き込む前記第1画素領域および前記第2画素領域のデータを除いたデータを表示することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、制御回路は、1フレームごとに2画面分の表示データを受け取る。制御回路は、受け取った表示データのうちリセットデータを書き込む第1画素領域および第2画素領域に対応する画素のデータを除いたデータを使用して表示を行う。このため、表示データについて複雑なデータ処理する必要がなくなる。また、表示データの一部をバッファメモリ等に蓄えておく必要がなくなる。したがって、制御回路を複雑にすることなくフリッカーの発生が防止される。
(6)構成1記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記1フレームごとに1画面分の前記表示データを受け取り、前記各制御信号の前記一方の活性化時に、前記表示データの一部を前記第1画素領域に書き込み、前記各制御信号の前記他方の活性化時に、残りの前記表示データを前記第2画素領域に書き込むことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、制御回路は、1フレームごとに1画面分の表示データを受け取る。制御回路は、各制御信号の一方の活性化時に、表示データの一部を第1画素領域に書き込み、各制御信号の他方の活性化時に、残りの表示データを第2画素領域に書き込む。このため、受け取ったデータは、捨てることなく全て表示データとして使用される。
(7)構成1記載の液晶表示装置において、前記1フレームの期間に前記各制御信号を1回のみ活性化し、前記表示データを全ての前記画素電極に書き込むホールド駆動機能を備え、前記制御回路は、表示画像に応じて該ホールド駆動と前記インパルス駆動とを切り替える制御を行うことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、1フレームの期間に各制御信号を1回のみ活性化し、表示データを全ての画素電極に書き込むホールド駆動機能を備えている。制御回路は、表示画像に応じてホールド駆動とインパルス駆動とを切り替える制御を行う。例えば、動画像の表示をインパルス駆動で行い、静止画像の表示をホールド駆動で行うことで、どの画像に対しても最適な画面表示を行うことが可能になる。
(8)上記(7)記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの裏面には、輝度調整可能なバックライトが設けられ、前記インパルス駆動は、前記バックライトの輝度を上げて行うことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、輝度調整可能なバックライトが、液晶パネル3の裏面に設けられている。インパルス駆動時に、バックライトの輝度をホールド駆動時に比べて上げることで、ホールド駆動時とインパルス駆動時とで輝度のばらつきが低減される。
(9)上記(7)記載の液晶表示装置において、前記インパルス駆動時および前記ホールド駆動時には、ガンマ補正が行われ、前記インパルス駆動時のガンマ補正は、前記ホールド駆動時のガンマ補正に比べ急峻に行うことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、ガンマ補正が、インパルス駆動時および前記ホールド駆動時にそれぞれ行われる。インパルス駆動時は、制御信号の活性化回数が多い。このため、インパルス駆動時のガンマ補正を、ホールド駆動時のガンマ補正に比べ急峻に行うことで、液晶セルの透過光量の変化が速くなり、輝度を上げることが可能になる。
(10)構成1記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記走査線をその配列順にしたがって選択することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、制御回路は、走査線を配列順にしたがって選択する。
このため、従来の回路を大幅に変更することなく、制御回路が構成される。
(11)構成1記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記走査線をその配列順に関係のない所定の順序で選択することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、制御回路は、走査線を配列順と関係のない所定の順序で選択する。このため、フリッカーの発生がより確実に防止される。
(12)上記(11)記載の液晶表示装置において、前記第1画素領域および前記第2画素領域は、複数の前記走査線を含んで区画され、前記制御回路は、該第1画素領域および該第2画素領域内では、前記走査線の配列順にしたがって該走査線を選択することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、第1画素領域および第2画素領域は、複数の走査線を含んで区画されている。制御回路は、第1画素領域および第2画素領域内では、走査線を配列順にしたがって選択する。このため、制御回路を複雑化することなく、フリッカーの発生がより確実に防止される。
(13)表示データを伝達する複数の信号線と制御信号を伝達する複数の走査線とが縦横に配線され、前記各信号線と前記各走査線との交差部にスイッチング素子を介して画素電極を縦横に配置した液晶パネルと、前記液晶パネルの裏面に前記走査線方向に沿って隣接して配置された複数のバックライトと、前記走査線を制御するとともに、該走査線の走査周期に同期して前記バックライトを点滅制御する制御回路とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示データを伝達する複数の信号線と制御信号を伝達する複数の走査線とが縦横に配線され、前記各信号線と前記各走査線との交差部にスイッチング素子を介して画素電極を縦横に配置した液晶パネルと、この液晶パネルの裏面に走査線方向に沿って隣接して配置された複数のバックライトと、液晶パネルを信号線および走査線を介して制御する制御回路とを備えている。制御回路は、リセット信号を入れることなく液晶パネルを通常に駆動しデータを表示する。また、制御回路は、複数のバックライトの点灯、消灯をそれぞれ制御し、この点灯、消灯に対応して、各バックライトに対向する走査線を制御する。走査線の走査周期は、液晶パネルの走査周期と一致している。
制御回路による走査線の制御は、通常と同様でよいため、コスト増加の要因はない。したがって、バックライトのみを交換することにより良好な動画表示を実現することが可能になる。
(14)上記(13)記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記走査線の非走査時に、該走査線に対向する前記バックライトを点灯し、該走査線の走査直前に該バックライトを消灯することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、液晶パネルの走査線が走査される直前にその走査線に対応する照明を消すことで、液晶パネルの最大輝度を表示に寄与させることが可能になる。
(15)上記(13)記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルは、隣接する複数本の走査線からなる領域に区画され、
前記バックパネルは、前記各領域に対向して配置され、
前記制御回路は、前記各領域における最後の前記走査線を走査した後、所定時間後に対向する前記バックライトを点灯し、前記各領域における最初の前記走査線を走査する前に該バックライトを消灯することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、画素よりも大きい蛍光管等のバックライトが使用可能になる。
(16)上記(15)記載の液晶表示装置において、前記制御回路は、前記所定時間を、全ての前記走査線を1回走査する時間である1フレーム時間の2分の1以上にすることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示されない時間を長くすることで、動画像の表示品質がより改善される。
(17)上記(13)記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの応答速度は、表示可能な全階調において、前記所定時間よりも速いことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、全階調において動画像の表示品質がより改善される。
(18)構成7記載の液晶表示装置において、前記各散乱部は、前記導光板の表面に並列して配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、各散乱部は、導光板の表面に並列して配置されている。このため、散乱部を容易に形成できる。
(19)上記(18)記載の液晶表示装置において、前記各散乱部は、前記導光板における前記液晶パネル側の面に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、各散乱部は、導光板における液晶パネル側の面に配置されている。散乱部で乱反射した光は、導光板の外部に向けて照射される。そして、液晶パネルのうち、照射領域(あるいは散乱部)に対向する部分に光が照射される。隣接する照射領域の境界が明確になるため、より視認性よくインパルス駆動ができ、フリッカーの発生が防止される。
(20)上記(18)記載の液晶表示装置において、前記各散乱部は、前記導光板における前記液晶パネルと反対側の面に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、各散乱部は、導光板における液晶パネルと反対側の面に配置されている。散乱部で乱反射した光は、導光板内を通過して液晶パネルに照射される。導光板の液晶パネル側に散乱部等の光を遮る部材が配置されないため、照射効率を向上できる。また、隣接する照射領域の境界を目立たなくできる。
(21)上記(18)記載の液晶表示装置において、互いに対向する複数の前記導光板を備え、前記各散乱部は、前記両導光板の間に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置は、互いに対向する複数の導光板を備えている。各散乱部は、両導光板の間に配置されている。散乱部を導光板の間に挟むことで、散乱部を保護できる。また、導光板および散乱部からなる光の照射機構を精度よく、かつ容易に形成できる。
(22)上記(21)記載の液晶表示装置において、前記各散乱部は、前記両導光板における外面にさらに配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、各散乱部は、両導光板の間と、両導光板の外面に配置されている。散乱部を複数層で形成することで、導光板内を進行する光を確実に散乱できる。
(23)構成7記載の液晶表示装置において、前記各散乱部は、前記導光板内に前記導光方向を遮って配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、散乱部は、導光板内に導光方向を遮って配置されている。導光板内を進行する光は、必ず各散乱部を透過する。このため、光を確実に散乱できる。
(24)上記(23)記載の液晶表示装置において、前記散乱部は、前記導光方向に対して垂直に配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、散乱部は、導光方向に対して垂直に配置されている。
このため、散乱部を導光方向を遮って配置する際に、導光板と散乱部とを高い精度で容易に接合できる。
(25)上記(23)記載の液晶表示装置において、前記散乱部は、前記導光方向に対して斜めに配置されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、散乱部は、導光方向に対して斜めに配置されている。
このため、散乱部により散乱された光は、導光方向に対して垂直方向、すなわち液晶パネルに向けて多量に照射される。
(26)構成7記載の液晶表示装置において、前記散乱部は、ポリマー分散型の液晶フィルムにより形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、散乱部は、ポリマー分散型の液晶フィルムにより形成されている。このため、散乱部を容易に構成できる。また、散乱部に印加する電界を制御することで、容易に、光の散乱を制御できる。
(27)上記(26)記載の液晶表示装置において、前記液晶フィルムにおける低分子液晶を覆っている樹脂層は、高分子液晶で構成されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、液晶フィルムにおける低分子液晶を覆っている樹脂層は、高分子液晶で構成されている。このため、散乱部が光を透過する状態のときに、低分子液晶と樹脂層との界面で発生する散乱を防止できる。
(28)上記(27)記載の液晶表示装置において、前記低分子液晶および前記高分子液晶は、電圧が印加されない状態で、前記液晶フィルム面に対して垂直に配向されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、低分子液晶および高分子液晶は、電圧が印加されない状態で、液晶フィルム面に対して垂直に配向されている。この液晶フィルムは、電界を印加したときに光が散乱する。
(29)上記(27)記載の液晶表示装置において、
前記低分子液晶および前記高分子液晶は、電圧が印加されない状態で、前記導光方向に対して垂直に配向されていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、低分子液晶および高分子液晶は、電圧が印加されない状態で、導光方向に対して垂直に配向されている。この液晶フィルムは、電界を印加したときに光が散乱する。
(30)上記(28)記載の液晶表示装置において、前記低分子液晶は、負の誘電率異方性を有することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、低分子液晶は、負の誘電率異方性を有している。この液晶フィルムでは、電界が印加されたときに、液晶分子の向きは、電界に垂直になる。
(31)構成9記載の液晶表示装置において、離散コサイン変換(DCT)における直流成分の動きの予測が、所定の画素マトリックスからなるブロックの大きさを超えたときに、前記動画像であると判定され、該動画像に対応する前記発光時間に調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、離散コサイン変換(DCT)における直流成分の動きの予測が、所定の画素マトリックスからなるブロックの大きさを超えたときに、動画像であると判定され、動画像に対応する発光時間に調整される。動画像の動き補償に広く使用されている離散コサイン変換の手法を用いて静止画像と動画像とが確実に判定される。
(32)構成8記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの表示輝度は、前記発光時間の制御に連動して一定に保持されるように制御されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、液晶パネルの表示輝度は、発光時間の制御に連動して一定に保持されるように制御される。静止画像であるか動画像であるかを問わず、表示輝度が常に一定の輝度に保持されるため、画面が見やすくなる。
(33)構成8記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたバックライトを備え、前記発光時間は、前記バックライトの点滅制御により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、発光時間は、液晶パネルに対向して配置されたバックライトの点滅制御により調整される。
(34)構成9記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたバックライトを備え、前記発光時間は、前記バックライトの点滅制御により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、発光時間は、液晶パネルに対向して配置されたバックライトの点滅制御により調整される。
(35)構成8記載の液晶表示装置において、1フレームの期間に前記各走査線を2回走査し、前記表示データとリセットデータとを前記画素電極に書き込むインパルス駆動を行い、前記発光時間は、前記表示データの表示期間により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、1フレームの期間に各走査線を2回走査し、表示データとリセットデータとを画素電極に書き込むインパルス駆動が行われる。発光時間は、表示データの表示期間により調整される。
(36)構成9記載の液晶表示装置において、1フレームの期間に前記各走査線を2回走査し、前記表示データとリセットデータとを前記画素電極に書き込むインパルス駆動を行い、前記発光時間は、前記表示データの表示期間により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、1フレームの期間に各走査線を2回走査し、表示データとリセットデータとを画素電極に書き込むインパルス駆動が行われる。発光時間は、表示データの表示期間により調整される。
(37)構成8記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたシャッターを備え、前記発光時間は、前記シャッターの開閉制御により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、発光時間は、液晶パネルに対向して配置されたシャッターの開閉制御により調整される。
(38)構成9記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたシャッターを備え、前記発光時間は、前記シャッターの開閉制御により調整されることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、発光時間は、液晶パネルに対向して配置されたシャッターの開閉制御により調整される。
(39)上記(32)記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたバックライトを備え、前記表示輝度の制御は、前記バックライトの輝度調整により行われることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示輝度の制御は、液晶パネルに対向して配置されたバックライトの輝度調整により行われる。
(40)上記(32)記載の液晶表示装置において、
前記表示輝度の制御は、前記画素電極に書き込む表示データの信号量の調整により行われることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示輝度の制御は、画素電極に書き込む表示データの信号量の調整により行われる。
(41)構成10記載の液晶表示装置において、前記表示データのうち、前記動画像の比率が所定以上のときに、前記ホールド制御から前記インパルス制御に切り替えることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示データのうち、動画像の比率が所定以上のときに、ホールド制御からインパルス制御に切り替えられる。
(42)構成10記載の液晶表示装置において、前記表示データが、2フレーム以上にわたり変化したときに、前記動画像と判定し、前記ホールド制御から前記インパルス制御に切り替えることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示データが、2フレーム以上にわたり変化したときに、動画像と判定され、ホールド制御からインパルス制御に切り替えられる。
(43)構成10記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたシャッターを備え、前記インパルス制御は、前記シャッターの開閉制御により行われることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、インパルス制御は、液晶パネルに対向して配置されたシャッターの開閉制御により行われる。
(44)構成10記載の液晶表示装置において、前記インパルス制御は、1フレームの期間に前記各走査線を2回走査し、前記表示データとリセットデータとを前記画素電極に書き込むことにより行われることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、インパルス制御は、1フレームの期間に各走査線を2回走査し、表示データとリセットデータとを画素電極に書き込むことにより行われる。
(45)構成10記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置されたバックライトを備え、前記インパルス制御時に、前記バックライトの輝度を前記ホールド制御時より上げることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、インパルス制御時に、液晶パネルに対向して配置されたバックライトの輝度がホールド制御時より上げられる。このため、動画像の輝度を静止画像と同一にすることが可能になり、画面が見やすくなる。
(46)上記(45)記載の液晶表示装置において、前記インパルス制御時と前記ホールド制御時とで、前記液晶パネルの外部に出力される表示画像の輝度を同一にすることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、インパルス制御時とホールド制御時とで、液晶パネルの外部に出力される表示画像の輝度が同一にされる。静止画像であるか動画像であるかを問わず、表示輝度が常に一定の輝度に保持されるため、画面が見やすくなる。
(47)構成10記載の液晶表示装置において、前記スイッチング素子は、ポリシリコンTFTであることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、スイッチング速度がアモルファスシリコンTFTより大きいポリシリコンTFTで画素電極を制御するため、特にインパルス制御時に動画像のぼけが低減される。
(48)構成10記載の液晶表示装置において、1フレームの前記表示画像の各画素のうち、前回表示した1フレームの前記表示画像の各画素と異なる割合が所定の比率を超えたときに、前記動画像と判定することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、1フレームの表示画像の各画素のうち、前回表示した1フレームの表示画像の各画素と異なる割合が所定の比率を超えたときに、動画像と判定され、インパルス制御が行われる。
(49)構成10記載の液晶表示装置において、離散コサイン変換(DCT)により動き補償を行い、1フレームの前記表示画像と前回表示した1フレームの前記表示画像とにおけるそれぞれの直流成分の平均値が、所定値以上相違するときに、動画像と判定することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、離散コサイン変換(DCT)により動き補償を行い、1フレームの前記表示画像と前回表示した1フレームの前記表示画像とにおけるそれぞれの直流成分の平均値が、所定値以上相違するときに、動画像と判定され、インパルス制御が行われる。
(50)構成10記載の液晶表示装置において、離散コサイン変換(DCT)により動き補償を行い、圧縮画像情報に画像の動きを示すベクトル情報が含まれるときに動画像と判定することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、離散コサイン変換(DCT)により動き補償を行い、圧縮画像情報に画像の動きを示すベクトル情報が含まれるときに動画像と判定され、インパルス制御が行われる。
(51)構成13記載の液晶表示装置において、前記偏光分離シートは、コレステリック液晶を用いて形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
(52)構成13記載の液晶表示装置において、前記偏光分離シートは、屈折率の異なる複数のフィルムを積層して形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
(53)構成13記載の液晶表示装置において、前記偏光分離シートは、複数のプリズムからなるプリズムアレイを用いて形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
(54)構成13記載の液晶表示装置において、前記偏光分離シートおよび液晶シャッターの屈折率は、前記導光板の屈折率に合わせられていることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、隣接する部材の界面で反射角が変わることを防止できる。この結果、導光板内を進行する光が、所望以外の位置で臨界角を超えることが防止される。
(55)構成16記載の液晶表示装置において、前記容量部に印加する最大電圧は、飽和電圧以上であることを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、より高い輝度で表示データが表示される。
(56)構成17記載の液晶表示装置において、前記補助容量部は、アモルファスシリコンを使用して形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
(57)構成17記載の液晶表示装置において、前記補助容量部は、炭化珪素と窒化珪素との複合材料を使用して形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
(58)構成16記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの輝度分布を均一にするために、印加電圧を画素ごとに調整する輝度補正回路を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、補助容量の製造誤差による輝度むらを防止できる。
(59)構成19記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの液晶モードは、ノーマリブラックであることを特徴とする液晶表示装置。
(60)構成21記載の液晶表示装置において、前記リセットデータに対応する電圧が供給された前記電極は、前記信号線に沿って形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
(61)構成21記載の液晶表示装置において、前記リセットデータに対応する電圧が供給された前記電極は、前記走査線に沿って形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
(62)構成21記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルに対向して配置され、前記走査線の走査方向に区画された複数のバックライトを備え、該バックライトは、前記表示データの書き込みに対応して点灯し、前記リセットデータの書き込みに対応して消灯することを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、表示データを高い輝度で表示し、黒データをより黒く表示できる。
(63)構成22記載の液晶表示装置において、前記液晶パネルの前記バックライト機構と反対側に蛍光体層が形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
この液晶表示装置では、液晶セルに印加される電圧に応じて蛍光体層に照射される光量が調整される。この結果、視角が大きくなり、高い輝度で表示データが表示される。
(64)構成23記載の液晶表示装置において、前記蛍光体層は、前記液晶パネルの内側に形成されたことを特徴とする液晶表示装置。
(65)構成27記載の液晶表示装置の制御方法において、前記バックライトは、蛍光管により構成され、前記1フレームの周期を、該蛍光管に印加する交流信号の周期に合わせ、前記蛍光管の輝度のピークに合わせて前記表示データの書き込みを行うことを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、1画面を構成する1フレームの周期が、蛍光管に印加される交流信号の周期に合わせられる。蛍光管の輝度のピークに合わせて表示データの書き込みを行うことで、蛍光管のオンオフ制御を特別に行うことなく、表示データの書き込み時とリセットデータの書き込み時とのコントラスト比が大きくなる。
(66)構成26記載の液晶表示装置の制御方法において、前記1フレームごとに2画面分の前記表示データを受け取り、該表示データのうち前記リセットデータを書き込む前記第1画素領域および前記第2画素領域のデータを捨てることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、1フレームごとに2画面分の表示データが受け取られる。受け取られた表示データのうちリセットデータを書き込む第1画素領域および第2画素領域に対応する画素のデータは捨てられる。このため、表示データについて複雑なデータ処理する必要がなくなる。また、表示データの一部をバッファメモリ等に蓄えておく必要がなくなる。したがって、制御を複雑にすることなくフリッカーの発生が防止される。
(67)構成26記載の液晶表示装置の制御方法において、前記1フレームごとに1画面分の前記表示データを受け取り、前記各制御信号の前記一方の活性化時に、前記表示データの一部を前記第1画素領域に書き込み、前記各制御信号の前記他方の活性化時に、残りの前記表示データを前記第2画素領域に書き込むことを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、1フレームごとに1画面分の表示データが受け取られる。各制御信号の一方の活性化時に、表示データの一部が第1画素領域に書き込まれ、各制御信号の他方の活性化時に、残りの表示データが第2画素領域に書き込まれる。このため、受け取ったデータは、捨てることなく全て表示データとして使用される。
(68)構成26記載の液晶表示装置の制御方法において、前記1フレームの期間に前記各制御信号を1回のみ活性化し、前記表示データを全ての前記画素電極に書き込むホールド駆動機能を備え、表示画像に応じて、該ホールド駆動と前記インパルス駆動とを切り替える制御を行うことを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、1フレームの期間に各制御信号を1回のみ活性化し、表示データを全ての画素電極に書き込むホールド駆動機能を備えている。そして、表示画像に応じてホールド駆動とインパルス駆動とを切り替える制御が行われる。例えば、動画像の表示をインパルス駆動で行い、静止画像の表示をホールド駆動で行うことで、どの画像に対しても最適な画面表示を行うことが可能になる。
(69)上記(68)記載の液晶表示装置の制御方法において、前記液晶パネルの裏面に設けられた輝度調整可能なバックライトの輝度を、前記インパルス駆動時に上げることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、インパルス駆動時に、バックライトの輝度をホールド駆動時に比べて上げることで、ホールド駆動時とインパルス駆動時とで輝度のばらつきが低減される。
(70)上記(68)記載の液晶表示装置の制御方法において、前記インパルス駆動時および前記ホールド駆動時にガンマ補正を行い、前記インパルス駆動時のガンマ補正を、前記ホールド駆動時のガンマ補正に比べ急峻に行うことを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、ガンマ補正が、インパルス駆動時および前記ホールド駆動時にそれぞれ行われる。インパルス駆動時は、制御信号の活性化回数が多い。このため、インパルス駆動時のガンマ補正を、ホールド駆動時のガンマ補正に比べ急峻に行うことで、液晶セルの透過光量の変化が速くなり、輝度を上げることが可能になる。
(71)構成26記載の液晶表示装置の制御方法において、前記走査線をその配列順にしたがって選択し、前記液晶パネルを制御することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、走査線が配列順にしたがって選択されるため、走査線の制御が簡単になる。
(72)構成26記載の液晶表示装置の制御方法において、前記走査線をその配列順に関係のない所定の順序で選択し、前記液晶パネルを制御することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、走査線が配列順と関係のない所定の順序で選択される。このため、フリッカーの発生がより確実に防止される。
(73)上記(72)記載の液晶表示装置の制御方法において、前記第1画素領域および前記第2画素領域は、複数の前記走査線を含んで区画され、該第1画素領域および該第2画素領域内では、前記走査線の配列順にしたがって該走査線を選択し、前記液晶パネルを制御することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、走査線は、第1画素領域および第2画素領域内では配列順にしたがって選択する。このため、走査線の制御を複雑化することなく、フリッカーの発生がより確実に防止される。
(74)構成34記載の液晶表示装置の制御方法において、同一の前記走査線における前記リセットデータの書き込みは、前記表示データの書き込みから1/2フレーム時間後に行われることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
(75)構成32記載の液晶表示装置の制御方法において、前記ゲートドライバは、一水平周期中に出力される前記リセットデータの書き込み後、前記表示データを上書きすることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、一水平周期の最初にリセットデータが書き込まれ、その後連続して表示データが書き込まれる。すなわち、リセットデータに表示データが上書きされる。この結果、表示データを書き込むゲートパルスを容易に形成できる。
(76)構成32記載の液晶表示装置の制御方法において、前記タイミング信号の活性化期間を可変にし、前記表示データの出力期間と前記リセットデータの出力期間との比率を任意に調整することを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、リセットデータを書き込むゲートパルスの幅を十分に広くでき、リセットデータを確実に書き込むことができる。
(77)構成33記載の液晶表示装置の制御方法において、同一の前記走査線における前記リセットデータの書き込みは、1フレーム期間中に複数回行われることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、リセットデータを確実に書き込むことができる。
(78)構成32記載の液晶表示装置の制御方法において、前記信号線に伝達される前記リセットデータの電圧は、前記表示データを生成する交流電源の中心電圧であることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、例えば、表示データを生成する従来のデータドライバをそのまま流用してインパルス駆動できる。
(79)構成32記載の液晶表示装置の制御方法において、前記信号線に伝達される前記リセットデータの電圧は、前記表示データを生成する交流電源の中心電圧から正側および負側にそれぞれ所定値だけずれていることを特徴とする液晶表示装置の制御方法。
この液晶表示装置の制御方法では、リセットデータについても交流駆動できる。
以上、本発明について詳細に説明してきたが、上記の実施形態およびその変形例は発明の一例に過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。本発明を逸脱しない範囲で変形可能であることは明らかである。