JP5247592B2 - フットライト - Google Patents

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本発明は、床面を照射するために壁面の下部に埋め込まれるフットライトに関する。
従来から、建物等の壁面の下部に埋め込まれ、床面や地面等に光を照射することにより歩行者の足元を明るくする、いわゆるフットライトと呼ばれる照明器具が知られている。この種のフットライトにおいては、外観の見栄えを良くすると共に、消灯時に器具、特に光源を目立たなくするために、光照射面上部に化粧カバーが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなフットライトにおいては、化粧カバーがあることにより光源からの光の一部を遮光することになり、照射効率が低下する問題があった。
特開2009−54495号公報
本発明は、上記の問題を解決するものであり、消灯時に光源が目立つことがなく、外観の見栄えを良くし、かつ、照射光率を低下させることのないフットライトを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、光照射用開口を有する筐体と、前記筐体に収容される光源とを備え、前記光源からの光が前記光照射用開口を通して床面を照射するように前記筐体が壁に埋め込まれるフットライトにおいて、前記光源の光軸に略直交し、外部から前記光照射用開口を通して入射される光を屈折または反射する屈折面と、前記屈折面と略90度以上の角度を成し、前記屈折面で正反射された光が入射され、その光を反射する反射面と、光源からの前記屈折面を通して入射される光を前記光照射用開口を通して出射する出射面と、を有する光学体を備え、前記光学体の反射面は、光の不透過処理が施されているものである。
請求項1の発明によれば、歩行者が光照射用開口を見下ろしたとき、消灯時に目線方向から入射され光学体の屈折面で正反射された光が、不透過処理された反射面に入射されることにより、当該反射面が映り込まれた屈折面を見ることになるので、化粧カバー等で光照射用開口を覆わなくとも、消灯時に筐体内を見え難くできる。このため、光源からの光が遮光されることがなくなるので、照射効率の低下を抑制することができる。また、点灯時においても、歩行者は反射面が映り込まれた屈折面を見ることになるので、光源が直接目に入らず、光源グレアの発生を抑制することができる。
(a)は本発明の第1の実施形態に係るフットライトの消灯時の状態を示す図、(b)は同フットライトの点灯時を示す図。 同フットライトの断面構成図。 (a)は同フットライトの光学体における光の反射を説明する図、(b)は同光学体が平板状である場合の光の反射を説明する図。 (a)は同フットライトを見下ろした状態を示す図、(b)は同フットライトを正面方向から見た状態を示す図、(c)は同フットライトを見上げた状態を示す図。 同フットライトの点灯時の照射状態を示す図。 同フットライトの実施例の断面図。
以下、本発明の第1の実施形態に係るフットライトについて図1乃至図6を参照して説明する。図1(a)に示されるように、本実施形態のフットライト1は、光照射用開口(以下、開口という)4を有する略矩形の中空の筐体2と、筐体2に収容される光源3とを備え、筐体2はその開口4から光源3からの光が床面101に照射されるように、壁100に埋め込まれる。このフットライト1は、後述の構成により光源3の消灯時には、歩行者Mの目線方向からは、開口4が暗く見え、消灯時に光源3が目立つことがなく、外観の見栄えを良くしている。また、図1(b)に示されるように、光源3が点灯時には、フットライト1は上記と同様に、歩行者Mの目線方向からは開口4が暗く見えると共に、床面101の照射範囲200のみが明るく見えるようになっている。
図2は、フットライト1の断面構成を示す。フットライト1は、光源3からの光を透過して開口4に出射するための、屈折面51、反射面52、及び出射面53を有する三角柱形状の光学体5を備える。この光学体5には、光透過性無垢材等の光学部材が使用される。また、光源3は蛍光灯、白熱球、固体型発光のLED等から成る。
光学体5の屈折面51は、光源3の光軸30に略直交し、外部から開口4を通して入射される光を屈折または反射する。反射面52は、屈折面51との角度θaが90度以上を成し、屈折面51で正反射された光が入射され、その入射光を反射する。また、反射面52は、塗装膜54で覆われ、光の不透過処理が施されている。出射面53は開口4の開口面と略平行を成し、光源3からの屈折面51を通して入射される光を開口4に向けて出射する。
また、出射面53は、光源3からの光が照射方向に対して正反射が起らない角度となっており、屈折面51とは鋭角を成している。また、屈折面51と、反射面52と、出射面53とはプリズム形状を成している。ここでは、屈折面51が光源3の光軸30に略直交し、屈折面51と反射面52との角度θaが略90度以上であるので、光源3からの光は、光学体5の屈折面51や反射面52で殆ど反射されることなく光学体5内を進み、光学体5から空気中に出る出射面53から下方に屈折され、床面101に向けて照射される。従って、光学体5における光源グレアの発生が少なく、反射損失も少ない。なお、屈折面51と光源3の光軸30との成す角度は、直角に限らず光源3からの光の正反射が起らない範囲であればよい。
ここで、上記構成のフットライト1の歩行者Mからの見え方について、光学体5は平板である場合と比較して図3(a)、(b)を参照して説明する。歩行者Mがフットライト1より高い同じ目線位置から見た場合とし、説明を簡単にするために、光学体5と光源3のみを示している。
図3(a)は、目線方向から外部より入射光60が光学体5に入射され、正反射された場合の光の進行状態を示す。ここでは、入射光60は、屈折面51に対し正反射角θ1を成して入射され、正反射角θ1と同じ反射角θ2で反射されて、正反射光61となって反射面52に入射される。このとき、歩行者Mは、屈折面51を見たとき、正反射光61により屈折面51に映り込んだ反射面52を見ると共に、反射面52の塗装膜54の色を見ることになる。なお、正反射角θ1および反射角θ2は、光学体5の材質により異なる。
従って、塗装膜54の色を変えることにより、屈折面51を見たときの色が変化される。ここでは、反射面52が黒塗装されており、歩行者Mには出射面53が黒く見えることになるので、消灯時に、筐体2内部の光源3や光源用電源(不図示)等の内蔵物が見え難くなる。また、屈折面51および出射面53は、それぞれ光源3からの光と正反射が起らない角度を成しているので、点灯時の光源グレアの発生が抑制される。また、反射面52は、光源3からの光が仮に入射されたとしても、その光は塗装膜54で吸収され反射されないので、上記と同様に、光源グレアの発生が抑制される。
図3(b)は、光学体5が通常の平板状の場合における入射光60の進行状態を示す。ここでは、光学体5は前記屈折面51のような傾斜面を持たないため、入射光60は光学体5内で殆ど全反射されず、透過光62となって筐体2内に透過される。従って、歩行者Mからは、消灯時に筐体2内の内蔵物が見えるようになり見栄えが悪くなり、点灯時は光源3の光が見え易いため、グレアが発生することになる。
ここで、歩行者Mの目線位置の違いによる上記フットライト1の消灯時の見え方について図4(a)至乃(c)を参照して説明する。
図4(a)は、歩行者Mがフットライト1より高い目線から開口4を見下ろす場合を示す。ここでは、歩行者Mの目線が高いので、開口4を通して光学体5の屈折面51を見たとき、入射光60は屈折面51と成す正反射角θ1が臨界角を超えて全反射され、透過光はなく正反射光61のみとなって、反射面52に入射される。従って、歩行者Mは屈折面51に映り込んだ黒色の反射面5を見ることとなる。このとき、歩行者Mが開口4から屈折面51と反射面5の両方を見た時、開口4全体が黒く見え、消灯時に筐体2の内蔵物が殆ど見えなくなるので、外観の見栄えが良い。
図4(b)は、歩行者Mの目線がフットライト1の略正面方向にある場合を示す。ここでは、歩行者Mは筐体2内を見たとき、入射光60は光学体5の出射面53と略直角を成し、屈折面51と成す角度は全反射の臨界角より小さくなっている。そのため、入射光60は、屈折面51で正反射される正反射光61と、屈折されて透過する透過光62とに分かれた状態となっている。このとき、歩行者Mは、屈折面51を見たとき、透過光62により筐体2の内蔵物が見えると共に、正反射光61により映り込んだ反射面52が同時に見えるので、筐体2内がはっきりと見えない。従って、正面から見たときも、筐体2の内蔵物は見え難くなる。
図4(c)は、歩行者Mの目線がフットライト1より低い位置にあり、下から見上げる場合を示す。ここでは、入射光60は光学体5の屈折面51と略直交を成しているため、歩行者Mは、消灯時に筐体2内の光源3等の内蔵物がはっきりと見えるようになる。なお、この状態は光源3からの光が床面方向に効率良く出射されることを意味する。
図5は、上記フットライト1が夜間等に点灯された状態を示す。ここでは、光源3からの光は光学体5の屈折面51から入射されると、光学体5内を透過し、出射面53から床面方向に向けて照射光70のように照射される。
ここで、屈折面51と出射面53は光源3からの光が照射方向に対してともに正反射が起らない角度となっているため、光源3からの照射光70が出射面53から床面方向に向けて反射が少なく効率良く照射される。このとき、歩行者Mからは反射面52が映り込んだ屈折面51と反射面52とが共に黒く見えることにより、開口4全体が黒く見え、光源3が見えないので、グレアがなく空間における照射光70だけが強調されて見えるようになる。
図6は、上記フットライト1の具体的実施例を示す。筐体2は、中空の矩形を成し、その前面の中央に開口4が形成されている。筐体2を壁100に埋め込んで取り付けるために、筐体2の前面側に矩形の枠部102が設けられている。枠部102が壁100の開口に嵌め込まれることにより、筐体2が壁100に固定される。
光源3は光源筐体内に収納される平面状のLED31で成り、LED31の光軸30が光学体5の屈折面51と略直交するように筐体2内に固定されている。また、光学体5は、光透過性のアクリル樹脂等のレンズ部材から成り、出射面53に沿って形成された矩形の突起55が筐体2内に形成された凹部に挿入されることにより筐体2に固定されている。また、屈折面51と反射面52は略直交し、反射面52は塗装膜54で黒色に塗装されている。
上記のように構成されたフットライト1においては、平面状のLED31を用いたことにより、LED31と屈折面51を接近させることができ、LED31から出射された光の殆どは、略真直ぐに屈折面51に入射されるので、光学体5へロスなく入射され、照射効率が良くなる。また、歩行者Mが高い目線から筐体2内を見たとき、塗装膜54による黒色の反射面52が屈折面51に映り込んで見える。
このように、本実施形態に係るフットライト1によれば、歩行者Mが筐体2の開口4を見たとき、屈折面51に不透過処理された反射面52が映り込むようにしたことにより、開口4を覆わなくとも、消灯時に、筐体2内を見え難くして外観の見栄えを良くすることができ、かつ、化粧カバー等で光源3が遮光されることがなくなるので、照射効率の低下を抑制することができる。また、点灯時においても、歩行者Mに光源3が直接目に入らず、光源グレアを抑制することができる。これにより、点灯時に光源グレアを抑制しフットライト1の器具の存在感を抑えつつ、フットライト光による床面照度を高める機能性と、消灯時に器具と建物との一体感を持たせつつ、外観の見栄えを良くする意匠性との両立を図ることができる。
また、塗装膜54の色を壁100と同色(例えば、ともに白色)にすることにより、昼間の消灯時には、歩行者Mが開口4から見える色が壁100に同化され、フットライト1と壁100が単一化されて見えるようにできる。これにより、フットライト1を独立した器具として見え難くして、その存在感をさらに抑えて意匠性をより良くすることができる。また、筐体2における開口4周りの前面フレームの幅を細くすることにより、器具の存在感を一層抑制することができる。
なお、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で適宜に種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、光学体5が一体物であるものを示したが、屈折面、反射面、出射面をそれぞれ有する個別のレンズ体で構成してもよく、また、三角柱形状に限られるものではない。
1 フットライト
2 筐体
3 光源
30 光軸
4 開口(光照射用開口)
5 光学体
51 屈折面
52 反射面
53 出射面

Claims (1)

  1. 光照射用開口を有する筐体と、前記筐体に収容される光源とを備え、前記光源からの光が前記光照射用開口を通して床面を照射するように前記筐体が壁に埋め込まれるフットライトにおいて、
    前記光源の光軸に略直交し、外部から前記光照射用開口を通して入射される光を屈折または反射する屈折面と、前記屈折面と略90度以上の角度を成し、前記屈折面で正反射された光が入射され、その光を反射する反射面と、光源からの前記屈折面を通して入射される光を前記光照射用開口を通して出射する出射面と、を有する光学体を備え、
    前記光学体の反射面は、光の不透過処理が施されていることを特徴とするフットライト。
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