JP5246116B2 - イオン交換樹脂の充填方法および電気再生式純水製造装置 - Google Patents

イオン交換樹脂の充填方法および電気再生式純水製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、イオン交換樹脂の充填方法および電気再生式純水製造装置に関するものである。
従来より、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置が提案されている。
ところで、上記の陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂は各脱塩室にそれぞれ充填されて収容されるが、イオン交換樹脂の充填は、各部屋に均一に充填されることが大切であり、脱塩室内では液の流れがショートパスするような空間を生じること無く、且つ電気的な偏りが生じることの無いことが求められる。
しかしながら、上記の要求を満足するようにして、直径0.3〜0.8mmのイオン交換樹脂を脱塩室内に充填することは、高度の熟練した技術を要し、相当な時間をも必要として経済的ではない。なお、上記のイオン交換樹脂は、官能基の保護や割れ防止の観点から、水分を含んだ膨潤状態で取り扱われ、上記の直径は膨潤状態における値である。因に、膨潤状態のイオン交換樹脂の含水率は、その種類によって異なるが、樹脂に対する値として通常30〜60重量%である。
そこで、上記の問題を解決したイオン交換樹脂の充填方法として、予め、イオン交換樹脂を含む氷状物を作製し、これを脱塩室に装着した後に解凍する方法が提案されている(特許文献1)。イオン交換樹脂を含む氷状物の作成は、具体的には、イオン交換樹脂に適量の水を加え、急激に凍らせることが可能な−20℃以下の冷凍庫に必要時間、すなわち、取扱上問題の無い程度の物理的強度を有する氷状物が得られるまで保存することによって行われる。
しかしながら、上記の方法では次のような問題がある。すなわち、水は固化する際に体積が増加し、液化する際に体積が減少する性質を有している。そのため、イオン交換樹脂の内部に吸蔵された水の体積増加によりイオン交換基が破損する恐れがあり、また、脱塩室内においては水の体積の増加・減少により空間を生じる恐れがある。加えて、−20℃以下に凍結された氷状物は強度が高いために脱塩室への装着時に脱塩室の壁面を構成するイオン交換膜を破損する恐れがある。
また、電気再生式純水製造装置は、高純度の純水を製造するための超純水製造システムに使用される場合、前処理装置としての逆浸透膜処理装置(RO装置)の後に組み込まれる。ところが、RO装置においては、解離し難いシリカや二酸化炭素などの弱電解質成分は、除去され難いため、そのまま電気再生式純水製造装置に供給されることとなる。そこで、弱電解質成分の除去効率を高めるため、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂の混合物を使用し、脱塩室における陽イオン交換樹脂に対する陰イオン交換樹脂の混合比率を高める方法が提案されている(特許文献2)。
特開平11−319498号公報 特開2004−73923号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂を充填する方法であって、前記の従来技術が有する欠点を克服したイオン交換樹脂の充填方法および当該充填方法を採用した電気再生式純水製造装置を提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記の電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂を充填する方法であって、弱電解質成分の除去効率を高めることが出来るイオン交換樹脂の充填方法および当該充填方法を採用した電気再生式純水製造装置を提供することにある。
すなわち、本発明の第1の要旨は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂を充填する方法であって、バインダーとして水溶性高分子を使用して成形した陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂成形物を脱塩室に充填し、この際、脱塩室の全充填面積に対し、陽イオン交換樹脂成形物の比率を0.25〜0.35、陰イオン交換樹脂の成形物の比率を0.65〜0.75とし、次いで、脱塩室に水を通水しバインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去することを特徴とするイオン交換樹脂の充填方法に存する。
そして、本発明の第2の要旨は、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置であって、脱塩室へのイオン交換樹脂の充填が上記の充填方法により行われていることを特徴とする電気再生式純水製造装置に存する。
本発明によれば、電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂を充填する方法であって、高度の熟練した技術を必要とせず、イオン交換樹脂の性能を損なうことなく、脱塩室の壁面を構成するイオン交換膜を破損する恐れがなく、しかも、各部屋に均一に充填することが出来るイオン交換樹脂の充填方法が提供される。また、本発明によれば、電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂を充填する方法であって、弱電解質成分の除去効率を高めることが出来るイオン交換樹脂の充填方法が提供される。
図1は電気再生式純水製造装置の一例の垂直縦断正面の全体略図である。 図2は脱塩室における陽イオン交換樹脂成形物および陰イオン交換樹脂成形物の充填態様の説明図である。
先ず、一般的な電気再生式純水製造装置について説明する。
電気再生式純水製造装置(1)の基本的構成は、陽極室(3)と陰極室(5)との間に陰イオン交換膜(61)および陽イオン交換膜(71)を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室(81)、(82)…および濃縮室(91)、(92)…から構成される。
すなわち、陰イオン交換膜(61)と陽イオン交換膜(71)とに挟まれて脱塩室(81)が構成され、同様にして陰イオン交換膜(62)と陽イオン交換膜(72)とに挟まれて第2の脱塩室(82)が形成される。この様にして図示の装置の場合は5個の脱塩室が形成されている。一方、陽イオン交換膜(71)と陰イオン交換膜(62)とに挟まれて第1濃縮室(91)が形成され、同様にして陽イオン交換膜(72)と陰イオン交換膜(63)とに挟まれて第2濃縮室(92)が形成される。この様にして図示の装置の場合は4個の濃縮室が形成されている。そして、上記5個の脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の混合物(M)がそれぞれ収容される。
5個の各脱塩室には、並行して被処理水(脱イオンされる水)を脱塩室側流入管(131)から供給する。処理水(脱イオンされた水)は脱塩室側流出管(132)から流出される。4個の濃縮室には、並行して被処理水を濃縮室側流入管(141)から供給する。各濃縮室に供給された被処理水は、濃縮されて濃縮水として濃縮室側流出管(142)から排出される。また、濃縮室への供給と同時に被処理水を陽極室側流入管(121)から陽極室(3)に、陰極室側流入管(123)から陰極室(5)にそれぞれ導入し、各々、陽極室側流出管(122)、陰極室側流出管(124)から排出される。
脱塩室および濃縮室を形成するためのイオン交換膜としては、通常の電気透析装置で採用されているものが使用され、例えば、商品名「セレミオン」(旭硝子社製)、「ネオセプタ」(トクヤマ社製)、「アシプレックス」(旭化成社製)等の市販品が挙げられる。
上記の脱塩室に充填されるイオン交換樹脂としては、通常の純水製造時の脱塩処理に使用されている陰イオン交換樹脂および陽イオン交換樹脂を使用することもできる。例えば、強酸性陽イオン交換樹脂としては、「ダイヤイオン(三菱化学(株)登録商標)SK1B」、「PK208」等、強塩基性陰イオン交換樹脂としては、「ダイヤイオンSA10A」、「PA316」等が挙げられる。
上記のイオン交換樹脂は、再生型および塩型の何れの型で使用してもよいが、水質の立ち上がりを早くするのには再生型を使用するのがよい。陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂とは、両者の交換容量が同じとなる量で使用される。なお、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の再生型混合樹脂としては、例えば、三菱化学(株)製の商品「SMT100L」等がある。
次に、本発明に係るイオン交換樹脂の充填方法について説明する。
本発明に係るイオン交換樹脂の充填方法は、前記のように構成される電気再生式純水製造装置の脱塩室に陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を充填する方法であって、バインダーとして水溶性高分子を使用して成形した陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の成形物(以下「イオン交換樹脂成形物」と略記する)を脱塩室に充填し、この際、脱塩室の全充填面積に対し、陽イオン交換樹脂成形物の比率を0.25〜0.35、陰イオン交換樹脂の成形物の比率を0.65〜0.75とし、次いで、脱塩室に水を通水しバインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去することを特徴とする。
上記の水溶性高分子としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール(以下PVAという)、ポリピニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。PVAは、その部分アセタール化物、4級アンモニウム塩等によるそのカチオン変性物、スルホン酸ナトリウム等によるそのアニオン変性物等の誘導体であってもよい。これらの中では特にPVAが好ましい。PVAは、ケン化度が98モル%以上で重合度が1000〜3500のものが好適である。
前記のイオン交換樹脂成形物の形状は、脱塩室に円滑に充填し得る限り特に制限されないが、一般的に、脱塩室の形状が縦長の長方形であり、縦300〜900mm、横130〜500mm、幅3〜10mmであることを考慮し、シート形状とされる。具体的には、脱塩室の形状と略同一のシート形状、また、当該シート形状を複数枚に裁断したのと同等の短冊形状とされる。実際的には、脱塩室の寸法より大型のシート形状のイオン交換樹脂成形物を得、これを上記のような適宜の寸法に裁断して使用する。また、シート形状のイオン交換樹脂成形物は、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂とで別々に作成してもよいし、両者を一緒にして混合樹脂として作成してもよい。
前記のイオン交換樹脂成形物の製造は次のように行うことが出来る。水溶性高分子は通常5〜15重量%の水溶液として使用される。濃度が5重量%未満の場合は、固化の際の乾燥に長時間を要し、濃度15重量%を超える場合は粘度が高すぎて所定形状への成形が困難となる。また、水溶性高分子の使用量は、膨潤イオン交換樹脂に対する割合として通常0.5〜5重量%である。使用量が0.5重量%未満の場合は樹脂成形物の形状維持が困難となり、使用量が5重量%を超える場合は経済的ではない。
先ず、所定量の水溶性高分子の水溶液と膨潤イオン交換樹脂とを秤量した後に両者を混合し、シート成形型枠に流延する。次いで、所定時間乾燥して水分を除去して固化する。乾燥温度は、膨潤イオン交換樹脂がその膨潤状態を適切に維持して安定に保持されるようにするため、通常30〜60℃である。また、乾燥の程度は、膨潤イオン交換樹脂がその膨潤状態を適切に維持されることを考慮し、使用した膨潤イオン交換樹脂および水溶性高分子水溶液の全体(換言すれば、シート状のイオン交換樹脂成形物)を基準とした残存水分量として、通常10〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。残存水分量が多過ぎる場合はシート状のイオン交換樹脂成形物の形状維持が困難となり、少な過ぎる場合はイオン交換脂成形物が硬くなり過ぎる恐れがある。
本発明においては、脱塩室の全充填面積に対し、陽イオン交換樹脂成形物の比率を0.25〜0.35、陰イオン交換樹脂の成形物の比率を0.65〜0.75にする必要がある。このように、脱塩室における陽イオン交換樹脂に対する陰イオン交換樹脂の混合比率を高めることにより、シリカや二酸化炭素などの弱電解質成分の除去効率を高めることが出来る。
本発明においては、任意の大きさに裁断できるイオン交換樹脂成形物を使用するため、脱塩室における上記の混合比率の調節は極めて容易に且つ種々の態様で行うことが出来る。図2中の(a)は、1組のイオン交換樹脂成形物を使用し、脱塩室における供給水入口側に陰イオン交換樹脂成形物(A)が位置し、供給水出口側に陽イオン交換樹脂成形物(C)が位置するように充填した例である。なお、図中のカッコ内の数字は脱塩室における混合比率を示す。
供給水出口側に陽イオン交換樹脂成形物(C)を配置することにより、脱塩室の入口からの一定の範囲においてカチオン成分(NaイオンやCaイオン)によるアルカリ領域が形成されるため、シリカや二酸化炭素などの弱電解質成分の解離が促進され、これらの除去効率が一層高められるという利点がある。図2中の(b)〜(d)は、2組以上のイオン交換樹脂成形物を使用した例であり、弱電解質成分の解離が繰り返し行われるという利点がある。図2中の(d)は、第1層目の陰イオン交換樹脂成形物(A)の比率を高めた例である。
本発明においては、上記のようにして電気再生式純水製造装置の脱塩室にイオン交換樹脂成形物を充填し、次いで、脱塩室に水を通水しイオン交換樹脂成形物のバインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去する。水溶性高分子を溶出除去するための水としては、図1に示す脱塩室側流入管(131)から供給する被処理水をそのまま使用することが出来るが、この場合、被処理水を加温して温水に変換することが好ましい。温水の温度は、通常50〜95℃、好ましくは75〜85℃である。温水の温度が50℃未満の場合は水溶性高分子を溶出除去するための時間が長くなり、温水の温度が95℃を超える場合は、熱エネルギー的観点から経済的でなく、また、イオン交換樹脂の性能劣化が生じる恐れがある。
イオン交換樹脂成形物のバインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去した後は、従来公知の方法と全く同様にして電気再生式純水製造装置を使用することが出来る。本発明に係るイオン交換樹脂の充填方法を採用した電気再生式純水製造装置は次のような特徴を有する。
すなわち、各脱塩室に陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が均一に充填されているため、液の流れがショートパスするような空間が無く、且つ電気的な偏りが生じ難い。加えて、イオン交換樹脂の性能が損なわれることが無く、脱塩室の壁面を構成するイオン交換膜が破損されることも無い。
次に、実施例および比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の諸例においてはSiO濃度0.4ppm、CO濃度2ppm、導電率4μS/cmのRO装置処理水を、電気再生式純水製造装置で処理した。
比較例1:
図1に示す様な構造を有する電気再生式純水製造装置であって、脱塩室が5室および濃縮室が4室から成る装置を使用し、実験を行った。脱塩室は、縦600mm、横130mm、幅8mmであり、濃縮室は、縦600mm、横130mm、幅2mmである。
陰イオン交換膜としては、セレミオンAMD[旭硝子(株)製、セレミオンは同社登録商標]を使用し、その寸法は、縦600mm、横130mmである。陽イオン交換膜としては、セレミオンCMD[旭硝子(株)製]を使用し、その寸法は、縦600mm、横130mmである。
陽極(21)及び(22)としては、チタンを板状にしたものに白金メッキを施したものを、陰極(41)及び(42)としては、SUS316を板状にしたものを使用した。陽極(21)及び(22)の寸法は、それぞれ、縦600mm、横130mmとした。陰極(41)及び(42)の寸法も同様に、それぞれ、縦600mm、横130mmとした。
脱塩室に充填するイオン交換樹脂としては、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の再生型混合樹脂(三菱化学(株)製の商品「ダイヤイオンSMT100L」:含水率50重量%)を使用した。
そして、湿潤状態の上記のイオン交換樹脂を脱塩室に充填した。イオン交換樹脂の充填は、脱塩室の室枠と他の部材との間にイオン交換樹脂が入り込むと種々の問題を惹起するため、細心の注意を払い次のように行った。すなわち、薬さじを使用し、少量ずつ充填し、脱塩室の室枠の高さと同じ高さまで充填した。
次いで、脱塩室流入管(131)から脱塩室に被処理水を2.8cm/秒の流速で供給し、20A/mの電流を流し、脱イオン通水試験を行った。処理水の導電率の変化が大きかったが、最終的に電気抵抗10MΩの脱イオン水が得られた。また、脱イオン水中のSiO濃度は0.16ppm、CO濃度は0.023ppmであった。運転停止後、電気再生式純水製造装置を解体して観察した結果、脱塩室の入口側(下部側)に隙間があることが確認された。
比較例2:
<シート成形型枠の作成>
550mm×970mmの大きさで厚さが1mmのSUS製パンチングメタル(孔径4mm、開口率30%)と同大きさで厚さが0.2mmステンレス製金網(孔径0.15mm、開口率37%)のステンレス金網とを用意し、パンチングメタルの上にSUS製金網を重ねた台座を作成した。そして、台座の金網に上記と同大きさのポリエステル製の濾布(NBC(株)社製の商品「T−NO90T」)を載せ、その上に、アルミ製の型材を使用し、500mm×950mmの大きさで厚さが8mmの成形型枠を設けた。型材の固定はポルト締めで行った。
<イオン交換樹脂(再生型混合樹脂)シートの作成>
比較例1で使用したのと同じ湿潤状態のイオン交換樹脂をその全体の重量が5重量%減少するまで堅型送風乾燥機内で乾燥した。一方、重合度2400、ケン化度が98モル%以上のポリビニルアルコールを水に溶解させて10重量%濃度の水溶液を調製した。
次いで、大型スパチュラを使用し、容器内にて、上記のイオン交換樹脂5130gとポリビニルアルコール水溶液823gとを5分間かけて目視にて均一になるように混合し、その後、直ちに、シート成形型枠の中に流し込んだ。流し込み量は前記の成形型枠の体積と同一量し、予め計算によって求めておいた。
次いで、成形型枠に流し込んだ混合物の上に前記と同じポリプロピレン製の濾布を載せ、その上から、直径50mmのSUS製ローラで加圧処理して平滑化した。その後、蓋として前記と同じSUS製金網とSUS製パンチングメタルとを順次に載せてポルト締めによって固定した。
次いで、堅型送風乾燥機内に上記の蓋付きシート成形型枠を水平に収納し、温度45℃、湿度30%以下(乾燥機内に導入する圧縮空気によって湿度調節)の条件下、時々、台座と蓋とが上下逆になるように操作し、イオン交換樹脂シート状の残存水分が40重量%となるまで乾燥した。
次いで、堅型送風乾燥機から上記の蓋付きシート成形型枠を取り出し、オン交換樹脂シート状を脱型し、ビニール製袋で2重に梱包し、平板状の重り(2.5kg)を載せ、室温まで放冷した。次いで、イオン交換樹脂シート状を取り出し、電気再生式純水製造装置の脱塩室にピッタリと充填し得る大きさに裁断して使用に供した。
<電気再生式純水製造装置の組立>
比較例1において、薬さじを使用して脱塩室にイオン交換樹脂を充填するのに代えて、
脱塩室に前記のイオン交換樹脂(再生型混合樹脂)シートを充填すること以外は、比較例1と同様にして電気再生式純水製造装置の組立を行った。イオン交換樹脂シートの脱塩室への充填は極めて容易に行うことが出来た。
次いで、脱塩室側流入管(131)から供給する被処理水を80℃に加温し、イオン交換樹脂シートのバインダーとして使用したポリビニルアルコールを溶出除去した。ポリビニルアルコールが完全に除去されたことの確認は、シーバス社製の全有機体炭素計「TOC−810型」を使用し、脱塩室流出管(132)から流出する処理水を分析することによって行った。
次いで、比較例1と同様に、脱塩室流入管(131)から脱塩室に被処理水を2.8cm/秒の流速で供給し、20A/mの電流を流し、脱イオン通水試験を行ったところ、電気抵抗17MΩの脱イオン水が得られた。また、脱イオン水中のSiO濃度は0.083ppm、CO濃度は0.01ppmであった。運転停止後、電気再生式純水製造装置を解体して観察した結果、脱塩室のイオン交換樹脂の充填状態は良好であり隙間などは確認されなかった。
実施例1:
先ず、比較例2において、陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の再生型混合樹脂(三菱化学(株)製の商品「ダイヤイオンSMT100L」:含水率50重量%)を使用する代わりに、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製の商品「ダイヤイオンSKT10」:含水率50重量%)と陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製の商品「ダイヤイオンSAT10」:含水率50重量%)とをそれぞれ使用した以外は、比較例2と同様に操作して各イオン交換樹脂シートを作成した。
次いで、比較例2において、イオン交換樹脂(再生型混合樹脂)シートを使用する代わりに、脱塩室の全充填面積に対し、陽イオン交換樹脂シートの比率が0.32、陰イオン交換樹脂シートの比率が0.68となるように裁断した各イオン交換樹脂シートを使用し、供給水の入口側に陰イオン交換樹脂シートが位置し、供給水の出口側に陽イオン交換樹脂シートが位置するように充填した以外は、比較例2と同様に操作して電気再生式純水製造装置の組立を行った。
次いで、比較例2と同様に、イオン交換樹脂シートのバインダーとして使用したポリビニルアルコールを溶出除去した後、脱塩室流入管(131)から脱塩室に被処理水を2.8cm/秒の流速で供給し、20A/mの電流を流し、脱イオン通水試験を行ったところ、電気抵抗18MΩの脱イオン水が得られた。また、脱イオン水中のSiO濃度は0.020ppm、CO濃度は0.004ppmであった。運転停止後、電気再生式純水製造装置を解体して観察した結果、脱塩室のイオン交換樹脂の充填状態は良好であり隙間などは確認されなかった。
1:電気透析槽本体
21:陽極
22:陽極
3:陽極室
41:陰極
42:陰極
43:共通陰極
5:陰極室
61:陰イオン交換膜
71:陽イオン交換膜
81:脱塩室
91:濃縮室
121:陽極室流入管
122:陽極室流出管
123:陰極室流入管
124:陰極室流出管
131:脱塩室流入管
132:脱塩室流出管
141:濃縮室流入管
142:濃縮室流出管
M:陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の混合物
A:陰イオン交換樹脂成形物
C:陽イオン交換樹脂成形物

Claims (6)

  1. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置の脱塩室に陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂を充填する方法であって、バインダーとして水溶性高分子を使用して成形した陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の成形物を脱塩室に充填し、この際、脱塩室の全充填面積に対し、陽イオン交換樹脂成形物の比率を0.25〜0.35、陰イオン交換樹脂の成形物の比率を0.65〜0.75とし、次いで、脱塩室に水を通水しバインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去することを特徴とするイオン交換樹脂の充填方法。
  2. イオン交換樹脂成形物が脱塩室の形状とほぼ同一形状である請求項1に記載のイオン交換樹脂の充填方法。
  3. 水溶性高分子がポリビニルアルコールである請求項1又は2に記載のイオン交換樹脂の充填方法。
  4. イオン交換樹脂成形物が含水成形物である請求項1〜3の何れかに記載のイオン交換樹脂の充填方法。
  5. バインダーとして使用した水溶性高分子を溶出除去するために脱塩室に通水する水の温度が50〜95℃である請求項1〜4の何れかに記載のイオン交換樹脂の充填方法。
  6. 陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室との間に陰イオン交換膜および陽イオン交換膜を交互に配列して順次形成される複数組の脱塩室および濃縮室から構成され、脱塩室には陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂が収容される電気再生式純水製造装置であって、脱塩室への陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂の充填が請求項1〜5の何れかに記載のイオン交換樹脂の充填方法により行われていることを特徴とする電気再生式純水製造装置。
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