JP5245673B2 - 高熱伝導性熱定着ロール又は熱定着ベルト - Google Patents

高熱伝導性熱定着ロール又は熱定着ベルト Download PDF

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Description

本発明は、高熱伝導性の熱定着ロール又は熱定着ベルトに関し、更に詳しくは、金属珪素粉砕粉末の高充填方法及び架橋前材料の低粘度化を実現した熱定着ロール又は熱定着ベルト用シリコーンゴム組成物を用いて形成された熱定着ロール及び熱定着ベルトに関する。
シリコーンゴムは、電気絶縁性、耐熱性、耐候性、難燃性に優れているため、家電・コンピューターなどの電気電子用、輸送機部品、OA機器や建築用途など、様々な分野で使用されている。特に、近年では、その耐熱性を生かして複写機やレーザービームプリンターのヒーターロール、加圧ロールなどの定着ロールの被覆材として用いられてきた。
また、近年においては、ベルト基材上にシリコーンゴム弾性層を有する定着ベルトが普及している。カラータイプの複写機やプリンターの増加に伴い、より鮮明な画像特性を得るため、ベルトには弾性層が必要と考えられている。また、省エネルギーの観点からは、この弾性層には高熱伝導率の特性が要求され、かつ低硬度、低圧縮歪の技術が要求される。
これらのベルトには高熱伝導性のシリコーンゴムの上にフッ素ゴム又はフッ素樹脂を被覆するタイプが多く採用されている。
また、ここで用いられる熱定着ロール又はベルト用のゴムには常時150〜250℃の高温にさらされるため、低圧縮永久歪が要求される。しかしながら、シリコーンゴム自体の熱伝導性は高くないため、高い熱伝導性を有するフィラーを添加する方法が一般的に行われている。このようなシリコーンゴムとしては、下記特許文献1〜6(特開昭58−219259号公報、特開平3−221982号公報、特開平10−39666号公報、特開2000−089600号公報、特許第3904853号公報、特許第3002642号公報)に用いられるようにシリコーンゴムに熱伝導性フィラーとして、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化珪素などが配合されているものである。しかしながら、熱伝導性を向上させるために多量の充填剤を配合することが必要になり、その結果、ゴムローラとして必要なゴム圧縮永久歪の悪化、耐熱性の低下や過度の充填剤の充填によってロール硬度が高くなってしまう、成形が困難になってしまう等の弊害があった。また充填材自身の粉体密度の高さから充填材の凝集や沈殿が問題となる事例があった。
そこで、本出願人は、特許文献7(特開2007−171946号公報)において、熱伝導性フィラーに金属珪素粉末を配合することにより、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久歪、低硬度等の特性を有し、熱定着ロール及びベルトとして利用した場合に長期間安定した定着性が得られるシリコーンゴム製高熱伝導性熱定着ロール及びベルトを提案した。
かかるシリコーンゴム組成物は、前述の従来技術の欠点が解消され、高熱伝導性、低圧縮永久歪等に優れるほか、組成物の密度が低いため硬化前組成物が沈殿、凝集しにくく、容易に成型、加工が可能な熱定着ロール及びベルトとして極めて好適な材料であるが、その後の検討によると金属珪素を高充填し、熱伝導率1.5W/m・K以上となると、熱伝導性の高いものが得られるが、反面、配合困難、硬化前組成物の粘度上昇、成型物の硬度上昇が顕著に見られる。
上記のように粉体をポリマーに高充填する方法としては平均粒子径が異なる2種以上の粉体を混合する細密充填構造とすることが知られており、特許文献8,9(特公平6−74350号公報、特開2008−120969号公報)に挙げられるような配合が紹介されているが、これらはいずれもアルミナ、酸化亜鉛等に用いられるもので金属珪素粉末用として開発されたものではない。また事務機、プリンター用トナー溶融定着ロール/ベルト用として必要な表面平滑性、定着性、印刷画像に最適化された粒子の記述はない。
特開昭58−219259号公報 特開平3−221982号公報 特開平10−39666号公報 特開2000−089600号公報 特許第3904853号公報 特許第3002642号公報 特開2007−171946号公報 特公平6−74350号公報 特開2008−120969号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性が高く、耐熱性、弾性率に優れた高熱伝導性熱定着ロール又は熱定着ベルトを提供することを目的とする。
本発明者らは、熱伝導性が高く、かつ耐熱性にも優れる材料について種々検討した結果、シリコーンゴム組成物に特定の粒度分布をもつ金属珪素粉末を配合することにより、より高充填が可能であり、かつ硬化前材料が低粘度であるため容易に成形可能であり、高熱伝導性で圧縮永久歪が低く、かつ耐熱性にも優れるシリコーンゴム硬化物が得られ、これが高熱伝導性で耐熱性に優れるため、各種複写機やプリンターの定着ロール及び定着ベルトとして有効に用いられることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有するか、又は該少なくとも1層のシリコーンゴム層の上に更にフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる高熱伝導性熱定着ロールであって、該少なくとも1層のシリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)平均粒子径が3〜12μmの金属珪素粉末であって、金属珪素粉末全体の質量(100%)に対して粒子径2.0μm以下の粒分が10〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が30〜60質量%である粒度分布をもつ金属珪素粉末
300〜800質量部、
(C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
を含有するシリコーンゴム組成物を硬化させてなるもので、その熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性熱定着ロールを提供する。
更に、本発明は、ベルト基材の表面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有するか、又は該少なくとも1層のシリコーンゴム層の上に更にフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる高熱伝導性熱定着ベルトであって、該少なくとも1層のシリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
(A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)平均粒子径が3〜12μmの金属珪素粉末であって、金属珪素粉末全体の質量(100%)に対して粒子径2.0μm以下の粒分が10〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が30〜60質量%である粒度分布をもつ金属珪素粉末
300〜800質量部、
(C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
を含有するシリコーンゴム組成物を硬化させてなるもので、その熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性熱定着ベルトを提供する。
本発明によれば、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久歪、低硬度等の特性を有するシリコーンゴム硬化物を与えるシリコーンゴム組成物を用いた、長期間安定した定着性が得られる定着部材(熱定着ロール、熱定着ベルト)を提供することができる。
本発明の(A)成分である高熱伝導性熱定着ロール又は熱定着ベルト用シリコーンゴム組成物のオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有し、室温で液状又は生ゴム状のジオルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(1)で示されたものを用いることができる。
1 aSiO(4-a)/2 (1)
式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.98〜2.01の範囲の正数である。ここで、上記R1で示される珪素原子に結合した非置換又は置換の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全R1の90モル%以上、特には95モル%以上、更にはアルケニル基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが好ましい。
また、R1のうち少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは炭素数2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中1.0×10-6〜5.0×10-3mol/g、特に5.0×10-6〜1.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないと、架橋が不十分で、ゲル状になってしまい、また5.0×10-3mol/gより多いと、架橋密度が高くなりすぎて、脆いゴムとなってしまうおそれがある。このアルケニル基は、分子鎖末端の珪素原子に結合していても、分子鎖途中(即ち、分子鎖非末端)の珪素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。分子量については、室温(23℃)で液状又は生ゴム状であり、重合度が50〜50,000が好ましく、より好ましくは80〜20,000の範囲である。
また、このオルガノポリシロキサンの構造は、基本的には主鎖が、例えば、ジメチルシロキサン単位、ジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルトリフルオロプロピルシロキサン単位、ビニルメチルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/21は式(1)の定義と同様)の繰り返しからなり、分子鎖両末端が、例えば、トリメチルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基、ビニルジフェニルシロキシ基、ビニルメチルフェニルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/21は式(1)の定義と同様)で封鎖された直鎖状構造を有するが、部分的には分岐状の構造、環状構造などであってもよい。
(B)成分は、本発明の組成物に熱伝導性を付与するための高熱伝導性無機粉体であり、本発明のシリコーンゴム組成物は、上記オルガノポリシロキサン(A)に高熱伝導性無機粉体として、金属珪素粉末(B)を配合したものである。金属珪素は良好な熱伝導性をもち、またモース硬度が低く、金属の特性として展性が低いため、高剪断を与えても金属粉自体が凝集しにくい特性をもつ。そのため、粉砕による微粒子化が容易で、ポリオルガノシロキサンヘの分散性に優れる特性をもつ。また、金属珪素粉末の表面には、ごく薄い自然酸化膜が形成され、形成された膜はガラスと同じで熱や酸や汚れに強く、電気が流れにくく、熱に安定である。
ここで、本発明に用いる金属珪素粉末の製造方法としては、特に限定されるものではないが、珪石を還元して金属珪素としたものをボールミル等既存の破砕機や粉砕器にて粉砕したもの、半導体製造工程等より発生する金属珪素(ウエハー)や切削くず等を原料として微粉化したものなど、粉砕法により粉末化したもの、金属珪素を高温で溶融したものを気相法で微粒子化し、冷却、固化して球状粒子としたものなどの球形金属珪素粉末(ここで“球状”又は“球形”とは、個々の粒子表面に鋭く尖ったエッヂ部分がない、なめらかな形状であることを意味するもので、通常、長径/短径の比率(アスペクト比)が1.0〜1.4、好ましくは1.0〜1.2程度のものを示す。)等が挙げられ、金属珪素の結晶構造については単結晶であっても多結晶であっても任意である。微粒子化した金属珪素粉末の純度は、特に限定されるものではないが、熱伝導性付与の観点から50%以上(即ち、50〜100%)が好適であり、より好ましくは80%以上(80〜100%)、更に好ましくは95%以上(95〜100%)であることが望ましい。純度の高い金属珪素粉末は表面の自然酸化膜に欠陥がなく、高温熱安定性が良好となる。
本発明に使用する金属珪素粉末の粒度分布は金属珪素粉末全体の質量(100%)に対して粒子径2.0μm以下の粒分が10〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が30〜60質量%である粒度分布をもつ金属珪素粉末であり、好ましくは粒子径2.0μm以下の粒子の粒分が15〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒子の粒分が30〜55質量%、より好ましくは粒子径2.0μm以下の粒子の粒分が20〜40質量%かつ粒子径7.0μm以上の粒子の粒分が35〜45質量%の粒度分布をもつ粉末がよい。
上記の粉末の粒度分布は、粒度分布測定における平均粒子径及び標準偏差をもって更に規定することができ、特に、平均粒子径が2〜20μmであり、かつ粒度分布における標準偏差値を平均粒子径で割った値(即ち、[標準偏差値(μm)]/[平均粒子径(μm)])が0.5〜2.0の範囲にある金属珪素粉末がよい。上記の粉末の粒度分布について、好ましくは平均粒子径が3〜15μm、かつ粉体分布の標準偏差値を平均粒子径で割った値が0.5〜1.5の範囲、より好ましくは平均粒子径が3〜12μm、かつ粉体分布の標準偏差値を平均粒子径で割った値が0.6〜1.2の範囲であることが望ましい。
平均粒子径が2μm未満の粒子は、製造が困難であると共に、多量に配合するのが困難となる場合があり、平均粒子径が20μmを超えると100μmを超える粗粒が混入し易く、ロールやベルトを薄層とした際に表面性能に問題が生じるおそれがある。
粉体分布の標準偏差を平均粒子径で割った値が0.5以下の場合は細密充填構造とならない場合があり、熱伝導性が低下したり、粉末の高充填が不可能であり、2.0を超えると100μmを超える粒子が多く混入するおそれがあり、ゴム強度の低下や粗粒混入の観点から不適当である。
更に、本発明における金属珪素粉末は100μm以上の粗粒が3.0質量%以下(即ち0〜3.0質量%)であることがよく、好ましくは1.0質量%以下(0〜1.0質量%)であり、より好ましくは0.5質量%以下(0〜0.5質量%)がよい。100μm以上の粗粒の混入は、本発明の熱定着ロール及び熱定着ベルトを作製した場合に表面が50μm以上の凹凸が発生してしまう場合があり、良好なトナー定着性能が得られない場合がある。また、熱定着ロール及び熱定着ベルトの肉厚を300μm以下の薄層タイプとした場合には、粗粒の粒子径が肉厚を上回る場合があり、顕著な凹凸が発生してしまい不適当である。
充填材の粒度分布をコントロールする手法としては、分級により希望する粒度のものを得ることができる。また、上記の粒度分布を有する金属珪素粉末は、分級品のブレンドにて入手が可能であり一般的である(大きい粒子径の分級グレードと小さい粒子径のもののブレンドにより粒度分布をコントロールする)。
なお、粒度分布測定における平均粒子径、標準偏差は、レーザー光回折法等による粒度分布測定装置を用いて、累積重量平均値D50(又はメジアン径)として求めることができる。
また、(B)成分の金属珪素粉末は、シリコーンゴム組成物の熱安定性や粉体の配合性の向上を目的として、シラン系カップリング剤又はその部分加水分解物、アルキルアルコキシシラン又はその部分加水分解物、有機シラザン類、チタネート系カップリング剤、オルガノポリシロキサンオイル、加水分解性官能基含有オルガノポリシロキサン等により表面処理されたものであってもよい。これら処理は、無機粉体自体を予め処理しても、あるいは(A)成分との混合時に処理を行ってもよい。
(B)成分の金属珪素粉末の配合量は、(A)成分100質量部に対し300〜800質量部である。150質量部未満ではシリコーンポリマーに対する金属珪素粉末の充填量が少なく、細密充填構造をとらずとも配合が容易で、当該シリコーンゴムのフィラー添加による硬度上昇も少ないため単一粒子径粉末の配合で十分であり、本発明の効果が十分に発揮できず、800質量部を超えると、粉末の配合が非常に困難となり、ゴム強度等の物性も著しく低下してしまう。
なお、本発明には、低圧縮永久歪や耐熱性を損なわない範囲で他の熱伝導性物質を併用してもよい。その場合は、(A)成分に配合した熱伝導性物質全体の体積率のうち50%以上が本発明の金属珪素粉末であることが望ましい。
他の熱伝導性物質としては、既知の物質が利用可能で、特に限定されるものではないが、具体的にはアルミナ、アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、グラファイト、繊維状グラファイト等が挙げられる。
本発明の(C)成分の硬化剤は、既知の付加反応による硬化剤又は有機過酸化物硬化剤である。
この場合、付加反応硬化剤は、(C−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと(C−2)付加反応触媒との組み合わせである。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)は、(A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンとヒドロシリル化付加反応により、組成物を硬化させる架橋剤として作用するものであり、下記平均組成式(2)
2 bcSiO(4-b-c)/2 (2)
(式中、R2は炭素数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基である。またbは0.7〜2.1、特に0.8〜2.0、cは0.001〜1.0、特に0.01〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0、特に1.0〜2.5を満足する正数である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個(例えば2〜300個程度)、好ましくは3個以上(通常、3〜200個程度)、より好ましくは3〜100個、特に4〜50個の珪素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが好適に使用される。
この珪素原子結合水素原子は、分子鎖末端の珪素原子に結合したものであっても、分子鎖途中(分子鎖非末端)の珪素原子に結合したものであっても、これらの両方に結合したものであってもよい。
ここで、R2としては、式(1)中のRlと同様の基を挙げることができるが、好ましくはアルケニル基等の脂肪族不飽和結合を有さないものがよい。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体などやこれらの例示化合物において、メチル基の一部又は全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基、フェニル基等のアリール基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基などで置換したもの等が挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中の珪素原子の数(又は重合度)は2〜1,000、好ましくは3〜500、より好ましくは3〜300、特に好ましくは4〜150程度のものを使用することができる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜50質量部、より好ましくは0.1〜30質量部、更に好ましくは0.3〜30質量部、特に0.3〜20質量部とすることが好ましい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基に対する(C−1)成分中の珪素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比が0.5〜5モル/モル、好ましくは0.8〜4モル/モル、より好ましくは1〜3モル/モルとなる量で配合することもできる。
付加反応触媒(C−2)は、(A)成分中の珪素原子に結合したアルケニル基と上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(C−1)のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するための触媒であり、この付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などの白金族金属触媒が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができるが、通常、白金族金属として(A)及び(C−1)成分の合計質量に対して0.5〜1,000ppm、特に1〜500ppm程度配合することが好ましい。
一方、有機過酸化物硬化剤(C−3)としては、有機過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物において、(A)成分の架橋反応を促進するための触媒として使用されるものであればよく、従来公知のものを使用することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、有機過酸化物硬化剤の添加量は触媒量であり、硬化速度に応じて適宜選択すればよいが、通常は(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜2質量部の範囲とすることができる。
また、本発明においては、上記付加架橋と有機過酸化物架橋とを併用してもよい。なお、液状オルガノポリシロキサン組成物の硬化には、付加架橋が推奨される。
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記成分に加えて、必要に応じ、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、溶融シリカ、焼成シリカ、ゾル−ゲル法の球状シリカ、結晶シリカ(石英粉)、ケイソウ土等のシリカ微粒子(なお、これらシリカのうち、特に溶融シリカ、結晶シリカは、他の熱伝導性物質としても作用する)、炭酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、二酸化チタンのような補強、準補強性の充填剤、補強剤となるシリコーン系のレジン、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤、チクソ性付与剤等を本発明の効果を損なわない範囲で任意に配合することができる。また、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させるための各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させる窒素化合物、ハロゲン化合物を添加混合してもよい。重合度が100以下の低分子量シロキサン、シラノール基含有シラン、アルコキシ基含有シラン等を分散助剤として添加してもよい。
また導電性材料を添加して導電性シリコーンゴム組成物とすることは任意である。導電性材料の種類、配合量は制限されないが、導電性カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉などが使用でき、また導電性材料は1種又は2種以上を併用してもよい。
これら熱伝導性無機粉体の混合方法は、常温でプラネタリーミキサーやニーダーなどの機器を用いて(A),(B)成分と混合してもよいし、あるいは100〜200℃の高温で混合してもよい。
熱処理を行う場合、例えば(A),(B)成分及び微粉状シリカ系充填剤等を予め混合してベースコンパウンドを調製しておき、これに各種添加剤、カーボンブラック粉などを同様に混練機で混合して調製してもよく、更には硬化剤を添加、混合しても差し支えない。
また、本発明のシリコーンゴム組成物は、粘度が5〜3,000Pa・s(23℃)であることが好ましく、より好ましくは、10〜1,000Pa・s(23℃)、最も好ましくは、20〜600Pa・s(23℃)である。また、本発明のシリコーンゴム組成物は、その硬化物の熱伝導率が1.0W/m・K以上、好ましくは1.5W/m・K以上、更に好ましくは2.0W/m・K以上であることが望ましい。なお、粘度値は回転粘度計BSタイプにより、熱伝導率は熱伝導率計(例えば、京都電子社製 迅速熱伝導率計QTM−3等)による値である。
このようにして得られた高熱伝導性シリコーンゴム組成物は、LIM射出機、金型加圧成形など、通常シリコーンが成型される種々の成形法によって必要とされる用途に成型することができ、その成型条件は別に限定されないが、100〜400℃で数秒〜1時間の範囲が好ましい。また、成型後に2次加硫する場合においては、150〜250℃で1〜30時間の範囲で2次加硫することが好ましい。
本発明の熱定着ロール及び熱定着ベルトは、芯金/ベルト上に上記シリコーンゴム組成物の高熱伝導性硬化物層を形成するものであるが、この場合、芯金やベルトの材質、寸法等は要求に応じて適宜選定し得る。また、シリコーンゴム組成物の成形、硬化法も適宜選定し得る。
例えばアルミニウム又はSUS芯金やベルト素材にポリアミド/ポリアミドイミドあるいは薄膜SUS、薄膜ニッケル電鋳を用いた基材に注入成形、移送成形、射出成形、コーティング等の方法によって成形でき、加熱により硬化される。シリコーンゴム層の外周に更にフッ素樹脂もしくはフッ素ゴム層を設けてもよい。この場合、フッ素樹脂もしくはフッ素ゴム層は、フッ素系樹脂コーティング材やフッ素系樹脂チューブなどにより形成され、上記シリコーンゴム層を被覆する。ここで、フッ素系樹脂コーティング材としては、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)のラテックスや、ダイエルラテックス(ダイキン工業社製、フッ素系ラテックス)等が挙げられ、またフッ素系樹脂チューブとしては、市販品を使用し得、例えばポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、フッ化エチレン−ポリプロピレン共重合体樹脂(FEP)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリフッ化ビニル樹脂等が挙げられるが、これらのうちで、特にPFA、PTFEのラテックスが好ましい。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
なお、実施例中の粘度は23℃において測定した値であり、部は質量部である。また、実施例中、シリコーンゴム組成物の評価は次のようにして行った。
ゴムシート
・硬さ JIS K 6249 タイプAデュロメーター
・放熱性(熱伝導率) 京都電子社製 迅速熱伝導率計QTM−3
・密度 JIS K 6249
・圧縮永久歪 JIS K 6249 180℃、22時間
粘度 TOKIMEC社製 回転粘度計BSタイプ
薄膜ゴム作製時の表面性
実施例、試作例にて得られた架橋剤入りゴム組成物100部に対して30部のキシレンを添加、溶解後、表面が平坦なSUS金属板にコーティングを行った。溶剤風乾後、120℃/30分で常圧熱気加硫(HAV)を行い、ゴムを硬化させた。硬化後、厚みは200±20μmとした。
その後、表面を光学顕微鏡で観察し20μm以上の凹凸が観察される場合は×、それ以下である場合を○とした。
また、実施例・比較例で使用した金属珪素粉末、アルミナは以下の通りである。
金属珪素粉末(1);粉砕法で作製され、粒子径2.0μm以下の粒子の質量%が24%、粒子径7.0μm以上の粒子の質量%が45%の粒度分布をもち、100μm以上の累計粗粒が0.3%である平均粒子径7.1μm、粒度分布標準偏差6.8μmの金属珪素粉末
金属珪素粉末(2);粉砕法で作製され、粒子径2.0μm以下の粒子の質量%が38%、粒子径7.0μm以上の粒子の質量%が36%の粒度分布をもち、100μm以上の累計粗粒が0.1%未満である平均粒子径5.7μm、粒度分布標準偏差3.4μmの金属珪素粉末
金属珪素粉末(3);粉砕法で作製され、粒子径2.0μm以下の粒子の質量%が7.2%、粒子径7.0μm以上の粒子の質量%が71%の粒度分布をもち、100μm以上の累計粗粒が3.5%である平均粒子径10.0μm、粒度分布標準偏差4.1μmの金属珪素粉末
金属珪素粉末(4);粉砕法で作製され、粒子径2.0μm以下の粒子の質量%が7.0%、粒子径7.0μm以上の粒子の質量%が26%の粒度分布をもち、100μm以上の累計粗粒が0.1%未満である平均粒子径5.1μm、粒度分布標準偏差2.5μmの金属珪素粉末
※標準偏差の調整は、粒度分布の異なる数種類の混合や分級にて達成した。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(重合度500)60部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、側鎖にビニル基を持つジメチルポリシロキサン(重合度300、ビニル価0.000075モル/g)40部、比表面積が110m2/gである疎水化処理されたヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製R−972)1部、平均粒子径0.10μmの酸化鉄(Fe23)2部、金属珪素粉末(1)300部をプラネタリーミキサーに入れ、室温(23℃)で1時間撹拌を行った。この混合物を3本ロールにかけて充填剤の分散を行った後、再びプラネタリーミキサーに戻し、両末端及び側鎖にSi−H基を有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(重合度17、Si−H量0.0038mol/g)を1.0部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部、白金触媒(Pt濃度1質量%)0.1部を添加し、15分撹拌を続けてシリコーンゴム組成物を得た。上記シリコーンゴム組成物は撹拌直後に回転粘度計にて粘度測定を行った。
このシリコーンゴム組成物を120℃で10分間プレスキュアし、更に200℃で4時間オーブンキュアを行った後、硬さ及び180℃/22時間後の圧縮永久歪を測定した後、厚さ12mmのシートについて、熱伝導率を測定した。
更に、このサンプルを230℃のオーブンに144時間放置後、硬度を測定し、耐熱劣化度合いを確認した。
[実施例2]
金属珪素粉末(1)の代わりとして、金属珪素粉末(2)を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[実施例3]
金属珪素粉末(1)の配合量300部を400部に増量した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[実施例4]
金属珪素粉末(2)の配合量300部を400部に増量した以外は実施例2と同様にして調製したシリコーンゴム組成物を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[比較例1]
金属珪素粉末(1)の代わりとして、金属珪素粉末(3)を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物を用いてサンプルを作製し、データを得た。
[比較例2]
金属珪素粉末(1)の代わりとして、金属珪素粉末(4)を配合した以外は実施例1と同様にして調製したシリコーンゴム組成物を用いてサンプルを作製したが、組成物がパテ状となってしまったため回転粘度計にてデータを取得することができなかった以外は同様にデータを得た。
[比較例3]
実施例1において、金属珪素粉末(1)の代わりにアルミナ(昭和電工(株)製AS40、粒子径2.0μm以下の粒子の質量%が0.2%、粒子径7.0μm以上の粒子の質量%が84%の粒度分布をもち、100μm以上の累計粗粒が0.1%未満である平均粒子径12.0μm、粒度分布標準偏差3.4μm)を用いた以外は同様にシリコーンゴム組成物を調製し、データを得た。
Figure 0005245673
※1 粉体を金属珪素に変えてアルミナを使用
※2 配合物がパテ状となってしまい粘度測定不可能。
以上の結果より、本発明のシリコーンゴム組成物(実施例)は、硬化前のゴム組成物の粘度が低く、熱伝導性及び耐熱性に優れ、また圧縮永久歪が低く、熱定着ロールや熱定着ベルト用の高熱伝導性シリコーンゴムとして優れた特徴をもつことがわかる。

Claims (10)

  1. ロール軸の外周面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有するか、又は該少なくとも1層のシリコーンゴム層の上に更にフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる高熱伝導性熱定着ロールであって、該少なくとも1層のシリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)平均粒子径が3〜12μmの金属珪素粉末であって、金属珪素粉末全体の質量(100%)に対して粒子径2.0μm以下の粒分が10〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が30〜60質量%である粒度分布をもつ金属珪素粉末
    300〜800質量部、
    (C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
    を含有するシリコーンゴム組成物を硬化させてなるもので、その熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性熱定着ロール。
  2. (B)成分の金属珪素粉末の粒度分布において、粒子径2.0μm以下の粒分が20〜40質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が35〜45質量%であると共に、粒度分布測定における標準偏差を平均粒子径で割った値が0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の高熱伝導性熱定着ロール。
  3. シリコーンゴム組成物の粘度が168〜880Pa・s(23℃)である請求項1又は2記載の高熱伝導性熱定着ロール。
  4. (C)成分の硬化剤が(C−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと(C−2)付加反応触媒との組み合わせであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の高熱伝導性熱定着ロール。
  5. (C)成分の硬化剤が(C−3)有機過酸化物硬化剤であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の高熱伝導性熱定着ロール。
  6. ベルト基材の表面に少なくとも1層のシリコーンゴム層を有するか、又は該少なくとも1層のシリコーンゴム層の上に更にフッ素樹脂層もしくはフッ素ゴム層が形成されてなる高熱伝導性熱定着ベルトであって、該少なくとも1層のシリコーンゴム層を形成するシリコーンゴムが、
    (A)一分子中に少なくとも2個の珪素原子と結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)平均粒子径が3〜12μmの金属珪素粉末であって、金属珪素粉末全体の質量(100%)に対して粒子径2.0μm以下の粒分が10〜50質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が30〜60質量%である粒度分布をもつ金属珪素粉末
    300〜800質量部、
    (C)上記(A)成分を硬化しうる量の硬化剤
    を含有するシリコーンゴム組成物を硬化させてなるもので、その熱伝導率が2.0W/m・K以上であることを特徴とする高熱伝導性熱定着ベルト。
  7. (B)成分の金属珪素粉末の粒度分布において、粒子径2.0μm以下の粒分が20〜40質量%であり、かつ粒子径7.0μm以上の粒分が35〜45質量%であると共に、粒度分布測定における標準偏差を平均粒子径で割った値が0.5〜2.0の範囲にあることを特徴とする請求項記載の高熱伝導性熱定着ベルト。
  8. シリコーンゴム組成物の粘度が168〜880Pa・s(23℃)である請求項又は記載の高熱伝導性熱定着ベルト。
  9. (C)成分の硬化剤が(C−1)オルガノハイドロジェンポリシロキサンと(C−2)付加反応触媒との組み合わせであることを特徴とする請求項のいずれか1項記載の高熱伝導性熱定着ベルト。
  10. (C)成分の硬化剤が(C−3)有機過酸化物硬化剤であることを特徴とする請求項のいずれか1項記載の高熱伝導性熱定着ベルト。
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