JP5245274B2 - タール又はタールエマルジョンからの水除去方法、タールエマルジョンのタール化方法、及びタール中の含水率低減方法 - Google Patents

タール又はタールエマルジョンからの水除去方法、タールエマルジョンのタール化方法、及びタール中の含水率低減方法 Download PDF

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Description

本発明はタール又はタールエマルジョンからの水除去方法、タールエマルジョンのタール化方法、及びタール中の含水率の低減方法に関する。
コークス炉から発生した高温(500〜600℃)のガス(Coke Oven Gas:以下「COG」という)は、タール成分を含有している。タール成分は、ドライメーンで安水フラッシングにより80〜85℃に冷却される際に凝縮し、安水と共にタールデカンターに回収される。また、軽質なタールはプライマリークーラーやタール抽出器、電気集塵器より回収されデカンターに送られる。
タールデカンターでは、その設備での滞留の間に安水、タールとタールスラッジに分離され、安水はCOG冷却の為循環され、スラッジは排出用スクレーパーによってタールデカンター底部に堆積したスラッジを数時間毎に掻き出し、タールは次工程へ移送される。
タールデカンターを出たタールは、若干のスラッジと水分を含んでおり、スラッジは遠心分離機でできるだけ除去される。タール中の水分は、通常約3重量%から多い場合は約10重量%の水分を含んでいる。この水分には少量のアンモニウム塩が含まれ、装置腐食の原因となり、また蒸留時に突沸現象を生じたり、泡立って精留を妨げたり、高い蒸気圧を示して圧力制御を困難にしたりする。また、燃料消費が増大するため、予めできるだけ水分を除去しておく必要がある。
通常、タールはタンクに一時貯蔵されるが、その際、タンク中にはタールエマルジョン層が長時間存在する。この為、含水率の高いタールエマルジョンがタール蒸留プラントの初工程の脱水設備へ供給されると、脱水設備の能力不足により脱水が不十分となり、更にその次工程である加熱装置にて突沸現象を起こし、運転が継続できない状態となる。この為、通常、タール蒸留プラントへ供給するタール中の最大含有水分は、4重量%で管理をしている。この水分含有率の管理対策として、界面活性剤(エマルジョンブレーカー)を添加し、タールエマルジョンをタール相と水相に分離促進せしめ、タールエマルジョンを低減している。
しかしながら、タールエマルジョンの発現については、そのメカニズムが解明されておらず、これによる低減策としては、界面活性剤の注入量を増減させ、経験的な方法としてタールタンク中の加温を上限値で管理する等の対処を実施しており、ユーティリティーコストの負担を増加している(非特許文献1)。
芳香族及びタール工業ハンドブック(第3版):社団法人日本芳香工業会(編集・発行)P64〜74
タール又はタールエマルジョン中の含水率を低減する方法が求められていた。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去することにより、タールと水を相分離できることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(6)に存する。
(1) タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタール又はタールエマルジョンから水を相分離し、除去することを特徴とする、タール又はタールエマルジョンからの水低減方法。
(2) タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物濃度が110ppm以下になるまでアンモニア化合物を除去する上記(1)に記載の方法。
(3) タール又はタールエマルジョンが、コークス炉から出るタールから生じるエマルジョンである上記(1)又は(2)に記載の方法。
(4) 沸点100℃以下のアンモニア化合物の除去方法が、ストリッピング法、水抽出法、酸添加法又は加熱処理法いずれかである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) タールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタールエマルジョンから水を相分離し、除去することを特徴とする、タールエマルジョンのタール化方法。
(6) タール中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタールから水を相分離し、除去することを特徴とする、タールの含水率低減方法。
本発明により、界面活性剤を添加する事なくタール又はタールエマルジョン中の水を低減することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されない。以下、その詳細について説明する。
本発明のタール又はタールエマルジョン中からの水の低減方法は、タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物(以降、フリーアンモニア化合物と称する)を除去することによりタール又はタールエマルジョンから水を相分離し、該水を除去することを特徴とする。
本発明におけるタールとは、コールタールであり、石炭を原料として産出する液体で、普通は石炭の乾留によってコークス及びガスを製造する際に副産物として得られる黒色の粘ちょうな液体である。具体的には、コークス炉から発生した高温(500〜600℃)のガスをドライメーンで安水フラッシングにより80〜85℃に冷却される際に凝縮し、安水と共にタールデカンターに回収される黒色の液体が挙げられる。通常、タールは水を含有し、本発明は水を1重量%以上含有するタールに対して特に効果的である。
また、タールエマルジョンとは、水を多く含有するタールであって、気相のない密閉状態で油水相分離しないものを指し、長時間静置しても油水分離がされない状態の混和物をいう。具体的には、タール中に水が微小液滴状に分散している状態や水中にタールが微小液滴状に分散している状態が挙げられる。
厳密なタールエマルジョンの定義はなく、一般にタールとタールエマルジョンの境界に関する定義はないので、本発明においては、含水率10重量%未満をタール、含水率10重量%以上をタールエマルジョンとし、タールとタールエマルジョンの総称をタール類とする。本発明におけるタールであれ、タールエマルジョンであれ、本発明は水を含有するタール類に対して有用である。
なお、本願における含水率は、共沸蒸留法(JIS−K−2425)で測定することができる。なお、測定の際に用いる試薬として、トルエン、キシレン、ソルベントナフサを脱水したものを使用することができるが、通常、ソルベントナフサを脱水したものを使用する。
本発明におけるタールエマルジョンは、通常、含水率は10重量%以上、好ましくは40重量%以上であり、通常70重量%以下、好ましくは60重量%以下である。
本発明におけるタールエマルジョンは、より具体的には、図−1に示す様に、コークス炉へ石炭を充填し、加熱した際に得られるCOGガスを高圧安水にてタールと水を凝縮・液体化させ、タールデカンターに送る。タールデカンターでは、一定時間静置され、タールデカンターの液面上部は安水、下部にはタール、最下部にはスラッジと比重差によって分かれる。タールエマルジョンは、安水とタールの境目に存在しており、一見すれば、タール色の様な黒褐色でも含有水分は数十重量%存在している場合があり、見ただけではタールリッチ流体なのか水リッチ流体なのか判別しにくい。
発明におけるフリーアンモニア化合物にはアンモニアも含まれ、沸点が100℃以下の化合物を意味する。具体的には、アンモニア、炭酸アンモニウム、硫化アンモニウム、シアン化アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、硫化水素アンモニウム等が挙げられ、通常タールと水の混和物に混入している。
タール類からフリーアンモニア化合物を除去する方法としては、不活性ガスによるストリッピング法、加熱法、水抽出法、酸添加法が挙げられ、ユーティリティーコストや建設仕様の簡便さ或いは建設費用の削減という観点から、ストリッピング法+加熱法の複合法が好ましい。
不活性ガスによるストリッピングにより、タール類のフリーアンモニア化合物を除去する場合には、ストリッピング塔において、不活性ガスとタールを混合状態におき、気液平衡によって、フリーアンモニア化合物を気体側(不活性ガス側)に平衡移動させればよい。不活性ガスとして簡便に取り扱うことができるものとしては、空気、窒素ガス、炭酸ガス、COGガス等があり、蒸気も不活性ガスの一種として取り扱うことができる。
不活性ガスによるストリッピング法+加熱法の複合法におけるラボテスト操作条件の一例を実施例1に記載する。又、ベンチテスト操作条件の一例を実施例2に示す。
水抽出法においては、タールエマルジョンに水を加えることで、フリーアンモニア化合物を水側に抽出せしめ、その水を粗分離し、更に水を加えるといった操作を繰り返すことで、フリーアンモニア化合物を低減し、タールと水を相分離する方法である。この検証実験を実施例3に示す。
酸添加法においては、酸を添加することで、フリーアンモニア化合物を、より結合力のあるアンモニア化合物にすることで、沸点100℃以上のアンモニア化合物にせしめ、タールエマルジョン発現物質であるフリーアンモニア化合物を低減し、タールと水を相分離する方法である。この検証実験を実施例4に示す。
次に、タールエマルジョンの発現物質がフリーアンモニア化合物であるという検証実験も行っている。
まず、上記方法において油水分離された2相の液体中に、タールエマルジョン発現物質であるフリーアンモニア化合物を添加することでタールエマルジョンが発現するか検証を行った。添加物は、アンモニアガスをバブリングし、溶液の総重量を測定して添加率を求めた。その検証実験の一例を実施例5に示す。
又、別の検証実験として、苛性ソーダを添加する実験も行っている。これは、タールエマルジョンの発現には寄与していない沸点100℃以上のアンモニア化合物(例えば塩化アンモニウムなど)が、苛性ソーダを添加することで、強固な塩化物を構成し、その結果、アンモニアイオンが遊離することで、タールエマルジョンが発現するのではないかというメカニズムである。その検証実験の一例を実施例6に示す。
本発明においては、フリーアンモニア化合物をタール類中から除去すれば、タール類をタール相と水相の二相に分離することができる。通常、フリーアンモニア化合物の濃度を110ppm以下、特に好ましくは50ppm以下まで除去すればよい。タールと水の混合物中のフリーアンモニア化合物を除去する下限は特にないが、通常10ppm以上である。
上記のタールと水の混合物中におけるフリーアンモニア化合物の濃度は、蒸留試験による中和滴定によって求めることができる。具体的には、試料20gに水70g混合させた試料を蒸留し、留出している液を0.25mol−NAOH溶液に常時加えた状態でNH3を取り込み、試料量が全体量の約90%留出した時点で蒸留を停止する。留出した液を取り込んだ0.25mol−NaOH溶液に、0.5mol−NaOHを滴定し、中和になった時点でNH換算する。
タールから相分離した水は、通常、タールタンクで静置される際に上部に滞留する為、タールタンク側板に設けられた水抜きコックより抜き出すことができる。具体的には、図−2に示す様に、タールデカンター槽にて一定時間静置される為、デカンター内の上部に滞留した水を粗分離することができ、且つ、タールタンクで側板に設けられた水抜きコックが30cmおきに設置されているので、水のみを抜き出すことができる。
以下本発明を実施例により、より詳細に説明するが、本発明は何らこの実施例に限定されるのもではない。
<参考例1>
(タールエマルジョンの水分測定方法)
実機タールデカンターの抜出ノズルから、タールエマルジョンを抜き出し、ジャケット付き5L溶解槽に仕込み、ジャケット内の水温が70℃になるまで300rpmの攪拌をしながら昇温する。その後、ジャケット内の水温が70℃に達した時点で700rpm×30分間攪拌し、攪拌しながら底抜きノズルより試料を抜き出し水分を測定する。水分測定は、共沸蒸留法(JIS−K−2425)で測定をおこなった。試薬は、トルエン、キシレン、ソルベントナフサを脱水したものを使用するが、本測定では、ソルベントナフサを脱水したものを使用した。
<実施例1>
(タールエマルジョンの油水分離方法 ストリッピング法+加熱法ラボテスト)
参考例1と同様に調整した試料を抜き出し、丸底フラスコに仕込む。仕込んだ丸底フラスコをオイルバスに浸し、オイルの温度が120℃なるまで加熱する。試料は攪拌装置の中に入れて、200〜300rpmで常時攪拌し、窒素150l/minの流量で常時試料にバブリングする。発生した軽沸ガスは冷却コンデンサーで冷却した液体は元の丸底フラスコに戻して全還流とする。加熱する時間は、15分間から2時間の範囲で行い、加熱温度は液体温度で90℃から104℃の範囲で行った。いずれの実験も、圧力は常圧(大気圧)で行った。
加熱作業が終了したら、試料全量をジャケット付き油水分離容器に移し替え、攪拌回転数を500rpm設定で攪拌しながら70℃まで徐々に冷却する。70℃まで冷却したら、攪拌回転数を700rpmに設定して30分攪拌し静置する。静置は、1時間行い室温で放置する。1時間後、再び100rpmで攪拌しながら70℃に加温し、試料内の温度が70℃に達したら700rpm×30分間攪拌し、3時間静置する。3時間静置中は70℃保温し、その後容器底部の抜き出しサンプルノズルから試料を少量抜き出し、水分の測定を行う。
これらの実験結果を表−1に示す。この結果から、タールエマルジョン(含水率:22 wt%、23 wt%)が油水分離をし、タールエマルジョン中の含水率が低減されていることがわかる。又、ベンチテストの結果では、加熱する温度が高い方ほど油水分離が促進されており、処理時間(=窒素バブリング時間)を長くした方が、更に油水分離が促進される結果となった。
<実施例2>
(タールの油水分離方法 ストリッピング法+加熱法 ベンチテスト)
ベンチテスト装置の概要を図−3に示す。実機タールデカンターから抜き出した払出し配管よりタールを分岐し、ベンチテスト装置にフィードさせた。ストリッピング塔の設計は、1T/Hで設計し、ストリッピングする気体とタールを気液接触する方法として、充填物であるラシヒリングを使用した。ストリッピングする気体は、窒素と蒸気の2種類フィードする様に設計した。塔で処理されたタールは、ポンプアップして実機タールデカンターのサクション配管に戻す様に設計した。塔での条件が安定した時点でサンプリングする為に払出し配管の途中から分岐してサンプリング容器を設置した。サンプリング容器は、実機タールタンクをイメージして作製し、二重構造で常時加温ができる仕様にし、容器側板に抜き出しコックを取り付けて、容器の高さによってタールの含水率が変化しているかどうか採取できる構造にした。
払出したタールは、一部入口へ戻してストリッピングの気液通過時間を延長できる様に循環ラインを設置した。
ベンチテストでの運転条件の一例を表−2に示す。その結果、採取した試料の含水率とフリーアンモニア化合物濃度の結果を図−4 に示す。実機で連続移送しているタールの含水率低減にも効果が現れていることがわかる。
<実施例3>
(タールエマルジョンの油水分離方法 水抽出法)
参考例1と同様に調整した試料を抜き出し、ジャケット付き300ml油水分離容器に移し替え、攪拌回転数を500rpm設定で攪拌しながら70℃まで徐々に冷却する。70℃まで冷却したら、攪拌回転数を700rpmに設定して30分攪拌し3時間静置する。3hr静置中は70℃保温し、その後容器底部の抜き出しサンプルノズルから試料を少量抜き出し、ブランクとしての水分測定を行う。
次に、容器上部に分離した水をスポイドで抜き出し、油相のみ容器に残す。そこへ、脱塩水を容器いっぱいになるまで加え、攪拌回転数を700rpmに設定して30分攪拌し3時間静置する。3hr静置中は70℃保温し、その後容器底部の抜き出しサンプルノズルから試料を少量抜き出し、水分測定を行う。この操作を繰返し行い、水分の変化を観察する。この結果を表−3に示す。この結果より、新しい水を混入・除去を繰り返すことで、タール中の含水率が低減していることがわかる。
<実施例4>
(タールエマルジョンの油水分離方法 酸添加法)
実機タールデカンターの抜出ノズルから、タールエマルジョンを抜き出し、予め70℃に設定していたウォーターバスでサンプル容器ごと20分間均一に粗攪拌し、ブランクとなる水分を測定する為の試料を採取する。次に、110mlスクリュー管瓶に試料を70gずつ小分けし、それぞれ濃度が違う塩酸水溶液25mlを加える。その後、振盪器にかけて300r/min×1時間攪拌する。攪拌終了後、予め70℃に設定していたウォーターバスで20分間加温し、遠心分離器で2500rpm×30分間かけ、油水分離を促進する。得られた試料の水相のみをスポイドで抜き出し、水相の重量を測定することで油水分離がなされているか検証した。この結果を表−4に示す。この結果より、酸を添加するとタールエマルジョン中の含水率が低減していることがわかる。
<実施例5>
(タールエマルジョンの発現実験方法 アンモニア添加)
参考例1と同様に調整した試料を抜き出し、ジャケット付き300ml油水分離容器に移し替え、攪拌回転数を500rpm設定で攪拌しながら70℃まで徐々に冷却する。70℃まで冷却したら、攪拌回転数を700rpmに設定して30分攪拌し3時間静置する。3hr静置中は70℃保温し、その後容器底部の抜き出しサンプルノズルから試料を少量抜き出し、ブランクとしての水分測定を行う。
参考例1と同様に調整した試料を再度抜き出し、サンプル瓶の中に仕込む。その液体にアンモニアボンベよりアンモニアガスをバブリングして添加させる。添加中は、常時重量を測定し、試料の重量換算で2%増加するまで添加を継続する。重量が2%増加した時点で、ジャケット付き油水分離容器に移し替え、ブランク品と同様の条件で攪拌・3時間静置を行い、分離状況を確認及び油水分離容器底部から抜き出した試料の水分測定を行う。この水分結果を表−5に示す。
<実施例6>
(タールエマルジョンの発現実験方法 苛性ソーダ添加)
タールエマルジョンの発現原因である、沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去したタール(含水率1.1重量%)に苛性ソーダを添加して、タールエマルジョンが発現するか検証をおこなった。この発現メカニズムは、タールエマルジョンの発現には寄与していない沸点100℃以上のアンモニア化合物(例えば塩化アンモニウムなど)が、苛性ソーダを添加することで、強固な塩化物を構成し、その結果、アンモニアイオンが遊離することでタールエマルジョンが発現するのではないかと考えた。下記にその反応式を示す。
反応式:NH4CL + NaOH → NaCL + NH3+ + OH
実施例1と同様に操作した試料を使い実験を行った。元となるタールエマルジョンの含水率は55.9重量%であり、加熱時間は1hr、加熱温度はフラスコ内の液温で108℃であった。3hr静置させた後、沈降した底部のタール相における含水率は、1.1重量%になった。この試料に、苛性ソーダを5N−8ml(5333ppm)滴下し、70℃攪拌×0.5hrして3hr静置すると、容器底部試料の含水率は33重量%に増加し、タールエマルジョンが発現した。
Figure 0005245274
[表2]
<運転条件>
イ)入口流量:0.58T/H
ロ)循環流量:0.16T/H
ハ)塔装入量:0.74T/H
ニ)ストリッピング種:蒸気(圧力:絶対圧1MPa)
ホ)ストリッピング流量:44kg/H
ヘ)塔底液体温度:99℃
ト)塔入口液体温度:89℃
チ)払出し流量:0.58T/H
リ)運転時間:30min
[表3]
イ)処理前のタール含水率(ブランク品): 3.0 wt%
ロ)水注入後のタール含水率(1回目) : 2.3 wt%
ハ)水注入後のタール含水率(2回目) : 2.3 wt%
ニ)水注入後のタール含水率(3回目) : 1.1 wt%
[表4]
イ)処理前の含水率(ブランク品) : 42 wt%
ロ)処理前のフリーアンモニア濃度 : 1000 w/w ppm
ハ)フリーアンモニア濃度1000ppm相当の塩酸濃度を添加した油相中の含水率 :35 wt%
ニ)フリーアンモニア濃度3000ppm相当の塩酸濃度を添加した油相中の含水率 :36 wt%
ホ)フリーアンモニア濃度3000ppm相当の塩酸濃度を添加した油相中の含水率 :22 wt%
[表5]
イ)処理前の含水率(ブランク品) : 5.1 wt%
ロ)アンモニア添加した油相中の含水率 :55.5 wt%
コークス炉からタールデカンタまでのプロセスフロー コークス炉から蒸留プラントまでのプロセスフロー ベンチテスト装置の概略図 実施例2におけるタンク中の含水率とフリーアンモニア濃度

Claims (6)

  1. タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物濃度が110ppm以下になるまで該タール又はタールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタール又はタールエマルジョンから水を相分離し、除去することを特徴とする、タール又はタールエマルジョンからの水低減方法。
  2. タール又はタールエマルジョンが、コークス炉から出るタールから生じるエマルジョンである請求項1に記載の方法。
  3. 沸点100℃以下のアンモニア化合物の除去方法が、ストリッピング法、抽出法又は加熱処理法いずれかである請求項1又は2に記載の方法。
  4. 沸点100℃以下のアンモニア化合物の除去方法が、不活性ガスによるストリッピング法と加熱処理法との複合法であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. タールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物濃度が110ppm以下になるまで該タールエマルジョン中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタールエマルジョンから水を相分離し、除去することを特徴とする、タールエマルジョンのタール化方法。
  6. タール中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物濃度が110ppm以下になるまで該タール中に含有する沸点100℃以下のアンモニア化合物を除去してタールから水を相分離し、除去することを特徴とする、タールの含水率低減方法。
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