JP5245126B2 - 駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、駆動装置に関し、特に形状記憶合金を備えた駆動装置に関する。
近年、様々な駆動装置に形状記憶合金(以下、SMAとも記する)を備えたアクチュエータを用いることが試みられている。SMAは、チタンとニッケルの合金等に代表され、変態点と呼ばれる温度以下で変形しても、その温度以上に加熱すると、マルテンサイト変態によって元の形状に回復する性質を持った合金である。通常、SMAは紐状の形態に形成され、通電加熱制御により長さ方向に伸縮させることで、アクチュエータとしての動作をさせることができる。
このようなSMAは、その線径が数十μmと細いことから、SMAアクチュエータを備えた装置の小型化を図ることができ、種々の機器への搭載が検討されている。
ところで、このような紐状のSMAは、通常、被駆動部材に架設された状態で、その両端を固定する固定部材を介して、フレームや筐体等に設けられたベース部材に支持されている。また、SMAに通電する為のリード線、フレキシブル基板等の通電部材を接続する為の結線端子が固定部材や固定部材の周辺等に設けられている。
例えば、SMAを、ベース部材に設けられた穴に、球または楔とともに圧入することで固定し、ベース部材の穴の近傍に設けられた結線端子にSMAに通電する為のリード線を半田付けにより接続する構成が知られている(特許文献1参照)。
また、板状部材を屈曲させて形成される狭持部にSMAが挟持されて圧着固定され、狭持部に併設された輪形状のワッシャ部材とベース部材との間にSMAに通電する為のリード線を挟み込み、ビスにより固定する方法が知られている(特許文献2参照)。
特開2002−98911号公報 特開2006−189036号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている方法では、SMAが固定されるベース部材の穴とリードが半田付けされる結線端子とが近接して配置されている為、半田付け作業の際の熱伝導よりSMAの性能に影響を及ぼす恐れがある。
また、特許文献2に開示されている方法では、SMAが挟持されて圧着固定される狭持部とリード線が接続されるワッシャ部材とが平面状に一体化された、所謂ラグ板の構成である。すなわちリード線の接続位置がラグ板のSMA狭持部の近傍に制限される構成である。この為、駆動装置が搭載される機器の限られた空間の中で、リード線等の通電部材の這い回しを容易に処理することは困難であり、機器の小型化を阻害するといった問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、装置の小型化を阻害することなく、また、SMAの性能に影響を及ぼすことなく、安定してSMAを固定するとともに通電部材を接続することが可能な駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の1乃至の何れか1項に記載の発明によって達成される。
1.紐状の形状記憶合金を駆動源として備えた駆動装置において、
前記駆動装置の土台となるベース部材と、
前記ベース部材を貫通して該ベース部材に固定され、一端側がかしめられて前記形状記憶合金を挟持する金属からなる棒状端子と、
前記ベース部材に固定された保持部材と、
前記保持部材から両端部がそれぞれ露出した態様で前記保持部材にインサート成形されて保持された端子部材と、を有し、
前記端子部材は、
前記保持部材から露出した前記両端部のうち端に、前記棒状端子の他端側が圧入され圧入部と、当該圧入部に接続して形成された可動部とを備えるとともに、
前記両端部のうち端に、前記形状記憶合金に電流を供給する為の通電部材が接続される通電接続部を備え
前記圧入部は、
前記可動部によって、前記端子部材のうち前記保持部材にインサート成形されている部位に対して変位自在に支持されるとともに、
圧入された前記棒状端子の他端側に当接して当該他端側と電気的に接続されることを特徴とする駆動装置。
.前記端子部材の前記圧入部は、前記棒状端子の前記他端側が圧入される開口部を有し、
前記開口部の周縁には、該開口部の周縁から該開口部の中心に向かって、前記棒状端子の前記他端側が圧入されることによって、前記棒状端子に当接する少なくとも2つの梁部が形成されていることを特徴とする前記1に記載の駆動装置。
.前記圧入部の前記少なくとも2つの梁部は、前記棒状端子の断面周方向に等間隔で当接するように配置されていることを特徴とする前記に記載の駆動装置。
.前記圧入部の前記少なくとも2つの梁部は、該少なくとも2つの梁部による前記棒状端子への加圧力のベクトル和が略0になるように配置されていることを特徴とする前記に記載の駆動装置。
.前記棒状端子は、ヤング率が50GPa以上、250GPa以下の金属であることを特徴とする前記1からの何れか1項に記載の駆動装置。
.前記棒状端子は、銅系金属からなることを特徴とする前記に記載の駆動装置。
.前記棒状端子は、SUS鋼からなることを特徴とする前記に記載の駆動装置。
.前記棒状端子の一端側の側面または端面には、前記形状記憶合金が挟持されるかしめ部が形成されていることを特徴とする前記1からの何れか1項に記載の駆動装置。
.前記棒状端子の径方向の断面は、円形状または多角形状に形成されていることを特徴とする前記1からの何れか1項に記載の駆動装置。
本発明によれば、ベース部材を貫通して固定された棒状端子の一端側をかしめてSMAを挟持し、他端側をSMAに電流を供給する為の通電部材が接続される端子部材に圧入することで、棒状端子に端子部材を当接させるようにした。この場合、ベース部材が棒状端子を充分な強度を保って貫通保持する為には所定の厚みが必要とされることから、棒状端子のSMAが圧着固定される一端側のかしめ部と端子部材の圧入部が当接する他端側との距離は、少なくともベース部材の厚み分は確保される。さらに、棒状端子には、端子部材を介して通電部材が接続される。
これにより、通電部材を、例えば、半田付けにより端子部材に接続する場合、半田付け作業の際の熱伝導がSMAの性能に影響を及ぼさない距離を充分確保することができる。また、棒状端子を固定するベース部材や端子部材を保持する所定の部材(例えば、保持部材)への放熱等もある。その結果、SMAへの熱伝導を抑えることができ、SMAの性能の劣化を防止することができる。
また、端子部材が棒状端子に当接する際の接触圧は、棒状端子と電気的導通を確保できるに足りる程度でよい。かかる接触圧は、棒状端子の位置と端子部材の圧入部の位置関係、及び端子部材の圧入部の形状、材料等により、決定することができる。したがって、棒状端子には、端子部材の当接による大きな負荷が架せられていない。この為、通電部材を端子部材に接続する場合、接続作業の際に棒状端子に架かる負荷を抑えることができる。その結果、SMAの架設張力への影響を抑えることができる。
また、端子部材の通電部材が接続される通電接続部の位置は、SMAが狭持される棒状端子の位置に制限されることなく、リード線等の通電部材の這い回しを考慮した所望の位置に設けることができる。これにより、駆動装置が搭載される機器の限られた空間の中で、リード線等の通電部材の這い回しを容易に処理することができ、機器を小型化することができる。
これらの結果、装置の小型化を阻害することなく、また、SMAの性能に影響を及ぼすことなく、安定してSMAを固定するとともに通電部材を接続することができる。
本発明の実施形態に係わるレンズ駆動装置の概略構成を示す模式図である。 SMA固定部材のかしめ部の形状を示す模式図である。 SMA固定部材の形状を示す模式図である。 保持部材と端子部材周辺の構成を示す模式図である。 SMA固定部材の端子部材への圧入方法を説明する模式図である。 端子部材の圧入部の構成を模式図である。 圧入部の梁部の別例による形状を示す模式図である。 制御系の概略構成を示すブロック図である。
以下図面に基づいて、本発明に係わる駆動装置の実施の形態を説明する。尚、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。
最初に、本発明に係わる駆動装置の代表的な実施形態の1つであるレンズ駆動装置の構成を図1を用いて説明する。図1(a)は、レンズ駆動装置1の外観を示す平面模式図、図1(b)は、SMA104が通電されていない時の態様を示す正面模式図、図1(c)は、SMA104が通電されている時の態様を示す正面模式図である。
レンズ駆動装置1は、図1(a)、図1(b)に示すように、ベース部材101、ヒンジ102、駆動レバー103、SMA104、コイルばね105、板ばね106、レンズ鏡筒111、レンズ112、SMA固定部材121、122、保持部材151、及び端子部材161、162等から構成される。
図1(a)、図1(b)に示すように、金属からなる2本の棒状のSMA固定部材121、122がベース部材101を貫通した態様で固定されている。尚、SMA固定部材121、122は、本発明の棒状端子に該当するものである。
SMA固定部材121、122の上端側には、SMA104の両端がそれぞれかしめによって固定されている。また、下端側には、該下端側を、SMA104に電流を供給する為の図示しない通電部材が接続される端子部材161、162に圧入することで、端子部材161、162が当接している。端子部材161、162は、保持部材151に保持され、保持部材151は、ベース部材101に固定されている。尚、SMA104のかしめによる固定方法、及び端子部材161、162の詳細は後述する。
SMA104は、例えば、線径が数10μm程度のワイヤ形状であり、図1(a)、図1(b)に示すように、駆動レバー103の係止部103aに引っ掛けられ、その両端がベース部材101に設けられた電極を兼ねたSMA固定部材121、122にそれぞれかしめにより固定されて架設されている。
通電部材としては、通常用いられている金属の薄板や線材(リード線)あるいはフレキシブル基板を用いることができる。
駆動レバー103は、ベース部材101に設けられたヒンジ102により、該ヒンジ102を支点として矢印P方向に回動自在に支持されている。
レンズ112を備えたレンズ鏡筒111は、該レンズ鏡筒111に設けられた2つの当接部材113a、113bで駆動レバー103の先端部103b、103cにより保持されている。レンズ鏡筒111の底部には、レンズ112によって結像された被写体光学像を光電変換し画像信号を生成する、例えば、図示しないCCD(Charge Coupled Device)やCMOSセンサ等の撮像素子が設けられている。また、レンズ鏡筒111は、その上下の面に設けられた板ばね106により平行が保たれている。
コイルばね105は、その一端が筐体のカバー107に固定され、他端がレンズ鏡筒111の上面に当接し、レンズ鏡筒111を矢印Y2方向に付勢することで、SMA104に、駆動レバー103を介して矢印X2方向に張力を付与している。一方SMA104には、架設時に矢印X1方向に所望の基準となる応力(基準応力)が付与されている。そして、レンズ鏡筒111は、非動作時には、SMA104に対して付与される基準応力とコイルばね105による張力とが釣り合う位置(初期位置)で停止している。
図1(b)の状態において、端子部材161、162を介してSMA固定部材121からSMA固定部材122にかけてSMA104に電流を流すと、SMA104は、自身の持つ抵抗値によってジュール熱を発生する。そして、発生した熱によりSMA104が相変態を起こし、弾性係数が比較的高い状態になり、記憶された長さの状態(元の状態)に戻ろうとして、矢印X1方向に収縮する。このとき、SMA104が縮もうとする力が、SMA104に対して駆動レバー103を介してコイルばね105が与えている所定の張力に打ち勝つ。その結果、レンズ鏡筒111が矢印Y1に向かって駆動される。図1(c)は、レンズ鏡筒111が矢印Y1方向に向かって駆動された後の状態を示している。
また図1(c)の状態で、SMA104に流していた電流を遮断すると、SMA104は放熱による冷却によって相変態を起こし、弾性係数が比較的低い状態になる。すると、SMA104に対して駆動レバー103を介してコイルばね105から所定の張力が掛かり、SMA104が伸張する状態となる。その結果、レンズ鏡筒111が矢印Y2に向かって駆動され、図1(b)の状態に戻る。このようにして、加熱冷却によるSMA104の伸縮により、レンズ鏡筒111を矢印Y1、Y2方向へ駆動させる動作を適宜繰り返すことができる。
次に、SMA固定部材121、122について図2、図3を用いて説明する。尚、SMA固定部材121とSMA固定部材122は同じ形状なので、以下の説明においては、SMA固定部材121のみについて説明する。図2(a)は、SMA固定部材121のかしめ部の一例による形状を示す正面模式図、図2(b)〜図2(d)は、SMA固定部121のかしめ部の別例による形状を示す正面模式図、図2(e)、図2(f)は、SMA固定部121のかしめ部を正面斜め前方から見た別例による形状を示す模式図である。また、図3(a)は、SMA固定部材121の一例による形状を示す斜視模式図、図3(b)は、別例による形状を示す斜視模式図である。
SMA固定部材121には、図2(a)に示すように、V字状の溝121vが側面を周回して形成され、この溝121vにSMA104が挟持される。SMA固定部材121の端面121aに荷重がY2方向に加えられることにより、SMA固定部材121のかしめ部である端部121bが変形し、SMA104が圧着固定(かしめ)される。尚、かしめにより変形する端部121bが非変形部121cを覆うようにかぶることによるSMA104の断線を防ぐ為、端部121bの径d1は、非変形部121cの径d2よりも小さくする。また、後述のように、SMA固定部材121をベース部材101に圧入により固定する場合は、SMA固定部材121の端部121bを押すと変形する恐れがある為、非変形部121cを押して圧入する。この場合、端部121bがベース部材101の圧入穴に引っ掛らないように、同様に、端部121bの径d1は、非変形部121cの径d2よりも小さくする。
ここで、かしめ部の別例による形状を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、溝121vをSMA固定部材121の端部121bの側面の一部にV字状に形成してもよい。
また、かしめ部の他の別例による形状を図2(c)に示す。図2(c)に示すように、溝121vをSMA固定部材121の端面121aに形成してもよい。この場合、図2(c)に示す内面にテーパー5aが形成されたかしめ冶具5をSMA固定部材121の端部121bに被せてY2方向に加圧することよりSMA固定部材121はかしめられる。また、図2(d)に示すように、SMA固定部材121の端部121bにテーパー121tを形成してもよい。これにより、前述のSMA固定部材121をベース部材101に圧入により固定する場合の引っ掛りを防止することができる。
また、かしめ部の他の別例による形状を図2(e)に示す。図2(e)に示すように、溝121vをSMA固定部材121の端面121aに十字に2本形成してもよい。これにより、SMA固定部材121をベース部材101に圧入する際の、回転方向の自由度が増大する。また、図2(f)に示すように、SMA固定部材121の端部121bにテーパー121tを形成してもよい。これにより、前述のSMA固定部材121をベース部材101に圧入により固定する場合の引っ掛りを防止することができる。尚、図2(a)〜図2(f)に示した何れの形状も、周知の機械加工により容易に加工することができる。
SMA固定部材121の形状は、図3(a)、図3(b)に示すように、円筒状、または多角柱状に形成される。溝121vが、図2(a)に示したように、SMA固定部材121の側面を周回して形成されている場合は、SMA固定部材121のベース部材101への固定が方向性を必要とされないことから、SMA固定部材121の形状は、図3(a)に示すように、円筒状が好ましい。一方、溝121vが、図2(b)に示したように、SMA固定部材121の側面の一部に「く」の字状に形成されている場合は、SMA固定部材121のベース部材101への固定が方向性を必要とされることから、SMA固定部材121の形状は、図3(b)に示すように、方向性を有する多角柱状が好ましい。尚、図3(b)に示すSMA固定部材121は、一例として八角柱の形状に形成されているが、これに限定されるものではなく、N角柱(Nは正の整数)でもよいし、また、Dカット形状でもよい。
SMA固定部材121の材料としては、かしめられたSMA固定部材121の弾性力によってSMA104を保持することから、ヤング率の大きな材料を用いるとかしめ部で大きな保持力が得ることができる。しかしながら、かしめ作業においてはヤング率が大きいほど溝形状を変形させるのに大きな力量を要する為、かしめ作業によるSMA104の変形量が大きくなり、繰返し駆動動作で断線し易くなる。そこで、保持力とかしめの加圧力を鑑みヤング率が50〜250GPaのSUS鋼や銅系の金属材料を用いることが好ましい。銅系金属の場合は、所望の形状に容易に切削することができる。また、SUS鋼を用いる場合は、SMA固定部材121の加工過程で発生する内部応力によって材料が硬化する場合があるので、内部応力を緩和する為に焼鈍や固溶化処理等の熱処理を施すことが望ましい。
次に、SMA固定部材121のベース部材101への固定方法について説明する。
ベース部材101は、かしめ作業の荷重に対する強度やレンズ鏡筒111等を安定して保持することができる強度が必要とされることから、所定の厚みに形成されている。また、ベース部材101の材料としては、端子部材161、162を介して通電部材が接続される2つのSMA固定部材121、122が電気的に短絡しないように、非導電性材料を用いる。尚、ベース部材101の材料として、導電性材料を用いる場合は、ベース部材101と2つのSMA固定部材121、122との間に絶縁処理を施す。
SMA固定部材121のベース部材100への固定方法としては、SMA固定部材121をベース部材101と一体で成形するインサート成形や、ベース部材101にSMA固定部材121が入る穴を予め設けておき、SMA固定部材121を圧入することで固定する方法等がある。
また、SMA固定部材121のV字状の溝121vが、前述の図2(b)で示したように、軸対称でなく方向性がある場合は、SMA104の架設方向に応じて、溝121vの方向を合わせる必要がある。この場合、SMA固定部材121は、図3(b)で示したような方向性を有する形状のものを用い、その方向に対して溝121vの位置を設定する。具体的には、インサート成形の場合は、金型で方向を設定できるような形状を設ける。また、圧入の場合は、圧入用の穴形状を方向を設定できる多角形やDカットなどの形状とする。
次に、かしめ手順について、前述の図1、及び図2(a)を用いて説明する。
最初に、図1で示したように、SMA104を駆動レバー103の係止部103aに係止し、所定の張力が付加された状態に架設する。
次に、図2(a)に示すように、架設されたSMA104の両端をSMA固定部材121(122)の溝121vに当接させる。そしてこのような態様のSMA固定部材121(122)のかしめ部121bを矢印Y2方向に加圧を行うことで、SMA固定部材121(122)にSMA104が挟み込まれるような態様で固定される。
SMA固定部材121はベース部材101を貫通し固定されているので、かしめ作業を行う際、SMA固定部材121のかしめに用いる端面121aと反対側の端面121eを受けることができる。これにより、かしめ力は他の部材を介することなく、SMA固定部材121に直接荷重を与えることができるので、かしめ作業の不安定要因が排除される。その結果、SMAを確実に固定し、安定した生産を行うことができる。
次に、SMA固定部材121に形成されたV字状の溝121vの切れ込み角度について、前述の図2(a)を用いて説明する。
SMA固定部材121のかしめにおいては、溝121vが塑性変形しながらSMA104を挟み込み保持固定状態へと変形するが、溝121vの形状は、図2(a)に示すように、軸方向に対称な形状のほうが変形過程においてSMA104の長さ方向に対して均等に変形する。
具体的には、溝121vの形状をV字型に形成し切れ込み角度θを15°〜40°の範囲に設定することで、SMA104の長さ方向の変形が均等となる。変形が均等でないと変形が大きくなる部位に大きな応力が架かることになり、繰返し駆動動作で断線し易くなる。変形が均等であると保持力、及び信頼性を高めることができる。また、溝121vをこのような形状することで、かしめによるSMA104に架かる架設張力への影響を抑えることができるので架設張力が安定し、組立精度も高めることができる。
次に端子部材161(162)について、図4を用いて説明する。図4(a)は、端子部材161(162)、及びその周辺の構成を示す断面模式図、図2(b)は、平面模式図である。
端子部材161(162)は、図4(a)、図4(b)に示すように、端子部材161(162)を保持する保持部材151の周縁を延在するような形状に形成されている。端子部材161(162)の一端側には、SMA固定部材121(122)の下端側が圧入されて該SMA固定部材121(122)に当接する圧入部161a(162a)が設けられ、他端側には、SMA104に電流を供給する為の通電部材が接続される通電接続部161b(162b)が設けられている。また、SMA固定部材121(122)を圧入部161a(162a)に圧入する際、両者の相対位置の誤差を吸収できるように、端子部材161(162)には、圧入部161a(162a)を変位自在に支持する、例えば、蛇腹のような可動部161k(162k)が設けられている。
端子部材161(162)は、圧入部161a(162a)及び通電接続部161b(162b)が露出した態様で、プラスチック等の成形可能な非導電性の樹脂材料からなる保持部材151にインサート成形されて保持されている。
このように、端子部材161(162)がインサート成形された保持部材151は、図5に示すように、SMA固定部材121(122)が固定されたベース部材101に、端子部材161(162)の圧入部161a(162a)とSMA固定部材121(122)の位置が対応するように重ね合わされて固定される。この時、SMA固定部材121(122)を端子部材161(162)の圧入部161a(162a)に圧入することにより、両者は電気的に接続される。
尚、端子部材161(162)がインサート成形された保持部材151は、SMA固定部材121(122)にSMA104がかしめにより固定され後に、ベース部材101に固定される。
ここで、圧入部161a(162a)の詳細を図6を用いて説明する。図6(a)は、圧入部161a(162a)にSMA固定部材121(122)が圧入された態様を示す断面模式図、図6(b)は、平面模式図である。尚、圧入部161aと圧入部161bは、同じ形状なので、以下の説明においては、圧入部161aのみについて説明する。
圧入部161aは、図6(b)に示すように、中央に開口部161oを有したリング状に形成されている。開口部161oの周縁には、開口部161oの周縁から該開口部161oの中心に向かって、SMA固定部材121が圧入されることによって、SMA固定部材121に当接する2つの梁部161xが対向して形成されている。梁部161xは、図6(a)に示すように、SMA固定部材121が圧入されることによって、湾曲しながらSMA固定部材121に当接する。
梁部161xは、SMA固定部材121に加圧接触するが、SMA固定部材121に必要以上の負荷が架かるとSMA104の架設張力に影響を及ぼすことから、SMA固定部材121と電気的導通を確保できるに足りる程度の加圧力でSMA固定部材121に当接させる必要がある。かかる加圧力(接触圧)は、SMA固定部材121の位置と圧入部161aの位置関係、及び圧入部161aの形状、材料等により、適切に設定することができる。尚、SMA固定部材121と梁部161xとの接触部に、例えば導電性接着剤を塗布することにより適切な接触状態を設定することもできる。
図7に、梁部161xの構成例を示す。図7(a)に示す圧入部161aには、梁部161xが2本、図7(b)に示す圧入部161aには、梁部161xが3本、図7(c)に示す圧入部161aには、梁部161xが4本も設けられている。そして、何れの場合も、SMA固定部材121の断面周方向に等間隔で当接するように配置されている。
このように、梁部161xを少なくとも2本設け、SMA固定部材121の断面周方向に等間隔で当接するように配置することにより、複数の梁部161xによるSMA固定部材121の断面周方向への加圧力が打ち消され、SMA104の架設張力に影響を及ぼすことなく、導通に必要な接触圧力を得ることができる。尚、梁部161xの配置は、SMA固定部材121の断面周方向に等間隔であることに限定されることなく、図7(d)に示すように、複数の梁部161xによるSMA固定部材121への加圧力のベクトル和が略0になるように配置されていればよい。
次に、レンズ駆動装置1の駆動方法について説明する。SMA104の制御は、SMA104の抵抗値が変形量と線形の関係にあることを用いるものである。具体的には、レンズ鏡筒111を所定量移動させるのに必要な変形量は、SMA104の全長から算出できるので、レンズ鏡筒111を目標位置まで駆動するのに必要なSMA104の変形量に対応した抵抗値を算出する。次に、SMA104の抵抗値が目標抵抗値となるようにSMA104の駆動電圧を制御することでレンズ鏡筒111を駆動する。
図8にレンズ駆動装置1の制御系20の一例を示す。制御系20は、図8に示すように、比較部201、制御部202、駆動部203、及び抵抗値検出部204等を有し、図示しない、例えばカメラ本体から入力された目標抵抗値にSMA104の抵抗値を近づけるようにSMA104の駆動電圧を制御するものである。
最初に、抵抗値検出部204は、レンズ駆動装置1に設けられたSMA104の抵抗値を検出する。比較部201は、抵抗値検出部204で検出されたSMA104の抵抗値とカメラ本体からの目標抵抗値とを比較し、差分を算出する。制御部202は、比較部201で算出された差分に応じたSMA104の駆動電圧値を算出する。駆動部203は、制御部202で算出されたSMA104の駆動電圧値に基づいた駆動電圧を生成し、SMA104に印加する。SMA104は、駆動部203から印加された駆動電圧により変形しレンズ鏡筒111が駆動される。このような動作を比較部201で算出される差分が0になるまで繰り返すことで、レンズ鏡筒111を目標位置まで駆動することができる。
このように本発明の実施形態に係わるレンズ駆動装置1においては、ベース部材101を貫通して固定された棒状端子(SMA固定部材121、122)の一端側をかしめてSMA104を挟持し、他端側をSMA104に電流を供給する為の通電部材が接続される端子部材161(162)に圧入することで、棒状端子に端子部材161(162)を当接させるようにした。この場合、ベース部材101が棒状端子を充分な強度を保って貫通保持する為には所定の厚みが必要とされることから、棒状端子のSMA104が圧着固定される一端側のかしめ部(端部121b)と端子部材161(162)の圧入部161a(162a)が当接する他端側との距離は、少なくともベース部材101の厚み分は確保される。さらに、棒状端子には、端子部材161(162)を介して通電部材が接続される。
これにより、通電部材を、例えば、半田付けにより端子部材161(162)に接続する場合、半田付け作業の際の熱伝導がSMA104の性能に影響を及ぼさない距離を充分確保することができる。また、棒状端子を固定するベース部材101や端子部材161(162)を保持する保持部材151への放熱等もある。その結果、SMA104への熱伝導を抑えることができ、SMA104の性能の劣化を防止することができる。
また、端子部材161(162)が棒状端子に当接する際の接触圧は、棒状端子と電気的導通を確保できるに足りる程度でよい。かかる接触圧は、棒状端子の位置と端子部材161(162)の位置関係、及び端子部材の圧入部161a(162a)の形状、材料等により、決定することができる。したがって、棒状端子には、端子部材161(162)の当接による大きな負荷が架せられていない。この為、通電部材を端子部材161(162)に接続する場合、接続作業の際に棒状端子に架かる負荷を抑えることができる。その結果、SMA104の架設張力への影響を抑えることができる。
また、端子部材161(162)の通電部材が接続される通電接続部161b(162b)の位置は、SMA104が狭持される棒状端子の位置に制限されることなく、リード線等の通電部材の這い回しを考慮した所望の位置に設けることができる。これにより、駆動装置1が搭載される機器の限られた空間の中で、リード線等の通電部材の這い回しを容易に処理することができ、機器を小型化することができる。
これらの結果、装置の小型化を阻害することなく、また、SMA104の性能に影響を及ぼすことなく、安定してSMA104を固定するとともに通電部材を接続することができる。
1 レンズ駆動装置
101 ベース部材
102 ヒンジ
103 駆動レバー
104 SMA
105 コイルばね
106 板ばね
107 カバー
111 レンズ鏡筒
112 レンズ
113a、113b 当接部材
121、122 SMA固定部材(棒状端子)
151 保持部材
161、162 端子部材
5 かしめ冶具
20 制御系
201 比較部
202 制御部
203 駆動部
204 抵抗値検出部

Claims (9)

  1. 紐状の形状記憶合金を駆動源として備えた駆動装置において、
    前記駆動装置の土台となるベース部材と、
    前記ベース部材を貫通して該ベース部材に固定され、一端側がかしめられて前記形状記憶合金を挟持する金属からなる棒状端子と、
    前記ベース部材に固定された保持部材と、
    前記保持部材から両端部がそれぞれ露出した態様で前記保持部材にインサート成形されて保持された端子部材と、を有し、
    前記端子部材は、
    前記保持部材から露出した前記両端部のうち端に、前記棒状端子の他端側が圧入され圧入部と、当該圧入部に接続して形成された可動部とを備えるとともに、
    前記両端部のうち端に、前記形状記憶合金に電流を供給する為の通電部材が接続される通電接続部を備え
    前記圧入部は、
    前記可動部によって、前記端子部材のうち前記保持部材にインサート成形されている部位に対して変位自在に支持されるとともに、
    圧入された前記棒状端子の他端側に当接して当該他端側と電気的に接続されることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記端子部材の前記圧入部は、前記棒状端子の前記他端側が圧入される開口部を有し、
    前記開口部の周縁には、該開口部の周縁から該開口部の中心に向かって、前記棒状端子の前記他端側が圧入されることによって、前記棒状端子に当接する少なくとも2つの梁部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 記圧入部の前記少なくとも2つの梁部は、前記棒状端子の断面周方向に等間隔で当接するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記圧入部の前記少なくとも2つの梁部は、該少なくとも2つの梁部による前記棒状端子への加圧力のベクトル和が略0になるように配置されていることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
  5. 前記棒状端子は、ヤング率が50GPa以上、250GPa以下の金属であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の駆動装置。
  6. 前記棒状端子は、銅系金属からなることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
  7. 前記棒状端子は、SUS鋼からなることを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
  8. 前記棒状端子の一端側の側面または端面には、前記形状記憶合金が挟持されるかしめ部が形成されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の駆動装置。
  9. 前記棒状端子の径方向の断面は、円形状または多角形状に形成されていることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の駆動装置。
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