JP5245050B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令に基づいて演出制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このパチンコ機は、遊技の制御を統括的に制御する遊技制御装置(メイン制御装置)と、遊技制御装置からの制御指令に基づいてスピーカ、LED、表示装置等を制御する演出制御装置(サブ制御装置)と、を備えている。この種のパチンコ機では、遊技制御装置に対する不正行為により異常状態が発生した場合、遊技制御装置から演出制御装置へ不正報知を行うように制御指令を送信し、この制御指令に基づいて演出制御装置が不正報知の制御を行うようにしたものが知られている。
また、最近では、遊技制御装置に不正電子基板(所謂、ぶら下がり基板)を接続するといった不正行為が行われることがあり、このような不正行為が発生した場合に、当該不正行為を報知することが可能な遊技機の不正対策装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−100946号公報
しかしながら、上記特許文献1のような遊技機の不正対策装置は、上記したように遊技制御装置に不正電子基板を接続するといった不正行為には対処できるものの、パチンコ機に対して行われるその他の不正行為には対処することができないといった問題がある。また、パチンコ機においては不正行為以外にも、当該パチンコ機の不具合によるエラーが発生した場合に、当該エラーが発生したことを報知する必要性がある。
そこで、本発明の課題は、遊技機において発生する様々な異常状態を報知することができる遊技機を提供することにある。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令に基づいて演出制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御手段は、
当該遊技機において複数ある異常状態を監視する異常監視手段と、
前記異常監視手段の監視結果に基づき、当該遊技機において異常状態が発生しているか否か、及び、異常状態が発生している場合は何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常判断情報を生成する異常判断情報生成手段と、
前記異常判断情報生成手段によって生成された異常判断情報を、当該遊技制御手段が稼動している間、前記演出制御手段に定期的に送信する異常判断情報送信手段と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記異常判断情報送信手段から定期的に送信される異常判断情報を受信する異常判断情報受信手段と、
前記異常判断情報受信手段によって受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定する異常状態判定手段と、
前記異常状態判定手段によって何れかの異常状態が発生していると判定された場合に、該異常状態の発生を報知する異常発生報知手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、遊技制御手段によって、当該遊技機において複数ある異常状態を監視し、当該監視結果に基づき異常判断情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段によって、遊技制御手段より送信された当該異常判断情報に基づき何れかの異常状態が発生していると判定された場合に、かかる異常状態の発生を報知することができるので、当該遊技機において発生する様々な異常状態を好適に報知することができる。
また、遊技制御手段によって、異常監視手段の監視結果に基づき、当該遊技機において異常状態が発生しているか否か、及び、異常状態が発生している場合は何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常判断情報を定期的に演出制御手段に送信し、演出制御手段が備える異常状態判定手段によって、異常判断情報受信手段により受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定するので、遊技制御手段側では異常状態の発生の有無を判定するための異常判断情報を定期的に送信するだけでよく、当該遊技制御手段の処理負担を軽減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記異常判断情報生成手段は、当該遊技機において異常状態が発生していないと判定された場合は、前記異常判断情報として、何れの異常状態も発生していないことを示す異常情報と、該異常情報の送信番号を示す送信識別情報と、を生成し、異常状態が発生していると判定された場合は、何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常情報のみを生成し、
前記送信番号は、前記送信識別情報を前記演出制御手段に送信する毎にインクリメントされることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、遊技機において異常状態が発生していると判定された場合は、異常判断情報生成手段によって送信識別情報の生成を行わないようにしたので、演出制御手段側で当該送信識別情報を受信したか否かを判定することにより、当該遊技機において異常状態が発生しているか否かについて容易に判断することができるようになる。また、当該遊技機において異常状態が発生していないと判定して、異常判断情報生成手段によって送信識別情報を生成する場合、当該送信識別情報を演出制御手段側に送信する毎に送信番号がインクリメントされるので、例えば、当該送信番号に一定数以上の抜け番や、番号の順序が崩れた場合には、何らかの異常が起こったと判断し、当該遊技機における異常状態の報知を行うことが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、
前記異常状態判定手段は、前記異常判断情報受信手段によって前記送信識別情報を定期的に受信できない場合に、当該異常判断情報受信手段によって受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、異常判断情報受信手段によって送信識別情報を定期的に受信できない場合に、何らかの異常が起こったと判断することができるようになり、当該異常判断情報受信手段によって受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを適切に判定することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の遊技機において、
前記異常判断情報送信手段は、当該遊技機において異常状態が発生していないと判定された場合は、前記送信識別情報を前記異常情報よりも先に送信することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、送信識別情報を異常情報よりも先に送信するようにしたので、当該送信識別情報の送信を的確に行うことができるようになり、当該送信識別情報の送信番号に基づき当該遊技機に異常が起こったか否かの判断をより確実に行うことができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、
前記異常状態判定手段は、前記異常判断情報受信手段によって前記送信識別情報を定期的に受信した場合、当該送信識別情報の送信番号がインクリメントされた正常な送信識別情報である場合には、当該遊技機が正常状態であると判定して当該遊技機において異常状態が発生しているか否かの判定を実行しないことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、異常判断情報受信手段によって送信識別情報を定期的に受信した場合、当該送信識別情報の送信番号がインクリメントされた正常な送信識別情報である場合には、演出制御手段側の異常状態判定手段によって、当該遊技機において異常状態が発生しているか否かの判定を実行しないようにしたので、遊技制御手段側の処理負担を軽減することができるのみでなく、演出制御手段側の異常状態判定手段による処理負担をも軽減することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の何れか一項に記載の遊技機において、
前記送信識別情報は、第1送信識別情報と第2送信識別情報とから構成され、
前記異常判断情報送信手段は、
前記第1送信識別情報を暗号化する第1暗号鍵と、
前記第2送信識別情報を暗号化する第2暗号鍵と、
前記第1暗号鍵又は前記第2暗号鍵によって、対応する送信識別情報を暗号化する暗号化手段と、
所定条件の成立に基づき、前記演出制御手段に送信される前記第1送信識別情報又は前記第2送信識別情報の何れか一方の送信識別情報を他方の送信識別情報に変更する送信識別情報変更手段と、
前記送信識別情報変更手段により前記送信識別情報が変更された場合に、前記変更された送信識別情報に対応する暗号鍵に変更する暗号鍵変更手段と、
前記暗号鍵変更手段により前記暗号鍵が変更された場合に、該暗号の復号化に用いられる復号鍵を前記異常判断情報受信手段に指示する復号鍵指示手段と、
を備え、
前記異常判断情報受信手段は、
前記暗号化手段により暗号化された第1送信識別情報を復号化する第1復号鍵と、
前記暗号化手段により暗号化された第2送信識別情報を復号化する第2復号鍵と、
前記第1復号鍵又は前記第2復号鍵によって、対応する送信識別情報を復号化する復号化手段と、
前記復号鍵指示手段によって前記復号鍵が指示された場合に、前記復号化手段による復号化を実行するための復号鍵を変更する復号鍵変更手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、遊技制御手段から演出制御手段へ送信される送信識別情報を暗号化することができるので、遊技機に不正行為を行うことで異常が発生した場合に、当該異常の状態を報知させないように送信識別情報を改ざんするといった行為を好適に防止することができる。
また、送信識別情報は、第1送信識別情報と第2送信識別情報とから構成され、それぞれの送信識別情報に対応する暗号化処理が可能であり、所定条件の成立に基づき、遊技制御手段から演出制御手段へ送信される送信識別情報を変更することができるので、仮に第1送信識別情報又は第2送信識別情報の何れかの送信識別情報の暗号化が解読された場合であっても他方の送信識別情報の送信によって、当該異常の状態を報知させないように送信識別情報を改ざんするといった行為をより好適に防止することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6の何れか一項に記載の遊技機において、
前記異常判断情報生成手段は、
前記異常監視手段による監視結果に基づき、発生した異常状態に対応する異常フラグを設定する異常フラグ設定手段と、
前記異常フラグ設定手段によって設定された異常フラグに基づき、前記異常情報を設定する異常情報設定手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、遊技機において発生した異常状態に対応する異常フラグを設定した異常情報を遊技制御手段から演出制御手段へ送信することができるので、当該異常情報によって、何れの異常状態が発生したのか確実に演出制御手段へ送信して、当該異常状態を報知することができるようになる。
請求項8に記載の発明は、請求項2〜6の何れか一項に記載の遊技機において、
前記遊技制御手段は、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判断するための入力情報を監視する入力情報監視手段を備え、
前記異常判断情報生成手段は、
前記入力情報監視手段による監視結果に基づき、前記入力情報を、前記異常情報として設定する異常情報設定手段を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判断するための入力情報を異常情報として遊技制御手段から演出制御手段へ送信することができるので、当該異常情報によって、何れの異常状態が発生したのか確実に演出制御手段へ送信して、当該異常状態を報知することができるようになる。
また、異常状態を報知するか否かの判断だけでなく、異常状態が発生したか否か、そして異常状態が発生した場合は、何れの異常状態が発生しているかの判断についても演出制御手段側で処理しているので、遊技制御手段側ではかかる処理を行う必要がなく、遊技制御手段側の処理負担を大幅に軽減させることができる。
本発明によれば、遊技制御手段によって、当該遊技機において複数ある異常状態を監視し、当該監視結果に基づき異常判断情報を演出制御手段に送信し、演出制御手段によって、遊技制御手段より送信された当該異常判断情報に基づき何れかの異常状態が発生していると判定された場合に、かかる異常状態の発生を報知することができるので、当該遊技機において発生する様々な異常状態を好適に報知することができる。
また、遊技制御手段によって、異常監視手段の監視結果に基づき、当該遊技機において異常状態が発生しているか否か、及び、異常状態が発生している場合は何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常判断情報を定期的に演出制御手段に送信し、演出制御手段が備える異常状態判定手段によって、異常判断情報受信手段により受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定するので、遊技制御手段側では異常状態の発生の有無を判定するための異常判断情報を定期的に送信するだけでよく、当該遊技制御手段の処理負担を軽減することができる。
本発明に係る遊技機の一実施形態を示す正面図である。 実施形態1の遊技機における遊技盤の構成例を示す正面図である。 実施形態1の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。 図3の制御システムにおける演出制御装置の構成例を示すブロック図である。 遊技制御装置から演出制御装置へのコマンド送信処理の一例を示す説明図である。 (a)送信識別コマンド1、2のデータ構造の一例を示す図、(b)異常監視コマンドのデータ構造の一例を示す図である。 (a)遊技機が正常な場合の送信識別コマンド及び異常監視コマンドの送信例を示す図、(b)遊技機に異常が発生した場合の送信識別コマンド及び異常監視コマンドの送信例を示す図である。 実施形態1の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。 実施形態1の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。 実施形態1の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 (a)図10のタイマ割込み処理中に実行されるコマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャート、(b)(a)のコマンド送信処理中に実行される演出制御コマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 (a)図11(b)の演出制御コマンド送信処理中に実行される演出制御コマンド出力処理の具体的な手順の一例を示すフローチャート、(b)(a)の演出制御コマンド出力処理中に実行されるコマンドデータ出力処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図10のタイマ割込み処理中に実行される入賞口スイッチ/エラー監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図13の入賞口スイッチ/エラー監視処理中に実行される入賞数カウンタ更新処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図13の入賞口スイッチ/エラー監視処理中に実行される不正/入賞監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図13の入賞口スイッチ/エラー監視処理中に実行されるエラーチェック処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図13の入賞口スイッチ/エラー監視処理中に実行される異常監視コマンド設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図17の異常監視コマンド設定処理の続きを示すフローチャートである。 図10のタイマ割込み処理中に実行される磁石不正監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図10のタイマ割込み処理中に実行される外部情報編集処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 図20の外部情報編集処理の続きを示すフローチャートである。 実施形態1の演出制御装置によって実行される1stメイン処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 実施形態1の演出制御装置によって実行されるコマンド受信割込み処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 図22の1stメイン処理中に実行される遊技機エラー監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。 実施形態2の遊技機における異常監視コマンドのデータ構造の一例を示す図である。 (a)実施形態2の遊技機が正常な場合の送信識別コマンド及び異常監視コマンドの送信例を示す図、(b)実施形態2の遊技機に異常が発生した場合の送信識別コマンド及び異常監視コマンドの送信例を示す図である。 実施形態2の遊技機における異常監視コマンド設定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
<実施形態1>
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態1の遊技機の説明図である。
実施形態1の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17(異常発生報知手段)が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。
また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出するカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52や、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器や、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示器(エラー表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御手段としての遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ、プレミアリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置41の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理や特図普段処理にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。なお、デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。
図5に示すように、遊技制御装置100からのコマンドは、4ms毎のタイマ割込みにて実行されるコマンド送信処理(後述)にて送信されるようになっている。具体的には、4ms毎に実行される各コマンド送信処理の際、遊技機10に異常が無ければ、演出制御装置300へ送信するコマンドとして、必ず先頭にコマンドの送信番号を識別するための送信識別コマンド(後述)、次いで遊技機10の異常を監視するための異常監視コマンド(後述)を付し、その後に、送信するコマンドがあれば、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、及び始動口入賞演出コマンド等を付し演出制御指令信号として送信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)や操作パネル装飾LED65を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド;制御指令)を、演出制御手段としての演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、送信識別コマンド(送信識別情報)及び異常監視コマンド(異常情報)のデータ構造について、図6及び図7を用いて説明する。
図6(a)に示すように、送信識別コマンドは、送信識別コマンド1と2を備えており、送信番号「0」〜「255」までの各送信コマンド1が番号順に遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された後、続けて送信番号「0」〜「255」までの各送信コマンド2が番号順に送信されるようになっている。そして、「255」番目の送信コマンド2の送信が終わると、再び「0」番目の送信コマンド1から番号順に当該コマンドが送信されることとなる。そして、遊技制御装置100に電源投入されている間は、かかる送信識別コマンドが送信し続けられるようになっている。ここで、遊技制御装置100は、所定条件の成立(送信番号が所定値(例えば「255」)に達すること)に基づき、演出制御装置300に送信される送信識別コマンド1又は2の何れか一方の送信識別コマンドを他方の送信識別コマンドに変更する送信識別情報変更手段として機能する。
なお、送信識別コマンドは、送信識別コマンド1と2の2つに限らず、3つ以上の送信識別コマンドを備えるようにしても良い。かかる場合は、それぞれの送信識別コマンドに対応する暗号/復号鍵を備えるようにする。
次に、送信識別コマンドのデータ構造について、図6(a)の送信識別コマンド1を用いて説明する。なお、送信識別コマンド2についは、送信識別コマンド1と同様のデータ構造を有しているため、その説明については省略する。
送信コマンド1は、送信データとして、MODEデータとACTIONデータとを備えている。MODEデータ「A1H」は、16進数表記で送信識別コマンド1を表したデータである。そして、ACTIONデータは、同様に16進数表記で送信識別コマンド1の送信番号を表したデータである。また、図6(a)に示す各ACTIONデータは、2進数表記の暗号/復号鍵「11101101B」と2進数表記の送信番号とを排他的論理和によって演算した値を16進数表記に変換した値となっている。
次に、図6(b)を用いて、異常監視コマンドの詳細について説明する。
図6(b)に示すように、異常監視コマンドは、MODEデータとACTIONデータとを備えている。MODEデータ「A3H」は、16進数表記で異常監視コマンドを表したデータである。そして、ACTIONデータは、遊技機10にて発生するエラーの名称を8ビットで表すデータである。具体的には、最上位ビットから順に、「払出異常」、「シュート球切れ」、「スイッチ異常」、「オーバーフロー」、「大入賞口不正入賞」、「普電不正入賞」、「磁気(エラー)」、「枠開放(エラー)」の8つのエラーを示すことが可能となっており、ビットの値が「0」の場合は、当該ビットに対応するエラーが無い状態の「正常」を示し、ビットの値が「1」の場合は「異常」であることを示すようになっている。例えば、エラーが無い場合は、ACTIONデータは、2進数表記で「00000000B」、16進数表記で「00H」となる。また、シュート球切れの状態(異常;球無)の場合(他のエラー無し)は、ACTIONデータは、2進数表記で「01000000B」、16進数表記で「40H」となる。
次に、送信識別コマンドおよび異常監視コマンドを送信する場合の一例について図7を用いて説明する。
図7(a)には遊技機10に異常が発生していない場合のコマンド送信例が示されている。かかる場合、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」と送信番号を示すACTIONデータ「EDH」とからなる送信識別コマンド(送信識別コマンド1)、及び、MODEデータ「A3H」と異常が無いことを示すACTIONデータ「00H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。そして、4msが経過したタイマ割込みのタイミングにて、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」と「EDH」の次の送信番号を示すACTIONデータ「ECH」とからなる送信識別コマンド、及び、MODEデータ「A3H」とACTIONデータ「00H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。そして、遊技制御装置100は、異常が発生しない限り、送信番号順に送信識別コマンドと異常監視コマンドとを送信する。
図7(b)には異常(シュート球切れ)が発生した場合のコマンド送信例が示されている。かかる場合、遊技制御装置100は、異常監視コマンドは送信するが、送信識別コマンドを送信しないようになっている。具体的には、遊技制御装置100は、異常期間中(シュート球切れ中)、MODEデータ「A3H」と異常(シュート球切れ)を示すACTIONデータ「40H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信するが、送信識別コマンドは送信しない。そして、異常が解消され正常復帰すると、直近のタイマ割込みのタイミングにて、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」とACTIONデータ「E4H」とからなる送信識別コマンド、及び、MODEデータ「A3H」とACTIONデータ「00H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。ここで、遊技制御装置100は、送信識別コマンドを異常監視コマンドよりも先に送信し、当該遊技機10において異常状態が発生している場合は、送信識別コマンドの送信を行わないこととなる。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図8及び図9参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図10参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図8に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。
また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図9のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図9のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LEDを有する第3遊技状態表示器(エラー表示器)58をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。
ステップS19では、特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、ステップS25で、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、チェックサムをセーブする処理(ステップS33)を行い、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図10に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図10のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100は、入賞口スイッチ/エラー監視処理や磁石不正監視処理等を実行することで、異常監視手段として機能する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS44)の詳細について説明する。
図11(a)に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。ここで、遊技制御装置100は、タイマ割込み処理中にてコマンド送信処理を実行することにより、送信識別コマンドおよび異常監視コマンドを、当該遊技制御装置100が稼動している間、演出制御装置300に定期的に送信する異常判断情報送信手段として機能する。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、上述のコマンド送信処理(ステップS44)の処理中に実行される演出制御コマンド送信処理の詳細について説明する。
図11(b)に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
このステップS412の判定で、設定コマンドなし(ステップS412;No)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412の判定で、コマンドが設定されている(ステップS412;Yes)と判定した場合には次のステップS413でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、取得したコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS417)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS418)の詳細について説明する。
図12(a)に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS421)、コマンドデータ出力処理(ステップS422)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS423)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS424)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS425)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS422、S425)の詳細について説明する。
図12(b)に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS431)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS432)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS433)。そして、次のステップS434で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS434;No)と判定するとステップS432へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS434で、オフ時間が終了した(ステップS434;Yes)と判定するとステップS435へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS436)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS437)。
そして、次のステップS438で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS438;No)と判定するとステップS436へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS438で、オン時間が終了した(ステップS438;Yes)と判定するとステップS439へ移行して、オフ状態のストローブ信号を出力して当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS436で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS436〜S438のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS434及びステップS438は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔入賞口スイッチ/エラー監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)の詳細について説明する。
入賞口スイッチ/エラー監視処理は、各種入賞口に設けられたスイッチから信号の入力(信号の変化)があるか否かの監視や、エラーの監視を行う処理である。
図13に示すように、入賞口スイッチ/エラー監視処理においては、先ずエラー監視処理が不要な入賞口スイッチの入賞監視テーブル(例えばエラー監視不要なスイッチを示すリスト)を準備する(ステップS471)。エラー監視処理が不要な入賞口スイッチについては、エラー監視はしないが入賞検出処理は行うので、ステップS471でその処理のために入賞監視テーブルを用意し、次のステップで、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理(ステップS472)を実行する。この入賞数カウンタ更新処理の詳細な手順については、後に図14を用いて説明する。
入賞数カウンタ更新処理(ステップS472)の後は、特別変動入賞装置(大入賞口)38内のカウントスイッチ38aのエラー監視テーブル(例えばカウントスイッチからの検出信号が入力されるポートの番号や該信号のポート内でのビット位置等を示すデータが格納されている)を準備する(ステップS473)。それから、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正/入賞監視処理(ステップS474)を実行する。この不正/入賞監視処理の詳細な手順については、後に図15を用いて説明する。つまり、カウントスイッチ38aは、エラー監視処理が必要であるとして、ステップS471で外された入賞口スイッチの一つである。
不正/入賞監視処理(ステップS474)の後は、普電(普通変動入賞装置37)内の始動口2スイッチ37aのエラー監視テーブルを準備する(ステップS475)。それから、普電が開いていないにもかかわらず普電に不正な入賞がないか監視するとともに正常な入賞を検出する不正/入賞監視処理(ステップS476)を実行する。つまり、始動口2スイッチ37aは、エラー監視処理が必要であるとして、ステップS471で外された入賞口スイッチの一つである。
次に、エラーを監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するためのエラースキャンカウンタを更新する(ステップS477)。続いて、払出制御装置200からのシュート球切れスイッチ、オーバーフロースイッチ及び払出制御装置の異常監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS478)。それから、これらのスイッチ及び払出制御装置に異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS479)を実行する。
その後、前枠開放検出スイッチ63及び遊技枠開放検出スイッチ64からの信号に基づく前枠(ガラス枠15)及び遊技枠(前面枠12)の開放監視用のエラー監視テーブルを準備する(ステップS480)。それから、前枠及び遊技枠の開放監視用エラースキャンカウンタを準備し(ステップS481)、これらのスイッチに異常が発生していないかをタイマを参照しながら判定するエラーチェック処理(ステップS482)を実行する。そして、演出制御装置300へ送信する異常監視コマンドの設定処理(ステップS483)を実行する。なお、異常監視コマンド設定処理(ステップS483)の詳細な説明については後述する。
〔入力数カウンタ更新処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における入力数カウンタ更新処理(ステップS472)の詳細について説明する。
図14に示すように、入力数カウンタ更新処理においては、先ず、ステップS471で取得した入賞監視テーブルから監視する入賞口スイッチの個数を取得する(ステップS711)。次に、スイッチ読み込み処理でRWMにセーブしたスイッチ入力信号の立ち上がりエッジをロードする(ステップS712)。そして、監視対象の入賞口スイッチから検出信号の入力(正確には入力の変化)があるかチェックする(ステップS713)。ここで、入力がない(S714:No)と判定するとステップS719へジャンプし、入力がある(S714:Yes)と判定すると、次のステップS715で、更新対象である入賞数カウンタ領域の値をロードする。
それから、ステップS715でロードした値を更新(+1)してオーバーフローするかチェックする(ステップS716)。そして、オーバーフローが発生していない(ステップS717:No)と判定すると、ステップS718へ進んで更新後の値を入賞数カウンタ領域にセーブしてからステップS719へ進む。一方、ステップS717でオーバーフローが発生している(S717;Yes)と判定すると、ステップS718をスキップしてステップS719へジャンプする。例えば、始動入賞のように、予め最大記憶数(例えば4個)が設定されているものにおいては、更新後の値がセーブされないこととなる。ステップS719では、全部のスイッチの監視処理が終了したか判定して、終了している場合(ステップS719:Yes)には当該入力数カウンタ更新処理を終了し、終了していない場合(ステップS719:No)にはステップS712へ戻り上記処理を繰り返す。
〔不正/入賞監視処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における不正/入賞監視処理(ステップS474、S476)の詳細について説明する。
不正/入賞監視処理は、大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37aに対して行なわれる処理であり、入賞の検出の他に不正の監視をする。大入賞口(特別変動入賞装置38)や普電(普通変動入賞装置37)は、無理やり開閉部材を開いて遊技球を入れて賞球を払い出させる不正が行なわれ易いためである。
図15に示すように、不正/入賞監視処理においては、先ずエラー監視対象の入賞口スイッチの不正監視期間フラグをRWMからロードしてチェックする(ステップS741)。ここで、不正監視期間とは、遊技状態として大入賞口(特別変動入賞装置38)が閉じている期間又は普電(普通変動入賞装置37)が閉じている期間をいう。
そして、不正監視期間でない(ステップS742:No)と判定するとステップS754へジャンプし、不正監視期間である(ステップS742:Yes)と判定すると、ステップS743へ進んでエラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37a)に入力があるかチェックする(ステップS743)。ここで、入力なし(ステップS744:No)と判定すると、ステップS756へジャンプし、入力がある(ステップS744:Yes)と判定すると、ステップS745へ進んでエラー監視対象の入賞口スイッチの不正入賞数を+1更新してステップS746へ進む。ステップS746では、更新後の不正入賞数が監視対象の不正発生判定個数(例えば5個)を超えたかチェックする(ステップS746)。判定個数を5個としているのは、例えば、開状態にある大入賞口が閉状態に変換した際に遊技球が大入賞口の扉部材に挟まり、その遊技球がカウントスイッチの有効期間を過ぎて入賞した場合や信号にノイズがのった場合にそれを不正と判断しない、不正でないのに簡単にエラーと判定しないためである。ここで、判定個数を超えていない(ステップS747:No)と判定するとステップS754へジャンプし、判定個数を超えた(ステップS747:Yes)と判定するとステップS748へ進む。
ステップS748では、不正入賞数を不正発生判定個数に留め、次のステップS749でエラー監視対象の不正入賞監視報知タイマ領域に初期値をセーブしてから、不正入賞発生フラグを設定する(ステップS750)。その後、ステップS751へ移行して、エラー監視対象の不正フラグ領域の値と今回の不正フラグを比較し(ステップS751)、当該不正フラグ領域の値と今回の不正フラグが一致しない(ステップS752;No)と判定するとステップS753をジャンプして不正/入賞監視処理を終了し、一致する(ステップS753;Yes)と判定すると、不正フラグ領域に今回の不正フラグをセーブして(ステップS753)、不正/入賞監視処理を終了する。
一方、ステップS742で不正期間中でない(ステップS742;No)と判定して移行したステップS754では、エラー監視対象の入賞口スイッチ(大入賞口のカウントスイッチ38a又は普電内の始動口2スイッチ37a)の入賞監視テーブルを準備する。その後、入賞数カウンタを更新するつまり賞球排出の対象として入賞数を計数する処理(ステップS755)を実行する。そして、エラー監視対象の不正入賞監視タイマが既にタイムアップ又はタイマを−1更新後にタイムアップしたかチェックし(ステップS756)、タイムアップしていない(ステップS757;No)と判定すると不正/入賞監視処理を終了し、タイムアップした(ステップS757;Yes)と判定するとステップS758へ移行する。
ステップS758ではエラー報知終了タイミングかチェックする(ステップS758)。ここで、エラー報知終了タイミングでない(ステップS758:No)と判定すると、ステップS760へジャンプし、エラー報知終了タイミングである(ステップS758:Yes)と判定すると、ステップS759へ進んでエラー監視対象の不正入賞数をリセットし、ステップS760へ進む。ステップS760では、エラー監視対象の不正入賞解除フラグの設定を行い、ステップS751へ移行する。
〔エラーチェック処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理におけるエラーチェック処理(ステップS479、S482)の詳細について説明する。
図16に示すように、エラーチェック処理においては、先ずエラースキャンカウンタに対応するエラー監視テーブルを取得する(ステップS761)。そして、エラー監視対象のスイッチの状態をチェックし(ステップS762)、スイッチの状態がONでない(ステップS763;No)と判定すると、エラー解除フラグを設定し(ステップS766)、エラー監視対象のエラー解除監視タイマ比較値を設定し(ステップS767)、ステップS768へ移行する。また、ステップS763にてスイッチの状態がONである(ステップS763;Yes)と判定すると、エラー発生フラグを設定し(ステップS764)、エラー監視対象のエラー発生監視タイマ比較値を設定し(ステップS765)、ステップS768へ移行する。
ステップS768ではエラー監視対象のスイッチ状態領域の値と今回のスイッチの状態を比較し、当該スイッチ状態領域の値と今回のスイッチの状態が一致しない(ステップS769;No)と判定すると、ステップS770およびステップS771をジャンプしてステップS772へ移行する。一方、当該スイッチ状態領域の値と今回のスイッチの状態が一致する(ステップS769;Yes)と判定すると、スイッチ状態領域に今回のスイッチ状態をセーブし(ステップS770)、エラー監視対象のエラー監視タイマをクリアして(ステップS771)、ステップS772へ移行する。
ステップS772ではエラー監視対象のエラー監視タイマを+1更新し、エラー監視タイマ比較値に達したかチェックし(ステップS772)、エラー監視タイマ比較値に達していない(ステップS773;No)と判定するとエラーチェック処理を終了する。一方、エラー監視タイマ比較値に達した(ステップS773;Yes)と判定するとエラー監視タイマを−1更新し、エラー監視タイマ比較値を−1した値に留める(ステップS774)。そして、エラー監視対象のエラーフラグ領域の値と今回のエラーフラグを比較し(ステップS775)、当該エラーフラグ領域の値と今回のエラーフラグが一致する(ステップS776;Yes)と判定するとステップS777をジャンプしてエラーチェック処理を終了する。一方、当該エラーフラグ領域の値と今回のエラーフラグが一致しない(ステップS776;No)と判定するとエラーフラグ領域に今回のエラーフラグをセーブして(ステップS777)、エラーチェック処理を終了する。
〔異常監視コマンド設定処理〕
次に、上述の入賞口スイッチ/エラー監視処理における異常監視コマンド設定処理(ステップS483)の詳細について説明する。
図17に示すように、異常監視コマンド設定処理においては、先ず第1入力ポート123から不正監視対象のスイッチの状態をロードし(ステップS781)、払出異常ステータス信号がエラー発生中かチェックする(ステップS782)。
ここで、払出異常ステータス信号がエラー発生中でない(ステップS783;No)と判定するとステップS784をジャンプしてステップS785へ移行し、払出異常ステータス信号がエラー発生中である(ステップS783;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域に払出異常フラグをセットする(ステップS784)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータの払出異常に対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS785ではシュート球切れSW信号がエラー発生中かチェックする。
ここで、シュート球切れSW信号がエラー発生中でない(ステップS786;No)と判定するとステップS787をジャンプしてステップS788へ移行し、シュート球切れSW信号がエラー発生中である(ステップS786;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域にシュート球切れフラグをセットする(ステップS787)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータのシュート球切れに対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS788ではスイッチ異常信号がエラー発生中かチェックする。
ここで、スイッチ異常信号がエラー発生中でない(ステップS789;No)と判定するとステップS790をジャンプしてステップS791へ移行し、スイッチ異常信号がエラー発生中である(ステップS789;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域にスイッチ異常フラグをセットする(ステップS790)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータのスイッチ異常に対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS791ではオーバーフローSW信号がエラー発生中かチェックする。
ここで、オーバーフローSW信号がエラー発生中でない(ステップS792;No)と判定するとステップS793をジャンプしてステップS794へ移行し、オーバーフローSW信号がエラー発生中である(ステップS792;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域にオーバーフローフラグをセットする(ステップS793)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータのオーバーフローに対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS794では大入賞口不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中かチェックする。
ここで、大入賞口不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中でない(ステップS795;No)と判定するとステップS796をジャンプしてステップS797へ移行し、大入賞口不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中である(ステップS795;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域に大入賞口不正入賞フラグをセットする(ステップS796)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータの大入賞口不正入賞に対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS797では普電不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中かチェックする。
ここで、普電不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中でない(ステップS798;No)と判定するとステップS799をジャンプしてステップS800へ移行し、普電不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中である(ステップS798;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域に普電不正入賞フラグをセットする(ステップS799)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータの普電不正入賞に対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS800では磁石不正監視領域のステータスがエラー発生中かチェックする。
ここで、磁石不正監視領域のステータスがエラー発生中でない(ステップS801;No)と判定するとステップS802をジャンプしてステップS803へ移行し、磁石不正監視領域のステータスがエラー発生中である(ステップS801;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域に磁気フラグをセットする(ステップS802)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータの磁気に対応するビット値を「1」とする。
次いで、ステップS803では遊技枠、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中かチェックする。
ここで、遊技枠、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中でない(ステップS804;No)と判定するとステップS805をジャンプしてステップS806へ移行し、遊技枠、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中である(ステップS804;Yes)と判定すると異常監視コマンド設定領域に枠開放フラグをセットする(ステップS805)。具体的には、図6(b)のように、異常監視コマンドにおけるACTIONデータの枠開放に対応するビット値を「1」とする。
次いで、図18に示すステップS806では異常監視コマンドを準備し、コマンド設定処理(ステップS807)を行う。
ここで、遊技制御装置100は、発生した異常状態に対応する異常フラグを設定する異常フラグ設定手段として機能するとともに、異常フラグ設定手段によって設定された異常フラグに基づき、異常監視コマンドを設定する異常情報設定手段として機能する。
そして、エラー発生フラグ又は不正入賞発生フラグが設定されているかチェックし(ステップS808)、いずれのフラグも設定されていない場合(ステップS809;No)、即ち、遊技機10に異常が無い場合は、送信識別コマンドの送信番号に係る送信番号カウンタを+1更新し(ステップS810)、上述したように送信番号カウンタの値を暗号/復号鍵により暗号化する(ステップS811)。ここで、遊技制御装置100は、第1暗号鍵又は第2暗号鍵によって、対応する送信識別コマンドを暗号化する暗号化手段として機能する。
そして、送信識別コマンドを準備し(ステップS812)、コマンド設定処理(ステップS813)を行う。
続けて、送信番号カウンタが上限値(例えば「255」)を超したかチェックし(ステップS814)、上限値を超した場合(ステップS815;Yes)は暗号/復号鍵を変更する(ステップS816)。例えば、図6(a)に示すように、送信識別コマンド1を用いていたときに送信番号の上限値「255」を超した場合、送信識別コマンド1用の暗号/復号鍵「11101101B」から送信識別コマンド2用の暗号/復号鍵「10110101B」に変更する。ここで、遊技制御装置100は、送信識別コマンドが変更された場合に、当該変更された送信識別コマンドに対応する暗号鍵に変更する暗号鍵変更手段として機能する。
次いで、暗号/復号鍵変更コマンドを準備し(ステップS817)、コマンド設定処理(ステップS818)を行い、異常監視コマンド設定処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100は、送信識別コマンド(送信識別コマンド1、2)および異常監視コマンドを生成する異常判断情報生成手段として機能する。
また、遊技制御装置100は、暗号鍵が変更された場合に、該暗号の復号化に用いられる復号鍵を演出制御装置300に指示する復号鍵指示手段として機能する。
〔磁石不正監視処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における磁石不正監視処理(ステップS51)の詳細について説明する。
磁石不正監視処理では、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか判定して不正報知の開始や終了の設定等を行う。
図19に示すように、磁石不正監視処理では、先ず、磁気センサスイッチ61から出力されて第2入力ポート122(入力ポート2)に取り込まれる磁石センサ検出信号の状態をチェックして(ステップS821)、磁石センサ検出信号の入力がない(ステップS822;No)と判定すると、磁石不正監視タイマをクリアする(ステップS823)。
その後、磁石不正解除タイマが既にタイムアップ又は当該タイマを−1更新後にタイムアップしたかチェックする(ステップS824)。
ここで、磁石不正解除タイマがタイムアップした(ステップS825;Yes)と判定された場合には、磁石不正解除フラグを設定し(ステップS826)、ステップS832へ移行する。
一方、磁石を用いた不正が行われ、ステップS822にて、磁石センサ検出信号の入力がある(ステップS822;Yes)と判定すると、磁石不正監視タイマを更新(+1)した後、当該タイマがタイムアップしたかチェックして(ステップS827)、タイムアップしていない(ステップS828;No)と判定すると、処理をステップS824に移行して、それ以降の処理を行う。
また、磁石センサ検出信号の入力が一定期間、即ち、所定回数(例えば、8割込み)連続して行われることで、ステップS828にて、磁石不正監視タイマがタイムアップした(ステップS828;Yes)と判定すると、発生確定時監視タイマ初期値を磁石不正監視タイマ領域にセーブした後(ステップS829)、磁石不正解除タイマ初期値を磁石不正解除タイマ領域にセーブする(ステップS830)。
続けて、磁石不正発生フラグを設定し(ステップS831)、磁石不正フラグ領域の値と今回の磁石不正フラグを比較する(ステップS832)。
ここで、磁石不正フラグ領域の値と今回の磁石不正フラグとが一致する(ステップS833;Yes)と判定するとステップS834をジャンプして磁石不正監視処理を終了する。
一方、磁石不正フラグ領域の値と今回の磁石不正フラグとが一致しない(ステップS833;No)と判定すると磁石不正フラグ領域に今回の磁石不正フラグをセーブして(ステップS834)、磁石不正監視処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における外部情報編集処理(ステップS52)の詳細について説明する。
外部情報編集処理では、入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)や磁石不正監視処理(ステップS51)の監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
図20に示すように、外部情報編集処理では、先ず、外部装置用のセキュリティ信号をオフ状態にするOFFデータを設定した後(ステップS841)、外部装置用の扉・枠開放信号をオフ状態にするOFFデータを設定し(ステップS842)、続けて、試射試験装置用の遊技機エラー状態信号をオフ状態にするOFFデータを設定する処理(ステップS843)を行う。
次に、前枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックして(ステップS844)、エラー発生中でない(ステップS845;No)と判定すると、遊技枠開放監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS846)。
ここで、エラー発生中である(ステップS847;Yes)と判定すると、扉・枠開放信号をオン状態にするONデータを設定した後(ステップS848)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS849)を行う。
また、ステップS845にて、エラー発生中であると判定した場合にも(ステップS845;Yes)、処理をステップS848に移行して、それ以降の処理を行う。
その後、セキュリティ信号制御タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップS850)。また、ステップS847にて、エラー発生中でないと判定した場合にも(ステップS847;No)、処理をステップS850に移行して、セキュリティ信号制御タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(ステップS850)。
そして、ステップS851にて、タイムアップしていない(ステップS851;No)と判定すると、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS852)を行う。
一方、ステップS851にて、タイムアップしたと判定した場合には(ステップS851;Yes)、ステップS852をスキップして処理を図21に示すステップS853に移行する。
そして、ステップS853では、磁石不正監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックして(ステップS853)、エラー発生中でない(ステップS854;No)と判定すると、大入賞口不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS855)。
ここで、エラー発生中でない(ステップS856;No)と判定すると、普電不正入賞監視領域のステータスがエラー発生中であるか否かをチェックする(ステップS857)。
そして、エラー発生中である(ステップS858;Yes)と判定すると、セキュリティ信号をオン状態にするONデータを設定した後(ステップS859)、遊技機エラー状態信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS860)を行う。
また、ステップS854にて、エラー発生中であると判定するか(ステップS854;Yes)、或いは、ステップS856にて、エラー発生中であると判定した場合にも(ステップS856;Yes)、処理をステップS859に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、ON若しくはOFFに設定したセキュリティ信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブした後(ステップS861)、ON若しくはOFFに設定した扉・枠開放信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブし(ステップS862)、続けて、ON若しくはOFFに設定した遊技機エラー状態信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップS863)を行う。
また、ステップS858にて、エラー発生中でないと判定した場合にも(ステップS858;No)、処理をステップS861に移行して、それ以降の処理を行う。
その後、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理(ステップS864)を行う。そして、図柄確定回数信号をオフ状態にするOFFデータを設定した後(ステップS865)、図柄確定回数信号制御タイマを更新(−1)した後、当該タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップS866)、タイムアップしていない(ステップS867;No)と判定すると、図柄確定回数信号をオン状態にするONデータを設定する処理(ステップS868)を行う。
その後、ステップS868にてONに設定した図柄確定回数信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップS869)を行って、外部情報編集処理を終了する。
一方、ステップS867にて、図柄確定回数信号制御タイマがタイムアップしたと判定された場合には(ステップS867;Yes)、ステップS868をスキップして、OFFに設定されている図柄確定回数信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする処理(ステップS869)を行って、外部情報編集処理を終了する。
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図22に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われる図23に示すコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
〔1stメイン処理〕
先ず、1stメイン処理について説明する。
図22に示すように、1stメイン処理においては、はじめに割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、RAMを0クリアする処理(ステップB2)を行い、1stCPU311の初期化処理(ステップB3)を行う。
次に、RAMに初期値を設定する処理(ステップB4)を行い、乱数初期化処理(ステップB5)を行う。その後、各種割込みのタイマを起動する処理(ステップB6)を行い、割込みを許可する(ステップB7)。その後、主制御用マイコン311は、メインループ処理ステップB8〜B18を行う。
このメインループ処理では、まず、ウォッチドッグタイマ(WDT)をクリアする処理(ステップB8)を行う。そして、演出ボタンSW25aからの入力処理(ステップB9)を行い、遊技制御コマンド解析処理(ステップB10)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。遊技制御装置100から送信される一つのコマンドは、第1コマンド(MODE)と、第2コマンド(ACTION)との一対のデータにより構成されている。そして、受信した第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾しない場合(例えば、MODE→ACTIONの順に受信した場合)に正しくコマンドを受信したと判定し、第1コマンド(MODE)と第2コマンド(ACTION)の組み合わせが矛盾する場合(例えば、ACTION→ACTIONの順やMODE→MODE→MODEの順に受信した場合)にコマンドの受信が異常であると判定するようになっている。
続いて、テストモード処理(ステップB11)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB12)を行う。
次いで、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB13)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB15)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB8)に戻る。
〔コマンド受信割込み処理〕
次に、コマンド受信割込み処理について説明する。
このコマンド受信割込み処理では、図23に示すように、先ず、遊技制御装置100から送信されたコマンドのポートの値を取り込む処理(ステップB21)を行う。
ここで、演出制御装置300は、遊技制御装置100から定期的に送信される送信識別コマンド及び異常監視コマンドを受信する異常判断情報受信手段として機能する。
そして、MODEコマンドの待機中であるか否かの判定(ステップB22)を行う。
ここで、MODEコマンドの待機中の場合(ステップB23)は、さらにデータストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB23)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB23;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB24)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB24;Yes)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB25)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをMODEコマンドとしてセーブする処理(ステップB26)を行う。
続いて、タイムアウト監視タイマに初期値を設定し、当該タイマをスタートさせる処理(ステップB27)を行った後、ACTIONコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB28)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB23において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB23;No)、又はステップB24において、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB24;No)は、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB22において、MODEコマンド待機中でない場合、即ち、ACTIONコマンド待機中の場合(ステップB22;No)は、タイムアウト監視タイマがタイムアウトとなったか否かを判定(ステップB29)する。
ここで、タイムアウトとなっていない場合(ステップB29;No)は、データストローブ信号SSTBがONの状態であるか否かを判定(ステップB30)し、データストローブ信号SSTBがONの状態である場合(ステップB30;Yes)は、受信したコマンドがMODEコマンドであるか否かを判定(ステップB31)する。
そして、受信したコマンドがMODEコマンドでない場合(ステップB31;No)は、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB32)を行い、算出後のアドレスに当該コマンドをACTIONコマンドとしてセーブする処理(ステップB33)を行う。
続いて、受信済みコマンド数の値を+1更新する処理(ステップB34)を行った後、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB29において、タイムアウトとなった場合(ステップB29;Yes)、又はステップB30において、データストローブ信号SSTBがONの状態でない場合(ステップB30;No)は、ステップB35へ移行し、受信ポインタに対応するコマンドバッファのアドレスを算出する処理(ステップB35)を行い、算出されたアドレスのコマンドバッファにセーブされているMODEコマンドを破棄する処理(ステップB36)を行う。そして、タイムアウト監視タイマを停止する処理(ステップB37)を行い、MODEコマンド待ち状態に設定する処理(ステップB38)を行い、コマンド受信割込み処理を終了する。
また、ステップB31において、受信したコマンドがMODEコマンドである場合(ステップB31;Yes)は、ステップB25へ移行し、それ以降の処理を行う。
〔遊技機エラー監視処理〕
次に、上述の1stメイン処理における遊技機エラー監視処理(ステップB13)の詳細について説明する。
図24に示すように、遊技機エラー監視処理では、先ず、遊技制御装置100から送信識別コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB41)。
ここで、送信識別コマンドを受信した場合(ステップB41;Yes)は、受信した送信識別コマンド(送信識別コマンド1、2)に対応する暗号/復号鍵を取得し(ステップB42)、当該送信識別コマンドの値を暗号/復号鍵により復号化する(ステップB43)。ここで、演出制御装置300は、第1復号鍵又は第2復号鍵によって、対応する送信識別コマンド1、2を復号化する復号化手段として機能する。
次いで、送信番号カウンタの値を+1更新する処理(ステップB44)を行う。なお、送信番号カウンタの値は予め設定された最大値(例えば「255」)に達した後、当該カウンタの値が+1更新されると「0」に戻るものとする。その後、送信識別コマンド値(ACTIONデータの値)と送信番号カウンタ値が一致するかチェックし(ステップB45)、送信識別コマンド値と送信番号カウンタ値が一致する場合(ステップB46;Yes)は、続けて暗号/復号鍵変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB47)。ここで、暗号/復号鍵変更コマンドを受信していない場合(ステップB47;No)は遊技機エラー監視処理を終了する。一方、暗号/復号鍵変更コマンドを受信した場合(ステップB47;Yes)は、送信識別コマンド1用から送信識別コマンド2用へ、又は、送信識別コマンド2用から送信識別コマンド1用へ、暗号/復号鍵を変更して(ステップB48)、遊技機エラー監視処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、送信識別コマンドを定期的に受信した場合、当該送信識別コマンドの送信番号がインクリメントされた正常な送信識別コマンドであることを条件に、当該遊技機10が正常状態であると判定して当該遊技機10において異常状態が発生しているか否かの判定を実行しないこととなる。また、演出制御装置300は、遊技制御装置100によって復号鍵が指示された場合に、演出制御装置300による復号化を実行するための暗号/復号鍵を変更する復号鍵変更手段として機能する。
また、ステップB46にて送信識別コマンド値と送信番号カウンタ値が一致しない場合(ステップB46;No)は、続けて異常監視コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB49)。
ここで、異常監視コマンドを受信した場合(ステップB49;Yes)は、異常監視コマンドのACTIONデータ(図6(b)参照)に基づいて異常内容を把握し(ステップB50)、異常内容に対応する異常報知情報を設定し(ステップB51)、当該異常内容を表示装置41に表示させたり、盤装飾装置42や枠装飾装置18のランプ、払出異常報知用のランプ(LED)17を点灯させたり、また、上下のスピーカ19a,19bにより異常状態が発生したことを知らせる音を発生させることで異常状態を報知するようにし、遊技機エラー監視処理を終了する。ここで、演出制御装置300は、受信した異常監視コマンドに基づき、当該遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを判定する異常状態判定手段として機能する。具体的には、送信識別コマンドを定期的に受信できない場合に、演出制御装置300によって受信した異常監視コマンドに基づき、当該遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを判定したこととなる。また、演出制御装置300は、表示装置41、盤装飾装置42、枠装飾装置18、払出異常報知用のランプ(LED)17及び上下スピーカ19a,19bは異常状態の発生を報知する異常発生報知手段として機能する。
一方、異常監視コマンドを受信していない場合(ステップB49;No)は、ステップB47へ移行する。
また、ステップB41にて送信識別コマンドを受信していない場合(ステップB41;No)は、ステップB49へ移行し、それ以降の処理を行う。
以上のことから、実施形態1の遊技機10によれば、遊技制御装置100のタイマ割込み処理によって、当該遊技機10において複数ある異常状態を監視し、当該監視結果に基づき異常監視コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300の遊技機エラー監視処理によって、遊技制御装置100より送信された当該異常監視コマンドに基づき何れかの異常状態が発生していると判定された場合に、かかる異常状態の発生を報知することができるので、当該遊技機10において発生する様々な異常状態を好適に報知することができる。
また、遊技制御装置100のタイマ割込み処理に基づき、当該遊技機10において異常状態が発生しているか否か、及び、異常状態が発生している場合は何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常監視コマンドを定期的に演出制御装置300に送信し、演出制御装置300の遊技機エラー監視処理によって、コマンド受信割込み処理により受信した異常監視コマンドに基づき、当該遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを判定するので、遊技制御装置100側では異常状態の発生の有無を判定するための異常監視コマンドを定期的に送信するだけでよく、当該遊技制御装置100の処理負担を軽減することができる。
また、遊技機10において異常状態が発生していると判定された場合は、遊技制御装置100によって送信識別コマンドの送信を行わないようにしたので、演出制御装置300側で当該送信識別コマンドを受信したか否かを判定することにより、当該遊技機10において異常状態が発生しているか否かについて容易に判断することができるようになる。また、当該遊技機10において異常状態が発生していないと判定して、遊技制御装置100によって送信識別コマンドを送信する場合、当該送信識別コマンドを演出制御装置300側に送信する毎に送信番号がインクリメントされるので、例えば、当該送信番号に一定数以上の抜け番や、番号の順序が崩れた場合には、何らかの異常が起こったと判断し、当該遊技機10における異常状態の報知を行うことが可能となる。
また、演出制御装置300のコマンド受信割込み処理にて、送信識別コマンドを定期的に受信できない場合に、遊技機エラー監視処理によって、何らかの異常が起こったと判断することができるようになり、かかる場合、コマンド受信割込み処理によって受信した異常監視コマンドに基づき、遊技機エラー監視処理によって、当該遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを適切に判定することができる。
また、遊技機10において異常状態が発生していないと判定された場合は、送信識別コマンドを異常監視コマンドよりも先に送信するようにしたので、当該送信識別コマンドの送信を的確に行うことができるようになり、当該送信識別コマンドの送信番号に基づき当該遊技機10に異常が起こったか否かの判断をより確実に行うことができるようになる。
また、コマンド受信割込み処理によって送信識別コマンドを定期的に受信した場合、当該送信識別コマンドの送信番号がインクリメントされた正常な送信識別コマンドである場合には、演出制御装置300側の遊技機エラー監視処理によって、当該遊技機10において異常状態が発生しているか否かの判定を実行しないようにしたので、かかる場合、遊技制御装置100側の処理負担を軽減することができるのみでなく、演出制御装置300側の遊技機エラー監視処理による処理負担をも軽減することができるようになる。
また、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される送信識別コマンドを暗号化することができるので、遊技機10に不正行為を行うことで異常が発生した場合に、当該異常の状態を報知させないように送信識別コマンドを改ざんするといった行為を好適に防止することができる。
特に、送信識別コマンドは、送信識別コマンド1と送信識別コマンド2とから構成され、それぞれの送信識別コマンドに対応する暗号化処理が可能であり、所定条件の成立に基づき、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信される送信識別コマンドを変更することができるので、仮に送信識別コマンド1又は送信識別コマンド2の何れかの送信識別コマンドの暗号化が解読された場合であっても他方の送信識別コマンドの送信によって、当該異常の状態を報知させないように送信識別コマンドを改ざんするといった行為をより好適に防止することができる。
また、遊技機10において発生した異常状態に対応する異常フラグを設定した異常監視コマンド(ACTIONデータ)を遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信することができるので、当該異常監視コマンドによって、何れの異常状態が発生したのか確実に演出制御装置300へ送信して、当該異常状態を報知することができるようになる。
<実施形態2>
以下に、実施形態2の遊技機10について図25〜図27を用いて説明する。
実施形態2の遊技機10は、第1入力ポート123及び第2入力ポート122の各スイッチの状態に基づいて異常監視コマンドを設定し、当該異常監視コマンドを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信するようにしたものである。
なお、実施形態2の遊技機10にあっては、異常監視コマンドの構成、及び遊技制御装置100の異常監視コマンド設定処理以外の構成は実施形態1の遊技機10と略同様であり、その詳細な説明は省略する。
次に、実施形態2の異常監視コマンドの詳細について図25を用いて説明する。
図25に示すように、異常監視コマンドは、入力ポートの状態に対応しており、具体的には、最上位ビットから順に、「払出異常」、「シュート球切れ」、「スイッチ異常」、「オーバーフロー」、「大入賞口不正入賞」、「普電不正入賞」、「磁気(エラー)」、「枠開放(エラー)」の8つの異常検知信号と対応するようになっている。そして、エラーが無い場合、ACTIONデータは、「払出異常」が「0」、「シュート球切れ」が「0」、「スイッチ異常」が「0」、「オーバーフロー」が「1」、「大入賞口不正入賞」が「0」、「普電不正入賞」が「0」、「磁気(エラー)」が「1」、「枠開放(エラー)」が「1」となり、2進数表記で「00010011B」、16進数表記で「13H」となる。また、シュート球切れの状態(異常;球無)の場合(他のエラー無し)は、ACTIONデータは、2進数表記で「01010011B」、16進数表記で「53H」となる。
次に、送信識別コマンドおよび異常監視コマンドを送信する場合の一例について図26を用いて説明する。
図26(a)には遊技機10に異常が発生していない場合のコマンド送信例が示されている。かかる場合、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」と送信番号を示すACTIONデータ「EDH」とからなる送信識別コマンド(送信識別コマンド1)、及び、MODEデータ「A3H」と異常が無いことを示すACTIONデータ「13H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。そして、4msが経過したタイマ割込みのタイミングにて、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」と「EDH」の次の送信番号を示すACTIONデータ「ECH」とからなる送信識別コマンド、及び、MODEデータ「A3H」とACTIONデータ「13H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。そして、遊技制御装置100は、異常が発生しない限り、送信番号順に送信識別コマンドと異常監視コマンドとを送信する。
図26(b)には異常(シュート球切れ)が発生した場合のコマンド送信例が示されている。かかる場合、実施形態1の場合と同様に、遊技制御装置100は、異常監視コマンドは送信するが、送信識別コマンドを送信しないようになっている。具体的には、遊技制御装置100は、異常期間中(シュート球切れ中)、MODEデータ「A3H」と異常(シュート球切れ)を示すACTIONデータ「53H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信するが、送信識別コマンドは送信しない。そして、異常が解消され正常復帰すると、直近のタイマ割込みのタイミングにて、遊技制御装置100は、MODEデータ「A1H」とACTIONデータ「E4H」とからなる送信識別コマンド、及び、MODEデータ「A3H」とACTIONデータ「13H」とからなる異常監視コマンドを演出制御装置300へ送信する。
〔異常監視コマンド設定処理〕
次に、実施形態2における異常監視コマンド設定処理(ステップS483)の詳細について説明する。
図27に示すように、異常監視コマンド設定処理においては、先ず第1入力ポート123から不正監視対象のスイッチの状態をロードし(ステップS901)、異常監視コマンドの上位4ビットにスイッチの状態を設定する(ステップS902)。
続けて、第2入力ポート122から不正監視対象のスイッチの状態をロードし(ステップS903)、異常監視コマンドの下位4ビットにスイッチの状態を設定する(ステップS904)。
そして、ステップS902及びステップS904のスイッチ状態の設定に基づき異常監視コマンドを準備し(ステップS905)、コマンド設定処理(ステップS906)を行う。ここで遊技制御装置100は、当該遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを判断するための入力情報を監視する入力情報監視手段として機能するとともに、入力ポートのスイッチ状態の情報を、異常監視コマンドとして設定する異常情報設定手段として機能する。
次いで、エラー発生フラグ又は不正入賞発生フラグが設定されているかチェックして(ステップS907)、かかるフラグの設定が有る場合(ステップS908;Yes)は、異常監視コマンド設定処理を終了し、かかるフラグの設定が無い場合(ステップS908;No)は、送信番号カウンタを+1更新する(ステップS909)。
そして、送信番号カウンタの値を暗号/復号鍵により暗号化し(ステップS910)、送信識別コマンドを準備し(ステップS911)、コマンド設定処理(ステップS912)を行う。ここで遊技制御装置100は、異常判断情報生成手段として機能し、当該遊技機10において異常状態が発生していないと判定された場合は、何れの異常状態も発生していないことを示す異常監視コマンドと、該異常監視コマンドの送信番号を示す送信識別コマンドと、を生成し、異常状態が発生していると判定された場合は、何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常監視コマンドのみを生成したこととなる。
次いで、送信番号カウンタが上限値を超したかチェックし(ステップS913)、送信番号カウンタが上限値を超していない場合(ステップS913;No)は、異常監視コマンド設定処理を終了し、送信番号カウンタが上限値を超している場合(ステップS913;Yes)は、暗号/復号鍵を変更し(ステップS915)、暗号/復号鍵変更コマンドを準備した(ステップS916)後、コマンド設定処理(ステップS917)を行い、異常監視コマンド設定処理を終了する。
以上のことから、実施形態2の遊技機10によれば、遊技機10において何れの異常状態が発生しているかを判断するための入力ポートの状態の情報を異常監視コマン(ACTIONデータ)として遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信することができるので、当該異常監視コマンドによって、何れの異常状態が発生したのか確実に演出制御装置300へ送信して、当該異常状態を報知することができるようになる。
また、異常状態を報知するか否かの判断だけでなく、異常状態が発生したか否か、そして異常状態が発生した場合は、何れの異常状態が発生しているかの判断についても演出制御装置300側で処理しているので、遊技制御装置100側ではかかる処理を行う必要がなく、遊技制御装置100側の処理負担を大幅に軽減させることができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記したそれぞれの実施例では、外部情報端子71は遊技制御装置100に接続するようにしたが、遊技機10に接続されていれば良く、例えば、演出制御装置300に接続するようにしても良い。
これにより、セキュリティ信号、扉・枠開放信号、遊技機エラー状態信号、図柄確定回数信号等のデータを演出制御装置300から外部情報端子71へ出力するようになるので、上記実施例のように遊技制御装置100にて実行されていた外部情報編集処理を演出制御装置300に実行させることができるようになり、遊技制御装置100の制御負担を軽減させることができる。
特に、実施形態2のように遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信する異常監視コマンドを入力ポートのスイッチ状態に基づいて設定して、外部情報編集処理を演出制御装置300に実行させるようにすると、「不正/入賞監視処理」「エラーチェック処理」を演出制御装置300に実行させることができるようになり、より一層、遊技制御装置100の制御負担を軽減させることができるようになる。
また、送信識別コマンド及び異常監視コマンドは、タイマ割込み処理が実行される毎に実行されるコマンド送信処理の最初のコマンドとして送信することが望ましい。
これにより、送信識別コマンド及び異常監視コマンドの定期的な送信が確実に実行されるようになり、複数存在する遊技機の異常状態のうち何れが発生したとしても、異常状態の内容を確実に演出制御装置300へ知らせることができ、異常状態の報知を確実に実行することができるようになる。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
10 遊技機
17 ランプ(LED)17(異常発生報知手段)
18 枠装飾装置(異常発生報知手段)
19a 上スピーカ(異常発生報知手段)
19b 下スピーカ(異常発生報知手段)
41 表示装置(異常発生報知手段)
42 盤装飾装置(異常発生報知手段)
100 遊技制御装置(遊技制御手段、異常監視手段、異常判断情報生成手段、異常判断情報送信手段)
300 演出制御装置(演出制御手段、異常判断情報受信手段、異常状態判定手段、異常発生報知手段)

Claims (8)

  1. 遊技を統括的に制御する遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの制御指令に基づいて演出制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、
    前記遊技制御手段は、
    当該遊技機において複数ある異常状態を監視する異常監視手段と、
    前記異常監視手段の監視結果に基づき、当該遊技機において異常状態が発生しているか否か、及び、異常状態が発生している場合は何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常判断情報を生成する異常判断情報生成手段と、
    前記異常判断情報生成手段によって生成された異常判断情報を、当該遊技制御手段が稼動している間、前記演出制御手段に定期的に送信する異常判断情報送信手段と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記異常判断情報送信手段から定期的に送信される異常判断情報を受信する異常判断情報受信手段と、
    前記異常判断情報受信手段によって受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定する異常状態判定手段と、
    前記異常状態判定手段によって何れかの異常状態が発生していると判定された場合に、該異常状態の発生を報知する異常発生報知手段と、
    を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記異常判断情報生成手段は、当該遊技機において異常状態が発生していないと判定された場合は、前記異常判断情報として、何れの異常状態も発生していないことを示す異常情報と、該異常情報の送信番号を示す送信識別情報と、を生成し、異常状態が発生していると判定された場合は、何れの異常状態が発生しているか判定可能な異常情報のみを生成し、
    前記送信番号は、前記送信識別情報を前記演出制御手段に送信する毎にインクリメントされることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記異常状態判定手段は、前記異常判断情報受信手段によって前記送信識別情報を定期的に受信できない場合に、当該異常判断情報受信手段によって受信した異常判断情報に基づき、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記異常判断情報送信手段は、当該遊技機において異常状態が発生していないと判定された場合は、前記送信識別情報を前記異常情報よりも先に送信することを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
  5. 前記異常状態判定手段は、前記異常判断情報受信手段によって前記送信識別情報を定期的に受信した場合、当該送信識別情報の送信番号がインクリメントされた正常な送信識別情報である場合には、当該遊技機が正常状態であると判定して当該遊技機において異常状態が発生しているか否かの判定を実行しないことを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記送信識別情報は、第1送信識別情報と第2送信識別情報とから構成され、
    前記異常判断情報送信手段は、
    前記第1送信識別情報を暗号化する第1暗号鍵と、
    前記第2送信識別情報を暗号化する第2暗号鍵と、
    前記第1暗号鍵又は前記第2暗号鍵によって、対応する送信識別情報を暗号化する暗号化手段と、
    所定条件の成立に基づき、前記演出制御手段に送信される前記第1送信識別情報又は前記第2送信識別情報の何れか一方の送信識別情報を他方の送信識別情報に変更する送信識別情報変更手段と、
    前記送信識別情報変更手段により前記送信識別情報が変更された場合に、前記変更された送信識別情報に対応する暗号鍵に変更する暗号鍵変更手段と、
    前記暗号鍵変更手段により前記暗号鍵が変更された場合に、該暗号の復号化に用いられる復号鍵を前記異常判断情報受信手段に指示する復号鍵指示手段と、
    を備え、
    前記異常判断情報受信手段は、
    前記暗号化手段により暗号化された第1送信識別情報を復号化する第1復号鍵と、
    前記暗号化手段により暗号化された第2送信識別情報を復号化する第2復号鍵と、
    前記第1復号鍵又は前記第2復号鍵によって、対応する送信識別情報を復号化する復号化手段と、
    前記復号鍵指示手段によって前記復号鍵が指示された場合に、前記復号化手段による復号化を実行するための復号鍵を変更する復号鍵変更手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載の遊技機。
  7. 前記異常判断情報生成手段は、
    前記異常監視手段による監視結果に基づき、発生した異常状態に対応する異常フラグを設定する異常フラグ設定手段と、
    前記異常フラグ設定手段によって設定された異常フラグに基づき、前記異常情報を設定する異常情報設定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の遊技機。
  8. 前記遊技制御手段は、当該遊技機において何れの異常状態が発生しているかを判断するための入力情報を監視する入力情報監視手段を備え、
    前記異常判断情報生成手段は、
    前記入力情報監視手段による監視結果に基づき、前記入力情報を、前記異常情報として設定する異常情報設定手段を備えることを特徴とする請求項2〜6の何れか一項に記載の遊技機。
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