JP5244527B2 - 医療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生体の管腔内に挿入される内視鏡を有する医療装置に関し、特に、管腔内から流体を吸引する吸引手段と、管腔内に流体を送気する送気手段とを有する医療装置に関する。
内視鏡装置は、生体の被検部に外部から細長の可撓性を有する挿入部を挿入して被検部を観察し必要とする処置を行う。内視鏡の挿入部には送気管路および吸引管路が設けられており、送気管路および吸引管路を介して管腔内に流体を供給したり吸引したりするための吸引装置および送気装置を備えている。
挿入部の先端側には湾曲自在な湾曲部が配設されている。そして、入り組んだ生体内の管路、特に、大腸のようにループを描く管腔に挿入部を挿入するときには、湾曲部の湾曲操作に加えて、管腔内に空気等の流体を供給したり吸引したり操作することで、管腔を適度に膨張または収縮し挿入性を改善することが行われていた。
一方、モータまたは空気圧等による駆動手段により駆動制御される湾曲部を有する内視鏡、が開発されている。
さらに、特開2008−136628号公報には、内視鏡の挿入部の挿入操作を補助するための内視鏡挿入形状解析システムが開示されている。
特開2003−93334号公報 特開2008−136628号公報
しかし、大腸等の管腔は、挿入部の挿入に適した拡張状態が異なる複数の部位から構成されている。このため、術者は先端部の位置が、いずれの部位にあるかを判断しながら、それぞれの部位に適した拡張状態に保つために、管腔内に空気等の流体を供給したり吸引したりして、空気量を適切に制御する必要があった。すなわち、術者は、湾曲部の湾曲操作および挿入部位の判断に加えて、同時に、流体の供給操作または吸引操作を行う必要があり、繁雑であった。
また、自動的に駆動制御される湾曲部を有する内視鏡では自動的に挿入作業を行うことも可能ではあるが、管腔を、それぞれの部位に応じて適度の拡張状態に保つことはできなかった。
本発明は、生体の管腔の内部に内視鏡の挿入部を挿入するときに、管腔を適度の拡張状態に保つ医療装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明の一態様の医療装置は、体内の管腔に挿入される挿入部の先端部に撮像手段と吸引孔と送気孔とを有する内視鏡と、前記吸引孔を介して前記管腔内から流体を吸引する吸引手段と、前記送気孔を介して前記管腔内に流体を送気する送気手段と、前記管腔における前記先端部の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段が検出した前記先端部の位置に基づき、前記吸引手段または前記送気手段を制御する制御部と、前記挿入部の形状を検出する形状検出手段と、を有し、前記位置検出手段は、前記形状検出手段が検出した前記挿入部の、挿入長、先端方向角、湾曲量、湾曲方向角、または挿入部曲率半径最大値の少なくとも2以上の値から、前記先端部の位置を検出する。
本発明は、生体の管腔に内視鏡の挿入部を挿入するときに、管腔を適度の拡張状態に保つ医療装置を提供するものである。
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態の医療装置1について説明する。
図1は本実施の形態の医療装置の使用状態を説明するための構成図であり、図2は、本実施の形態の医療装置の構成を説明するための構成図である。
図1に示すように、本実施の形態の医療装置1は、患者5の管腔である大腸4(図3参照)に内視鏡3の挿入部11を挿入するための医療装置である。医療装置1は内視鏡3と本体部2と、挿入部11の先端部11Aの位置を検出する位置検出部6とを有する。内視鏡3の挿入部11の先端部11Aは湾曲部11Cが湾曲動作しながら、患者5の大腸4に肛門S0(図3参照)から挿入される。内視鏡3の操作部12から延伸したユニバーサルコード13は本体部2と接続されている。本体部2は、撮像した画像等を表示するモニタ15と、大腸4から流体を吸引する吸引手段である吸引部17と、大腸4に流体を送気する送気手段である送気部16と、光源装置18と、画像処理および医療装置1全体の制御等を行う制御装置19を有している。吸引部17には吸引瓶17Aが、送気部16には圧力流体が充填されたボンベ16Aが、それぞれ接続されている。大腸4内に送気する流体は気体であり、送気部16が圧縮空気が充填されたボンベ16Aを有する場合または送気ポンプを有する場合には、空気である。送気部16が二酸化炭素が充填されたボンベを有する場合には、大腸4内に送気する流体は、二酸化炭素である。
そして、医療装置1においては、挿入部11の挿入長L1を検出するための挿入長検出部であるエンコーダ11Fが患者5の肛門S0近傍に配設されており、エンコーダ11Fの信号をもとに、肛門S0を基点11Eとして挿入長L1が検出される。そして、位置検出部6は、挿入長L1をもとに先端部11Aの位置、すなわち、大腸4のどの部位に先端部が存在するかを算出する。
また、図2に示すように、先端部11Aには、吸引孔32Aと、送気孔33Aと、撮像手段であるCCD31と、大腸4内の圧力を計測する圧力計測部34とが配設されている。ユニバーサルコード13および挿入部11の内部には、吸引孔32Aと吸引部17とをつなぐ吸引管(不図示)と、送気孔33Aと送気部16とをつなぐ送気管(不図示)と、CCD31と本体部2の画像処理部(不図示)とをつなぐ信号線等が配設されている。なお送気管または吸引管として、挿入部11内に配設された汎用のチャンネルチューブ(不図示)等を使用してもよい。先端部11Aの方向を上下左右に変化する湾曲部11Cは、湾曲駆動部11Dにより湾曲駆動され、挿入部11を自動的に大腸4内に挿入する自動挿入もできる。
そして、本実施の形態の医療装置1では、挿入長検出手段であるエンコーダ11Fが検出した挿入長L1に基づき位置検出部6が検出した大腸4における先端部11Aの位置に基づき、吸引部17および送気部16を制御する制御部41とを有している。位置検出部6は記憶部43に予め記憶されている所定の条件に基づいて先端部11Aの位置を判別する。なお、圧力計測部34が大腸4内の圧力を計測しているため、大腸4内が予め定めた許容圧力を超える場合には、制御部41は、送気部16の送気動作を停止する。さらに、医療装置1は吸引量計測部17Bを有しており、所定の時間内の積算吸引量が予め定めた所定の積算吸引量を超える場合には、制御部41は、吸引部17の吸引動作を停止する。なお、圧力計測部34は先端部11Aではなく、先端部11Aの開口部と接続されていれば本体部2に配設されていてもよい。
医療装置1は、制御部41が大腸4における先端部11Aの位置に基づき、吸引部17および送気部16を制御し、その位置、言い換えれば、部位に適した適度の拡張状態に保つ。このため、術者は湾曲部11Cの湾曲操作に集中することができる。さらに、医療装置1は、大腸4が部位に応じた適度の拡張状態を保つため、湾曲駆動部11Dによる自動挿入を行うことが容易である。
次に、図3から図6を用いて、医療装置1の動作について、より詳細に説明する。図3は、大腸を構成する部位を説明するための説明図であり、図4は本実施の形態の医療装置の制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図5および図6は制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
最初に、図3を用いて、大腸を構成する部位について説明する。図3に示すように、大腸4は、肛門S0から小腸S11までの間の管腔である。挿入部11の先端部11Aは湾曲部11Cを適宜湾曲動作することにより、大腸4の深部に挿入される。
すなわち、挿入部11は、最初に、直腸S1に挿入され、S状結腸S3、下行結腸S4、横行結腸S6、上行結腸S8へと挿入される。なお、図3において、S2はヒューストン弁を、S3TはS−topを、S5は脾弯曲部を、S7は肝湾部を、S9は盲腸を、S10は虫垂を示している。そして、前記各部位は、挿入部11の挿入に適した拡張状態が異なる。
これは、大腸4の部位のうち、直腸S1、下行結腸S4、および上行結腸S8は体腔内に固定されているが、S状結腸S3および横行結腸S6は体腔内に完全には固定されておらず、たるんだ状態で体腔内を自由に動くことによる。腸管が、たるんだ状態では、術者は内視鏡3の先端部11Aを大腸4の最短直線ルートを通過するように内視鏡3を操作することが難しい。
このため、医療装置1の制御部41は、腸管がたるんでいる部位では以下のように制御する。
A) 吸引を行うことにより、先端部11Aの前方にある腸管を吸い寄せて腸管を縮ませ、たるみを取り除いて直線化する。
B) 吸引しすぎると、腸管が潰れて狭くなるので、前方の潰れて狭くなった腸管に先端部11Aを押し入れる技量が必要となり、内視鏡3の挿入が難しくなる。そこで、制御部41は送気を行い狭くなった腸管を広げる。
C) 上記B)の状態から、さらに吸引すると、先端部11A前方の腸管が潰れて完全に閉じてしまうので、先端部11Aを前進させることは不可能となる。
D) 送気しすぎると、上記A)において縮ませて吸い寄せた先端部11A前方の腸管が遠ざかってしまうので送気を停止する。また、腸管のたるみにより先端部11A前方の腸管が折り曲げられた状態にあるときに、送気を行うと、送気継続による腸管の膨張により、折り曲げられた箇所で腸管が完全に閉じてしまうので、送気を停止する。
次に、図4のフローチャートに従い位置検出部6の検出結果と制御部41の処理の流れを説明する。
<ステップS10、S11>
エンコーダ11Fによる挿入長L1の検出が開始されると、肛門S0から直腸S1へと先端部11Aが挿入され、挿入部11の挿入操作が開始される。
位置検出部6が検出した先端部11Aの位置が直腸S1の場合、送気を行うと肛門S0から空気が腸内の残渣と共に出てベッドを汚してしまう。このため、制御部41は、吸引部17を制御し、腸管が潰れすぎない程度の吸引を継続して行い、ヒューストン弁S2が挿入の妨げにならないようにする。
<ステップS12、S13>
位置検出部6は、挿入長L1が15cmを超えると、先端部11AがS状結腸S3に到達したと判別する。S状結腸S3では腸管がたるんでいるため、制御部41は、送気吸気を切り替えながら管腔を適度の拡張状態に保つと同時に、たるんだS状結腸S3を縮めて腸管を短縮して直線化する。すなわち、制御部41は、腸管潰れが大きい場合には、送気部16を制御して送気を行い腸管を広げる。逆に制御部41は、腸管内に空気が多い場合には、吸引部17を制御して吸引する。
<ステップS14、S15>
位置検出部6は、挿入長L1が30cmを超えると、先端部11Aが下行結腸S4に到達したと判別する。下行結腸S4では腸管が体腔に固定されているため、吸引によるたるみの取り除きは不要であるため、制御部41は、送気により管腔を、ある程度膨らませるように送気量を調節し、送気を継続して腸管を広げて挿入しやすくする。すなわち、制御部41は、送気部16を制御し、空気量が若干多めになるように、送気を行う。
<ステップS16、S17>
位置検出部6は、挿入長L1が45cmを超えると、先端部11Aが横行結腸S6に到達したと判別する。横行結腸S6では、腸管がたるんでいるため、制御部41は、送気吸気を切り替えながら管腔を適度の拡張状態に保つ。すなわち、制御部41は、先端部11Aが横行結腸S6中間部を過ぎると、吸引部は17が吸引を行い、たるんだ横行結腸S6を縮め腸管を上方に持ち上げるように制御する。
<ステップS18、S19>
位置検出部6は、挿入長L1が60cmを超えると、先端部11Aが上行結腸S8に到達したと判別する。上行結腸S8では腸管が体腔に固定されているため、吸引によるたるみの取り除きは不要であるため、制御部41は、送気により管腔を、ある程度膨らませるように送気量を調節し、送気を継続して腸管を広げて挿入しやすくする。すなわち、制御部41は、送気部16を制御し、空気量が若干多めになるように、送気を行う。
なお、上記説明における挿入長L1の絶対値と部位との関係は、患者5の年齢、体
格、および性別等により適宜決定される。また、位置検出部6は独立した部ではなく、制御部41等が位置検出部6の機能を行ってもよい。
以上の説明のように、医療装置1においては、制御部41が、挿入部位に応じて挿入に適した拡張状態となるように、送気部16および吸引部17を制御する。
次に、図5および図6を用いて、制御部41が行う管腔の拡張状態の制御について、さらに説明する。図5は、制御部41による制御を説明するためのフローチャートである。
以下、図5のフローチャートに従い説明する。
<ステップS20>
位置検出部6が挿入長L1による位置検出を開始し、制御部41は図4に示したフローチャートのように、大腸4の拡張状態を制御する。
<ステップS21、S22>
大腸が、部位に応じて予め決められ、記憶部43に記憶された拡張状態よりも、潰れている場合には、制御部41は、送気部16を送気状態に制御する。すると、大腸4内に空気が送気され、挿入に適した拡張状態となる。
<ステップS23、S24>
大腸が、部位に応じて予め決められ、記憶部43に記憶された拡張状態よりも、拡張している、言い換えれば空気過多の場合には、制御部41は、吸引部17を吸引状態に制御する。すると、大腸4内の空気が吸引され、挿入に適した拡張状態となる。
<ステップS25、S26>
吸引部17の吸引量が予め決められ、記憶部43に記憶された吸引量を超えたことが、吸引量計測部17Bからの信号により判明した場合には、制御部41は、吸引部17を吸引停止に制御する。すると、吸引が停止される。
<ステップS27、S28>
大腸4内の圧力が予め決められ、記憶部43に記憶された許容圧力を超えたことが、圧力計測部34からの信号により判明した場合には、制御部41は、送気部16を送気停止に制御する。
<ステップS29>
制御部41は、吸引部17および/または送気部16の動作を停止した場合には、所定時間経過するまで停止状態を継続する。
<ステップS30>
制御部41は、制御終了指示があるまで、ステップS20からの処理を繰り返す。
次に、図6は制御部41の制御を、吸引部17を例に、より詳細に示したフローチャートである。以下、図6のフローチャートに従い、説明する。
<ステップS40、S41、S42>
制御部41は、吸引部17を制御し吸引動作中であっても、吸引量計測部17Bからの信号により吸引過剰であることが判明した場合には、吸引部17を吸引停止動作とする。
<ステップS45>
制御部41は終了指示があるまで、ステップS40からの処理を繰り返す。
<ステップS43>
制御部41は、ステップS42による吸引停止の状態が、予め定めた所定時間継続するまでは、吸引部17を停止状態に制御することを継続する。
<ステップS44>
制御部41は、ステップS42による吸引停止の状態が、予め定めた所定時間経過した場合には、吸引部17を停止状態から吸引状態に制御し、吸引を開始する。
以上の説明のように、医療装置1は、制御部41が、挿入部位に応じて自動的に拡張状態を制御するが、吸引量計測部17Bおよび圧力計測部34を有するため、制御部41は、吸引部17による過剰吸引、送気部16による過剰送気を防止することができる。なお、制御部41は、送気部16についても吸引部17と類似した制御をし、大腸4内の圧力が過剰となるのを防止する。
すなわち、医療装置1は省力化および円滑な内視鏡操作を安全に実現する。
<第2の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第2の実施の形態の医療装置1Aについて説明する。
図7は本実施の形態の医療装置の使用状態を説明するための構成図であり、図8は、本実施の形態の医療装置の構成を説明するための構成図である。なお、第2の実施の形態の医療装置1Aは第1の実施の形態の医療装置1と類似しているため同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
図7に示すように、医療装置1Aは、内視鏡3、と本体部2Aと、挿入部11の先端部11Aの位置を検出する位置検出部6Aと、形状検出部20と、を有する。形状検出部20は、特開2008−136628号公報に記載の内視鏡挿入形状解析システムと類似したシステムである。すなわち、形状検出部20は、複数のソースコイルが所定の間隔で配設されたソースコイルユニット22が、チャンネル開口11Bから挿入部11内のチャンネルに挿通されており、外部に配設したセンスコイルユニット21により、各ソースコイルの位置を検出することで、挿入部11の形状を検出することができる。
すなわち、図8に示すように医療装置1Aの形状検出部20は、センスコイルユニット21と、ソースコイルユニット22とから挿入部11の形状を検出する。
そして、図9に示すように、医療装置1Aの位置検出部6Aは、形状検出部20が検出した挿入部11の形状パラメータである挿入長L1、先端方向角θ1、湾曲量Rmin、湾曲方向角θ2、または挿入部曲率半径最大値Rmax、の少なくとも2以上の値から、先端部11Aの位置を検出する。なお、挿入部曲率半径最大値Rmaxは逆数として使用してもよい。また、位置検出部6Aは独立した部ではなく、形状検出部20または制御部41Aと一体化していてもよい。
湾曲量Rminは、術者の内視鏡湾曲操作により変形した湾曲部の曲率半径である。挿入部曲率半径最大値Rmaxは、腸管からの受動的な力により変形した挿入部11の全長の中での曲率半径の最大値である。先端方向角θ1、湾曲方向角θ2は、ベッドに仰向け状態の患者5に対してベッド面と平行な平面、言い換えれば、患者5を頭から足の方向にスライスする平面、を3次元空間上に設定し、この平面の軸として患者5の右手から左手の方向をX軸、足から頭の方向をY軸としたときの、Y軸方向を0度方向とし時計回りを正とする2次元の角度である。そして、先端方向角θ1は先端部11Aの向いている方向、湾曲方向角θ2は、挿入部11の方向を示している。
ここで、図10は、本実施の形態の医療装置の位置検出部の検出結果と制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートであり、図11および図12は、挿入部の挿入過程を説明するための説明図である。
以下、図10のフローチャートに従い位置検出部6Aの検出結果と制御部41Aの処理の流れを説明する。医療装置1では、内視鏡3の先端部11Aの大腸到達部位に応じて、その到達部位に隣接する部位への移動検出パラメタを切り替える。
<ステップS50>
形状検出部20が挿入形状の検出を開始し、挿入長L1、先端方向角θ1、および、挿入部曲率半径最大値Rmaxの値から、位置検出部6Aは先端部11Aの位置を検出する。
<ステップS51>
肛門S0から直腸S1へと先端部11Aが挿入され、挿入部11の挿入操作が開始される。
図11(A)に示すように、先端部11Aの位置が直腸S1の場合、制御部41Aは、吸引部17を制御し、腸管が潰れすぎない程度の吸引を継続して行い、ヒューストン弁S2が挿入の妨げにならないようにする。
<ステップS52、S52> S状結腸への到達検出
図11(B)に示すように、直腸S1は体腔に固定されているため、挿入長L1が15cmを超えたことのみにより、先端部11AがS状結腸S3に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
S状結腸S3では、制御部41Aは管腔を適度な拡張状態に保つ。すなわち、管潰れが大きい場合には、送気部16が送気を行い腸管を広げるように、制御部41Aは制御する。逆に腸管内に空気が多い場合には、制御部41Aは吸引部17が吸引するように、制御する。
次に、患者5の個人差によって、S状結腸S3が長い場合がある。その場合には、吸引によりS状結腸S3のたるみを取り除いて腸管を縮ませながらの挿入操作は、途中のS−topまでしか有効に機能しない。このため、制御部41Aは送気吸引制御をS−topで区切る必要があるため、位置検出部6Aは、S−topへの到達検出を検出する。
<ステップS54、S55> S−topへの到達検出
図11(C)に示すように、S状結腸S3が長い場合には、送気または吸引により縮ませても腸管のたるみが残るため、術者はたるみに合わせて湾曲部11Cの湾曲量Rminを大きくする。湾曲量Rminを大きくすると先端方向角θ1が大きく、湾曲量Rminが小さくなるため、この状態を検出する。
すなわち、先端方向角θ1が70度を超えるか、または、湾曲量Rminが所定のR1=4cm未満となることにより、先端部11AがS−topS3Tに到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
<ステップS56> 下行結腸への到達検出
S−topS3T進入から下行結腸S4到達までの間は、術者の内視鏡3の挿入操作の結果として、腸管中心軸からずれた方向に腸管を押し込むため、先端部11Aから下行結腸S4にかけての腸管は直線的に伸びきった状態となり、吸引により腸管のたるみを取り除くことができないので、制御部41Aは吸引および送気を停止するように制御する。
図11(D)に示すように、挿入長L1が40cmを超え、かつ先端方向角θ1が45度未満となったことにより、先端部11Aが下行結腸S4に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
<ステップS57> 下行結腸への到達検出2
吸引により、S状結腸S3のたるみを取り除き、S状結腸S3を直線化して下行結腸S4部に先端部11Aを向けて下行結腸S4へ到達した場合には、挿入長L1が30cmを超え、かつ先端方向角θ1が45度未満となったことにより、先端部11Aが下行結腸S4に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
<ステップSS58> 下行結腸
下行結腸S4では、制御部41Aは、空気量が若干多めになるように、送気部16を制御する。
<ステップS59、S60> 脾弯曲部への到達検出
図12(E)に示すように、挿入長L1が45cmを超え、かつ先端方向角θ1が−15度未満となったことにより、先端部11Aが脾弯曲部S5に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
先端部11Aが脾弯曲部S5を通過した後、挿入部11端部が脾弯曲部S5に到達するまでの間は、吸引による横行結腸S6のたるみ取り除きを行っても、術者による内視鏡3の押し込みにより腸管が引っ張られてしまう。このため、先端部11Aが脾弯曲部S5に到達してから挿入部11端部が脾弯曲部S5に到達するまの間、言い換えれば、先端部11Aが横行結腸S6にある程度、進入するまでの間は、制御部41Aは吸引および送気を停止するよう制御する。
<ステップS61、S62> 横行結腸への到達検出
図12(F)に示すように、先端部11Aが横行結腸S6に到達すると、脾弯曲部S5の形状に沿って挿入部11が変形する。すなわち、挿入部曲率半径最大値Rmaxが、R2=8cmを超えたことにより、先端部11Aが横行結腸S6に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
横行結腸S6では、先端部11Aが中間部を過ぎると、制御部41Aは、吸引部は17を制御し、吸引を行い、たるんだ横行結腸S6を縮め腸管を上方に持ち上げ直線化する。
<ステップS63、S64> 肝湾部への到達検出
図12(G)に示すように、挿入長L1が60cmを超え、かつ先端方向角θ1が−130度未満となったことにより、先端部11Aが脾弯曲部S7に到達したことが位置検出部6Aにより検出される。
肝湾部S7は腸管が体腔内に固定されているため、空気量が若干多めになるように、制御部41Aは送気部16を制御する。
<ステップS21> 上行結腸
図12(H)に示す上行結腸S8では、腸管が体腔内に固定されているため、空気量が若干多めになるように、制御部41Aは送気部16を制御する。
以上の説明のように、医療装置1Aでは、形状検出部20が検出した挿入部形状から算出された挿入部11の挿入長L1、先端方向角θ1、および挿入部曲率半径最大値Rmaxの3つのパラメータをもとに、位置検出部6Aが先端部11Aの位置を検出し、さらに制御部41が先端部11Aの位置に応じて送気部16および吸引部17を制御し、それぞれの部位に応じた拡張状態とする。このため、医療装置1Aは医療装置1が有する効果に加えて、より確実に先端部11Aの位置、すなわち、存在する部位を検出することができる。
なお、形状検出部20が検出した挿入部11の形状から、挿入長L1、先端方向角θ1、湾曲量Rmin、湾曲方向角θ2、または挿入部曲率半径最大値Rmax、の少なくとも2以上の値をもとに、先端部11Aの位置を検出することにより、医療装置1よりも精度の高い先端部11Aの位置検出が可能である。
なお、位置検出部6Aが上記パラメータを用いて先端部11Aの位置を検出するための具体的な値については、患者5の年齢、体格、および性別等により適宜決定される。また、検出に用いるパラメータは必要十分条件となるように2以上が適宜選択される。すなわち、患者の個人差または術者の手技により不定となるパラメータは使用しなくともよい。
また、上記説明では、挿入部11の挿入のときの動作について説明したが、抜去、すなわち、後戻りのときにも医療装置1または医療装置1Aにより大腸4の拡張状態を適切に制御することが可能である。例えば、位置検出部は、現在の先端部11Aの位置が横行結腸S6よりも深部であり、かつ、挿入長L1が45cm以下の場合には、次に先端部11Aが位置するのは下行結腸S4であると判断したり、現在の先端部11Aの位置が下行結腸S4よりも深部であり、かつ、挿入長L1が15cm以下の場合には、次に先端部11Aが位置するのは直腸S1であると判断できる。そして、制御部は先端部11Aが通過する部位に応じて、それぞれ抜去に適した拡張状態となるように送気部16および吸引部17を制御する。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の第1の実施の形態の医療装置の使用状態を説明するための構成図である。 本発明の第1の実施の形態の医療装置の構成を説明するための構成図である。 大腸を構成する部位を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態の医療装置の制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の医療装置の制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の医療装置の制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の使用状態を説明するための構成図である。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の構成を説明するための構成図である。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の形状検出部が検出するパラメータを説明するための説明図で4ある。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の位置検出手段の検出結果と制御部の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の挿入部の挿入過程を説明するための説明図である。 本発明の第2の実施の形態の医療装置の挿入部の挿入過程を説明するための説明図である。
符号の説明
1、1A…医療装置
2、2A…本体部
3…内視鏡
4…大腸
5…患者
6、6A…位置検出部
11…挿入部
11A…先端部
11B…チャンネル開口
11C…湾曲部
11D…湾曲駆動部
11F…エンコーダ
12…操作部
13…ユニバーサルコード
15…モニタ
16…送気部
16A…ボンベ
17…吸引部
17A…吸引瓶
17B…吸引量計測部
18…光源装置
19…制御装置
20…形状検出部
21…センスコイルユニット
22…ソースコイルユニット
32A…吸引孔
33A…送気孔
34…圧力計測部
41、41A…制御部
43…記憶部

Claims (3)

  1. 体内の管腔に挿入される挿入部の先端部に撮像手段と吸引孔と送気孔とを有する内視鏡と、
    前記吸引孔を介して前記管腔内から流体を吸引する吸引手段と、
    前記送気孔を介して前記管腔内に流体を送気する送気手段と、
    前記管腔における前記先端部の位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段が検出した前記先端部の位置に基づき、前記吸引手段または前記送気手段を制御する制御部と、
    前記挿入部の形状を検出する形状検出手段と、
    を有し、
    前記位置検出手段は、前記形状検出手段が検出した前記挿入部の、挿入長、先端方向角、湾曲量、湾曲方向角、または挿入部曲率半径最大値の少なくとも2以上の値から、前記先端部の位置を検出することを特徴とする医療装置。
  2. 前記管腔が大腸であることを特徴とする請求項1に記載の医療装置。
  3. 前記内視鏡が湾曲部を湾曲駆動する湾曲駆動部とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の医療装置。
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