JP5243846B2 - ラックブッシュ - Google Patents

ラックブッシュ Download PDF

Info

Publication number
JP5243846B2
JP5243846B2 JP2008137797A JP2008137797A JP5243846B2 JP 5243846 B2 JP5243846 B2 JP 5243846B2 JP 2008137797 A JP2008137797 A JP 2008137797A JP 2008137797 A JP2008137797 A JP 2008137797A JP 5243846 B2 JP5243846 B2 JP 5243846B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rack
bush
rack bush
slit
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008137797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009286164A (ja
Inventor
岳人 白石
高大 青木
康夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008137797A priority Critical patent/JP5243846B2/ja
Publication of JP2009286164A publication Critical patent/JP2009286164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5243846B2 publication Critical patent/JP5243846B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、車両の転舵を行うためにラックハウジング内に設けられるラック軸を支持するラックブッシュに関する。
従来のラック・ピニオン型ステアリング装置では、ラックの一端をピニオンおよびラックガイドにより支持し、他端または複数個所をラックブッシュにより支持している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。ラック・ピニオン型ステアリング装置は、以上により、操舵するのに必要なピニオンの回転力を、ラックを摺動可能にすることで、タイヤへ伝達している。
図11は、従来のラックブッシュの設置状態を示す要部断面図である。
図11に示すように、例えば、特許文献1等に記載された一般的なラックブッシュ100は、ばね要素を持った合成樹脂によって形成されて、金属製のラックハウジング200内に収納され、ラック軸300を車幅方向へ摺動自在に軸支している。ラックブッシュ100は、このラックブッシュ100をラックハウジング200内に固定するために、一方向の端部(開口部側)に鍔部110を有し、全体が軸方向に非対称な形状に形成されている。ラックブッシュ100は、鍔部110が、ラックハウジング200の軸穴210に連設された段差部220と、この段差部220の開口側に装着される環状ストッパ400とで挟持されることによって、軸穴210に固定されている。
特開2003−322165号公報 特開2006−256499号公報
図11等に示す従来の樹脂製のラックブッシュ100は、一般に、金属製のラックハウジング200との熱膨張差が大きいため、ラックブッシュ100がラックハウジング200に固定される固定部位(鍔部110)と、ラック軸300を摺動自在に支持する摺動面120と、を互いにずらした位置に設ける必要があった。このため、ラックブッシュ100は、鍔部110が他方向側にのみ形成されて、摺動面120が軸方向に対して一方向側へ片寄った形状になっている。
このように、ラックブッシュ100全体が軸方向に非対称に形成されていると、ラック軸300が環状ストッパ400側からラックブッシュ100側(矢印E方向)へ移動する場合には、ラックブッシュ100に引っ張り荷重が加わり、座屈が起こらない。
しかしながら、ラック軸300がラックブッシュ100側から環状ストッパ400側(矢印F方向)へ移動する際には、鍔部110が環状ストッパ400に抑止されるため、ラックブッシュ100が摺動抵抗によって圧縮されて座屈し、さらに摺動抵抗が増加するという悪循環となっている。
このため、ラックブッシュ100は、ラック軸300が左右方向へ移動する際に、移動方向によってフリクションが相違する。ステアリングホイールにとって、ハンドル操作した際に摺動特性に左右差が存在すると、左右の操作に違和感がある操舵フィーリングとなるという問題点があった。
また、ラックブッシュとラック軸との間に設けられたグリスは、ラック軸が車幅方向へ移動するのに伴って、ラック軸に引かれて、ラックブッシュ外へ流出して、ラックブッシュ内の摺動部のグリスが減少するという問題点があった。
また、グリスが減少すると、フリクションが増大して、磨耗が大きくなり、フリクションと磨耗が安定しなくなるという問題点があった。
本発明は、前記問題点を解消すべき創案されたものであり、ラック軸を一方向側および他方向側へ摺動させた際に、一方向側への摺動特性と他方向側への摺動特性に差がなく、かつ、グリスの保持性に優れたラックブッシュを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のラックブッシュは、車両の転舵を行うためにラックハウジング内に設けられるラック軸を支持するためのラックブッシュであって、車両の転舵を行うためにラックハウジング内に設けられるラック軸を支持するためのラックブッシュであって、前記ラックブッシュは、前記ラックハウジング内に形成された凹状の係止部に係合される凸部を外周部の軸方向中央に有する略筒状の基部と、前記基部の両端から前記ラックブッシュの両端部側にそれぞれ向かって径方向へ縮径するようにテーパ状に形成され、前記凸部および前記基部に対して径方向外側に付勢して、前記基部が前記ラックハウジングの軸受部の内壁面に押し付けられるように押圧するばね部と、前記ばね部の軸方向の両側先端部にて径方向内側に付勢されて前記ラック軸の外周面に押し付けられ、前記ラック軸に摺接する摺動面が形成されたラック支持部と、軸方向に延設され、前記ラック支持部の端部で、軸方向に対して折れ曲がって形成されてグリスの流出を規制するスリットと、前記基部、前記ばね部および前記スリットの内側に形成され、前記ラック軸との間に前記グリスを貯留する空間を形成する環状の凹部と、を有すると共に、前記スリットは、前記ラックブッシュの一方向の端部で開口していると共に、その一方向の端部から他方向の端部近傍まで切欠形成された第1スリットと、前記ラックブッシュの他方向の端部で開口していると共に、その他方向の端部から一方向の端部近傍まで切欠形成された第2スリットと、からなり、前記凸部を中心として軸方向に略対称の形状に形成されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ラックブッシュは、外周部に凸部を有する略筒状の基部と、基部の両端から軸方向へ延びるばね部と、ばね部の軸方向の先端に設けられたラック支持部と、からなると共に、全体が、凸部を中心として軸方向に略対称の形状に形成されている。このように形成されたラックブッシュは、座屈する部材の軸方向の長さが半分になるため、座屈の影響も半減する。このラックブッシュは、軸方向に略対称な形状に形成されているので、座屈が起きる場合、左右均等に起こるので、摺動特性がよい。さらに、ラックブッシュは、ラック軸を一方向側および他方向側へ摺動させた際に、一方向側への摺動特性と他方向側への摺動特性に差がなく、左右の操作に違和感のない操舵フィーリングが得られるようにすることができる。また、ラックブッシュは、基部の両端から軸方向へ延びるばね部を有することによって、基部およびばね部の軸心側に凹部が形成され、その凹部内にグリスを貯留させて保持し、グリスがラックブッシュ外に流出するのを抑制することができる。
かかる構成によれば、ラックブッシュは、軸方向に形成されたスリットを有することにより、ブッシュが熱膨張した際でも、スリットにより膨張分を吸収してラックに対するフリクションの増大を抑制することができる。また、ブッシュ組付時の作業性が向上する。
かかる構成によれば、スリットは、ラック支持部の端部で、軸方向に対して折れ曲がって形成されていることによって、ラックブッシュ内のラック軸が軸方向に摺動した際に、グリスがスリットの折れ曲がった部位の内部に溜まるようになる。このため、グリスは、折れ曲ったスリットによってラックブッシュの外へ流出するのが抑制され、グリス(図示省略)の保持性を向上させることができる。
かかる構成によれば、スリットは、ラックブッシュの軸方向に向けて切欠形成された第1スリットと第2スリットとが向きを変えて互い違い配置されていることによって、貫通した状態のスリットでは不可能だった、複数のスリットを形成することが可能となる。その結果、第1スリットおよび第2スリットは、ばね定数を細かく調整することができる。これにより、フリクションも下げることができる。また、第1スリットおよび第2スリットは、径方向の収縮量が増やせ、ラックブッシュの組み付けを容易にすることができる。
このように、ラックブッシュは、スリットを交互に複数有することによって、貫通した一本のスリットと比べて、径方向の収縮量を増やすことができると共に、ばね定数の細かい調整が可能となる。
本発明に係るラックブッシュによれば、ラック軸を一方向側および他方向側へ摺動させた際に、一方向側への摺動特性と他方向側への摺動特性に差がなく、かつ、グリスの保持性に優れ、長期にわたってグリスを保持できるラックブッシュを提供することができる。
まず、図1〜図6を参照して、本発明の実施形態に係るラックブッシュを説明する。
なお、本発明の一実施形態として、自動車の前輪側に搭載されるステアリングギヤボックスのラックハウジングにラック軸を軸支するのに使用されるラックブッシュを例に挙げて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの取り付け状態の一例を示す一部断面を有する概略図である。
ラックブッシュ3を説明する前に、ラックブッシュ3が設置されるステアリング機構Sおよびステアリングギヤボックス1について説明する。
≪ステアリング機構の構成≫
図1に示すように、ステアリング機構Sは、例えば、ステアリングホイールStの操舵入力に応じて駆動源Mを駆動し、その動力を利用してステアリングホイールStの操作力を軽減させてアシストするパワーステアリング装置からなる。ステアリング機構Sは、ステアリングホイールStからの操舵力がラックハウジング2内のラック・ピニオン機構4に伝達され、ラック軸5と、このラック軸5の両端にタイロッド6等を介在して転舵車輪(前輪)12が転舵されるようになっている。
ステアリング機構Sは、例えば、操舵入力に応じて電動モータMを駆動し、電動モータMの動力を減速機構を介してステアリング系に伝達することにより、車両の転舵のアシストを行う電動パワーステアリング装置からなる。その電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールStに連結されたステアリング軸Ssと、ステアリング軸Ssに作用する操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ9と、車速を検出する車速センサ10と、減速機構を介してステアリング軸Ssに操舵補助力を付与する電動モータMと、この電動モータMの駆動を制御する駆動制御装置(ECU)11と、ラック・ピニオン機構4を介して連結されたラック軸5とを備えている。
≪ステアリングギヤボックスの構成≫
図1に示すように、ステアリングギヤボックス1は、ステアリング軸Ssの回転を、ラック・ピニオン機構4によってラック軸5を横方向の動きに変換して転舵させる装置であり、ラックハウジング2内に収納されている。ラックハウジング2は、例えば、複数に分割して形成したケース体を1つに一体化してなる。
≪ラック軸の構成≫
ラック軸5は、車両の転舵を行うためにラックハウジング2内に設けられる軸であり、ラックブッシュ3を介在してラックハウジング2内に車幅方向へ摺動自在に軸支されている。ラック軸5の外周部には、滑動性をよくするためにグリスG(図2参照)が塗付されている。
≪ラックブッシュの構成≫
ラックブッシュ3は、ラック軸5を弾性的に軸支する部材であり、例えば、ラック軸5の中央部と、両端部の合計三箇所に設置されて、ラック軸5を三点支持している。なお、ラック軸5に設置するラックブッシュ3の個数は、特に限定されず、必要に応じて適宜に設ければよい。以下、ラック軸5に設置されたラックブッシュ3のうちの1つを例に挙げて説明する。
図2は、図1のX部の拡大図である。図3は、図2のY部の拡大図である。図4は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの正面図である。図5は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの右側面図である。図6は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの斜視図である。
図2に示すように、ラックブッシュ3は、外周部に凸部3a,3aを有する略筒状の基部3bと、基部3bの両端から軸方向へ延びるばね部3c,3cと、ばね部3c,3cの軸方向の先端部にそれぞれ設けられたラック支持部3d,3dと、軸方向に形成されたスリット3e(図4〜図6参照)と、から主に構成されている。ラックブッシュ3は、このラックブッシュ3の中央部外側に突出形成された凸部3a,3aを中心として軸方向に略線対称な形状に形成されている。ラックブッシュ3は、ラックハウジング2の軸受部2a内に形成された凹状の係合部2bに、凸部3a,3aを係合させることによって、ラックハウジング2内に保持されている。そして、ラックブッシュ3は、両端部内側に形成されたラック支持部3d,3dでラック軸5を軸線方向に摺動自在に軸支している。ラックブッシュ3は、例えば、弾性を有し、摺動特性の良好なポリアセタール樹脂のような合成樹脂等によって形成されている。
<凸部の構成>
図2に示すように、凸部3a,3aは、ラックブッシュ3をラックハウジング2に固定するためのものであり、基部3bの外周面から外方向へ突設した円柱形状の突起からなる。凸部3a,3aは、例えば、基部3bの上端部および下端部の中央に設置されている。
<基部の構成>
図2および図3に示すように、基部3bは、ラックハウジング2の軸受部2aの内壁に当接した状態に設けられる部位であり、円筒状に形成されている。基部3bは、例えば、8本のスリット3e(図4〜図6参照)によって、縦断面視して円筒形を8等分に分割した円弧状に形成されている。基部3bの内面側は、環状の凹部3kが形成されて、この凹部3kによって、ラック軸5との間に空間が形成されている。
<ばね部の構成>
ばね部3c,3cは、ラックブッシュ3が、ラック軸5とラックハウジング2との間にがたつきなく設置されるためのばね成分を有する部分である。つまり、ばね部3c,3cは、基部3bから軸方向へ延設されていることによって、ばね要素を持っている。ばね部3c,3cは、凸部3a,3aおよび基部3bに対して径方向外側に付勢して、凸部3a,3aおよび基部3bがラックハウジング2の軸受部2aの内壁面に押し付けられるように押圧している。また、ばね部3c,3cは、ラック支持部3d,3dに対して、径方向内側に付勢して、ラック支持部3d,3dがラック軸5の外周面に押し付けられるように押圧している。ばね部3c,3cは、基部3bの軸方向の両端からラック支持部3d,3dに向かって軸線方向へ縮径するようにテーパ状に連続形成されている。ばね部3c,3cも、基部3bと同様、8本のスリット3eによって、縦断面視して円筒形を8等分に分割した円弧状に形成されている。ばね部3c,3cは、スリット3eが形成されたことによって、板ばね状態に形成されている。ばね部3c,3cの内面側には、前記凹部3kが連設されて空間が形成されている。このため、ばね部3c,3cは、凹部3kによって弾性変形し易くなっている。そのため、ラックブッシュ3は、ラックハウジング2への挿入性が向上されている。
<ラック支持部の構成>
図2に示すように、ラック支持部3d,3dは、ラックブッシュ3において、両端部の2箇所にそれぞれ形成されて、ラックブッシュ3の軸方向の両端部でラック軸5を摺動自在に軸支するようになっている。ラック支持部3d,3dは、他の部分と比較して肉厚に形成され、内側にラック軸5に摺接する摺動面3hが形成され、外側がラックハウジング2の軸受部2aの内壁面から僅かな隙間L(図3参照)を介した状態に配置されている。ラック支持部3d,3dは、ラックハウジング22との間に隙間Lがあることと、ばね部3cの軸方向の外側に連設されたことと、厚肉に形成されていることと、によって径方向へ弾性を備えている。ラック支持部3d,3dの外径D2は、ラックハウジング2の軸受部2aの内径D1より小さく形成されている。ラック支持部3d,3dの内径は、ラック軸5の外径D3と略同じ長さに形成されている。ラック支持部3d,3dは、それぞれ4本のスリット3eによって、縦断面視して円筒形を4等分に分割した円弧状に形成されている(図6参照)。
<スリットの構成>
図4〜図6に示すように、スリット3eは、ラックブッシュ3に径方向へ伸縮する弾性を備えさせるためと、ラックブッシュ3内に塗付されたグリスGがラックブッシュ3外へ流出するのを抑制するために形成されている。スリット3eは、ラックブッシュ3の一方向の端部で開口していると共に、その一方向の端部から他方向の端部近傍まで切欠形成された4本の第1スリット3fと、ラックブッシュ3の他方向の端部で開口していると共に、その他方向の端部から一方向の端部近傍まで切欠形成された4本の第2スリット3gと、を左右交互に設置位置をずらして設けられている。各スリット3eは、ラック支持部3d,3dの端部で、軸方向に対して折れ曲がって形成された折曲溝部3iを有している。
なお、スリット3eの長さは、スリット3eがラックブッシュ3を貫通しない長さ、あるいは、ラッシュブッシュ3の長さの半分以上の長さであって、一方向および他方向のスリット3eがすれ違うように設置されてあれば、その長さは特に限定されない。
4本の第1スリット3fは、ラックブッシュ3の他方向側の開口端から斜め外周方向へ形成された折曲溝部3iと、この折曲溝部3iから他方向側のラック支持部3d、他方向側のばね部3c、基部3bを通って一方向側のばね部3cまで側面視して一直線に形成された直線溝3jと、を連続形成してなる。ラックブッシュ3は、ラック軸5(図2参照)が一方向側(図面の右側)へ移動した際に、凹部3kにグリスGが溜まり、他方向の端部が開口している第1スリット3fの折曲溝部3iによってグリスGがラックブッシュ3外へ逃げないように抑制するようになっている。
4本の第2スリット3gは、ラックブッシュ3の一方向側の開口端から斜め外周方向へ形成された折曲溝部3iと、この折曲溝部3iから一方向側のラック支持部3d、一方向側のばね部3c、基部3bを通って他方向側のばね部3cまで側面視して一直線に形成された直線溝3jと、を連続形成してなる。ラックブッシュ3は、ラック軸5(図2参照)が他方向側(図面の左側)へ移動した際に、凹部3kにグリスGが溜まり、一方向側の端部が開口している第2スリット3gの折曲溝部3iによってグリスGがラックブッシュ3外へ逃げないように抑制するようになっている。
≪作用≫
次に、図1〜図6を参照しながら本発明の実施形態に係るラックブッシュ3の作用を組み付け手順と共に説明する。
図1に示すラックブッシュ3をラックハウジング2の軸受部2aに内設する場合は、まず、ラックブッシュ3の内部にグリスGを塗付する。次に、ラックブッシュ3の両端のどちらか一方のラック支持部3d(図2参照)を、ラックハウジング2の開口端に挿入する。
さらに、ラックブッシュ3をラックハウジング2内に押し込んで凸部3a,3aを係合部2bに係合させることによって、ラックブッシュ3をラックハウジング2内の所定位置に取り付ける。
図6に示すように、ラックブッシュ3には、複数の第1スリット3fと、複数の第2スリット3gが軸方向に互い違いに形成されているので、ラックブッシュ3をラックハウジング2内に圧入させると、それらの各スリット3eの間隔が狭くなるようにラックブッシュ3が弾性変形して、外周部の外径が小さくなる。
このため、ラックブッシュ3は、図2に示すように、基部3bの外側に突設された凸部3a,3a間の長さがラックハウジング2の軸受部2aの内径D1よりも長くても、凸部3a,3aを係合部2b,2bに係合させることが可能である。
そして、ラックブッシュ3内にラック軸5を挿入すれば、ラックブッシュ3の取り付けが完了する。このように、ラックブッシュ3は、複数のスリット3e(図4〜図6参照)と、ばね部3c,3cと、隙間Lとによって、径方向へ伸縮する弾性を有する。このため、ラックハウジング2への取り付け作業が容易である。また、ラックブッシュ3は、隙間Lを調節することで、ガタを調節することができる。
図2に示すように、例えば、ラック軸5を一方向側へ移動させると、ラック軸5に付着しているグリスGは、ラック軸5に引かれて一方向側へ流動する。
第2スリット3g内にあったグリスGは、一方向側へ移動して第2スリット3g内の一方向の側部に形成された折曲溝部3iによりグリスGの流れが抑制される。
また、ラックブッシュ3内の中央部にあるグリスGは、凹部3k内に貯留する。
そして、ラック軸5を一方向とは反対の他方向へ移動させたときも、ラックブッシュ3は対称形状であるので、同様の効果を発揮する。
このように、ラックブッシュ3は、グリスGが貯留される凹部3kと、折曲溝部3i,3iを有するスリット3eとによって、ラックブッシュ3の外へグリスGが流出するのを抑制して、グリスGの保持性を大幅に向上させることができる。このため、ラックブッシュ3が長期にわたって使用された場合でも、性能を維持することが可能となる。
なお、ラックブッシュ3は、従来のラックブッシュと比較して、折曲溝部3iがなくても、凹部3kがあることによって、ラックブッシュ3の周長に比べて穴の割合が小さく、グリスGの保持性がよい。
また、ラックブッシュ3は、ラック軸5が摺接する摺動面3h,3hと、ラックハウジング2に固定される凸部3a,3a等が線対称の形状に形成されている。このため、ラック軸5を一方向側へ移動させたときと、他方向側へ移動させたときには、ラックブッシュ3が左右対称形状だと、座屈による締め込みも、左きりのハンドル操作時と、右きりのハンドル操作時とで同じように生ずるので、摺動特性が同等となる。その結果、操舵フィーリングを良好にさせることができる。なお、ラックブッシュ3は、左右対称に形成されているので、ラックハウジング2に取り付ける際に、左右反対の向きに取り付けるという誤組付が発生することがない。
≪変形例≫
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
図7は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す図であり、ラックブッシュの取り付け状態の示す拡大断面図である。図8は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す正面図である。図9は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す右側面図である。図10は、本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す斜視図である。
前記実施形態では、図6に示すように、複数の切欠状のスリット3eと、円柱形状の2つの凸部3a,3aを外周部に有するラックブッシュ3を説明したがこれに限定されるものではない。
例えば、ラックブッシュ7のスリット7eは、図7〜図10に示すように、折曲溝部7f,7gが一方向の端部および他方向の端部(左右の端部)に形成されるものであれば、1つの溝状のものでも構わない。このように形成されたラックブッシュ7は、軸直交方向の断面が略C字型になっている。
また、折曲溝部7fと折曲溝部7gは、略鍔状(略環状)の凸部7aを中心として線対称の状態の向きになるように形成しても構わない。
このようにスリット7eは、ラック軸5を一方向側および他方向側へ摺動させた際に、一方向側への摺動特性と他方向側への摺動特性に差がないようにするために、ラックブッシュ7が対称形状に形成されていればよい。つまり、スリットは、ラックブッシュ7の一方向側および他方向側(左右)に同数のスリットを適宜に設ければよく、本数および形状は変更しても構わない。
また、凸部7aは、ばね部7c,7c間の基部7bから鍔状に形成されたものであっても構わない。
なお、このように形成されたラックブッシュ7をラックハウジング2の軸受部2a内に取り付ける場合には、図7に示すように、軸受部2a内に凸部7aを挿入することができる大径部2cを形成する。そして、その大径部2cに凸部7aを挿入して、新たな部材である圧入部材8を圧入して、ラックブッシュ7が軸受部2aから脱落するのを抑制させる。
なお、以上説明した本発明の実施形態に係るラックブッシュ3,7は、図1に示すステアリングギヤボックス1以外の各種装置に使用される軸を弾性的に支持するためのブッシュとしても利用することが可能である。
本発明の実施形態に係るラックブッシュの取り付け状態の一例を示す一部断面を有する概略図である。 図1のX部の拡大図である。 図2のY部の拡大図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの正面図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの右側面図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの斜視図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す図であり、ラックブッシュの取り付け状態の示す拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す正面図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す右側面図である。 本発明の実施形態に係るラックブッシュの変形例を示す斜視図である。 従来のラックブッシュの設置状態を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ステアリングギヤボックス
2 ラックハウジング
5 ラック軸
3,7 ラックブッシュ
3a,7a 凸部
3b,7b 基部
3c,7c ばね部
3d,7d ラック支持部
3e,7e スリット
3f 第1スリット
3g 第2スリット
G グリス

Claims (1)

  1. 車両の転舵を行うためにラックハウジング内に設けられるラック軸を支持するためのラックブッシュであって、
    前記ラックブッシュは、前記ラックハウジング内に形成された凹状の係止部に係合される凸部を外周部の軸方向中央に有する略筒状の基部と、
    前記基部の両端から前記ラックブッシュの両端部側にそれぞれ向かって径方向へ縮径するようにテーパ状に形成され、前記凸部および前記基部に対して径方向外側に付勢して、前記基部が前記ラックハウジングの軸受部の内壁面に押し付けられるように押圧するばね部と、
    前記ばね部の軸方向の両側先端部にて径方向内側に付勢されて前記ラック軸の外周面に押し付けられ、前記ラック軸に摺接する摺動面が形成されたラック支持部と、
    軸方向に延設され、前記ラック支持部の端部で、軸方向に対して折れ曲がって形成されてグリスの流出を規制するスリットと、
    前記基部、前記ばね部および前記スリットの内側に形成され、前記ラック軸との間に前記グリスを貯留する空間を形成する環状の凹部と、を有すると共に、
    前記スリットは、前記ラックブッシュの一方向の端部で開口していると共に、その一方向の端部から他方向の端部近傍まで切欠形成された第1スリットと、
    前記ラックブッシュの他方向の端部で開口していると共に、その他方向の端部から一方向の端部近傍まで切欠形成された第2スリットと、からなり、
    前記凸部を中心として軸方向に略対称の形状に形成されていることを特徴とするラックブッシュ。
JP2008137797A 2008-05-27 2008-05-27 ラックブッシュ Active JP5243846B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008137797A JP5243846B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 ラックブッシュ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008137797A JP5243846B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 ラックブッシュ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009286164A JP2009286164A (ja) 2009-12-10
JP5243846B2 true JP5243846B2 (ja) 2013-07-24

Family

ID=41455819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008137797A Active JP5243846B2 (ja) 2008-05-27 2008-05-27 ラックブッシュ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5243846B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101476303B1 (ko) * 2011-03-14 2014-12-24 한국델파이주식회사 랙 가이드
JP6120047B2 (ja) * 2012-10-24 2017-04-26 株式会社ジェイテクト ステアリング装置
WO2014196582A1 (ja) * 2013-06-05 2014-12-11 日本精工株式会社 ガイドブッシュ及びラックピニオン式ステアリングギヤユニット
JP6369046B2 (ja) * 2014-02-21 2018-08-08 日本精工株式会社 ステアリング装置
JP2017019414A (ja) 2015-07-10 2017-01-26 株式会社ジェイテクト ラックブッシュ
JP7060991B2 (ja) 2018-03-27 2022-04-27 株式会社Subaru ステアリング装置
DE102019218116A1 (de) * 2019-11-25 2021-05-27 Zf Friedrichshafen Ag Schwimmbuchse mit konvexer Gleitfläche

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59123722U (ja) * 1983-02-08 1984-08-20 トヨタ自動車株式会社 ブツシユ
JPS59166711A (ja) * 1983-03-11 1984-09-20 Taiho Kogyo Co Ltd ブッシュ
JPS63104281U (ja) * 1986-12-26 1988-07-06
JP3050428B2 (ja) * 1991-07-26 2000-06-12 カヤバ工業株式会社 軸受装置
DE19615824A1 (de) * 1996-04-20 1997-10-23 Igus Gmbh Gleitlager
JP3975519B2 (ja) * 1997-08-27 2007-09-12 オイレス工業株式会社 板状の樹脂製摺動材及びこれを用いた滑り軸受
JP2001056020A (ja) * 1999-06-11 2001-02-27 Ntn Corp 断熱スリーブ、定着ローラ用軸受装置および定着装置
JP2005321073A (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Nikkiso Co Ltd すべり軸受
JP4899374B2 (ja) * 2005-08-03 2012-03-21 オイレス工業株式会社 軸受装置及びこれに用いられる滑り軸受
JP4935080B2 (ja) * 2006-01-16 2012-05-23 株式会社ジェイテクト ブッシュ軸受及びそれを用いた自動車のラック−ピニオン式操舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009286164A (ja) 2009-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5243846B2 (ja) ラックブッシュ
EP3088277B1 (en) Worm reduction gear and steering mechanism
US9663137B2 (en) Guide bush and rack-and-pinion steering gear unit
JP5617993B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
WO2009157294A1 (ja) テレスコピックステアリング装置
KR101271294B1 (ko) 자동차 조향장치의 랙바 지지장치
EP2998196B1 (en) Synthetic resin plain bearing
JP2008081060A (ja) パワーステアリング装置
JP5062465B2 (ja) ステアリング装置
JP2018079724A (ja) ラックピニオン式ステアリングギヤユニット
JP4998124B2 (ja) 合成樹脂製滑り軸受
JP6305799B2 (ja) パワーステアリング装置
JP5001519B2 (ja) ステアリング装置
JP4970763B2 (ja) 軸受装置および軸受装置を備えたステアリング装置
EP1867552A1 (en) Rack-pinion steering gear
JP5309670B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
KR20090121916A (ko) 랙바 지지장치
KR100889316B1 (ko) 자동차용 스티어링 기어
KR20200072166A (ko) 자동차의 조향장치
KR20130100520A (ko) 자동차 조향장치의 중간축
JP2013036576A (ja) ラック軸支持ユニット
JP2009191951A (ja) 伸縮軸
JP2011111104A (ja) ステアリング装置
JP2018203206A (ja) ステアリング装置およびウォームホイール
KR20100056650A (ko) 랙과 피니언 방식 조향장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121002

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5243846

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150