JP5241081B2 - 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。 - Google Patents

荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。 Download PDF

Info

Publication number
JP5241081B2
JP5241081B2 JP2006142746A JP2006142746A JP5241081B2 JP 5241081 B2 JP5241081 B2 JP 5241081B2 JP 2006142746 A JP2006142746 A JP 2006142746A JP 2006142746 A JP2006142746 A JP 2006142746A JP 5241081 B2 JP5241081 B2 JP 5241081B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
moment
value
fall
reaction force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006142746A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007314257A (ja
Inventor
石井  正裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tadano Ltd
Original Assignee
Tadano Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tadano Ltd filed Critical Tadano Ltd
Priority to JP2006142746A priority Critical patent/JP5241081B2/ja
Publication of JP2007314257A publication Critical patent/JP2007314257A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5241081B2 publication Critical patent/JP5241081B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、荷台を有する移動式クレーンに用いられる安定限界監視装置に関するもので
ある。この安定限界監視装置は、クレーン作業時に移動式クレーンを転倒させることなく
安全にクレーン作業ができるよう監視するものである。
荷台を有する移動式クレーン(以下単に移動式クレーンという)は、図6に示すように、
荷台2を有する車両1(以下単に車両という)、車両1の左右両側に張出して接地可能なア
ウトリガジャッキ3,3、車両1上に旋回作動自在に取り付けた旋回台4、旋回台4に起
伏作動自在に取り付けた長さ変更作動自在なブーム5、および、ブーム5の先端部に巻き
上げ巻き下げ自在に吊下した吊具6とから構成されており、これによるクレーン作業は、
アウトリガジャッキ3,3により車両1をジャッキアップして当該車両1を安定させた上
で、旋回台4の旋回作動、ブーム5の起伏並びに長さ変更作動、および、吊具6の巻き上
げ巻き下げ作動を併用して、吊具6に係止した吊上荷重を所要の位置に移動させることで
行われる。
前記長さ変更作動自在なブーム5は、ブーム5の基端部と先端部との間の距離、すなわ
ち長さを変更できるものであり、具体的には、伸縮作動自在なもの、屈伸作動自在なもの、
あるいは、屈伸作動自在で且つ伸縮作動自在なものがある。
このような荷台を有する移動式クレーンのブーム5に作用可能なブーム倒伏モーメント
Mの上限値は、移動式クレーンの強度面および安定面から規制される。
強度面から規制されるブーム倒伏モーメントMの上限値、すなわち、移動式クレーンを
破損することなく安全にクレーン作業ができるブーム倒伏モーメントの上限値(以下、強
度定格ブーム倒伏モーメントMt(strenth)という)は、ブーム5の作業半径R(ブーム
5旋回中心とブーム5先端部間の水平距離であって、ブーム5の起伏角度およびブーム長
さの関数として求められる)に応じて任意の最適値に直接設定できる。
これに対し、安定面から規制されるブーム倒伏モーメントMの限界値、すなわち、移動
式クレーンを転倒させることなく安全にクレーン作業ができるブーム倒伏モーメントMの
上限値(以下、安定定格ブーム倒伏モーメントMtという)は、検出不能な荷台2への積
載荷重とその重心位置により大きく変動する不定値であるところから、この安定定格ブー
ム倒伏モーメントMtを任意の最適値に直接設定することができない。
従って、この種の移動式クレーンには、図7に示すように、ブーム倒伏モーメントMが
強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)に達したことを検出して強度限界信号を出
力する強度限界監視装置7と、ブーム倒伏モーメントMが安定定格ブーム倒伏モーメント
Mtに達したことをアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fを介して間接的に検出して安
定限界信号を出力する安定限界監視装置8が併設されている。
強度限界監視装置7からの強度限界信号、および、安定限界監視装置8からの安定限界
信号は、安全作動手段12に入力されるようになっている。この安全作動手段12は、強
度限界信号および安定限界信号の少なくともいずれか一方が入力された時に、クレーンオ
ペレータに警報を発する警報器、または、移動式クレーンの作動を停止させる作動停止装
置として構成されている。
上記の強度限界監視装置7については本発明の主題ではないが、ここでその構成につい
て簡単に説明しておく。強度限界監視装置7は、図7に示すよう、ブーム5の作業半径R
を検出する作業半径検出手段7a、ブーム5の作業半径R毎の強度定格ブーム倒伏モーメ
ントMt(strength)を強度定格ブーム倒伏モーメントデータ群として記憶しておりこの記
憶データ群から前記作業半径検出手段7aが検出した実際の作業半径Rに対応する強度定
格ブーム倒伏モーメントMt(strength)を求めてこれを出力する強度定格ブーム倒伏モー
メント出力手段7b、ブーム5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブー
ム倒伏モーメント検出手段7c、および、前記強度定格ブーム倒伏モーメント出力手段7
bからの強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)とブーム倒伏モーメント検出手段7cからのブーム倒伏モーメントMを受け取りブーム倒伏モーメントMが強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)に達すると強度限界信号を出力する比較手段7dとで構成されている。
前記した作業半径検出手段7aは、ブーム5の起伏角度を検出する起伏角度検出器7a−
1と、ブーム長さ(ブーム5の基端部と先端部との間の距離)、を検出するブーム長さ検出
器7a−2で構成されている。
上記の安定限界監視装置8は、ブーム倒伏モーメントMが安定定格ブーム倒伏モーメン
トMtに達したことをアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fを介して間接的に検出して
安定限界信号を出力するものである。この安定限界監視装置8は、左右のアウトリガジャ
ッキ3,3の接地反力Fをそれぞれ検出する接地反力検出手段9,9と、左右のアウトリ
ガジャッキ3,3の接地反力Fの許容下限値としての閾値F tを出力する閾値出力手段10と、左右の接地反力検出手段9,9が検出した接地反力Fと閾値出力手段10が出力する閾値F tを比較し接地反力Fが低下して閾値F tに到達すると安定限界信号を出力する比較手
段11とで構成している。
閾値出力手段10が出力する前記閾値F tは、ブーム5を移動式クレーンが最も転倒し
やすい旋回位置(以下、最弱旋回位置という)に旋回させたクレーン作業において、移動
式クレーンが転倒することなく安全にクレーン作業ができる反転倒側アウトリガジャッキ
の接地反力Fの下限値として設定されている。
ここで、上記の最弱旋回位置について、図8および図9に基づいて補足説明しておく。
図8は、ブーム5を右側の最弱旋回位置に旋回させた状態の移動式クレーンの平面図であ
る。
また、図9は、図8の状態(ブーム5を右側の転基準線Qに直交する最弱旋回位置に旋
回させた状態)における、左右のアウトリガジャッキ3,3、旋回台4、ブーム5、およ
び、吊具6を、転倒基線Qに直交する鉛直平面に投影して表示した相関図である。
図8および図9では車両1の右側にブーム5の先端部が位置するよう旋回しており、移
動式クレーンが転倒する際には、右側の転倒基線Qを軸として転倒する。右側の転倒基線
Qは、右側のアウトリガジャッキ3の接地点と、このアウトリガジャッキ3と車両同側(右
側)に位置する他の接地点(図8のものでは、車両1の右側の後輪の接地点)を結ぶ線と
なる。この場合、右側のアウトリガジャッキ3が転倒側アウトリガジャッキとなり、左側
のアウトリガジャッキ3が反転倒側アウトリガジャッキとなる。この場合のブーム5の最
弱旋回位置は、ブーム5を右側の転倒基線Qに直交するように旋回させた位置である。
なお、車両1の左側にブーム5の先端部が位置するようブーム5を旋回させた場合には、
左側のアウトリガジャッキ3の接地点と、このアウトリガジャッキ3と車両同側(左側)
に位置する他の接地点(図(図8のものでは、車両1の左側の後輪の接地点)を結ぶ左
側の転倒基線Pが画定される。この場合には、左側のアウトリガジャッキ3が転倒側アウ
トリガジャッキとなり、右側のアウトリガジャッキ3が反転倒側アウトリガジャッキとな
る。この場合のブーム5の最弱旋回位置は、ブーム5を左側の転倒基線Pに直交するよう
に旋回させた位置である。
上記の如く構成した安定限界監視装置8は、荷台2の積載荷重が、反転倒側アウトリガ
ジャッキの接地反力に加重されこの接地反力Fの閾値F tへの到達を遅らせる。その結果
として、荷台2への積載荷重が大きくなる程、安定限界監視装置8(の比較器11)から
の安定限界信号出力時点におけるブーム倒伏モーメントMが大きくなるので、荷台を有す
る移動式クレーンの安定面での性能を荷台2への積載荷重を織り込んで引き出すことがで
きる。
ところで、従来の安定限界監視装置8においては、閾値出力手段10が出力する閾値F tは、移動式クレーンの稼動状態に関するパラメータの変動に関わりなく一定不変の値として設定されている。
特開平8−73189
上述したように、従来の安定限界監視装置8は、その閥値出力手段10が出力する閥値
F tが、移動式クレーンの稼動状態に関するパラメータの変動に関わりなく一定不変の値
として設定されている。このため、下記するように、荷台を有する移動式クレーンの安定
面での性能が充分に活用できないという問題がある。
この問題について説明するに先立ち、一般に移動式クレーン(荷台を有する移動式クレ
ーン、および、荷台を有しない移動式クレーンの双方を含む)の強度定格ブーム倒伏モー
メントMt(strength)、および、安定定格ブーム倒伏モーメントFt(strength)の合理的な設定のあり方について説明しておく。
一般に、移動式クレーンの強度面での性能を効果的且つ合理的に引き出すためには、強
度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)に所要の強度安全率を乗算して得た値が強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)(ブーム5にこれ以上のブーム倒伏モーメントMが作用すると移動式クレーンが破損するとされる限界のブーム倒伏モーメント)となるよう設定することが求められる。換言すれば、強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)は、強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)を基礎とし、この強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)を所要の強度安全率N(strength)で除算して設定することが求められる。すなわち、移動式クレーンの強度面での性能を効果的且つ合理的に引き出すためには、強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)と強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)との間に、下記の関係を持たせることが求められているのである。
Mt(strength)=Mlim(strength)/N(strength)・‥(A)
Mlim(strength)=N(strength)×Mt(strength)
但し、Mt(strength):強度定格ブーム倒伏モーメント
Mlim(strength):強度限界ブーム倒伏モーメント
N(strength):所要の強度安全率(1以上)
強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)と強度限界ブーム倒伏モーメントMlim
(strength)との間にこのような関係を持たせた場合、強度定格ブーム倒伏モーメントMt
(strength)が大きくなればなるほど、強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)と強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)の差が大きくなる。
このことは、強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)と強度限界ブーム倒伏モー
メントMlim(strength)間に、強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)の増加に
応じて増大する、ブーム倒伏モーメントMの動的変動値(吊上荷重の振れ、移動式クレーンの作動・停止時のブームおよび吊上荷重の慣性によるブーム倒伏モーメントMの動的変動量)を合理的に確保することを意味しており、これにより、移動式クレーンの強度面からの性能を効果的に引き出すことができるのである。
また、移動式クレーンの安定面での性能を効果的且つ合理的に引き出すためには、安定
定格ブーム倒伏モーメントMtに所要の安定安全率を乗算して得た値がチッピングブーム
倒伏モーメントMlim(ブーム5にこれ以上の吊上荷重が作用すると移動式クレーンが転倒
するとされる限界のブーム倒伏モーメント)となるよう設定することが求められる。換言
すれば、安定定格ブーム倒伏モーメントMtは、チッピングブーム倒伏モーメントMlimを
基礎とし、このチッピングブーム倒伏モーメントMlimを所要の安定安全率Nで除算して設定することが求められる。すなわち、移動式クレーンの安定面での性能を効果的且つ合理的に引き出すためには、チッピングブーム倒伏モーメントMlimと安定定格ブーム倒伏モーメントMtとの間に、下記の関係を持たせることが求められているのである。
Mt=Mlim/N…(B)
Mlim=N×M t
但し、Mt:安定定格ブーム倒伏モーメント
Mlim:チッピングブーム倒伏モーメント
N:所要の安定安全率(1以上)
安定定格ブーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの間に
(B)式の関係を持たせた場合、安定定格ブーム倒伏モーメントMtが大きくなればなる
ほど、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏モーメントMlimの差が
大きくなる。
このことは、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏モーメントM
lim間に、安定定格ブーム倒伏モーメントMtの増加に応じて増大する、ブーム倒伏モーメントMの動的変動値(吊上荷重の振れ、移動式クレーンの作動・停止時のブームおよび吊上荷重の慣性によるブーム倒伏モーメントMの動的変動量)を合理的に確保することを意味しており、これにより、移動式クレーンの安定面からの性能を効果的に引き出すことができるのである。
なお、上記した強度定格ブーム倒伏モーメント、強度限界ブーム倒伏モーメント、およ
び、これらの間に介在する所要の強度安全率は、Mt(strength)、Mlim(strength)、お
よび、N(strength)とし、これが強度に関するものであることを示す(strength)なる語
を付記しているが、本件発明の主題は、安定限界監視装置に関するものであるから、安定
定格ブーム倒伏モーメント、チッピングブーム倒伏モーメント、および、その間に介在す
る所定の安定安全率については、単に、Mt、Mlim、および、Nと表記することにする。
荷台を有する移動式クレーンには、ブーム倒伏モーメントMが強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)に達したことを監視する強度限界監視装置7と、ブーム倒伏モーメ
ントMが安定定格ブーム倒伏モーメントMtに達したことを反転倒側アウトリガジャッキ
3,3の接地反力Fの閾値Ftへの到達(接地反力Fが低下して閾値に到達)を介して監視
する安定限界監視装置8が装備されていることは上述した通りである。
このうち、ブーム倒伏モーメントMが強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)に
達したことを監視する強度限界監視装置7においては、既述したように、強度定格ブーム
倒伏モーメントMt(strength)は、ブーム5の作業半径Rの関数として任意の最適値に直
接設定できるものであるため、強度限界監視装置7の強度定格ブーム倒伏モーメント出力
手段7bに強度定格ブーム倒伏モーメントデータ群として記憶する強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)を、強度限界ブーム倒伏モーメントMlim(strength)に上掲したA式の関係を持たせて記憶させておくことで、移動式クレーンの強度面での性能を合理的且つ効果的に引き出すことができる。
しかしながら、荷台2への積載荷重の大きさとその重心位置によって大きく変動する安
定定格ブーム倒伏モーメントMtを、反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの閾値
F tへの到達(接地反力Fが低下して閾値F tへ到達)を介して監視する安定限界監視装
置8は、反転倒側アウトリガジャッキ3,3の接地反力Fの閾値F tへの到達時に現にブ
ーム5に作用しているブーム倒伏モーメントMが安定定格ブーム倒伏モーメントMtであ
ると見なすものと言えるが、閾値F tを一定不変の値(移動式クレーンの稼動状態に関す
るパラメータの変動に一切関わりなく)として設定している上記した従来の安定限界監視
装置8では、反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの閾値F tへの到達時に現にブ
ームに作用しているブーム倒伏モーメントM(安定定格ブーム倒伏モーメントMtと見な
されるもの)と、チッピングブーム倒伏モーメントMlimとの間に上掲したB式の関係を持たせることができず、移動式クレーンの安定面での性能を合理的且つ効果的に引き出すことができないという問題を持っている。
この理由を説明するにあたり、吊上荷重Wおよびブーム5の自重の総合重心位置が転倒基線Qよりも外側に位置するようブーム5を旋回させて行うクレーン作業における、ブーム倒伏モーメントMと反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの関係を、当該関係に影響を持つ因数を下記の如く定義した上で説明しておく。これら因数のうち図8および図9
に表記可能な符号は、これら図中の該当個所に表記している。
W:吊上荷重
M:吊上荷重およびブーム5の自重により生じるブーム倒伏モーメント
Mlim:チッピングブーム倒伏モーメント(ブーム5にこれ以上のブーム倒伏モーメント
が作用すると移動式クレーンが転倒するとされる限界のブーム倒伏モーメント)
Mt:安定定格ブーム倒伏モーメント
N:安定安全率(1より大きい値)
R;作業半径(旋回台4の旋回中心からブーム5の先端部までの水平距離)
L:旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離
H:左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離(転倒基線Qに直交する鉛直
面に投影した時の水平距離)
Θ:ブーム5の最弱旋回位置(ブーム5が転倒基線Qに直交するよう旋回した位置)か
らの振れ角
F:反転倒側アウトリガジャッキの接地反力
Flim:チッピングブーム倒伏モーメントMlimがブームに作用した時の反転倒側アウト
リガジャッキの接地反力で値は零に相当。
F t:安定定格ブーム倒伏モーメントMtがブーム5に作用した時の反転倒側アウトリ
ガジャッキ3の接地反力で、閾値に相当。
Mg:ブーム倒伏モーメントMに起因して生じる転倒側モーメント(移動式クレーンを
転倒基線周Qりに転倒させようとするモーメント)
Ms:吊上荷重およびブーム5の自重を除いた移動式クレーンの重量と、荷台2への積
載荷重により生じる安定側モーメント(移動式クレーンを転倒基線Q周りの転倒
に抗するモーメント)
吊上荷重Wおよびブーム5の自重の総合重心位置が転倒基線Qよりも外側に位置するようブーム5を旋回させて行うクレーン作業においては、転倒側アウトリガジヤッキ3の接地反力Fは、転倒側モーメントMgと安定側モーメントMsの差分を、左右のアウトリガ
ジャッキ3、3の各接地点間の距離Hで除算したものとなるので、
F=(Ms−Mg)/H…(1)
と表記できる。
ここで、転倒モーメントMgは、実際のブーム倒伏モーメントM、作業半径R、振れ角
Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離Lを用いて下記の如く表記できる
る。
Mg=M(cosΘ−L/R)…(2)
上記(2)式を上記(1)式に代入して接地反力Fを記述すると、
F={Ms−M(cosΘ−L/R)}/H…(3)
となる。
なわち、吊上荷重Wおよびブーム5の自重の総合重心位置が転倒基線Qよりも外側に位置するようブーム5を旋回させて行うクレーン作業においては、ブーム倒伏モーメントMと反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの関係は、この(3)式の通りに表記できるものである。
ブーム倒伏モーメントMがチッピングブーム倒伏モーメントMlimになった状態を想定
すると、安定側モーメントMsと転倒側モーメントMgが均衡し、反転倒側アウトリガジ
ャッキの接地反力Flimは零となる。このため、上記(2)式は下記のようになる。
Flim={Ms−Mlim(cosΘ−L/R)}/H(=0)…(4)
この(4)式において、チッピングブーム倒伏モーメントMlimは、ブーム倒伏モーメン
トMlimに安定安全率Nを乗じた値に相当(上掲の(B)式より)させるべきものであるから、ブーム倒伏モーメントMlimを用いて(4)式を書き直すと、次のようになる。
Flim={Ms−N・Mt(cosΘ−L/R)}/H(=0)…(5)
この状態(反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力が零となっている(5)式の状態)
から、(5)式右辺にあるN・Mt(=チッピングブーム倒伏モーメントMlim)を、安定
定格ブーム倒伏モーメントMtに低減させた時に生じる反転倒側アウトリガジャッキ3の
接地反力Fの変動値(以下単に接地反力変動値という)そのものが、ブーム5に安定定格
ブーム倒伏モーメントMtが作用した時の反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力(閾値
)F tであるので、この接地反力(閾値)F tは、下記のように求めることができる。
F t={Ms−Mt(cosΘ−L/R)}/H
={(N・Mt−Mt)(cosΘ−L/R)}/H…(6)
これを整理すると、安定定格ブーム倒伏モーメントMtがブーム5に作用した時の反転
倒側アウトリガジャッキ3の接地反力すなわち閥値F tは、下記(7)式の通りになる。
F t=Mt・(N−1)(cosΘ−L/R)/H…(7)
この(7)式は、チッピングブーム倒伏モーメントMlimと安定定格ブーム倒伏モーメン
トMtとの間に、移動式クレーンの安定面での性能を効果的且つ合理的に引き出すために
必要とされる上掲の(B)式の関係を持たせた場合の、安定定格ブーム倒伏モーメントMt
作用時の反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力値F (閥値F t)を示している。
ここで、移動式クレーンの自重および荷台2への積載荷重に基づいて生じる転倒基線Q
まわりの安定側モーメント(移動式クレーンの転倒基線Qまわりに転倒の抗するモーメン
ト)Msは、閾値F tの算出式から消去されており、このことは、閾値F tを、この消去
された安定側モーメントMsに関係なく設定できることを意味している。
(7)式から明らかなように閾値F tは、移動式クレーンの稼動状態に関するパラメー
タ(変数)たる、作業半径R、安定定格ブーム倒伏モーメントMt、ブーム5の最弱旋回
位置からの振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左
右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離H(転倒基線Qに直交する鉛直面に投
影した時の水平距離)の関数となっている。
以上のことから、チッピングブーム倒伏モーメントMlimと安定定格ブームモーメントMtとの間に上掲(B)式の関係を持たせた移動式クレーンにあっては、その安定面での性
能を合理的且つ効果的に引き出すには、反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの閾値F tは、(7)式右辺にある稼動状態に関するパラメータ(変数)に関連付けて設定する
必要があると言えるのである。
従って、閾値Ftを一定不変の値(移動式クレーンの稼動状態に関するパラメータの変動に一切関わりなく)として設定している上記した従来の安定限界監視装置8では、移動式クレーンの安定面での性能を合理的且つ効果的に引き出すことができないという問題を持つこと明らかである。
本発明が解決しようとする課題は、従来の安定限界監視装置が持つ上記問題を改善する
ことにある。
上記した課題の解決を目的とする、本発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限
界監視装置ついて説明する。
(請求項1記載の発明について)
請求項1記載の発明は、以下の如く構成したものである。
強度限界監視装置7と併用して使用される荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視
装置8であって、左右のアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fをそれぞれ検出する接地
反力検出手段9,9と、左右のアウトリガジャッキの接地反力Fの下限値としての閾値F
tを出力する閾値出力手段10と、左右の接地反力検出手段9,9が検出した接地反力F
と閾値出力手段10が出力する閾値F tを比較し接地反力が低下して閾値F tに到達する
と安定限界信号を出力する比較手段11とで構成したものにおいて、
ブーム5の実際の作業半径Rを検出する作業半径検出手段13、および、ブーム5に作
用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブームモーメント検出手段14からの検
出信号を、前記閾値出力手段10に入力し、閾値出力手段10は、その出力に係る閾値Ftを、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあることを特徴とする荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
上記の如く構成した請求項1記載の発明は、反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力
Fが対比される閾値F tを、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大
きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるものである。
このような変動傾向を持たせることの妥当性は、上記(7)式により裏付けられている
ところであり、これにより、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏
モーメントMlimとの間に上掲の(B)式の関係を持つ移動式クレーンの安定面での性能を
合理的且つ効果的に引き出すことができるのである。
なお、上記(7)式右辺には、安定定格ブーム倒伏モーメントMtが因数として存在し
ているものの、実際のブーム倒伏モーメントMに関する因数は存在していない。この(7)
式右辺にある安定定格ブーム倒伏モーメントMtに実際のブーム倒伏モーメントMを代入
して閾値F tを求めるのは、実際のブーム倒伏モーメントMを、安定定格ブーム倒伏モーメントMtであると見なして、(7)式に準じて仮の閾値F tを求め、反転等側アウトリガジャッキ3の接地反力Fが、この仮の閾値F tに達するかどうかを常時監視することで、結果的に、実際のブーム倒伏モーメントMが安定定格ブーム倒伏モーメントMt達したかどうかを監視できるためである。
ところで、上記したように閾値F tは、作業半径R、安定定格ブーム倒伏モーメントM
t、ブーム5の最弱旋回位置からの振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの
水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離H(転倒基線
Qに直交する鉛直面に投影した時の水平距離)の5つを変数とする関数であるが、この請
求項1記載の安定限界監視装置では、これら変数のうち、少なくとも実際の吊上荷重Wお
よび作業半径Rを変数として閥値を変動させようとするものである。
閾値F tを、実際のブーム倒伏モーメントMおよび実際の作業半径Rのみを変数として、
実際のブーム倒伏モーメントMが大きいほど、また、実際の作業半径Rが大きいほど大き
な値となるよう変動させるに際し、残余の3個の変数は下記の如き固定値を採用するもの
とする。
振れ角Θは零を用いる。
旋回台4の旋回中心から転倒基線までの水平距離Lは、転倒側アウトリガジャッキ3の
最小張出し量に対応する値を用いる。なお、転倒基線PおよびQは、主として転倒側アウ
トリガジャッキの張出し量に応じて定まるものである。
左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離(転倒基線Qに直交する鉛直面に
投影した時の水平距離)Hは、左右のアウトリガジャッキ3,3の双方が最小張出し量に
ある時の値を用いる。
閾値F tを、実際のブーム倒伏モーメントMおよび実際の作業半径Rに加えて振れ角Θ
を変数として変動させる場合には、上記した請求項1記載の構成に振れ角検出手段を付加
し、ブーム倒伏モーメントMが大きいほど、また、実際の作業半径Rが大きいほど大きな
値となるよう変動させるにのに加え、振れ角Θが大きくなる程小さい値となるよう変動さ
せるようにする。このような変動傾向を持たせることの妥当性は、上記(7)式により裏
付けられている。
このように構成した安定限界監視装置も、請求項1記載の発明の発展例として、請求項1
記載の安定限界監視装置に包含されるものである。
閾値F tを、実際のブーム倒伏モーメントMおよび実際の作業半径Rに加えて、旋回台
4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,
3の各接地点間の距離Hの変数として変動させる場合には、上記した請求項1記載の構成
に、左右のアウトリガジャッキ3,3の張出し量を検出する張出し量検出手段、および、
転倒側アウトリガジャッキ判別手段を付加し、実際のブーム倒伏モーメントMが大きいほ
ど、また、実際の作業半径Rが大きいほど大きな値となるよう変動させるにのに加え、旋
回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L(転倒側アウトリガジャッキ3の張出
し量に応じて定まる)が大きいほど、また、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点
間の距離H(左右のアウトリガジャッキ3,3の張出し量に応じて定まる)が大きいほど
小さい値となるよう変動させるようにする。このような変動傾向を持たせることの妥当性
は、上記(7)式により裏付けられている。
このように構成した安定限界監視装置も、請求項1記載の発明の発展例として、請求項1
記載の安定限界監視装置に包含されるものである。
閾値F tを、実際のブーム倒伏モーメントMおよび実際の作業半径Rに加えて、振れ角
Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジ
ャッキ3,3の各接地点間の距離Hの変数として変動させる場合には、上記した請求項1
記載の発明の構成に、振れ角検出手段、左右のアウトリガジャッキ3,3の張出し量を検
出する張出し量検出手段、および、転倒側アウトリガジャッキ判別手段を付加し、実際の
ブーム倒伏モーメントMが大きいほど、また、実際の作業半径Rが大きいほど大きな値と
なるよう変動させるにのに加え、振れ角Θが大きくなるほど、旋回台4の旋回中心から転
倒基線Qまでの水平距離L(転倒側アウトリガジャッキ3の張出し量に応じて定まる)が
大きいほど、また、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離H(左右のアウ
トリガジャッキ3,3の張出し量に応じて定まる)が大きいほど小さい値となるよう変動
させるようにする。このような変動傾向を持たせることの妥当性は、上記(7)式により
裏付けられている。
このように構成した安定限界監視装置も、請求項1記載の発明の発展例として、請求項1
記載の安定限界監視装置に包含されるものである。
なお、上述したように、請求項1記載の安定限界監視装置は、閾値F tの変動要因とし
ての5つの変数、すなわち、作業半径R、安定定格ブーム倒伏モーメントMt、ブーム5
の最弱旋回位置からの振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、
および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離Hのうち、少なくとも作業
半径Rおよび安定定格ブーム倒伏モーメントMtに関連して閉値F tを変動させようとす
るものであるが、関連する変数を多くするほど移動式クレーンの安定性に関する性能を効
果的に引き出すことができることは言うまでも無い。
更に、閾値出力手段10は、上記(7)式に準じて閥値F tを出力するにあたり、(7)
式右辺にある5つの変数のうち閾値F t変動に関連させる変数の変動域を適宜区分し、こ
れら区分の組み合わせ毎の閾値F tをデータとして記憶し、これら変数の実際値を検出す
る検出手段の検出値をインデックス信号として、記憶データから対応する閾値F tを読み
出すようにしても良いし、(7)式右辺にある5つの変数のうち閾値F t変動に関連させる
変数の実際値を検出する検出手段の検出値を、(7)式右辺の該当する因数に代入して閾値
F tを計算的に求めるようにしても良いものである。
閾値F tを記憶データから読み出すものであっても、また、計算的に求めるものもであ
っても、閾値出力手段10が出力する閾値F tが、実際の作業半径Rおよび実際のブーム
倒伏モーメントMの全変動域を通じて移動式クレーンを転倒させることなく安全にクレー
ン作業ができる反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力の下限値(以下、必要最低限閥値Ftminという)以下にならないよう設定するものとする。すなわち、上記(7)式右辺の
安定安全率Nの値に移動式クレーンの安全なクレーン作業を保証できる最低限の安全率(以下、必要最低限安全率Nminという)を当て嵌めこの(7)式で算出される必要最低限閥値Ftmin以下にならないよう設定するものとする。
換言すれば、上記(7)式右辺の安定安全率Nの値を必要最低限安全率Nmin以上の適
宜の値(可能な限り必要最低限安全率Nminを使用)を当て嵌めこの(7)式で算出され
る閾値Ftの値を、計算的にあるいは記憶データから読み出して出力するようにすれば良い
ものである。
要するに、請求項1記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置は、上掲の
(B)式の関係を持つ移動式クレーンの安定面での性能を合理的且つ効果的に引き出すた
めに、反転倒側アウトリガジャッキの接地反力Fが対比される閾値F tを、少なくとも実
際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMに関連づけて、実際の作業半径Rが
大きくなる程、また、実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程、大きな値となるよ
う連続的または段階的に変動させるものである。
(請求項2記載の発明について)
上記した請求項1記載の発明は、ブームの実際の作業半径Rを検出する作業半径検出
手段13、および、ブーム5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブーム
倒伏モーメント検出手段14からの検出信号を、前記閾値出力手段10に入力し、閾値出
力手段10は、その出力に係る閾値Ftを、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあることを特徴とするものであった。
請求項2記載の発明は、この請求項1記載の発明に従属するものであり、請求項1の発
明に係る安定限界監視装置における閥値出力手段10を、以下の如く構成したものである。
前記閾値出力手段10は、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとこの安定定格ブーム倒伏モーメントMtに所要の安定安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキの接地反力変動値を、各安定定格ブーム倒伏モーメントMt毎および各ブーム作業半径R毎に算出可能なようデータあるいは計算式により記憶しており、入力に係る実際のブーム倒伏モーメントMをその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtであると見なしこの安定定格ブーム倒伏モーメントMt(実際
のブーム倒伏モーメントM)と入力に係る実際の作業半径Rを用いて、記憶に係る上記データあるいは計算式により対応する接地反力変動値を求め、これを閥値F tとて出力する
よう構成してあることを特徴とする請求項1記載の移動式クレーンの安定限界監視装置。
上記の如く構成した請求項2記載の発明は、閾値出力手段10は、その出力する閾値F
tを、ブーム倒伏モーメントM(後記するブーム倒伏モーメント検出手段14が検出した
もの)がその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtであると見なしこの見なした安定定格ブーム倒伏モーメントMt(実際のブーム倒伏モーメントM)、および、実際の作業半径R(後記する作業半径検出手段13が検出したもの)を用いて、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとこの安定定格ブーム倒伏モーメントMtに所要の安定安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力変動値を求めるものである。そして、このようにして求めた接地反力変動値を閥値F tとして出力するのである。
このように処置することの妥当性は、上記(7)式により裏付けられている。
このように構成した請求項2記載の発明は、請求項1と同様に、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの間に上掲のB式の関係を持つ
移動式クレーンの安定面での性能を合理的且つ効果的に引き出すことができるのである。
この請求項2記載の発明においても、請求項1記載の発明について言及した上記文番「0
049」〜「0066」の内容は、そこに含まれている「請求項1記載の」なる用語を「請求項2記載の」に読み替えてそのまま適用されるものである。
(請求項3記載の発明について)
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同様に、請求項1記載の発明に従属する
ものであり、請求項1の発明に係る安定限界監視装置における閾値出力手段を、以下の如
く構成したものである。
前記閥値出力手段10は、各作業半径R毎に、当該作業半径における安定定格ブーム倒
伏モーメントMtの変動域の上限値たる最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxと、
この最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに所定の安定安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの変動値に相当する閾値F tmaxとを、データとして記憶しており、この記憶
データから、実際の作業半径Rをインデックス信号として、実際の作業半径Rに対応する
最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxと閾値F tmaxを読み出し、この読み出した
閾値Ftmaxを、読み出した最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに対する実際の
ブーム倒伏モーメントMの割合で内分し、これを閾値F tとして出力するよう構成してあ
ることを特徴とする請求項2記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
このように構成した請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同様に、安定定格ブ
ーム倒伏モーメントMtとチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの間に上掲のB式の
関係を持つ移動式クレーンの安定面での性能を合理的且つ効果的に引き出すことができる
のである。
この請求項3記載の発明においても、請求項1記載の発明について言及した上記文番「0
049」〜「0066」の内容は、そこに含まれている「請求項1記載の」なる用語を「請
求項3記載の」に読み替えてそのまま適用されるものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明に従属するものであり、請求項3の発明に
係る安定限界監視装置における閥値出力手段10を、以下の如く構成したものである。
請求項3に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置であって、閥値出力手
段10は、各作業半径R毎に、最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxとこれに対応
する閥値Ftmaxとをデータとして記憶する際に、最大安定定格ブーム倒伏モーメントM
tmaxは、強度限界監視装置7が、移動式クレーンの強度限界監視のために記憶している
作業半径R毎の強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)を用いるよう構成してある
ことを特徴とする請求項3記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
このように構成した請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明を実施するにあたり、
強度限界監視装置7が移動式クレーンの強度限界監視のために記憶している作業半径R毎
の強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)のデータを利用するものであるから、その分、安定限界監視装置8の構成を簡略化できる。
請求項5記載の発明は、上記した請求項1ないし請求項4の発明とは独立した発明であ
る。この請求項5に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置は、以下の如く
構成したものである。
強度限界監視装置7と併用して使用される荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視
装置8であって、左右のアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fをそれぞれ検出する接地
反力検出手段9,9と、左右のアウトリガジャッキの接地反力Fの下限値としての閾値F
tを出力する閾値出力手段10と、左右の接地反力検出手段9,9が検出した接地反力F
と閾値出力手段10が出力する閾値Ftを比較し接地反力が低下して閾値F tに到達する
と安定限界信号を出力する比較手段11とで構成したものにおいて、
ブーム5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブームモーメント検出手
段14からの検出信号を、前記閾値出力手段10に入力し、閾値出力手段10は、その出力に係る閾値を、実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあることを特徴とする荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
このように構成した請求項5記載の荷台を有する移動域クレーンの安定限界監視装置は、その閾値出力手段10が出力する閾値F tは、実際のブーム倒伏モーメントMのみに依存
し、実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階
的に変動するものである。このように構成した荷台を有する移動式クレーンの安定限界監
視装置は、上記(7)式右辺の5つの変数(作業半径R、安定定格ブーム倒伏モーメントMt、ブーム5の最弱旋回位置からの振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離H)のうち、少なくとも、ブーム倒伏モーメントMに依存して閾値Ftを変動させようとするものである。その意味では、この請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4記載の発明の上位概念としての発明であり、請求項1乃至請求項4記載の発明の全てを包含するほか、閾値Ft変動に作業半径Rを関与させないものをも包含するものである。
このように構成した請求項5の発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置であっても、閾値Ftを一切変動させない従来の安定限界監視装置に比して、移動式クレーンの安定性能を効果的に引き出すことができるものである。
なお、(7)式右辺にある安定定格ブーム倒伏モーメントMtに実際のブーム倒伏モーメ
ントMを代入して(当てはめて)閾値F tを求める意味は、上記した文番「0051」に記載
した通りである。
本発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置は、上記したように、請
求項1乃至請求項5記載の発明として特定されているが、これら各請求項に係る発明の効
果については、既に説明した通りである。
以下、本発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の実施例を図1〜
図5に基づいて説明する。
本発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置は、従来の安定限界監視
装置8に比べ、その閥値出力手段10の構成が異なっているところに構成上の特徴がある。
従って、以下、本発明の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の構成面の説明
は、この特徴部分の説明に留め、その他は図7に示し上述した従来の安定限界監視装置の
説明を援用するものとする。
[請求項1〜請求項4記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視楽音の実施例]

本発明の請求項1ないし請求項4に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装
置は、上述したように閾値F tに関連する5つの変数のうち、少なくとも、作業半径Rお
よび吊上荷重Wに関連して閾値F tを変動させようとするものである。
従って、まず、作業半径Rおよびブーム倒伏モーメントMのみを変数として閾値F tを
変動させるようにしたものを第一実施例として説明し、次いで、作業半径R、ブーム倒伏
モーメントM、および、振れ角Θを変数として閾値F tを出力するものを第二実施例とし
て説明する。更に、作業半径R、ブーム倒伏モーメントM、旋回台4の旋回中心から転倒
基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離
Hを変数として閾値F tを出力するものを第三実施例として説明する。最後に、作業半径
R、ブーム倒伏モーメントM、振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平
距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離Hを変数として閥
値F tを出力するものを第四実施例として説明する。
(第一実施例)
図1は、本発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置のブロック図であ
る。
図1において、13は、長さ変更作動自在なブーム5の作業半径Rを検出する作業半径
検出手段である。この作業半径検出手段13は、ブーム5の起伏角度を検出する起伏角度
検出器13−1と、ブーム長さ(ブーム5の基端部と先端部との間の距離)、を検出するブ
ーム長さ検出器13−2で構成されている。
14は、ブームに作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブーム倒伏モーメ
ント検出手段である。このブーム倒伏モーメント検出手段14は、吊上荷重Wおよびブーム5の自重によりブーム5の起伏支点回りに作用するブーム倒伏モーメントMを検出するものであり、ブーム5を起伏作動させるブーム起伏シリンダの軸力を検出する起伏シリンダ軸力検出器14−1、起伏シリンダ軸力のブーム起伏支点に対するモーメントアーム算出のためのブーム起伏角度を検出する起伏角度検出器14−2、および、これら検出器の検出値を受け取ってブーム倒伏モーメントMを算出するモーメント演算部14−3とで構成する。
なお、上記した作業半径検出手段13は、強度限界監視装置7が具備している作業半径
検出手段7aを共用しても良いこと勿論である。また、上記したブーム倒伏モーメント検出手段14は、強度限界監視装置7が具備しているブーム倒伏モーメント検出手段7cを共用しても良いこと勿論である。
作業半径検出手段13が検出した作業半径(実際の作業半径)R、および、ブーム倒伏
モーメント検出手段14が検出したブーム倒伏モーメントMは、閾値出力手段10に入力
されるようになっている。
そして、閾値出力手段10は、その出力に係る閾値F tを、入力に係る実際のブーム倒伏モーメントMおよび実際の作業半径Rに応じて、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成している。
閾値出力手段10が出力する閾値F tは、必要最低限閾値F tmin以下にならないよう、
その出力に係る閾値を、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大きく
なる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあるものである。
次に、このような閾値F t変動機能を持つ閾値出力手段10の演算処理について説明する。
第一の実施例は、上述したように、閾値F tを、作業半径Rおよびブーム倒伏モーメン
トMのみを変数として、実際のブーム倒伏モーメントMが大きいほど、また、実際の作業
半径Rが大きいほど大きな値となるよう変動させるようにしたものに関する実施例である。
図2は、転倒側アウトリガジャッキ3および反転倒側アウトリガジャッキ3を最小張出
状態とし、ブーム5の旋回最弱位置からの振れ角Θを零にした場合の、Mt、cosΘ−L/R(振れ角を零としているので1−L/Rとなる)、および、F tの関係を直角座標上に描画したものである。
描画された閾値F tは、式(7)右辺の変数のうち、旋回台4の旋回中心から転倒基線
Qまでの水平距離L(転倒側アウトリガジャッキ3の張出し量に応じて定まる値)は転倒
側アウトリガジャッキ3の最小張出し量に対応する値(固定値)を採用し、左右のアウト
リガジャッキ3,3の各接地点間の距離H(左右のアウトリガジャッキ3,3の張出し量
によって定まる値)は左右のアウトリガジャッキ3,3が共に最小張出し量にある場合の
それに対応する値(固定値)を採用し、且つ、安定安全率Nの値には、必要最低限安定安全率Nminを採用して、(7)式により算出した必要最低限開値F tminである。
この図2に描画された必要最低限閥値F tminは図右側が円弧状に欠如しているが、こ
の欠如領域は、ブーム倒伏モーメントMが強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)
を超えた領域である。
この図2からもわかるように、閾値F t(必要最低限度の閾値F tmin)は、実際のブー
ム倒伏モーメントMが大きいほど、また、実際の作業半径Rが大きいほど大きな値となる。
なお、(7)式から明らかなように、(7)式右辺の変数および安定安全率Nを上記のよ
うに設定して算出される閾値F t(必要最低限閾値Ftmin)は、cosΘ−L/R(振れ角を零とした場合には1−L/Rとなる)、および、安定定格ブーム倒伏モーメントMtのそれぞれに対して一次関数的に比例して変動するものである。
図2を参照しながら、閾値出力手段10で行われる演算処理の実施例を説明する。
閾値出力手段10は、閾値F tをその内部に記憶した(7)式により算出して出力するか、
あるいは、作業半径Rおよび安定定格ブーム倒伏モーメントMtに関連付けて記憶したデ
ータ(閾値データ)から実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントM(実際の
ブーム倒伏モーメントMをその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtと見なしたもの)
をインデックス信号として該当する閾値F tを出力するよう構成する。
(閾値出力手段10に記憶した(7)式により閾値F tを求める場合)
閾値F tを(7)式により算出して出力する場合には、閾値出力手段10は、それが出力する閾値F tが、図2に描画した必要最低限閾値F tmin以下にならないよう、(7)式の右辺にある安定安全率Nを、必要最低限安定安全率Nmin以上の任意の値(できる限り必要最低限安全率Nminを用いることが好ましい)を用いて算出するよう構成する。閾値出力手段10をこのように構成したものは、請求項1および請求項2記載の発明の実施例に相当し、請求項1および請求項2記載の発明に含まれるものである。
(閥値出力手段10に記憶した開値データを用いて閥値F tを求める場合)
閾値F tを、作業半径Rおよび安定定格ブーム倒伏モーメントMtに関連付けて記憶し
たデータ(閥値データ)から実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMをイ
ンデックス信号として該当する閾値F tを出力するよう構成する場合には、閾値出力手段
10は、下記の例1〜2に示すようにして閾値F tを出力するよう構成するものとする。
例1
各作業半径R毎および各安定定格ブーム倒伏モーメントMt毎に閾値F tを記憶し、こ
の記憶したデータ(閾値データ)から、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメ
ントM(実際のブーム倒伏モーメントMをその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtと
見なしたもの)をインデックス信号として該当する閾値F tを出力するようにする。
各作業半径R毎および各安定定格ブーム倒伏モーメントMt毎に記憶する閾値F tは、
実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMの全変動域を通じて必要最低限閥
値F tmin(図2に描画した最低閥値F tmin)以下にならず、且つ、必要最低限閥値F t
minにできるだけ近接した値とする。
閥値出力手段10をこのように構成したものは、請求項1および請求項2記載の発明の
実施例に相当し、請求項1および請求項2の発明に包含されるものである。
例2
各作業半径R毎に、当該作業半径における安定定格ブーム倒伏モーメントMtの変動域
の上限値たる最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmax(図2に、Mtmax1、Mtmax2、・・・として示すもの)と、この最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに所定の安定安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの変動値に相当する閥値F tmax(図2に、Ftmax1、Ftmax2、・・・として示すもの)とを、データとして記憶しており、この記憶データから、実際の作業半径Rをインデックス信号として、実際の差作業半径Rに対応する最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxと開値F tmaxを読み出し、この読み出した閥値F tmaxを、読み出した最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに対する実際のブーム倒伏モーメントMの割合で内分し(を乗算し)、これをその時の閥値Ftとして出力する。
なお、図2では、各cosΘ−L/R(振れ角を零としているので1−L/Rとなる)毎の、最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmax1、Mtmax2…と、これに対応する閥値F tmax1、F tmax2…との関係を示している。
上記において、読み出した閾値F tmaxを、読み出した最大安定定格ブーム倒伏モーメ
ントMtmaxに対する実際のブーム倒伏モーメントMの割合で内分し(を乗算し)、これを
その時の聞値F tとして出力することは、閾値F tが安定定格ブーム倒伏モーメントMt
に応じて一次関数的に比例するものであるところから意味のあるところであり、このよう
に処置することで、記憶データを少なくすることができる。
この例の場合、各作業半径毎R毎に記憶する最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmax
とこれに対応する閾値F tmaxを記憶するにあたり、各作業半径R毎の最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxは、当該作業半径Rにおける安定定格ブーム倒伏モーメントM
t(荷台2への積載荷重により変動)の変動域の上限値が用いられている。
閾値出力手段10をこのように構成したものは、請求項1、請求項2、および、請求項
3記載の発明の実施例に相当し、請求項1、請求項2、および、請求項3の発明に包含さ
れるものである。
なお、閾値出力手段10を上記例2のように構成するとき、当該閾値出力手段10は、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとこの安定定格ブーム倒伏モーメントMtに所要の安定安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転
倒側アウトリガジャッキの接地反力変動値を、各安定定格ブーム倒伏モーメント毎および
各ブーム作業半径R毎に算出可能なようデータあるいは計算式により記憶しており、入力に係る実際のブーム倒伏モーメントMをその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtであると見なしこの安定定格ブーム倒伏モーメントMt(実際のブーム倒伏モーメントM)と入
力に係る実際の作業半径Rを用いて、記憶に係る上記データあるいは計算式により対応す
る接地反力変動値を求め、これを閾値F tとして出力するものと言える。従って、閾値出
力手段10を上記例2のように構成したもの(安定限界監視装置)は、請求項2記載の発
明の一実施態様に相当するものであることは明らかである。
(第二実施例)
次に、閾値出力手段10が、作業半径R、ブーム倒伏モーメントM、および、振れ角Θ
を変数として閾値F tを出力するものを第二実施例として説明する。
この実施例では、図3に示すように、閾値出力手段10に、作業半径検出手段13が検
出する実際の作業半径R、ブーム倒伏モーシト検出手段14が検出したブーム倒伏モーメ
ントM、および、振れ角検出手段15が検出した振れ角Θを入力する。作業半径検出手段
13およびブーム倒伏モーント検出手段14は、上記した第一実施例で説明した通りのも
のである。
また、振れ角検出手段15は、ブーム5の実際の旋回角度を検出する旋回角度検出器と、
この旋回角度検出器が検出した実際の旋回角度の最弱旋回位置(転倒側アウトリガジャッ
キ3の張出し量に応じて定まる)からの偏りを算出する振れ角算出部(閥値出力手段10
に内在)とで構成している。なお、図2では、理解しやすくするため、便宜上振れ角検出
手段15を閾値出力手段10と独立して表示している。
(閾値出力手段10に記憶した(7)式により閾値F tを求める場合)
閾値F tを(7)式により算出して出力する場合には、閾値出力手段10は、それが出力する閾値F tが、図2に描画した必要最低限閾値F tmin以下にならないよう、(7)式の右辺にある安定安全率Nを、必要最低限安定安全率Nmin以上の任意の値(できる限り必要最低限安定安全率Nminを用いることが好ましい)を用いて算出するよう構成する。
閾値出力手段10をこのように構成したものは、請求項1および請求項2記載の発明の
発展例としての実施例に相当し、請求項1および請求項2記載の発明に含まれるものであ
る。
(閾値出力手段10に記憶した閾値データを用いて閾値F tを求める場合)
この場合、上記した第一実施例における(閾値出力手段10に記憶した閾値データを用
いて閥値F tを求める場合)の例1の如く求めた閾値Ftあるいは例2の如く求めた閾値
F tに(cosΘ−L/R)/(1−L/R)を乗算して、閾値出力手段10が出力する閾値F tとする。前者の場合、請求項1および請求項2記載の発明の発展例としての実施例に相当し、請求項1および請求項2の発明に包含されるものである。また、後者の場合、請求項1、請求項2、および、請求項3記載の発明の発展例としての実施例に相当し、請求項1、請求項2、および、請求項3の発明に包含されるものである。
(第三実施例)
次に、閾値出力手段10が、作業半径R、ブーム倒伏モーメントM、旋回台4の旋回中
心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地
点間の距離Hを変数として閾値F tを出力するものについて説明する。
この実施例では、図4に示すように、閾値出力手段10に、作業半径検出手段13が検
出する実際の作業半径R、ブーム倒伏モーメント検出手段14が検出した実際のブーム倒
伏モーメントM、左右のアウトリガジャッキ3,3の張出し幅をそれぞれ検出する張出し
幅検出手段16、16からの各張出し幅、および、転倒側アウトリガジャッキ判別手段1
7からの判別信号を入力する。
作業半径検出手段13およびブーム倒伏モーメント検出手段14は、上記した第一実施
例で説明した通りのものである。
また、左右のアウトリガジャッキ3,3の各張出し幅をそれぞれ検出する張出し幅検出
手段16、16は、その検出対象のアウトリガジャッキ3の張出し幅を段階的あるいは連
続的に検出するもので構成する。段階的に検出する場合には、例えば、アウトリガジャッ
キ3,3の張出し幅を、最小張出し位置、中間張出し位置、および、最大張出し位置の三
段階に検出できるもので構成する。
更に、転倒側アウトリガジャッキ判別手段17は、ブーム5の旋回位置が車両1の左側
方にあるか右側方に位置しているかを検出するものである。ブーム5の旋回位置が車両1
の左側方にあることを検出した場合には、移動式クレーンが転倒基線Pを中心して転倒す
る危険性があり、車両1左側のアウトリガジャッキ3が転倒側アウトリガジャッキとなり、
車両1右側のアウトリガジャッキ3が反転倒側アウトリガジャッキとなる。また、ブーム
5の旋回位置が車両1の右側方にあることを検出した場合には、移動式クレーンが転倒基
線Qを中心して転倒する危険性があり、車両1右側のアウトリガジャッキ3が転倒側アウ
トリガジャッキとなり、車両1左側のアウトリガジャッキ3が反転倒側アウトリガジャッ
キとなる。転倒側アウトリガジャッキ判別手段17は、ブーム5の旋回位置によって変動
(逆転)する転倒側アウトリガジャッキ3と反転倒側アウトリガジャッキ3を判別するた
めのものである。
(閾値出力手段10に記憶した(7)式により閾値Ftを求める場合)
閾値Ftを(7)式により算出して出力する場合には、閾値出力手段10は、まず、転
倒側アウトリガジャッキ判別手段17により、転倒側アウトリガジャッキ3と反転倒側ア
ウリトリガジャッキ3を決定する。この決定は転倒基線Pか転倒基線Qかを決定する意味
を持つ。
次いで、閾値出力手段10は、転倒側アウトリガジャッキ3の張出し量を対応する張出
し幅検出手段16からの張出し幅に基づき旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平
距離Lを求めると共に、左右の張出し幅検出手段16,16からの各張出し幅に基づき、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離Hを求める。
そして、このようにして求めたL、H、および、作業半径検出手段13からの作業半径
R、ブーム倒伏モーメント検出手段14からのブーム倒伏モーメントMを用いて、(7)式
により閥値F tを算出して出力するのである。
この算出に際して、出力される閾値F tが、図2に描画した必要最低限閾値Ftmin以下にならないよう、(7)式の右辺にある安定安全率Nを、必要最低限安定安全率Nmin以上の任意の値(できる限り必要最低限安定安全率Nminを用いることが好ましい)を用いて算出するよう構成する。
閾値出力手段10をこのように構成したものは、請求項1および請求項2記載の発明の
発展例としての実施例に相当し、請求項1および請求項2記載の発明に含まれるものであ
る。
(閾値出力手段10に記憶した閾値データを用いて閾値Ftを求める場合)
この場合、閾値出力手段10には、上記した第一実施例における(閾値出力手段10に
記憶した閥値データを用いて閾値Ftを求める場合)の例1および例2で説明した閾値デ
ータを、転倒側アウトリガジャッキ3および反転倒側アウトリガジャッキ3の張出し幅に
応じて決定される、旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離L、および、左右
のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離Hの各組み合わせ毎に記憶しておく。
なお、第一実施例における(閾値出力手段10に記憶した閾値データを用いて閾値Ft
を求める場合)の例1および例2で説明した閾値データは、左右のアウトリガジャッキ3,
3の張出し幅が最小の時の閾値データであったが、ここでは、旋回台4の旋回中心から転
倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距
離Hの各組み合わせ毎に記憶しておく。
閾値手段10は、記憶した閾値タから、張出し幅検出手段16、16からの張出し幅3L、3Lに基づき、対応する閾値タを選択し、その上で、第一実施例における例1および例2に準じて閾値Ftを算出力するようにする。例1の場合、請求項1および請求項2記載の発明の発展例としての実施例に相当し、請求項1および請求項2の発明に包含されるものである。また、後者の場合、請求項1、請求項2、および、請求項3記載の発明の発展例としての実施例に相当し、請求項1、請求項2、および、請求項3の発明に包含されるものである。
(第四実施例)
最後に、作業半径R、ブーム倒伏モーメントM、振れ角Θ、旋回台4の旋回中心から転
倒基線Qまでの水平距離L、および、左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距
離Hを変数として閾値F tを出力するものを第四実施例として説明する。
この実施例では、図5に示すように、閾値出力手段10に、作業半径検出手段13が検
出する実際の作業半径R、ブーム倒伏モーメント検出手段14が検出した実際のブーム倒
伏モーメントM、振れ角検出手段15が検出した振れ角Θ、左右のアウトリガジャッキ3,
3の張出し幅をそれぞれ検出する張出し幅検出手段16、16からの張出し幅、および、転倒側アウトリガジャッキ判別手段17からの判別信号を入力する。これらの検出手段は、第一実施例〜第三実施例において説明した通りのものを用いる。
(閾値出力手段10に記憶した(7)式により閾値F tを求める場合)
閾値出力手段10は、これら検出手段からの検出値を用いて、上記した第二実施例および第三実施例と同様にして(7)式により閾値Ftを算出して出力するものである。
(閾値出力手段10に記憶した閾値データを用いて閾値F tを求める場合)
この場合、閾値出力手段10には、上記した第三実施例における(閾値出力手段10に
記憶した閾値データを用いて閾値F tを求める場合)のところで説明したようにして求め
られる閾値F tに、(cosΘ−L/R)/(1−L/R)を乗算して、閾値出力手段10が出力する閾値F tとする。この場合、請求項1、請求項2、請求項3記載の発明の発展例としての実施例に相当し、請求項1、請求項2、および、請求項3の発明に包含されるものである。
請求項5記載の発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置は、ブーム
5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブームモーメント検出手段14か
らの検出信号を、閾値出力手段10に入力し、閾値出力手段10は、その出力に係る閾値を、実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成したものであり、閾値Ftを、実際のブーム倒伏モーメントMのみに依存して変動させるようにしたものである。
この請求項5記載の発明に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の実施
例については、上記実施例を参酌して理解できるものであるから、説明を省略する。
なお、上記(B)式について補足説明すると、(B)式は、安定定格ブーム倒伏モーメン
トMtとそれに対応するチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの間に安定定格ブーム
倒伏モーメントMtが大きくなるほど両者間の差分が大きくなるような関係を持たせるこ
とを意味しており、この(B)式中にある安定安全率Nは、これを安定定格ブーム倒伏モー論とMtの大小に関わらず一定の定数として設定しても良いし、あるいは、安定定格ブーム倒伏モーメントMtに応じて変動するものとして設定しても良いものである。
なお、作業半径Rは、厳密に言えば旋回台4の旋回中心からブーム5先端部までの水平距離であるが、本明細書を通じて、この作業半径Rをブーム5の起伏支点からブーム5先端部までの水平距離を作業半径Rとして説明している。これは、ブーム5の起伏支点がほぼ旋回台4の旋回中心線上に存在すると仮定してそのように説明したものである。ブーム5の起伏支点と旋回台4の旋回中心の水平距離が大きく離隔しているような移動式クレーンでは、この離隔距離を織り込んで作業半径Rを算出するものとする。
本発明の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の第一実施例を示すブロック図である。 ブームの最弱旋回位置における閾値を、安定定格ブーム倒伏モーメントMt、作業半径R、および、閾値Ftの関係を直角座標上に描画した図である。 本発明の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の第二実施例を示すブロック図である。…Θを追加して処理するもの。 本発明の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の第三実施例を示すブロック図である。…L,Hを追加して処理するもの。 本発明の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置の第四実施例を示すブロック図である。…Θ、L、Hを追加して処理するもの。 荷台を有する移動式クレーンの側面図である。 従来の強度限界監視装置7と安定限界監視装置8のブロック図である。 ブーム5を右側の最弱旋回位置に旋回させた状態の移動式クレーンの平面図である。 図8の状態における、左右のアウトリガジャッキ3,3、旋回台4、ブーム5、および、吊具6を、転倒基線Qに直交する鉛直面に投影して表示した相関図である。
符号の説明
1;車両、
2;荷台、
3,3;アウトリガジャッキ、
4;旋回台、
5;ブーム、
6;吊具、
7;強度限界監視装置、
7a;作業半径検出手段、
7a−1;起伏角度検出器、
7a−2;ブーム長さ検出器、
7b;強度定格ブーム倒伏モーメント出力手段、
7c;ブーム倒伏モーメント検出手段、
7d;比較手段、
8;安定限界監視装置、
9,9;接地反力検出手段、
10;閾値出力手段、
11;比較手段、
12;安全作動装置、
13;作業半径検出手段、
13−1;起伏角度検出器、
13−2;ブーム長さ検出器、
14;ブーム倒伏モーメント検出手段、
14−1;起伏シリンダ軸力検出手段、
14−2;起伏角度検出器、
14−3;モーメント演算部、
15;振れ角検出手段、
16、16;張出し幅検出手段、
17;転倒側アウトリガジャッキ判別手段、
P,Q;転倒基線、
W:吊上荷重、
M:吊上荷重およびブーム5の自重によりブーム起伏支点回りに生じるブーム倒伏モーメント、
Mlim:チッピングブーム倒伏モーメント(ブーム5にこれ以上のブーム倒伏モーメントが作用すると移動式クレーンが転倒するとされる限界のブーム起伏支点回りのブーム倒伏モーメント)、
Mt:ブーム起伏支点周りの安定定格ブーム倒伏モーメント、
N:安定安全率(1より大きい値)、
R;作業半径(ブーム5の起伏支点からブーム5の先端部までの水平距離)、
L:旋回台4の旋回中心から転倒基線Qまでの水平距離、
H:左右のアウトリガジャッキ3,3の各接地点間の距離(転倒基線Qに直交する鉛
直面に投影した時の水平距離)、
Θ:ブーム5の最弱旋回位置(ブーム5が転倒基線Qに直交するよう旋回した位置)
からの振れ角、
F:反転倒側アウトリガジャッキの接地反力、
Flim:チッピングブーム倒伏モーメントMlimがブーム5に作用した時の反転倒側アウトリガジャッキの接地反力で値は零に相当。
Ft:安定定格ブーム倒伏モーメントMtがブーム5に作用した時の反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力で、閾値に相当。
Mg:ブーム倒伏モーメントMに起因して生じる転倒側モーメント(移動式クレーン
を転倒基線周りに転倒させようとするモーメント)
Ms:吊上荷重およびブーム5の自重を除いた移動式クレーンの重量と、荷台2への
積載荷重により生じる安定側モーメント(移動式クレーンを転倒基線Q周りの転
倒に抗するモーメント)
F tmin:必要最低限閥値(移動式クレーンを転倒させることなく安全にクレーン作業
ができる反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力の下限値)
Nmin:必要最低限閥値(移動式クレーンの安全なクレーン作業を保証できる最低限の
安定安全率)

Claims (5)

  1. 強度限界監視装置7と併用して使用される荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置8であって、左右のアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fをそれぞれ検出する接地反力検出手段9,9と、左右のアウトリガジャッキの接地反力Fの下限値としての閥値Ftを出力する閥値出力手段10と、左右の接地反力検出手段9,9が検出した接地反力Fと閥値出力手段10が出力する閥値Ftを比較し接地反力が低下して閥値Ftに到達すると安定限界信号を出力する比較手段11とで構成したものにおいて、
    ブーム5の実際の作業半径Rを検出する作業半径検出手段13、および、ブーム5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブームモーメント検出手段14からの検出信号を、前記閾値出力手段10に入力し、閥値出力手段10は、その出力に係る閥値を、実際の作業半径Rおよび実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあることを特徴とする荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
  2. 前記閥値出力手段10は、安定定格ブーム倒伏モーメントMtとこの安定定格ブーム倒伏モーメントMtに所要の安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキの接地反力変動値を、各安定定格ブーム倒伏モーメントMt毎および各ブーム作業半径R毎に算出可能なようデータあるいは計算式により記憶しており、入力に係る実際のブーム倒伏モーメントMをその時の安定定格ブーム倒伏モーメントMtであると見なしこの安定定格ブーム倒伏モーメントMt(実際のブーム倒伏モーメントM)と入力に係る実際の作業半径Rを用いて、記憶に係る上記データあるいは計算式により対応する接地反力変動値を求め、これを閥値Ftとして出力するよう構成してあることを特徴とする請求項1記載の移動式クレーンの安定限界監視装置。
  3. 前記閥値出力手段10は、各作業半径R毎に、当該作業半径における安定定格ブーム倒伏モーメントMtの変動域の上限値たる最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxと、この最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに所定の安全率Nを乗じて得られるチッピングブーム倒伏モーメントMlimとの差分に対応する反転倒側アウトリガジャッキ3の接地反力Fの変動値に相当する閥値Ftmaxとを、データとして記憶しており、この記憶データから、実際の作業半径Rをインデックス信号として、実際の作業半径Rに対応する最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxと閾値Ftmaxを読み出し、この読み出した閥値Ftmaxを、読み出した最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxに対する実際のブーム倒伏モーメントMの割合で内分し、これを閥値Ftとして出力するよう構成してあることを特徴とする請求項2記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
  4. 請求項3に係る荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置であって、閥値出力手段10は、各作業半径R毎に、最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxとこれに対応する閥値Ftmaxとをデータとして記憶する際に、最大安定定格ブーム倒伏モーメントMtmaxは、強度限界監視装置7が、移動式クレーンの強度限界監視のために記憶している作業半径R毎の強度定格ブーム倒伏モーメントMt(strength)を用いるよう構成してあることを特徴とする請求項3記載の荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
  5. 強度限界監視装置7と併用して使用される荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置8であって、左右のアウトリガジャッキ3,3の接地反力Fをそれぞれ検出する接地反力検出手段9,9と、左右のアウトリガジャッキの接地反力Fの下限値としての閥値Ftを出力する閾値出力手段10と、左右の接地反力検出手段9,9が検出した接地反力Fと閥値出力手段10が出力する閥値Ftを比較し接地反力が低下して閥値Ftに到達すると安定限界信号を出力する比較手段11とで構成したものにおいて、
    ブーム5に作用する実際のブーム倒伏モーメントMを検出するブームモーメント検出手段14からの検出信号を、前記閥値出力手段10に入力し、閥値出力手段10は、その出力に係る閥値を、実際のブーム倒伏モーメントMが大きくなる程大きな値となるよう連続的または段階的に変動させるよう構成してあることを特徴とする荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
JP2006142746A 2006-05-23 2006-05-23 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。 Active JP5241081B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006142746A JP5241081B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006142746A JP5241081B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007314257A JP2007314257A (ja) 2007-12-06
JP5241081B2 true JP5241081B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=38848489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006142746A Active JP5241081B2 (ja) 2006-05-23 2006-05-23 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5241081B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE534723C2 (sv) * 2009-09-22 2011-11-29 Cargotec Patenter Ab Lastbil och förfarande för reglering av det maximalt tillåtna lyftmomentet hos en hydraulisk lastbilskran
JP7088418B2 (ja) * 2019-10-29 2022-06-21 株式会社タダノ 過負荷防止装置
WO2021085566A1 (ja) * 2019-10-29 2021-05-06 株式会社タダノ 過負荷防止装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57151592A (en) * 1981-03-09 1982-09-18 Shin Meiwa Ind Co Ltd Preventive device for overload of boom loaded car
JP4194820B2 (ja) * 2002-09-26 2008-12-10 古河機械金属株式会社 車両搭載型クレーンの安全装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007314257A (ja) 2007-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5711440A (en) Suspension load and tipping moment detecting apparatus for a mobile crane
KR20000011832A (ko) 선회식작업기계와그안전작업영역및정격하중의설정방법
JP6518279B2 (ja) クレーンの積載荷重を確認する方法、およびクレーン
JP5241081B2 (ja) 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
US20200223672A1 (en) Overload preventing device
JP2018070376A (ja) 非対称的なアウトリガー配列のためのクレーン機能の性能強化
US10919739B2 (en) Overload preventing device
JP5241079B2 (ja) 荷台を有する移動式クレーンの安定限界監視装置。
JP7189489B2 (ja) 移動式クレーン及びクレーンシステム
JPH08119582A (ja) 作業車両の転倒警報装置及び転倒防止方法
US11235961B2 (en) Height adjustment assistance device, crane comprising same, and height adjustment method
CN111498698A (zh) 判断臂架回转方向的安全性的方法和装置及工程机械
JP2006327815A (ja) 移動式クレーンの過負荷防止装置における吊荷重演算方法およびその過負荷防止装置
JP3350251B2 (ja) クレーンのフック位置検出装置
JP3256087B2 (ja) クレーンの荷重演算装置
CN115052830A (zh) 用于监测起重机的系统和方法以及具有其的起重机
JP3281481B2 (ja) クレーンの荷重演算装置
JP5267508B2 (ja) 移動式クレーンの後方転倒防止装置
JP5410716B2 (ja) 移動式クレーンの制御装置
JP5869760B2 (ja) 移動式クレーン車の制御装置、制御方法及びプログラム
CN111056449A (zh) 起重机防倾翻方法
JPH0881181A (ja) 移動式クレーンのアウトリガジャッキ接地地盤の沈下警報装置
JPS6311279B2 (ja)
JPH05317B2 (ja)
JP6519382B2 (ja) 吊荷重検出装置、クレーンおよび演算装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130326

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130402

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5241081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250