JP5240807B2 - 光電変換構造体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)、 MST(Micro System Technology) またはマイクロマシン)、ナノテクノロジー、メカトロニクス、情報通信機器における、センサ、アクチュエータ、トランスデューサ(エネルギー変換素子)、コントローラ(出力制御器)、メモリ、小型の微小電力源等の光機能素子としてとして利用される、膜形状の誘電体を含む縦型の積層膜構造体を用いた比較的小型の光電変換構造体及びその製造方法に関するものである。
ある種の誘電体がもつ光起電力効果は、紫外線領域の光照射により電力を発生することが知られている。この現象は、半導体のPN接合界面における光起電力効果と現象が類似しているが、前者は物質の内部で発生する物性であるのに対して、後者は界面において生じるものである。また、誘電体の光起電力効果はその出力電圧がkV以上であるのに対して、電流はnAレベルである。
誘電体材料としては、従来この効果を発生する材料としてはバルク体の単板及びバイモルフが用いられ、次の文献で示すように、いくつかの応用が検討されてきた。
例えば、特許文献1では、PLZT素子の持つ光起電力効果を利用して光をエネルギー源として大きな機械運動を取り出す機構の静電型光モータが示されている。非特許文献1では、光歪バイモルフを用いた光駆動微小歩行素子が示されている。構造は2つの光歪セラミックスを固定し、両足に交互に照射することによって、素子がインチワームのように移動するものである。非特許文献2では、光と油圧を利用した光―油圧サーボシステムを提案しており、航空機の動翼機構への適用が検討されている。
また、誘電体以外の光電変換構造体としては、次の文献で示すようなものが検討されてきた。特許文献2では、マイクロマシンに搭載される光電変換デバイスとして、非晶質シリコンと結晶質シリコンを集積化して用いているものが報告されている。特許文献3では、自走式のマイクロマシンへのエネルギー伝送法として、光線、マイクロ波、音波と用い、マイクロマシンユニットへ搭載する受信素子としてアモルファス太陽電池を用いた電力供給方法が示されている。
一方、上記の光起電力性材料のバルク体の製造方法としては、特許文献4、特許文献5で示されるような製造方法が知られている。
なお、本件出願人は、光起電力材料の膜構造体について特願2003−111086を出願しており、誘電体の配向膜の製造方法について特願2003−085419を出願している。
特許第3265479号 歩行機構 K.Uchino J.Rob.Mech. 1(1989)124-127. 光サーボシステム 中田・曹・謝・山内・山内 日本機械学会論文集C57(1991)116−121 特許第2965901号 特開平6−46539号公報 特許第2716083号 特許特3041409号
しかしながら、誘電体の光起電力効果を用いて、これを光電変換構造体として小型の電力源として応用するにあたっては以下に示すような問題点が存在する。
まず、バルク体では出力の電流がnAレベルと低すぎること(少なくともμA以上必要)、出力の制御が容易ではないこと、出力電圧が高すぎること、分極電圧が高すぎること、素子の製造時間が長いこと、応答速度が遅いことがある。とくに、バイモルフに関しては応答性の向上は場合によっては可能であるが、バイモルフの製造に際しては接着層を用いることが必要であることと、両面照射をするために、付加的な照射設備や付加加工が必要である。このように、出力のレベル、出力制御、及びシリコンデバイスへの実装技術の面においてバルク体には多くの問題があり、応用する際の障害となってきた。一方、光起電力材料を単板として用いると、秒以上の遅い応答時間が問題となっていた。
バルク体の出力の制御は、照射される光強度によってのみ可能であった。また、その際に電極間の全表面に光を照射させることが必要であるために、制御性が容易ではないまた、分極電圧が少なくともkVのレベルであり、大型の電圧装置を必要としていた。
半導体の光起電力効果は、太陽電池に用いられるなどその電力出力は優れているが、機構上、その電力を出力させるためにはあらかじめPN接合界面を作製し、界面に電圧を印加させることが必要となる。このためには、付加的な電圧印加回路と電源を実装させることが必要となり、小型化、高性能化、簡素化、低コスト化を実現するためには障害となる。
マイクロ波を利用する方法は、閉管内でしか用いることができず、開放空間での利用ができない。
バルク材料の製造技術においては、多結晶体の酸化物焼成法による製造方法が示されている。これはバルク体の製造技術であり、薄板化した場合でもMEMS用の薄膜製造方法としては利用することは難しい。とくに、バルク体を用いた場合は、シリコン基板への実装に際して接着層を必要とするために、製品プロセスとしては適していない。
ところで、膜構造を用いた光起電力材料の光電変換構造体としては特願2003−111086がある。しかし、この中では膜の配向性に関してはランダム膜が用いられており、配向膜についての記述はない。また、ランダム配向膜は特性を一定に安定させることが難しく実用上の問題がある。
そこで、ナノテクノロジーやMEMSに適した膜構造体を含む積層型の光電変換構造体の開発が期待されている。この場合に用いる膜としては薄膜でも厚膜でもよい。しかし、膜構造体の課題としては、
(1)異種材料の積層ではなく、単相で配向性を制御する製造技術を用いる必要がある。
(2)膜に光を照射させる必要があるため、上部電極に透光性を持たせる必要がある。
(3)特性がバルクよりも劣ることが多い。
等がある。
本発明は、従来の上記問題点を解決することを目的とするものであり、小型・高出力・簡素・低コストな光電エネルギー変換を行うことが可能な光電変換構造体を実現することを課題とするものである。
本発明は上記課題を解決するために、膜構造体を構成する微結晶の配向性が(100)配向に制御され、光照射により誘電体の光起電力効果を発現する光起電力材料の膜構造体と、該膜構造体の上面の上部電極と、下面の下部電極とを備え、これら電極の少なくとも一方は透光性のある電極材料からなる光電変換構造体を提供する。
上記光起電力材料の膜構造体として、多結晶体または単結晶体による、厚膜または薄膜が使用されていることが好ましい。
上記光起電力材料として、鉛含有誘電体または非鉛含有誘電体が使用することが好ましい。
上記鉛含有誘電体または非鉛含有誘電体は、多結晶体または単結晶体であって、単独もしくは複数の化合物から成る母材材料が単独で使用されているもの、または該母材材料に微量添加物を1種もしくは2種以上加えて使用されているものであることが好ましい。
上記鉛含有誘電体は、PLZT、PZT、PMN、PbTiO3、PbTiO−La(Zn2/3Nb1/3)OまたはPbTiO−Pb(Mg1/21/2)Oであることが好ましい。
上記非鉛含有誘電体は、BaTiO、LiNbO、KNbO、TaNbO、ZnO、SbSI、RbZnBr、TGS、PVDF、GaP、La、 Gd、D、CuPsBr、Bi12SiO20、Bi12GeO20、Bi12TiO20、Te、SiO、HgS、または(Ba、Ca)TiO であることが好ましい。
上記微量添加物は、タングステン、タンタル、ニオブ、鉄、銅、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、モリブデン、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ケイ素、錫、セレン、ネオジウム、エルベニウム、ツリウム、ホフニウム、プラセオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、リチウム、スカンジウム、バリウム、ランタン、アクチニウム、セリウム、ルテニウム、オスシウム、コバルト、パラジウム、銀、カドニウム、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、リン、ヒ素、アンチモン、フッ素、テルル、ルテチウム及びイッテルビウムからなる群から選択された1又は2以上のものであることが好ましい。
上記光起電力材料の光起電力効果を発現させるための光源は、ランプ光源にフィルターを利用したもの、半導体レーザを用いたもの、レーザ光を用いたもの又は太陽光を用いたものであることが好ましい。
以上に記載された膜構造体が複数層縦方向に積層されて成り、出力電力を増幅することが可能であることを特徴とする。
上記化学溶液法は、ゾルゲル法またはMOD法であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換構造体。
上記誘電体層は、ホットプレート、大気もしくはガス置換型または圧力可変型焼成炉、レーザアニール装置、マイクロ波焼成炉及び高速加熱炉(RTA)から選択された単独または複数の方法を用いて熱処理及び熱焼成されたものであることが好ましい。
以上の構成からなる本発明に係る光電変換構造体及びその製造方法によれば、以下に記載されるような効果を奏する。
本発明では配向性の光起電力性の誘電体を含む積層膜構造体を、光エネルギー無索伝送の受信素子等に用いることにより、従来のバルク素子より高い出力電力を供給することができる。この出力値は、単位体積当たり(100)配向膜の場合でランダム配向膜に比べて、電流値において11.2倍、電圧値において3.2倍、電力値において31倍の出力を供給することができる。
本発明によれば、積層膜構造体の出力制御性が向上する。従来のバルク体では、出力制御は照射光強度のみで可能であったが、その場合でも電極間の全表面に照射する必要があり、制御性に問題があった。本発明では、任意の表面に任意の強度の光を照射することにより、出力が得られることに加えて、照射面積により出力の制御が可能になった。またサンプルの形状もバルクに比べて精度よく製造可能であり、微小な電流源として利用する上で大きな利点である。
本発明の配向性の制御された積層膜構造体からなる光電変換構造体は、MEMSやナノテクノロジーの構成要素として利用することが容易である。電圧の出力は従来のものと比べて小さくなったが、他の構成要素である電子機器との整合性は向上している。また、分極処理に要する電圧も大幅に低減し、これにより大型の電圧器が不要になったこと、プロセス工程上の制約が減少した。また、バイモルフ構造を作る必要もないために、両面照射のための装置やバイモルフの加工等が不要になるなど製造技術に関する実用上の利点も大きい。
本発明による、積層構造体の光電変換構造体は、小型の電流源として利用可能であり、光センサ、光トランスデューサ、光コントローラとして利用することが可能である。とくに、半導体の光起電力効果を比較して電圧を印加することなく出力を取り出すことが可能であることが利点であり、小型化高性能化簡素化低コスト化を両立された機能性素子として利用できる。
電流出力を利用するために、電圧を利用する場合に比べて応答速度が向上する。また、電極間距離も短くなりこの点でも応答性の向上に寄与する。
本発明に係る光電変換構造体及びその製造方法の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
図1は、この発明の実施例1を説明する図であり、膜構造体を使用した光電変換構造体1を示す図である。この光電変換構造体1は、下から順にシリコン(Si)基板2と、酸化シリコン(SiO)膜3と、チタン(Ti)膜4及び白金(Pt)膜5からなる下部電極6と、配向性制御層である膜構造体7と、錫添加酸化インジウム(ITO)膜からなる上部電極9と、から構成する。本実施例では、配向性制御層である膜構造体7は、PLZT膜(以下、「PLZT膜7」とする。)を利用し、このPLZT膜7は複数の薄膜からなる膜構造体とした。
光電変換構造体1では、光の入射方向と分極方向は平行な状態で用いるために、上部電極9には、通常の金属電極の極薄膜あるいは、透光性のある材料を用いることにより、光の透過を可能とする事が必要であり、上述の通りここではITO膜(以下「ITO膜9」とする)を用いた。
次に光電変換構造体1の作成行程を説明する。図2に作製工程のフローチャートを示す。膜厚400μmのシリコン基板2の表面に形成した酸化シリコン膜3は、熱酸化炉にて1100度、20時間の熱処理をして作成したものであり、膜厚は約1.5μmである。この酸化シリコン膜3の上に下部電極6として、チタン膜4と白金膜5を順次スパッタリング法により形成した。ここで、チタン膜4は50nmであり、白金膜5は150nmに形成した。
前述のとおり配向性制御層である膜構造体であるPLZT膜7は、アルコラート等の化合物を主原料としたMOD液材料を原料とした。これをスピンコーターにおいた仕掛け中の光電変換構造体1の白金膜5の表面上に滴下した。そして、スピンコーターを500rpm〜4000rpmで回転させることで、遠心力を利用して一層あたり約100nmの均一なPLZT膜7の塗布を完成する。
こうしてPLZT層の塗布を行ったものを高速焼成炉中で熱処理してPLZTを合成した。熱処理温度は、120度にて2分の乾燥、250度にて5分の熱分解及び仮焼成、650度にて2分の本焼成を行う。これにより、ペロブスカイト構造を有するPLZTの層を作成することができる。
このようなPLZT層の作成行程を20回繰り返して、複数の層からなる厚さ約2μmのPLZT膜7を形成する。図3の横軸は回折角度2θであり、縦軸は回折強度である。図3(a)には、以上の行程にて作成した膜構造体のX線回折図であり、ここではPLZT(100)の強度はPLZT(111)、PLZT(110)に比べて大きく、PLZT(100)方向に優先配向した膜が形成されていることが分かる。また、図3(a)から作製したPLZT膜はペロブスカイト構造の単相が形成されており、アモルファス構造やパイロクロア構造等の異相は観測されなかった。
次に、上部電極9として、ITOをスパッタリング法により、PLZT膜7の上に約50nmの膜厚で成膜する。なお、この際にはマスキングを行い、膜の周辺部と下部電極が直接接触しないように絶縁を施す必要がある。本実施例では、下部電極6と上部電極9の間に1Vの電圧を印可し、分極処理を行った。
以上の光電変換構造体の光起電力特性の結果を図4に示す。ここで、光強度は60mW/cmであり、そのとき素子には0.96V、1.07mAの光起電力が発生していた。図4の縦軸と実験結果の直線の交点の値が発生する光起電流に相当し、横軸と直線の交点の値が光起電圧に相当する。
このときに発生した光起電力の結果を、他の方法と比較できるように表1に記載した。以上の実験では膜の照射面積は28mm、光の照射強度は60mW/cmであった。また、比較のために表1には、特願2003−111086に示されたランダム配向膜の特性も記載した。なお、表2においては、これらの値を他の実験結果を比較するために、照射面積を100mm、膜の厚さを1μm、光の強度は60mW/cmの場合に発生する光起電力特性を示すようにした。
Figure 0005240807
Figure 0005240807
ここで、表1と表2について補足説明する。表1は図4に従って得た実験結果をそのまま示しており単位換算等は行っていない。一方、表2は表1の結果を単位体積・面積・厚さ当たりの出力に換算して比較を行いやすいようにしたものである。
表2は、本発明による光起電力に関する実験結果をランダム配向膜及びバルク体と比較した表である。この表2では、光起電力は、光起電流×光起電圧として定義した。また、膜構造体に関しては、照射面積100mm当りに換算した光起電流と膜厚1μm当りに換算した光起電圧の換算値を記載した。また、バルク体のサンプルに関しては、膜構造体と素子のレイアウトが異なるために、記載方法を膜構造体とは変えている。また、電力に関しては照射面積100mm、膜厚1μmに換算した電力を算出した。
表2からすると、本発明により、光起電力(μW)の特性がランダム配向に比べてPLZT(100)配向膜において約30倍、PLZT(111)配向膜において約10倍程度向上していることがわかる。この特性向上の第一の要因は配向性の制御によるものであり、付随的な要因は膜質の向上によるものである。これより配向性が制御された膜の方がランダム配向膜に比べてその光起電力特性が向上することが示された。
バルクとの比較ではバルク体の表面において光が吸収されるために、バルクの値が過小評価になる。しかし、いずれにしても単位体積あたりの電力出力効率は膜構造体の方が大きくなる。ここでは、バルク体と膜構造体の電極配置が異なることを考慮して、特性値に関しては計測値を記載し、電力値に関しては特定の体積当たりの出力値に換算した値を記載した。
実施例1と同様な方法により、膜の熱処理温度を、120度にて2分の乾燥、450度にて5分の熱分解及び仮焼成、650度にて2分の本焼成を行う。これにより、PLZT(111)に優先配向した膜が形成される。この結果を図3(b)に示す。
ここではPLZT(111)の強度はPLZT(100)、PLZT(110)に比べて大きく、PLZT(100)方向に優先配向した膜が形成されていることが分かる。また、図3(b)から作製したPLZT膜はペロブスカイト構造の単相が形成されており、アモルファス構造やパイロクロア構造等の異相は観測されなかった。素子の発生起電力は表1及び表2に実施例1と共に示す。
以上、本発明に係わる光電変換構造体の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施の様態があることは言うまでもない。
本発明の光電変換構造体は、コンパクトで、簡単に高出力の光電エネルギー変換を行うことが可能であるから、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems(微小電気機械システム)、 MST(Micro System Technology) またはマイクロマシン)、ナノテクノロジー、メカトロニクス、情報通信機器における、センサ、アクチュエータ、トランスデューサ(エネルギー変換素子)、コントローラ(出力制御器)、メモリ、小型の微小電力源等の光機能素子としてとして適用できる。
本発明に係る光電変換構造体の断面概観図を説明する図であり、(a)は配向性制御層と誘電体層で構成される場合であり、(b)は配向性制御層のみで構成される場合を、それぞれ示す。 本発明に係る作製工程を示す図である。 本発明に係るX線回折図を示す図である。(a)はPLZT(100)優先配向膜に関し、(b)はPLZT(111)優先配向膜に関する。 本発明に係る光起電力実験結果を示す図である。
符号の説明
1 光電変換構造体
2 シリコン(Si)基板
3 酸化シリコン(SiO)膜
4 チタン(Ti)膜
5 白金(Pt)膜
6 下部電極
7 配向性制御層
8 誘電体層
9 上部電極

Claims (9)

  1. 膜構造体を構成する微結晶の配向性が(100)配向に制御され、光照射により誘電体の光起電力効果を発現する光起電力材料の膜構造体と、該膜構造体の上面の上部電極と、下面の下部電極とを備え、これら電極の少なくとも一方は透光性のある電極材料からなる光電変換構造体。
  2. 上記光起電力材料の膜構造体として、多結晶体または単結晶体による、厚膜または薄膜が使用されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換構造体。
  3. 上記光起電力材料として、鉛含有誘電体または非鉛含有誘電体が使用されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換構造体。
  4. 上記鉛含有誘電体または非鉛含有誘電体は、多結晶体または単結晶体であって、単独もしくは複数の化合物から成る母材材料が単独で使用されているもの、または該母材材料に微量添加物を1種もしくは2種以上加えて使用されているものであることを特徴とする請求項3記載の光電変換構造体。
  5. 上記鉛含有誘電体は、PLZT、PZT、PMN、PbTiO、PbTiO−La(Zn2/3Nb1/3)OまたはPbTiO−Pb(Mg1/21/2)Oであることを特徴とする請求項3又は4記載の光電変換構造体。
  6. 上記非鉛含有誘電体は、BaTiO、LiNbO、KNbO、TaNbO、ZnO、SbSI、RbZnBr、TGS、PVDF、GaP、La、Gd、D、CuPsBr、Bi12SiO20、Bi12GeO20、Bi12TiO20、Te、SiO、HgS、または(Ba、Ca)TiOであることを特徴とする請求項3又は4記載の光電変換構造体。
  7. 上記微量添加物は、タングステン、タンタル、ニオブ、鉄、銅、マグネシウム、ビスマス、イットリウム、モリブデン、バナジウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ケイ素、錫、セレン、ネオジウム、エルベニウム、ツリウム、ホフニウム、プラセオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロビウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、リチウム、スカンジウム、バリウム、ランタン、アクチニウム、セリウム、ルテニウム、オスシウム、コバルト、パラジウム、銀、カドニウム、ホウ素、ガリウム、ゲルマニウム、リン、ヒ素、アンチモン、フッ素、テルル、ルテチウム及びイッテルビウムからなる群から選択された1又は2以上のものであることを特徴とする請求項4記載の光電変換構造体。
  8. 上記膜構造体は、化学溶液法で形成され、該形成時の化学溶液の熱処理温度の制御により上記微結晶の配向性が制御されていることを特徴とする請求項1記載の光電変換構造体。
  9. 上記化学溶液法は、ゾルゲル法またはMOD法であることを特徴とする請求項記載の光電変換構造体。
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