JP5240704B2 - 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法 - Google Patents

新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5240704B2
JP5240704B2 JP2007262203A JP2007262203A JP5240704B2 JP 5240704 B2 JP5240704 B2 JP 5240704B2 JP 2007262203 A JP2007262203 A JP 2007262203A JP 2007262203 A JP2007262203 A JP 2007262203A JP 5240704 B2 JP5240704 B2 JP 5240704B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
cholesterol
fluorescence
present
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007262203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009091287A (ja
Inventor
圭一 山田
正博 穂坂
利忠 吉原
成史 飛田
良一 片貝
利行 竹内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gunma University NUC
Original Assignee
Gunma University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gunma University NUC filed Critical Gunma University NUC
Priority to JP2007262203A priority Critical patent/JP5240704B2/ja
Publication of JP2009091287A publication Critical patent/JP2009091287A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5240704B2 publication Critical patent/JP5240704B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)

Description

本発明は新規蛍光化合物に関する。本発明はまた、当該化合物を用いた細胞内コレステロール検出法および検出キットに関する。
固定化された組織でコレステロール分布を観測するプローブとしてポリエンマクロライド系抗生物質であるフィリピン(Filipin)IIIが用いられてきた。しかし、生体膜コレステロールに結合するフィリピンIIIは、生体膜の高コレステロールドメインに結合して孔をあけ、細胞障害を惹起する。フィリピンIIIの他にも、θ-トキシン、コレラトキシンB なども生体膜のスフィンゴ脂質に結合するのでリピッドラフトの観察に用いられるが、主に形質膜のコレステロールを染色し、細胞内オルガネラのコレステロール分布全体を観察するのには適さない。さらに、フィリピンIIIは蛍光消光が早く、それを認識する抗体もないことから、抗体染色可能な新規プローブの開発が望まれてきた。
一方、アンホテリシンBはポリエンマクロライド系抗生物質である(非特許文献1)が、コレステロールの検出の目的に応用されたことはなかった。
M. Murata et al. Org. Lett. 2002, 4 , 2087-2089.
本発明は、細胞内コレステロールの検出などに有用な、新規な蛍光化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、アンホテリシンB(AmB)にダンシル基を導入した新規AmB誘導体の合成に成功した。そして、この化合物が脂質膜中のコレステロールと安定な複合体を形成することから、この化合物を用いることにより細胞内のコレステロールを蛍光染色や抗体染色によって感度よく検出できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で表される化合物。
nは1〜5の整数、Rは炭素数1〜4のアルキルを示す。
(2)nが2であり、Rがメチルである、(1)の化合物。
(3)(1)または(2)の化合物を細胞に添加し、蛍光を測定することを特徴とする、細胞内コレステロールの検出方法。
(4)(1)または(2)の化合物を含む、コレステロール検出キット。
本発明の新規蛍光化合物は、従来品より蛍光強度が強く、免疫染色も可能であることから固定細胞及び生細胞中のコレステロールの可視化に幅広く適用できる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明の化合物は、以下の一般式(I)で表される。


ここで、nは1〜5の整数、Rは炭素数1〜4のアルキルを示す。なお、Rは互いに異なっていてもよい。一般式(I)の化合物としては、nが2であり、Rがメチルである、下記の化合物が特に好ましい。
この化合物は下記の合成方法によって、アンホテリシンBとダンシル化エチレンジアミンを反応させることによって合成することができる。なお、nが2であり、Rがメチルである化合物以外の化合物も原料を代えることによって同様にして合成することができる。
本発明の化合物は、蛍光を発する。したがって、蛍光標識剤や蛍光プローブとして使用することができる。
特に、本発明の化合物は、細胞内に取り込まれ、コレステロールと同様の挙動を示すため、細胞内コレステロールの検出に好適に使用することができる。
具体的には、本発明の化合物を細胞に添加し、蛍光顕微鏡などで蛍光を測定することによって、細胞内コレステロールの分布などを検出することができる。
検出対象の細胞の種類は特に制限されないが、コレステロールを蓄積する培養細胞が好ましい。生細胞において直接蛍光を観察してもよいし、細胞を固定化してから蛍光を観察してもよい。
本発明の化合物を単独で添加する場合、例えば、同化合物をDMSOなどに溶解させて添加することができる。
本発明の化合物は培養細胞の培地中に加えることができる。その添加濃度は細胞の種類によっても異なるが、好ましくは、0.5μM〜50μMである。
蛍光顕微鏡などの蛍光測定装置を使用することによって本発明の化合物による蛍光を検出することができる。
なお、本発明の化合物を認識する抗体を用いて検出することも可能である。そのような
抗体としては、本発明の化合物に含まれるダンシル基に対する抗体(Molecular Probes 社:Anti-Dansyl Antibody(Catalog.#:A-6398))が挙げられる。
本発明はまた、本発明の化合物を含むコレステロール検出キットに関する。該キットは、また、本発明の化合物に対する抗体を含むものであってもよい。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例では、上記一般式(I)においてn=2、R=メチルの化合物をダンシル化アンホテリシンB (Amp-en-Ds) と呼ぶ。
合成例
1.mono-N-dansyl-ethylendiamine (Ds-en)の合成
エチレンジアミン 3.34ml (50mmol)を蒸留ジクロロメタン40mlに溶解させ、室温下で攪拌した。この溶液にDansyl chloride 2.698g (10mmol)を10分かけて少しずつ加え、室温で15時間反応させた。反応混合物に水50mlを加え、分液ロートに移した。有機相を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥させた。これを減圧濃縮後、残渣にヘキサンを加えて生じた淡黄色固体を濾取してDs-en 2.04g (6.95mmol)を得た。(収率69.5%(Dansyl chlorideを基準に算出))
m.p.: 153-154℃, 1H NMR (300MHz, CDCl3) δ8.54 (1H, d, J=8.5Hz), 8.30(d, 1H, J=8.6Hz), 8.25 (d, 1H, J=7.3Hz), 7.56 (dd, 1H, J1=8.5Hz, J2=7.6Hz), 7.52 (dd, 1H, J1=8.5Hz, J2=7.6Hz), 7.18 (d, 1H, J=7.4Hz), 2.90 (dd, 2H, J1=5.3Hz, J2=6.5Hz), 2.89 (s, 6H), 2.69 (dd, 2H, J1=5.3Hz, J2=6.5Hz)
2.ダンシル化アンホテリシンB (Amp-en-Ds) の合成
N-Fmoc-アンホテリシンB(N-Fmoc-Amp)は文献既知の方法にて合成した。(文献:M. Murata et al. Org. Lett. 2002, 4, 2087-2089.)N-Fmoc-Amp 55mg (0.044mmol)をDMF5mlに溶解させ、氷冷撹拌下Ds-en 16 mg (0.05mmol) , PyBOP (商標:Benzotriazol-1-yl-oxytripyrrolidinophosphonium hexafluorophosphate)27 mg (0.05mmol), DIEA (diisopropylethylamine)18μl (0.106mmol)を加え、氷冷下で1時間、室温で15時間撹拌した。DMFを減圧留去後、残渣に蒸留ジエチルエーテルを加え析出した沈殿を濾取した。得られた粗精製物をジエチルエーテル−メタノールで結晶化を行い、Fmoc-Amp-en-Ds 46 mg (0.032mmol)を得た。(収率73%)これを2%DBU(ジアザビシクロウンデセン)/DMF溶液5 mlに溶解させ、室温で10分間処理してFmoc基の除去を行った。減圧濃縮後、得られた残渣に蒸留エーテルを加え、生じた沈殿を濾取した。この沈殿を蒸留ジエチルエーテルで洗浄し乾燥させてAmp-en-Ds 38 mgを得た。(定量的)Amp-en-Dsの1H NMRスペクトル(300MHz, DMSO-d6)を図1に示す。
m.p.: > 300℃, 大気圧イオン化質量スペクトル (APCI-MS, positive) m/z=1199.9 ([M+3H]+)
実施例2:Amp-en-Dsの吸収・蛍光スペクトル
Amp-en-DsとアンホテリシンB(Amp)の紫外吸収スペクトルは、紫外・可視分光光度計 (JASCO, Ubest V-550 UV/VIS)で測定した。試料は分光測定用MeOHに溶解させ、光路長1cmの角型石英セルを用いて室温にて測定した。蛍光スペクトルは、蛍光分光光度計 (Hitachi, F-4010)で測定した。測定には紫外吸収スペクトル測定と同じ試料溶液を用い、光路長1cmの角型石英セルを用いて室温にて測定した。
結果を図2および3に示す。Amp-en-DsはアンホテリシンBの吸収に加えて、ダンシル基の吸収が確認された。また、約510nmに蛍光が観察された。
実施例3:培養細胞での蛍光測定
マクロファージ細胞(RAW264.7)にアンホテリシンB, Amp-en-Ds, フィリピンIII のDMSO溶液 (濃度5μM, 75μM) を1時間取り込ませ、蛍光顕微鏡にて染色画像を撮影した。(図4)
上二段は、ホルマリンで固定化された細胞に各化合物を5μM, 75μM加えた場合、下二段は、生細胞に各化合物を5μM, 75μM加えた場合の顕微鏡画像である。
その結果、Amp-en-Dsは細胞内に取り込まれ、公知のコレステロールプローブであるフィリピンIIIよりも強い蛍光を示すことがわかった。アンホテリシンBのみでは蛍光は見られなかった。
Amp-en-Dsの1H NMRスペクトル。 Amp-en-Ds(実線)及びAmp(破線)の紫外吸収スペクトル(MeOH)。 Amp-en-Ds(実線)及びAmp(破線)の蛍光スペクトル(MeOH 励起波長340nm) アンホテリシンB, Amp-en-Ds, またはフィリピンIII (濃度5μM, 75μM)によるマクロファージ細胞(RAW264.7)の蛍光染色結果を示す図(写真)。上二段は、ホルマリンで固定化された細胞に各化合物を5μM, 75μM加えた場合、下2段は、生細胞に各化合物を5μM, 75μM加えた場合の蛍光染色結果を示す。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物。
    nは1〜5の整数、Rは炭素数1〜4のアルキルを示す。
  2. nが2であり、Rがメチルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1または2に記載の化合物を細胞に添加し、蛍光を測定することを特徴とする、細胞内コレステロールの検出方法。
  4. 請求項1または2に記載の化合物を含む、コレステロール検出キット。
JP2007262203A 2007-10-05 2007-10-05 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法 Expired - Fee Related JP5240704B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007262203A JP5240704B2 (ja) 2007-10-05 2007-10-05 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007262203A JP5240704B2 (ja) 2007-10-05 2007-10-05 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009091287A JP2009091287A (ja) 2009-04-30
JP5240704B2 true JP5240704B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=40663623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007262203A Expired - Fee Related JP5240704B2 (ja) 2007-10-05 2007-10-05 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5240704B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2846840A4 (en) * 2012-05-08 2015-12-30 Univ Rutgers METHODS FOR DETECTING FUNGIC CELL
US9700638B2 (en) 2012-05-08 2017-07-11 Rutgers, The State University Of New Jersey Near infrared label and methods of use thereof
EP3283171B1 (en) * 2015-04-15 2021-05-26 Sfunga Therapeutics, Inc. Derivatives of amphotericin b

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009091287A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3636653A1 (en) Asymmetrical si rhodamine and rhodol synthesis
JP6349091B2 (ja) 超解像蛍光イメージング用プローブ
WO2016029671A1 (zh) 一种硅基罗丹明衍生物及其制备方法和应用
CN113845462B (zh) 一种溶酶体荧光探针、其制备方法及其应用
JP6849983B2 (ja) 酵素特異的な細胞内滞留性赤色蛍光プローブ。
JP2006219453A (ja) キノリン環を母核とする金属識別型二波長性蛍光分子
CN106083816A (zh) 一种极酸性的咔唑类pH荧光探针及其制备方法和应用
WO2017078623A1 (en) Background-free fluorescent probes for live cell imaging
JP5240704B2 (ja) 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法
CN110092773A (zh) 一种氧杂蒽类衍生物及其制备方法和应用
CN111440143B (zh) 基于含氮杂环的中性线粒体荧光标记物及其制备方法与应用
CN115160327B (zh) 一种靶向μ阿片受体的小分子荧光探针及其制备和应用
JP6883332B2 (ja) タグ標識可能なカルシウムイオン検出蛍光プローブ
CN114702447B (zh) 一种萘酰亚胺衍生物及其制备方法与应用
JP2011184374A (ja) 新規蛍光化合物およびそれを用いた細胞内コレステロールの検出方法
CN112920195B (zh) 一种比率型粘度荧光探针及其制备方法和应用
CN113848197A (zh) 一种荧光探针的用途
JP2016193897A (ja) pH依存性蛍光化合物
CN102627637B (zh) 取代苯基罗丹明噁二唑类化合物制备方法与用途
WO2009115288A1 (de) Thiostrepton-sonde
KR101125058B1 (ko) 물질 표지용 화합물 및 그 제조방법
JP2004101389A (ja) アルミニウムイオン及び/又は第二鉄イオン測定用プローブ
US20040044228A1 (en) Fluorescent probe for magnesium ion determination
CN111533761B (zh) 一类具有细胞器或蛋白质靶向功能的比率型pH探针及应用
CN112480139B (zh) 罗丹明类荧光探针的制备方法及其检测有机自由基方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100913

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130326

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160412

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5240704

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees