JP5240163B2 - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、機関燃焼室に燃料を直接噴射する直噴インジェクタと機関吸気通路に燃料を噴射する吸気通路インジェクタとを併せ備える内燃機関の燃料噴射装置に関するものである。
近年、内燃機関の吸気通路に燃料を噴射する吸気通路インジェクタに加えて、同内燃機関の燃焼室内に燃料を直接噴射する直噴インジェクタを備えた燃料噴射装置が知られている(例えば特許文献1)。こうした燃料噴射装置では、内燃機関の運転状態に応じたかたちで吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射、直噴インジェクタのみによる燃料噴射、それら双方を用いた燃料噴射のいずれかを実行するといったように燃料噴射形態が切り替えられる。通常、内燃機関の低回転低負荷運転領域では、直噴インジェクタによる燃料噴射を実行すると吸気通路インジェクタによる燃料噴射を実行する場合と比較して噴霧形状や燃焼状態の不安定化を招き易いことから、吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射が実行される。
直噴インジェクタは、機関燃焼室内において高温の燃焼ガスに晒されるために、その噴孔部にデポジットが付着しやすい。しかも、上記装置において吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射が実行される場合には、直噴インジェクタからの燃料噴射が実行されないために噴射燃料の気化に伴う冷却効果も見込めず、直噴インジェクタの噴孔部へのデポジットの堆積が進行し易い。そうしたデポジットの堆積は噴孔からの燃料噴射の妨げとなり、燃料噴霧の形状が不要に変化したり(詳しくは、燃料の粒径が不要に大きくなったり)燃料噴射量が要求量より少なくなったりして、燃焼室内における燃料の燃焼状態の悪化を招くおそれがある。
そのため従来、吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射が実行される内燃機関の低回転低負荷運転領域において、デポジットの堆積が進んでいる可能性があると判断されたときに、一時的に直噴インジェクタのみによる燃料噴射に切り替えてデポジットの除去を図るデポジット除去制御を実行することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このデポジット除去制御を実行することにより、直噴インジェクタの噴孔部にデポジットが堆積している場合であっても、そのデポジットが直噴インジェクタからの噴射燃料によって吹き飛ばされるようになる。
特開2009−30615号公報 特開2005−201083号公報
ところで、前記燃料噴射装置では、燃焼室内の高い圧力に抗して直噴インジェクタから燃料を噴射する必要があるために同直噴インジェクタに供給される燃料の圧力がごく高い圧力に設定されている。そのため、デポジット除去制御を実行するべく、単に直噴インジェクタによる燃料噴射の実行と実行停止とを切り替えると、その切り替えに伴って内燃機関(詳しくは、直噴インジェクタ)の発する音が大きく変化し、その変化が乗員に違和感を与えるなどしてドライバビリティの低下を招くおそれがある。
なお、デポジット除去制御が実行される装置や低回転低負荷運転領域において通路インジェクタのみによる燃料噴射を実行する装置に限らず、同一の機関運転状態であるときに直噴インジェクタによる燃料噴射の実行と実行停止とが切り替えられる装置であれば、上述した不都合は同様に生じる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる内燃機関の燃料噴射装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、機関燃焼室に燃料を直接噴射する直噴インジェクタと機関吸気通路に燃料を噴射する吸気通路インジェクタとを備え、内燃機関の運転状態が低回転低負荷運転領域にあって、切り替え条件の非成立時には前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの一方を選択し、前記切り替え条件が成立すると前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの他方に強制的に切り替える切り替え制御を実行する内燃機関の燃料噴射装置において、前記低回転低負荷運転領域にあって、前記切り替え制御を実行して前記他方に強制的に切り替えた後における該他方から前記一方への復帰を、前記内燃機関の運転状態が前記低回転低負荷運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止することをその要旨とする。
内燃機関の低回転低負荷運転領域においては、内燃機関が発生する音のうちの直噴インジェクタの駆動音以外の音(例えば燃料の燃焼に伴って発生する音[燃焼音]など)が小さいために、直噴インジェクタによる燃料噴射の実行と非実行とが切り替えられた場合に、その切り替えに起因する発生音の変化が目立ちやすく、ドライバビリティの低下を招きやすい。ただし、そうした低回転低負荷運転領域であっても内燃機関の運転状態が大きく変化している状況下であれば、直噴インジェクタが発する音が変化した場合であってもその変化が目立たたないために、ドライバビリティの低下を招き難いと云える。
上記構成によれば、切り替え条件の成立に伴って直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの一方から他方に強制的に切り替えられた後に、切り替え前の状態に復帰させることの可能な状況になったとしても、直噴インジェクタの発生音の変化が目立ちやすい低回転低負荷運転領域内で機関運転状態が推移しているときには、上記復帰が禁止される。そして、内燃機関の運転状態が低回転低負荷運転領域から一旦外れた後に同低回転低負荷運転領域に戻ったとき、言い換えれば内燃機関の運転状態が比較的大きく変化しているときに、上記復帰が許可されるようになる。そのため、インジェクタ発生音の変化が目立つ状況において直噴インジェクタによる燃料噴射の実行と非実行とが切り替えられる頻度を低くすることができ、インジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、当該装置は、前記一方を選択したときと前記他方に切り替えたときとで各別に前記機関燃焼室内への燃料供給量の指標値を学習する学習制御を実行し、前記切り替え制御は、前記学習制御の実行を通じて前記他方に切り替えたときの前記指標値を学習するために、前記他方に強制的に切り替える制御であることをその要旨とする。
インジェクタの劣化や個体差に起因する噴射量誤差は、直噴インジェクタと吸気通路インジェクタとで異なる。そのため、内燃機関の運転状態が同一であっても、直噴インジェクタによる燃料噴射が実行されるときと同燃料噴射が実行されずに吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射が実行されるときとでは機関燃焼室内に実際に供給される燃料の量(供給燃料量)が異なる。そのため、上記構成における学習制御において燃料供給量の指標値を適正に学習するためには、直噴インジェクタによる燃料噴射の実行時と非実行時とで各別に上記指標値の学習を実行することが望ましい。
上記構成によれば、学習制御によって燃料供給量の指標値を学習するために直噴インジェクタの実行と非実行とが切り替えられる装置において、インジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。なお上記指標値は、混合気の空燃比や、吸入空気量、インジェクタの燃料噴射量などを含む。
なお、前記学習制御としては、請求項3によるように、機関燃焼室内に形成される混合気の空燃比を目標比率にするべく燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御を実行する燃料噴射装置にあって、前記指標値としての前記フィードバック制御におけるフィードバック補正量とその基準値との定常的な偏差を学習する制御を採用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記一方は前記直噴インジェクタによる燃料噴射の非実行であって、前記他方は前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行であり、前記低回転低負荷運転領域において実行条件が成立したときに一時的に前記直噴インジェクタによる燃料噴射を実行して同直噴インジェクタに付着したデポジットの除去を図るデポジット除去制御を実行することをその要旨とする。
上記構成では、内燃機関の低回転低負荷運転領域において、実行条件の非成立時には吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射が実行され、同実行条件の成立時にはデポジット除去制御(詳しくは、直噴インジェクタによる燃料噴射)が実行される。しかも、実行条件の非成立時にあって前記切り替え条件が成立すると、直噴インジェクタによる燃料噴射を実行する状態に一時的に切り替えられたうえで学習制御が実行される。
上記構成によれば、このようにして学習制御の実行のために直噴インジェクタによる燃料噴射の実行と非実行とを切り替える際に、その切り替えがインジェクタ発生音の変化が目立つ状況において行われる頻度を低くすることができ、インジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記切り替え制御は、前記切り替え条件の非成立時には前記直噴インジェクタによる燃料噴射の非実行を選択し、前記切り替え条件が成立すると一時的に前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行に切り替えて同直噴インジェクタに付着したデポジットの除去を図るデポジット除去制御であることをその要旨とする。
上記構成によれば、デポジット除去制御の実行に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記実行および非実行のうちの非実行のときは前記吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射を実行し、前記実行および非実行のうちの実行のときには前記直噴インジェクタのみによる燃料噴射を実行することをその要旨とする。
上記構成では、切り替え制御を通じて、機関燃焼室に供給する燃料の全てを直噴インジェクタから噴射する状態と同直噴インジェクタから燃料を噴射しない状態とが切り替えられる。そのため、直噴インジェクタによる燃料噴射の実行時において機関燃焼室に供給する燃料の一部を吸気通路インジェクタによる燃料噴射により分担する装置と比較して、直噴インジェクタの作動と非作動との切り替えに伴う同直噴インジェクタの作動量の変化が大きくなりやすく、インジェクタ発生音の変化が大きくなりやすい。
上記構成によれば、そのようにインジェクタ発生音の変化が大きくなりやすい装置において、ドライバビリティの低下を好適に抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、前記低回転低負荷運転領域は、前記内燃機関のアイドル運転領域であることをその要旨とする。
内燃機関のアイドル運転領域は機関回転速度がごく低く機関負荷がごく小さいためにインジェクタ発生音の変化が特に目立ちやすい。上記構成では、そうしたアイドル運転領域において切り替え制御が実行されるために、インジェクタ発生音の変化によるドライバビリティの低下を招きやすいと云える。
上記構成によれば、内燃機関のアイドル運転領域において切り替え制御が実行される燃料噴射装置にあって、ドライバビリティの低下を好適に抑制することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の燃料噴射装置の概略構成を示す略図。 空燃比制御処理の実行手順を示すフローチャート。 デポジット除去制御処理の実行手順を示すフローチャート。 切り替え制御処理の実行手順を示すフローチャート。 切り替え制御処理の実行態様の一例を示すタイミングチャート。 デポジット除去制御処理の変形例の実行手順を示すフローチャート。
以下、本発明にかかる内燃機関の燃料噴射装置について説明する。
図1は、本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関の燃料噴射装置の概略構成を示している。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12には、スロットルモータ13が連結されている。そして、このスロットルモータ13の駆動制御を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室14内に吸入される空気の量が調節される。
また、内燃機関10には、吸気通路11(詳しくは、吸気ポート)内に燃料を噴射する通路インジェクタ15と燃焼室14内に直接燃料を噴射する直噴インジェクタ16とが設けられている。
通路インジェクタ15はフィードポンプ17を介して燃料タンク18に接続されており、同通路インジェクタ15にはフィードポンプ17により圧送された燃料が供給されている。直噴インジェクタ16はフィードポンプ17および高圧ポンプ19を介して燃料タンク18に接続されており、同直噴インジェクタ16にはフィードポンプ17および高圧ポンプ19により圧送された燃料が供給されている。そして、これら通路インジェクタ15および直噴インジェクタ16の開弁駆動を通じて、内燃機関10の燃焼室14内に燃料が供給される。
内燃機関10の燃焼室14においては、吸入空気と供給燃料とからなる混合気に対して点火プラグ20による点火が行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン21が往復移動し、クランクシャフト22が回転する。
そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室14から排気通路23に送り出される。内燃機関10の排気通路23には排気を浄化するための三元触媒(以下、「排気浄化触媒24」)が設けられている。内燃機関10の排気は、上記排気浄化触媒24を通じて浄化された後に排気通路23外へと放出される。
本実施の形態の装置は、内燃機関10の運転状態を検出するための各種センサを備えている。そうした各種センサとしては、例えばクランクシャフト22の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ31や、吸気通路11を通過する吸入空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ32が設けられている。また、アクセルペダル25の踏み込み量ACを検出するためのアクセルセンサ33や、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ34が設けられている。その他、排気通路23内の排気の酸素濃度OXを検出するための空燃比センサ35なども設けられている。
本実施の形態の装置は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御ユニット30を備えている。この電子制御ユニット30は、各種センサの検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットルモータ13の駆動制御(スロットル制御)や、通路インジェクタ15および直噴インジェクタ16の駆動制御(燃料噴射制御)等といった各種制御を実行する。
本実施の形態では、燃焼室14内に吸入される空気の量(筒内吸気量)が次のように調節される。すなわち先ず、前記アクセルペダル25の踏み込み量ACや機関回転速度NEに基づいて筒内吸気量についての制御目標値(目標筒内吸気量Tga)が算出される。そして、この目標筒内吸気量Tgaと実際の筒内吸気量が一致するようになるスロットル開度TAに相当する値が同スロットル開度TAについての制御目標値(目標スロットル開度Tta)として算出され、同目標スロットル開度Ttaと実際のスロットル開度TAとが一致するようにスロットル制御が実行される。
また、本実施の形態の燃料噴射制御は、次のように実行される。
先ず、通路吸気量GAに基づいて混合気の空燃比が目標比率(基本的に、理論空燃比)になる燃料量(目標燃料噴射量TQ)が算出される。また、機関負荷(例えば、通路吸気量GA/機関回転速度NE)および機関回転速度NEに基づいて、直噴インジェクタ16の噴射比率Rd(ただし[0≦Rd≦1.0])が算出される。そして、それら目標燃料噴射量TQおよび噴射比率Rdに基づいて、以下に示す関係式を満たすように、直噴インジェクタ16の燃料噴射量についての制御目標値(要求燃料噴射量TQd)と通路インジェクタ15の燃料噴射量についての制御目標値(目標燃料噴射量TQp)とがそれぞれ設定される。

TQd=TQ×Rd
TQp=TQ×(1−Rd)

その後、直噴インジェクタ16から要求燃料噴射量TQdと同量の燃料が噴射されるように同直噴インジェクタ16の駆動が制御されるとともに、通路インジェクタ15から要求燃料噴射量TQpと同量の燃料が噴射されるように同通路インジェクタ15の駆動が制御される。
なお本実施の形態では、機関回転速度NEが高い高回転運転領域や機関負荷が大きい高負荷領域では、上記噴射比率Rdが[1.0]に設定されて、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射が実行される。一方、機関回転速度NEが低く機関負荷が小さい低回転低負荷運転領域(詳しくは、アイドル運転領域)では、上記噴射比率Rdが[0]に設定されて、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される。他方、内燃機関10の中回転領域や中負荷領域では、機関回転速度NEが高いほど、あるいは機関負荷が大きいほど、噴射比率Rdとして大きい値(ただし[0<Rd<1.0])が設定される。この領域では、両インジェクタ(直噴インジェクタ16および通路インジェクタ15)の燃料噴射量の総量に対して直噴インジェクタ16の燃料噴射量が占める割合が高くなるように、両インジェクタからの燃料噴射が実行される。
また本実施の形態では、空燃比センサ35の検出値(酸素濃度OX)に基づいて各インジェクタ15,16の燃料噴射量をフィードバック制御する、いわゆる空燃比フィードバック制御が実行される。この空燃比フィードバック制御は、内燃機関10の燃焼室14内に形成される混合気の空燃比を目標比率にするべく実行される。
さらに本実施の形態では、空燃比フィードバック制御における補正量(後述するフィードバック補正量K)とその基準値(具体的には「1.0」)との定常的な偏差を空燃比学習値GKとして学習する空燃比学習制御が実行される。本実施の形態では、内燃機関10の運転状態(機関負荷および機関回転速度NE)によって区画された複数の学習領域が定められるとともに、それら学習領域毎に空燃比学習値GKが設定されており、学習領域毎に各別に空燃比学習値の学習が実行される。本実施の形態では、それら学習領域の一つとして、内燃機関10のアイドル運転領域が設定されている。
空燃比フィードバック制御の実行に際しては、そのときの酸素濃度OXに基づいてフィードバック補正量Kが算出されるとともに、機関運転状態から学習領域が特定されて同学習領域に対応する空燃比学習値GKが読み込まれる。そして、それらフィードバック補正量Kおよび空燃比学習値GKによって前記目標燃料噴射量TQが以下の関係式のように補正される。

TQ=TQ×K+GK

以下、それら空燃比フィードバック制御および空燃比学習制御を含む制御にかかる処理(空燃比制御処理)について図2に示すフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。
図2は上記空燃比制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット30により実行される。
図2に示すように、この処理では先ず、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS101)。この実行条件の成立は以下の条件が共に満たされていることをもって判断される。
・内燃機関10の暖機が完了していること(具体的には、機関冷却水の温度が所定温度以上になっていること)。
・空燃比センサ35が活性化していること(具体的には、空燃比センサ35の温度が所定温度以上になっていること)。
そして、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立していない場合には(ステップS101:NO)、以下の処理(ステップS102〜S113)を実行することなく、本処理は一旦終了される。
空燃比フィードバック制御の実行条件が成立すると(ステップS101:YES)、酸素濃度OXに基づき把握される混合気の空燃比が目標比率よりリッチになっているか否かが判断される(ステップS102)。そして、空燃比がリッチになっているときには(ステップS102:YES)フィードバック補正量Kから所定値を減算する一方(ステップS103)、リーンになっているときには(ステップS102:NO)フィードバック補正量Kに所定値を加算する(ステップS104)といったようにフィードバック補正量Kが更新される。なお上記所定値としては、空燃比がリッチとリーンとの間で切り替わったとき、いわゆるスキップ時には比較的大きい値が用いられ、それ以外のときには小さい値が用いられる。本実施の形態では、このようにして更新されるフィードバック補正量Kに基づいて空燃比フィードバック制御が実行される。
その後、このフィードバック補正量Kに基づいて空燃比学習値GKを学習する処理が実行される。ここでは先ず、本処理の前回実行時と今回実行時とで混合気の空燃比がスキップしたか否かが、すなわち空燃比がリッチからリーンに、あるいはリーンからリーンに切り替わったか否かが判断される(ステップS105)。ここで混合気の空燃比がスキップしていないと判断される場合には(ステップS105:NO)、以下の処理(ステップS106〜S113)を実行することなく、本処理は一旦終了される。
混合気の空燃比がスキップしたと判断されると(ステップS105:YES)、フィードバック補正量Kの平均値Kaveが算出される(ステップS106)。本実施の形態では、空燃比がリッチからリーンに切り替わったときのフィードバック補正量Kの最新値K1と空燃比がリーンからリッチに切り替わったときのフィードバック補正量Kの最新値K2とがそれぞれ記憶されており、上記平均値Kaveとしては、それら値K1,K2を平均した値([K1+K2]/2)が算出される。
そして、この平均値Kaveとフィードバック補正量Kの基準値(具体的には[1.0])との偏差ΔK(=[1.0]−Kave)が算出される(ステップS107)。
その後、このときの内燃機関10の運転状態が、上述した複数の学習領域のうちのいずれの領域に含まれるのかが特定される(ステップS108)。なお、以下の処理(ステップS109〜S113)は、このステップS108において特定された学習領域に対応する各値(後述する仮学習値GKb、学習カウンタのカウント値、空燃比学習値GK)に基づき実行される。
すなわち先ず、上記偏差ΔKに基づき仮学習値GKbが更新される(ステップS109)。具体的には、予め定められた処理比率G(0<G<[1.0])を偏差ΔKに乗じた値(ΔK×G)が仮学習値GKbに加算されて新たな仮学習値GKbが算出される。
その後、学習カウンタのカウント値がインクリメントされるとともに(ステップS110)、同カウント値が所定値(例えば、30)より大きくなったか否かが判断される(ステップS111)。
そして、カウント値が所定値以下(ステップS111:NO)の期間においては上記仮学習値GKbの更新が繰り返し実行され、その実行に伴って上記カウント値が所定値より大きくなると(ステップS111:YES)、同仮学習値GKbが空燃比学習値GKとして記憶される(ステップS112)。また、このとき学習完了フラグがオン操作される(ステップS113)。なお学習完了フラグは、内燃機関10の運転を開始するべく乗員により運転スイッチ(図示略)が操作されたときにオフ操作されるフラグである。
そして、このようにして空燃比学習値GKが更新された後、本処理は一旦終了される。
また本実施の形態では、通常であれば通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される内燃機関10のアイドル運転領域において、直噴インジェクタ16に付着したデポジットを除去するために、一時的に直噴インジェクタ16による燃料噴射を実行するデポジット除去制御が実行される。
以下、そうしたデポジット除去制御にかかる処理(デポジット除去制御処理)について図3に示すフローチャートを参照して説明する。
なお、このフローチャートに示す一連の処理は、上記デポジット除去制御処理の具体的な実行手順を概念的に示したものであり、実際の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット30により実行される。
図3に示すように、この処理では、アイドル運転領域になると(ステップS201:YES)、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行されるとともに(ステップS202)、同燃料噴射の実行の度に実行回数カウンタのカウント値がインクリメントされる(ステップS203)。
そして、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射の実行が繰り返されて実行回数カウンタのカウント値が所定の判定値(例えば、数万)に達すると(ステップS204:YES)、空燃比フィードバック制御の実行中であるか否かが判断される(ステップS205)。ここで空燃比フィードバック制御の実行中である場合には(ステップS205:YES)、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替えられる(ステップS206)。具体的には、噴射比率Rdが[0]から[1.0]に切り替えられる。これにより、その後において直噴インジェクタ16による燃料噴射が繰り返し実行されて、同直噴インジェクタ16に付着したデポジットの除去が図られる。
また、そうした直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行に合わせて、その実行の度に、上記カウント値から所定値N(N>[1.0]、具体的にはN=[3.0])が減算される(ステップS207)。
その後において直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行が繰り返されて、カウント値が[0]以下になると(ステップS208)、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態に戻される(ステップS209)。
なお、アイドル運転領域でない場合には(ステップS201:NO)、上記カウント値が[0]にリセットされる(ステップS210)。
このように本実施の形態のデポジット除去制御では、アイドル運転領域において実行条件が成立していないとき(具体的には、実行回数カウンタのカウント値が判定値未満であるとき)には通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される。そして、実行条件が成立すると(具体的には、実行回数カウンタのカウント値が判定値以上になると)、一時的に直噴インジェクタ16による燃料噴射が実行されて、同直噴インジェクタ16に付着したデポジットの除去が図られる。
ここで、インジェクタの劣化や個体差に起因する噴射量誤差は、直噴インジェクタ16と通路インジェクタ15とで異なる。そのため、内燃機関10の運転状態が同一であっても、直噴インジェクタ16による燃料噴射が実行されるときと同燃料噴射が実行されずに通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行されるときとでは内燃機関10の燃焼室14内に実際に供給される燃料の量(供給燃料量)が異なる。したがって、上述した空燃比フィードバック制御を適正に実行するべくアイドル運転領域の空燃比学習値GKを適正に学習するためには、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行時と非実行時(詳しくは、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射の実行時)とで各別に空燃比学習値GKを定めてその学習を実行することが望ましい。
この点をふまえて本実施の形態では、アイドル運転領域における学習領域として、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される学習領域AR1と直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射が実行される学習領域AR2との二つの領域が設定されている。そして、それら学習領域AR1,AR2において各別に空燃比学習値GKが設定されてその学習が実行される。
そして本実施の形態では、上記学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習を、デポジット除去制御を通じて直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替えられたときに実行するのではなく、アイドル運転領域において切り替え条件(具体的には、空燃比フィードバック制御の実行条件)が成立したときに直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替えたうえで実行するようにしている。
これにより、上記学習領域AR2の空燃比学習値GKがデポジット除去制御の実行条件の成立を待つことなく早期に実行されるようになる。しかも、上記学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が完了すると、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態に復帰されるために、その後において学習領域AR1の空燃比学習値GKが学習されるようになる。
このように本実施の形態では、デポジット除去制御の実行条件によることなく、学習領域AR2の空燃比学習値GKを学習するべく直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替える切り替え制御が実行されるため、アイドル運転領域の各学習領域AR1,AR2の空燃比学習値GKが早期に学習されるようになる。そのため、内燃機関10のアイドル運転領域において燃料噴射形態によることなく空燃比フィードバック制御が適正に実行されるようになり、デポジット除去制御の実行に伴う混合気の空燃比の不要な変化が抑えられるようになる。
ところで、本実施の形態の装置では、内燃機関10の燃焼室14内の高い圧力に抗して直噴インジェクタ16から燃料を噴射する必要があるために、同直噴インジェクタ16に供給される燃料の圧力がごく高い圧力に設定されている。そのため、学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習を実行するべく、単に直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行と実行停止とを切り替えると、その切り替えに伴って内燃機関10(詳しくは、直噴インジェクタ16)の発する音が大きく変化し、その変化が乗員に違和感を与えるなどしてドライバビリティの低下を招くおそれがある。
しかも本実施の形態にかかる装置では、切り替え制御を通じて、燃焼室14に供給する燃料の全てを直噴インジェクタ16から噴射する状態と同直噴インジェクタ16から燃料を噴射しない状態とが切り替えられる。そのため、直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行時において燃焼室14に供給する燃料の一部を通路インジェクタ15による燃料噴射により分担する装置と比較して、直噴インジェクタ16の作動と非作動との切り替えに伴う同直噴インジェクタ16の作動量の変化が大きくなりやすい。したがって、インジェクタ発生音の変化も大きくなりやすく、ドライバビリティの低下を招きやすいと云える。
内燃機関10の低回転低負荷運転領域においては、内燃機関10が発生する音のうちの直噴インジェクタ16の駆動音以外の音(例えば燃焼音など)が小さいために、直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行と非実行とが切り替えられた場合に、その切り替えに起因する発生音の変化が目立ちやすく、ドライバビリティの低下を招きやすい。そうした低回転低負荷運転領域の中でも、内燃機関10のアイドル運転領域は機関回転速度NEがごく低く機関負荷がごく小さいために、インジェクタ発生音の変化が特に目立ちやすく、ドライバビリティの低下を招きやすいと云える。
ただし、そうしたアイドル運転領域であっても、例えば内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域になったときやその直後など、内燃機関10の運転状態が大きく変化している状況下であれば、直噴インジェクタ16が発する音が変化した場合であってもその変化が目立たたないために、ドライバビリティの低下を招きにくいと云える。
こうした実情をふまえて、本実施の形態では、学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習を実行するべく直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替えられた後における通路インジェクタ15のみによる燃料噴射への復帰を、内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止するようにしている。
以下、そうした通路インジェクタ15のみによる燃料噴射への復帰を禁止する処理を含む前記切り替え制御にかかる処理(切り替え制御処理)について図4を参照して詳細に説明する。
図4は切り替え制御処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域であること条件に実行される所定周期毎の割り込み処理として、電子制御ユニット30により実行される。
図4に示すように、この処理では先ず、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているか否かが判断される(ステップS301)。そして、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立していない場合には(ステップS301:NO)、噴射比率Rdとして[0]が設定されて通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される(ステップS302)。一方、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立している場合には(ステップS301:YES)、学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が完了しているか否かが判断される(ステップS303)。ここでは、同空燃比学習値GKの学習完了が学習領域AR2の学習完了フラグがオン操作されていることによって判断される。
そして、学習領域AR2の学習が完了していない場合には(ステップS303:NO)、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立しているにもかかわらず学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が完了していないとして、その学習を実行するべく直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射が実行される(ステップS304)。
学習領域AR2の学習が完了している場合には(ステップS303:YES)、その学習が完了した後において内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域以外の運転領域になった履歴があるか否かが判断される(ステップS305)。
そして、上記履歴がない場合には(ステップS305:NO)、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行が継続される(ステップS304)。すなわち、この場合には通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態への復帰が禁止される。一方、上記履歴がある場合には(ステップS305:YES)、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射の実行が許可される。すなわち、この場合には通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態に復帰される(ステップS302)。
以下、こうした切り替え制御を実行することによる作用について、図5を参照しつつ説明する。
なお図5は切り替え制御の実行態様の一例を示すタイミングチャートである。
図5に示すように、時刻T1以前においては、アクセルペダルが踏み込まれておらず(同図[a])、内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域になっている(同図[b])。また、空燃比フィードバック制御の実行条件が成立していないために(同図[c])、学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が実行されておらず(同図[d])、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行されている(同図[e])。
内燃機関10の運転に伴う温度上昇などによって空燃比フィードバック制御の実行条件が成立すると(時刻T1)、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射が実行される状態に強制的に切り替えられる。
そして、その後において学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が実行されて同学習が完了しても(時刻T2)、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態に復帰させることなく、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行が継続される。すなわち、学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が完了して、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態に復帰させることの可能な状況になったとしても、直噴インジェクタ16の発生音の変化が目立ちやすいアイドル運転領域であるときには(時刻T2〜T3)、その復帰が禁止される。
そして、その後においてアクセルペダル25の踏み込みによって内燃機関10の運転状態が一旦アイドル運転領域以外の運転領域になり(時刻T3)、アクセルペダル25の踏み込みが解除されてアイドル運転領域になると(時刻T4)、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行されるようになる。
ここで、図5に一点鎖線で示す比較例の装置のように学習領域AR2の空燃比学習値GKの学習が完了した時点(時刻T2)で上記復帰を許可すると、インジェクタ発生音の変化が目立ちやすいアイドル運転領域において直噴インジェクタ16による燃料噴射が開始されてしまい、その発生音の変化によるドライバビリティの低下を招いてしまう。
これに対して本実施の形態の装置では、内燃機関10の運転状態が一旦アイドル運転領域から外れた後に再度アイドル運転領域に戻ったとき(時刻T4)、言い換えれば内燃機関10の運転状態が比較的大きく変化しているときに、アイドル運転領域における通路インジェクタ15のみによる燃料噴射の実行が開始されるようになる。そのため、インジェクタ発生音の変化が目立つ状況において、直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行が停止される頻度を低くすることができ、その分だけインジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)空燃比フィードバック制御の実行条件の成立時において直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替えられた後における通路インジェクタ15のみによる燃料噴射への復帰を、内燃機関10の運転状態がアイドル運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止した。そのため、インジェクタ発生音の変化が目立つ状況において直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行が停止される頻度を低くすることができ、その分だけインジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
(2)直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射が実行される学習領域AR2の空燃比学習値GKを学習するために、直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射に強制的に切り替える装置において、インジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
(3)切り替え制御を通じて直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射と通路インジェクタ15のみによる燃料噴射とが切り替えられるためにインジェクタ発生音の変化が大きくなりやすい装置において、ドライバビリティの低下を好適に抑制することができる。
(4)低回転低負荷運転領域の中でもインジェクタ発生音の変化が特に目立ちやすいアイドル運転領域において切り替え制御が実行される装置において、ドライバビリティの低下を好適に抑制することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・デポジット除去制御の実行態様は、例えば内燃機関10の運転状態に基づいてデポジットの堆積量を推定するとともに、同堆積量が所定の判定量を上回ったことを条件に直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行を開始する実行態様を採用するなど、任意に変更することができる。
・空燃比フィードバック制御の実行態様は、混合気の空燃比を目標比率にするべく各インジェクタ15,16の燃料噴射量が空燃比センサ35の検出値(酸素濃度OX)に基づきフィードバック制御される実行態様であれば、適宜変更することができる。
・空燃比学習制御の実行態様は、空燃比フィードバック制御における補正量とその基準値との定常的な偏差を空燃比学習値として学習することができるのであれば、任意に変更することができる。
・デポジット除去制御と同制御の実行時における空燃比学習値GKを学習するための切り替え制御とが実行される内燃機関10の運転領域は、アイドル運転領域に設定することに限らず、機関回転速度NEが低く且つ機関負荷が小さい低回転低負荷運転領域であれば任意に設定することができる。具体的には、アイドル運転領域を含む同領域より若干広い内燃機関10の運転領域や、アイドル運転領域中に含まれる同領域より小さい内燃機関10の運転領域などを設定することができる。
・デポジット除去制御の実行や切り替え制御の実行に際して、通路インジェクタ15のみによる燃料噴射が実行される状態から同通路インジェクタ15による燃料噴射に併せて直噴インジェクタ16による燃料噴射を実行する状態に切り替えるようにしてもよい。同構成においては、デポジット除去制御の実行時と切り替え制御の実行時とで噴射比率Rdを同一の比率に設定することにより、空燃比学習制御を通じてデポジット除去制御の実行時における空燃比学習値GKを精度良く学習することができる。
・上記実施の形態では、デポジット除去制御の実行時における空燃比学習値GKを学習するために切り替え制御を実行する装置において、同空燃比学習値GKの学習完了に伴う直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行から非実行への復帰を、内燃機関10の運転状態が低回転低負荷運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止するようにした。これに代えて、あるいはこれに併せて、デポジット除去制御の実行停止に伴う直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行から非実行への復帰を、内燃機関10の運転状態が低回転低負荷運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止してもよい。
こうした構成を実現するための具体的な処理としては、次のような処理を採用することができる。すなわち先ず、実行回数カウンタのカウント値が[0]以下になった後に(図3のステップS208:YES)、内燃機関の運転状態がアイドル運転領域以外の運転領域になった履歴があるか否かを判断する(図6のステップS401)。そして、上記履歴がないときには(ステップS401:NO)直噴インジェクタ16のみによる燃料噴射の実行を継続し、同履歴がある場合には(ステップS401:YES)通路インジェクタ15のみによる燃料噴射の実行に切り替える(図3のステップS209)。
こうした構成によれば、デポジット除去制御の実行に際して、インジェクタ発生音の変化が目立つ状況において直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行が停止される頻度を低くすることができ、その分だけインジェクタ発生音の変化に伴うドライバビリティの低下を抑えることができる。
・直噴インジェクタ16による燃料噴射の実行時と非実行時とにおいて各別に空燃比学習値GKを学習する空燃比学習制御を実行する装置に限らず、内燃機関10の燃焼室14内への燃料供給量の指標値を学習する学習制御を実行する装置であれば、上記実施の形態の燃料噴射装置はその構成を適宜変更したうえで適用することができる。そうした燃料噴射装置としては、内燃機関10の吸入空気量(あるいは、これを調節するためのスロットル開度TA)の学習値を学習する学習制御を実行する装置や、混合気の空燃比(例えば、空燃比の制御目標値)の学習値を学習する学習制御を実行する装置などを挙げることができる。
・本発明は、デポジット除去制御や学習制御を実行する装置に限らず、内燃機関の低回転低負荷運転領域にあって、切り替え条件の非成立時には直噴インジェクタによる燃料噴射を実行せず、切り替え条件が成立すると直噴インジェクタによる燃料噴射の実行を強制的に開始する装置であれば適用することができる。
また、内燃機関の低回転低負荷運転領域にあって、切り替え条件の非成立時には直噴インジェクタによる燃料噴射を実行し、切り替え条件が成立すると直噴インジェクタによる燃料噴射の実行を強制的に停止する装置にも、本発明は適用することができる。この場合には、直噴インジェクタによる燃料噴射の実行を強制的に停止した後における同直噴インジェクタによる燃料噴射を実行する状態への復帰を、内燃機関の運転状態が低回転低負荷運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止するようにすればよい。
要は、切り替え条件が成立すると直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの一方から他方に強制的に切り替える切り替え制御を実行する装置であれば、本発明は適用することができる。
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃焼室、15…通路インジェクタ(吸気通路インジェクタ)、16…直噴インジェクタ、17…フィードポンプ、18…燃料タンク、19…高圧ポンプ、20…点火プラグ、21…ピストン、22…クランクシャフト、23…排気通路、24…排気浄化触媒、25…アクセルペダル、30…電子制御装置、31…クランクセンサ、32…吸気量センサ、33…アクセルセンサ、34…スロットルセンサ、35…空燃比センサ。

Claims (7)

  1. 機関燃焼室に燃料を直接噴射する直噴インジェクタと機関吸気通路に燃料を噴射する吸気通路インジェクタとを備え、内燃機関の運転状態が低回転低負荷運転領域にあって、切り替え条件の非成立時には前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの一方を選択し、前記切り替え条件が成立すると前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行および非実行のうちの他方に強制的に切り替える切り替え制御を実行する内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記低回転低負荷運転領域にあって、前記切り替え制御を実行して前記他方に強制的に切り替えた後における該他方から前記一方への復帰を、前記内燃機関の運転状態が前記低回転低負荷運転領域から一旦外れるまでの期間において禁止する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    当該装置は、前記一方を選択したときと前記他方に切り替えたときとで各別に前記機関燃焼室内への燃料供給量の指標値を学習する学習制御を実行し、
    前記切り替え制御は、前記学習制御の実行を通じて前記他方に切り替えたときの前記指標値を学習するために、前記他方に強制的に切り替える制御である
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    当該装置は、前記機関燃焼室内に形成される混合気の空燃比を目標比率にするべく燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィードバック制御を実行し、
    前記学習制御は、前記指標値としての前記フィードバック制御におけるフィードバック補正量とその基準値との定常的な偏差を学習する制御である
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記一方は前記直噴インジェクタによる燃料噴射の非実行であって、前記他方は前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行であり、
    前記低回転低負荷運転領域において実行条件が成立したときに一時的に前記直噴インジェクタによる燃料噴射を実行して同直噴インジェクタに付着したデポジットの除去を図るデポジット除去制御を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記切り替え制御は、前記切り替え条件の非成立時には前記直噴インジェクタによる燃料噴射の非実行を選択し、前記切り替え条件が成立すると一時的に前記直噴インジェクタによる燃料噴射の実行に切り替えて同直噴インジェクタに付着したデポジットの除去を図るデポジット除去制御である
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記実行および非実行のうちの非実行のときは前記吸気通路インジェクタのみによる燃料噴射を実行し、前記実行および非実行のうちの実行のときには前記直噴インジェクタのみによる燃料噴射を実行する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料噴射装置において、
    前記低回転低負荷運転領域は、前記内燃機関のアイドル運転領域である
    ことを特徴とする内燃機関の燃料噴射装置。
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