JP5239906B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関し、詳しくは、スロットル開度と点火時期と燃料噴射量とによってトルクを制御する内燃機関の制御装置に関する。
目標トルクを設定し、その目標トルクを実現するように内燃機関を制御する、いわゆるトルクデマンド制御が知られている。特開2008−64001号公報には、そのようなトルクデマンド制御に関する発明が開示されている。この特許文献に開示された発明よれば、目標トルクは、予め設定された分配優先順序にしたがってスロットルや点火装置等の各アクチュエータに分配される。また、各アクチュエータの信号の入力部には、分配される信号のうち当該アクチュエータの動作特性に合った信号のみを当該アクチュエータの指令信号として通過させる信号処理フィルタが設けられているので、アクチュエータの動作能力を超える指令信号が入力されることはない。
特開2008−64001号公報
ところで、内燃機関の性能に関する要求には、ドライバビリティに関する要求、燃費に関する要求及びエミッションに関する要求が含まれる。ドライバビリティに関する要求はトルクによって数値化することができ、燃費に関する要求は効率によって数値化することができ、エミッションに関する要求は空燃比によって数値化することができる。これらの要求トルク、要求効率、要求空燃比を実現するように内燃機関を制御することで、内燃機関に求められる各種の性能を達成することができる。
しかしながら、上記特許文献に開示された発明を含めて、従来提案されているトルクデマンド制御では、トルク以外の要求については各アクチュエータの制御において考慮されていなかった。エミッション性能や燃費性能の向上のためには、要求トルクだけでなく要求空燃比や要求効率に関しても可能な限り実現できるようにしたい。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、要求トルクを優先しつつ要求空燃比や要求効率についても可能な限り実現させることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、第1の発明は、スロットル開度と点火時期と燃料噴射量とによってトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
要求トルク、要求効率及び要求空燃比を取得する要求値取得手段と、
前記要求トルク、要求効率及び要求空燃比に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定する目標値設定手段と、
前記目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段と、
前記目標効率を実現するように点火時期を制御する点火時期制御手段と、
前記目標空燃比を実現するように燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、
を備え、
前記目標値設定手段は、
前記要求トルクを前記要求効率で除した値を要求MBTトルクとして算出する手段と、
スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比をリッチ化することで実現されるトルクである第1判断基準トルクを算出する手段と、
スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第2判断基準トルクを算出する手段と、
スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第3判断基準トルクを算出する手段と、
を含み、
前記第1判断基準トルクよりも大きいトルク領域を領域A、前記第1判断基準トルクから前記第2判断基準トルクまでのトルク領域を領域B、前記第2判断基準トルクから前記第3判断基準トルクまでのトルク領域を領域C、前記第3判断基準トルクよりも小さいトルク領域を領域Dと定義した場合に、
前記目標値設定手段は、
前記要求MBTトルクが前記領域Cにある場合は、前記要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求効率を前記目標効率として設定し、前記要求空燃比を前記目標空燃比として設定し、
前記要求MBTトルクが前記領域A或いは領域Bにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域C或いは領域Dにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
前記要求トルクが前記領域Bにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を1に設定し、前記目標筒内空気量及び要求空燃比のもとで実現されるMBTトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
前記要求トルクが前記領域Aにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を1に設定し、前記目標筒内空気量のもとでのMBTトルクを最大にする空燃比を目標空燃比として設定し、
前記要求MBTトルクが前記領域Dにある場合は、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定することを特徴としている。
また、第2の発明は、スロットル開度と点火時期と燃料噴射量とによってトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
要求トルク、要求効率及び要求空燃比を取得する要求値取得手段と、
前記要求トルク、要求効率及び要求空燃比に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定する目標値設定手段と、
前記目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段と、
前記目標効率を実現するように点火時期を制御する点火時期制御手段と、
前記目標空燃比を実現するように燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、
を備え、
前記目標値設定手段は、
前記要求トルクを前記要求効率で除した値を要求MBTトルクとして算出する手段と、
ノックが発生しない限界の効率を上限効率として算出する手段と、
失火が発生しない限界の効率を下限効率として算出する手段と、
スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比をリッチ化することで実現されるトルクである第1判断基準トルクを算出する手段と、
スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第2判断基準トルクを算出する手段と、
スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第3判断基準トルクを算出する手段と、
を含み、
前記第1判断基準トルクよりも大きいトルク領域を領域A、前記第1判断基準トルクから前記第2判断基準トルクまでのトルク領域を領域B、前記第2判断基準トルクから前記第3判断基準トルクまでのトルク領域を領域C、前記第3判断基準トルクよりも小さいトルク領域を領域Dと定義し、
前記第1判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値よりも大きいトルク領域を領域I、前記第1判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第2判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域II、前記第2判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第3判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域III、前記第3判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値までのトルク領域を領域IV、前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域Vと定義した場合に、
前記目標値設定手段は、
前記要求MBTトルクが前記領域Cにある場合は、前記要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求効率を前記目標効率として設定し、前記要求空燃比を前記目標空燃比として設定し、
前記要求MBTトルクが前記領域A或いは領域Bにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域III、領域IV或いは領域Vにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
前記要求トルクが前記領域IIにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記上限効率に設定し、前記目標筒内空気量と目標効率と要求空燃比のもとで実現されるトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
前記要求トルクが前記領域Iある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記上限効率に設定し、前記目標筒内空気量及び前記上限効率のもとでのトルクを最大にする空燃比を目標空燃比として設定し、
前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域IVにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域Vにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記下限効率に設定し、前記目標筒内空気量と目標効率と要求空燃比のもとで実現されるトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
第3の発明は、第2の発明の内燃機関の制御装置において、
前記目標値設定手段は、
失火が発生しない空燃比の限界を上限空燃比として算出する手段と、
スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を前記上限空燃比に設定することで実現されるトルクである第4判断基準トルクを算出する手段と、
をさらに含み、
前記領域Vを前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値から前記第4判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値までのトルク領域とし、前記第4判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域VIと定義した場合に、
前記目標値設定手段は、
前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域VIにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記下限効率に設定し、目標空燃比を前記上限空燃比に設定することを特徴としている。
そして、第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明の内燃機関の制御装置において、
前記要求値取得手段は、
要求トルク及び要求空燃比を取得する手段と、
実際の筒内空気量及び前記要求空燃比のもとで実現されるMBTトルクを推定MBTトルクとして算出する手段と、
前記要求トルクを前記推定MBTトルクで除した値を要求効率として算出する手段と、
を含み、
前記目標値設定手段は、
ノックが発生しない限界の効率を上限効率として算出する手段と、
失火が発生しない限界の効率を下限効率として算出する手段と、
をさらに含み、
前記目標値設定手段は、
前記要求効率が前記上限効率以上の場合には、目標効率を前記上限効率に設定し、前記推定MBTトルクに前記上限効率を掛けた値と前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
前記要求効率が前記下限効率以下の場合には、目標効率を前記下限効率に設定し、前記推定MBTトルクに前記下限効率を掛けた値と前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定することを特徴としている。
第1の発明によれば、第1乃至第3の各判断基準トルクによって分けられるトルク領域A乃至Dと要求トルク或いは要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)との位置関係を調べることによって、要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、要求トルク>要求空燃比>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
第2の発明によれば、第1乃至第3の各判断基準トルクと上限・下限効率とから決まるトルク領域I乃至Vと要求トルクとの位置関係、及び、第1乃至第3の各判断基準トルクによって分けられるトルク領域A乃至Dと要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)との位置関係を調べることによって、ノックや失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、ノックや失火の発生を防止しつつ要求トルク>要求空燃比>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
第3の発明によれば、リーン空燃比による失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、失火の発生をより確実に防止しつつ要求トルク>要求空燃比>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
第4の発明によれば、ノックや失火の発生を防止しつつ、目標筒内空気量と実際の筒内空気量とのずれによって実際の実現トルクが要求トルクから乖離してしまうことを防止することができる。
本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施の形態1に係る要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態2に係る要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。 本発明の実施の形態3に係る要求トルク、要求効率及び要求空燃比のそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1について図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態1としての内燃機関の制御装置の構成を示す概略図である。この図に示すように、制御装置は要求トルク、要求効率及び要求空燃比(以下、A/F)の入力を受け付け、それらに基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標A/Fを設定する。そして、目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度を制御し、目標効率を実現するように点火時期を制御し、また、目標A/Fを実現するように燃料噴射量を制御する。それらの制御はフィードフォワード制御であり、統計モデルや物理モデルを用いて各目標値から各アクチュエータの操作量が算出される。例えば、スロットル開度の算出には、スロットルの動作に対する筒内空気量の応答を数式によってモデル化したエアモデルの逆モデルが用いられる。点火時期の算出には、点火時期と効率とを各種の運転条件をキーにして関連付けた点火時期マップが用いられる。また、燃料噴射量の算出には、インジェクタからの燃料噴射量に対する筒内燃料量の応答をモデル化した燃料付着モデルの逆モデルが用いられる。
本実施の形態の特徴は、各要求値に基づいて各目標値を設定する方法にある。本実施の形態では、まず、各要求値の実現性について判断し、その判断結果に応じた規則に従って各目標値を設定する。目標値の設定に用いる規則は、要求トルク>要求A/F>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させるという観点で最適化された規則である。以下、各要求値の実現性の判断方法と、その判断結果に応じた各目標値の設定方法とについて説明する。
図2は、本実施の形態に係る要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。図2に示すグラフは縦軸にトルク、横軸に点火時期をとったグラフであり、グラフ中には3つのトルクカーブが描かれている。
実線で示すトルクカーブは、スロットル開度(TA)を最大にし、且つ、A/Fをリッチ化したときのトルクカーブである。このトルクカーブにおいてトルクが最大になるのは、点火時期がMBTとなる丸印で示す位置である。以下、丸印に対応するトルクを第1判断基準トルクと呼ぶ。
破線で示すトルクカーブは、スロットル開度を最大にし、且つ、A/Fを要求A/Fに設定したときのトルクカーブである。このトルクカーブにおいてトルクが最大になるのは、点火時期がMBTとなる四角印で示す位置である。以下、四角印に対応するトルクを第2判断基準トルクと呼ぶ。
そして、点線で示すトルクカーブは、スロットル開度を最小にし、且つ、A/Fを要求A/Fに設定したときのトルクカーブである。このトルクカーブにおいてトルクが最大になるのは、点火時期がMBTとなる三角印で示す位置である。以下、三角印に対応するトルクを第3判断基準トルクと呼ぶ。
前記の3つの判断基準トルクにより、トルク領域は4つの領域に分けられる。本明細書においては、第1判断基準トルクよりも大きいトルク領域を領域Aと定義する。また、第1判断基準トルクから第2判断基準トルクまでのトルク領域を領域Bと定義する。さらに、第2判断基準トルクから第3判断基準トルクまでのトルク領域を領域Cと定義する。そして、第4判断基準トルクよりも小さいトルク領域を領域Dと定義する。
要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性は、領域A,B,C,Dと要求トルクとの位置関係、及び、領域A,B,C,Dと要求トルクを要求効率で除した値との位置関係によって判断することができる。要求トルクを要求効率で除した値は、要求トルクと要求効率とをともに実現できた場合のMBTトルクである。以下、この値を要求MBTトルクと呼ぶ。図2中には要求トルクの一例を二重丸印で示し、要求MBTトルクの一例を星印で示している。
ケース1:要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)が領域Cにある場合
[実現性の判断]
この場合は、全ての要求値を実現することができる。
[目標値の設定]
要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。要求MBTトルクの筒内空気量への変換にはマップやモデルを用いることができる。要求効率をそのまま目標効率として設定する。また、要求空燃比をそのまま目標空燃比として設定する。
ケース2:要求MBTトルクが領域A或いは領域Bにあり、要求トルクが領域C或いは領域Dにある場合
[実現性の判断]
この場合、要求A/Fのもとでは要求トルクと要求効率の何れかが実現不可能となる。逆に、要求トルクと要求効率とを共に実現する場合には、A/Fを要求A/Fよりもリッチ化することが必要となる。したがって、ケース2では、要求トルク、要求効率、要求A/Fのうち何れか1つは実現することができない。要求の優先順序を要求トルク>要求A/F>要求効率とするならば、要求効率が実現できないことになる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。また、要求空燃比を目標空燃比として設定する。そして、次の式に示すように、スロットル開度が最大でA/Fが目標A/Fのときに実現されるMBTトルクで要求トルクを除した値を目標効率として設定する。
目標効率=要求トルク/MBTトルク@スロットル開度最大&目標A/F
ケース3:要求トルクが領域Bにある場合
[実現性の判断]
効率は1以下であるので、この場合、要求MBTトルクは領域Aか領域Bの何れかに存在する。要求MBTトルクが領域Bにある場合には、最優先の要求値のみ実現することができる。ただし例外があり、要求A/Fの優先度が最も低ければ要求トルクと要求効率を共に実現することでき、要求トルクの優先度が最も低ければ要求効率と要求A/Fを共に実現することできる。要求MBTトルクが領域Aにある場合にも、最優先の要求値のみ実現することができる。ただし例外があり、要求トルクの優先度が最も低ければ要求効率と要求A/Fを共に実現することできる。要求の優先順序を要求トルク>要求A/F>要求効率とするならば、ケース3では、実現できるのは要求トルクのみとなる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。また、目標効率は最大値である1に設定する。そして、次の式に示すように、要求トルクとスロットル開度が最大でA/Fが要求A/Fのときに実現されるMBTトルクとの比を算出し、その比に応じたA/F修正量を要求A/Fに加えた値を目標A/Fとして設定する。下式においてfはトルク変化割合に対するA/F修正量のマップ或いは関数である。
目標A/F=要求A/F+f(要求トルク/MBTトルク@スロットル開度最大&要求A/F)
ケース4:要求トルクが領域Aにある場合
[実現性の判断]
この場合は、全ての要求値を実現することができない。ただし例外があり、要求効率又は要求A/Fが最優先であればその最優先値を実現することでき、要求トルクの優先度が最も低ければ要求効率と要求A/Fを共に実現することできる。要求の優先順序を要求トルク>要求A/F>要求効率とするならば、ケース4では、何れの要求値も実現できないことになる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。目標効率は最大値である1に設定する。そして、スロットル開度が最大のときのMBTトルクを最大にするA/Fを目標A/Fとして設定する。
ケース5:要求MBTトルクが領域Dにある場合
[実現性の判断]
この場合、要求トルクと要求A/Fとを実現することができる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。また、要求空燃比を目標空燃比として設定する。そして、次の式に示すように、スロットル開度が最小でA/Fが目標A/Fのときに実現されるMBTトルクで要求トルクを除した値を目標効率として設定する。
目標効率=要求トルク/MBTトルク@スロットル開度最小&目標A/F
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1乃至第3の各判断基準トルクによって分けられるトルク領域A乃至Dと要求トルク或いは要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)との位置関係を調べることによって、要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標A/Fを設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、要求トルク>要求A/F>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2について図2及び図3を参照して説明する。
本実施の形態の特徴は、各要求値の実現性について判断する上でノックや失火の発生を考慮した点にある。本実施の形態では、まず、ノックや失火の発生を考慮した上での各要求値の実現性について判断し、その判断結果に応じた規則に従って各目標値を設定する。目標値の設定に用いる規則は、ノックや失火が発生しない範囲において要求トルク>要求A/F>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させるという観点で最適化された規則である。以下、本実施の形態にて採っている各要求値の実現性の判断方法と、その判断結果に応じた各目標値の設定方法とについて説明する。
図3は、本実施の形態に係る要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。図3に示すグラフは縦軸にトルク、横軸に点火時期をとったグラフであり、グラフ中には3つのトルクカーブが描かれている。これらのトルクカーブは図2に示すトルクカーブと共通している。また、丸印に対応するトルクは第1判断基準トルクであり、四角印に対応するトルクは第2判断基準トルクであり、三角印に対応するトルクは第3判断基準トルクである点も図2と共通である。
図3ではトルク領域が5つの領域に分けられている。本明細書においては、第1判断基準トルクに上限効率を掛けた値よりも大きいトルク領域を領域Iと定義する。上限効率とはノックが発生しない限界の効率であって運転条件から算出される。また、第1判断基準トルクに上限効率を掛けた値から第2判断基準トルクに上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域IIと定義する。さらに、第2判断基準トルクに上限効率を掛けた値から第3判断基準トルクに上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域IIIと定義する。さらに、第3判断基準トルクに上限効率を掛けた値から第3判断基準トルクに下限効率を掛けた値までのトルク領域を領域IVと定義する。下限効率とは失火が発生しない限界の効率であって運転条件から算出される。そして、第3判断基準トルクに下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域Vと定義する。
ノックや失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性は、図3に示す領域I,II,III,IV,Vと要求トルクとの位置関係、及び、図2に示す領域A,B,C,Dと要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)との位置関係によって判断することができる。図3中には要求トルクの一例を二重丸印で示している。
ケース1:要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)が領域Cにある場合
[実現性の判断]
この場合は、全ての要求値を実現することができる。
[目標値の設定]
要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。要求MBTトルクの筒内空気量への変換にはマップやモデルを用いることができる。要求効率をそのまま目標効率として設定する。また、要求空燃比をそのまま目標空燃比として設定する。
ケース2:要求MBTトルクが領域A或いは領域Bにあって、要求トルクが領域III、領域IV或いは領域Vにある場合
[実現性の判断]
要求の優先順序を要求トルク>要求A/F>要求効率とするならば、この場合、要求トルクと要求A/Fを実現することができる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。また、要求空燃比を目標空燃比として設定する。そして、次の式に示すように、スロットル開度が最大でA/Fが目標A/Fのときに実現されるMBTトルクで要求トルクを除した値を目標効率として設定する。
目標効率=要求トルク/MBTトルク@スロットル開度最大&目標A/F
ケース3:要求トルクが領域IIにある場合
[実現性の判断]
要求の優先順序を要求トルク>要求A/F>要求効率とするならば、この場合、要求トルクのみを実現することができる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。目標効率はノックの発生しない効率の限界値である上限効率に設定する。また、スロットル開度が最大で、上限効率となる点火時期で、且つA/Fが要求A/Fのときに実現されるトルクを算出し、要求トルクと算出したトルクとの比を計算する。そして、次の式に示すように、その比に応じたA/F修正量を要求A/Fに加えた値を目標A/Fとして設定する。下式においてfはトルク変化割合に対するA/F修正量のマップ或いは関数である。
目標A/F=要求A/F+f(要求トルク/トルク@スロットル開度最大&上限効率&要求A/F)
ケース4:要求トルクが領域Iにある場合
[実現性の判断]
この場合は、全ての要求値を実現することができない。
[目標値の設定]
スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。目標効率は上限効率に設定する。そして、スロットル開度最大で効率を上限効率に設定したときのトルクを最大にするA/Fを目標A/Fとして設定する。
ケース5:要求MBTトルクが領域Dにあり、要求トルクが領域IVにある場合
[実現性の判断]
この場合、要求トルクと要求A/Fとを実現することができる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。また、要求空燃比を目標空燃比として設定する。そして、次の式に示すように、スロットル開度が最小でA/Fが目標A/Fのときに実現されるMBTトルクで要求トルクを除した値を目標効率として設定する。
目標効率=要求トルク/MBTトルク@スロットル開度最小&目標A/F
ケース6:要求MBTトルクが領域Dにあり、要求トルクが領域Vにある場合
[実現性の判断]
この場合、要求トルクのみを実現することができる。
[目標値の設定]
スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。目標効率は失火の発生しない効率の限界値である下限効率に設定する。また、スロットル開度が最小で、下限効率となる点火時期で、且つA/Fが要求A/Fのときに実現されるトルクを算出し、要求トルクと算出したトルクとの比を計算する。そして、次の式に示すように、その比に応じたA/F修正量を要求A/Fに加えた値を目標A/Fとして設定する。下式においてfはトルク変化割合に対するA/F修正量のマップ或いは関数である。
目標A/F=要求A/F+f(要求トルク/トルク@スロットル開度最小&下限効率&要求A/F)
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1乃至第3の各判断基準トルクと上限・下限効率とから決まるトルク領域I乃至Vと要求トルクとの位置関係、及び、第1乃至第3の各判断基準トルクによって分けられるトルク領域A乃至Dと要求MBTトルク(要求MBTトルク=要求トルク/要求効率)との位置関係を調べることによって、ノックや失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標A/Fを設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、ノックや失火の発生を防止しつつ要求トルク>要求A/F>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
実施の形態3.
次に、本発明の実施の形態3について図2及び図4を参照して説明する。
本実施の形態の特徴は、実施の形態2に係る各要求値の実現性の判断において、リーンA/Fによる失火の発生を考慮に入れた点にある。本実施の形態では、失火が発生しないA/Fの限界値(上限A/F)を運転条件から算出する。そして、スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、A/Fを上限A/Fに設定することで実現されるトルクを算出する。以下、このトルクを第4判断基準トルクと呼ぶ。本実施の形態では、この第4判断基準トルクを考慮にいれて各要求値の実現性を判断するとともに、その判断結果に応じて各目標値を設定する。
図4は、本実施の形態に係る要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性の判断方法について説明するための図である。図4ではトルク領域が6つの領域に分けられているが、このうち領域I,II,III,IVに関しては図3と共通している。図3における領域Vは、図4では領域Vと領域VIとに分けられている。本実施の形態においては、領域Vを第3判断基準トルクに下限効率を掛けた値から第4判断基準トルクに下限効率を掛けた値までのトルク領域とする。そして、第4判断基準トルクに下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域VIと定義する。
リーンA/Fによる失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現性は、要求MBTトルクが領域Dにあるときの領域V,VIと要求トルクとの位置関係によって判断することができる。要求トルクが領域Vにある場合は、実施の形態2に係るケース6の場合と同じである。ここでは新たなケース(ケース7)についてのみ説明する。
ケース7:要求MBTトルクが領域Dにあり、要求トルクが領域VIにある場合
[実現性の判断]
この場合は、全ての要求値を実現することができない。
[目標値の設定]
スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定する。目標効率は下限効率に設定する。そして、目標A/Fは上限A/Fに設定する。
本実施の形態によれば、リーンA/Fによる失火の発生を考慮した上での要求トルク、要求効率及び要求A/Fのそれぞれの実現可能性を正確に判断することができる。そして、その判断結果に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標A/Fを設定し、それらを実現するようにスロットル開度、点火時期及び燃料噴射量の制御を行うことによって、失火の発生をより確実に防止しつつ要求トルク>要求A/F>要求効率の優先順序でそれら要求を可能な限り実現させることができる。
実施の形態4.
次に、本発明の実施の形態4について説明する。
既述の実施の形態では、目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度が制御される。この制御はモデルを用いたフィードフォワード制御であるため、モデルの精度によっては実際の筒内空気量と目標筒内空気量との間に誤差が生じる場合がある。その場合、実際の実現トルクと要求トルクとの間にも誤差が生じることになるが、既述の実施の形態では、その誤差を修正できるようにはなっていない。そこで、本実施の形態では、次のような方法で実際の実現トルクと要求トルクとの間に生じる誤差の低減を図る。
要求トルクと要求A/Fに関しては、既述の実施の形態と同様に外部から供給される値を取得する。要求効率に関しては、取得した要求トルク及び要求A/Fを用いて次のように計算する。まず、エアフローメータの出力値やスロットル開度センサの出力値に基づいて実際の筒内空気量を算出する。次に、実際の筒内空気量及び要求A/Fのもとで実現されるMBTトルクをマップやモデルを用いて算出する。以下、このMBTトルクを推定MBTトルクという。そして、次の式に示すように、要求トルクを推定MBTトルクで除した値を要求効率として算出する。
要求効率=要求トルク/推定MBTトルク
上述のような方法で算出した要求効率を目標効率として設定し、点火時期を制御する。そうすることで、目標筒内空気量と実際の筒内空気量との間に誤差があったとしても、それによって実際の実現トルクが要求トルクから乖離してしまうことを防止することができる。つまり、本実施の形態では、優先度が低い効率をあえて犠牲にすることで、優先度が高い要求トルクの実現性を高めている。
なお、ノックの発生を考慮する場合、要求効率には上限がある。上限効率はノックが発生しない限界の効率である。本実施の形態では、要求効率が上限効率以上の場合には、目標効率を上限効率に設定する。そして、次の式に示すように、要求トルクと推定MBTトルクに上限効率を掛けた値との比を算出し、その比に応じたA/F修正量を要求A/Fに加えた値を目標A/Fとして設定する。下式においてfはトルク変化割合に対するA/F修正量のマップ或いは関数である。
目標A/F=要求A/F+f(要求トルク/(推定MBTトルク×上限効率))
また、失火の発生を考慮する場合、要求効率には下限がある。下限効率は失火が発生しない限界の効率である。本実施の形態では、要求効率が下限効率以下の場合には、目標効率を下限効率に設定する。そして、次の式に示すように、要求トルクと推定MBTトルクに下限効率を掛けた値との比を算出し、その比に応じたA/F修正量を要求A/Fに加えた値を目標A/Fとして設定する。下式においてfはトルク変化割合に対するA/F修正量のマップ或いは関数である。
目標A/F=要求A/F+f(要求トルク/(推定MBTトルク×下限効率))
このように要求効率が制限される場合には要求A/Fを修正することで、ノックや失火の発生を防止しつつ要求トルクの実現性を高めることができる。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上述の実施の形態では、各要求間の優先順序は要求トルク>要求A/F>要求効率の順であるとした。しかし、上述の実施の形態から読み取れる技術思想を適宜に応用すれば、要求トルク>要求A/F>要求効率とは異なる優先順序、例えば、要求トルク>要求効率>要求A/Fの順であっても、各要求値の実現性の判断方法や各目標値の設定方法は容易に導き出すことができる。

Claims (4)

  1. スロットル開度と点火時期と燃料噴射量とによってトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
    要求トルク、要求効率及び要求空燃比を取得する要求値取得手段と、
    前記要求トルク、要求効率及び要求空燃比に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定する目標値設定手段と、
    前記目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段と、
    前記目標効率を実現するように点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    前記目標空燃比を実現するように燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、
    を備え、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求トルクを前記要求効率で除した値を要求MBTトルクとして算出する手段と、
    スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比をリッチ化することで実現されるトルクである第1判断基準トルクを算出する手段と、
    スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第2判断基準トルクを算出する手段と、
    スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第3判断基準トルクを算出する手段と、
    を含み、
    前記第1判断基準トルクよりも大きいトルク領域を領域A、前記第1判断基準トルクから前記第2判断基準トルクまでのトルク領域を領域B、前記第2判断基準トルクから前記第3判断基準トルクまでのトルク領域を領域C、前記第3判断基準トルクよりも小さいトルク領域を領域Dと定義した場合に、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求MBTトルクが前記領域Cにある場合は、前記要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求効率を前記目標効率として設定し、前記要求空燃比を前記目標空燃比として設定し、
    前記要求MBTトルクが前記領域A或いは領域Bにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域C或いは領域Dにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
    前記要求トルクが前記領域Bにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を1に設定し、前記目標筒内空気量及び要求空燃比のもとで実現されるMBTトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
    前記要求トルクが前記領域Aにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を1に設定し、前記目標筒内空気量のもとでのMBTトルクを最大にする空燃比を目標空燃比として設定し、
    前記要求MBTトルクが前記領域Dにある場合は、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. スロットル開度と点火時期と燃料噴射量とによってトルクを制御する内燃機関の制御装置において、
    要求トルク、要求効率及び要求空燃比を取得する要求値取得手段と、
    前記要求トルク、要求効率及び要求空燃比に基づいて目標筒内空気量、目標効率及び目標空燃比を設定する目標値設定手段と、
    前記目標筒内空気量を実現するようにスロットル開度を制御するスロットル開度制御手段と、
    前記目標効率を実現するように点火時期を制御する点火時期制御手段と、
    前記目標空燃比を実現するように燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、
    を備え、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求トルクを前記要求効率で除した値を要求MBTトルクとして算出する手段と、
    ノックが発生しない限界の効率を上限効率として算出する手段と、
    失火が発生しない限界の効率を下限効率として算出する手段と、
    スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比をリッチ化することで実現されるトルクである第1判断基準トルクを算出する手段と、
    スロットル開度を最大にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第2判断基準トルクを算出する手段と、
    スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を要求空燃比に設定することで実現されるトルクである第3判断基準トルクを算出する手段と、
    を含み、
    前記第1判断基準トルクよりも大きいトルク領域を領域A、前記第1判断基準トルクから前記第2判断基準トルクまでのトルク領域を領域B、前記第2判断基準トルクから前記第3判断基準トルクまでのトルク領域を領域C、前記第3判断基準トルクよりも小さいトルク領域を領域Dと定義し、
    前記第1判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値よりも大きいトルク領域を領域I、前記第1判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第2判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域II、前記第2判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第3判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値までのトルク領域を領域III、前記第3判断基準トルクに前記上限効率を掛けた値から前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値までのトルク領域を領域IV、前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域Vと定義した場合に、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求MBTトルクが前記領域Cにある場合は、前記要求MBTトルクを実現するための筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求効率を前記目標効率として設定し、前記要求空燃比を前記目標空燃比として設定し、
    前記要求MBTトルクが前記領域A或いは領域Bにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域III、領域IV或いは領域Vにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
    前記要求トルクが前記領域IIにある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記上限効率に設定し、前記目標筒内空気量と目標効率と要求空燃比のもとで実現されるトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
    前記要求トルクが前記領域Iある場合には、スロットル開度を最大にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記上限効率に設定し、前記目標筒内空気量及び前記上限効率のもとでのトルクを最大にする空燃比を目標空燃比として設定し、
    前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域IVにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、前記要求空燃比を目標空燃比として設定し、前記目標筒内空気量及び目標空燃比のもとで実現されるMBTトルクで前記要求トルクを除した値を目標効率として設定し、
    前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域Vにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記下限効率に設定し、前記目標筒内空気量と目標効率と要求空燃比のもとで実現されるトルクと前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 前記目標値設定手段は、
    失火が発生しない空燃比の限界を上限空燃比として算出する手段と、
    スロットル開度を最小にし、且つ、点火時期をMBTに設定し、且つ、空燃比を前記上限空燃比に設定することで実現されるトルクである第4判断基準トルクを算出する手段と、
    をさらに含み、
    前記領域Vを前記第3判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値から前記第4判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値までのトルク領域とし、前記第4判断基準トルクに前記下限効率を掛けた値よりも小さいトルク領域を領域VIと定義した場合に、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求MBTトルクが前記領域Dにあり、且つ、前記要求トルクが前記領域VIにある場合には、スロットル開度を最小にしたときの筒内空気量を目標筒内空気量として設定し、目標効率を前記下限効率に設定し、目標空燃比を前記上限空燃比に設定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記要求値取得手段は、
    要求トルク及び要求空燃比を取得する手段と、
    実際の筒内空気量及び前記要求空燃比のもとで実現されるMBTトルクを推定MBTトルクとして算出する手段と、
    前記要求トルクを前記推定MBTトルクで除した値を要求効率として算出する手段と、
    を含み、
    前記目標値設定手段は、
    ノックが発生しない限界の効率を上限効率として算出する手段と、
    失火が発生しない限界の効率を下限効率として算出する手段と、
    をさらに含み、
    前記目標値設定手段は、
    前記要求効率が前記上限効率以上の場合には、目標効率を前記上限効率に設定し、前記推定MBTトルクに前記上限効率を掛けた値と前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定し、
    前記要求効率が前記下限効率以下の場合には、目標効率を前記下限効率に設定し、前記推定MBTトルクに前記下限効率を掛けた値と前記要求トルクとのずれに応じた空燃比修正量を前記要求空燃比に加えた値を目標空燃比として設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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