JP5238547B2 - 燃料電池および燃料電池の運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池および燃料電池の運転方法に関し、特に直接燃料酸化型燃料電池に関する。
直接燃料酸化型燃料電池において、アノード側に気液分離構造を設け、アノード反応において生成される気体(CO2ガス)をアノード側で液体燃料及び水から気液分離する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。かような気液分離構造を用いると、アノード経路を閉ループに構成することが可能になる。さらに製品全体を小型化するためには、閉ループ経路を小型化することが必要となる。そのための対策の1つとして閉ループの構成要素であるバッファ部の容量(バッファ量)を小さくすることが有効な対策となる。
特開2008−270146号公報
スタック内のアノード流路を含むアノード経路が閉ループをなしている直接燃料酸化型燃料電池において、バッファ部の容量を小さくすると、閉ループ経路に気泡が発生した場合(例えば一時的に気液分離が不成立な状況に陥った場合や温度上昇で気泡が発生した場合等)において、バッファ部においてバッファしなければならない燃料の量がバッファ量の上限をオーバーする事態が発生する。この場合、燃料電池を停止させる等の制御が必要となり、燃料電池を連続して運転できないという問題点があった。
本発明に係る燃料電池は、電解質膜を挟んで互いに対向するアノード極及びカソード極を有する膜電極複合体と、前記アノード極で生成される気体を回収する気体流路と、前記アノード極に燃料を送給する燃料流路を備えるアノード流路板と、前記アノード極と前記アノード流路板との間に介設され 、前記燃料流路から送給される燃料をアノード極に供給し、前記アノード極で生成する気体を前記気体流路へ回収させる疎液性多孔体と、を有するスタックと、前記燃料を貯蔵する容量可変なバッファ部と、前記スタックと前記バッファ部との間に介挿されるアノード循環経路と、前記アノード循環路に介挿される循環ポンプと、前記バッファ部に貯蔵される燃料の液量を計測する液量計測部と、前記液量計測部により前記バッファ部の液量を計測する第1の液量計測工程と、前記第1の液量計測工程により計測された液量が所定の閾値を超えた場合に前記スタックに接続された負荷を開放する工程と、前記負荷開放工程後に所定の時間、前記アノード循環経路に燃料を循環させる循環工程を有する制御部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る燃料電池の制御方法は、電解質膜を挟んで互いに対向するアノード極及びカソード極を有する膜電極複合体と、前記アノード極で生成される気体を回収する気体流路と、前記アノード極に燃料を送給する燃料流路を備えるアノード流路板と、前記アノード極と前記アノード流路板との間に介設され、前記燃料流路から送給される燃料をアノード極に供給し、前記アノード極で生成する気体を前記気体流路へ回収させる疎液性多孔体と、を有するスタックと、前記燃料を貯蔵する容量可変なバッファ部と、前記スタックと前記バッファ部との間に介挿されるアノード循環経路と、前記アノード循環路に介挿された循環ポンプと、前記バッファ部に貯蔵される燃料の液量を計測する液量計測部と、
を有する燃料電池の制御方法であって、前記液量計測部により前記バッファ部の液量を計測する第1の液量計測工程と、前記第1の液量計測工程により計測された液量が所定の閾値を超えた場合に前記スタックに接続された負荷を開放する工程と、前記負荷開放工程後に所定の時間、前記アノード循環経路に燃料を循環させる循環工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、スタック内のアノード流路を含むアノード経路が閉ループをなしている直接燃料酸化型燃料電池において、閉ループにおけるバッファ量の上限オーバーを回避し、連続して運転可能である燃料電池およびその制御方法を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るスタックの断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係るスタックの要部断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池の構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るバッファ部の構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る制御部の構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係るハイブリットシステムの構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る制御方法の説明図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに限定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池として、燃料にメタノールを用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC)を採用した燃料電池を説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池用スタック100は、図1に示すように、電解質膜11、及び電解質膜11を挟んで対向するアノード極70及びカソード極80を有する膜電極複合体(MEA)1と、アノード極70における反応により生成した流体を気体と液体に分離する疎液性多孔体からなる気液分離層2と、アノード極70に燃料を供給する燃料流路5、及びアノード極で生成される気体(CO等)を排出する気体流路6を有するアノード流路板4とを備える。
第1の実施の形態における膜電極複合体1のアノード極70は、アノード触媒層12、カーボン緻密層14及びアノードガス拡散層16により構成されている。また、カソード極80は、カソード触媒層13、カーボン緻密層15及びカソードガス拡散層17により構成されている。
電解質膜11は、例えばナフィオン膜(商標、デュポン社)等のプロトン(H+)導伝性を有する固体高分子膜を用いることができる。アノード触媒層12は、例えば白金ルテニウム(PtRu)等の貴金属触媒粒子を有する触媒層からなる。カソード触媒層13は、例えば白金(Pt)等の貴金属触媒粒子を有する触媒層からなる。アノードガス拡散層16としては、例えば市販のカーボンペーパーにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で撥水処理を施したものを使用可能である。カソードガス拡散層17としては、例えば市販のカーボン緻密層付のカーボンクロスを使用可能である。アノードガス拡散層16は、アノード触媒層12への燃料供給、アノード反応による生成物の排出、及び集電を円滑に行う。カソードガス拡散層17は、カソード触媒層13への空気の供給、カソード反応による生成物の排出、及び集電を円滑に行う。
気液分離層2は、導電性、疎液性(撥水性)及び気体透過性を有する多孔質体からなる。気液分離層2としては、疎液性を有するように撥水処理を施したカーボンペーパー、カーボンクロス及びカーボン不織布等の多孔体層が使用可能である。
図1の符号3は密着層である。密着層3はアノード流路板4や気液分離層2よりも柔軟性を有する、疎液性カーボンペーパーを用いることができる。密着層3は本実施の形態における必須の構成要素ではないが、アノード流路板と疎液性多孔体2との界面の密着性を高めることにより、アノード流路板4と気液分離層2の界面において燃料流路5から気体流路6へ燃料が直接ショートカットすることを防止する機能を有する。
アノード流路板4には、燃料流路5及び気体流路6が形成されている。燃料流路5は、燃料又は燃料水溶液を燃料供給口50からアノード極70へ供給するとともに、アノード極により未反応の燃料水溶液等を燃料排出口51から排出する。気体流路6は、アノード反応により生成した気体(CO2ガス)を気体排出口60から排出する。なお、本実施の形態ではアノード流路板4に気体流路6を形成した例を示しているが、アノードガスケット9に外部との貫通孔を設け、この貫通孔をアノード反応により生成した気体(CO2ガス)を排出するための気体流路とすることも可能である。
カソードガス拡散層17の外側には、カソード集電体(カソード流路板)7が配置されている。カソード集電体7は、空気を開口部8からカソード極に供給するとともに集電を行う。アノードガスケット9及びカソードガスケット10は、燃料及び空気の外部へのリークを防止する。
本発明の第1の実施の形態に係る燃料電池において、図2に示すように、燃料であるメタノール水溶液は燃料流路5から、カーボンペーパー3及び気液分離層2を通してアノード極70に供給される。同時に、カソード集電体7の開口部8から空気が取り込まれ、カソード極80に供給される。アノード極70及びカソード極80での反応は、それぞれ反応式(1),(2)で表される。

CH3OH+H2O→6H++6e-+CO2 …(1)
6H++6e-+3/2O2→3H2O …(2)

ここで、気液分離層2、密着層3は疎液性を有するため、液体状態のままではこれらの層を透過することはできない。一方、気化した燃料、すなわちメタノールの蒸気および水の蒸気はこれらの層を透過しアノード極70に到達することができる。
一方、循環ポンプ400が燃料流路5を気体流路6よりも圧力が高い状態としているため、アノード反応により生成した気体(CO2ガス)は撥水処理を施した気液分離層2の微細孔を介して燃料流路5よりも気体流路6に排出される傾向がある。このため、気液分離層2、密着層3により、アノード反応により生成した気体(CO2ガス)を効率的に気体流路6に分離し、排出することが出来る。
アノード反応で生成したプロトン(H)は電解質膜11を通してカソード極80へ流れる。アノード反応で生成した電子(e-)は、集電体を兼ねるアノード流路板4、外部回路1100、集電体を兼ねるカソード流路板7を経由してカソード極80へ運ばれる。アノード反応で発生したCO2は、燃料流路5内の液中に気泡を形成するより、疎液性の気液分離層2を透過する方が容易なため、疎液性の気液分離層2の多孔体中を透過して、気体流路6から排出される。この理由は先に述べた通りである。アノード極70で未反応の水の一部は燃料流路5内のメタノール水溶液と混合し、残りは電解質膜11を透過してカソード側から外部へ排出される。カソード反応で生成した水の一部は、電解質膜11を通してアノード触媒層12側へ逆拡散し、残りはカソード集電体7の開口部8から外部へ排出される。
前述したような気液分離可能なスタック100を組込んだDMFC1000の構成を図3に示す。
スタック100にはスタックの冷却と、カソード極70へ空気を供給するFAN200(200a、200b)が取り付けられている。
FANの回転数を上げるほどスタック100に対する冷却効果は高まる(冷えやすくなる)。しかし、空気供給量が所定量以上になると発電効率への寄与はあまり変わらなくなる。
アノード側からカソード側へ透過する水の量(水のクロスオーバー量)はスタックの温度により変化する。具体的には、基準とする温度に対して高温になるほど透過量は増え、低温にするほど透過量は減る。
スタック100は、アノード循環経路300を介してバッファ部500、循環ポンプ400と接続されている。スタック100への燃料供給は、アノード循環経路300を介して循環ポンプ400により行われる。
更に、循環経路300には、濃度センサ600、高濃度燃料および水供給モジュール700が介挿されている。
バッファ部500については後述する。
濃度センサ600はアノード循環経路300を流れるメタノール水溶液の濃度[mol/L]を測定可能であり、測定した濃度値により高濃度燃料を加える量を操作する。
高濃度燃料および水供給モジュール700は、高濃度燃料を供給する系710と水を供給する系720から構成される。高濃度燃料を供給する系710は燃料カートリッジ701、経路702、ポンプ703、バルブ704から構成される。燃料カートリッジ701は高濃度燃料を貯蔵する。ポンプ703は燃料カートリッジ701から高濃度燃料を経路702を介してアノード循環経路300に供給する。バルブ704は経路702に配され、カートリッジ701とポンプ703との間を遮断可能とする。水を供給する系は水カートリッジ711、経路712、ポンプ713、バルブ714から構成される。水カートリッジ711は水を貯蔵する。ポンプ713は水カートリッジから水を経路712を介してアノード循環経路300に供給する。バルブ714は経路712に配され、水カートリッジ711とポンプ713との間を遮断可能とする。
DMFC1000は制御部800を有する。制御部800は図5に示すように信号出力部801、信号入力部802、データベース部803、演算処理部804、データ格納部805、タイマー部806を有し、これらは互いに信号のやり取りが可能となっている。信号出力部801、信号入力部802はDMFC1000の可制御または可観測である構成要素と信号線を通じて繋がっている。すなわち、制御部800は、スタック100、温度計測部101、FAN200a、FAN200b、循環ポンプ400、バッファ部500、濃度センサ600、ポンプ703、ポンプ713、バルブ704、バルブ714、外部負荷1100、スイッチ1200と信号線(図3において、それぞれの構成要素の符号の前にEを付した信号線)を介して電気的に接続されている。
演算処理部804は中央演算装置(CPU)である。
データベース部803はDMFC1000を制御するために必要なデータを予め格納してある。この格納されたデータは演算処理部804を通じて呼び出し、適宜参照することができる。
データ格納部805はDMFC1000の各計測部や各センサから得られたデータ、演算処理部803における演算処理により得られたデータを一時的あるいは半永久的に格納する機能を有する。この機能を実現するために、一般的な半導体メモリーやDVDなどの記録媒体を用いることができる。
タイマー部806は所定の時間を計時するタイマー機能を有する。具体的にはタイマー回路を所有している。最も、タイマーのシーケンスをデータ格納部805に所有しておき、演算処理部804でタイマー処理を行うことも可能である。
燃料の使用、液の増減に起因するアノード側における濃度変化・液量変化は濃度センサ600による濃度の検出値、温度計測部101による温度の検出値及びスタック100の発電特性(電圧値、電流値、発電効率)と、データベース部803、データ格納部805に格納されたデータとを演算処理部804にて比較参照することにより把握することが出来る。このようにして把握された状態に応じて、制御部800から信号線を通じて、スタック100、循環ポンプ400、高濃度燃料および水供給モジュール700を制御する信号を出力し、DMFC1000を制御することができる。
図4に、バッファ部500の本実施の形態の一例について構成を示す。
バッファ部500は、容器501、その中に設けられたベローズ502、ベローズの変位を計測する液量計測部503とにより構成されている。
容器501には循環経路300との間に燃料の入口と出口が設けられていて(図示省略)、容器501とベローズ502との間のスペースAに燃料である液体を貯蔵する。そのため、ベローズ502のスペースA側(液体を貯蔵する)と、その反対側(空気側)はシールされていて、かつ、空気側は孔Bを介して大気と同じ圧力になっている。液量計測部503は、例えば金属との距離を検出可能な渦電流センサなどの変位センサを用いることができる。ベローズ502の空気側に貼り付けられた金属板(図示せず)により、ベローズ502の変位を測定することができ、このデータに基づき、演算処理部804で演算処理を行うことにより最終的にスペースA内の液量を求めることができる。
バッファ部500に貯蔵できる液量はベローズ502の変形により可変であるが、ベローズ502には変形限界という物理的制約がある。そこで、貯蔵上限値Lmax、貯蔵下限値Lminと両者のセンター値(Lave)の変位間に、少なくとも一つずつ閾値を設定し(図では下限側の閾値aと上限側の閾値b、すなわちLmin<a<Lave<b<Lmax)、下限閾値を検出した場合には水ポンプ713の送液量を増加させ、上限を検出した場合は水ポンプ送液量を減らすよう操作する。なお、温度計測部101はスタック100に直接備わっていなくても良いし、後述するように閾値を複数設定してもかまわない。
続いて、スタック100を含むハイブリットシステム900について説明する。図7に示すように、スタック100は、昇圧部901を介してダイオード902aに接続され、同様にダイオード902bに接続された二次電池903とOR接続(ダイオードOR接続)され、負荷1100につながれている。また、ダイオード902と負荷1100の間と、二次電池903とダイオード902の間には、二次電池充電制御部903が備えてある。更に、各経路にはスイッチ1200a〜cが備えてあり、電気的な回路を開放可能としている。
かような構成により、スタック100で発電した電力が、負荷905に対して余剰な場合は、二次電池903に充電可能であり、また、負荷905に対して不足がある場合は二次電池903から電力供給可能である。
〔第2の実施の形態〕
以下、本構成に基づいたDMFC1000の制御方法に係る実施の形態を図7を参照しながら示す。
前述したように、バッファ量Lが上限の閾値bを越えると、水ポンプによる水の供給量を減らして(ゼロにしてもよい)バッファ量Lを減らす方向で運転を開始する。しかしながら、運転開始から定格運転に至るまでに液温が上昇する。このプロセスにおいて、スタック100、循環経路300、バッファ部500、循環ポンプ400を通じて循環している燃料の液中に溶け込んでいた空気が気泡となる場合や、気液分離部2が何らかの理由で一時的に機能せずに燃料の中から気泡が排出されない場合には、水の供給量を減らしてもバッファ量が上限bを越えてしまうことが起こりうる。このようにバッファ量Lが上限bを超えてしまった場合においても、気泡を排出すればDMFC1000を継続して稼動することができる。以下、図6も用いて説明する。
〔S1:燃料循環工程〕
燃料循環工程では、循環ポンプ400を作動し、スタック100、バッファ部500、循環ポンプ400、再びスタック100と燃料を循環させる。燃料の循環はこれを停止させる指示が循環ポンプ400に出されない限り、継続させる。
〔S2:バッファ量計測モード〕
バッファ部500に貯蔵されている燃料の液量を液量計測部503により計測する。液量計測部503で計測されたバッファ量Lは信号線E7を介して制御部800の信号入力部802に送られる。ここでこのバッファ量Lは所定の値L1と比較される。所定の値L1はデータベース部803またはデータ格納部805に格納されている。バッファ量Lが所定の値L1を超えていない場合は終了(End)する。所定の値L1以上になっている場合には、次の工程に移る。ここで所定の値L1にバッファ量の上限値bを用いることができる。
〔S3:負荷開放工程〕
バッファ量Lが所定の値L1以上である場合、循環している燃料中に気泡が混入しているという前提の処理を開始する。
まず、制御部800は信号線E1200を介してスタック100と負荷1100との間に介挿されているスイッチ1200を開放する。この操作により、スタック100は発電を中止した状態で燃料だけが循環している状態となる。
負荷を開放することにより、スタック100による発電が停止するため、式(1)に示す新たなCOが生成されなくなること、発電を停止することによりスタック100の温度が低下し始めるため、生成した気泡が燃料中に溶け込むこと、等の効果が得られるからである。
ここで負荷を開放している時間は燃料が一巡する時間以上であることが好ましい。なぜならば、気泡は循環している燃料のいずれの箇所に発生しているのか分からず、これをスタックの気液分離部2を通じて排出するには、全ての燃料が1回はスタック100を通過する必要があるからである。
ここで、「燃料が一巡する時間」とは、スタック100、循環ポンプ400、バッファ部500等、循環している燃料が充填されている閉じた空間の容量をポンプの送給速度で除すことにより求めることができる。
なお、負荷が開放されている間にも負荷1100を継続して稼動するためには、例えば図6のハイブリッドシステム900に示したように、二次電池903から電力を負荷1100に供給することが可能である。
〔S4:タイマー稼動工程〕
バッファ量Lが所定の値L1以上である場合、タイマーを稼動してもよい。燃料を循環させて気泡を脱離させるための時間を調整するものである。タイマーはタイマー部806が計時することにより計時することができる。このタイマーは上記負荷を開放している時間は燃料が一巡する時間以上となることを計時したり、液量計測部503を非計測モードにしている時間を計時するのに用いることができる。
〔S5:バッファ量非計測モード〕
バッファ量Lが所定の値L1以上である場合、液量計測部503による計測を所定の時間行わない、いわゆるバッファ量非計測モードを有してもよい。このモードにおいては、液量計測部503がバッファ量Lを計測しない状態とすることにより、気泡が排出される前に上限bが繰り返し検出され、その度にこの制御シーケンスが何回も起動してしまう事態を回避する。
この間においても、燃料はアノード循環経路の中を循環し続けており、次第に燃料中の気泡は気液分離部2、気体流路6、気体排出口60を介して系の外部に排出される。
〔S6:バッファ量計測モード〕
上記で説明したバッファ量非計測モードS4を採用した場合には、燃料の循環を継続させたことにより気泡が抜けてバッファ量が減少したかどうか計測するために、バッファ量非計測モードから再度バッファ量計測モードに変更する必要がある。
そして、バッファ量計測モードとした後、再度バッファ量を計測し、S2で説明した方法と同様にしてバッファ量Lの計測を行い、バッファ量Lが所定の値L2と比較される。所定の値L2はデータベース部803またはデータ格納部805に格納することができる。ここで所定の値L2はバッファ量の上限bとしてもよい。
〔S7:エラー判定工程〕
バッファ量Lを所定の値L2と比較した結果、バッファ量Lが所定の値L2以上である場合には気泡が正常に系外に排出されない何らかの不具合がDMFC1000に発生していると判断する。この時、制御部800は例えばエラー信号を発信し、循環ポンプ400を停止する等、必要な措置を行う。
これら必要な措置は燃料電池の容量、構成等によって異なるが、必要な措置を行うためのシーケンスは予めデータベース部803またはデータ格納部805に格納しておくことができる。
エラーの判断をした後、制御部800は本シーケンスを終了(End)する。
〔S8:負荷接続工程〕
バッファ量Lを所定の値L2と比較した結果、バッファ量Lが所定の値L2より小さい場合には気泡が正常に系外に排出されたと判断し、スイッチ1200を短絡させることによりスタック100と負荷1100を再度接続する。負荷接続の後は、必要に応じてバッファ量計測モードの状態としてもよい(S9)。
以上の操作により、燃料中に発生した気泡が原因でバッファ量Lが上限値bを越えた場合においても、一時的に負荷を燃料電池から切り離すだけの操作によりDMFC1000を連続して運転させることが可能となる。
1…膜電極複合体(MEA)
2…気液分離層(疎液性多孔体)
3…密着層
4…アノード流路板(アノード集電体)
5…燃料流路
6…気体流路
7…カソード流路板(カソード集電体)
8…開口部
9…アノードガスケット
10…カソードガスケット
11…電解質膜
12…アノード触媒層
13…カソード触媒層
16…アノードガス拡散層
17…カソードガス拡散層
50…燃料供給口
51…燃料排出口
60…気体排出口
70…アノード極
80…カソード極
100…スタック
101…温度計測部
200、200a、200b…FAN
300…循環経路
400…循環ポンプ
500…バッファ部
501…容器
502…ベローズ
503…センサ
600…濃度センサ
700…高濃度燃料供給モジュール
701…高濃度燃料カートリッジ
702…高濃度燃料供給経路
703…高濃度燃料ポンプ
704…高濃度燃料バルブ
710…高濃度燃料を供給する系
711…水カートリッジ
712…水供給経路
713…水ポンプ
714…水バルブ
720…水を供給する系
800…制御部
801…信号出力部
802…信号入力部
803…データベース部
804…演算処理部
805…データ格納部
806…タイマー部
900…ハイブリットシステム
901…昇圧部
902a、b…ダイオード
903…二次電池
904…二次電池充電制御部
1000…燃料電池
1100…負荷
1200、1200a〜c…スイッチ

Claims (8)

  1. 電解質膜を挟んで互いに対向するアノード極及びカソード極を有する膜電極複合体と、
    前記アノード極で生成される気体を回収する気体流路と、
    前記アノード極に燃料を送給する燃料流路を備えるアノード流路板と、
    前記アノード極と前記アノード流路板との間に介設され、前記燃料流路から送給される燃料をアノード極に供給し、前記アノード極で生成する気体を前記気体流路へ回収させる疎液性多孔体と、
    を有するスタックと、
    前記燃料を貯蔵する容量可変なバッファ部と、
    前記スタックと前記バッファ部との間に介挿されるアノード循環経路と、
    前記アノード循環路に介挿される循環ポンプと、
    前記バッファ部に貯蔵される燃料の液量を計測する液量計測部と、
    前記液量計測部により前記バッファ部の液量を計測する第1の液量計測工程と、前記第1の液量計測工程により計測された液量が所定の閾値を超えた場合に前記スタックに接続された負荷を開放する工程と、前記負荷開放工程後に所定の時間、前記アノード循環経路に燃料を循環させる循環工程を有する制御部と、
    を有することを特徴とする燃料電池。
  2. 前記制御部は、前記第1の液量計測工程の後に、前記液量計測部による計測を一定時間行わない非計測工程を更に有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記制御部は、前記循環工程の開始後、所定の時間が経過した後に前記液量計測部による計測を行う第2の液量計測工程と、
    前記液量計測部により計測された液量が所定の閾値よりも小さくない場合に前記燃料電池を停止させる停止工程とを更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記負荷開放工程において負荷を開放している時間は燃料が前記アノード循環経路を一巡する時間以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 電解質膜を挟んで互いに対向するアノード極及びカソード極を有する膜電極複合体と、
    前記アノード極で生成される気体を回収する気体流路と、
    前記アノード極に燃料を送給する燃料流路を備えるアノード流路板と、
    前記アノード極と前記アノード流路板との間に介設され、前記燃料流路から送給される燃料をアノード極に供給し、前記アノード極で生成する気体を前記気体流路へ回収させる疎液性多孔体と、
    を有するスタックと、
    前記燃料を貯蔵する容量可変なバッファ部と、
    前記スタックと前記バッファ部との間に介挿されるアノード循環経路と、
    前記アノード循環路に介挿された循環ポンプと、
    前記バッファ部に貯蔵される燃料の液量を計測する液量計測部と、
    を有する燃料電池の制御方法であって、
    前記液量計測部により前記バッファ部の液量を計測する第1の液量計測工程と、
    前記第1の液量計測工程により計測された液量が所定の閾値を超えた場合に前記スタックに接続された負荷を開放する工程と、
    前記負荷開放工程後に所定の時間、前記アノード循環経路に燃料を循環させる循環工程
    を有することを特徴とする燃料電池の制御方法。
  6. 前記第1の液量計測工程の後に、前記液量計測部による計測を一定時間行わない非計測工程を更に有することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池の制御方法。
  7. 前記循環工程の開始後、所定の時間が経過した後に前記液量計測部による計測を行う第2の液量計測工程と、
    前記液量計測部により計測された液量が所定の閾値よりも小さくない場合に前記燃料電池を停止させる停止工程とを更に有することを特徴とする請求項5または6に記載の燃料電池の制御方法。
  8. 前記負荷開放工程において負荷を開放している時間は燃料が前記アノード循環経路を一巡する時間以上であることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の燃料電池。
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