JP5005253B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
6H+ + 6e- + 3/2O2 → 3H2O ・・・(2)
化学式(1)および化学式(2)に示すように、燃料電池を用いて発電することにより、アノード側では二酸化炭素が生成し、カソード側では水が生成する。
(第1の実施形態)
<構成>
図1は、この発明の第1の実施形態による燃料電池システムの全体構成を示す。このシステムは、発電部である燃料電池本体10と、発電部によって生成された電力が供給される電気回路11と、燃料電池本体10に液体燃料を供給する燃料供給部20と、燃料電池本体10に空気を供給する空気供給部30と、燃料電池本体10において発生した水を回収するとともに燃料供給部20に水を供給する水回収供給部40と、燃料電池システムの各部を制御する制御装置50と、二次電池60とを備える。
燃料電池本体10は、アノード(燃料極)101と、アノード101に対向して配置されたカソード(空気極)102と、アノード101とカソード102との間に介在する膜電極組立体(MEA)103とを含む。電気回路11は、直列に接続された負荷抵抗104とスイッチ105とを含む。
ここで、燃料電池本体10の形成方法の一例について説明する。まず、電解質膜としてDuPont社製の『ナフィオン117(登録商標)』を用いる。また、アノード101となるアノード触媒として電解質膜の一方の表面に炭素系粉末担体に白金とルテニウムを分散させて担持したもの(あるいは、白金とルテニウムの合金を分散させて担持したもの)を形成する。さらに、カソード102となるカソード触媒として電解質膜の他方の表面に炭素系担体に白金微粒子を分散担持したものを形成する。その後、カーボンペーパからなる拡散層をアノード触媒およびカソード触媒の各々に密着させて膜電極組立体103として形成する。さらに、その後に、膜電極組立体をセパレータを介してハウジングに固定することによって、燃料電池本体10を形成することができる。
燃料供給部20は、燃料タンク201と、混合タンク202と、燃料タンク201と混合タンク202とを接続する燃料供給管(燃料用通路)203と、混合タンク202と燃料電池本体10のアノードの吸入口101aとを接続する混合燃料供給管(混合燃料用通路)204と、混合タンク202と燃料電池本体10のアノードの排出口101bとを接続する排出管(排出用通路)205と、ガス抜きとして機能する排気管206とを含む。
燃料ポンプ203aは、小型の容積型ポンプを用いることが好ましい。例えば、ソレノイド式ポンプ(逆止弁付き、吐出量:0〜4ml/分、吐出圧力:10kPa)が好ましく、間欠駆動させることによって燃料タンク201から適量の液体燃料(原液)を供給することが好ましい。
空気供給部30は、一方端が燃料電池本体10のカソードの空気供給口102aに接続され他方端が外部へ通じる空気供給管(酸素供給用通路)301を含む。空気供給管301には、空気供給管301を介して外部からの空気を燃料電池本体のカソード102へ供給するための空気ポンプ(酸素供給装置)301aが設けられている。
空気ポンプ301aは、小型で且つ消費電力が小さいものを用いることが好ましい。例えば、モータ式ポンプ(逆止弁付き、吐出量:4L/分、吐出圧力50kPa)が好ましく、3L/分で空気を供給することが好ましい。
水回収供給部40は、水回収タンク(生成物回収容器)401と、水回収タンク401と燃料電池本体10のカソードの排出口102bとを接続する水回収管(生成物回収通路)402と、水回収タンク401と混合タンク202とを接続する水供給管(生成物供給通路)403と、水回収管402を介して水と共に回収されたガス(空気)を排気するための排気口404とを含む。
制御装置50は、燃料有無判定器213からの燃料有無判定情報,液面レベルセンサ211からの液面レベル情報,および濃度センサ212からの濃度情報を受け取る。また、制御装置50は、各ポンプおよび各自動弁を制御する。
燃料電池本体10による発電を実行するときには、制御装置50は、空気ポンプ301aおよび混合燃料ポンプ204aを駆動させるとともに、自動弁203bを開放して燃料ポンプ203aを駆動させる。一方、発電を停止するときには、制御装置50は、空気ポンプ301aおよび混合燃料ポンプ204aを停止させるとともに、自動弁203bを閉止して燃料ポンプ203aを停止させる。
また、制御装置50は、混合タンクに収容された液体燃料の濃度が所望の濃度(例えば、制御装置50に予め設定された所定の濃度範囲内)になるように、濃度センサ212からの濃度情報に基づいて、水ポンプ403aの運転時間や自動弁403bの開閉を制御する。これにより、必要とされる量の水が水供給管403を介して水回収タンク401から混合タンク202へ供給される。
二次電池60は、制御装置50,ポンプ203a,204a,301a,403a,自動弁203b,403b,液面レベルセンサ211,濃度センサ212,および燃料有無判定器213へ電力を供給する。これにより、燃料電池本体10による発電が停止している場合でも、各装置は駆動することができる。
二次電池60としては、例えば、小型で容量の小さなリチウムイオン電池が用いられる。また、電気二重層コンデンサや、太陽電池等を用いることも可能である。
次に、図1に示した燃料電池システムによる動作について説明する。このシステムでは、燃料電池本体10による発電を実行する処理(発電処理)と、発電処理を実行する前に燃料タンク201の中に液体燃料が残存しているか否かを確認する処理(燃料確認処理(発電前))と、発電処理中に燃料タンク201の中に液体燃料が残存しているか否かを確認する処理(燃料確認処理(発電中))とが実行される。
まず、発電処理について説明する。
次に、燃料確認処理(発電前)について説明する。
図2を参照しつつ、燃料確認処理(発電中)について説明する。
発電処理中に、制御装置50は、燃料有無判定器213からの燃料有無判定情報が「燃料無し」を示しているか否かを判断する。燃料有無判定情報が「燃料無し」を示すと、ステップST102へ進む。
次に、制御装置50は、制限時間を設定するとともに、タイマーを始動させて経過時間の計測を開始する。制限時間は、液面レベルセンサ211からの液面レベル情報と濃度センサ212からの濃度情報とに基づいて求められる運転可能時間よりも短い時間であることが好ましい。
次に、制御装置50は、経過時間が制限時間に達しているか否かを判断する。経過時間が制限時間に達している場合にはステップST104へ進み、そうでない場合にはステップST105へ進む。
次に、制御装置50は、電気回路11のスイッチ105をオフにするとともに、混合燃料ポンプ204aおよび空気ポンプ301aの駆動を停止する。これにより、燃料電池本体10における発電が停止されて、発電処理が停止される。
一方、ステップST105において、経過時間が制限時間に達していないと判断すると、制御装置50は、燃料有無判定器213からの燃料有無判定情報を参照する。ここで、燃料有無判定情報が「燃料有り」を示している場合にはステップST106へ進み、そうでない場合(液体燃料(原液)が補給されず、燃料有無判定情報が未だに「燃料無し」を示している場合)にはステップST103へ進む。
次に、制御装置50は、液体燃料(原液)が補給されたものと判断して、タイマーを停止して経過時間の計測を停止する。次に、ステップST101へ進む。
以上のように、液体燃料の残存を確認することによって、燃料電池本体に対して液体燃料を確実に供給することができるとともに、燃料電池システムを安全に停止させることができる。これにより、液体燃料の供給不具合による燃料電池本体の崩壊を防止することができる。
(第2の実施形態)
<構成>
図3は、この発明の第2の実施形態による燃料電池システムの構成を示す。このシステムでは、燃料供給部20は、タンク収納部221と、着脱判定器222とをさらに含む。その他の構成は図1と同様である。
次に、図3に示した燃料電池システムによる動作について説明する。このシステムでは、図1に示した燃料電池システムによる処理に加えて、発電処理を実行する前に燃料タンク201が装着されているか否かを確認する処理(装着確認処理(発電前))と、発電処理中に燃料タンク201が装着されているか否かを確認する処理(装着確認処理(発電中))とが実行される。
まず、装着確認処理(発電前)について説明する。
図4を参照しつつ、装着確認処理(発電中)について説明する。
発電処理中に、制御装置50は、着脱判定器222からの着脱判定情報が「装着無し」を示しているか否かを判断する。着脱判定情報が「装着無し」を示すと、ステップST202へ進む。
次に、制御装置50は、制限時間を設定するとともに、タイマーを始動させて経過時間の計測を開始する。制限時間は、液面レベルセンサ211からの液面レベル情報と濃度センサ212からの濃度情報とに基づいて求められる運転可能時間よりも短い時間であることが好ましい。
次に、制御装置50は、経過時間が制限時間に達しているか否かを判断する。経過時間が制限時間に達している場合にはステップST204へ進み、そうでない場合にはステップST205へ進む。
次に、制御装置50は、電気回路11のスイッチ105をオフにするとともに、混合燃料ポンプ204aおよび空気ポンプ301aの駆動を停止する。これにより、燃料電池本体10における発電が停止されて、発電処理が停止される。
一方、ステップST105において、経過時間が制限時間に達していないと判断すると、制御装置50は、着脱判定器222からの着脱判定情報を参照する。ここで、着脱判定情報が「装着有り」を示している場合にはステップST206へ進み、そうでない場合(燃料タンク201が装着されておらず、着脱判定情報が未だに「装着無し」を示している場合)にはステップST203へ進む。
次に、制御装置50は、燃料タンク201が装着されたものと判断して、タイマーを停止して経過時間の計測を停止する。次に、ステップST201へ進む。
以上のように、燃料タンクの着脱を確認することによって、燃料電池本体に対して液体燃料を確実に供給することができるとともに、燃料電池システムを安全に停止させることができる。これにより、液体燃料の供給不具合による燃料電池本体の崩壊を防止することができる。
20 燃料供給部
30 空気供給部
40 水回収供給部
50 制御装置
60 二次電池
101 アノード
102 カソード
103 膜電極組立体
104 負荷抵抗
105 スイッチ
201 燃料タンク
202 混合タンク
203 燃料供給管
203a 燃料ポンプ
203b,204b,403b 自動弁
204 混合燃料供給管
204a 混合燃料ポンプ
205 排出管
206 排気管
206a,404a 気液分離膜
206b 弁
211 液面レベルセンサ
212 濃度センサ
213 燃料有無判定器
301 空気供給管
301a 空気ポンプ
401 水回収タンク
402 水回収管
403 水供給管
403a 水ポンプ
404 排気口
221 タンク収納部
222 着脱判定部
Claims (1)
- アノードと、前記アノードに対向して配置されたカソードと、前記アノードと前記カソードと間に介在する膜電極組立体とを有する燃料電池本体と、
液体燃料を収容する燃料タンクと、前記燃料タンクから供給された液体燃料と水とが混合されることによって生成される混合燃料を収容する混合タンクとを有し、前記燃料タンクと混合タンクとの間の燃料供給管に設けられた燃料ポンプによって前記燃料タンクに収容された液体燃料を前記混合タンクに供給するとともに、前記混合タンクに収容された混合燃料を前記燃料電池本体に供給する燃料供給部と、
前記燃料供給管に設けられ、前記燃料タンクの中に液体燃料が残存しているか否かを判定し、燃料の有無の判定結果を示した燃料有無判定情報を出力する燃料有無判定器と、
制御装置とを備える燃料電池システムであって、
前記制御装置は、前記混合タンクに収容された混合燃料が前記燃料電池本体に供給されるように前記燃料供給部を制御する発電処理を実行する前に、前記燃料有無判定器から燃料有無判定情報を受け取り、前記燃料有無判定器から受け取った燃料有無判定情報が燃料有りを示す場合、前記発電処理を実行する一方、前記燃料有無判定器から受け取った燃料有無判定情報が燃料無しを示す場合、前記燃料供給部の燃料ポンプを所定時間だけ駆動させ、前記所定時間の経過後に前記燃料有無判定器から燃料有無判定情報を再度受け取り、前記燃料有無判定器から再度受け取った燃料有無判定情報が燃料有りを示す場合、前記発電処理を実行する一方、前記燃料有無判定器から再度受け取った燃料有無判定情報が燃料無しを示す場合、前記燃料タンクの交換を促すとともに前記発電処理を実行しない
ことを特徴とする燃料電池システム。
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