JP5234978B2 - ダイエット油 - Google Patents

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本発明は、食用油脂およびその製造方法に関し、より詳しくは、体重増加抑制用組成物である食用油脂に関する。
従来より、大豆,菜種,パーム,トウモロコシ,オリーブ,綿実及び米などの植物を原料とする植物油脂、豚脂或いは牛脂などの家畜動物油脂や、いわし油やにしん油などの水産油脂の動物油脂は、広く食されている。例えば、炒め油や揚げ油,サラダ油などとして直接食用されたり、ドレッシングやマヨネーズ,マーガリン,ショートニングなどの加工食品の原料として利用されている。さらに、これらの加工食品を使用して、パンや菓子や惣菜などの各種の食材の加工が行われている。したがって、人が摂取する油脂の量は多大なものとなっている。また、油脂は、家畜やペット動物用の食餌原料としても多く用いられている。
近年、人や動物における多くの疾病の原因の一つに肥満が挙げられており、予防医学の点から、或いは、疾病治療の必要に対応すべく、高カロリーである油脂に対して、従来のものと比べた場合にダイエット効果があるとされる種々の食用油脂が開発がされ(例えば、特許文献1及び2参照)、最近では多種多様なものが市販されている。
しかしながら、上記した従来技術はいずれも、油脂の主成分に特定の置換基を導入する等の合成操作を伴い、その製造方法は煩雑である。また、その大部分は、古来より摂取してきた油脂とは異なるため、従来のものとは、加熱した場合における温度上昇率の点で相違したり、成分の安定性などに違いがあり、食品安全上、従来のものと同様に使用し、摂取していくことに対する懸念が全くないとは言えない。
一方、油脂に全脂粉乳等の乳蛋白質とブドウ糖等の還元糖を混合し、減圧下に加熱することで、風味油を製造する方法が開示されている(特許文献3)。しかし、得られた油脂の生理機能等については、全く示唆されていない。
特開2002‐34453号公報 特開2002‐138296号公報 特開平4‐53448号公報
したがって、本発明の目的は、油脂に合成化学的な処理を行なうことなく、従来の食用油脂と同様の性状を示し、しかも、従来の油脂と同様の量を摂取した場合に比較して、体重増加抑制効果を示す食用油脂を提供することにある。本発明の別の目的は、上記したような、疾病の予防対策や、疾病治療に適した食用油脂を、極めて簡単な手段によって製造できる製造方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、
(1)油脂に植物性蛋白質素材を接触させた状態で加熱処理を行なうことを特徴とする、食用油脂の製造方法。
(2)前記加熱処理工程後に、用いた植物性蛋白質素材を更に分離除去することを特徴とする、(1)に記載の食用油脂の製造方法。
(3)前記加熱処理工程における加熱条件が、100〜200℃の温度範囲で、0.5〜20時間加熱する、(1)に記載の食用油脂の製造方法。
(4)加熱が酸素低減下で行われる、(3)に記載の食用油脂の製造方法。
(5)前記植物性蛋白質素材がグルテンまたは分離大豆たん白である、(1)に記載の食用油脂の製造方法。
(6)(1)乃至(5)の方法により製造された、食用油脂。
(7)食用油脂が体重増加抑制用組成物である、(6)に記載の食用油脂。
である。
本発明によれば、油脂に合成化学的な処理を行なうことなく、従来の食用油脂と同様の性状を示し、しかも、従来の食用油脂と同様の量を摂取した場合に体重増加抑制効果を示す食用油脂が提供される。また、本発明によれば、このような食用油脂を極めて簡単な手段によって製造できる食用油脂の製造方法が提供される。
本発明の試験油脂1とコントロールの精製大豆油についての、体重の経日変化に関する図である。 本発明の試験油脂2、比較試験用の試験油脂3及びコントロールの精製大豆油についての、体重の経日変化に関する図である。 本発明の試験油脂4〜7及び対照油脂についての、体重の経日変化に関する図である。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の製造方法の特徴は、その製造方法が、油脂に植物性蛋白質素材を接触させた状態で加熱処理を行なうことにある。
本願に用いる植物性蛋白質素材とは、小麦,大豆,コーン,エンドウ,大麦,米,馬鈴薯,甘藷,ヒマワリ,ヤシ等の、植物の種子,果実,塊茎,塊根等から、蛋白質に富む画分を分離したものである。蛋白質素材中の蛋白質含量は高いことが好ましいが、例えば画分の乾燥質量に対して蛋白質が50質量%以上が好ましく、70質量%以上が更に好ましい。蛋白質含量が高いことで、少量で食用油脂に体重増加効果を与えることができるだけでなく、他の風味の付与を低減することもできる。本発明に用いることができる植物性蛋白質素材は、市販品としては、脱脂大豆,濃縮大豆たん白,分離大豆たん白等の大豆蛋白質素材や、各種純度の小麦グルテン、またはツェイン等を挙げることができ、また上記に示した各種植物原料より抽出濃縮することも可能である。その中でも、小麦グルテンまたは大豆蛋白質素材が好ましく、製造工程中に加熱や剪断などの変性を受けずに乾燥された活性グルテンまたは、脱脂大豆より蛋白質成分を抽出し、さらに等電点沈殿や膜分離等の処理で濃縮した、分離大豆たん白を使用することが、最も好ましい。市販されているものとしては、例えば、グリアジン(アサマ化成(株)製)、小麦グルテン(ナカライテスク製)、分離大豆たん白(不二製油(株)製)などを挙げることができる。
本願に用いる油脂は特に限定されず、植物を原料とする油脂として、大豆油,菜種油,コーン油,ヒマワリ油,胡麻油,紅花油,オリーブ油,綿実油,米糠油,ヤシ油,パーム油,パーム核油,カカオバター,サル脂等が、動物を原料とする油脂として、乳脂,魚油,豚脂,牛脂,鯨油等が挙げられる。これらの油脂は、単独に用いても、異なる原料からなる複数種類の油脂を調合しても、また、溶剤分別等による分画や、エステル交換,水素添加等を行なったものであってもよい。
これら油脂に、上記植物性蛋白質素材を添加し、接触させた状態で加熱処理を行なう。この場合における、油脂に対する、植物性蛋白質素材の使用量としては、油脂100質量部に対して植物性蛋白質素材が0.01〜10質量部の範囲が好ましく、0.1〜3質量部の範囲がより好ましい。10質量部よりも多く添加してもよいが、添加したことによるさらなる効果が得られ難い。
この油脂と植物性蛋白質素材は接触した状態で加熱処理することで、本発明の機能を獲得することができるが、その際の加熱条件について説明する。加熱温度は、油脂原料にもよるが、100〜200℃で加熱することが好ましく、160〜180℃で加熱することがより好ましい。加熱する時間は、植物性蛋白質素材の種類や加熱温度にもよるが、0.5〜20時間とすることが好ましい。より具体的には、加熱温度が低温の場合には比較的長時間の加熱をし、加熱温度が高温の場合には、これよりも短時間で処理すればよい。
本発明の食用油脂は、植物性蛋白質素材を高濃度に配した油脂を別途調製し、得られた油脂を基材となる油脂に混合添加しても得ることができる。この場合における植物性蛋白質素材を高濃度に配した油脂の添加量としては、基材となる油脂100質量部に対して、10〜300質量部程度の範囲とすることが好ましい。別途調製して使用する植物性蛋白質素材を高濃度に配した油脂の具体的な製造方法としては、使用する材料の種類にもよるが、油脂100質量部に対する植物性蛋白質素材の量を、0.1〜10質量部の範囲で、160〜180℃の温度範囲で10〜20時間加熱処理することが好ましい。この際の、植物性蛋白質素材を高濃度に配した油脂と、基材となる油脂とは、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
これらの加熱は、大気中の解放下に行うこともできるが、酸素低減下に行うことが好ましい。酸素低減下とは、加熱装置内の酸素分圧を人為的に低減させた状態であり、真空ポンプやアスピレーター等により、加熱装置内の圧力を1気圧の大気圧より低減させること、または加熱装置内の気相を窒素,ヘリウム,アルゴン等の、酸素以外の気体で置換することで達成できる。
酸素の量は、酸素分圧として21mmHg(大気組成として100mmHg)以下であることが好ましく、後述する効果が現れ易い。酸素分圧が10.5mmHg(大気組成として50mmHg)以下であると更に好ましく、酸素分圧が4.2mmHg(大気組成として20mmHg)以下であると最も好ましい。尚、反応装置内の圧力の低減と、その気相の置換を同時に行うことも可能である。
加熱装置内の酸素を低減させることで、加熱処理中の油脂の酸化が抑制されるため、極性脂質の生成やヨウ素価の変化を抑え、好ましい風味を維持できることに加え、本発明の体重増加抑制効果を更に強めることができる。植物性蛋白質素材の中でも、分離大豆たん白が、酸素低減との併用に於いて最も効率的である。
本発明では、加熱処理後に、用いた植物性蛋白質素材を分離除去する工程を行う事が好ましい。分離操作を行うことで、更に高い体重増加抑制効果を得ることができる。加熱後の植物性蛋白質素材を分離除去する方法としては、目視で油中に浮遊していることが確認できる種々の植物性蛋白質素材を、目視で確認できない程度に除去することができれば、十分な効果を得ることができる。
安価で簡便な方法としては、例えば、ろ過助剤として活性白土などを用いて、濾紙や濾布で濾過する方法が挙げられる。また、フィルタープレス機や遠心分離機を用いることもできる。
上記したような製造方法で得られる本発明の食用油脂は、主体となる油脂は合成化学的な処理を受けないため、従来の食用油脂と同様の性状を示す。さらに、従来の油脂と同様の量を摂取した場合に比較して、本発明の食用油脂を摂取した場合に、明らかな体重増加の抑制効果を示す。
次に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
[製造例1](試験油脂1の調製)(本願発明品・グルテン除去品)
2Lの四つ口フラスコに、精製大豆油1,000gと、粉体の小麦グルテン(ナカライテクス製)10.0gとを入れ、100rpmで攪拌しながら180℃で10時間加熱した。上記の加熱処理後、ろ紙でろ過して、試験油脂1を調製した。
[製造例2](試験油脂2の調製)(本願発明品・グルテン一部除去品)
製造例1の試験油脂1の調製に従って試験油脂2を調製した。但し、濾過は行なっておらず、グルテンは窒素下で一昼夜の静置により分離した。
[比較製造例1](試験油脂3の調製)(アミノ酸添加品)
製造例1の試験油脂1の調製に従って試験油脂3を調製した。但し、小麦グルテンの代わりに、小麦グルテン中に含まれる代表的なアミノ酸(Gln,Gly,Ala,Tyr,Arg,Pro,Thr,Asp)を大豆油に対し各200ppmを加え、製造例2と同様にして、加熱処理後に窒素下で一昼夜の静置により分離した。
[実施例1]
(飼料の調製)
上記で得た試験油脂類を含有してなる飼料を調製し、これを動物試験の実験群の飼料とした。すなわち、先ず、市販の無脂肪の粉末AIN93Gを用意し、該粉末に、上記で得た試験油脂を濃度が7質量%となるように添加した。その後、試験油脂を添加したAIN93Gをブレンダーを用いて十分に攪拌して、油が均一になるようにして飼料を調製した。また、コントロール群として、精製大豆油を用い、同様に飼料を調製した。
(飼育実験1)
一般的な市販固形飼料を用いて1週間の予備飼育を終えた16匹の10週齢のウィスター系雄性ラットを体重測定後、ステンレス製のケージに個別に入れた。これらのラットを、各群の体重の平均値がほぼ等しく、かつ、標準偏差が最も小さくなるように、実験群(試験油脂1)と対照群(大豆油)の2群に分けた。そして、それぞれの群に対して、上記で調製した2種の飼料をそれぞれ与え、一般的な飼育環境で各々12週間、水とともに、自由摂取させた。その間、毎週決められた曜日に体重と、飼料の摂食量を測定した。この結果、実験期間中、いずれのラットにも、下痢、脱毛、皮膚疾患、多尿、皮脂漏症などの異常は認められず、外見上正常に成長した。
(評価方法)
12週間後、実験群と対照群のすべてのラットについて、ネンブタール麻酔下で開腹し、腹大動脈から採血して血清を調製した。また、肝臓,腎臓,後腹膜白色脂肪組織を摘出し秤量した。さらに、肝臓及び腎臓は、顕微鏡標本を作製し、顕微鏡による病理観察を行った。調製した血清については、グルコース,中性脂肪,リン脂質,遊離脂肪酸,総コレステロール,インスリン,AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ),ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の各濃度を測定した。
(評価結果)
先ず、体重増加は、実験開始3週間後から常に実験群のほうが低く、その差は次第に大きくなり、図1に示したように、11週間(21週齢)後からp<0.05の有為差(t‐検定)が認められた。より具体的には、20週齢では、対照群と比較して実験群では体重の増加傾向が5.2%減であり、21週齢では6.2%減であり、22週齢では7.3%減であり、明らかに、体重増加抑制効果が認められた。一方、肝臓,腎臓の病理所見では異常はなく、表1に示したように、肝臓、腎臓の重量については、実験群と対照群の2群間に有為差(t‐検定)は認められなかったが、脂肪組織重量についてはp<0.01の有意差のある減少が認められた。
○表1:試験油脂1飼育実験後におけるラットの体重変化、各種臓器と血清分析
Figure 0005234978
また、血清について先に挙げた成分を測定した結果によれば(表1)、グルコース,中性脂肪,リン脂質,総コレステロールの各濃度はt‐検定の結果、2群間に顕著な差(p<0.05あるいはp<0.01)が認められ、遊離脂肪酸、AST,ALT,インスリンの濃度には有意差は見られなかった。
上記の結果から、下記のことが確認できた。すなわち、グルテンとともに加熱処理し分離した大豆油を添加した、市販無脂肪粉末飼料を摂取させた実験群のラットは、加熱処理していない精製大豆油を添加した、市販粉末飼料を摂取させた対照群(大豆油)のラットと比較して、体重増加の抑制,脂肪組織重量の低下および血中グルコース,中性脂肪,リン脂質,総コレステロールの各濃度の低下が見られた。その一方、実験群のラットは、対照群のラットと比べて、外観から受ける健康状態を含め、その他の評価項目においても何ら異なることはなく、正常であった。上記のことは、グルテンと大豆油を加熱処理後に分離除去するという極めて簡単な手段で、安全で効果的なダイエット油を得ることが可能であることを示している。
[実施例2]
(飼育実験2)
実験群(試験油脂2および試験油脂3)と対照群(大豆油)の3群について、飼育実験1と同様の系に於てラットの飼育を行ない、また同様の評価をおこなった。この結果、実験期間中、いずれのラットにも、下痢、脱毛、皮膚疾患、多尿、皮脂漏症などの異常は認められず、外見上は正常に成長した。
(評価結果)
図2に示す通り、体重増加は対照群(大豆油)>試験油脂3>試験油脂2となり、試験油脂2では明確な体重増加抑制効果が認められた。肝臓,腎臓,脂肪組織の重量は、3群間で有意な差は認められなかった。また、血清の分析においては、試験油脂2および試験油脂3のラットは対照群のラットに比べ遊離脂肪酸濃度が低値を示し、また試験油脂3のラットは、対照群のラットに比べて、グルコース,リン脂質,総コレステロール,インスリンの各濃度もやや低値を示したが、これらに有意差はなかった。しかし、試験油脂3の血清の中性脂肪濃度は、対照群のラットと比較して、p<0.05の有意差をもって低かった。また、ASTとALTの濃度は、試験油脂2および試験油脂3のどちらも、対照群のラットと比較してやや高い傾向を示した。以上のことから、グルテンを添加して加熱処理後に静置分離を行なった試験油脂2は、試験油脂1には及ばないながらも、アミノ酸を添加して加熱処理後に静置分離を行なった試験油脂3および対照群に比較して体重増加抑制効果が認められた。
○表2:試験油脂2および3飼育実験後におけるラットの体重変化、各種臓器と血清分析
Figure 0005234978
[製造例3](試験油脂4の調製)(本願発明品・グルテン)
製造例1の試験油脂1の調製に準じて試験油脂4を調製した。すなわち、3Lの三つ口フラスコに、原料油脂(精製大豆油7:精製菜種油3)1.5kgを入れ、350rpmで撹拌しながら昇温した。60℃に達した時に小麦グルテン15.0gを入れ、更に180℃まで昇温して10時間保持した。80℃まで冷却後に、濾過助剤であるシリカゲルを10g乗せた濾紙上で吸引濾過し、試験油脂4を調製した。
[製造例4](試験油脂5の調製)(本願発明品・グルテン・真空加熱)
製造例3の試験油脂4の調製に従って試験油脂5を調製した。但し、グルテンを添加した以降、濾過を行うまで、フラスコ内を20mmHg以下とした。
[製造例5](試験油脂6の調製)(本願発明品・分離大豆たん白)
製造例3の試験油脂4の調製に従って試験油脂6を調製した。但し、グルテンの代わりに分離大豆たん白(不二製油社製「フジプロR」)を用いた。
[製造例6](試験油脂7の調製)(本願発明品・分離大豆たん白・真空加熱)
製造例4の試験油脂5の調製に従って試験油脂7を調製した。但し、グルテンの代わりに分離大豆たん白(不二製油社製「フジプロR」)を用いた。
[実施例3]
(各試験油脂の性状)
試験油脂4〜7と対照油脂(精製大豆油7:精製菜種油3)についての分析値を表3に示した。尚、ヨウ素価(IV)、過酸化物価(POV)は常法にて、極性脂質含量(PC%)は、住友スリーエム製PCテスターにて測定した。
試験油脂5および7は、ヨウ素価が対照油脂に近く、過酸化物価が低く、風味も好ましいもので、油脂として良好であった。対して、試験油脂4および6は、ヨウ素価が低下し、過酸化物価も極性脂質量も高く、風味もやや劣化気味であった。
○表3:試験油脂4〜7の分析値
Figure 0005234978
[実施例4]
(飼育実験3)
40匹の乳離れ直後のウィスター系雄性ラット(3週齢)をアルミ製平板ケージに個別に入れ、一般的な飼育環境で固形飼料AIN93Gを7週間、水とともに、自由摂取させ予備飼育とした。10週齢となったラットを体重測定後、各群の体重の平均値がほぼ等しく、かつ、標準偏差が最も小さくなるように、実験群(試験油脂4〜7)と対照群(対照油脂)の5群に分け、アルミ製の平板ケージに個別に入れた。そして、それぞれの群に対して、上記で調製した4種の飼料と対照油脂をそれぞれ与え、引き続き一般的な飼育環境で各々12週間、水とともに、自由摂取させた。その間、毎週決められた曜日に体重と、飼料の摂食量を測定し、また飼育実験1と同様の評価をおこなった。この結果、実験期間中、いずれのラットにも、下痢、脱毛、皮膚疾患、多尿、皮脂漏症などの異常は認められず、外見上は正常に成長した。
○表4:試験油脂4〜7飼育実験後におけるラットの体重変化,各種臓器および血清分析
Figure 0005234978
(評価結果)
図3および表4に示す通り、体重増加は対照群≫試験油脂6≫試験油脂5>試験油脂4>試験油脂7となり、試験油脂各群で明確な体重増加抑制効果が認められた。特に試験油脂5と試験油7では有意な体重増加抑制効果が認められた。
肝臓と脂肪組織の重量は、試験油4、5、7において顕著な減少が認められたが、腎臓の重量は各群間で大きな差は認められなかった。また、血清の分析においては、試験油4のグルコース、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸、総コレステロールの各濃度が対照群と有意差を示した。試験油5と試験油7の中性脂肪及び試験油5の遊離脂肪酸濃度も顕著に低下した。インスリン濃度はいずれの群にも変化は認められなかった。
本発明の活用例としては、従来の食用油脂と同様に使用でき、しかも従来の油脂と同様の量を摂取した場合に、人や動物の体重増加抑制効果が有意に得られる、治療上或いは予防医学上において極めて有用な食用油脂が挙げられる。

Claims (5)

  1. 油脂に植物性蛋白質素材を接触させた状態で、加熱処理を行なった後に、用いた植物性蛋白質素材を更に分離除去した油脂を用いる、脂肪組織低減剤
  2. 前記加熱処理工程における加熱条件が、100〜200℃の温度範囲で、0.5〜20時間加熱する、請求項1に記載の脂肪組織低減剤
  3. 前記植物性蛋白質素材がグルテンまたは分離大豆たん白である、請求項1または2に記載の脂肪組織低減剤
  4. 加熱が酸素低減下で行われる、請求項1乃至3に記載の、脂肪組織低減剤
  5. 前記植物性蛋白質素材が分離大豆たん白である、請求項4に記載の脂肪組織低減剤
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