JP5234532B2 - 紫外線照射により表面微構造を制御した金属酸化物薄膜の製造方法及びその金属酸化物薄膜 - Google Patents
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Description
(1)フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて基板に金属酸化物膜を作製する過程でその表面微構造を制御する方法であって、該金属酸化物前駆体溶液を用いて、ディップコーティング、乾燥、仮焼、そして100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理して製膜することを特徴とする、金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
(2)フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液へ紫外線を照射する、前記(1)に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
(3)金属酸化物が、ZrO2、Al2O3、MgO2、SiO2、TiO2、SnO2、HfO2、CeO2、Y2O3から選択される1種である、前記(1)又は(2)に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
(4)紫外線を照射したフォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、紫外線を照射しながらディップコーティング、乾燥、仮焼し、その後、紫外線を照射せずに100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理を行って製膜する、前記(2)に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
(5)フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて基板に表面微構造が制御された金属酸化物膜を製造する方法であって、フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液へ紫外線を照射しながら、フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、ディップコーティング、乾燥、仮焼、そして100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理して製膜することを特徴とする、金属酸化物膜の製造方法。
(6)紫外線を照射したフォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、紫外線を照射しながらディップコーティング、乾燥、仮焼し、その後、紫外線を照射せずに100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理を行って製膜する、前記(5)に記載の金属酸化物膜の製造方法。
(7)光照射によって可逆的にシスートランス光異性化反応を起こすフォトクロミックな金属酸化物前駆体分子を用いて製膜する、前記(5)に記載の金属酸化物膜の製造方法。
(8)フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に320〜390nmの紫外光を照射して製膜する、前記(5)に記載の金属酸化物膜の製造方法。
(9)フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて作製された、表面微構造が制御された金属酸化物膜であって、表面の微構造について、表面粒子径及び表面粗度(RMS)がナノサイズ範囲で均質に制御されている、表面が平滑又はラフな膜であることを特徴とする金属酸化物膜。
(10)金属酸化物が、ZrO2、Al2O3、MgO2、SiO2、TiO2、SnO2、HfO2、CeO2、Y2O3から選択される1種である、前記(9)に記載の金属酸化物膜。
(11)前記(9)又は(10)に記載の金属酸化物膜からなることを特徴とする金属酸化物膜部材。
本発明は、フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて基板に金属酸化物薄膜を作製する過程でその表面微構造を制御する方法であって、該薄膜作製過程において基板へ紫外線照射し、ディップコーティング、乾燥、仮焼、そして急速加熱処理して製膜することを特徴とするものである。
(1)本発明は、光化学反応を積極的に取り入れて調製したフォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液と紫外線照射を用いることを特徴とする、新規な表面微構造を制御した金属酸化物薄膜の製造方法を提供することができる。
(2)薄膜作製プロセス中において、紫外線照射の効果を利用することを特徴とする、新規な金属酸化物薄膜の表面微構造制御方法を提供することができる。
(3)金属酸化物薄膜作製用前駆体分子の構造を精密に制御することを特徴とする新規な金属酸化物薄膜の表面微構造制御方法を提供することができる。
(4)本発明により、表面微構造を高精度に制御した金属酸化物薄膜からなる高機能性セラミックの作製プロセスの効率化を図ることが可能であり、それにより、機能性集積材料等の開発に大きく貢献することが期待できる。
ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(Zr(O−n−C4H9)4又はZr(O−n−Bu)4)と4−フェニルアゾ安息香酸(C6H5N=NC6H4COOH)のモル比が1:1になるように原料調製を行い、これを、N2雰囲気下のグローブボックス中で、2−メトキシエタノールと混合撹拌し、80℃のオイルバス中で反応させ、原料が完全に溶解した時点で反応終了とした。室温まで冷却し、そのまま一晩静置後、これを薄膜作製用の前駆体溶液とした。
図1に、合成したフォトクロミックなジルコニア前駆体溶液を用いて、紫外線照射なしで650℃で作製した薄膜の表面観察図を示した。表面粒子径は13nmで、表面粗度(RMS)が0.89nmの平滑な膜であることが確認された。
ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド(Zr(O−n−C4H9)4又はZr(O−n−Bu)4)と4−フェニルアゾ安息香酸(C6H5N=NC6H4COOH)のモル比が1:1になるように原料調製を行い、これを、N2雰囲気下のグローブボックス中で、2−メトキシエタノールと混合撹拌し、80℃のオイルバス中で反応させ、原料が完全に溶解した時点で反応終了とした。室温まで冷却し、そのまま一晩静置後、これを薄膜作製用の前駆体溶液とした。
図2に、合成したフォトクロミックなジルコニア前駆体溶液を用いて、紫外線を照射しながら作製した650℃で焼成後の薄膜の表面観察図を示した。表面粒子径は23nmで表面粗度(RMS)が0.51nmの膜であり、紫外線を照射せずに作製した膜の表面微構造と違っていることが確認された。この結果は、紫外線照射の有無によって前駆体分子の構造が変化することに起因するものであると考えられた。
Claims (11)
- フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて基板に金属酸化物膜を作製する過程でその表面微構造を制御する方法であって、該金属酸化物前駆体溶液を用いて、ディップコーティング、乾燥、仮焼、そして100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理して製膜することを特徴とする、金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
- フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液へ紫外線を照射する、請求項1に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
- 金属酸化物が、ZrO2、Al2O3、MgO2、SiO2、TiO2、SnO2、HfO2、CeO2、Y2O3から選択される1種である、請求項1又は2に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
- 紫外線を照射したフォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、紫外線を照射しながらディップコーティング、乾燥、仮焼し、その後、紫外線を照射せずに100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理を行って製膜する、請求項2に記載の金属酸化物膜の表面微構造制御方法。
- フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて基板に表面微構造が制御された金属酸化物膜を製造する方法であって、フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液へ紫外線を照射しながら、フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、ディップコーティング、乾燥、仮焼、そして100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理して製膜することを特徴とする、金属酸化物膜の製造方法。
- 紫外線を照射したフォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に基板を浸漬して、紫外線を照射しながらディップコーティング、乾燥、仮焼し、その後、紫外線を照射せずに100℃/秒以上の昇温速度で急速加熱処理を行って製膜する、請求項5に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- 光照射によって可逆的にシスートランス光異性化反応を起こすフォトクロミックな金属酸化物前駆体分子を用いて製膜する、請求項5に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液に320〜390nmの紫外光を照射して製膜する、請求項5に記載の金属酸化物膜の製造方法。
- フォトクロミックな金属酸化物前駆体溶液を用いて作製された、表面微構造が制御された金属酸化物膜であって、表面の微構造について、表面粒子径及び表面粗度(RMS)がナノサイズ範囲で均質に制御されている、表面が平滑又はラフな膜であることを特徴とする金属酸化物膜。
- 金属酸化物が、ZrO2、Al2O3、MgO2、SiO2、TiO2、SnO2、HfO2、CeO2、Y2O3から選択される1種である、請求項9に記載の金属酸化物膜。
- 請求項9又は10に記載の金属酸化物膜からなることを特徴とする金属酸化物膜部材。
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