JP5233902B2 - 電縫溶接鋼管の製造における帯鋼溶接継目部の破断抑制方法 - Google Patents
電縫溶接鋼管の製造における帯鋼溶接継目部の破断抑制方法 Download PDFInfo
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前記鋼帯が、該帯鋼の化学成分の含有量(質量%)を用いて下記の式で計算される炭素当量Ceqが0.41以上の割れ感受性の高い帯鋼であるがどうかを判別し、
炭素当量Ceqが0.41以上の帯鋼であると判別された場合には、先に巻き戻された帯鋼の後端と次に巻き戻す帯鋼の先端とを溶接継ぎした後、帯鋼の溶接継目部を前記ロール成形前に加熱処理して一旦オーステナイトに変態させ、ついで徐冷して延性を改善した後に前記ロール成形し、
炭素当量Ceqが0.41未満と判断された場合は、前記溶接継ぎした後に前記加熱処理を行わないで前記ロール成形することを特徴とする帯鋼溶接継目部の破断抑制方法。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14
(2) 前記帯鋼の溶接継ぎ方法としてアーク溶接を使用し、前記溶接継目部の加熱処理方法としてガスバーナー加熱を使用することを特徴とする(1)に記載の帯鋼溶接継目部の破断抑制方法。
その結果、加熱温度をオーステナイト変態温度未満とした場合、処理後の鋼板組織は、溶接したままで加熱処理なしの鋼板と同様の組織であり、加熱処理による組織の大きな変化はなく、破断発生率も加熱処理なしの鋼板と比べて低減するもではなかった。これに対し、加熱温度をオーステナイト変態温度以上とした場合には、フェライト主体の組織となり、管に成形したときの破断も認められなかった。
加熱温度がオーステナイト変態温度未満の温度である600℃の場合では、図2(b)に示すようにベイナイト主体の組織であって、図2(a)に示す溶接のままの組織と同様の組織であり、オーステナイト変態温度以上の温度である750℃で加熱処理した場合は、図2(c)に示すようにフェライト主体の組織になっていることが分かる。
製造ラインの設備レイアウトとしては、図1に示すように、コイルに巻かれた帯鋼を払い出すアンコイラ、払い出された帯鋼の端部の切断と継目溶接を行うコイル溶接機、継目溶接部を加熱する熱処理装置、ルーパー、成形機、電縫溶接機、整形機という順でラインが構成されている。
熱処理装置の設置位置については、帯鋼が成形される前に熱処理する必要があるため成形機の前である必要があり、さらにルーパーでの曲げや張力による継目溶接部の破断も考えられるためルーパーの前に設置される。
使用される帯鋼は、巾360mm〜1300mm、厚2mm〜19mmの範囲から、鋼管の外径、肉厚によって所定のものが選択される。
帯鋼継目の溶接は、板厚8mm未満の帯鋼では直流アーク溶接による1層溶接で行い、板厚8mm以上では、直流+交流の2層アーク溶接で行うことにより厚い帯鋼を溶接継ぎする際のサイクルタイムの短縮を図っている。
なお、Ceq値が0.41未満の鋼帯では、溶接継目の破断が問題になることはないので、そのCeq値以上の場合を熱処理要と判定する。
このバーナーによる帯鋼の加熱範囲は、溶接継目及び溶接熱影響部からなる溶接継ぎ目部の範囲であり、帯板の板厚や溶接の入熱にもよるが、溶接継目中心から±15mm以下の範囲である。
なお、オーステナイト変態温度以上からの徐冷によりフェライト変態させるため、加熱温度は、あまり高い温度に加熱しても、特に高い効果が得られるものではないから、オーステナイト変態温度+100℃以下の範囲で充分である。
用いた鋼の化学組成は、Ceq0.41鋼:C0.16%、Si0.20%、Mn1.45%、V0.05%、Ceq0.46鋼:C0.20%、Si0.20%、Mn1.50%、V0.05%であり、加熱処理なしの例として用いたCeq0.35鋼:C0.1%、Si0.20%、Mn1.45%、V0.025%であった。
結果を表1に示すとともに、Ceq0.46鋼における組織写真を図2に示す。
加熱温度600℃では、Ceq0.41鋼及びCeq0.46鋼とも破断が発生していた。またその際の組織も、図2(b)に示すように図2(a)の加熱なしで溶接のままの組織と同様のベイナイトを主体とする組織であった。
これに対し、加熱温度750℃では、図2(c)に示すように、フェライト主体の組織となっており、鋼管成形時の破断も発生しなかった。
Claims (2)
- 帯鋼を巻き戻して連続的に管状にロール成形した後、向かい合った鋼板のエッジ部を電気抵抗溶接して製造する電縫溶接鋼管の製造工程において、
前記鋼帯が、該帯鋼の化学成分の含有量(質量%)を用いて下記の式で計算される炭素当量Ceqが0.41以上の割れ感受性の高い帯鋼であるがどうかを判別し、
炭素当量Ceqが0.41以上の帯鋼であると判別された場合には、先に巻き戻された帯鋼の後端と次に巻き戻す帯鋼の先端とを溶接継ぎした後、帯鋼の溶接継目部を前記ロール成形前に加熱処理して一旦オーステナイトに変態させ、ついで徐冷して延性を改善した後に前記ロール成形し、
炭素当量Ceqが0.41未満と判断された場合は、前記溶接継ぎした後に前記加熱処理を行わないで前記ロール成形することを特徴とする帯鋼溶接継目部の破断抑制方法。
Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/14 - 前記帯鋼の溶接継ぎ方法としてアーク溶接を使用し、前記溶接継目部の加熱処理方法としてガスバーナー加熱を使用することを特徴とする請求項1に記載の帯鋼溶接継目部の破断抑制方法。
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