JP5233246B2 - 電動テレスコ調整式ステアリング装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ストロークストッパの固定作業を低減することで電動アクチュエータの組立を簡単に行うことができる電動テレスコ調整式ステアリング装置を提供することを目的としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記最小ストローク規制部材は、前記アクチュエータハウジングよりさらに前記ロッド連結部に対して離間した位置で前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に固定されており、最小ストローク位置まで前記テレスコロッドが車両前方にストロークした際に当接する部材である。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置において、前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に前記ステアリングシャフトに、操舵補助力を伝達する電動パワーステアリング装置を組み込み、この電動パワーステアリング装置のギヤハウジングを、前記アクチュエータハウジングよりさらに前記ロッド連結部に対して離間した位置に配置して前記最小ストローク規制部材とした。
また、組立工程の最後に、テレスコロッドの端部にストロークストッパを固定すれば済むので、直動機構の組立を簡単に行うことができる。
図1は、本発明による電動テレスコ調整式ステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図、図2は本発明による電動テレスコ調整式ステアリング装置の第1実施形態を示す側面図、図3は第1実施形態の装置の要部断面図、図4は図3のA−A線上の断面図、図5は第1実施形態の電動テレスコ機構を示す要部拡大図、図6は本発明による電動テレスコ調整式ステアリング装置の第2実施形態を示す側面図、図7は第2実施形態の電動テレスコ機構を示す要部拡大図、図8は本発明による電動テレスコ調整式ステアリング装置の第3実施形態を示す側面図、図9は第3実施形態を底面側から示した図、図10は第3実施形態で使用する衝撃吸収部材を示す斜視図、図11は第3実施形態の軸方向延長部の構造を示す図、図12は図8のB−B線上の断面図、図13は本発明による電動テレスコ調整式ステアリング装置の第4実施形態を示す側面図である。
なお、ステアリングコラム12の車両後方部位には、後述する電動テレスコ機構50を駆動するコントロールスイッチ、コンビスイッチやコラムカバー等の周辺部品Pが配設されている。
第1実施形態のステアリングコラム装置10は、図3に示すように、車両の水平方向に対して後ろ上がりに所定角度θだけ傾斜して配置されている。このステアリングコラム装置10のステアリングシャフト11は、ステアリングホイール13を取付けたアウタシャフト11aと、このアウタシャフト11aにスプライン結合又はセレーション結合されて摺動自在に係合されたインナシャフト11bとで構成されている。
すなわち、図3に示すように、アウタコラム12aのステアリングホイール13側にはテレスコギヤハウジング51が固定されており、このテレスコギヤハウジング51には、ステアリングコラム12の軸方向に所定距離だけ離れて対向配置された転がり軸受52及び53によってウォームホイール54が回転自在に支持されている。ウォームホイール54は、中央部の大径外周面とこの大径外周面を挟む両端側の転がり軸受52及び53が外嵌された小径外周面とを有する円筒状に形成され、大径外周面にヘリカルギヤ54aが形成されていると共に、内周面に雌ねじ54bが形成されている。
インナコラム12bのステアリングホイール13寄りの位置には、図3及び図5に示すように、テレスコギヤハウジング51と同一方向に延長し、且つ、アウタコラム12aの端面とは距離をおいて連結プレート57が取付けられており、この連結プレート57とテレスコギヤハウジング51との間に連結ロッド58が配設されている。
そして、電動モータ55の正転駆動によりウォーム56を介してウォームホイール54が正転方向に回転し、ウォームホイール54に雄ねじ部58aが螺合している連結ロッド58が車両後方側に移動していくが、ストッパ60の第1緩衝部材60bがテレスコギヤハウジング51の車両前方を向く面に当接したときに、連結ロッド58の車両後方への移動が停止するようになっている。
なお、本発明の直動機構が連結プレート57、連結ロッド58、ストッパ60、テレスコギヤハウジング51及びアウタコラム突出部61に対応し、本発明の電動アクチュエータがウォームホイール54、ヘリカルギヤ54a、雄ねじ54b、ウォーム56及び電動モータ55に対応し、本発明のロッド連結部が連結プレート57に対応し、本発明のテレスコロッドが連結ロッド58に対応し、本発明のストロークストッパがストッパ60に対応し、本発明のアクチュエータハウジングがテレスコギヤハウジング51に対応し、本発明の最小ストローク規制部材がアウタコラム突出部61に対応している。
今、運転者が、ステアリングコラム装置10のチルト調整を行うには、チルト機構25のチルト操作レバー25cをアンクランプ方向に操作する。チルト操作レバー25cをアンクランプ方向に操作すると、ナット部材25bがねじ部材25aに対して緩む方向に回転し、保持板部24bがアウタコラム12aから離間する車幅方向外方に移動するので、アウタコラム12aはピボットピン23を回転中心とした傾動動作が可能となる。そして、チルト機構25のねじ部材25aを長孔24b1の長軸方向にスライドさせていきながら、ステアリングコラム12全体を傾動してチルト調整を行う。
また、運転者が、ステアリングコラム装置10のステアリングコラムのテレスコ調整を行うには、ステアリングコラム12の車両後方部位に配設された周辺部品Pに設けられたテレスコ機構用コントロールスイッチを伸張方向(又は収縮方向)に操作すると、電動テレスコ機構50の電動モータ55が正転(又は逆転)駆動される。
次に、図6及び図7は、第2実施形態のステアリングコラム装置10を示すものである。なお、図1から図5で説明した第1実施形態の構成と同一構成部分は、同一符号を付してその説明を省略する。
インナロッド72の雄ねじ部72aは、テレスコギヤハウジング51のウォームホイール54の雌ねじ54bに螺合され、ステアリングコラム12の下側にステアリングコラム12の中心軸に対して平行となるように配設されている。
この連結保持部材74は、アウタロッド71及びインナロッド72の双方に接触して、通常時はアウタロッド71及びインナロッド72の収縮を阻止するが、所定以上の衝撃荷重が伝達されたときにアウタロッド71及びインナロッド72の収縮を許容する。この連結保持部材74のアウタロッド71及びインナロッド72の相対移動を許容するコラプス荷重が例えば約2kN以上に設定されている。
次に、本実施形態の第1実施形態と異なる動作を説明する。
また、本実施形態は、二次衝突時に運転者のステアリングホイール13に衝突すると、アウタロッド71及びインナロッド72が相対収縮し、アウタロッド71及びインナロッド72の間に配置した連結保持部材74が弾性接触したまま車両前方側に摺動して衝撃吸収エネルギが発生するので、運転者の身体に重大な損傷を与えるのを防止することができる。
次に、図8から図12は、第3実施形態のステアリングコラム装置10を示すものである。本実施形態も、図1から図5で説明した第1実施形態の構成と同一構成部分は、同一符号を付してその説明を省略する。
連結ロッド63の車両後方の端部には、図12に示すように、外周が略円筒形状に形成され、軸孔66aを形成した扱き部材66が固定されている。
そして、連結ボルト67及びナット部材68による延長部材62及び連結ロッド63の締付け力は、所定以上の衝撃荷重が伝達されたときに延長部材62及び連結ロッド63の車両前後方向の相対移動を許容するが、その延長部材62及び連結ロッド63の車両前後方向の相対移動を許容する締付け力(コラプス荷重)は例えば約2kN以上に設定されている。
ここで、本発明のテレスコロッドが連結ロッド63に対応し、本発明の軸方向延長部が延長部材62に対応している。
テレスコ機構用コントロールスイッチを伸長方向に操作すると、電動モータ55の正転駆動によりウォーム56を介してウォームホイール54が正転し、連結ロッド63が車両後方側に移動する。が車両後方側に移動すると、衝撃吸収連結部65により連結ロッド63と一体化された延長部材62も車両後方側に移動していく。延長部材62が車両後方側に移動すると、延長部材62に連結プレート57を介して固定されたインナコラム12bがアウタコラム12aから引き出されてステアリングコラム12が伸長していく。このとき、インナコラム12bの移動に伴って、ステアリングシャフト11のアウタシャフト11aも車両後方側に移動していく。そして、車両後方側に移動した連結ロッド63は、ストッパ60がテレスコギヤハウジング51の車両前方を向く面に当接したときに車両後方への移動が規制され、電動テレスコ機構50の最大ストローク位置が設定される。
また、本実施形態は、二次衝突時に運転者のステアリングホイール13に衝突すると、延長部材62及び連結ロッド63が車両前後方向に相対移動し、衝撃吸収連結部65に装着した衝撃吸収部材64が扱かれながら塑性変形して衝撃吸収エネルギが発生するので、運転者の身体に重大な損傷を与えるのを防止することができる。
(第4実施形態)
さらに、図13は、第4実施形態のステアリングコラム装置10を示すものである。
本実施形態の減速ギヤボックス75は、テレスコギヤハウジング51に対して車両前方に離間した位置に配置されている。そして、電動テレスコ機構50の電動モータ55の逆転駆動によりウォームホイール54が逆転方向に回転して連結ロッド63が車両前方側に移動していくが、ストッパ60が減速ギヤボックス75の車両後方を向く面に当接したときに、連結ロッド63の車両前方への移動が停止するようになっている。
本実施形態によると、第3実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、電動テレスコ機構50の最小のストロークを設定するための規制部材をアウタコラム12aに特別に設けずに、コラムアシスト式電動パワーステアリング装置77の減速ギヤボックス75が、電動テレスコ機構50の最小のストロークを設定する部材として機能するので、
製造コストの低減化を図ることができる。
また、第4実施形態のみにコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置77を組み込んだが、他の第1〜第3実施形態の装置に電動パワーステアリング装置を組み込んでもよい。
Claims (5)
- 相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、一方の端部が前記アウタコラムに、他方の端部が前記インナコラムに取付けられている直動機構と、この直動機構を動作して前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる電動アクチュエータと、を備えた電動テレスコ調整式ステアリング装置であって、
前記直動機構は、前記インナコラム及び前記アウタコラムの一方に固定したロッド連結部と、
前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に固定した電動アクチュエータを収容するアクチュエータハウジング及び前記ロッド連結部の間に連結され、前記ステアリングコラムの中心軸と異なる軸上に平行に配置したテレスコロッドと、
前記ロッド連結部に対して離間する方向に前記アクチュエータハウジングから突出した前記テレスコロッドの端部に一体に連結したストロークストッパと、
前記電動アクチュエータの駆動により前記テレスコロッドが最大ストローク位置まで車両後方にストロークした際に前記ストロークストッパが当接して前記テレスコロッドのストロークを規制する最大ストローク規制部材と、
前記電動アクチュエータの駆動により前記テレスコロッドが最小ストローク位置まで車両前方にストロークした際に前記ストロークストッパが当接して前記テレスコロッドのストロークを規制する最小ストローク規制部材と、を備えており、
前記ロッド連結部は、前記アクチュエータハウジングに向けて前記ステアリングコラムの中心軸と異なる方向に平行に延在する軸方向延長部を設けており、
前記テレスコロッドは、一方の端部側が前記アクチュエータハウジングに連結して前記軸方向延長部に向けて平行に延在し、他方の端部が前記軸方向延長部の先端に近接するように配置されており、
前記テレスコロッド及び前記軸方向延長部の先端同士の間に、通常時には前記テレスコロッド及び前記軸方向延長部の車両前後方向の相対移動を不能として互いを連結し、二次衝突荷重の作用時に塑性変形により所定の衝撃吸収エネルギを発生しながら前記テレスコロッド及び前記ロッド連結部材の車両前後方向の相対移動を許容する衝撃吸収部材を備えていることを特徴とする電動テレスコ調整式ステアリング装置。 - 前記最大ストローク規制部材を、前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に固定した前記アクチュエータハウジングであることを特徴とする請求項1記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
- 前記最小ストローク規制部材は、前記アクチュエータハウジングよりさらに前記ロッド連結部に対して離間した位置で前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に固定されており、最小ストローク位置まで前記テレスコロッドが車両前方にストロークした際に当接する部材である請求項1又は2記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
- 前記衝撃吸収部材は、前記テレスコロッド及び前記軸方向延長部の間に設けた扱き部材に当接して扱かれて塑性変形するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
- 前記インナコラム及び前記アウタコラムの他方に前記ステアリングシャフトに、操舵補助力を伝達する電動パワーステアリング装置を組み込み、この電動パワーステアリング装置のギヤハウジングを、前記アクチュエータハウジングよりさらに前記ロッド連結部に対して離間した位置に配置して前記最小ストローク規制部材としたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電動テレスコ調整式ステアリング装置。
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