JP2009208506A - 衝撃吸収式ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギ吸収ストロークの限界まで達するときの衝撃エネルギ吸収荷重の増加量を低く抑制して、乗員に大きな衝撃力が伝達される度合いを抑制することができる衝撃吸収式ステアリング装置を提供する。
【解決手段】相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム12a及びインナコラム12bを有し、ステアリングホイール13を取付けたステアリングシャフト11を回転自在に支持するステアリングコラム12と、前記アウタコラム12a及び前記インナコラム12bを伸縮させる位置調整機構25とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置であって、前記アウタコラム12a及びインナコラム12bのうち固定側コラムに可動側コラムの最大収縮位置から衝撃吸収時のストロークエンドまでの間に徐々に前記可動側コラムに向けて半径方向の突出高さが徐々に高くなる傾斜部35が形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる位置調整機構とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置に関する。
従来、相対的に摺動可能にアウタコラム及びインナコラムを配設して、アウタコラム及びインナコラムの何れか一方を固定側コラムとし、他方を可動側コラムとしてテレスコ調整可能な衝撃吸収式ステアリング装置として、例えば、ステアリングシャフトを構成している2つの金属間の端部の間の挿入体が横断面プロフィールを圧縮可能なトレランスリングからなっており、半径方向に作用する調整可能な締め付け手段が外側の管の端部を取り囲むようにして、衝突の際に短縮する自動車のステアリングシャフトが自動車の型に無関係にかつ所定の衝撃力に合わせて調整可能とした自動車のステアリングシャフト用の衝撃吸収機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ステアリング装置には、2次衝突時の乗員にかかる荷重(以下、衝撃荷重と称す)を軽減する機能が必要とされている。摺動自在に嵌合されている衝撃吸収式ステアリング装置では、一般に、図8に示すように、ストロークの限界まで達し、底着きした時に衝撃荷重が急上昇する。衝撃荷重が一定値以上であると乗員に影響を与えるため、底着き前から衝撃を増加させることが考えられている。
このために、従来、エネルギ吸収ストローク内の2個所で衝撃エネルギを吸収するように、下部ハウジングの上部外側に嵌合された上部ハウジングの嵌合部に、複数の凸起からなる衝撃エネルギ吸収体を一体に成形し、さらに上部ハウジングの嵌合部よりも上側に、前記嵌合部で相対移動した後の下部ハウジングの外周面と接触する衝撃エネルギ吸収凸起を一体に形成し、衝撃エネルギ吸収体と衝撃エネルギ吸収凸起とによって衝撃エネルギを2段階で吸収するようにしたステアリング装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3174266号公報 特開2003−237592号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載の従来例にあっては、衝撃吸収を2段階で吸収することができるものであるが、2段目の衝撃エネルギ吸収荷重の増加分が1段目の衝撃エネルギ吸収荷重の増加分に比較して小さいため、エネルギ吸収ストロークの限界まで達するときの衝撃エネルギ吸収荷重の増加量は依然として大きいため、ストロークエンドに達したときに乗員に比較的大きな衝撃力が伝達される度合いが高いという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、エネルギ吸収ストロークの限界まで達するときの衝撃エネルギ吸収荷重の増加量を低く抑制して、乗員に大きな衝撃力が伝達される度合いを抑制することができる衝撃吸収式ステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる位置調整機構とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置であって、前記アウタコラム及びインナコラムのうち固定側コラムに可動側コラムの最大収縮位置から衝撃吸収時のストロークエンドまでの間に徐々に前記可動側コラムに向けて半径方向の突出高さが徐々に高くなる傾斜部が形成されていることを特徴としている。
また、請求項2に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記傾斜部は、前記固定側コラムの前記可動側コラムに対向する周面に形成されたテーパー面で構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記傾斜部は、前記固定側コラムの前記可動側コラムに対向する周面に所定間隔で軸方向に延長する傾斜リブで構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、請求項3に係る発明において、前記傾斜リブは、前記固定側コラムとは別体に構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、請求項4に係る発明において、前記傾斜リブは、前記固定側コラムとは異なる材質で構成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る衝撃吸収式ステアリング装置は、請求項1乃至5の何れか1つに係る発明において、前記可動側コラムの前記固定側コラムの傾斜部に対向する位置に、当該傾斜部に係合する傾斜部が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、相対的に摺動可能なアウタコラム及びインナコラムのうち固定側コラムに可動側コラムの最大収縮位置から衝撃吸収時のストロークエンドまでの間に徐々に可動側に向けて半径方向の突出高さが徐々に高くなる傾斜部が形成されているので、テレスコ位置調整時には通常通りの摺動力で操作することができ、衝突時の衝撃吸収時には衝撃吸収領域後半において衝撃荷重を緩やかに上昇させると共に、衝撃荷重の増加分を抑制してストロークエンドに達したときの底着き荷重を低減することができるという効果が得られる。
ここで、傾斜部としては固定側コラムの全周を傾斜したテーパー面とする場合と、円周方向に所定間隔を保って傾斜リブを形成する場合とがあり、テーパー面を採用した方が傾斜部の剛性を高くすることができ、安定したエネルギ吸収を行うことができるので好ましい。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による衝撃吸収式ステアリング装置を組付けた車両を示す全体構成図、図2は本発明による衝撃吸収式ステアリング装置の一実施形態を示す平面図、図3は図2の上半部を断面とした側面図、図4は図3のA−A線上の断面図、図5はステアリングコラムの要部の断面図、図6はアウタコラムを断面とした状態の斜視図、図7は本発明の衝撃吸収ストロークと衝撃荷重との関係を示す特性線図、図8は従来例の衝撃吸収ストロークと衝撃荷重との関係を示す特性線図である。
図1において、衝撃吸収式ステアリング装置10は、ステアリングシャフト11を回動自在に支持するステアリングコラム12を有する。ステアリングシャフト11には、その後端にステアリングホイール13が装着され、ステアリングシャフト11の前端にはユニバーサルジョイント14を介して中間シャフト15が連結されている。中間シャフト15にはその前端にユニバーサルジョイント16を介してラックアンドピニオン機構等からなるステアリングギヤ機構17が連結されている。このステアリングギヤ機構17の出力軸がタイロッド18を介して転舵輪19に連結されている。
そして、運転者がステアリングホイール13を操舵すると、ステアリングシャフト11、ユニバーサルジョイント14、中間シャフト15、ユニバーサルジョイント16を介してその回転力がステアリングギヤ機構17に伝達され、ラックアンドピニオン機構で回転運動が車両幅方向の直線運動に変換されてタイロッド18を介して転舵輪19を転舵する。
ステアリングシャフト11は、図3及び図5に示すように、ステアリングホイール13を取付けるアウタシャフト11aと、このアウタシャフト11aにスプライン結合又はセレーション結合されて摺動自在に係合されたインナシャフト11bとで構成されている。
また、ステアリングコラム12は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金等をダイキャスト成型することにより製作され、図2及び図3に示すように、固定側コラムとしてのアウタコラム12aと、このアウタコラム12aに摺動自在に保持された可動側コラムとしてのインナコラム12bとで構成され、インナコラム12bの車両後端部内周面に配設された転がり軸受12c及びアウタコラム12aの車両前端部内周面に配設された転がり軸受12dによってステアリングシャフト11のアウタシャフト11aとインナシャフト11bとが回転自在に支持されている。
アウタコラム12aは、そのユニバーサルジョイント14側の車両前端側部(図2において左端)が車体側部材(図示せず)に取付けられたロアブラケット22にピボット軸23によって上下方向に傾動自在に支持され、ステアリングホイール13側の車両後端側部(図2において右端)が車体側部材(図示せず)に取付けられ車体側ブラケット24に上下方向に移動自在に支持されている。
この車体側ブラケット24は、図3及び図4に示すように、アウタコラム12aに沿って延長する中央板部24aとこの中央板部の左右両端から下方に延長し、車両後方側端部に前記ピボット軸23の中心を中心とする円弧状のチルト案内溝24b及び24cが形成された側板部24d及び24eとから断面逆U字状に形成されている。
また、車体側ブラケット24は、図2に示すように、車両後方側端部が車両前方側端部に比較して幅広とされ、この幅広の車両後方側端部の上面に車幅方向に延長する取付板部24fが配設されている。この取付板部24fの左右端部側には二次衝突のコラプス時の離脱用カプセル24g及び24hが設けられ、これら離脱用カプセル24g及び24hを介して車体側ブラケット24の車両後方端が車体側部材(図示せず)に連結される。
一方、車体側ブラケット24の車両前方端は、図5及び図3に示すように、ロアブラケット22にアウタコラム12aと共にピボット軸23によってボルト締めされている。また、このロアブラケット22には、二次衝突のコラプス時にピボット軸23が抜け出す離脱用オープンスリット22aが形成されている。
そして、ステアリングコラム12が位置調整機構25によって、チルト位置調整及びテレスコ位置調整自在とされている。この位置調整機構25は、アウタコラム12aの車体側ブラケット24の車両前方端の側板部24d及び24eに対応する位置に一体に形成された、側板部24d及び24eに接触する接触面26a及び26bを有するジャケット部26を有する。
また、位置調整機構25は、ジャケット部26を上面からアウタコラム12aの内周面に達して軸方向に延長するスリット27で分割して形成されたクランプ部28a及び28bと、クランプ部28a及び28bを貫通すると共に、アウタコラム12aの上部を穿設して形成されたボルト挿通孔29と、車体側ブラケット24のチルト案内溝24b側からクランプ部28a及び28bのボルト挿通孔29を通じ、チルト案内溝24cから先端に形成した雄ねじ部30aを外部に突出させた締付ボルト30と、この締付ボルト30の雄ねじ部30aに螺合されたナット31a及びロックナット31bと、締付ボルト30の頭部30bと車体側ブラケット24の側板部24dとの間に配設されたカムロック機構32とを備えている。
カムロック機構32は、操作レバー32aによって回転される第1カム部材32bと、この第1カム部材32bの回転に伴って、第1カム部材32bの山部又は谷部に係合しながら軸方向に移動してロック又はロック解除するチルト案内溝24bに係合されて回転が規制された第2カム部材32cとから構成されている。
この位置調整機構25では、操作レバー32aをロック解除位置とすることにより、第1カム部材32bによる第2カム部材32cの側板部24d側への押圧が解除されて、ナット31a及び第2カム部材32c間で締付力が発生されないロック解除状態となる。このロック解除状態では、車体側ブラケット24の側板部24d及び24eによってアウタコラム12aのクランプ部28a及び28bが内側に押圧されることがなく、側板部24d及び24eに沿ってアウタコラム12aを上下方向に傾動させて所望のチルト位置を調整することができると共に、クランプ部28a及び28bによってインナコラム12bが締付けられていないので、このインナコラム12bをアウタコラム12aに対して軸方向に収縮させて図3に示すテレスコ調整範囲LTの範囲内で所望のテレスコ位置を調整することができる。
この操作レバー32aがロック解除位置にある状態で、操作レバー32aをロック位置に回動させると、この操作レバー32aの回動に伴って第1カム部材32bが回動することにより、第2カム部材32cが車体側ブラケット24の側板部24d側に移動される。このため、この第2カム部材32cとナット31aとの間の距離が狭まることにより、側板部24d及び24eによってクランプ部28a及び28bが挟圧されて、クランプ部28a及び28bがこれら間のスリット27の軸直角方向の幅を狭めるように内側に移動する。このため、ジャケット部26の接触面26a及び26bと側板部24d及び24eとの間の摩擦抵抗が大きくなって、チルト位置調整が停止されるロック状態となると共に、クランプ部28a及び28bによってインナコラム12bが挟持されることにより、インナコラム12bの軸方向伸縮が停止されてロック状態となる。
ところで、アウタコラム12aはその車両後方側即ちステアリングホイール側の内径がインナコラム12bの外径と等しいか又は僅かに大きく設定されてアウタコラム12aとインナコラム12bとが摺接するが、図3及び図6に示すように、アウタコラム12aの内周面におけるインナコラム12bのテレスコ調整時の最収縮位置即ちテレスコ最大収縮位置PCeから車両前方側に所定長さのコラプスストロークLCをとったストロークエンドPSeまでの間に、半径方向の突出高さが徐々に高くなる傾斜部としてのテーパー面35が形成されている。
一方、インナコラム12bの車両前方側端部の外周面にも、図3に示すように、アウタコラム12aのテーパー面35と同様の傾斜を有するテーパー面36が形成されている。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、位置調整機構25におけるカムロック機構32の操作レバー32aがロック位置にある状態では、前述したように、第1カム部材32bによって第2カム部材32cが軸方向の側板部24d側に押圧されて移動することにより、第2カム部材32cとナット31aとの間の距離が狭まって、側板部24d及び24eを内方に締付け、これら側板部24d及び24eによってアウタコラム12aのジャケット部26が挟持されると共に、クランプ部28a及び28bがスリット27の軸直角方向の幅を減少させるように移動されて、アウタコラム12aのチルト調整及びインナコラム12bのテレスコ調整がロックされたロック状態となっている。
このロック状態で、ステアリングコラム12の位置調整を行うには、カムロック機構32の操作レバー32aをロック解除位置に回動させる。これに応じて第1カム部材32bがロック位置とは逆方向に回動することにより、第2カム部材32cの軸方向の側板部24d側への押圧が解除され、第2カム部材32cが締付ボルト30の頭部30b側に移動し、第2カム部材32cとナット31aとの間の距離が広がる。このため、側板部24d及び24eの弾性復元力並びにクランプ部28a及び28bの弾性復元力によって、側板部24d及び24e間が広がると共に、クランプ部28a及び28bがスリット27の軸直角方向の幅が広がる方向に移動して、側板部24d及び24eによるアウタコラム12aのチルト調整並びにクランプ部28a及び28bによるインナコラム12bのテレスコ調整のロック状態が解除される。
このため、ステアリングホイール13を把持して上下方向に移動させることにより、位置調整機構25の締付ボルト30が車体側ブラケット24の側板部24d及び24eに形成されたチルト案内溝24b及び24cに案内されて移動し、アウタコラム12aがピボット軸23を中心として上下方向に傾動してチルト位置調整を行うことができる。
また、ロック解除状態で、ステアリングホイール13を把持して軸方向に移動させることにより、インナコラム12bがアウタコラム12aに対して軸方向に摺動して所定のテレスコ調整範囲LT内でテレスコ位置調整を行うことができる。
そして、チルト位置調整又はテレスコ位置調整が終了した時点で、操作レバー32aをロック位置に回動させることにより、前述したように、第1カム部材32bによって第2カム部材32cが側板部24d側に押圧されて移動し、第2カム部材32c及びナット31a間の距離が短くなることにより、車体側ブラケット24の側板部24d及び24eによってアウタコラム12aのジャケット部26が挟持されると共に、クランプ部28a及び28bによってインナコラム12bが締付け保持されてロック状態となる。
このように、テレスコ位置調整を行う場合には、インナコラム12bがアウタコラム12aに対して、テレスコ調整範囲LT内でテレスコ位置調整を行うことができるものである。
しかしながらが、アウタコラム12a及びインナコラム12bのロック状態で、二次衝突によってステアリングホイール13に車両前方側への大きな衝撃力が伝達されると、インナコラム12bがアウタコラム12aのクランプ部28a及び28bによる締付力に抗して軸方向に車両前方側に収縮することになる。
このときの衝撃荷重は、図7に示すように、インナコラム12bがアウタコラム12aに対して車両前方への移動を開始する間に、衝撃荷重が所定荷重Psまで比較的早く増加し、その後インナコラム12bの先端がテレスコ調整範囲LTの車両前方側のテレスコ最大収縮位置PCeに達すると、アウタコラム12aのテーパー面35がインナコラム12bのテーパー面36に接触することになる。
そして、さらにインナコラム12bが車両前方側に移動することにより、衝撃荷重が、図7に示すように、所定荷重Psから比較的緩やかな勾配で徐々に増加することになり、インナコラム12bがストロークエンドPSeに達して、底着きストローク状態となっても最大衝撃荷重が低い状態に維持される。
このため、所定のコラプスストロークLCを確保しながら安定した衝撃エネルギ吸収を行うことができ、運転者に与える衝撃力の度合いを最小限に抑制することができる。しかも、アウタコラム12aの内周面におけるテレスコ調整範囲LTの車両前方側のテレスコ最大収縮位置PCeからストロークエンドPSeまでの間の傾斜部がテーパー面35とされており、インナコラム12bの車両前方端部外周面もテーパー面36とされているので、傾斜部の剛性を高くすることができ、安定したエネルギ吸収を行うことができる。
因みに、テーパー面35を設けない場合には、図8に示すように、インナコラム12bがテレスコ調整範囲LTの最大収縮位置PCeを超えても、衝撃荷重が所定荷重Psを維持することになり、インナコラム12bがストロークエンドPSeに達した時点で、底着き状態となるために、衝撃荷重が急上昇し、その最大値も大幅に増加することになり、乗員に与える衝撃力の度合いが大きくなるという問題点がある。
これに対して、本発明では、前述したように、コラプスストロークLCの間で衝撃荷重が緩やかに上昇し、インナコラム12bがストロークエンドPSeに達した底着き状態でも衝撃荷重の最大値を低く抑えることができ、乗員に与える影響を最小限に抑制することができる。
なお、上記実施形態においては、アウタコラム12aの内周面に形成する傾斜部をテーパー面35とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図9に示すように、アウタコラム12aに形成する傾斜部を、円周方向に例えば120度間隔で、軸方向に延長する傾斜リブ40で構成するようにしてもよい。この傾斜リブ40は、テレスコ調整範囲LTの車両前方側のテレスコ最大収縮位置PCeから車両前方側に所定長さのコラプスストロークLCをとったストロークエンドPSeまでの間に、半径方向の突出高さが徐々に高くなるように形成されている。
この場合でも、二次衝突による衝撃荷重がステアリングホイール13に伝達されたときに、インナコラム12bのテーパー面36が傾斜リブ40に接触することにより、前述した図7と同様に衝撃荷重が徐々に比較的緩やかに増加することになり、インナコラム12bがストロークエンドPSeに達して底着き状態となったときの衝撃荷重の最大値を低く抑制することができる。しかも、傾斜リブ40を円周方向に所定間隔で3本設けているので、傾斜リブ40にインナコラム12bのテーパー面36が3点接触状態となり、安定したエネルギ吸収を行うことができる。ここで、傾斜リブ40はアウタコラム12aのダイキャスト成型時に一体に形成してもよいが、剛性を考えると傾斜リブ40をアウタコラム12aとは別材料で形成し、溶接、溶着、ねじ留め等の任意の固着手段でアウタコラム12aの内周面に固定することが好ましい。同様にテーパー面36側に傾斜リブを設けるようにしても良く、要はテーパー面35及び36の何れか一方に傾斜リブを設けるようにすればよい。
また、上記実施形態においては、アウタコラム12aのテーパー面35とインナコラム12bのテーパー面36とが同一傾斜角に形成されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、両者のテーパー面35及び36を異なる傾斜角とするようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、アウタコラム12aを固定側コラムとし、インナコラム12bを可動側コラムとした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、アウタコラム12aを可動側コラムとし、インナコラム12bを固定側コラムとするようにしてもよく、この場合には、図10に示すように、少なくとも固定側コラムとなるインナコラム12bの外周面にテレスコ調整範囲の車両前方側のテレスコ最大収縮位置PCeからストロークエンドPSeまでの間に半径方向に徐々に高くなるテーパー面45を形成し、アウタコラム12aの車両前方側端面の内周面に必要に応じてテーパー面45に係合するテーパー面46を形成することにより、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。この場合、テーパー面45及びテーパー面46の何れか一方の面に代えて傾斜リブを適用してもよい。
さらにまた、上記実施形態においては、アウタコラム12aをピボット軸23で直接支持する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、固定側コラムとなるアウタコラム12a又はインナコラム12bに、ステアリングシャフト11に操舵補助力を伝達する操舵補助機構を設け、この操舵補助機構を構成する電動モータで発生する操舵補助力を、ウォーム歯車等の減速機構を介してステアリングシャフトに伝達して電動パワーステアリング装置とするようにしてもよい。
本発明によるステアリング装置を車両に搭載した状態を示す全体構成図である。 衝撃吸収ステアリング装置の平面図である。 図2の上半部を断面とした側面図である。 図3のA−A線上の断面図である。 図3のB−B線上の断面図である。 アウタコラムを断面とした状態の斜視図である。 本発明の衝撃吸収ストロークと衝撃荷重との関係を示す特性線図である。 従来例の衝撃吸収ストロークと衝撃荷重との関係を示す特性線図である。 本発明の他の実施例を示すアウタコラムを断面とした斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態を示すステアリングコラムの断面図である。
符号の説明
10…衝撃吸収式ステアリング装置、11…ステアリングシャフト、11a…アウタシャフト、11b…インナシャフト、12…ステアリングコラム、12a…アウタコラム、12b…インナコラム、12c,12d…軸受、13…ステアリングホイール、14…ユニバーサルジョイント、15…中間シャフト、16…ユニバーサルジョイント、17…ステアリングギヤ機構、18…タイロッド、19…転舵輪、22…ロアブラケット、22a…離脱用オープンスリット、23…ピボット軸、24…車体側ブラケット、24a…中央板部、24b,24c…チルト案内溝、24d,24e…側板部、24f…取付板部、24g,24h…離脱用カプセル、25…位置調整機構、26…ジャケット部、26a,26b…接触面、27…スリット、28a,28b…クランプ部、29…ボルト挿通孔、30…締付ボルト、30a…雄ねじ部、30b…頭部、31a…ナット、31b…ロックナット、32…カムロック機構、32a…操作レバー、32b…第1カム部材、32c…第2カム部材、35,36…テーパー面、40…傾斜リブ、45,56…テーパー面

Claims (6)

  1. 相対的に伸縮自在に連結されたアウタコラム及びインナコラムを有し、ステアリングホイールを取付けたステアリングシャフトを回転自在に支持するステアリングコラムと、前記アウタコラム及び前記インナコラムを伸縮させる位置調整機構とを備えた衝撃吸収式ステアリング装置であって、
    前記アウタコラム及びインナコラムのうち固定側コラムに可動側コラムの最大収縮位置から衝撃吸収時のストロークエンドまでの間に徐々に前記可動側コラムに向けて半径方向の突出高さが徐々に高くなる傾斜部が形成されていることを特徴とする衝撃吸収式ステアリング装置。
  2. 前記傾斜部は、前記固定側コラムの前記可動側コラムに対向する周面に形成されたテーパー面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  3. 前記傾斜部は、前記固定側コラムの前記可動側コラムに対向する周面に所定間隔で軸方向に延長する傾斜リブで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  4. 前記傾斜リブは、前記固定側コラムとは別体に構成されていることを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  5. 前記傾斜リブは、前記固定側コラムとは異なる材質で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
  6. 前記可動側コラムの前記固定側コラムの傾斜部に対向する位置に、当該傾斜部に係合する傾斜部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の衝撃吸収式ステアリング装置。
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