JP5232485B2 - ハウリング抑制装置、ハウリング抑制方法及びハウリング抑制プログラム - Google Patents

ハウリング抑制装置、ハウリング抑制方法及びハウリング抑制プログラム Download PDF

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本発明は、ハウリングを抑制するためのハウリング抑制装置、ハウリング抑制方法及びハウリング抑制プログラムに関する。
スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においては、これらスピーカ−マイクロホン間でループ状態が生じたとき、ハウリングが発生することがある。ハウリングは、例えば、図8(a)に示すように、スピーカ11とマイクロホン12とが同じ空間にある場合、スピーカ11からの出力音がマイクロホン12に入力され、この入力された出力音がアンプ15にて増幅されてスピーカ11から出力され、これらが繰り返されることにより発生する。
ここで、通常、ハウリングは、図8(b)に示すように、音のうちのある周波数成分f0が増幅されることで発生することが知られている。そこで、従来のハウリング抑制装置としては、ハウリングに起因する周波数成分をノッチフィルタ方式で低減させるものが開発されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2007−243242号公報 特開2006−287851号公報
しかしながら、上述したようなハウリング抑制装置では、機器の性能上、比較的広い帯域の周波数成分f1が低減されてしまう。そのため、ハウリングに起因する周波数成分f0を低減するに際し必要な周波数成分f3まで低減されるおそれがあり、音質が劣化してしまうという問題がある。
また、一般的に、ハウリングに起因する周波数成分にあっては、空間によって異なり、また、同じ空間でもスピーカ及びマイクロホン間の音響経路によって変化する。そのため、マイクロホン及びスピーカ間の位置関係の変化や、マイクロホン音量の変化等の環境変化によって、ハウリングが新たに発生することがある。しかし、上述したようなハウリング抑制装置では、この新たに発生するハウリングを抑制するのが困難である。つまり、かかる環境の変化に十分に対応できないという問題がある。
そこで、本発明は、あらゆる環境下において、音質の低下を防止しつつハウリングを抑制することができるハウリング抑制装置、ハウリング抑制方法及びハウリング抑制プログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るハウリング抑制装置は、スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制装置であって、ハウリングの有無を検出するハウリング検出部と、ハウリング検出部でハウリングが検出された場合、スピーカとマイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する算出部と、算出部で算出されたエコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算する減算部と、エコーの有無を検出するエコー検出部と、を備え、減算部は、エコー検出部でエコーが検出されない場合、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、エコー検出部は、エコー推定値の時間平均パワーに基づいてエコーの有無を検出すること、を特徴とする。
また、本発明に係るハウリング抑制方法は、スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制方法であって、ハウリングの有無を検出する第1ステップと、第1ステップでハウリングが検出された場合、スピーカとマイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する第2ステップと、第2ステップでエコー推定値を算出した後、当該エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算する第3ステップと、エコーの有無を検出する第6ステップと、を含み、第3ステップにおいては、第6ステップでエコーが検出されない場合、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、第6ステップにおいては、エコー推定値の時間平均パワーに基づいてエコーの有無を検出すること、を特徴とする。
また、本発明に係るハウリング抑制プログラムは、スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制プログラムであって、ハウリングの有無を検出する機能と、ハウリングが検出された場合、スピーカとマイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する機能と、エコー推定値を算出した後、当該エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算する機能と、エコーの有無を検出する機能と、をコンピュータに実行させ、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算する機能は、エコーの有無を検出する機能でエコーが検出されない場合、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、エコーの有無を検出する機能は、エコー推定値の時間平均パワーに基づいてエコーの有無を検出すること、を特徴とする。
このような本発明では、エコー推定値がマイクロホンの出力信号から減算されるため、スピーカからマイクロホンへの音の回り込みが打ち消され、ハウリングが生じない。よって、ハウリングの抑制に際し、周波数成分の低減を必要としない。ここで、このエコー推定値は、ハウリングが検出された場合において、スピーカとマイクロホンとの間の音響経路が同定されて算出される。そのため、環境変化によりハウリングが新たに発生したときであっても、このときの音響経路が同定されてエコー推定値が算出され、当該エコー推定値がマイクロホンの出力信号から減算され、ハウリングが速やかに抑制される。従って、本発明によれば、あらゆる環境下において、音質の低下を防止しつつハウリングを抑制することができる。
また、算出部は、高速Hフィルタ、J−高速Hフィルタ又はP−高速Hフィルタの何れかを用いて音響経路を同定すること、が好ましい。また、第2ステップにおける音響経路の同定は、高速Hフィルタ、J−高速Hフィルタ又はP−高速Hフィルタの何れかを用いて行われること、が好ましい。これらの場合、音響経路の同定において処理の収束性を速めることができ、ハウリングを速やかに抑制することが可能となる。なお、「高速Hフィルタ」とは、ハイパーHフィルタの高速アルゴリズムであり、「J−高速Hフィルタ」とは、ハイパーHフィルタの並列化可能な高速アルゴリズムである。「P−高速Hフィルタ」とは、音響系への入力信号がARモデルで表現できる場合の高速Hフィルタである。これら高速Hフィルタの詳細については、次の文献等を参照されたい。
・西山清著「An HOptimization and Its Fast Algorithm for Time-Variant System Identification」、IEEE TRANSACTIONS ON SIGNAL PROCESSING,vol.52,No.5 May 2004
・西山清著「Fast J-Unitary Array Formof the Hyper HFilter」、IEICE TRANS.FUNDAMENTALS,vol.E88-A,No.11November 2005
・西山清著「Computational Improvementof the Fast HFilter Based on Information of Input Predictor」、IEEE TRANSACTIONS ON SIGNAL PROCESSING,vol.55,No.8 August 2007
また、ハウリング検出部は、スピーカへの入力信号又はマイクロホンの出力信号のスペクトル形状に基づいて、ハウリングの有無を検出すること、が好ましい。また、第1ステップにおけるハウリングの有無の検出は、スピーカへの入力信号又はマイクロホンの出力信号のスペクトル形状に基づいて行われること、が好ましい。ハウリング発生の際には、スピーカへの入力信号又はマイクロホンの出力信号のスペクトル形状に特有の特徴が現れる。よって、スピーカへの入力信号又はマイクロホンの出力信号のスペクトル形状に基づいてハウリングの有無を検出することで、かかる特有の特徴を利用してハウリングの有無を好適に検出することができる。
また、マイクロホンからの話者による入力音の有無を検出する入力音検出部を、備え、算出部は、入力音検出部で入力音が検出されない場合に音響経路を同定すること、が好ましい。また、マイクロホンからの話者による入力音の有無を検出する第4ステップを含み、第2ステップにおける音響経路の同定は、第4ステップで入力音が検出されない場合に行われること、が好ましい。これらにより、音響経路の同定を精度よく行うことが可能となる。これは、次の理由による。すなわち、通常、「同定」は、対象となる未知システムへの入力と、未知システムからの出力と、が揃って得られるときに精度よく行うことができる。この点、マイクロホンからの話者による入力音(以下、「トーク音」という)は、未知システムである音響経路からの出力ではないため、トーク音の検出時に音響経路の同定を行うと、かかる同定の精度が低下するおそれがあるためである。
このとき、入力音検出部は、具体的には、マイクロホンの出力信号の時間平均パワーと、エコー推定値の時間平均パワー若しくは残留エコーの時間平均パワーと、に基づいて入力音の有無を検出する場合がある。なお、この「残留エコー」とは、マイクロホンの出力信号から擬エコー推定値を減算したものを意味する。
また、スピーカからの出力音の有無を検出する出力音検出部と、を備え、算出部は、出力音検出部で出力音が検出された場合に音響経路を同定すること、が好ましい。また、スピーカからの出力音の有無を検出する第5ステップを含み、第2ステップにおける音響経路の同定は、スピーカからの出力音が検出された場合に行われること、が好ましい。これらにより、音響経路の同定を精度よく行うことが可能となる。これは、上述のように「同定」は、未知システムの入出力が得られるときに精度よく行われることから、音響経路(未知システム)の同定は、スピーカからの出力音(未知システムへの入力)が検出されたときに行われるのが好ましいためである。
このとき、出力音検出部は、具体的には、スピーカへの入力信号の時間平均パワーに基づいて出力音の有無を検出する場合がある。
また、エコーの有無を検出するエコー検出部を備え、減算部は、エコー検出部でエコーが検出されない場合、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算するのを停止すること、が好ましい。また、エコーの有無を検出する第6ステップを含み、第3ステップにおいては、第6ステップでエコーが検出されない場合、エコー推定値をマイクロホンの出力信号から減算するのを停止すること、が好ましい。これにより、ハウリングが発生しなくなったときに、ハウリングの抑制を速やかに停止することができる。つまり、ハウリングの消滅に好適に対応することが可能となる。
このとき、エコー検出部は、具体的には、エコー推定値の時間平均パワーに基づいてエコーの有無を検出する場合がある。
また、エコー推定値の誤りの有無を検出する誤推定検出部を備え、算出部は、誤推定検出部でエコー推定値の誤りが検出された場合、エコー推定値を修正すること、が好ましい。また、エコー推定値の誤りの有無を検出する第7ステップを含み、第2ステップにおいては、第7ステップでエコー推定値の誤りが検出された場合、算出したエコー推定値を修正すること、が好ましい。このように、エコー推定値の誤りが検出された場合に当該エコー推定値を修正することで、ハウリングの抑制における信頼性を高めることができる。
このとき、誤推定検出部は、具体的には、マイクロホンの出力信号の時間平均パワーとエコー推定値の時間平均パワーとに基づいて、エコー推定値の誤りの有無を検出する場合がある。
本発明によれば、あらゆる環境下において、音質の低下を防止しつつハウリングを抑制することが可能となる。その結果、快適な拡声性能を確保することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、記号の上に付される「^」は、推定値を意味するものである。また、記号の上に付される「〜」「−」は、便宜上付加したものである。また、入力の都合上、これら「^」「〜」「−」を文字の右上に付して記載する場合がある。
図1は本発明の一実施形態に係るハウリングキャンセラの概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態のハウリングキャンセラ(ハウリング抑制装置)1は、拡声系の音響機器10においてハウリングを抑制するためのものである。そこで、まず、この音響機器10について説明する。
音響機器10は、スピーカ11、マイクロホン12及びコントローラ13を備えている。スピーカ11は、コントローラ13から入力された入力信号uに応じて、出力音を出力する。マイクロホン12は、入力された入力音に応じて、出力信号yをコントローラ13に出力する。これらのスピーカ11及びマイクロホン12としては、仕様や形式等に限定されずに種々のものを用いることができる。なお、記号に付された「k」は、時間ステップを表している(以下、同じ)。
コントローラ13は、例えばプロセッサやDSP等が用いられている。また、コントローラ13又はハウリングキャンセラ1と、スピーカ11、マイクロホン12とのインターフェイスには、D/A、A/D変換器をそれぞれ用いることができる。コントローラ13は、加算器14を介して例えばカラオケ機器等の音源に接続されている。これにより、コントローラ13では、音楽が音楽信号mとして入力されて加算される。なお、音源としては、CDプレイヤーやカセットデッキ等であってもよい。
また、コントローラ13は、アンプ15を有している。アンプ15は、マイクロホン12からの入力音と音源からの音楽とを増幅するためのものである。ここでのアンプ15は、入力された信号を増幅し、スピーカ11への入力信号u(以下、単に「入力信号u」という)を生成する。ちなみに、必要に応じて、スピーカ11の直前やマイクロホン12の直後にもアンプを設けてもよい。
次に、本実施形態のハウリングキャンセラ1について説明する。ハウリングキャンセラ1は、音響機器10のコントローラ13に搭載されている。このハウリングキャンセラ1は、適応フィルタ2、ハウリング検出器3、トーク検出器4、出力音検出器5、誤推定検出器6及びエコー検出器7を備えている。
適応フィルタ2は、スピーカ11とマイクロホン12との間の音響経路を同定(システム同定)し、エコーの推定値であるエコー推定値を算出する。具体的には、適応フィルタ2は、スピーカ11とマイクロホン12との間のインパルス応答の推定値x^を求め、このインパルス応答の推定値x^に基づいて擬似エコーz^を求める(詳しくは、後述)。ここでの適応フィルタ2としては、高速Hフィルタ、J−高速Hフィルタ若しくはP−高速Hフィルタの何れか一つ、又はこれらの組み合わせが用いられている。
また、この適応フィルタ2には、スイッチ回路8を介して減算器9が接続されている。減算器9は、適応フィルタ2で求めた擬似エコーz^を、マイクロホン12の出力信号y(以下、単に「出力信号y」という)から減算する。スイッチ回路8は、そのON/OFFによって、減算器9での減算の実行/停止を切り替える。
ハウリング検出器3は、ハウリングの有無を検出する。ここで、ハウリング発生時のハウリング信号(入力信号u又は出力信号y)にあっては、そのスペクトル形状に、次の(ア)〜(ウ)に示す特有の特徴点が見出される。
(ア)スペクトルに1つ又は2つ以上のピークが突出して現れ、2つ以上のピークが現れたときは、それらが隣接している点
(イ)スペクトルのピークが、ある周波数で持続して現れる点
(ウ)スペクトルのピークの大きさが一定値以上である点
そこで、ハウリング検出器3では、入力信号uを必要に応じてダウンサンプリングし、この入力信号uのスペクトル形状に基づいてハウリングの有無を検出する。つまり、スペクトルに所定値以上のピークが所定の周波数域で持続して現れたとき、ハウリングが発生したことを検出する。また、スペクトルにピークが複数現れた場合には、これら複数のピークが隣接していることをもってハウリングが発生したことを検出する。具体的には、以下の処理を実行することでハウリングの有無を検出する。
図2は、図1のハウリングキャンセラのハウリング検出器における処理のフローを示すフローチャートである。図2に示すように、まず、スペクトルの第1ピークの大きさaが閾値θpeak(但し、θpeak>0)よりも大きいか否かを判定する(S1)。
S1でYesの場合、第2ピークの大きさap2を第1ピークの大きさaで除したもの(ap2/a)が、0よりも大きいか否かを判定する(S2)。S2でYesの場合、図中の式(1)に示すように、第2ピークの周波数fp2が、第1ピークの周波数の隣接成分の周波数fp−1,fp+1の間にあるか否かを判定する(S3)。
S3でYesの場合、図中の式(2)に示すように、第1ピークの大きさa及び隣接成分の大きさap−1,ap+1の合計が、この合計をスペクトルにおける全成分の大きさの和Σaから減算したもの以上であるか否かを判定する(S4)。
S4でYesの場合、図中の式(3)に示すように、時間ステップkにおける第1ピークの大きさa(k)が、時間ステップk−1における第1ピークの大きさa(k−1)以上であり、この第1ピークの大きさa(k−1)が、時間ステップk−2における第1ピークの大きさa(k−2)以上であるか否かを判定する(S5)。
S5でYesの場合、ある周波数で第1ピークが持続して現れているか否かを判定する(S6)。つまり、図中の式(4)に示すように、時間ステップk,k−1,k−2,k−3,k−4,k−5における第1ピークの周波数f(k),f(k−1),f(k−2),f(k−3),f(k−4),f(k−5)のそれぞれが、互いに等しいか否かを判定する。そして、S6でYesの場合、ハウリングの発生があるとして、ハウリング検出器3による検出結果HD(k)を1とし(S7)、ハウリングの検出を終了する。
ここで、S1,S3〜S6でNoの場合、ハウリングの発生が無いとして、検出結果HD(k)を0とし(S8)、ハウリングの検出を終了する。また、S2でNoの場合、図中の式(5)に示すように、第1ピークの大きさaが、当該第1ピークの大きさaをスペクトルにおける全成分の大きさの和Σaから減算したもの以上であるか否かを判定する(S9)。S9でYesの場合、S5の判定へ移行する。一方、S9でNoの場合、S8の判定が行われ、ハウリングの検出を終了する。
図1に戻り、このハウリング検出器3は、上述の処理によってハウリングを検出した場合(HD(k)=1の場合)、スイッチ回路8をONにして減算器9での減算を実行させる。
トーク検出器4は、マイクロホン12からの話者による入力音(以下、「トーク音」という)の有無を検出する。具体的には、トーク検出器4は、出力信号yの短期・長期時間平均パワーと、擬似エコーz^の短期・長期時間平均パワー若しくは残留エコーy の短期・長期時間平均パワーと、に基づいて、トーク音の有無を検出する。なお、残留エコーy は、下式(6)に示すように、出力信号yから擬似エコーz^を減算したものを意味する。また、時間平均パワーの「短期」・「長期」は、時間平均をとる信号長(データ数)に関して短期・長期を意味する(以下の時間平均パワーについて同じ)。
Figure 0005232485
ここでは、トーク検出器4は、下式(7)の条件式を満たすとき、トーク音があると検出する。そして、トーク検出器4は、検出結果を適応フィルタ2へ出力する。ちなみに、音楽信号mがコントローラ13に入力されるか否かによって、下式(7)の条件式を下式(8)の条件式に切り替える場合もある。
Figure 0005232485
出力音検出器5は、入力信号uの短期時間平均パワーに基づいて、スピーカ11からの出力音の有無を検出する。ここでの出力音検出器5では、下式(9)の条件式を満たすとき、出力音があると検出する。そして、出力音検出器5は、この検出結果を適応フィルタ2に出力する。
Figure 0005232485
誤推定検出器6は、出力信号yの時間平均パワーと擬似エコーz^の時間平均パワーとに基づいて、擬似エコーz^の誤りの有無を検出する。ここでの誤推定検出器6では、下式(10)の条件式を満たすとき、擬似エコーz^に誤りがあると検出する。そして、この誤推定検出器6は、検出結果を適応フィルタ2に出力する。
Figure 0005232485
エコー検出器7は、擬似エコーz^の時間平均パワーに基づいて、エコーの有無を検出する。ここでのエコー検出器7では、下式(11)の条件式を満たすとき、エコーがあると検出する。また、このエコー検出器7は、エコーが検出されない場合、スイッチ回路8をOFFとして、減算器9での減算を停止させる。
Figure 0005232485
次に、説明したハウリングキャンセラ1が搭載された音響機器10の処理について、図3〜図5に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、説明に先立ち、用いられる主な記号について説明する。なお、上記の記号と同一又は相当する記号には同一又は相当する記号を用い、重複する説明を省略する。ちなみに、各検出器3〜7による検出結果は、事象が検出されたときに「1」が設定され、それ以外のときに「0」が設定される。
amp:アンプ15の増幅率
:待ちステップ定数
TD(k):トーク検出器4による検出結果
ID(k):出力音検出器5による検出結果
ED(k):エコー検出器7による検出結果
FD(k):誤推定検出器6による検出結果
flag:フラグ
(i):観測行列の第i成分
s,k:フィルタゲイン
Wc:カウント数
σ *|k:各時間平均パワー
reset:初期状態に戻す意
x^back:インパルス応答の推定値x^のバックアップ値
ハウリングキャンセラ1が搭載された音響機器10では、まず、各変数の初期値を設定する(S11)。ここでは、一例として、各変数の初期値を図中の値に設定する。続いて、出力信号yを取得する(S12)。そして、観測行列Hとインパルス応答の推定値x^k|kとを乗算し、擬似エコーz^を求める(S13)。
続いて、flagが「1」か否かを判定する(S14)。S14でNoの場合、ハウリングの有無を検出してHD(k)が「1」か否かを判定する(S15)。
S15でNoの場合、残留エコーy k+1を求める(S16)。ここでは、出力信号yをそのまま残留エコーy k+1とする。その後、カウント数Wcを0とし(S17)、音楽信号mk+1を音源から取得する(S18)。そして、残留エコーy k+1と音楽信号mk+1との和に増幅率ampを乗算し、入力信号uk+1を生成する(S19)。
続いて、時間ステップk+1の観測行列Hk+1を算出し(S20)、時間ステップk+1の各時間平均パワーσ *|k+1,σ−2 *|k+1を算出する(S21)。ここで、時間平均パワーσ *|k+1,σ−2 *|k+1の更新は、適時行ってもよい。続いて、生成された入力信号uk+1をスピーカ11へ入力する(S22)。そして、時間ステップkを更新(k=k+1)し(S23)、その後、再びS12の処理に移行することになる。
ここで、上述のS14でYes若しくはS15でYesの場合においては、次の処理を実行する。
すなわち、待ちステップ定数Nよりもカウント数Wcが大きいか否かを判定する(S31)。S31でYesの場合、擬似エコーz^における誤りの有無を検出してFD(k)が「1」か否かを判定する(S32)。S32でNoの場合、トーク音の有無を検出してTD(k)が「0」か否かを判定する(S33)。
S33でNoの場合、擬似エコーz^を出力信号yから減算し、残留エコーy k+1を求める(S34)。その後、後段の判定処理(後述のS41)へ移行する。
一方、S31でNoの場合、カウント数Wcが待ちステップ定数Nと等しいか否かを判定する(S35)。S35でNoの場合、出力音の有無を検出してID(k)が「1」か否かを判定する(S36)。S35でYesの場合、インパルス応答の推定値x^のバックアップ値x^backを取得し(S37)、その後、S36の判定処理へ移行する。
S36でYesの場合、次の時間ステップk+1におけるインパルス応答の推定値x^k+1を算出する(適応アルゴリズム:S38)。具体的には、擬似エコーz^を出力信号yから減算してフィルタゲインKs,kを乗算し、これを推定値x^に加算することで、インパルス応答の推定値x^k+1を算出する。その後、S34の処理へ移行する。また、S36でNoの場合、そのまま、S34の処理へ移行する。
他方、S32でYesの場合、変数を修正し(S39)、その後、S36の判定へ移行する。また、S33でYesの場合、S36の判定処理へ移行する。
ここで、上述のS34の後段においては、次の処理を実行する。
すなわち、カウント数Wcが、待ちステップ定数Nよりも大きいか否かを判定する(S41)。S41でYesの場合、擬似エコーz^における誤りの有無とエコーの有無とを算出し、FD(k)とED(k)との双方が共に「0」か否かを判定する(S42)。S42でYesの場合、変数をリセットすると共にflagを「0」とする(S43)。そして、カウント数Wcを更新(Wc=Wc+1)する(S44)。
一方、S41及びS42でNoの場合、flagを「1」とし(S45)、S44の処理へ移行する。
以上において、ハウリング検出器3がハウリング検出部を構成し、適応フィルタ2が算出部を構成する。スイッチ回路8及び減算器9が減算部を構成し、トーク検出器4が入力音検出部を構成する。出力音検出器5が出力音検出部を構成し、エコー検出器7がエコー検出部を構成する。また、誤推定検出器6が誤推定検出部を構成する。
次に、上述したハウリング抑制の処理をコンピュータに実行させるためのハウリング抑制プログラムについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係るハウリング抑制プログラムの構成を示す概略図である。図6に示すように、ハウリング抑制プログラム51は、上記のコントローラ13にインストールされているものであり、コンピュータが備える記録媒体50に形成されたプログラム格納領域50a内に格納されている。このハウリング抑制プログラム51は、ハウリング検出モジュール52、算出モジュール53、減算モジュール54、トーク音検出モジュール55、出力音検出モジュール56、エコー検出モジュール57及び誤推定検出モジュール58を備えて構成されている。
ハウリング検出モジュール52、算出モジュール53、トーク音検出モジュール55、出力音検出モジュール56、エコー検出モジュール57及び誤推定検出モジュール58を実行させることにより実現される機能は、上記のハウリング検出器3、適応フィルタ2、トーク検出器4、出力音検出器5、エコー検出器7及び誤推定検出器6の機能とそれぞれ同様である。また、減算モジュール54を実行させることにより実現される機能は、上記のスイッチ回路8及び減算器9の機能と同様である。
なお、ハウリング抑制プログラム51は、その一部若しくは全部が、通信回線等の伝送媒体を介して伝送されて他の機器によって記録(インストールを含む)される構成としてもよい。
以上、本実施形態によれば、ハウリングが検出された場合(S15でYes)、インパルス応答の推定値x^k+1が求められる(S38)。そして、次の時間ステップにおいて、求められた推定値x^に基づいて擬似エコーz^が算出され(S13)、算出された擬似エコーz^が出力信号yから減算される(S34)。
このように、出力信号yから擬似エコーz^を減算することにより、以下の効果を奏する。すなわち、スピーカ11からマイクロホン12への音の回り込みを打ち消し、ハウリングの発生を事前に阻止することができる。よって、ハウリングの抑制に際し、周波数成分の低減を必要としない。さらに、例えば、音響機器10にて取り扱う信号をアナログ/デジタルの何れとしても、通常のハウリング抑制装置に比べ、かかる信号に歪が増加するのを抑制することができる。これらにより、音質の劣化を抑制することができる。
ここで、この擬似エコーz^は、上述したように、ハウリングが検出された場合において、スピーカ11とマイクロホン12との間のインパルス応答の推定値x^が求められて算出される。よって、環境変化によりハウリングが突発的に新たに発生したときであっても、このときのインパルス応答の推定値x^が求められ擬似エコーz^が算出され、当該擬似エコーz^が出力信号yから減算されて、ハウリングが速やかに抑制される。これにより、新たなハウリングの発生時に、マイクロホン12の音量を調整したり、マイクロホン12の位置を移動したり等の調整を不要にできる。そのため、専任の音響オペレータを待機させたり、話者がハウリングに注意しながら話したりする必要性を低減することができる。その結果、環境変化によらずに簡易且つ自動的にハウリングを抑制することが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、各検出器3〜7で適切に制御された適応フィルタ2によって、スピーカ11及びマイクロホン12間の音響経路を瞬時に同定して速やかに回り込みを断つことができる。よって、いかなる環境下においても、音質の劣化を伴うことなく好適にハウリングを抑制、ひいては消去することが可能となる。従って、あらゆる環境下において、音質の低下を防止しつつ、時々刻々変化するハウリングの周波数帯域に対応させて当該ハウリングを速やかに抑制、ひいては消去することができる。その結果、快適な拡声性能を確保することが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、インパルス応答の推定値x^を求めるに際し、高速Hフィルタ、J−高速Hフィルタ又はP−高速Hフィルタが用いられている。そのため、かかる推定において処理の収束性を速めることができ、ハウリングを速やかに抑制することが可能となる。ちなみに、従来、ハウリング抑制時間に5〜6秒を要していたが、本実施形態では、約0.2秒程度で確実にハウリングを抑制可能となっている。
また、本実施形態では、上述したように、ハウリングの有無の検出が、入力信号uのスペクトル形状に基づいて行われる。よって、ハウリングのスペクトル形状の特有な特徴を利用することができる。その結果、ハウリングの有無を好適に検出することが可能となる。
ここで、通常、「同定」は、対象となる未知システムへの入力と、未知システムからの出力と、が揃って得られるときに精度よく行うことができる。しかし、トーク音は未知システムである音響経路からの出力ではないため、トーク音の検出時に音響経路の同定を行うと、かかる同定の精度が低下するおそれがある。この点、本実施形態では、上述したように、トーク音が検出されない場合に(S33でYes)、インパルス応答の推定値x^が求められる。よって、音響経路の同定を精度よく行うことが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、スピーカ11からの出力音が検出された場合に(S36でYes)、インパルス応答の推定値x^が求められる。これにより、音響経路の同定を精度よく行うことが可能となる。これは、前述のように、スピーカからの出力音(未知システムへの入力)が検出されたときに、音響経路(未知システム)の同定を行うことが好ましいためである。
また、本実施形態では、上述したように、エコーが検出されない場合(S42でYes)、flagが0とされて(S43)、擬似エコーz^を出力信号yから減算するのが停止される(S14でNo)。よって、ハウリングの発生自体が無くなったとき、ハウリングの抑制を速やかに停止することができる。そして、その後速やかに、新たなハウリングの検出待ち状態へ移行される(S15)。つまり、例えばマイクロホン12やスピーカ11の位置を移動することでハウリングが発生しなくなった場合等に、好適に対応することが可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、擬似エコーz^の誤りが検出された場合に(S32でYes)、擬似エコーz^が修正される(S39)。よって、ハウリング抑制の信頼性を高めることができる。
また、本実施形態の各検出器4〜7のそれぞれにおいては、上述したように、待ちステップ定数Nだけ待った後(S31,S41)、時間平均パワーσ *|kが利用されて各事象の有無が検出される。よって、時間平均パワーσ *|kの利用に伴う遅延によっての悪影響を抑制することができる。その結果、時間平均パワーσ *|kの信頼性を高めて誤検出を防止でき、ハウリング抑制性能の信頼性を向上することができる。
ところで、グラフィックイコライザやディジタルプロセッサ等を用いた従来のハウリング抑制装置では、その設定に音響知識が必要とされるため、通常、一般ユーザが設定を行うのは困難とされている。また、かかる設定が正確になされておらず、ハウリング抑制の効果が充分に得られていないという実情がある。この点、本実施形態では、上記のように、簡易且つ自動的にハウリングが抑制されることから、本実施形態は、特に有効なものであるといえる。
また、従来のハウリング抑制装置では、出力信号yと音楽信号mとの双方に対してハウリングの抑制処理が施されるのが一般的であることから、ハウリングの原因ではない音楽系の音の周波数成分までカットされる場合がある。これに対し、本実施形態では、上述したように、擬似エコーz^が出力信号yのみから減算されてハウリングが抑制される。よって、音質の低下を一層防止することができる。
ここで、説明したハウリングキャンセラ1に関し、残留エコーy をサンプリングしてハウリング抑制性能を評価した。スピーカ11からは音楽が常に出力されている状態とし、サンプリングレートは8[kHz]とした。その結果を図7に示す。
図7に示すように、時間ステップk=0.5×10[step](1[step]=1/8000[s])頃からハウリングが突如発生したが、そのハウリングがk=0.7×10[step]頃には抑制され消去されている。これにより、上記効果、すなわち、あらゆる環境下においてハウリングを速やかに抑制するという効果を確認することができた。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態は、スピーカ11及びマイクロホン12がそれぞれ1つ設けられた音響装置10に搭載されているが、スピーカ及びマイクロホンの少なくとも一方が複数設けられた音響機器に搭載されていてもよい。また、上記実施形態では、入力信号uのスペクトル形状に基づいてハウリングの有無を検出したが、出力信号yのスペクトル形状に基づいて検出してもよい。
なお、実装に際して適応フィルタの入力をダウンサンプリングし、出力をアップサンプリングしてもよい。また、上記の条件式(7)〜(11)、閾値θ、忘却定数λ*,λ 、待ちステップ定数Nの値は、限定されるものではない。これらの値を、音楽信号mの入力の有無等により変更してもよく、音響機器10の設定状況に応じて適宜設定してもよい。これらの値を所望に設定することで、本発明の適用範囲を拡大することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るハウリングキャンセラの概略構成を示すブロック図である。 図1のハウリングキャンセラのハウリング検出器における処理のフローを示すフローチャートである。 図1のハウリングキャンセラにおける処理のフローを示すフローチャートである。 図3の続きを示すフローチャートである。 図4の続きを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るハウリング抑制プログラムの構成を示す概略図である。 図1のハウリングキャンセラにおける評価の際のサンプリング結果を示す図である。 (a)はハウリングの原理を説明するための図、(b)は従来のハウリング抑制装置による周波数性能を示すグラフである。
符号の説明
1…ハウリングキャンセラ(ハウリング抑制装置)、2…適応フィルタ(算出部)、3…ハウリング検出器(ハウリング検出部)、4…入力音検出器(入力音検出部)、5…出力音検出器(出力音検出部)、6…誤推定検出器(誤推定検出部)、7…エコー検出器(エコー検出部)、8…スイッチ回路(減算部)、9…減算器(減算部)、10…音響機器、11…スピーカ、12…マイクロホン、51…ハウリング抑制プログラム。

Claims (16)

  1. スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制装置であって、
    前記ハウリングの有無を検出するハウリング検出部と、
    前記ハウリング検出部でハウリングが検出された場合、前記スピーカと前記マイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する算出部と、
    前記算出部で算出された前記エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算する減算部と、
    エコーの有無を検出するエコー検出部と、を備え
    前記減算部は、前記エコー検出部で前記エコーが検出されない場合、前記エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、
    前記エコー検出部は、前記エコー推定値の時間平均パワーに基づいて前記エコーの有無を検出すること、を特徴とするハウリング抑制装置。
  2. 前記算出部は、高速H∞フィルタ、J−高速H∞フィルタ又はP−高速H∞フィルタの何れかを用いて前記音響経路を同定すること、を特徴とする請求項1記載のハウリング抑制装置。
  3. 前記ハウリング検出部は、前記スピーカへの入力信号又は前記マイクロホンの出力信号のスペクトル形状に基づいて、前記ハウリングの有無を検出すること、を特徴とする請求項1又は2記載のハウリング抑制装置。
  4. 前記マイクロホンからの話者による入力音の有無を検出する入力音検出部を、備え、
    前記算出部は、前記入力音検出部で前記入力音が検出されない場合に前記音響経路を同定すること、を特徴とする請求項1〜3の何れか一項記載のハウリング抑制装置。
  5. 前記入力音検出部は、前記マイクロホンの出力信号の時間平均パワーと、前記エコー推定値の時間平均パワー若しくは残留エコーの時間平均パワーと、に基づいて前記入力音の有無を検出すること、を特徴とする請求項4記載のハウリング抑制装置。
  6. 前記スピーカからの出力音の有無を検出する出力音検出部と、を備え、
    前記算出部は、前記出力音検出部で前記出力音が検出された場合に前記音響経路を同定すること、を特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載のハウリング抑制装置。
  7. 前記出力音検出部は、前記スピーカへの入力信号の時間平均パワーに基づいて前記出力音の有無を検出すること、を特徴とする請求項6記載のハウリング抑制装置。
  8. 前記エコー推定値の誤りの有無を検出する誤推定検出部を備え、
    前記算出部は、前記誤推定検出部で前記エコー推定値の誤りが検出された場合、前記エコー推定値を修正すること、を特徴とする請求項1〜の何れか一項記載のハウリング抑制装置。
  9. 前記誤推定検出部は、前記マイクロホンの出力信号の時間平均パワーと前記エコー推定値の時間平均パワーとに基づいて、前記エコー推定値の誤りの有無を検出すること、を特徴とする請求項記載のハウリング抑制装置。
  10. スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制方法であって、
    前記ハウリングの有無を検出する第1ステップと、
    前記第1ステップで前記ハウリングが検出された場合、前記スピーカと前記マイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する第2ステップと、
    前記第2ステップで前記エコー推定値を算出した後、当該エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算する第3ステップと、
    エコーの有無を検出する第6ステップと、を含み、
    前記第3ステップにおいては、前記第6ステップで前記エコーが検出されない場合、前記エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、
    前記第6ステップにおいては、前記エコー推定値の時間平均パワーに基づいて前記エコーの有無を検出すること、を特徴とするハウリング抑制方法。
  11. 前記第2ステップにおける前記音響経路の同定は、高速H∞フィルタ、J−高速H∞フィルタ又はP−高速H∞フィルタの何れかを用いて行われること、を特徴とする請求項1記載のハウリング抑制方法。
  12. 前記第1ステップにおける前記ハウリングの有無の検出は、前記スピーカへの入力信号又は前記マイクロホンの出力信号のスペクトル形状に基づいて行われること、を特徴とする請求項1又は1記載のハウリング抑制方法。
  13. 前記マイクロホンからの話者による入力音の有無を検出する第4ステップを含み、
    前記第2ステップにおける前記音響経路の同定は、前記第4ステップで前記入力音が検出されない場合に行われること、を特徴とする請求項1〜1の何れか一項記載のハウリング抑制方法。
  14. 前記スピーカからの出力音の有無を検出する第5ステップを含み、
    前記第2ステップにおける前記音響経路の同定は、前記第5ステップで前記出力音が検出された場合に行われること、を特徴とする請求項1〜1の何れか一項記載のハウリング抑制方法。
  15. 前記エコー推定値の誤りの有無を検出する第7ステップを含み、
    前記第2ステップにおいては、前記第7ステップで前記エコー推定値の誤りが検出された場合、算出した前記エコー推定値を修正すること、を特徴とする請求項1〜1の何れか一項記載のハウリング抑制方法。
  16. スピーカ及びマイクロホンを具備する音響機器においてハウリングを抑制するためのハウリング抑制プログラムであって、
    前記ハウリングの有無を検出する機能と、
    前記ハウリングが検出された場合、前記スピーカと前記マイクロホンとの間の音響経路を同定してエコー推定値を算出する機能と、
    前記エコー推定値を算出した後、当該エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算する機能と、
    エコーの有無を検出する機能と、をコンピュータに実行させ
    前記エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算する機能は、前記エコーの有無を検出する機能で前記エコーが検出されない場合、前記エコー推定値を前記マイクロホンの出力信号から減算するのを停止し、
    前記エコーの有無を検出する機能は、前記エコー推定値の時間平均パワーに基づいて前記エコーの有無を検出すること、を特徴とするハウリング抑制プログラム。
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