JP5232475B2 - シールを設けたパイプのねじ付き継手 - Google Patents

Description

本発明はパイプ（ｐｉｐｅ）用継手に、特に、シール（ｓｅａｌ）装置を備えた流体、例えばオイル（ｏｉｌ）又はガス（ｇａｓ）、の採取／注入に用いられるパイプ用継手に関する。

天然ガス及びオイルの採取産業では、事前決定された長さのパイプ・セグメント（ｓｅｇｍｅｎｔｓ）を用いて、炭化水素の貯槽に一般的に見られるかなりの深さに達する端部で相互に接続しなければならない。掘削の間、井戸はその全長を通じて金属パイプを並べる。金属パイプのセグメントは一般的に約１０メートルくらいで、ねじ付き継手によりお互いにねじ止めされる。井戸の深さ全体をカバーするために、多くのストリング（ｓｔｒｉｎｇ）も用いられているが、機械的抵抗及び地層の地質学的特性で接続されたという理由で、「顕微鏡」タイプの構造を作るようにストリングにより達する深さが大きいと直径が小さくなる。

掘削が完了すると、他の筒状のストリングが上記のように裏張りした井戸の中に挿入される。前記ストリングはガス又はオイルを地下貯槽の外側に向けて運び出すのに役立つ。このストリングは井戸の深さを通じて配置され、それゆえ、ある場合には、数千メートルの長さに達する。

両方の場合に、パイプ・セグメントはねじ付き継手によりお互いに結合されて、一体にしうる。即ち、ねじ付きパイプの一端が雄ねじで、他端が雌ねじで、又は、スリーブ（ｓｌｅｅｖｅ）形状で、ねじ付きパイプの両端が雄ねじで、かつ、両端を雌ねじ付きスリーブにより結合される。通常、継手が存在すると、継手自体でのストリングの外径を増し、配管と穴の全体的外形寸法を大きくし、パイプに対する継手の外径を大きくする。

ストリングの外径を制限し、結果として掘削費用、及び、組み込める材料を制限するために、外径を低減したねじ付き継手が製造される。それらは必要な機能及び最大外形寸法に基づいて便宜上３タイプ（ｔｙｐｅ）に分類される。第一のタイプは多くの場合セミ・フラッシュ（ｓｅｍｉ−ｆｌｕｓｈ）として知られていて、スリーブ・タイプの継手である。その外径はパイプの外径を６％以内で超えている。第二のタイプは一般的にニア・フラッシュ（ｎｅａｒ−ｆｌｕｓｈ）として知られている。その外径はパイプの外径よりも２−３％超える。最後のタイプはフラッシュとして知られる一体継手である。その外径は継手の領域でパイプの外径と等しい。種々のタイプの継手の選択は筒状ストリングが耐える必要がある荷重、その内部及び（又は）外部に作用する圧力、その長さ及び井戸の直径に対して許される最大外径に基づいて行われる。

これらのねじ付き継手のシールの問題が特に重要である。現在、１タイプのシールが、雄ねじと雌ねじのパイプの２面の表面セクションの間の接触により作られる。その面はパイプの作動状態に適当な圧力により直接の金属接触を維持される。

これらの継手では、シール面の形成中に生じた接触圧力が、継手に作用する組合わせ応力の結果として２個の金属リップ（ｌｉｐｓ）の全領域で剥離するのを防ぐために十分であれば、雄と雌の部材の間のシールが保証されている。種々のタイプの応力には、主として、パイプの外側に存在する及び（又は）内部と循環する流体の圧力が含まれる。それが他の荷重、例えば、軸方向の引張り又は圧縮の荷重及び屈曲の荷重に加わる。彼らが雄及び雌の部材を分離する傾向があり、シール面の間の接触を無くし、それゆえ、気密性に影響を与え、又は、破壊したとき、前記荷重の結果は特に否定的になり、パイプに漏洩を生じる。

それゆえ、パイプを作っている材料、２部材の剛性を考慮して、又、結局の所、作用状態で適当な金属と金属の接触圧を維持するために、雄と雌の部材間での円形接触に基づいて、シール面は適当な寸法にしなければならない。

そうではあるが、継手の金属対金属の接触が行われるタイプのシール面の設計で生じる問題は、接触圧力の制限を超えないことである。事実、過大な干渉の場合、両部材の組立を完了する前に継手の両方のシール面の低温溶接又は拘束を生じる可能性がある。しかしながら、他方で、前記の接触量が不十分なままであると、高い圧力を受けたときに、継手の密封性に影響を生じうる。

公知の継手の第一の例は、特許文献１に記載されている。特許文献１では、継手には雄の部材の端部に延長部が設けられていて、円錐面により作られるシールと組合わせて用いられる。前記の面では、他のタイプの金属対金属のシールを特徴とする急激な拘束の問題を持たない。公知の継手の第二の例は、特許文献２に記載されたもので、金属対金属の接触面タイプの外部シールが示されている。この場合、２部材の組立中に直径の干渉が雌の部材の表面に通常の圧力を生じることがあり、その端部は外に向って半径方向に拡大する傾向がある。前記拡大は高い引張り荷重が生じた場合、顕著になることがあり、シール面の領域で金属の塑性変形を生じることがある。この場合、雌の部材の弾性限界を超えた後で、変形が蓄積して、内径を大きくし、干渉を低減し、結果として、継手のシール能力を低減させることがある。それゆえ、シールの効果は、特にこの現象に依存し、特に、パイプは特別な高い内圧を受けると、外圧を耐えるのには適当でなくなるかも知れない。それゆえ、これはパイプ内の漏洩を生じることがあり、減耗の可能性がある。それ故に、特にパイプが地下に配置された後での破壊は、作業者が破壊した継手に直接関与するのを実質的に不可能にして、掘削プラント（ｐｌａｎｔ）が重大な財政的結果を生じることに加えて、特に貯留槽に積極的要素が含まれる場合に、環境破壊へのかなりの影響を生じうる。

上記欠陥を避けるために最新の技術が提案している第一の解決策は、剛性を高めるように、パイプ壁を厚くすることである。

代わりの解決策はより適当な機械的特性を有する材料から成っているパイプを製造することである。しかしながら、両方の解決策が生産コストがかなり増加する。

それゆえ、上記の欠陥を全て克服し、同時に生産コストを制限する革新的継手を生産することが必要である。

米国特許第ＵＳ４，７９５，２００号明細書 欧州特許第ＥＰ−Ａ−１３０１７８号明細書

本発明の主要な目的は、材料が、特に、継手領域に比較的ファイン（ｆｉｎｅ）な管壁を有するフラッシュ（ｆｌｕｓｈ）又は近似フラッシュ・タイプの一体継手の場合に、適当な剛性を維持し、改良されたシールを設けたパイプ用ねじ付き継手を生産することである。

別の目標は高荷重に対する、特に圧縮荷重に対する継手の構造的抵抗を改善すること、前記特性がシール機能に影響しないようにすることである。

それゆえ、本発明は、パイプ用ねじ付き継手を生産すること、請求項１に基づいて第一及び第二のパイプ・セグメントを有する長軸を定義すること、その第一のセグメントが継手の雄の部材を形成すること、その第二のセグメントが継手の雌の部材を形成すること、その場合、第一のセグメントは一端に雄ねじを設けていること、及び、第二のセグメントは雄ねじにねじ込んで継手を形成するように設計された雌ねじを設けていること、その場合、その第一のセグメントには第一のシール面を設け、第二のセグメントには、雌ねじの一端とパイプの第二のセグメントの最寄りの端部の間に位置した第二のシール面を設けていて、その第一及び第二のシール面がパイプの第一及び第二のセグメントの材料の変形によって、少なくともねじ位置の端部で相互の干渉を生じるような寸法を有すること、それゆえ、金属対金属のタイプの継手のシール（ｓｅａｌ）となること、その継手の特徴として、補強セクション（ｓｅｃｔｉｏｎ）がパイプの第二のセグメントの端部に位置していて、その雌ねじを越えて突出し、その補強セクションが、そのポイント（ｐｏｉｎｔ）全部で、パイプの第一のセグメントの公称外径より大きな内径を有していて、補強セクションの全長を通じてパイプの第一及び第二のセグメントの間で接触しないようにする。

有利なように、本発明の対象となる継手のシール装置を適切な寸法にすることにより、ときどき矛盾する種々のニーズ（ｎｅｅｄｓ）間で正しいバランスをとることにより優れた効率を実現できる。ニーズは、全体寸法を最小限にすること、構造上の抵抗を最大にすること、パイプを出入りする流体の流出・流入を防止するシール機能を、継手が多数回組立・分解された後でも実現できることである。

さらに、本発明のシール面を有する継手のために選ばれた寸法は軸方向と半径方向の両方に対する荷重への抵抗を考慮して、良い妥協をすることができる。

従属請求項は本発明の継手の好ましい実施例を示している。

本発明の別の特徴と利点は、添付図面の助けを受けて、非限定的例により示されたパイプ用ねじ付き継手の好ましいが排他的でない実施例の詳細説明により明らかとなる。

図面を参照すると、ねじ付き継手は２部材から成っている。そのパイプのセグメントの一方は雄の部材１又は「ピン（ｐｉｎ）」であり、他は雌の部材又は「ボックス（ｂｏｘ）」である。継手は例えば天然ガス又は原油又は他の類似の流体が流れる内部１０と、一般的に圧力を受け、又は、静的荷重のみを生じる流体又は種々の性質の他の液体で包まれることもありうる外部２０を形成している。

ねじ付き継手は外部にシールのため有利に設けられていて、２個の金属面の円周セクションの干渉により、ピン１とボックス２の交互形成の間に締め付けが行われる。

雌の部材２で、円周セクション又はシール面４が、シール装置の形成に寄与して、パイプ壁の内側になり、適当な寸法で、雌ねじ７の最初のセクションから事前設定された距離に配置される。

シール面４又は単純にシールが実質的に球形又はトロイダル（ｔｏｒｏｉｄａｌ）である。さらに、雌の部材２には延長部が適切に設けられ、補強セクション５も形成される。補強セクション５は雌ねじ７とシール面４を越えて伸びている。前記延長部の一特徴は、両部材、雄部材１と雌の部材２の組立を完了した後で、雄の部材１と接触するポイント又は面を有さないような寸法にする。それゆえ、この補強セクション５が雄の部材１による接触張力を直接は受けない。

ピンとボックスの組立中に雌の部材のシール面４と雄の部材１の面との間の干渉により、設計段階にほぼ定義され、雌の部材２のシール面４に作用する半径方向の力を生じて、雌の部材の直径の増大に変換される。一方、雄の部材１は収縮を生じる。しかし、パイプの壁が薄いほど、前記の雄の部材の変形が大きくなる。結果として、雄の部材が非常に限定された程度で縮小する。一方、雌の部材は有意に拡張する。パイプを作っている金属の連続性により、シール面４の領域の変形は補強セクション５に伝達される。そして、シール４からの距離が増すと共に、力の低減を生じて、事前設定された長さの後で、補強セクション５が変形を生ぜず公称寸法を維持する。言い換えると、補強セクション５はシール上で弾性締付けバンド（ｂａｎｄ）のような挙動をする。

この補強セクション５の後方部分は、パイプ金属の弾性領域内のスプリング・リング（ｓｐｒｉｎｇ ｒｉｎｇ）として機能して、多くの組立とねじ外しの操作をした後でも、又、種々の荷重サイクル（ｃｙｃｌｅ）の後でも有効性を維持し、２個の部材１及び２の接続面の間の接触圧力を高め、雌の部材２のシール面４と雄の部材１の対応する面の間で高い干渉値を用いるのを避けるのにも貢献する。事実、過度の干渉値は、組立中の継手の擦り傷を又、種々の荷重条件で継手の最適シールを確保できなくする他の問題を生じることがある。

本発明に基づき、シール効果を備えた継手寸法の最適化が、継手の種々のパラメーター（ｐａｒａｍｅｔｅｒ）間の適当な数学的関連性に形成される。前記の寸法を用いて、継手の全部分がパイプ材料の接触圧の限界を下回り、擦り傷の可能性が低減する。

この方法で、補強セクション５の壁厚Ｔは、パイプ・ボディのレベル（ｐｉｐｅ ｂｏｄｙ ｌｅｖｅｌ）での公称壁厚に相当する値ｗｔの１０％から３０％の間の値を有する。それゆえ、
０．１ｗｔ＝Ｔ＝０．３ｗｔ
一方、補強セクション５の長さは以下の間隔内にある。
５（ｌｎ（ｗｔ）／ＯＤ^0.125）＝Ｌ＝２０（ｌｎ（ｗｔ）／ＯＤ^0.125）
ここで、ＯＤはパイプの公称外径である。前の式の全てのパラメーターをミリメートルで表示している。

以下の表は、最も一般的な市販パイプの公称寸法に対する補強セクション５の長さＬ及び厚みＴの最大値と最小値を示す。

有利なことに、本発明の継手の補強セクション５の長さは約６ｍｍから２６．５ｍｍの間にあり、厚みは約１ｍｍから４．５ｍｍの間で、ねじ７の出発点とシール面４の間の距離はねじピッチ（ｐｉｔｃｈ）の値の０．５倍から５倍の範囲内にある。

継手の外形に配慮すると、円錐形又は円筒形としうる。別の利点は、本発明の継手が、かなり厚みを低減した端部を持つ雌の部材ないしボックスを有している。その端部はパイプの利用できる全厚みの約２５％であるという事実である。これにより、部材１及び２の間の肩部の面６’及び６”が、パイプの長軸に実質的に直交した平面上に作られる。寸法が大きければ、パイプの全厚みの約２５％になる。前記肩部の面、又は、単純な肩部が部材１及び２の中間位置に又は前記ねじの一端に交互に配置しうる。

ねじの中間にある肩部を継手に用いた本発明に基づく解決策を、常に同じ領域に肩部を設けたタイプの公知の継手と比較すると、後者では、雌の部材の端部は一般にパイプの利用可能な全厚みの約４０％であり、事前決定された外径及びはめ込み直径により制限されることが見られる。一方、２部材間の肩部は約１０％にしかならない。前記肩部は軸方向の圧縮荷重に耐えるための主要面になっていて、本発明に基づく継手が耐えることができるものより低い荷重でパイプが破壊するので、パイプの使用で生じる高い圧縮荷重に耐えるのには、本発明に基づく解決策と比較して適当ではない。

本発明のこの好ましい実施例はニア・フラッシュ・タイプ（ｎｅａｒ−ｆｌｕｓｈ ｔｙｐｅ）の一体継手に関しているが、同じ発明の概念は他の種々のタイプの継手に適用しうる。

本発明の特に有利な適用は、長いねじ部、小さな傾斜とシール面の近くではないが、それから適当な距離で、ねじ端部をストップ（ｓｔｏｐ）させるための肩部を設けた継手の場合に得られる。

それゆえ、雌の部材２のこの寸法で、部材２の剛性を高めること、最適なシールを保証すること、同時に継手の軸方向効率を高めることが可能である。

有利なことに、シール面４のトロイダル形状が、２部材１、２の間での接触維持を容易にしている。

上記の説明で、雌の部材ないしボックス２が最も薄い部材と見られている。雄の部材ないしピン１が最も薄い部材である場合にも適用しうる。

本発明に基づいていて、長軸を通過する面に沿っている継手の断面を示す。 図１の継手断面の文字Ａで示した領域を拡大して示す。

Claims (9)

1. 第一及び第二のパイプ・セグメントから成り、長軸を形成しているねじ付き継手であって、
   該第一のパイプ・セグメントは該継手の雄の部材（１）を形成し、
   該第二のパイプ・セグメントは該継手の雌の部材（２）を形成し、
   該第一のパイプ・セグメント（１）には少なくとも１個の雄ねじが一端に設けられ、又、該継手を構成するために、該第二のパイプ・セグメント（２）には雄ねじをねじ込むのに適合している少なくとも１個の雌ねじ（７）が設けられ、
   該第一セグメント（１）上に第一のシール面が、又、雌ねじの一端と第二のパイプ・セグメントの最先端の間に配置された該第二セグメント（２）上に第二のシール面（４）が設けられ、
   該第一及び第二（４）のシール面が、前記第一及び第二のパイプ・セグメントの材料の変形により相互の干渉を生じるような寸法を、少なくとも組立位置の端部に有することにより、金属対金属のタイプの継手シールを構成し、
   該第二のシール面（４）と該第二のパイプ・セグメントの最先端の間に位置し、及び、内径が全ての点で前記第一のパイプ・セグメントの公称外径より大きい、補強セクション（５）が設けられ、
   該補強セクション（５）が以下の式により与えられる軸方向の最小長さL_minimumを有することを特徴とする前記継手であって、
   Ｌ_minimum＝５（ｌｎ（ｗｔ）／ＯＤ^0.125）
   ここで、ＯＤは前記第一及び第二のパイプ・セグメントの公称外径であり、又、ｗｔは前記第一及び第二のパイプ・セグメントの公称壁厚であり、前記補強セクション（５）の全長に亘って第一及び第二のパイプ・セグメントの間で接触を生じないようにしていること、
   を特徴とするねじ付き継手。
2. 前記補強セクション（５）が以下の式により与えられる壁厚Ｔを有することを特徴とする請求項１に記載された継手。
   ０．１ｗｔ≦Ｔ≦０．３ｗｔ
3. 前記補強セクション（５）が以下の式により与えられる軸の長さＬを有することを特徴とする請求項２に記載された継手。
   Ｌ≦２０（ｌｎ（ｗｔ）／ＯＤ^0.125）
4. 前記軸の長さＬが６ｍｍから２６．５ｍｍの間であることを特徴とする請求項３に記載された継手。
5. 前記雌ねじ（７）の出発点と前記第二のシール面（４）の間の距離がねじピッチの値の０．５倍から５倍の間であることを特徴とする請求項４に記載された継手。
6. 前記第一のパイプ・セグメント（１）上で少なくとも1個所の第一の肩部の面（６'）及び、前記第二のパイプ・セグメント（２）上で第一の面を補完する形状を有する少なくとも１個所の第二の肩部の面（６"）を設け、該第一及び第二の肩部の面がねじ付き継手の組立位置の端部を形成し、該第一及び第二の肩部の面（６'、６"）は、雄ねじ及び雌ねじの中間位置に配置されることを特徴とする請求項５に記載された継手。
7. 前記第一のパイプ・セグメント（１）上で少なくとも1個所の第一の肩部の面（６'）及び、前記第二のパイプ・セグメント（２）上で第一の面を補完する形状を有する少なくとも１個所の第二の肩部の面（６"）を設け、該第一及び第二の肩部の面がねじ付き継手のねじ込み位置の端部を形成し、該第一及び第二の肩部の面（６'、６"）は、雄ねじ及び雌ねじの対応する端部に配置されることを特徴とする請求項５に記載された継手。
8. 継手のねじが、継手の軸を通る断面内で先細形を有する請求項６又は７に記載された継手。
9. 継手のねじが、継手の軸を通る断面内で円筒形を有する請求項６又は７に記載された継手。

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