JP5232443B2 - インクジェット記録用水系インク - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用水分散体、及びそれを含有する水系インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録部材として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しい。
特許文献1には、自己分散性顔料、水溶性有機溶剤、界面活性剤、平均粒径0.5μm以下の内部3次元架橋した有機超微粒子及び水を含むインク滴を用いるインクジェット記録方法において、インク液滴の被記録材の単位面積当たりの付着量が5〜40g/m2となる条件で記録を行なうインクジェット記録方法が開示されており、レドックス重合開始剤を用いた有機超微粒子が記載されている。
特許文献2には、(A)顔料と(B)芳香族基含有モノマーを25〜85重量%含有するエチレン性不飽和モノマーとを、反応性界面活性剤の存在下で重合してなる水不溶性ポリマー粒子を含有するインクジェット記録用水分散体が開示されている。
しかしながら、上記の顔料分散液又は水系インクは、吐出性において満足できるものではない。
特開2004−195706号公報 特開2006−283004号公報
本発明は、印字濃度、吐出性に優れたインクジェット記録用水系インク、及びそれに含有される水分散体を提供することを課題とする。
本発明者等は、インクジェット印刷時の吐出不良の原因となるプリンターノズル付近の固着物が、使用するポリマー粒子製造時の副生物により促進されることを発見し、使用するポリマー粒子が、芳香族基含有モノマー25〜99重量%を含むモノマー混合物をレドックス重合開始剤を用いて重合して得られたものであって、特定の粘度特性を有するポリマー粒子と自己分散型顔料とを用いることにより、濾過性、印字濃度、吐出性を向上しうることを見出した。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(2)を提供する。
(1)顔料及びポリマー粒子を含有する水分散体であって、該ポリマー粒子が、芳香族基含有モノマー25〜99重量%を含むモノマー混合物を、レドックス重合開始剤を用いて重合して得られたものであって、該ポリマー粒子を含むエマルジョン(固形分40重量%)の粘度(E型粘度計を用いて25℃で測定)が1〜80mPa・sである、インクジェット記録用水分散体。
(2)前記(1)の水分散体を含有するインクジェット記録用水系インク。
本発明のインクジェット記録用水分散体を含有する水系インクは、インク調製時の濾過性に優れ、印字濃度及びインク吐出性に優れている。
本発明のインクジェット記録用水分散体は、顔料及びポリマー粒子を含有する水分散体であって、該ポリマー粒子が、芳香族基含有モノマー25〜99重量%を含むモノマー混合物を、レドックス重合開始剤を用いて重合して得られたものであって、該ポリマー粒子を含むエマルジョン(固形分40重量%)の粘度(E型粘度計を用いて25℃で測定)が1〜80mPa・sであることを特徴とする。
以下、本発明に用いられる各成分について説明する。
〔顔料〕
本発明の水分散体に用いられる顔料は、耐水性、及び近年要求が強い高耐候性等を発現させるため用いられる。
顔料は、カーボンブラック及び有機顔料のいずれであってもよい。
カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
色相は特に限定されず、赤色有機顔料、黄色有機顔料、青色有機顔料、オレンジ有機顔料、グリーンオレンジ有機顔料等の有彩色顔料をいずれも用いることができる。
好ましい有機顔料の具体例としては、C.I.ピグメント・イエロー、C.I.ピグメント・レッド、C.I.ピグメント・バイオレット、C.I.ピグメント・ブルー、及びC.I.ピグメント・グリーンからなる群から選ばれる1種以上の各品番製品が挙げられる。
顔料の中でも、印字濃度、吐出性の観点から、自己分散型顔料が好ましい。自己分散型顔料とは、親水性官能基(アニオン性親水基又はカチオン性親水基)の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。ここで、他の原子団としては、炭素原子数1〜24、好ましくは炭素原子数1〜12のアルカンジイル基、置換基を有してもよいフェニレン基又は置換基を有してもよいナフチレン基が挙げられる。なお、親水性官能基は、本発明の目的を阻害しない限り複数存在していてもよく、それらは同一でも異なっていてもよい。
アニオン性親水基としては、顔料粒子を水系媒体に安定に分散しうる程度に十分に親水性が高いものであれば、任意のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(−SO31)、リン酸基(−PO31 2)、−SO2NH2、−SO2NHCOR1、又はそれらの解離したイオン形(−COO-、−SO3 -、−PO3 2-、−PO3 -1)等の酸性基が挙げられる。
上記化学式中、M1は、同一でも異なってもよく、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;モノメチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基;モノエチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基;モノメタノールアンモニウム基、ジメタノールアンモニウム基、トリメタノールアンモニウム基等の有機アンモニウムである。
1は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基である。
一方、カチオン性親水基としては、アンモニウム基、アミノ基等が挙げられる。これらの中でも第4級アンモニウム基が好ましい。
これらの親水性官能基の中では、インク中の他の配合物との混合性の観点からアニオン性親水基が好ましく、吐出性を向上させる観点から、特にカルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(−SO31)が好ましい。
自己分散型顔料に用いられる顔料としては特に制限はなく、前記のカーボンブラック及び有機顔料が挙げられる。
顔料を自己分散型顔料とするには、上記の親水性官能基の必要量を、顔料表面に化学結合させればよい。そのような方法としては、任意の公知の方法を用いることができる。例えば、米国特許第5571311号明細書、同第5630868号明細書、同第5707432号明細書、J.E.Johnson,Imaging Science and Technology's50th Annual Coference(1997)、Yuan Yu, Imaging Science and Technology's 53th Annual Conference(2000)、ポリファイル,1248(1996)等に記載されている方法が挙げられる。
より具体的には、硝酸、硫酸、過硫酸、ペルオキソ二硫酸、次亜塩素酸、クロム酸のような酸化性を有する酸類及びそれらの塩等あるいは過酸化水素、窒素酸化物、オゾン等の酸化剤によってカルボキシ基を導入する方法、過硫酸化合物の熱分解によってスルホン基を導入する方法、カルボキシ基、スルホン基、アミノ基等を有するジアゾニウム塩化合物によって上記の親水性官能基を導入する方法等があるが、これらの中では、印字濃度の観点から前記酸化性を有する酸類による液相酸化の方法が好ましい。
親水性官能基の量は特に限定されないが、分散安定性及び印字濃度の観点から、自己分散型顔料1g当たり50〜5,000μmol/gが好ましく、100〜3,000μmol/gがより好ましい。親水性官能基がカルボキシ基の場合は、自己分散型顔料1g当たり好ましくは200〜750μmol/g、より好ましくは200〜700μmol/g、更に好ましくは300〜700μmol/gである。
アニオン性親水基の量は、NaOHやKOH等の強アルカリと反応した量として測定することができ、例えば、京都電子工業株式会社製、電位差自動滴定装置、AT−610を用いて測定することができる。また、カチオン性親水基の量は、アニオン性親水性官能基とは逆に、過剰量の0.01N−HClを添加した後、0.01N−NaOHで同様に中和することで求めることができる。
水分散体及び水系インク中、自己分散型顔料の平均粒子径は、該分散体及び水系インクの安定性の観点から、50〜300nmが好ましく、60〜200nmがより好ましい。なお、平均粒子径の測定は、実施例記載の方法による。
アニオン性自己分散型顔料(カーボンブラック)の市販品としては、CAB−O−JET 200、同300(キャボット社製)やBONJET CW−1、同CW−2(オリヱント化学工業株式会社製)、東海カーボン株式会社のAqua−Black 162(カルボキシル基として約800μmol/g)等が挙げられる。
上記の顔料は、単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。
〔ポリマー粒子〕
本発明には、印字濃度を向上させると共に、インクの吐出性や濾過性の観点から、芳香族基含有モノマー25〜99重量%を含む、モノマー混合物をレドックス重合開始剤を用いて重合して得られる、ポリマー粒子が用いられる。
レドックス開始剤とは、酸化剤である過酸化物と還元剤を組み合わせて使用する開始剤であり、還元剤が過酸化物のラジカル発生を促進することによって、低温で効率よくラジカル重合を行うことができる開始剤である。レドックス開始剤を用いて製造した特定のポリマー粒子を用いることにより、副生成物を減少させ、インクの吐出性や濾過性が向上すると考えられる。
開始剤として使用する酸化剤としては、例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属過硫酸塩;過硫酸アンモニウム;過炭酸塩;過酢酸塩、過ホウ酸塩;過酸化ベンゾイル又は過酸化ラウロイルのような有機過酸;又はクメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド又はt−ブチルヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシドであることができ、中でも過硫酸塩が好ましく、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムが特に好ましい。
これらの酸化剤は、通常モノマー100重量部に対して0.01部から10重量部が使用される。
また、開始剤として使用する還元剤としては、例えば、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム・アスコルビン酸カリウム等のアスコルビン酸塩、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム・エリソルビン酸カリウム等のエリソルビン酸塩、糖類、ロンガリット(ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレート)、亜硫酸ナトリウム・亜硫酸カリウム・亜硫酸水素ナトリウム・亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸塩、ピロ亜硫酸ナトリウム・ピロ亜硫酸カリウム・ピロ亜硫酸水素ナトリウム・ピロ亜硫酸水素カリウム等のピロ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜燐酸、亜燐酸ナトリウム・亜燐酸カリウム・亜燐酸水素ナトリウム・亜燐酸水素カリウム等の亜燐酸塩、ピロ亜燐酸、ピロ亜燐酸ナトリウム・ピロ亜燐酸カリウム・ピロ亜燐酸水素ナトリウム・ピロ亜燐酸水素カリウム等のピロ亜燐酸塩、メルカプタン等が用いられる。
これらの還元剤は、通常モノマー100重量部に対して0.01〜10重量部が使用される。また開始剤と還元剤の当量比は好ましくは10/1〜1/10である。
上記の酸化剤及び還元剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸化剤と還元剤の好ましい組み合わせとしては、過硫酸カリウム/亜硫酸水素ナトリウム、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド/ロンガリット、tert−ブチルヒドロペルオキシド/アスコルビン酸等が挙げられる。
さらに酸化還元触媒を共存させることもできる。酸化還元触媒としては、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンのような金属触媒が用いられる。
これら過硫酸塩、還元剤、酸化還元触媒は反応系内にそれぞれ連続的及び/又は分割して添加される。
具体的な開始剤と還元剤の添加方法として、両者を別々の供給配管から同時に連続的に重合反応器に添加する方法、開始剤が還元剤よりも過剰に存在する反応系内に還元剤を連続的に添加する方法、還元剤が開始剤よりも過剰に存在する反応系内に開始剤を連続的に添加する方法が挙げられる。
重合時の温度は、副生成物を低減し、インクの吐出性、濾過性を向上させる観点から、好ましくは0〜70℃であり、より好ましくは30〜65℃である。重合転化率をほぼ100%近くにまでするために、最後の追い切りの熟成温度は、前記の温度より高くしてもよい。
前記の重合工程を経て得られたポリマー粒子を含むエマルジョン(固形分40重量%)の粘度は、1〜80mPa・sであり、好ましくは10〜70mPa・s、より好ましくは10〜50mPa・sである。ポリマー粒子の粘度が低いことは、吐出性や濾過性に影響を与える不純物が少ないと考えられる。ポリマー粒子の粘度を前記範囲内にコントロールするには、ポリマーの重合時の温度を前記範囲内にしたり、あるいは後述する(a)芳香族基含有モノマーと(c)アルキル(メタ)アクリレートの合計量と(b)塩生成基含有モノマー量との重量比((b)/[(a)+(c)])を後述する範囲にすればよい。なお、エマルジョンの粘度は、実施例記載の方法により測定することができる。
ポリマー粒子としては、連続相を水系とする媒体中に、界面活性剤の存在下又は不存在下で、ポリマーエマルジョンとなって分散可能であるポリマー粒子が好ましい。特に、(i)界面活性剤の存在下で、エチレン性不飽和モノマーを乳化重合してなる乳化重合ポリマー粒子、及び(ii)塩生成基含有モノマー由来の構成単位を含む自己乳化ポリマー粒子が好ましい。
前記(ii)自己乳化ポリマー粒子とは、界面活性剤の不存在下、ポリマー自身の官能基(特に塩基性基又はその塩)によって、水中で乳化状態であるポリマーの粒子をいう。
ここで乳化状態とは、ポリマー30gを70gの有機溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に溶解した溶液、該水不溶性ポリマーの塩生成基を100%中和できる中和剤(塩生成基がアニオン性であれば水酸化ナトリウム、カチオン性であれば酢酸)、及び水200gを混合、攪拌(30分間、25℃)した後、該混合液から該有機溶媒を除去した後でも、乳化又は分散状態が、25℃で、少なくとも1週間安定に存在することを目視で確認することができる状態をいう。
本発明に用いられるポリマーは水不溶性ポリマーであることが好ましい。水不溶性ポリマーとは、ポリマーを105℃で2時間乾燥させた後、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下であるポリマーをいう。溶解量は、ポリマーが塩生成基を有する場合は、その種類に応じて、ポリマーの塩生成基を酢酸又は水酸化ナトリウムで100%中和した時の溶解量である。
ポリマー粒子を構成するポリマーの具体例としては、(メタ)アクリル系ポリマー、酢酸ビニル系ポリマー、スチレン−ブタジエン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、スチレン−(メタ)アクリル系ポリマー、ブタジエン系ポリマー、スチレン系ポリマー等が挙げられる。特にビニル系モノマーを共重合したポリマーが好ましい。
ビニル系ポリマーとしては、(a)芳香族基含有モノマー(以下「(a)成分」ともいう)と、(b)塩生成基含有モノマー(以下「(b)成分」ともいう)及び/又は(c)アルキル(メタ)アクリレート(以下「(c)成分」ともいう)とを含むモノマー混合物(以下「モノマー混合物」ともいう)を共重合させてなるポリマーが好ましい。
((a)芳香族基含有モノマー)
(a)成分は、印字濃度、吐出性、濾過性を向上させる観点から用いられる。
(a)成分としては、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を有するビニルモノマーが好ましく、例えば、スチレン系モノマー(a−1成分)、芳香族基含有(メタ)アクリレート(a−2成分)等が挙げられる。ヘテロ原子を含む置換基としては、ハロゲン原子、エステル基、エーテル基、ヒドロキシ基等が挙げられる。
(a)成分の中ではスチレン系モノマー(a−1成分)が好ましく、具体的には、スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルナフタレン、クロロスチレン等が挙げられるが、特にスチレン及び2−メチルスチレンが好ましい。
また、芳香族基含有(メタ)アクリレート(a−2)成分としては、例えば、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数7〜22、好ましくは炭素数7〜18、更に好ましくは炭素数7〜12のアリールアルキル基、又は、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい、炭素数6〜22、好ましくは炭素数6〜18、更に好ましくは炭素数6〜12のアリール基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。具体的には、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられ、これらの中では、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。また、(a−1)成分と(a−2)成分を併用することも好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
((b)塩生成基含有モノマー)
(b)成分は、得られるポリマー粒子の分散安定性を高める観点から用いられる。塩生成基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基、アンモニウム基等が挙げられる。
(b)成分としては、特開平9−286939号公報段落〔0022〕等に記載されているカチオン性モノマー、アニオン性モノマー等が挙げられる。
カチオン性モノマーの代表例としては、不飽和アミン含有モノマー、不飽和アンモニウム塩含有モノマー等が挙げられる。これらの中では、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(N',N'−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド及びビニルピロリドンが好ましい。
アニオン性モノマーの代表例としては、不飽和カルボン酸モノマー、不飽和スルホン酸モノマー、不飽和リン酸モノマー等が挙げられる。
不飽和カルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、2−メタクリロイルオキシメチルコハク酸等が挙げられる。不飽和スルホン酸モノマーとしては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、ビス−(3−スルホプロピル)−イタコン酸エステル等が挙げられる。不飽和リン酸モノマーとしては、ビニルホスホン酸、ビニルホスフェート、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイロキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
上記アニオン性モノマーの中では、分散安定性、吐出安定性の観点から、不飽和カルボン酸モノマーが好ましく、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。
((c)アルキル(メタ)アクリレート)
(c)成分は、ポリマー粒子の分散安定性、印字濃度の観点から用いられる。
(c)成分としては、炭素数1〜22、好ましくは炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(イソ)プロピル(メタ)アクリレート、(イソ又はターシャリー)ブチル(メタ)アクリレート、(イソ)アミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(イソ)オクチル(メタ)アクリレート、(イソ)デシル(メタ)アクリレート、(イソ)ドデシル(メタ)アクリレート、(イソ)ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(イソ又はターシャリー)」及び「(イソ)」は、これらの基が存在する場合としない場合の双方を意味し、これらの基が存在しない場合には、ノルマルを示す。
((d)(メタ)アクリルアミド類)
モノマー混合物には、ポリマー粒子の分散安定性を高めるために、更に(d)(メタ)アクリルアミド類(以下「(d)成分」ともいう)が含有されていてもよい。
(d)成分としては、例えば、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジイソブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジt−ブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド等が挙げられ、N-メチロールアクリルアミドが好ましい。
上記(a)〜(d)成分は、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
((a)〜(d)成分の含有量)
ポリマー製造時における、上記(a)〜(d)成分のモノマー混合物中における含有量(未中和量としての含有量。以下同じ)又はポリマー中における(a)〜(d)成分に由来する構成単位の含有量は、次のとおりである。
(a)成分の含有量は、印字濃度の観点から、25〜99重量%であり、好ましくは40〜98重量%、より好ましくは50〜97重量%、更に好ましくは60〜95重量%である。
(b)成分の含有量は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%、特に好ましくは1〜3重量%である。
(c)成分の含有量は、ポリマー粒子の分散安定性、印字濃度の観点から、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜20重量%である。
ポリマー中の[(a)+(c)]の含有量は、印字濃度の観点から、好ましくは30〜99重量%、より好ましくは60〜90重量%である。
ポリマー中の[(a)/(c)]の重量比は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは0.4〜5、より好ましくは0.45〜4、更に好ましくは0.5〜2である。
また、(a)、(b)、(c)成分の重量比((b)/[(a)+(c)])は、保存安定性、吐出性、濾過性等の観点から、好ましくは0.01〜0.3、より好ましくは0.01〜0.2、更に好ましくは0.01〜0.1であり、特に好ましくは0.01〜0.05である。
(d)成分の含有量は、ポリマー粒子の分散安定性の観点から、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%である。
〔ポリマー粒子の製造〕
本発明で用いられるポリマー粒子は、インクの吐出性向上の観点から、アニオン性ポリマー粒子であることが好ましい。アニオン性ポリマー粒子は、1種以上のアニオン性モノマーを重合するか、又はアニオン性界面活性剤存在下で疎水性モノマーを乳化重合することにより得ることができる。
((i)乳化重合ポリマー粒子)
ポリマー粒子が、前記(i)乳化重合ポリマー粒子である場合、公知の乳化重合法により製造することができる。
乳化重合における重合開始剤としては、公知のものを使用でき、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム等の無機過酸化物、クメンヒドロペルオキサイド等の有機系過酸化物、アゾビスジイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤等の有機系開始剤、又は過酸化物や酸化剤に亜硫酸水素ナトリウム等の還元剤を併用するレドックス重合開始剤等が挙げられる。
乳化重合に用いる界面活性剤としては非反応性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤が好適である。アニオン性界面活性剤としては、例えば、サルフェート、スルホネート系としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのナトリウム塩、アンモニウム塩等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、スルホコハク酸系、タウレート系、イセチオネート系、α−オレフィンスルホン酸系等の界面活性剤が挙げられる。カルボキシレート系としては、ラウリン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、エーテルカルボン酸系、アシル化アミノ酸系の界面活性剤等が挙げられ、リン酸エステル系としては、アルキルリン酸塩等が挙げられる。これらに加えて非イオン性界面活性剤も使用することができる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
((ii)自己乳化ポリマー粒子)
ポリマー粒子が、前記(ii)自己乳化ポリマー粒子である場合、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、前記塩生成基含有モノマーを含むモノマー混合物を共重合させることによって製造することができる。
自己乳化ポリマー粒子は、公知の方法により、自己乳化ポリマー、中和剤、水及び有機溶媒を含有する混合物を分散処理した後、該有機溶媒を除去して、自己乳化ポリマー粒子の水分散体として得ることが好ましい。前記中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン等の塩基が挙げられる。
ポリマーの重量平均分子量は、ポリマー粒子の分散安定性、耐水性、耐擦過性性等の観点から300,000以上が好ましい。ポリマーの重量平均分子量は、溶媒として、60mmol/Lのリン酸と50mmol/Lのリチウムブロマイドを含有するN,N−ジメチルホルムアミドを用いたゲルクロマトグラフィー法〔東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8120GPC)、東ソー株式会社製カラム(TSK-GEL、α-M×2本)、流速:1mL/min〕により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定する。
水系インク中、ポリマー粒子のD50(散乱強度の頻度分布における、小粒子側から計算した累積50%の値)は、インクの保存時に安定に存在すればよく、特に限定されないが、好ましくは5〜300nm、より好ましくは30〜200nmである。なお、ポリマー粒子のD50は、実施例記載の方法により測定することができる。
〔インクジェット記録用水分散体及び水系インク〕
本発明のインクジェット記録用水分散体及び水系インク中の顔料、ポリマー粒子、界面活性剤、及び水の含有量は、吐出性及び印字濃度を高める観点から、以下のとおりである。
顔料の含有量は、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜8重量%である。
ポリマー粒子の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜4重量%である。
界面活性剤の含有量は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜5重量%、更に好ましくは0.2〜3重量%である。また、界面活性剤の含有量は、ポリマー粒子100重量部に対して、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは5〜30重量部、更に好ましくは10〜30重量部である。
水の含有量は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは40〜80重量%である。
また、インクジェット記録用水分散体及び水系インク中における、界面活性剤とポリマー粒子との合計重量に対する顔料の重量比〔顔料/界面活性剤とポリマー粒子との合計重量比〕は、印字濃度、吐出性の観点から、好ましくは0.1〜20であり、より好ましくは0.5〜10、更に好ましくは0.5〜5である。
本発明の水分散体は、そのまま水を主媒体とする水系インクとして用いてもよいが、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
本発明の水分散体及び水系インクの好ましい表面張力(20℃)は、水分散体としては好ましくは30〜65mN/m、より好ましくは35〜60mN/mであり、水系インクとしては、好ましくは23〜50mN/m、より好ましくは23〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mである。
本発明の水分散体の20重量%(固形分)の粘度(20℃)は、水系インクとした際に好ましい粘度とするために、好ましくは1〜12mPa・s、より好ましくは1〜9mPa・s、より好ましくは2〜6mPa・s、更に好ましくは2〜5mPa・sである。
本発明の水系インクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、好ましくは2〜12mPa・sであり、より好ましくは2.5〜10mPa・s、更に好ましくは2.5〜6mPa・sである。
本発明の水系インクを適用するインクジェットの方式は制限されないが、特にピエゾ方式のインクジェットプリンターに好適である。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。なお、エマルジョンの粘度、平均粒子径、カルボキシ基量の測定方法は以下のとおりである。
(1)ポリマー粒子を含むエマルジョンの粘度の測定
東機産業株式会社製のE型粘度計「RE80」を用いて、ポリマー粒子を含むエマルジョン(固形分40重量%)の粘度を測定した。測定条件は、測定温度20℃、測定時間1分、回転数100rpm、ロータ標準(1°34′×R24)で行った。
(2)自己分散型カーボンブラック及びポリマー粒子の平均粒子径の測定
大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)を用いて測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333)を入力する。測定濃度は、約5×10-3重量%で行った。
(3)カーボンブラック1g当たりのカルボキシ基量の測定
京都電子工業株式会社製の電位差自動滴定装置、AT−610を用いて、下記の条件及び手順により測定した。
(滴定条件)
0.01N−HCl、滴定量0.02ml、間欠時間30秒、25℃
0.01N−NaOHは和光純薬製0.01mol/l水酸化ナトリウム(容量分析用)、0.01N−HClは和光純薬製0.01mol/l 塩酸(容量分析用)を使用した。
(測定手順)
カーボンブラックの水分散体を固形分で0.05gとなるように精秤し、イオン交換水を加え50mlとし、0.01N−NaOHを1.5ml(過剰量)添加し30分間攪拌することにより、表面酸性基を全てNa塩とした。このアルカリ分散液に、0.01N−HClを0.02gずつ、30秒間隔で、分散液を攪拌しながら滴下し、pHを測定する。過剰アルカリが中和される中和点(変曲点1)を起点として、続いて起こる中和変曲点の中で最も酸性よりの中和点(最終変曲点2)を終点としたときの、最終変曲点2−変曲点1の間の0.01N−HClの使用量から粒子表面の酸性基量を算出し、固形分1g当りの当量として求めた。測定は20℃で行った。
製造例1(ポリマーエマルジョンAの合成)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えたガラス製反応器にイオン交換水1000g、アニオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名:レベノールWX、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム)80g、レドックス開始剤として過硫酸カリウム2.4gと酸性亜硫酸ナトリウム1.5gを仕込み、窒素置換した後、湯浴にて温度を55℃に昇温した。これに、(a)スチレン/(b)アクリル酸/(c)エチルアクリレート/(d)N−メチロールアクリルアミド=60/3/32/5(重量比)のモノマー混合物800gを2時間かけて滴下し、その後65℃で2時間熟成し、冷却後に1N水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に中和した。
得られたポリマー粒子の平均粒径は105nmであった。また、イオン交換水を適量加えることにより固形分含有量(有効分含有量)40%のポリマー粒子を含むエマルジョンAを得た。エマルジョンAの粘度は25mPa・sであった。
製造例2(ポリマーエマルジョンBの製造)
製造例1と同じ反応器にイオン交換水1000g、アニオン性界面活性剤(レベノールWX)80g、開始剤として過硫酸カリウム2.4gを仕込み、窒素置換した後、湯浴にて温度を75℃に昇温した。これに、(a)スチレン/(b)アクリル酸/(c)エチルアクリレート/(d)N−メチロールアクリルアミド=60/3/32/5(重量比)のモノマー混合物800gを2時間かけて滴下し、その後85℃で2時間熟成し、冷却後に1N水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に中和した。
得られたポリマー粒子の平均粒径は110nmであった。また、イオン交換水を適量加えることにより固形分含有量(有効分含有量)40%のポリマー粒子を含むエマルジョンBを得た。エマルジョンBの粘度は90mPa・sであった。
製造例3(ポリマーエマルジョンCの製造)
製造例1と同じ反応器にイオン交換水1000g、アニオン性界面活性剤(レベノールWX)80g、レドックス開始剤として過硫酸カリウム2.4gと酸性亜硫酸ナトリウム1.5gを仕込み、窒素置換した後、湯浴にて温度を55℃に昇温した。これに、メタクリル酸ステアリル/(b)アクリル酸/(c)エチルアクリレート/(d)N−メチロールアクリルアミド=60/3/32/5(重量比)のモノマー混合物800gを2時間かけて滴下し、その後65℃で2時間熟成し、冷却後に1N水酸化ナトリウムを用いてpH7.5に中和した。
得られたポリマー粒子の平均粒径は105nmであった。また、イオン交換水を適量加えることにより固形分含有量(有効分含有量)40%のポリマー粒子を含むエマルジョンCを得た。エマルジョンCの粘度は40mPa・sであった。
実施例1及び比較例1〜3(インクの調製)
ペルオキソ二硫酸塩で酸化処理することによりカーボンブラックにカルボキシ基を導入した自己分散型カーボンブラック(東海カーボン株式会社製、固形分濃度20%、自己分散型顔料1g当たりのカルボキシ基量:620μmol/g、分散媒:イオン交換水、平均粒径:130nm)を調製し、製造例1〜3で得られたポリマー粒子を含むエマルジョンA〜Cを用いて、自己分散型カーボンブラック/ポリマー粒子を含むエマルジョン/グリセリン/ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル/ベンゾトリアゾール/水(重量比)=4/1/13/3/0.2/残量(合計100部)の組成物を配合し、これを25℃で混合、撹拌して水分散液を調製し、この分散液を1.2ミクロンのフィルターによって濾過し、水系インクを得た。
得られた水系インクの濾過性、印字濃度、吐出性を下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
(1)濾過性
配合したインク100gを50mmφ、0.8μmの混合セルロースメンブランフィルターで吸引濾過したときに、濾過が完了するまでの秒数を測定する。
〔評価基準〕
○:20秒以内
△:100秒以内
×:濾過が完了せず
(2)印字濃度
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:EM−930C、ピエゾ方式)を用いて、市販の普通紙(XEROX株式会社製、商品名:4200)に温度23℃、湿度50%の条件下でベタ印字し、室温にて24時間自然乾燥させた後、その光学濃度をマクベス濃度計(グレタグマクベス社製、品番:RD918)で測定した。
〔評価基準〕
○:印字濃度1.20以上
△:印字濃度1.10〜1.19
×:印字濃度1.09以下
(3)吐出性
前記プリンターで印字試験後、クリーニングを行い、40℃恒温槽に1日放置した後、室温環境下に戻し、高品位専用紙(キヤノン株式会社製)に、ファインモード(高速印字モード)でベタ印字し、印刷物の印字状態を下記の基準により評価した。
〔評価基準〕
○:印字物に「ぬけ」と「曲がり」が共にない。
△:印字物に「ぬけ」又は「曲がり」がある。
×:印字物に「ぬけ」と「曲がり」が共にある。
ここで、「ぬけ」とは、インクが吐出していないノズルがあり、太く白い筋が入る場合をいう。
Figure 0005232443
表1から、実施例1の水系インクは、比較例1〜3の水系インクに比べて、インク調製時の濾過性、印字濃度及びインク吐出性に優れていることが分かる。

Claims (7)

  1. 顔料及びポリマー粒子を含有する水分散体であって、該ポリマー粒子が、(a)芳香族基含有モノマー50〜98重量%、及び(c)アルキル(メタ)アクリレートを含むモノマー混合物を、レドックス重合開始剤を用いて重合して得られたものであって、該ポリマー中の構成単位の重量比[(a)/(c)]が0.4〜5であり、該ポリマー粒子を含むエマルジョン(固形分40重量%)の粘度(E型粘度計を用いて25℃で測定)が10〜70mPa・sである、インクジェット記録用水分散体。
  2. 顔料が自己分散型カーボンブラックであって、該カーボンブラックの表面酸性基量が200〜750μmol/gである、請求項1に記載のインクジェット記録用水分散体。
  3. ポリマー重合時の温度が0〜70℃である、請求項1又は2のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  4. ポリマーが、(a)芳香族基含有モノマー50〜98重量%、(b)塩生成基含有モノマー及び(c)アルキル(メタ)アクリレート含むモノマー混合物を共重合して得られたものであり、該ポリマー中の構成単位の重量比((b)/[(a)+(c)])が0.01〜0.1である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  5. ポリマーが、さらに(d)(メタ)アクリルアミド類に由来する構成単位を1〜15重量%含む、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  6. さらに界面活性剤を含有し、界面活性剤とポリマー粒子との合計重量に対する顔料の重量比〔顔料/界面活性剤とポリマー粒子との合計重量比〕が0.5〜10である、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用水分散体。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の分散体を含有する、インクジェット記録用水系インク。
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