JP5231115B2 - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
一方、インクとして水性インクを用いた場合には、油性インクを用いた場合と比較して、記録媒体に対して吐出したインクが乾燥しにくいという問題がある。
かかる問題の解決策として、水性インクにおいては、記録媒体に対するインクの浸透性をある程度の速さに調節する方法が採られている。
しかしながら、かかる方法を採った場合、記録媒体の表面にとどまる着色剤の量が減少することとなるため、形成画像における画像濃度が低下しやすくなるという問題が見られた。
また、記録媒体の表面特性によっては、形成画像においてにじみが生じやすくなったり、記録媒体の裏面にまでインクが浸透してしまう現象、所謂裏抜けが生じやすくなったりするといった問題が見られた。
すなわち、特許文献1及び2においては、微粒子を用いて記録媒体の表面特性を調えることで、記録媒体に対するインクの浸透性を調節することを意図としているため、記録媒体の種類等によりその表面状態が変化した場合には、インクの浸透性を適宜調節する必要があるが、実際上そのような調節は困難であった。
その結果、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現できるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制できることを見出すに至った。
すなわち、本発明の目的は、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現できるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制できるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
(a)アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を、記録媒体に対して塗布する工程
(b)記録媒体上における処理液が塗布された部分に対して、インクジェットヘッドを用いてインクを吐出して画像形成を行う工程
すなわち、アミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性により、インクに含まれる顔料を効果的に記録媒体表面に残留させることができることから、記録媒体に対するインクの浸透性を所定の範囲まで安定的に抑制することができる。
なお、かかる吸着性は、アミノ変性シリコーンオイルが水分を含んでゲル化することによって発揮されることが知られている。
また、かかるアミノ変性シリコーンオイルであれば、所定の親水性を有することから、無機微粒子に対して表面処理を施すことによって、かかる無機微粒子の処理液中における相溶性及び分散性を効果的に向上させることができ、記録媒体に対して均一にアミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性を付与することができる。
したがって、本発明のインクジェット記録方法であれば、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現できるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制することができる。
このように実施することにより、アミノ変性シリコーンオイルが有する顔料の吸着性をより効果的に発揮させることができるばかりか、処理液を記録媒体に対してより均一かつ安定的に塗布することができる。
このように実施することにより、アミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性をさらに向上させることができるとともに、処理液の溶媒に対する相溶性についても、より向上させることができる。
このように実施することにより、無機微粒子の表面に対して安定的に保持させることができる一方で、アミノ変性シリコーンオイルの効果を過不足無く発揮させることができる。
このように実施することにより、記録媒体に対して処理液をさらに均一かつ安定的に塗布することができる。
なお、かかる数平均一次粒子径は、表面処理を施されていない無機微粒子自体の数平均一次粒子径と比較して、実質的に変わるところがないので、無機微粒子自体の数平均一次粒子径と同義で使用する場合がある。
このように実施することにより、アミノ変性シリコーンオイルとの親和性を向上させることができるばかりか、粒径及び比重の調節が容易となって、処理液溶媒に対する分散性をさらに向上させることができる。
このように実施することにより、記録媒体のコックリングを防ぎつつも、処理液の効果を十分に得ることができる。
このように実施することにより、記録媒体に対して、より均一に処理液を塗布することができる。
1.2≦θ1/θ2≦1.5 (1)
このように実施することにより、アミノ変性シリコーンオイルによる顔料の吸着性を、さらに効果的に発揮させることができる。
すなわち、かかる装置であれば、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を記録媒体に塗布した後に、当該処理液が塗布された部分に対してインクを吐出することにより、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現できるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制することができる。
(a)アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を、記録媒体に対して塗布する工程
(b)記録媒体上における処理液が塗布された部分に対して、インクジェットヘッドを用いてインクを吐出して画像形成を行う工程
以下、本発明の実施形態としてのインクジェット記録方法について、具体的に説明する。
なお、本発明の別の実施形態としてのインクジェット記録装置は、インクジェット記録方法の説明中において同時に説明する。
本発明のインクジェット記録方法の概略を、図1を用いて説明する。
本発明のインクジェット記録方法を実施するためのインクジェット記録装置20は、記録媒体25の搬送方向Aにおける上流側において、処理液塗布手段21を有するとともに、下流側において、インクジェットヘッド22を有することを特徴とする。
ここで、処理液塗布手段21は、所定の処理液23を、記録媒体25に対して塗布するための手段であり、かかる処理液塗布手段21によって、本発明のインクジェット記録方法における工程(a)が実施される。
一方、インクジェットヘッド22は、記録媒体25上における処理液23が塗布された部分に対して、インク24を吐出し、画像を形成するための手段であり、かかるインクジェットヘッド22によって、本発明のインクジェット記録方法における工程(b)が実施される。
このように、工程(a)及び工程(b)を実施することにより、記録媒体25の表面状態によらず、処理液中の無機粒子に表面処理されているアミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性により、インク24に含まれる顔料を効果的に記録媒体25表面に残留させることができる。
その結果、記録媒体に対するインクの浸透性を所定の範囲まで安定的に抑制することができることとなるため、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現することができるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制することができる。
なお、工程(a)については、インクジェット記録装置外にて、予め実施することも好ましい。
すなわち、工程(a)としての記録媒体に対する所定処理液の塗布を予め実施して、処理済の記録媒体を準備するとともに、かかる処理済の記録媒体をインクジェット記録装置の記録媒体ユニットに収容しておき、その上で、工程(b)としてのインクによる画像形成を行うことも好ましい。
本発明における工程(a)は、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を、記録媒体に対して、塗布する工程である。
(1)−1 アミノ変性シリコーンオイル
本発明においては、処理液に含まれる無機微粒子に対してアミノ変性シリコーンオイルによる表面処理が施してあることを特徴とする。
この理由は、アミノ変性シリコーンオイルであれば、優れた吸着性を有することから、インクに含まれる顔料を効果的に記録媒体表面に残留させることができ、結果として、記録媒体に対するインクの浸透性を所定の範囲まで安定的に抑制することができるためである。
また、かかるアミノ変性シリコーンオイルであれば、所定の親水性を有することから、後述する無機微粒子に対して表面処理を施すことによって、かかる無機微粒子の処理液中における相溶性及び分散性を効果的に向上させることができ、記録媒体に対して均一にアミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性を付与することにも寄与する。
したがって、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を記録媒体に対して塗布した後に、当該処理液が塗布された部分に対してインクを吐出することにより、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現することができる。
また、インクのにじみや裏抜けの発生についても効果的に抑制することができ、さらには、インクの乾燥性を向上させることができる。
なお、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性は、アミノ変性シリコーンオイルが水分を含んでゲル化することによって発揮されることが知られている。
なお、R1及びR2を水素原子または炭素数1〜4のアルキル基とし、R3を炭素数2〜4のアルキレン基とすることがより好ましい。
また、アミノアルキル基の具体例としては、アミノメチル基、アミノエチル基、アミノブチル基、N−メチル−アミノエチル基、N,N−ジメチルアミノエチル基及びN−メチルアミノブチル基等が挙げられる。
この理由は、アミノアルキル基の導入割合をかかる範囲とすることにより、アミノ変性シリコーンオイルが有する吸着性をさらに向上させることができるとともに、処理液の溶媒に対する相溶性についても、より向上させることができるためである。
すなわち、アミノアルキル基の導入割合が10モル%未満の値となると、その吸着性が過度に低下する場合があるためである。一方、アミノアルキル基の導入割合が30モル%を超えた値となると、水との親和性が過度に高くなって処理液中に溶解したりする場合があるためである。
したがって、アミノ変性シリコーンオイルにおける一般式(1)で表されるアミノアルキル基の導入割合を12〜28モル%の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜25モル%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、アミノ変性シリコーンオイルにおけるアミノアルキル基の導入割合とは、シリコーンオイルにおけるアミノアルキル基を導入可能な箇所の総モル数に対する実際に導入されたアミノアルキル基のモル数の割合(%)である。
また、アミノアルキル基を導入する箇所についても、特に限定されることはなく、ポリシロキサンの側鎖、ポリシロキサンの片末端もしくは両末端、またはこれらの組み合わせであってもよい。
また、アミノ変性シリコーンオイルの分子量としては、15000〜100000の範囲内の値とすることが好ましく、50000〜80000の範囲内の値とすることがより好ましい。
また、アミノ変性シリコーンオイルの動粘度(25℃)としては、3×10-5〜3×10-2m2/sの範囲内の値とすることが好ましく、1×10-4〜1×10-2m2/sの範囲内の値とすることがより好ましい。
さらに、アミノ変性シリコーンオイルのアミン当量を500〜10000g/モルの範囲内の値とすることが好ましく、800〜7000g/モルの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、アミン当量とは、アミノ変性シリコーンオイルの全分子量をアミノ基の数で割った値である。
この理由は、アミノ変性シリコーンオイルの表面処理量をかかる範囲とすることにより、無機微粒子の表面に対して安定的に保持させることができる一方で、アミノ変性シリコーンオイルの効果を過不足無く発揮させることができるためである。
すなわち、アミノ変性シリコーンオイルの表面処理量が45重量部未満の値となると、アミノ変性シリコーンオイルの効果を十分に発揮させることが困難となる場合があるためである。一方、アミノ変性シリコーンオイルの表面処理量が70重量部を超えた値となると、無機微粒子の表面に対して安定的に保持させることが困難となって、処理液中において無機微粒子から遊離したりする場合があるためである。
したがって、無機微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルの表面処理量を、無機微粒子100重量部に対して48〜65重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜60重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明においては、アミノ変性シリコーンオイルとともに、無機微粒子を用いることを特徴とするが、その種類としては、特に制限されるものではない。
例えば、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等を用いることができる。
一方、中でも特に好ましい無機微粒子としては、シリカ微粒子が挙げられる。
この理由は、シリカ微粒子であれば、アミノ変性シリコーンオイルとの親和性を向上させることができるばかりか、粒径及び比重の調節が容易となって、処理液溶媒に対する分散性をさらに向上させることができるためである。
すなわち、シリカ微粒子であれば、主成分元素がアミノ変性シリコーンオイルと共通しており、アミノ変性シリコーンオイルとの親和性に優れるためである。
また、粒径及び比重の調節が容易であることから、処理液を相分離させることなく、均一に分散させることができるためである。
なお、乾式法で得られたシリカ微粒子として、日本アエロジル(株)製のAEROSIL 130、200、300、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84等が挙げられる。
一方、湿式法で得られたシリカ微粒子として、塩野義製薬(株)製のカープレックスや日本シリカ(株)製のニーブシール等が挙げられる。
また、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径を10〜50nmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径をかかる範囲とすることにより、記録媒体に対して処理液をさらに均一かつ安定的に塗布することができるためである。
すなわち、特定の表面処理が施された無機微粒子の数平均一次粒子径が10nm未満の値となると、当該無機微粒子同士が凝集しやすくなって、記録媒体に対して処理液を均一かつ安定的に塗布することが困難となる場合があるためである。一方、特定の表面処理が施された無機微粒子の数平均一次粒子径が50nmを超えた値となると、無機微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルの表面処理量が減少することに起因して、特定の表面処理が施された無機微粒子を処理液中に均一に分散させることが困難となる場合あるためである。さらに、その結果、記録媒体に対して処理液を均一かつ安定的に塗布することが困難となる場合があるためである。
したがって、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径を20〜50nmの範囲内の値とすることがより好ましく、30〜50nmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる特定の表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径の測定方法としては、例えば、動的光散乱式粒径分布装置(シメックス(株)製)を用いて測定することができる。
また、処理液の全体量に対するアミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の濃度を10〜40重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、特定の表面処理を施された無機微粒子の濃度をかかる範囲とすることにより、アミノ変性シリコーンオイルが有する顔料の吸着性をより効果的に発揮させることができるばかりか、処理液を記録媒体に対してより均一かつ安定的に塗布することができるためである。
すなわち、特定の表面処理を施された無機微粒子の濃度が10重量%未満の値となると、アミノ変性シリコーンオイルの絶対量が不足して、その吸着性を効果的に発揮させることが困難となる場合があるためである。一方、特定の表面処理を施された無機微粒子の濃度が40重量%を超えた値となると、かかる無機微粒子同士が凝集しやすくなって、記録媒体に対して均一に塗布することが困難となる場合があるためである。
したがって、処理液の全体量に対するアミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の濃度を15〜40重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜30重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、処理液における液体成分の組成としては、処理液の全体量に対して、水を20〜70重量%、ヘキシレングリコールを1〜20重量%、2−ピロリドンを1〜20重量%及びグリセリンを2〜30重量%の範囲内で含有させることが好ましい。
この理由は、処理液における液体成分の組成をこのようにすることにより、特定の表面処理を施された無機微粒子をより安定的に処理液中に分散させることができるとともに、記録媒体に対してより均一に塗布することができるためである。
すなわち、水の含有量を上述した範囲内の値とすることにより、ヘキシレングリコールその他の成分と相俟って、処理液の粘度等の特性を好適な範囲にコントロールすることができるためである。
また、ヘキシレングリコールの含有量を上述した範囲内の値とすることにより、処理液の表面張力と粘度をコントロールし、さらには処理液の浸透性をコントロールすることができるためである。
また、2−ピロリドンの含有量を上述した範囲内の値とすることにより、処理液の粘度をコントロールすることができるとともに、保湿性を向上させることができるためである。
また、グリセリンの含有量を上述した範囲内の値とすることにより、処理液の粘度をコントロールすることができるばかりか、処理液の保湿性についてもコントロールすることができるためである。
したがって、処理液中における特定の表面処理を施された無機微粒子の分散性及び処理液の取り扱い性をさらに向上させるべく、処理液の全体量に対して、水を23〜65重量%、ヘキシレングリコールを1〜10重量%、2−ピロリドンを1〜10重量%、グリセリンを5〜20重量%の範囲内で含有させることがより好ましい。
かかる界面活性剤の種類としては、例えば、多環フェノールエトキシレート等の特殊フェノール型非イオン界面活性剤、または、グリセライトのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールオレート、ポリオキシアルキレンタロエート、ソルビタンラウリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル等のエステル型非イオン界面活性剤、または、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイド等のアマイド型非イオン界面活性剤、または、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物、または、アルコールサルフェートナトリウム塩、高級アルコールサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩等の陰イオン界面活性剤、または、モノ長鎖アルキルカチオン、ジ長鎖アルキルカチオン、アルキルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤、または、ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができ、これらの界面活性剤を単独或いは混合したものを用いることができる。
また、これらの界面活性剤の添加量としては、処理液の全体量に対して、0.1〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜1重量%の範囲内とすることがより好ましい。
すなわち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、チオジグリコール等を用いることもできる。
なお、処理液のpHとしては、5〜9の範囲内の値とすることが好ましい。
本発明における処理液の塗布方法は、記録媒体に対して所定量の処理液を安定的に塗布できる方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、処理液をスプレーによって霧状に噴霧して、記録媒体に塗布する方法、凸版印刷により塗布する方法、インクジェットヘッドを用いて吐出する方法等、いずれの方法であってもよい。
また、塗布箇所としては、インクが吐出される予定箇所を含んでさえいれば十分であるため、記録媒体の全面であっても、インクが吐出される予定の部分のみであってもよい。
一方、特に好ましい塗布方法としては、塗布ローラを用いた塗布方法が挙げられる。
より具体的には、図1に示すように、芯金30の周囲に多孔質の弾性体層29を備えた塗布ローラ31により、記録媒体に対して直接的に塗布する方法が挙げられる。
この理由は、塗布ローラを用いることによって、記録媒体に対して、より均一に処理液を塗布することができるためである。
また、塗布ローラであれば、高速全面塗布が可能であるばかりか、記録媒体の種類によって塗布量を容易に変化させて、最適化することができる。
その他、塗布速度、圧力、塗布後インク吐出までの間隔等を適宜変更することで、処理液の塗布具合をさらに最適化することができる。
なお、塗布ローラの直径としては10〜70mmの範囲内の範囲内の値とすることが好ましい。
また、弾性体層の材質としては、例えば、発泡ポリウレタン等を用いることができ、弾性体層の厚さとしては10〜30mmの範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、(a)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク24の吐出形状及び面積と一致する場合の態様である。
また、(b)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク24の吐出形状及び面積よりも大きい場合の態様である。
さらに、(c)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク24の吐出形状及び面積よりも小さい場合の態様である。
この理由は、処理液の塗布量をかかる範囲とすることにより、記録媒体のコックリングを防ぎつつも、処理液の効果を十分に得ることができるためである。
すなわち、処理液の塗布量が0.2g/m2未満の値となると、処理液の絶対量が不足して、その効果を十分に得ることが困難となる場合があるためである。一方、処理液の塗布量が1g/m2を超えた値となると、水分によって記録媒体が波打つ現象、所謂コックリングが発生しやすくなる場合があるためである。
したがって、記録媒体に対する処理液の塗布量を0.3〜0.9g/m2の範囲内の値とすることがより好ましく、0.4〜0.8g/m2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、処理液を塗布した状態の記録媒体に対するインクの接触角(測定温度:20℃)をθ1とし、処理液を塗布していない状態の記録媒体に対するインクの接触角をθ2とした場合に、θ1及びθ2が下記関係式(1)を満足することが好ましい。
1.2≦θ1/θ2≦1.5 (1)
この理由は、θ1及びθ2がかかる関係式を満足することにより、アミノ変性シリコーンオイルによる顔料の吸着性を、さらに効果的に発揮させることができるためである。
すなわち、θ1/θ2の値が1.2未満の値となると、例えば、処理液の塗布量不足等により、アミノ変性シリコーンオイルによる吸着性が十分に発揮されず、記録媒体の表面に残留する顔料が過度に減少したりする場合があるためである。一方、θ1/θ2の値が1.5を超えた値となると、処理液の塗布量が過剰となり、ひいては記録媒体表面における特定の表面処理を施された無機微粒子が過剰となることから、記録媒体表面の平滑性が過度に低下する場合があるためである。
したがって、θ1及びθ2が、下記関係式(1´)を満足することがより好ましく、下記関係式(1´´)を満足することがさらに好ましい。
1.3≦θ1/θ2≦1.5 (1´)
1.4≦θ1/θ2≦1.5 (1´´)
なお、かかる測定に用いるインクとしては、一般に用いられているインクを使用することができ、例えば、実施例において使用しているものと同様の組成を有するインクを使用することができる。
その他、接触角の測定方法等については、実施例において記載する。
すなわち、図3には、横軸に所定の処理液に含まれるアミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径(nm)を採り、縦軸にθ1/θ2(−)の値を採った特性曲線A及びBが示してある。
ここで、特性曲線Aは、処理液の全体量に対する特定の表面処理を施された無機微粒子の濃度を20重量%とした場合の特性曲線であり、特性曲線Bは、かかる濃度を40重量%とした場合の特性曲線である。
なお、処理液の組成及び接触角の測定方法等の詳細については、実施例において記載する。
とはいうものの、相対的に濃度の低い特性曲線Aにおける極大は、数平均一次粒子径が30〜50nmの範囲内に位置する一方で、相対的に濃度の高い特性曲線Bにおける極大は、平均一次粒子径が10〜30nmの範囲内に位置している。
したがって、θ1/θ2の値を調節するためには、処理液の全体量に対する特定の表面処理を施された無機微粒子の濃度を考慮しつつ、当該無機微粒子の数平均一次粒子径を変えてやればよいことがわかる。
すなわち、図4には、横軸にθ1/θ2(−)の値を採り、縦軸に画像濃度(−)を採った特性曲線が示してある。
なお、画像濃度の測定方法等の詳細については、実施例において記載する。
より具体的には、θ1/θ2の値を1.2以上の値とすることで、画像濃度を1.0以上の実用上問題ない範囲にまで高めることができることがわかる。
ただし、θ1/θ2の値が1.5を超えた値となると、画像濃度については問題ないものの、記録媒体表面における特定の表面処理を施された無機微粒子が過剰となることから、乾燥性が過度に低下したり、記録媒体表面の平滑性が過度に低下し、良好な画像を得ることが困難となる場合がある。
したがって、θ1/θ2の値を1.2〜1.5の範囲内の値とすることによって、記録媒体表面の平滑性を維持しつつ、画像濃度についても安定的に1.0以上の値に維持できることがわかる。
なお、θ1/θ2をかかる範囲とすることで、画像濃度ばかりでなく、にじみ、裏抜け性及び乾燥性についても、優れた結果が得られることが確認されている(実施例参照)。
本発明における工程(b)は、記録媒体上における処理液が塗布された部分に対して、インクジェットヘッドを用いてインクを吐出して画像形成を行う工程である。
本発明におけるインクの組成は、特に限定されるものではなく、インクジェット記録方法において一般的に使用される水性インクであればよい。
本発明におけるインクに含まれる水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、そしてエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド等が挙げられる。
この理由は、顔料の体積平均粒径が50nm未満の値となると、顔料がアミノ変性シリコーンオイルに吸着されにくくなって、画像濃度が低下しやすくなる場合があるためである。一方、顔料の体積平均粒径が200nmを超えた値となると、特にノズルおよびノズル供給部での目詰まりが発生しやすくなり、また吐出性が悪くなる場合があるためである。
したがって、顔料の体積平均粒径を80〜150nmの範囲内の値とすることがより好ましい。
なお、顔料の体積平均粒径は、例えば、動的光散乱粒度分布測定装置(シスメックス(株)製)等を用いて測定することができる。
したがって、顔料の好適な使用量は、インクジェット記録用インク組成物全量中に1〜40重量%程度であり、より好適には5〜30重量%程度である。
さらに、ノニオン活性剤に加えて、アニオン活性剤あるいはカチオン活性剤として一般に知られている活性剤(分散剤)も本発明には使用できる。
また、分散剤の添加量は、インク全量に対して0.01〜1重量%添加することが好ましい。
この理由は、0.01重量%未満であると顔料の十分な分散ができない場合があり、逆に、1重量%以上であるとインクジェットノズルからの吐出安定性が悪化する場合があるためである。
かかる酸化防止剤としては、例えば、アルキルフェノール系化合物、フェニレンジアミン等のアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキノン系化合物、ヒドロキシルアミン系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物は長期保存を目的とした酸化防止剤として優れ、酸化生成物がさして着色しないことからジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が好ましい。また、重合禁止剤として用いられ、急速短期の酸化防止機能に優れるフェノール系化合物のうちハイドロキノン、ガレート等のフェノール性OHを持った化合物等を用いても良い。またそれらを適宜、併用することも可能である。
また、酸化防止剤の添加量は使用する酸化防止剤、使用環境によって異なるが、インク全量に対して0.01〜1重量%添加することが好ましい。
この理由は、0.01重量%未満であると酸化による異物の発生を充分に抑制することができず、インクジェットノズルからの吐出安定性が悪化する場合があるためである。一方、酸化防止剤を1重量%よりも多く添加しても、酸化防止のさらなる効果は期待できず、逆に吐出性が悪化する恐れがあるためである。
本発明におけるインクの吐出については、インクジェットヘッドを用いて行うことを特徴とする。
なお、インクジェットヘッドを用いたインクの吐出方法としては、例えば、ピエゾ方式及びサーマル方式等が挙げられるが、本発明においては、いずれの方式を採用してもよい。
一方、インク吐出量を比較的簡単に制御でき、さらに、インクを加熱しないため、サーマル方式に比べて幅広いインク組成に対応可能であるといった観点から、ピエゾ方式とすることがより好ましい。
[実施例1]
1.インクの調製
以下に示す組成の各材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス(株)製)に仕込むとともに、メディアとしてジルコニアビーズを充填し、水冷しながら分散処理を行い、顔料分散体を得た。
このとき、動的光散乱式粒径分布装置(シメックス(株)製)を用いて、得られた顔料分散体をイオン交換水にて5倍に希釈した場合における分散粒子の体積平均粒径D50を測定し、かかる値が100nmとなっていることを確認した。
C.I.ピグメントレッド122 30重量%
スチレン−アクリル系樹脂 15重量%
(ジョンソン(株)製、ジョンクリル61)
グリセリン 10重量%
イオン交換水 45重量%
顔料分散体 20重量%
界面活性剤 0.5重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
ヘキシレングリコール 5重量%
2−ピロリドン 5重量%
グリセリン 10重量%
水 59.5重量%
(1)無機微粒子の表面処理
まず、無機微粒子としてのシリカ微粒子(数平均一次粒子径:18nm)に対して、下記アミノ変性シリコーンオイルを用いて表面処理を施した。
すなわち、トルエン100重量部に対して、シリカ微粒子100重量部と、下記アミノ変性シリコーンオイル55重量部と、を加えた後、かかる混合物を加熱混合機に投入し、80℃にて撹拌混合しながらトルエンを除去し、さらに、120℃まで昇温して30分間加熱処理を行って、塊状物を得た。
次いで、得られた塊状物を室温まで冷却した後、十分に解砕して、アミノ変性シリコーンオイルにて表面処理を施されたシリカ微粒子を得た。
シリコーンオイルの種類 ジメチルシリコーンオイル
(線状ジメチルポリシロキサン)
アミノアルキル基の種類 下記式(2)
アミノアルキル基の導入型 側鎖導入型
アミノアルキル基の導入割合 20%
アミン当量 5000g/mol
動粘度(25℃) 1×10-3m2/s
次いで、以下に示す組成の各材料をディスパーにて25℃の条件下、60分間混合し、混合物を得た。
アミノ変性シリコーンオイルにて表面処理を施されたシリカ微粒子 20重量%
グリセリン 25重量%
界面活性剤 10重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
防腐剤 2重量%
(プロセキルCRL)
水 43重量%
剪断応力:1.2×106Pa
ロール周速度差:6m/s
ロール間クリアランス:10μm
処理回数:5パス
(1)接触角の評価
(1)−1 θ1の測定
処理液を塗布した状態の記録媒体に対するインクの接触角θ1(°)を測定した。
すなわち、記録媒体としてのコピー用紙(FujiXerox(株)製、上質PPC)の全面に対して、塗布ローラ(手動Kロックスプルーファー、直径:50mm、長さ:
200mm、弾性体層の材質:発泡ポリウレタン、弾性体層の厚さ15mm)を用いて、塗布量が0.5g/m2となるように、処理液を塗布した。
次いで、処理液が塗布された記録媒体に対し、マゼンタインク2μlを滴下し、滴下後0.01秒後における接触角θ1を、CCDカメラにより画像解析することで測定した(測定温度:20℃)。得られた結果を表1に示す。
また、処理液を塗布していない状態の記録媒体に対するインクの接触角θ2(°)を測定した。
すなわち、処理液が塗布されていない記録媒体を用いた以外は、上述したθ1の測定と同様にしてθ2(°)を測定した。得られた結果を表1に示す。
さらに、得られたθ1及びθ2の値から、θ1/θ2(−)の値を算出した。得られた結果を表1に示す。
また、画像濃度の評価を行った。
すなわち、上述した接触角の評価と同様の方法にて、処理液をコピー用紙(富士ゼロックス(株)製、上質PPC)上に塗布した。
次いで、インクジェットプリンタ(エプソン(株)製、CL−760)のインクタンクに対し、調製したマゼンタインクを充填した後、長尺インクジェットヘッドにより、処理済のコピー用紙に対して横帯100%ベタ画像を印刷して、印刷画像を得た。
このときの画像形成条件としては、長尺インクジェットヘッドのノズル面と、記録媒体と、の距離が1mmとなるように設置するとともに、ヘッド駆動周波数を20kHz、記録媒体搬送速度を847mm/secとした。
次いで、得られた印刷画像における画像濃度を、反射濃度計(GretagMacbeth(株)製、RD−900シリーズ)を用いて測定し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
○:画像濃度が1.0以上の値である。
△:画像濃度が0.9以上、1.0未満の値である。
×:画像濃度が0.9未満の値である。
より具体的には、加圧室2の底面積が0.2mm2、幅が200μm、深さが100μm、ノズル流路4の直径が30μm及び開口部32の半径が10μmのドット形成部10を用いた。
また、かかるドット形成部10を、1列につき166個、4列に並べ、合計664個を配列させて、長尺インクジェットヘッドとした。
また、同一列内のドット形成部10のピッチを150dpiとし、また、隣り合う各列を順次1/4ピッチずらすことで、最終的に600dpiとした。
また、にじみの評価を行った。
すなわち、上述した接触角の評価と同様の方法にて、処理液をコピー用紙(富士ゼロックス(株)製、上質PPC)上に塗布した。
次いで、インクジェットプリンタのインクタンクに対し、調製したマゼンタインクを充填し、上述した処理済のコピー用紙に対して600dpiで10画素分の線幅であるライン画像を印刷した。
次いで、得られたライン画像の線幅を画像処理評価装置(王子計測機器(株)製、DA6000)を用いて測定し、理論的な線幅である423μmからのズレを評価した。
より具体的には、理論線幅をLとし、実測線幅をRとしたときに、下記関係式(2)で表される数値Nをにじみ率として測定するとともに、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
N(%)={(R−L)/L}×100 (2)
○:にじみ率の値が20%以下の値である。
△:にじみ率の値が20%を超え、30%以下の値である。
×:にじみ率の値が30%を超えた値である。
また、裏抜け性の評価を行った。
すなわち、上述した接触角の評価と同様の方法にて、処理液をコピー用紙(富士ゼロックス(株)製、上質PPC)上に塗布した。
次いで、インクジェットプリンタのインクタンクに対し、調製したマゼンタインクを充填し、上述した処理済のコピー用紙に対して、画像濃度が1.0となるようにベタ画像を形成した。
次いで、コピー用紙の裏面から、画像形成部における画像濃度を反射濃度計を用いて測定した。
次いで、上述した裏面からの画像濃度と、非画像形成部における画像濃度と、の差を算出し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
○:画像濃度の差が0.06以下の値である。
△:画像濃度の差が0.06を超えて、0.08以下の値である。
×:画像濃度の差が0.08を超えた値である。
また、乾燥性の評価を行った。
すなわち、上述した接触角の評価と同様の方法にて、処理液をコピー用紙(富士ゼロックス(株)製、上質PPC)上に塗布した。
次いで、インクジェットプリンタのインクタンクに対し、調製したマゼンタインクを充填し、上述した処理済のコピー用紙に対して、横帯100%ベタ画像を印刷した。
次いで、プリンタから排出された直後のベタ画像を、1kgの円柱状重り(ステンレス製)の平面部にて5往復擦った。
次いで、擦る前後における画像濃度差率(%)を反射濃度計を用いて測定し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
○:画像濃度差率が3%以下の値である。
△:画像濃度差率が3%を超えて、5%以下の値である。
×:画像濃度差率が6%以上の値である。
実施例2では、処理液を調製する際に、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を10nmとするとともに、シリカ微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルによる表面処理量を50重量部としたほかは、実施例1と同様に処理液及びインクの調製をするとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例3では、処理液を調製する際に、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を25nmとするとともに、シリカ微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルによる表面処理量を65重量部とし、さらに、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施されたシリカ微粒子の濃度を40重量%に変え、全体量を水で調節したほかは、実施例1と同様に処理液及びインクを調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例4では、処理液を調製する際に、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を40nmとするとともに、シリカ微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルによる表面処理量を70重量部とし、さらに、アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施されたシリカ微粒子の濃度を40重量%に変え、全体量を水で調節したほかは、実施例1と同様に処理液及びインクを調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例5では、処理液を調製する際に、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を80nmとするとともに、シリカ微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルによる表面処理量を60重量部としたほかは、実施例1と同様に処理液及びインクの調製をするとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例1では、処理液を調製する際に、アミノ変性シリコーンオイルの代わりにジメチルシリコーンオイルを用いるとともに、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を8nmとし、さらに、シリカ微粒子に対するジメチルシリコーンオイルによる表面処理量を40重量部としたほかは、実施例1と同様に処理液及びインクの調製をするとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例2では、処理液を調製する際に、アミノ変性シリコーンオイルの代わりに2級アミノシランを用いるとともに、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を15nmとし、さらに、シリカ微粒子に対する2級アミノシランによる表面処理量を40重量部としたほかは、実施例1と同様に処理液及びインクの調製をするとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例3では、処理液を調製する際に、アミノ変性シリコーンオイルの代わりに2級アミノシランを用いるとともに、シリカ微粒子の数平均一次粒子径を250nmとし、さらに、シリカ微粒子に対する2級アミノシランによる表面処理量を50重量部としたほかは、実施例1と同様に処理液及びインクの調製をするとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
その結果、記録媒体の表面状態によらず、高画像濃度を実現できるとともに、インクのにじみ及び裏抜けの発生についても効果的に抑制できるようになった。
したがって、本発明にかかるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高品質化に著しく寄与することが期待される。
Claims (11)
- インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録方法であって、
下記工程(a)〜(b)を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
(a)アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を、前記記録媒体に対して塗布する工程
(b)前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して、前記インクジェットヘッドを用いてインクを吐出して画像形成を行う工程 - 前記処理液の全体量に対するアミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の濃度を10〜40重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記アミノ変性シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイルにおけるメチル基の一部を下記一般式(1)で表されるアミノアルキル基によって置換してなるアミノ変性シリコーンオイルを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
(一般式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12のアルキル基であり、R3は、炭素数1〜6のアルキレン基を示す。) - 前記アミノ変性シリコーンオイルにおける前記一般式(1)で表されるアミノアルキル基の導入割合を10〜30モル%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録方法。
- 前記無機微粒子に対するアミノ変性シリコーンオイルの表面処理量を、無機微粒子100重量部に対して45〜70重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子の数平均一次粒子径を10〜50nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記無機微粒子をシリカ微粒子とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体に対する前記処理液の塗布量を0.2〜1g/m2の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記記録媒体に対する前記処理液の塗布を、塗布ローラによって行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液を塗布した状態の記録媒体に対するインクの接触角(測定温度:20℃)をθ1とし、前記処理液を塗布していない状態の記録媒体に対するインクの接触角をθ2とした場合に、θ1及びθ2が下記関係式(1)を満足することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
1.2≦θ1/θ2≦1.5 (1) - インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
アミノ変性シリコーンオイルによって表面処理を施された無機微粒子を含む処理液を、前記記録媒体に対して塗布する処理液塗布手段と、前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して、インクを吐出して画像形成を行うインクジェットヘッドと、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
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