JP5229594B2 - 密閉型電池 - Google Patents

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Description

本発明は、密閉型電池ならびに該電池を構築するために用いられる電池ケースおよび蓋体に関する。詳しくは、該ケースおよび蓋体の封口構造に関する。
近年、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池は、電気を駆動源とする車両搭載用電源、あるいはパソコン及び携帯端末その他の電気製品等に搭載される電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
かかる電池の一形態として、所定の電極体ユニット及び電解質がケースの内部に収容された密閉形式の電池が挙げられる。典型的には、かかる密閉形式の電池は、正極と負極とから成る電極体ユニットが金属製ケースに収容された後、該ケースの開口部(即ち電極体ユニットを収容するための収容口)に蓋体が装着され、封口されることによって構築される。
この種の電池に用いられる封口手段としては種々の方法がある。典型的には、YAGレーザやCOレーザ等の熱源を利用するレーザ溶接を用いることが多い。特に、レーザ溶接は選択的かつ局所的に熱を与えることができるため好適な手段である。しかしながら、稀に該ケース内部の隙間にスパッタが飛散して内部短絡等の原因となる虞がある。
さらに、上記蓋体の上記ケースとの対向面(ケース開口部に装着された際にケースの内方側に配置される面をいう。以下同じ。)は、溶接不良の防止ならびに蓋体の位置ずれ防止という観点から、ケース開口部の内方に入り込む部分(以下「内側凸部」という。)を有するが、かかる蓋体の内側凸部は、該蓋体をケース開口部に装着した際に該ケースの周壁部と密接するような形状、即ち、蓋体の内側凸部とケース開口部の周縁との間に隙間(クリアランス)が存在しない形状に形成することがある。しかしながら、このようなクリアランスのない状態で蓋体をケース開口部に装着する際に蓋体とケース開口部との相対位置が正しくなく位置ずれが生じていると、ケース周壁部の開口端部の内側エッジ(即ち開口部周縁)と蓋体の内側凸部とが強く擦れ合い、「かじり(削れ)」が発生する虞がある。かじり(削れ)の発生は、ケース内に当該かじり(削れ)に由来する金属粉(即ち削り粉)を混入させ、内部短絡等の原因となるため好ましくない。
この種の関連技術として、特許文献1〜4が挙げられる。特許文献1に記載の技術では、電池の外装缶(ケース)の外側壁の全域に保護膜でコーティングすることにより、蓋体装着時に起こり得る削れの発生を抑制している。また、特許文献2〜4の記載の技術では、スパッタの飛散による内部短絡を抑制し得るようなケースと蓋体との嵌合部分の形状について開示がされている。
しかしながら、特許文献1によると、蓋体をケース開口部に装着する際に発生しやすい削り粉は抑制されるが、溶接の際のレーザ光の照射面も保護膜で被覆されているため、ケースと蓋体とを構成する金属が十分に溶融されず溶接不良の虞がある。また、特許文献2〜4では、スパッタの飛散は抑制できるが、いずれも削り粉の発生を抑制することが困難である。
日本国特許出願公開第2005−71710号 国際公開第WO99/25036号 日本国特許出願公開第2002−279944号 日本国特許出願公開第平11−162419号
そこで本発明は、上記従来の課題を解決すべく創出されたものであり、蓋体装着時の削れの発生および溶接スパッタのケース内部への飛散が抑制された信頼性の高い密閉型電池を提供することを目的とする。また、それを実現し得る密閉型電池用のケースと蓋体との組み合わせ、および密閉型電池の製造方法の提供を他の目的とする。
上記課題を解決すべく本発明によって提供される密閉型電池は、開口部を有するケースと、該ケース開口部を塞ぐ蓋体とを備える電池であって、上記蓋体の上記ケースとの対向面には、上記ケースの内方に入り込み上記ケース開口部に嵌合する内側凸部が形成されており、上記ケース開口部を包囲する上記ケースの周壁部と上記蓋体とは溶接により接合されている。そして、上記ケース周壁部と上記蓋体とが近接する領域であって少なくとも上記ケース開口部周縁を構成する該周壁部の内側エッジを包含する領域において、該周壁部と蓋体との直接接触を阻むバリア層が設けられており、且つ、上記バリア層のケース外方側の端部は上記周壁部の外側エッジに到達することなく該外側エッジと上記内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中に形成されている。
なお、本明細書において「電池」とは、所定の電気エネルギーを取り出し得る蓄電装置をいい、特定の蓄電機構(電極体や電解質の構成)に限定されない。リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池或いは電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(即ち物理電池)は、ここでいう電池に包含される典型例である。
また、本明細書において「ケース」とは、ここで開示される電池を構成する一部材であって、電極体ユニット及び電解質を収容し、開口部(即ち電極体ユニット収容口)を有する電池用筐体をいう。
なお、本明細書において「かじり」または「削れ」とは、ケースと蓋体の接触面(互いに擦れ合う摩擦面)において不規則な微視的な若しくは巨視的な塊が生じることをいい、「削り粉」とは当該削れ(かじり)により生じた塊がケース若しくは蓋体から遊離した金属粉をいう。
本発明に係る電池は、ケース(典型的には金属製)の開口部に蓋体(典型的には金属製)が装着され、溶接によって該開口部を包囲するケース周壁部と蓋体とが接合(封口)されている密閉型電池である。上記構成を有する本発明の電池では、蓋体の装着時に削れが発生し易い部位であるケース開口部周縁を構成するケース周壁部の開口端面における内側エッジを包含する領域にバリア層を備える。そのため、蓋体装着時に起こり得る削れの発生が抑制されるとともに、溶接によるスパッタがバリア層で阻止されるためケースの内部にまで飛散する虞がない。さらに、上記バリア層の端部(縁)のうち、ケース外方側に位置するバリア層の端部は、ケース周壁部の開口端面における外側エッジと内側エッジとの間の途中までしか形成されておらず、ケース周壁部の開口端面全体に亘っていない(即ち外側エッジに到達していない)。即ち、溶接に伴うレーザ照射面を構成する部分(具体的には、ケース周壁部と蓋体とが近接する領域であって少なくとも該ケース周壁部の外側エッジを包含するケース外側の溶接領域)のケース周壁部および蓋体にはバリア層が形成されていないため、バリア層に阻まれることなく照射面のケースおよび蓋体を構成する金属を確実に溶融し得る。その結果、良好なシール性(電解液の漏洩やケース内への水分侵入を防ぐ性能)を有する信頼性の高い密閉型電池の提供が実現される。
また、本発明によって提供される電池の好ましい一態様では、上記バリア層のケース外方側の端部(縁)と上記周壁部の内側エッジとの間の距離Lは、上記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される上記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、L≦0.5tを具備するように決定されている。
上記バリア層の距離Lとケース周壁部の開口端面の厚さtの関係がL≦0.5tである、換言すればケース周壁部の内側エッジから周壁部の開口端面の厚さの2分の1を越えてバリア層をケース周壁部の外側エッジ方向に延伸しないことを特徴とする本構成の電池では、バリア層に干渉されずにケース周壁部と蓋体とが直接対向する溶接領域を十分に確保することができる。このため、良好なシール性を有する信頼性の高い密閉型電池の提供が実現される。
また、本発明によって提供される電池の好ましい他の一態様では、上記バリア層における上記ケース外方側の端部(縁)と上記周壁部の内側エッジとの間に形成された部分の平均厚みMは、上記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される上記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、M≦0.3tを具備するように決定されている。
上記バリア層におけるケース周壁部の開口端面に形成された部分の平均厚みMが上記M≦0.3tを具備する値に設定されることにより、蓋体のケース開口部への装着時における削れの発生を防止するとともに、蓋体とケース周壁部との間隔を所定の範囲内(典型的には上記平均厚みMとほぼ同じ、即ち0.3t以下)に抑えることができる。このため、バリア層の介在にかかわらずケース周壁部と蓋体とを溶接するのに十分に接近させることができる。従って、本態様によると、溶接強度ならびに高い密閉性を保証した信頼性の高い密閉型電池を提供することができる。
好ましく提供される本発明に係る電池の一態様では、上記tは0.3mm〜2mmの範囲にある。ケース周壁部の開口端面の外側エッジと内側エッジとの間の距離、即ちケース周壁部の開口端面の厚さtがかかる数値範囲に設定された場合であっても、本発明の適用により、かじり(削れ)の発生を防止し且つ溶接時に発生したスパッタがケース内部に飛散することを未然に防止することができる。従って、本発明によると、比較的薄いケースを備えた軽量で信頼性の高い密閉型電池を提供することができる。
また、本発明によって提供される電池の好ましい他の一態様では、上記バリア層は、合成樹脂またはゴム製である。
上記バリア層が合成樹脂またはゴムにより形成されていると、蓋体とケース周壁部とが接触しても削れが生じ難く、また、蓋体またはケース周壁部由来の削り粉(即ち金属粉)が発生することを防止することができる。特に、耐電解液腐食性の高い合成樹脂またはゴムにより形成されたバリア層は電解液の漏洩やケース内への水分侵入を防ぐことができる。
また、本発明は、上記目的を実現する密閉型電池用のケースならびに蓋体を提供する。さらにそれらの組合せを提供する。即ち、本発明によって提供される組合せを構成する蓋体と電池ケースは、ここで開示される密閉型電池を構成する蓋体と電池ケースであり、当該蓋体の裏面側には、上記ケースの内方に入り込み上記ケース開口部に嵌合させるための内側凸部が形成されており、上記蓋体を上記ケース開口部に嵌合させた状態のときに、該ケース開口部を包囲する上記ケース周壁部と上記蓋体とが近接する領域であって、少なくとも上記ケース開口部周縁を構成する該周壁部の内側エッジを包含する領域において、該周壁部と蓋体との直接接触を阻むバリア層が該周壁部および該蓋体のうちの少なくともいずれか一方に設けられていることを特徴とする。さらに、上記バリア層は、上記蓋体を上記ケース開口部に嵌合させた状態のときに、該バリア層のケース外方側の端部が上記周壁部の外側エッジに到達することなく該外側エッジと上記内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中に形成されるように設けられている。
ここで開示される密閉型電池用ケースと蓋体は、蓋体の装着時に削れが発生し易い接触部位となるケース開口部周縁に相当するケース周壁部および蓋体のいずれか一方にバリア層が設けられているため、蓋体のケース開口部への装着時において削れの発生が抑制されるとともに、蓋体とケースとの溶接時に生じたスパッタがケース内部に飛散するのをバリア層により阻止することができる。さらに、上記バリア層は、蓋体がケースに装着された状態において、外側エッジと内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中までしか形成されていないため、溶接によるケースと蓋体との接合はバリア層に阻まれることなく確実に溶融され得る。従って、本発明の蓋体と電池ケースの使用により、良好な封口構造を有する信頼性の高い密閉型電池が提供される。
また、本発明によって提供される好ましい一態様の密閉型電池用のケースと蓋体では、上記バリア層のケース外方側の端部と上記周壁部の内側エッジとの間の距離Lは、上記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される上記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、L≦0.5tを具備するように決定されている。
このような蓋体とケースとを用いることにより、バリア層に干渉されずにケース周壁部と蓋体とが直接対向する溶接領域を十分に確保することができる。このため、良好なシール性を有する信頼性の高い密閉型電池を構築することができる。
また、本発明によって提供される好ましい他の一態様の密閉型電池用のケースと蓋体では、上記バリア層におけるケース外方側の端部と上記周壁部の内側エッジとの間に形成された部分の平均厚みMは、上記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される上記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、M≦0.3tを具備するように決定されている。
このような蓋体とケースとを用いることにより、蓋体のケース開口部への装着時における削れの発生を防止するとともに、蓋体とケース周壁部との間隔を所定の範囲内(典型的には上記平均厚みMとほぼ同じ、即ち0.3t以下)に抑えることができる。このため、バリア層の介在にかかわらずケース周壁部と蓋体とを溶接するのに十分に接近させることができる。従って、溶接強度ならびに高い密閉性を保証した信頼性の高い密閉型電池を構築することができる。
また、本発明によって提供される密閉型電池用のケースと蓋体についての好ましい他の一態様では、上記バリア層は、合成樹脂またはゴム製である。
上記バリア層が合成樹脂またはゴムにより形成されていると、電池の構築時において、該バリア層と蓋体またはケース周壁部が接触しても削れが生じ難く、また、蓋体またはケース周壁部由来の削り粉(即ち金属粉)が発生することを防止することができる。
また、本発明は、他の側面として、ここに開示されるいずれかの密閉型電池用のケースと蓋体とを用意することにより、密閉型電池を製造する方法を提供する。
本発明に係る密閉型電池の製造方法は、開口部を有するケースと、該ケース開口部を塞ぐ蓋体とを備える密閉型電池を製造する方法であって、以下の工程を包含する。即ち、上記ケースおよび上記蓋体として、以下の特徴:上記蓋体の上記ケースとの対向面には、上記ケースの内方に入り込み上記ケース開口部に嵌合させるための内側凸部が形成されており、上記蓋体の内側凸部を上記ケース開口部に嵌合させた状態のときに、該ケース開口部を包囲する上記ケース周壁部と上記蓋体とが近接する領域であって少なくとも上記ケース開口部周縁を構成する該周壁部の内側エッジを包含する領域において、該周壁部と蓋体との直接接触を阻むバリア層が該周壁部および該蓋体のうちの少なくともいずれか一方に設けられており、且つ、該バリア層のケース外方側の端部が上記周壁部の外側エッジに到達することなく該外側エッジと上記内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中に形成されるように設けられている;を備えるケースおよび蓋体を用意する工程;上記用意したケース内に少なくとも一つの電極体ユニットを収容する工程;上記ケース開口部を上記蓋体で塞ぐ工程;および上記ケース開口部を塞いだ蓋体と該ケース開口部を包囲するケース周壁部とを溶接する工程、ここで該ケース周壁部と該蓋体とが近接する領域であって上記バリア層が形成されていない領域を中心に溶接が行われる;を包含する。
また、本製造方法において好ましく用いられるケースと蓋体との組み合わせの例示は、上述のとおりである。
さらに、本発明は、ここに開示されるいずれかの密閉型電池(ここに開示される方法により製造された密閉型電池であり得る。)を備える車両が提供される。 本発明によって提供される密閉型電池は、車両に搭載される密閉型電池として適した品質(例えば、優れたシール性、内部短絡の防止等)を示すものであり得る。したがって、かかる電池は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の電源として好適に使用され得る。
図1は、一実施形態に係る密閉型電池を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1におけるII−II線断面図である。 図3は、蓋体装着前のケース周壁部および蓋体との対向する領域を拡大した模式図である。 図4は、蓋体装着後に溶接されたケース周壁部および蓋体との対向する領域を拡大した模式図である。 図5は、本発明の密閉型電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明に係る密閉型電池は、ケース開口部を塞ぐ蓋体と、該ケース周壁部とが溶接で封口される電池であって、ケース開口部周縁に相当する該周壁部の内側エッジを包含する領域にバリア層が設けられていることによって特徴付けられる。
以下、上記バリア層がケース側に設けられているケースと蓋体とを用いて構築される密閉型電池を例として本発明を詳細に説明する。但し、かかる実施形態に限定することを意図したものではない。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、一実施形態に係る密閉型電池100を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線断面図である。
図1および2に示されるように、本実施形態に係る密閉型電池100は、直方体形状の角形のケース10と、該ケース10の開口部12を塞ぐ蓋体60とを備える。該ケース10は、ケース10の側面を構成する周壁部14と、開口部12からみて図示しない底部とを備える直方体形状の筐体であり、周壁部14の開口端面(即ち開口部12の周縁を構成している端面)15で囲まれた部分において矩形状の開口部12が構成されている。この開口部12よりケース10内部に電極体ユニット20及び電解液を収容することができる。また、上記周壁部14の開口端面15は、開口部周縁13に相当する内側エッジ16と、ケース外方側に位置する外側エッジ18との間の距離で規定される厚みt(図3参照)を有している。
図2に示されるように、上記蓋体60はケース10の開口部12を塞ぐようにして装着される。該蓋体60は、該ケース10の底面と同一のサイズ・形状であって開口部12上に配置されてケース10の一面を構成するように矩形プレート状に形成され、該蓋体60の該ケース10との対向面(ケース開口部12に装着された際にケース10の内方側に配置される面をいう。以下同じ。)の中心部には蓋体60をケース開口部12に装着した際に開口部12の内方に入り込む内側凸部62が形成されている。即ち、本実施形態に係る密閉型電池100は、蓋体60の内側凸部62がケース10の内方に入り込み、嵌合している。
また、図1および図2に示されるように、蓋体60には外部接続用の正極端子38と負極端子48とが設けられており、それら端子38,48の一部は蓋体60の表面側に突出している。正極端子38および負極端子48は、ケース10内部に収容された電極体ユニット20(図2参照)の正極集電体32(具体的には正極集電体32上に正極活物質層34が形成された正極シート30)の端部および負極集電体42(具体的には負極集電体42上に負極活物質層44が形成された負極シート40)の端部と電気的にそれぞれ接続される。
上記ケース10および蓋体60を構成する成形材料としては金属製の材料が好ましい。後述するように、本実施形態に係る密閉型電池100は、ケース開口部12に装着された蓋体60が溶接によって封口される構成であるため、溶接が可能な成形材料である限りにおいてはその種類は特に限定されないが、軽量で熱伝導性が良い金属材料を好適に使用することができる。このような金属材料として、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケルめっき鋼などが挙げられる。特に好ましい材料は、軽量で熱伝導性の良いアルミニウムまたはアルミニウム合金である。
また、ケース10および蓋体60を構成する成形材料はそれぞれ同じ材料でも良く、異なる材料を用いて構成されていても構わない。但し、同じ材料で構成されたケース10および蓋体60は、熱伝導率や溶融温度等の諸物性が同じであるため、溶接の熱による金属の溶融に偏りが生じないため好ましい。本実施形態では、ケース10および蓋体60は、いずれもアルミニウムで構成されている。
なお、上記形状のケース10及び蓋体60は、適当な金属材料からなる板材をプレス加工等することによって所望の形状に成形される。
次に、バリア層70を備えるケース10と蓋体60との封口部分の構造について図3および図4を用いて詳細に説明する。
図3は、図2中のケース周壁部14および蓋体60との近接(対向)する領域を拡大した模式図である(但し蓋体が装着される前)。図4は、蓋体が装着されて溶接されたケース周壁部および蓋体との近接(対向)する領域を拡大した模式図である。
図3に示すように、本実施形態に係る密閉型電池100のケース10は、ケース周壁部14と蓋体60とが近接(対向)する領域であって、ケース開口部周縁13に相当する周壁部14の内側エッジ16を包含する領域においてバリア層70が設けられている。好ましくは、図示されるように、バリア層70は内側エッジ16を中央に含み、一方の端部(ケース外方側の縁)が外側エッジ18と内側エッジ16との間のケース周壁部14の開口端面15の途中に形成され、且つ他方の端部(ケース内方側の縁)が内側エッジ16を越えてケース周壁部14の内壁面19まで延伸して形成されている。換言すると、かかるバリア層70は、該周壁部14と蓋体60との直接接触を阻む位置に形成されている。そのため、蓋体60の装着時に起こり得る削れの発生が抑制されるとともに、溶接によるスパッタが仮に発生しても、バリア層70で阻止されるためケース10の内部にまでスパッタが飛散する虞がない。
また、バリア層70のケース10外方側の端部(溶接によるレーザ照射面に近い方のバリア層70の縁)は、周壁部14の外側エッジ18に到達することなく、外側エッジ18と内側エッジ16との間のケース周壁部の開口端面15の途中に形成されている。即ち、溶接時のレーザ照射面を構成する部分のケース周壁部14および蓋体60にはバリア層70が形成されていない(突出していない)。
ここで、上記レーザ照射面とは、図4に示すように、矢印αで示される位置からケース周壁部14と蓋体60の周縁とが直接対向する溶接領域80であって、少なくともケース周壁部14の外側エッジ18を包含するケース外側のバリア層70が形成されていない部分をいい、かかる領域80にレーザ光を照射し、局部的に溶融・凝固させることによってケース周壁部14と蓋体60とを接合することができる。したがって、本実施形態に係る電池100は、ケース10の側方αから当該領域80にレーザ照射され、ケース10と蓋体60とが溶接された封口構造を備える。また、上記領域80にはバリア層が形成されていないので、レーザ照射熱がバリア層70に吸収されることなく、照射面全体に均等に熱が伝わりケース周壁部14と蓋体60との溶接接合が良好に行われる。これにより、電解液の漏洩やケース内への水分侵入を防ぐ良好なシール性(封口構造)を有する密閉型電池100となり得る。なお、本実施形態では、種々のレーザ溶接を限定することなく利用することができ、例えば好適な熱源としては、YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、COレーザ等が挙げられる。
また、バリア層70は、ケース周壁部14の内側エッジ16と外側エッジ18との間の距離で規定される周壁部の開口端面15の厚さtとの間において、以下のような関係式を具備するように設けられるのが好ましい。
まず、バリア層70のケース外方側の端部とケース周壁部14の内側エッジ16との間の距離L(図3参照)は、L≦0.5tの関係式で表わされる。好ましくは、上記距離Lは、0.3t≦L≦0.5tの範囲内に設定される。かかる関係式で表わされる距離Lを備えるバリア層70がケース10に設けられると、封口時の溶接においてケース10内部にスパッタが飛散する虞がない。また、溶接時のレーザ照射面を構成する部分にはバリア層70が形成されていないため、ケース周壁部14と蓋体60とが強固に接合される。
さらに、上記バリア層70は、バリア層70におけるケース外方側の端部とケース周壁部14の内側エッジ16との間に形成された部分の平均厚みM(図3参照)は、M≦0.3tの関係式で表わされる。かかる関係式で表わされる平均厚みMを備えるバリア層70がケース10に設けられると、蓋体60の装着時に削れの発生が未然に防止されることに加え、ケース周壁部14と蓋体60とが直接対向する領域(溶接領域)における蓋体とケース開口端面15との距離が近く、十分な溶接強度を実現することができる。
なお、好ましくは、上記平均厚みMは、0.05t≦M≦0.3tの範囲内に設定される。また、0.05t≦M≦0.1tの範囲内に設定されることがさらに好ましい。
また、上述の0.3t≦L≦0.5tと0.05t≦M≦0.3t(さらに好ましくは0.05t≦M≦0.1t)とを共に満足するようにバリア層を形成することが特に好ましい。
なお、ケース周壁部14の内側エッジ16と外側エッジ18との間の距離で規定される周壁部の開口端面15の厚さtとしては、本発明の目的を達成し得る限りにおいて特に限定されるものではない。例えば、tが0.3mm〜2mmの範囲となるように設けられてもよい。また、厚さtの範囲として、好ましくは0.5mm〜1.5mmであり、特に好ましくは0.8〜1.2mm程度であり得る。かかる厚みtの比較的薄いケースを備える電池100は、ケース10内部に収容された電極体ユニット20等を外部衝撃から保護し得る強度を備え得るとともに、軽量で信頼性の高い密閉型電池となり得る。
さらに、上記バリア層70は、合成樹脂またはゴムから成る材料から構成されている。合成樹脂またはゴムは機械的強度と化学安定性とを有しており、且つ低コストで調達され得る。また、バリア層70が合成樹脂またはゴムにより形成されていると、該バリア層70が蓋体60またはケース周壁部14と接触しても削れが生じ難く、また、蓋体60またはケース周壁部14由来の削り粉(即ち金属粉)が発生することを防止することができる。
バリア層を構成する合成樹脂材料としては、オレフィン系樹脂等の耐電解液腐食性が高いものが好ましく、例えばリチウムイオン電池その他の非水電解液を用いる電池を構築する場合では、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等、あるいはそれらの組み合せを好適に使用することができる。また、ゴム材料としては、例えばリチウムイオン電池その他の非水電解液を用いる電池を構築する場合、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)等を用いることが可能である。あるいは、熱可塑性エラストマー(TPE)を用いてもよい。
上記材料から構成されるバリア層70をケース周壁部14の内側エッジ16を包含する領域に形成する手段としては、本発明の目的を達成し得る限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば合成樹脂またはゴム製のフィルムの片面に粘着材が塗られた粘着シール材を上記領域に被覆することにより、容易にバリア層70を形成することができる。なお、市販される合成樹脂またはゴム製のシール材であっても特に限定することなく使用され得る。
上述のようにバリア層70が設けられたケース10および蓋体60との組み合わせを用いて構築される密閉型電池100として、その他の構成要素である電極体ユニット20及び電解液等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、捲回型の電極体ユニット20を備えるリチウムイオン電池100を構築した。以下、その他の構成要素について説明するが、本発明を係る実施形態に限定することを意図したものではない。
図2に示すように、本実施形態では該ケース10内に扁平形状の電極体ユニット20が収容されている。該電極体ユニット20は、長尺シート状の正極集電体32の表面に正極活物質層34を有する正極シート30、長尺シート状の負極集電体42の表面に負極活物質層44を有する負極シート40、及び長尺シート状のセパレータ50からなり、正極シート30及び負極シート40を2枚のセパレータ50と共に重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって扁平形状に成形されている。
そして、正極集電体32の端部に正極端子38が、負極集電体42の端部には負極端子48がそれぞれ接合され、上記扁平形状に形成された正極シート30または負極シート40と電気的に接続されている。正負極端子38,48と集電体32,42とのそれぞれの接合方法としては、例えば超音波溶接法、抵抗溶接法等の各種溶接法を用いることができる。
また、正極シート30を構成する正極集電体32としては、導電性の良好な金属からなるシート材を用いることができる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金製の導電性部材が挙げられる。また、正極活物質層34の主成分たる電極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えばリチウム遷移金属複合酸化物等が好ましく用いられる。また、導電材としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボン粉末を添加することができる。
一方、負極シート40を構成する負極集電体42としては、銅等の導電性の良好な金属からなるシート材を用いることができる。また、負極活物質層44の主成分たる電極活物質としては、従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。例えば、グラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料が挙げられる。
正極シート30及び負極シート40は、上記電極活物質を適当な溶媒に分散させた組成物をそれぞれの集電体32,42に付与し、該組成物を乾燥させることにより好ましく作製され得る。上記溶媒としては、例えば、水等の水系溶媒、あるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、メチルエチルケトン等の非水系溶媒を好適に用いることができる。
また、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のポリマーから適宜選択される一種または二種以上のポリマー材料を、結着剤や増粘剤などの各種添加剤として好適に用いることができる。なお、上記電極活物質を適当な溶媒に分散させた組成物をそれぞれの集電体32,42に付与(典型的には塗布)する操作は、例えば、適当な塗布装置(スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター等)を使用して、所定量の組成物を塗布することができる。
上記電極体ユニット20をケース10に収容した後、電解液を該ケース内に注入する。リチウムイオン電池用電解液としては、非水系溶媒と該溶媒に添加され溶解しているリチウム塩(支持塩)とを含む非水電解液を用いることができる。非水系溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の一般にリチウムイオン電池の電解液に使用し得るものとして知られている非水系溶媒から選択される一種または二種以上を用いることができる。また、電解液に含有させる支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
上記電解液を注入後、ケース10の開口部12に蓋体60を装着し、該ケース側方のα(図4参照)からレーザ照射して接合することによって、本発明の好ましい一実施形態である密閉型電池100が構築される。
以下、本発明に関する試験例につき説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
まず、サイズが150mm(縦)×30mm(横)×100mm(高さ)であり、厚みが全周にわたって1mmであるアルミニウム製の密閉型電池用のケースを用意した。また、サイズが150mm(縦)×30mm(横)であり、厚みが3mmであるアルミニウム製の密閉型電池用の内側凸部を備える蓋体を用意した。
そして、本試験例では構成材料およびサイズ(距離Lおよび平均厚みM)がそれぞれ異なるバリア層を設けた計9種類(サンプル1〜9)のケース、およびバリア層を設けないケース(サンプル10)を用意した。表1にサンプル1〜10にかかるバリア層の構成材料とサイズの一覧を示す。
なお、バリア層における距離Lとはケース外方側の端部とケース周壁部の内側エッジとの間の周壁部の開口端面の距離をいい、平均厚みMとはケース外方側の端部とケース周壁部の内側エッジとの間に形成された部分における平均厚みをいう(図3参照)。
Figure 0005229594
而して、バリア層を有するサンプル1〜9、およびバリア層を有さないサンプル10の全10種類のケース(それぞれにつき30個ずつ)を用いて、蓋体装着時の削り粉の混入の有無およびレーザ溶接時のスパッタの混入の有無、並びに溶接後の平均耐圧強度を調べた。表2にサンプル1〜10の測定結果を示す。
なお、本試験例は本発明を特徴付けるケースと蓋体との封口構造に関する試験例であり、かかる試験目的に関して電極体ユニット及び電解液は不要であるため、ケース内にはこれら電池構成物は収容していない。
Figure 0005229594
<削り粉の混入の有無>
削り粉の混入の有無は、ケース開口部に蓋体を装着した後、ケース内に落下した削り粉の有無を目視にて確認した。結果を表2に示す。
表2に示すように、サンプル10では、計30回の装着操作において11回の装着操作で削り粉の混入が認められた。一方、バリア層が設けられたサンプル1〜9のケースを用いた装着操作では、削り粉の混入は計30回の装着操作では全く認められなかった。
<スパッタの混入の有無>
上記装着した蓋体とケースをレーザ溶接した。具体的には、蓋体を所定位置に装着したケース周壁部と蓋体との対向(近接)する部分に全周にわたってレーザ(例えばYAGパルスレーザとCWレーザとのハイブリッドレーザ)を照射し、溶接を行った。
溶接に伴うスパッタの混入の有無は、ケース内に落下したスパッタの有無を目視にて確認した。結果を表2に示す。
表2に示すように、サンプル10では、計30回の溶接において半数以上の16回の溶接でスパッタの混入が認められた。一方、バリア層が設けられたサンプル1〜9のケースを用いた溶接では、スパッタの混入は計30回の溶接では全く認められなかった。
<平均耐圧強度の測定>
上記溶接後、蓋体に穴を開けてオイル(シリコンオイル等)をケース内に注入していき、溶接部分に亀裂が生じる(即ち注入したオイルが漏出する)までの限界内部圧力(耐圧強度)を測定した。サンプル1〜10(それぞれにつき30個ずつ)上記耐圧強度試験を行い、平均耐圧強度を求めた。結果を表2に示す。
表2に示すように、サンプル1,2,3,5,8,9では比較的高い耐圧強度(即ち少なくとも4.5MPa、特に好ましいいくつかのサンプルでは5.0MPa以上)を示した。他方、サンプル4(平均厚みMが0.05mm)、サンプル6(距離Lは0.7mm)、およびサンプル7(距離Lが1.0mm)では、平均耐圧強度が低かった。特に、サンプル4では低値を示し、平均耐圧強度が1.0MPa以下であった。
<構成材料の評価>
本試験では、表1に示すように、バリア層を構成する材料として3種類の異なる材料を用いた。サンプル1〜7はバリア層の構成材料としてPP(ポリプロピレン)を用い、そして、サンプル8はポリエチレン(PE)を、サンプル9ではエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)をそれぞれ使用した。そこで、バリア層のサイズ(距離L0.3mmおよび平均厚みM0.1mm)の等しいサンプル2(PP)と、サンプル8(PE)と、サンプル9(EPDM)の上記結果を比較すると、いずれも削り粉の混入およびスパッタの混入は認められず、また高い平均耐圧強度を示した。
上記の試験例からも明らかなように、本発明によると、蓋体装着時における削り粉の発生防止と溶接に伴うスパッタの混入防止を実現することができる。また、ケースと蓋体との高い溶接強度(シール性)を備え、信頼性の高い密閉型電池を提供することができる。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、種々の改変が可能である。例えば、上記バリア層をケース側に予め形成された態様のものではなく、対応する部分の蓋体に同様のバリア層が形成されたものでもよい。
また、密閉型電池の種類は上述したリチウムイオン電池に限られず、電極体構成材料や電解質が異なる種々の内容の電池、例えばリチウム金属やリチウム合金を負極とするリチウム二次電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、あるいは電気二重層キャパシタのようないわゆる物理電池であってもよい。さらに、該電池の形状は特に限定されず、例えば直方体状、円筒状等の外形であり得、該電池の大きさ並びにその他の構成についても、用途(典型的には車載用)によって適切に変更することができる。
本発明により提供される密閉型電池(特に好ましくはリチウムイオン電池等のリチウム二次電池やニッケル水素電池のような二次電池)は、特に自動車等の車両に搭載されるモーター(電動機)用電源として好適に使用し得る。従って、本発明によると、図5に模式的に示すように、本発明により提供される密閉型電池100(典型的には、電池100を単電池として当該電池を複数直列に接続して構成される組電池即ち電池パック)を電源として備える車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)1を提供することができる。

Claims (6)

  1. 開口部を有するケースと、該ケース開口部を塞ぐ蓋体とを備える密閉型電池であって、
    前記蓋体の前記ケースとの対向面には、前記ケースの内方に入り込み前記ケース開口部に嵌合する内側凸部が形成されており、
    前記ケース開口部を包囲する前記ケースの周壁部と前記蓋体とは溶接により接合されており、
    ここで、前記ケース周壁部と前記蓋体とが近接する領域であって少なくとも前記ケース開口部周縁を構成する該周壁部の内側エッジを包含する領域において、該周壁部と蓋体との直接接触を阻む合成樹脂またはゴム製のバリア層が設けられており、且つ、
    前記バリア層のケース外方側の端部は、前記周壁部の外側エッジに到達することなく該外側エッジと前記内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中に形成されている、密閉型電池。
  2. 前記バリア層のケース外方側の端部と前記周壁部の内側エッジとの間の距離Lは、前記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される前記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、L≦0.5tを具備するように決定されている、請求項1に記載の密閉型電池。
  3. 前記バリア層における前記ケース外方側の端部と前記周壁部の内側エッジとの間に形成された部分の平均厚みMは、前記外側エッジと該内側エッジとの間の距離で規定される前記周壁部の開口端面の厚さをtとしたとき、M≦0.3tを具備するように決定されている、請求項1または2に記載の密閉型電池。
  4. 前記tが0.3mm〜2mmの範囲にある、請求項2または3に記載の密閉型電池。
  5. 開口部を有するケースと、該ケース開口部を塞ぐ蓋体とを備える密閉型電池を製造する方法であって、以下の工程:
    前記ケースおよび前記蓋体として、以下の特徴:
    前記蓋体の前記ケースとの対向面には、前記ケースの内方に入り込み前記ケース開口部に嵌合させるための内側凸部が形成されており、
    前記蓋体の内側凸部を前記ケース開口部に嵌合させた状態のときに、該ケース開口部を包囲する前記ケース周壁部と前記蓋体とが近接する領域であって少なくとも前記ケース開口部周縁を構成する該周壁部の内側エッジを包含する領域において、該周壁部と蓋体との直接接触を阻む合成樹脂またはゴム製のバリア層が該周壁部および該蓋体のうちの少なくともいずれか一方に設けられており、且つ、該バリア層のケース外方側の端部が前記周壁部の外側エッジに到達することなく該外側エッジと前記内側エッジとの間のケース周壁部の開口端面の途中に形成されるように設けられている;
    を備えるケースおよび蓋体を用意する工程;
    前記用意したケース内に少なくとも一つの電極体ユニットを収容する工程;
    前記ケース開口部を前記蓋体で塞ぐ工程;および
    前記ケース開口部を塞いだ蓋体と該ケース開口部を包囲するケース周壁部とを溶接する工程、ここで該ケース周壁部と該蓋体とが近接する領域であって前記バリア層が形成されていない領域を中心に溶接が行われる;
    を包含する製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の密閉型電池、または請求項に記載の製造方法により製造された密閉型電池を備える車両。
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