JP5229090B2 - 圧縮機の弁着脱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機のシリンダが備える弁をシリンダの下方で上昇及び下降させて、シリンダに着脱する際に用いる圧縮機の弁着脱装置に関する。
従来から、製鉄所やガス製造取扱所等の施設では、インパクトレンチやインパクトドライバ等、圧縮空気を動力源として作動する工具を用いることが多い。このため、このような施設では、圧縮空気の供給源として、往復圧縮機(レシプロコンプレッサー)等の圧縮機を設置する。
ところで、一般的には、圧縮機のシリンダに取り付けた弁(吸入弁・吐出弁)に損傷等が発生すると、空気漏れが発生して圧縮機の稼動効率が低下する。したがって、圧縮機に対し、稼動効率の低下を抑制するためには、損傷等が発生した弁をシリンダから着脱して、弁の交換・補修等を行う必要がある。
しかしながら、着脱対象となる弁が、圧縮機の下側から取り付ける弁、すなわち、シリンダの下面(圧縮機の設置面と対向する面)に取り付けた弁である場合、シリンダに弁を着脱する際に、例えば15[kg]程度の重量物である弁を、作業員が人力により弁の重量を支持した状態で作業を行う必要がある。このため、シリンダの下面に取り付けた弁を着脱する作業は、作業員の負担が大きく、また、危険を伴う作業となるという問題がある。
このような問題に対し、シリンダの下面に取り付けた弁を着脱する作業を、例えば、特許文献1に記載の装置を用いて行うことにより、作業員の負担や危険性を低減させる解決策がある。
特許文献1に記載の装置は、昇降用の油圧機構を有し、且つ水平移動が可能な台車と、この台車上に設置され、且つ水平移動及び回転が自在な主テーブルと、この主テーブル上に設置された支持テーブルを備えている。
このような装置を用いて、シリンダから弁を取り外す際には、台車をシリンダの下方に移動させ、さらに、支持テーブルを弁の下方へ移動させる。そして、支持テーブルを油圧機構により上昇させて弁の下方に配置し、シリンダから弁を取り外して支持テーブルで支持した後、油圧機構により支持テーブルを下降させる。
一方、弁をシリンダへ取り付ける際には、弁を支持テーブルで支持した状態で、台車をシリンダの下方に移動させ、さらに、支持テーブルを弁の下方へ移動させる。そして、弁を支持している支持テーブルを油圧機構により上昇させて、シリンダの下面に弁を取り付ける。
特開平8−133080号公報
ところで、圧縮機を設置した施設の構造や状態によっては、圧縮機の設置面に対してシリンダが傾斜し、油圧機構により弁を上昇させる方向が、シリンダに対する弁の取り付け方向に対して傾斜している場合がある。この場合、シリンダへ弁を取り付ける際に、シリンダに対して、弁の取り付け角度を調整する必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、シリンダに対する弁の取り付け方向に対して弁を傾斜させる機構が無いため、シリンダに対して弁の取り付け角度を調整する作業は、作業員が人力により弁の重量を支持した状態で行う作業となる。このため、作業員の負担や危険性が増加するという問題が生じるおそれがある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、弁の重量を支持するために要する作業員の負担を減少させるとともに、シリンダに対して弁の取り付け角度を調整することが可能な、圧縮機の弁着脱装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のうち、請求項1に記載した発明は、圧縮機の下側から取り付ける弁を上昇及び下降させて前記圧縮機に着脱する圧縮機の弁着脱装置であって、
前記弁を保持可能な弁保持部と、当該弁保持部を支持する上側支持部の上昇及び下降が可能な昇降部と、前記圧縮機を設置した設置面上に取り付けられ、且つ前記昇降部を水平移動可能に支持する下側水平移動部と、前記弁保持部を揺動可能に支持する揺動部と、当該揺動部を水平移動可能に支持する上側水平移動部と、を備え、
前記揺動部及び前記上側水平移動部を、前記弁保持部と前記昇降部との間に介装したことを特徴とするものである。
本発明によると、圧縮機の下側から取り付ける弁を上昇及び下降させて圧縮機に着脱する際に、弁を保持可能な弁保持部を、弁を上昇及び下降させる方向に対して、揺動させることが可能となる。
このため、弁を上昇させる方向が、シリンダに対する弁の取り付け方向に対して傾斜している場合であっても、弁保持部に弁を保持した状態で、シリンダに対して、弁の取り付け角度を調整することが可能となる。
また、弁を下降させる方向が、シリンダに対する弁の取り外し方向に対して傾斜している場合であっても、弁保持部に弁を保持した状態で、シリンダに対して、弁の取り外し角度を調整することが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明であって、前記弁保持部の揺動角度を規制する揺動角度規制部材を備え、
前記揺動角度規制部材を、前記揺動部に対して着脱自在とすることを特徴とするものである。
本発明によると、弁をシリンダの下方で上昇させてシリンダへ取り付ける際に、弁の上昇方向に対して、弁保持部の揺動角度を規制することが可能となる。
このため、弁のシリンダへの取り付け角度を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダに対する弁の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明であって、前記揺動部の水平移動を規制する揺動部側水平移動規制部材を備え、
前記揺動部側水平移動規制部材を、前記弁保持部及び前記上側水平移動部に対して着脱自在とすることを特徴とするものである。
本発明によると、弁をシリンダの下方で上昇させてシリンダへ取り付ける際に、揺動部の水平移動を規制することが可能となる。
このため、揺動部の上側水平移動部に対する水平方向の位置を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダに対する弁の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項4に記載した発明は、請求項1から3のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記昇降部の水平移動を規制する昇降部側水平移動規制部材を備えることを特徴とするものである。
本発明によると、弁をシリンダの下方で上昇させてシリンダへ取り付ける際に、下側水平移動部に対する昇降部の水平移動を規制することが可能となる。
このため、昇降部の下側水平移動部に対する水平方向の位置を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダに対する弁の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
次に、本発明のうち、請求項5に記載した発明は、請求項1から4のうちいずれか1項に記載した発明であって、前記圧縮機を、往復圧縮機とし、
前記弁を、吸入弁及び吐出弁のうち少なくとも一方とすることを特徴とするものである。
本発明によると、往復圧縮機のシリンダが備える吸入弁及び吐出弁のうち少なくとも一方を、シリンダの下方で上昇及び下降させてシリンダに着脱する作業において、作業員の負担や危険性を低減させることが可能となる。
このため、往復圧縮機のシリンダに取り付けた吸入弁や吐出弁に損傷等が発生しても、損傷等が発生した弁を効率良く、また、安全に着脱することが可能となるため、往復圧縮機に対し、稼動効率の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、弁保持部に弁を保持した状態で、シリンダに対して、弁の取り付け角度を調整することが可能となるため、シリンダに対して弁を着脱する作業において、作業員の負担や危険性を低減させることが可能となる。
第一実施形態の弁着脱装置の適用対象となる圧縮機の一部を示す図である。 弁の構成を示す図である。 図1中に円IIIで囲んだ範囲及びその周辺の拡大図であり、シリンダの下面に取り付けた弁の状態を示す図である。 第一実施形態の弁着脱装置を上方から見た斜視図である。 弁着脱装置から揺動角度規制部材及び揺動部側水平移動規制部材を取り外した状態を示す図である。 図4のVI線矢視図である。 図4のVII線矢視図である。 揺動角度規制部材の上面図である。 揺動部側水平移動規制部材の上面図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、弁着脱装置を設置する設置工程を示す図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、弁を保持する弁保持工程を示す図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、シリンダに対して弁の水平位置を位置決めする水平位置決め工程を示す図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、シリンダに対して弁の上下位置を位置決めする上下位置決め工程を示す図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、シリンダに対して弁の上下位置を位置決めする上下位置決め工程を示す図である。 弁をシリンダに取り付ける作業工程のうち、シリンダに対して弁の上下位置を位置決めする上下位置決め工程を示す図である。
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態(以下、「本実施形態」と記載する)について、図面を参照しつつ説明する。
(構成)
まず、図1から図3を用いて、本実施形態の圧縮機の弁着脱装置(以下、「弁着脱装置」と記載する)を適用する対象となる圧縮機について説明する。
図1は、弁着脱装置の適用対象となる圧縮機Cの一部を示す図である。
図1中に示すように、圧縮機Cは、往復圧縮機(レシプロコンプレッサー)であり、内部でピストン(図示せず)が往復運動を行う、円筒形のシリンダ1を備えている。
シリンダ1は、その外周面に、吸入弁または吐出弁である複数の弁2を備えている。本実施形態では、弁2の重量が、15[kg]程度とする。
複数の弁2は、それぞれ、シリンダ1の外周面に取り付けられた状態で、弁カバー4により覆われている。
また、図1中に示すように、複数の弁2には、シリンダ1の下面(圧縮機Cの設置面Bと対向する面)に取り付けた弁2aと、シリンダ1の外周面のうち、弁2aよりも上方に取り付けた弁2bがある。
シリンダ1の下面に取り付けた弁2aは、圧縮機Cの下側から取り付ける弁2である。このため、弁2aをシリンダ1に対して着脱し、圧縮機Cに着脱する際には、弁2aを、比較的狭い空間である、シリンダ1の下方(シリンダ1と設置面Bとの間に形成される空間)で上昇及び下降させて、作業を行うこととなる。一方、弁2bをシリンダ1に対して着脱する際には、シリンダ1の下方と比較して広い空間において、作業を行うことが可能である。
本実施形態の弁着脱装置は、複数の弁2のうち、特に、シリンダ1の下面に取り付けた弁2aを、シリンダ1の下方で上昇及び下降させてシリンダ1に着脱する作業に用いる装置である。
ここで、図1中に示すように、圧縮機Cの設置面Bにおいて、シリンダ1の下方には、取り付けボルトを螺合させるタップ座6が形成されている。取り付けボルトは、後述する下側枠体部を、圧縮機Cの設置面Bに取り付けるためのボルト部材である。
タップ座6は、その上面に、取り付けボルトの先端側を挿入可能なタップ座側取付け孔8を有しており、タップ座側取付け孔8の内周面には、取り付けボルトの外周面に形成した雄ねじを螺合させる雌ねじが形成されている。
また、圧縮機Cの設置面Bにおいて、タップ座6を形成する位置は、下側枠体部の長さや、シリンダ1に対する弁2aの取り付け位置等に応じて設定する。
この場合、図1中に示すように、シリンダ1が、例えば、弁2aの取り付け位置を二箇所備えている場合は、これらの取り付け位置の下方に、後述する下側枠体部及び下側案内レールが配置されるように、タップ座6を形成する位置を設定する。
図2は、弁2の構成を示す図である。なお、弁2a及び弁2bは、共に同様の構成であるため、以下の説明は、弁2a及び弁2bに共通である。
図2中に示すように、弁2は、弁本体10と、弁押え12から形成されている。
弁本体10は、円板状に形成されており、シリンダ1内の圧力変化に応じて変位し、その内部に、気体の流路を開放または閉塞するバルブ(図示せず)を備えている。なお、気体の流路は、弁本体10の厚さ方向に形成される。
また、弁本体10の外径面には、段差が形成されており、この段差を境界にして、弁本体10は、大径部10aと、大径部10aよりも小径の小径部10bに区分されている。大径部10aと小径部10bとの境界には、周方向の全体に亘り、ゴム等の弾性材料で形成されたOリング14が取り付けられている。このOリング14は、小径部10bと後述する小径凹部との間に形成される隙間を閉塞可能な形状及び弾性で形成されている。
弁押え12は、円環部16と、三本の支持脚部18と、三つの弁固定片20を備えている。
円環部16は、円環状に形成されており、その外径面が弁本体10の大径部10aと連続するように、上端側で弁本体10の大径部10aと接触している。
三本の支持脚部18は、それぞれ、円環部16の径方向から見て略L字形に形成されており、円環部16の厚さ方向から見て等間隔に配置されている。また、三本の支持脚部18は、それぞれ、一方の端部が円環部16の下端側に連続しており、他方の端部が円環部16の中心付近において互いに結合している。したがって、支持脚部18の両端部間には、円環部16の厚さ方向から見て、等間隔に隙間が形成されている。また、三本の支持脚部18を結合した部分と円環部16との間には、円環部16の径方向から見て、隙間が形成されている。
三つの弁固定片20は、板状部材であり、それぞれ、三本の支持脚部18に取り付けられている。
具体的には、弁固定片20は、円環部16の厚さ方向に延在する固定ピン22を用いて、支持脚部18のうち、円環部16の径方向から見て屈曲している部分の下面に取り付けられている。具体的には、各弁固定片20は、支持脚部18に対し、固定ピン22の軸回りへ回転可能に取り付けられている。
これにより、弁固定片20を固定ピン22の軸回りへ回転させると、弁固定片20の一部を、円環部16の厚さ方向から見て、弁2の外径面よりも突出した状態、または、弁2の外径面から突出していない状態とすることが可能となる。
図3は、図1中に円IIIで囲んだ範囲及びその周辺の拡大図であり、シリンダ1の下面に取り付けた弁2aの状態を示す図である。
図3中に示すように、シリンダ1の下面に取り付ける弁2aは、シリンダ1の外周面に形成された凹部である弁配置凹部24内に配置される。
弁配置凹部24は、小径凹部24aと、大径凹部24bと、フランジ部24cを備えている。
小径凹部24aは、弁本体10の大径部10aの外径よりも小さく、且つ弁本体10の小径部10bが嵌合可能な内径に形成されている。本実施形態では、小径凹部24aと弁本体10の小径部10bとの間に形成される隙間(小径凹部24aと弁本体10の小径部10bとの間に形成される、小径部10bの径方向に沿った隙間)が、0.1[mm]程度である場合について説明する。
大径凹部24bは、小径凹部24aよりもシリンダ1の外周面側に配置されており、弁本体10の大径部10aが嵌合可能な内径に形成されている、
また、小径凹部24a及び大径凹部24bは、弁2a全体を収納可能な形状に形成されている。
フランジ部24cは、大径凹部24bよりもシリンダ1の外周面側に配置されており、大径凹部24bよりも弁配置凹部24の中心側へ突出している。
フランジ部24cの突出量は、具体的には、弁固定片20を固定ピン22の軸回りへ回転させ、弁固定片20の一部を、円環部16の厚さ方向から見て、弁2aの外径面よりも突出した状態とすると、この突出した弁固定片20の一部が、円環部16の厚さ方向から見て、フランジ部24cと対向する突出量である。
これにより、小径凹部24a及び大径凹部24b内に弁2a全体を収納した状態で、弁固定片20の一部を、円環部16の厚さ方向から見て、フランジ部24cと対向させると、弁固定片20が、弁配置凹部24に対する弁2aの抜け止めとして機能する。
一方、弁固定片20を固定ピン22の軸回りへ回転させ、弁固定片20全体が、円環部16の厚さ方向から見て、弁2aの外径面から突出していない状態とすると、弁配置凹部24に対する弁2aの出し入れが自由な状態となる。
次に、図1から図3を参照しつつ、図4から図9を用いて、本実施形態の弁着脱装置Dの構成を説明する。
図4は、本実施形態の弁着脱装置Dを上方から見た斜視図である。
図4中に示すように、本実施形態の弁着脱装置Dは、弁保持部26と、揺動部28と、上側水平移動部30と、昇降部32と、下側水平移動部34と、揺動角度規制部材36と、揺動部側水平移動規制部材38を備えている。なお、本実施形態では、弁着脱装置Dの総重量を、10[kg]程度とする。
弁保持部26は、円板状の台座部40と、三本の保持バー42を備えている。
台座部40は、弁2を載置可能な形状に形成されており、中心及びその付近に、台座部40を軽量化するための肉抜き44が形成されている。
また、台座部40の外径面には、後述する上側貫通孔46と連通する台座部側貫通孔48が形成されている。台座部側貫通孔48の内周面には、後述する水平移動規制ピン50の雄ねじと螺合可能な雌ねじ(図示せず)が形成されている。
三本の保持バー42は、それぞれ、台座部40の外径面に取り付けられている。
具体的には、保持バー42の下端側は、台座部40の外径面から突出した突出部に対し、台座部40の径方向と直交する方向へ回転可能に取り付けられている。また、保持バー42のうち、台座部40の外径面と対向する部分には、保持用ボルト52が挿通されている。そして、保持用ボルト52の先端側は、台座部40の外径面に設けられたボルト嵌合孔(図示せず)内に螺合している。
保持バー42の上端側には、弁押え12の支持脚部18のうち、弁本体10と対向する部分に嵌合して、三本の支持脚部18を結合した部分と円環部16との間に形成される隙間内に配置される保持爪54が形成されている。
そして、保持用ボルト52の先端側をボルト嵌合孔内に螺合させた状態で、保持用ボルト52を回転させると、保持バー42の下端側が、台座部40の径方向と直交する方向へ回転する構成となっている。
また、保持バー42の下端側を、台座部40の径方向と直交する方向へ回転させると、台座部40の厚さ方向(鉛直方向)から見て、台座部40の中心と保持爪54との距離が変化する。
したがって、台座部40に弁2を載置した状態で、先端側をボルト嵌合孔内に螺合させた保持用ボルト52を回転させ、台座部40の中心と保持爪54との距離を減少させると、保持爪54を弁押えに嵌合させることが可能となる。一方、台座部40に弁2を載置した状態で、先端側をボルト嵌合孔内に螺合させた保持用ボルト52を回転させ、台座部40の中心と保持爪54との距離を増加させると、保持爪54を弁押えから離間させることが可能となる。
以上により、弁保持部26は、弁2を着脱自在に保持可能な構成となっている。
揺動部28は、弁保持部26と昇降部32との間に介装されている。
以下、図4を参照しつつ、図5を用いて、揺動部28の構成を説明する。
図5は、弁着脱装置Dから揺動角度規制部材36及び揺動部側水平移動規制部材38を取り外した状態を示す図である。なお、揺動角度規制部材36及び揺動部側水平移動規制部材38の詳細な構成については、後述する。
図5中に示すように、揺動部28は、傾斜軸56と、軸受台座部58を備えている。
傾斜軸56は、基端側に球体である球状部60を有する棒状部材であり、先端側を台座部40の下面に固定している。具体的には、傾斜軸56の先端側は、台座部40の下面において中央に設けられた傾斜軸嵌合孔(図示せず)内に嵌合している。
台座部40と球状部60との間には、隙間が形成されており、この隙間には、揺動角度規制部材36及び揺動部側水平移動規制部材38が配置される。
軸受台座部58は、直方体であり、上面(弁保持部26と対向する面)の中央に、球状部60が回転自在に嵌合する軸受孔62を備えている。
また、軸受台座部58の下面には、後述する上側案内レール64と摺動可能に嵌合する上側凹部(図示せず)が形成されている。なお、上側凹部は、下方に開口する凹状溝である。
傾斜軸56の軸方向を鉛直方向に対して平行に向けた状態から、軸受孔62に嵌合させた球状部60を回転させると、傾斜軸56の上端側が鉛直方向に対して傾斜する。これにより、台座部40及び保持バー42が、鉛直方向に対して揺動することとなる。
ここで、本実施形態では、図5中に示すように、軸受孔62に嵌合させた球状部60の回転に伴い、傾斜軸56の上端側が鉛直方向に対して傾斜可能な最大角(揺動角度)を、10[°]とした場合について説明する。なお、軸受孔62に嵌合させた球状部60の回転に伴い、傾斜軸56の上端側が鉛直方向に対して傾斜可能な最大角(揺動角度)は、10[°]を超える角度としてもよく、また、0[°]を超え、且つ10[°]未満の角度としてもよい。
以上により、揺動部28は、弁保持部26を揺動可能に支持している。
以下、図4を用いた説明に復帰する。
上側水平移動部30は、弁保持部26と昇降部32との間に介装されており、上側枠体部66と、上側案内レール64を備えている。
上側枠体部66は、上方(弁保持部26と対向する方向)に開口する断面コ字状の部材であり、上下方向から見て長方形に形成されている。
また、上側枠体部66の側面には、後述する下側貫通孔68と連通する枠体部側貫通孔70が形成されている。枠体部側貫通孔70の内周面には、水平移動規制ピン50の雄ねじと螺合可能な雌ねじ(図示せず)が形成されている。
上側案内レール64は、上側枠体部66の長手方向に延在するレールであり、上側枠体部66の上面(弁保持部26と対向する面)において、中心付近に固定されて、上側枠体部66へ向けて突出している。
ここで、図4を参照しつつ、図6を用いて、軸受台座部58及び上側案内レール64の詳細な構成について説明する。
図6は、図4のVI線矢視図である。なお、図6中では、説明のために、傾斜軸56と、上側枠体部66と、軸受台座部58及び上側案内レール64以外の図示を省略している。
図6中に示すように、軸受台座部58の下面に形成されている上側凹部72は、上側案内レール64と摺動可能に嵌合する凹状溝であり、軸受台座部58は、上側凹部72を介して、上側案内レール64上に載置されている。
以上により、上側水平移動部30は、揺動部28を水平移動可能に支持している。
以下、図4を用いた説明に復帰する。
昇降部32は、例えば、自動車が備えるタイヤ交換用のパンタグラフジャッキと同様の構成であり、一対のアーム部74と、上側支持部76と、下側支持部78と、昇降操作部80を備えている。
一対のアーム部74は、それぞれ、上部アーム部材82と、下部アーム部材84と、連結軸86と、連結ブロック88を備えている。
上部アーム部材82は、一方の端部が、上側支持部76へ回転可能に支持されており、他方の端部が、連結軸86を介して、下部アーム部材84の一方の端部と回転可能に連結している。
下部アーム部材84の他方の端部は、下側支持部78へ回転可能に支持されている。
連結ブロック88は、上部アーム部材82と下部アーム部材84との間に配置されており、連結軸86を支持している。
上側支持部76は、上側水平移動部30の下方に配置されて、揺動部28及び上側水平移動部30を介して、弁保持部26を下方から支持している。具体的には、上側支持部76は、上側水平移動部30の下面に固定されている。
下側支持部78は、その下面に、後述する下側案内レール90と摺動可能に嵌合する下側凹部(図示せず)が形成されている。なお、下側凹部は、下方に開口する凹状溝である。
また、下側支持部78は、下側突出部92と、下側ロックピン94を備えている。
下側突出部92は、下方に突出して、後述する下側枠体部96の側面と重なる板状部材である。
下側ロックピン94は、下側突出部92を貫通するロックピン挿通孔(図示せず)内の雌ねじに螺合する雄ねじを外周面に有するボルト部材であり、下側枠体部96の側面を押圧している。
下側ロックピン94の雄ねじをロックピン挿通孔内の雌ねじに螺合させて、下側ロックピン94の先端側により下側枠体部96の側面を押圧すると、下側水平移動部34に対する昇降部32の水平移動が規制される。
すなわち、下側突出部92と、下側ロックピン94は、昇降部32の水平移動を規制する昇降部側水平移動規制部材を形成する。
昇降操作部80は、昇降ねじ軸98と、回転入力部100を備えている。
昇降ねじ軸98は、外周面に雄ねじを有する棒状部材である。
また、昇降ねじ軸98は、一対のアーム部74のうち一方が備える連結ブロック88を貫通するとともに、一対のアーム部74のうち他方が備える連結ブロック88が有する雌ねじに、雄ねじを螺合している。
回転入力部100は、昇降ねじ軸98の端部に固定されており、把持部102と、工具取り付け部104を備えている。
把持部102は、昇降ねじ軸98と同軸に回転可能な円板状の部材であり、作業者の手等で把持可能な形状に形成されている。
工具取り付け部104は、把持部102に対して、把持部102を回転可能に取り付けられており、インパクトレンチ等の工具を取り付け可能な形状に形成されている。なお、本実施形態では、工具取り付け部104の形状を、インパクトレンチの回転部分を嵌合可能な形状(六角柱状)に形成した場合について説明する。
そして、作業者による人力、あるいは、作業者が使用するインパクトレンチ等の工具を介して、把持部102を介して昇降ねじ軸98を回転させると、一対のアーム部74が上下方向に屈伸して、上側支持部76が上昇または下降する。
以上により、昇降部32は、揺動部28及び上側水平移動部30を介して弁保持部26を支持する、上側支持部76の上昇及び下降が可能に形成されている。
下側水平移動部34は、昇降部32の下方に配置され、且つ圧縮機C設置面B上に取り付けられており、下側枠体部96と、下側案内レール90を備えている。
下側枠体部96は、圧縮機Cの設置面B上に載置されて、上方(昇降部32と対向する方向)に開口する断面コ字状の部材であり、上下方向から見て長方形に形成されている。
また、下側枠体部96は、水平面(昇降部32と対向する面)を上下方向に貫通するボルト挿通孔106を有している。
ボルト挿通孔106は、下側枠体部96を圧縮機Cの設置面B上に取り付ける際に用いる取り付けボルト(図示せず)を、挿通可能な形状に形成されている。
下側案内レール90は、下側枠体部96の長手方向に延在するレールであり、下側枠体部96の上面(昇降部32と対向する面)において、中心付近に固定されて、昇降部32へ向けて突出している。
ここで、図4を参照しつつ、図7を用いて、下側支持部78及び下側案内レール90の詳細な構成について説明する。
図7は、図4のVII線矢視図である。なお、図7中では、説明のために、下側支持部78及び下側水平移動部34以外の図示を省略している。
図7中に示すように、下側支持部78の下面に形成されている下側凹部108は、下側案内レール90と摺動可能に嵌合する凹状溝であり、下側支持部78は、下側凹部108を介して、下側案内レール90上に載置されている。
以上により、下側水平移動部34は、昇降部32を水平移動可能に支持している。
次に、図4を参照しつつ、図8を用いて、揺動角度規制部材36の構成について説明する。
図8は、揺動角度規制部材36の上面図である。
図4及び図8中に示すように、揺動角度規制部材36は、一対の規制部材形成部110を組み合わせて形成されており、上下方向(鉛直方向)から見て円環状となっている。
規制部材形成部110は、板状部材であり、半円本体部110aと、規制部材側フランジ部110bから形成されている。
半円本体部110aは、半円形に形成されており、その曲率は、傾斜軸56の形状(外径等)に応じて設定されている。具体的には、一対の規制部材形成部110を組み合わせて形成した空隙部の形状は、傾斜軸56の外径と合致する形状に形成されている。
本実施形態では、半円本体部110aの、傾斜軸56の軸方向に沿った厚さを、傾斜軸56の軸方向を鉛直方向に対して平行に向けた状態で、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間と同一とする。なお、半円本体部110aの、傾斜軸56の軸方向に沿った厚さを、傾斜軸56の軸方向を鉛直方向に対して平行に向けた状態で、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間未満としてもよい。
規制部材側フランジ部110bは、半円本体部110aの両端に連続しており、ボルト部材を挿通可能な挿通孔(図示せず)が形成されている。
そして、揺動角度規制部材36を揺動部28に対して取り付ける際には、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間に、傾斜軸56の外周面を包囲する状態で、一対の規制部材形成部110を配置するとともに、規制部材側フランジ部110bに形成した挿通孔同士を連通させる。そして、この連通させた挿通孔に挿通したボルト部材にナットを螺合させて、一対の規制部材形成部110を組み合わせ、揺動角度規制部材36を形成して、揺動部28に対して取り付ける。
以上により、揺動角度規制部材36は、揺動部28に対して着脱自在に形成されており、弁2の上昇及び下降方向に対する弁保持部26の傾斜角度(揺動角度)を規制する。
次に、図4を参照しつつ、図9を用いて、揺動部側水平移動規制部材38の構成について説明する。
図9は、揺動部側水平移動規制部材38の上面図である。
図4及び図9中に示すように、揺動部側水平移動規制部材38は、水平移動規制フレーム部112と、規制板材114と、水平移動規制ピン50を備えている。
水平移動規制フレーム部112は、傾斜軸56の軸方向から見てコ字状に形成した板状部材である。
水平移動規制フレーム部112の、傾斜軸56の軸方向に沿った厚さは、傾斜軸56の軸方向を鉛直方向に対して平行に向けた状態で、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間未満とする。
規制板材114は、水平移動規制フレーム部112のうち、上側枠体部66の側面と平行な面に取り付けた板状部材であり、側面視で、水平移動規制フレーム部112よりも上方及び下方へ突出している。
規制板材114のうち、水平移動規制フレーム部112よりも上方に突出する部分には、水平移動規制ピン50が貫通する上側貫通孔46が形成されている。
また、規制板材114のうち、水平移動規制フレーム部112よりも下方に突出する部分には、水平移動規制ピン50が貫通する下側貫通孔68が形成されている。
水平移動規制ピン50は、外周面に雄ねじを有するボルト部材である。
そして、揺動部側水平移動規制部材38を弁保持部26及び上側水平移動部30に対して取り付ける際には、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間に、水平移動規制フレーム部112を配置する。さらに、台座部側貫通孔48に合致させた上側貫通孔46に挿通した水平移動規制ピン50の雄ねじを、台座部側貫通孔48の内周面に形成した雌ねじに螺合させる。これに加え、枠体部側貫通孔70に合致させた下側貫通孔68に挿通した水平移動規制ピン50の雄ねじを、枠体部側貫通孔70の内周面に形成した雌ねじに螺合させて、揺動部側水平移動規制部材38を弁保持部26及び上側水平移動部30に対して取り付ける。
以上により、揺動部側水平移動規制部材38は、弁保持部26及び上側水平移動部30に対して着脱自在に形成されており、揺動部28の水平移動を規制する。
なお、本実施形態の弁着脱装置Dは、台座部側貫通孔48に合致させた上側貫通孔46に挿通した水平移動規制ピン50と、枠体部側貫通孔70に合致させた下側貫通孔68に挿通した水平移動規制ピン50を抜くことにより、弁保持部26及び揺動部28と上側水平移動部30及び昇降部32とを分割することが可能である。
また、本実施形態の弁着脱装置Dは、下側突出部92から下側ロックピン94を取り外すことにより、昇降部32と下側水平移動部34とを分割することが可能である。
(着脱作業)
次に、図1から図9を参照しつつ、図10から図15を用いて、本実施形態の弁着脱装置Dを用いて、シリンダ1に弁2を着脱する着脱作業工程を説明する。なお、以下の説明では、着脱作業の対象とする弁2を、シリンダ1の下面に取り付ける弁2aとする(図1参照)。
以下、シリンダ1に弁2を着脱する着脱作業工程のうち、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程について説明する。
なお、シリンダ1に弁2を着脱する着脱作業工程のうち、シリンダ1から弁2を取り外す作業工程は、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程の概ね逆順で行うため、その説明を省略する。
本実施形態の弁着脱装置Dを用いて行う、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、弁着脱装置Dを設置する設置工程と、弁2を保持する弁保持工程と、シリンダ1に対して弁2の水平位置を位置決めする水平位置決め工程を有する。これに加え、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めする上下位置決め工程と、弁配置凹部24内に弁2を設置する弁設置工程を有する。
図10は、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程のうち、弁着脱装置Dを設置する設置工程を示す図である。
図10中に示すように、弁着脱装置Dを設置する設置工程では、下側枠体部96が有するボルト挿通孔106を、タップ座6が有するタップ座側取付け孔8と連通させる。さらに、ボルト挿通孔106に挿通した取り付けボルト116の先端側を、タップ座側取付け孔8に螺合させる。これにより、下側水平移動部34を圧縮機Cの設置面B上に取り付ける。なお、下側水平移動部34は、着脱作業工程を行う際に限らず、常に、圧縮機Cの設置面B上に取り付けておいてもよい。
このとき、下側枠体部96は、下側案内レール90の一方の端部が、上方にシリンダ1等が存在しない作業空間を確保可能な位置に配置され、且つ下側案内レール90の他方の端部が、弁配置凹部24の下方を通過する位置に配置されるように、圧縮機Cの設置面Bに設置する。
下側水平移動部34を圧縮機Cの設置面B上に取り付けた後、下側支持部78の下側凹部108を下側案内レール90に嵌合させて、下側支持部78を下側案内レール90上に載置し、下側水平移動部34により昇降部32を水平移動可能に支持する。
ここで、下側支持部78を下側案内レール90上に載置する際には、予め、弁保持部26及び揺動部28と上側水平移動部30及び昇降部32とを連結しておく。これにより、下側支持部78を下側案内レール90上に載置すると、弁着脱装置Dを圧縮機Cの設置面Bに設置することとなる。
なお、弁保持部26及び揺動部28と上側水平移動部30及び昇降部32とを分割した状態で、下側支持部78を下側案内レール90上に載置した後、弁保持部26及び揺動部28と上側水平移動部30及び昇降部32とを連結して、弁着脱装置Dを圧縮機Cの設置面Bに設置してもよい。
弁着脱装置Dを圧縮機Cの設置面Bに設置すると、設置工程を終了する。そして、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、弁2を保持する弁保持工程へ移行する。
図11は、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程のうち、弁2を保持する弁保持工程を示す図である。
図11中に示すように、弁2を保持する弁保持工程では、台座部40に弁2を載置した状態で、先端側をボルト嵌合孔内に螺合させた保持用ボルト52を回転させ、台座部40の中心と三箇所の保持爪54との距離を、それぞれ、減少させる。そして、三箇所の保持爪54を、それぞれ、弁押え12に嵌合させて、弁保持部26により弁2を保持する。
ここで、台座部40に弁2を載置する際には、予め、揺動部28に対して揺動角度規制部材36を取り付けることにより、弁2の上昇及び下降方向(鉛直方向)に対する弁保持部26の傾斜角度(揺動角度)を規制した状態としておく。
具体的には、弁2のシリンダ1への取り付け角度を弁2の上昇及び下降方向と平行に向けた後、この状態を維持するように、揺動部28に対して揺動角度規制部材36を取り付け、さらに、弁保持部26に弁2を保持する。これにより、弁2のシリンダ1への取り付け角度を設定した状態を維持することが可能となる。
これに加え、台座部40に弁2を載置する際には、予め、弁保持部26及び上側水平移動部30に対して揺動部側水平移動規制部材38を取り付けることにより、揺動部28の水平移動を規制した状態としておく。
具体的には、揺動部28を上側水平移動部30の中心へ配置した後、この状態を維持するように、弁保持部26及び上側水平移動部30に対して揺動部側水平移動規制部材38を取り付けた後、弁保持部26に弁2を保持する。これにより、揺動部28の上側水平移動部30に対する水平方向の位置を設定した状態を維持することが可能となる。
揺動部28を上側水平移動部30の中心へ配置した状態を維持するように、弁保持部26及び上側水平移動部30に対して揺動部側水平移動規制部材38を取り付けると、傾斜軸56の中心軸と、上側水平移動部30の中心が、側面視で重なることとなる。
この状態で、弁保持部26に弁2を保持すると、弁2の中心と、傾斜軸56の中心軸と、上側水平移動部30の中心が、側面視で重なることとなる。
また、台座部40に弁2を載置する際の作業は、台座部40の上方にシリンダ1等が無い空間等、台座部40の上方に作業空間を確保した状態で行う。
弁保持部26により弁2を保持すると、弁保持工程を終了する。そして、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、シリンダ1に対して弁2の水平位置を位置決めする水平位置決め工程へ移行する。
なお、本実施形態では、設置工程を行った後に弁保持工程を行ったが、これに限定するものではなく、弁保持工程を行った後に設置工程を行ってもよい。
図12は、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程のうち、シリンダ1に対して弁2の水平位置を位置決めする水平位置決め工程を示す図である。
図12中に示すように、シリンダ1に対して弁2の水平位置を位置決めする水平位置決め工程では、下側案内レール90上に載置した下側支持部78を、水平方向(下側案内レール90の軸方向)に移動させて、弁配置凹部24の下方に弁2を配置する。
本実施形態では、予め、下側枠体部96のうち、弁配置凹部24の下方と対応する位置に、塗装等によりマーキングを施しておく。これに加え、予め、下側支持部78の中心位置に、塗装等によりマーキングを施しておく。
具体的には、下側枠体部96のうち、弁配置凹部24の中心から下方に延在する直線(図12中に破線で示すセンター位置)と重なる位置に、塗装等によりマーキングを施しておく。これに加え、下側支持部78のうち、上側水平移動部30の中心と側面視で重なる位置に、塗装等によりマーキングを施しておく。
ここで、水平位置決め工程の前工程である弁保持工程では、弁2の中心と、傾斜軸56の中心軸と、上側水平移動部30の中心が、側面視で重なる状態としている。
このため、下側支持部78を水平方向へ移動させる際には、下側枠体部96に施したマーキングと、下側支持部78に施したマーキングとが、鉛直方向で連続する位置に移動させる。これにより、弁配置凹部24の中心、弁2の中心、傾斜軸56の中心軸、上側水平移動部30の中心及び下側支持部78の中心が、側面視で重なる状態となる。これは、図12中に示す「センター位置」に、弁配置凹部24の中心、弁2の中心、傾斜軸56の中心軸、上側水平移動部30の中心及び下側支持部78の中心が、側面視で重なる状態である。
ここで、本実施形態では、下側支持部78の水平方向への移動を、作業員の手作業等、人力により行う場合について説明する。
なお、下側案内レール90上に載置した下側支持部78を、水平方向に移動させる際には、予め、上側支持部76を下降させて、弁保持部26に保持した弁2がシリンダ1と接触しない状態としておく。
弁配置凹部24の下方に弁2を配置した後、ロックピン挿通孔内の雌ねじに雄ねじを螺合させた下側ロックピン94により下側枠体部96の側面を押圧して、下側案内レール90に対する下側支持部78の水平移動を規制する。これにより、昇降部32の水平移動を規制し、シリンダ1に対して、弁2の水平位置を位置決めする。
シリンダ1に対して、弁2の水平位置を位置決めすると、水平位置決め工程を終了する。そして、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めする上下位置決め工程へ移行する。
図13から図15は、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程のうち、シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めする上下位置決め工程を示す図である。なお、上下位置決め工程は、図13から図14、図14から図15中に示す順番で進行する。
図13中に示すように、シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めする上下位置決め工程では、工具取り付け部104に取り付けたインパクトレンチ等の工具と、作業員の手作業により、把持部102を介して昇降ねじ軸98を回転させ、一対のアーム部74を上方に伸展させる。なお、図13中には、工具取り付け部104、把持部102及び昇降ねじ軸98の回転方向を、半円形の矢印で示している。
そして、一対のアーム部74を上方に伸展させることにより、上側支持部76を上昇させて、弁保持部26に保持した弁2を上昇させる。なお、図13中には、弁保持部26に保持した弁2の上昇方向を、矢印で示している。
上側支持部76を上昇させて、弁保持部26に保持した弁2を上昇させることにより、図14中に示すように、弁保持部26に保持した弁2を、弁本体10の小径部10b側から、弁配置凹部24内に挿入する。
なお、弁保持部26に保持した弁2を上昇させる際には、当初、工具により把持部102を介して昇降ねじ軸98を回転させ、上昇した弁2がシリンダ1に近づいた時点で、作業員の手作業により、把持部102を介して昇降ねじ軸98を回転させることが好適である。これにより、弁保持部26に保持した弁2を上昇させる際に、微調整を必要としない段階では、工具により短時間且つ少ない労力で、弁保持部26に保持した弁2を上昇させることが可能となり、作業効率を向上させることが可能となる。
このとき、揺動部28に揺動角度規制部材36を取り付けるとともに、弁保持部26及び上側水平移動部30に揺動部側水平移動規制部材38を取り付けている。したがって、弁2のシリンダ1への取り付け角度を設定した状態と、揺動部28の上側水平移動部30に対する水平方向の位置を設定した状態が維持されている。
このため、弁保持部26に保持した弁2を上昇させると、水平位置決め工程において、シリンダ1に対する弁2の水平位置を位置決めした状態を維持しながら、弁保持部26に保持した弁2を、弁本体10の小径部10b側から、弁配置凹部24内に挿入することが可能となる。
ここで、弁本体10の小径部10bが弁配置凹部24のフランジ部24cに下方から接触する場合等、弁保持部26に保持した弁2を弁配置凹部24内に挿入できない場合には、弁保持部26及び上側水平移動部30から揺動部側水平移動規制部材38を取り外して、揺動部28の水平移動を可能とする。なお、小径部10bがフランジ部24cに下方から接触する要因としては、例えば、圧縮機Cの設置面Bが、シリンダ1に対して傾斜している等がある。
具体的には、上側貫通孔46及び下側貫通孔68に挿通した水平移動規制ピン50を、それぞれ、上側貫通孔46及び下側貫通孔68から取り外す。これに加え、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間から、水平移動規制フレーム部112を取り外す。
揺動部28の水平移動を可能とした後、揺動部28を水平方向(上側案内レール64の軸方向)に移動させて、弁保持部26に保持した弁2を水平方向に移動させる。そして、弁保持部26に保持した弁2を弁配置凹部24内に挿入可能な位置に配置した状態で、上側支持部76を上昇させて、弁保持部26に保持した弁2を、弁本体10の小径部10b側から弁配置凹部24内に挿入する。
なお、揺動部28を水平方向に移動させること無く、弁保持部26に保持した弁2を上昇させて、弁保持部26に保持した弁2を弁配置凹部24内に挿入可能な場合には、弁保持部26及び上側水平移動部30に揺動部側水平移動規制部材38を取り付けた状態で、弁保持部26に保持した弁2を弁配置凹部24内に挿入してもよい。
弁保持部26に保持した弁2を、弁本体10の小径部10b側から弁配置凹部24内に挿入した後、さらに、弁保持部26に保持した弁2を上昇させ、図15中に示すように、弁保持部26に保持した弁2全体を、下方から弁配置凹部24内に挿入して、シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めする。
なお、弁保持部26に保持した弁2全体を、下方から弁配置凹部24内に挿入する際には、予め、三つの弁固定片20の一部を、それぞれ、円環部16の厚さ方向から見て、弁2の外径面から突出していない状態としておく。
このとき、弁本体10の小径部10bが弁配置凹部24の大径凹部24bに下方から接触する場合等、弁本体10の小径部10bを弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入できず、弁保持部26に保持した弁2全体を弁配置凹部24内に挿入できない場合には、揺動部28から揺動角度規制部材36を取り外す。これにより、弁2の上昇及び下降方向に対する弁保持部26の傾斜角度(揺動角度)を、最大角(10[°])とする。
具体的には、規制部材側フランジ部110bの挿通孔に挿通したボルト部材からナットを取り外し、台座部40と球状部60との間に形成されている隙間から、一対の規制部材形成部110を取り出す。
弁2の上昇及び下降方向に対する弁保持部26の傾斜角度(揺動角度)を最大角とした後、軸受孔62に嵌合させた球状部60を回転させ、傾斜軸56の上端側を鉛直方向に対して傾斜させて、弁保持部26を揺動させる。これにより、弁本体10の小径部10bを、弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入可能な位置に配置する。
そして、弁本体10の小径部10bを、弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入可能な位置に配置した状態で、上側支持部76を上昇させて弁保持部26に保持した弁2を上昇させ、弁本体10の小径部10bを弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入する(図3参照)。これにより、シリンダ1に対して、弁2の上下位置を位置決めする。
なお、弁保持部26を揺動させること無く、弁保持部26に保持した弁2を上昇させて、弁本体10の小径部10bを弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入可能な場合には、揺動部28に揺動角度規制部材36を取り付けた状態で、弁本体10の小径部10bを弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入してもよい。
シリンダ1に対して弁2の上下位置を位置決めすると、上下位置決め工程を終了する。そして、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程は、弁配置凹部24内に弁2を設置する弁設置工程へ移行する。
弁配置凹部24内に弁2を設置する弁設置工程では、弁本体10の小径部10bを弁配置凹部24の小径凹部24a内に挿入した弁2に対し、三つの弁固定片20の一部を固定ピン22の軸回りへ回転させ、それぞれ、円環部16の厚さ方向から見て、弁2の外径面よりも突出した状態とする(図2及び図3参照)。これにより、弁配置凹部24内から弁2が脱落することを防止可能な状態とする。
弁配置凹部24内から弁2が脱落することを防止可能な状態とした後、先端側をボルト嵌合孔内に螺合させた保持用ボルト52を回転させ、台座部40の中心と保持爪54との距離を増加させる。そして、三箇所の保持爪54を、それぞれ、弁押え12から離間させて、弁保持部26による弁2の保持状態を解除する(図11参照)。
弁保持部26による弁2の保持状態を解除した後、工具取り付け部104に取り付けたインパクトレンチ等の工具により、把持部102を介して昇降ねじ軸98を回転させ、一対のアーム部74を下方に収縮させ、上側支持部76を下降させる。これにより、弁保持部26を弁配置凹部24の外部へ移動させる。
弁保持部26を弁配置凹部24の外部へ移動させた後、弁配置凹部24を弁カバー4(図1参照)で覆い、弁設置工程を終了する。これにより、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程を終了する。
なお、弁2をシリンダ1に取り付ける作業工程を終了した後は、弁保持部26及び揺動部28と上側水平移動部30及び昇降部32とを分割することともに、昇降部32と下側水平移動部34とを分割することが、弁着脱装置Dの搬送・格納が容易となるため、好適である。
(第一実施形態の効果)
以下、本実施形態の効果を列挙する。
(1)本実施形態の弁着脱装置Dでは、弁2を保持可能な弁保持部26と、弁保持部26を支持する上側支持部76の上昇及び下降が可能な昇降部32と、圧縮機Cを設置した設置面B上に取り付けられ、且つ昇降部32を水平移動可能に支持する下側水平移動部34を備える。これに加え、弁保持部26を揺動可能に支持する揺動部28と、揺動部28を水平移動可能に支持する上側水平移動部30を備え、揺動部28及び前記上側水平移動部30を、弁保持部26と昇降部32との間に介装する。
このため、圧縮機Cの下側から取り付ける弁2を上昇及び下降させてシリンダ1に着脱する際に、弁保持部26を、弁2を上昇及び下降させる方向に対して、揺動させることが可能となる。
その結果、弁2を上昇させる方向が、シリンダ1に対する弁2の取り付け方向に対して傾斜している場合であっても、弁保持部26に弁2を保持した状態で、シリンダ1に対して、弁2の取り付け角度を調整することが可能となる。
また、弁2を下降させる方向が、シリンダ1に対する弁2の取り外し方向に対して傾斜している場合であっても、弁保持部26に弁2を保持した状態で、シリンダ1に対して、弁2の取り外し角度を調整することが可能となる。
これにより、シリンダ1に対して弁2を着脱する作業において、作業員の負担や危険性を低減させることが可能となるため、作業員の疲労や負傷を抑制することが可能となるとともに、作業効率の向上が可能となる。
(2)本実施形態の弁着脱装置Dでは、揺動部28に対して着脱自在であり、且つ弁保持部26の揺動角度を規制する、揺動角度規制部材36を備える。
このため、弁2をシリンダ1の下方で上昇させてシリンダ1へ取り付ける際に、弁保持部26の揺動角度を規制することが可能となる。
その結果、弁2のシリンダ1への取り付け角度を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダ1に対する弁2の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
(3)本実施形態の弁着脱装置Dでは、弁保持部26及び上側水平移動部30に対して着脱自在であり、且つ揺動部28の水平移動を規制する揺動部側水平移動規制部材38を備える。
このため、弁2をシリンダ1の下方で上昇させてシリンダ1へ取り付ける際に、揺動部28の水平移動を規制することが可能となる。
その結果、揺動部28の上側水平移動部30に対する水平方向の位置を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダ1に対する弁2の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
(4)本実施形態の弁着脱装置Dでは、下側突出部92及び下側ロックピン94により形成された、昇降部32の水平移動を規制する昇降部側水平移動規制部材を備える。
このため、弁2をシリンダ1の下方で上昇させてシリンダ1へ取り付ける際に、下側水平移動部34に対する昇降部32の水平移動を規制することが可能となる。
その結果、昇降部32の下側水平移動部34に対する水平方向の位置を設定した状態を維持することが可能となり、シリンダ1に対する弁2の取り付け作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
(5)本実施形態の弁着脱装置Dでは、圧縮機Cを往復圧縮機とし、シリンダ1の下方で上昇及び下降させてシリンダ1に着脱する弁2を、吸入弁及び吐出弁のうち少なくとも一方とする。
このため、往復圧縮機のシリンダ1が備える吸入弁及び吐出弁のうち少なくとも一方を、シリンダ1の下方で上昇及び下降させてシリンダ1に着脱する作業において、作業員の負担や危険性を低減させることが可能となる。
その結果、往復圧縮機のシリンダ1に取り付けた吸入弁や吐出弁に損傷等が発生しても、損傷等が発生した弁を効率良く、また、安全に着脱することが可能となるため、往復圧縮機に対し、稼動効率の低下を抑制することが可能となる。
(6)本実施形態の弁着脱装置Dでは、回転入力部100が、インパクトレンチ等の工具を取り付け可能な形状に形成した、工具取り付け部104を備えている。
このため、一対のアーム部74を上下方向に屈伸させて、上側支持部76を上昇または下降させる際に、作業員の手による作業だけでなく、工具を用いた作業を行うことが可能となる。
その結果、弁保持部26に保持した弁2を上昇または下降させる際に、微調整を必要としない段階では、工具取り付け部104に取り付けた工具により、短時間且つ少ない労力で、弁保持部26に保持した弁2を上昇または下降させることが可能となる。
これにより、シリンダ1に対して弁2を着脱する作業に対し、作業効率を向上させることが可能となる。
(応用例)
以下、本実施形態の応用例を列挙する。
(1)本実施形態の弁着脱装置Dでは、揺動角度規制部材36を備える構成としたが、これに限定するものではなく、揺動角度規制部材36を備えていない構成としてもよい。
(2)本実施形態の弁着脱装置Dでは、揺動部側水平移動規制部材38を備える構成としたが、これに限定するものではなく、揺動部側水平移動規制部材38を備えていない構成としてもよい。
(3)本実施形態の弁着脱装置Dでは、昇降部側水平移動規制部材を備える構成としたが、これに限定するものではなく、昇降部側水平移動規制部材を備えていない構成としてもよい。
(4)本実施形態の弁着脱装置Dでは、圧縮機Cを往復圧縮機(レシプロコンプレッサー)としたが、これに限定するものではなく、圧縮機Cを、スクリューコンプレッサー、スクロールコンプレッサー、ターボコンプレッサー等としてもよい。
(5)本実施形態の弁着脱装置Dでは、下側支持部78の下面に、昇降部32へ向けて突出している下側案内レール90と摺動可能に嵌合する下側凹部108を形成し、下側凹部108と下側案内レール90を介して、下側水平移動部34が、昇降部32を水平移動可能に支持する構成とした。しかしながら、下側水平移動部34が、昇降部32を水平移動可能に支持する構成は、これに限定するものではない。すなわち、例えば、下側案内レール90と下側支持部78とを、公知のリニアガイド装置と同様の構成とすることにより、モータ等の駆動源を用いて、下側水平移動部34が、昇降部32を水平移動可能に支持する構成としてもよい。この場合、下側案内レール90は、リニアガイド装置が備える案内レールを構成し、下側支持部78は、リニアガイド装置が備えるスライダに対応する部材に取り付ける。
また、例えば、下側案内レール90と下側支持部78とを、公知のボールねじ装置と同様の構成とすることにより、モータ等の駆動源を用いて、下側水平移動部34が、昇降部32を水平移動可能に支持する構成としてもよい。この場合、下側案内レール90を、ボールねじ装置が備えるねじ軸に置き換え、下側支持部78は、ボールねじ装置が備えるナットに対応する部材に取り付ける。
(実施例)
以下、図1から図15を参照して、上記の第一実施形態で説明したものと同様の構成を有する弁着脱装置Dを用い、製鉄所に設置した複数の圧縮機Cに対し、シリンダ1の下方で上昇及び下降させて弁2をシリンダ1に着脱した結果を示す。
なお、複数の圧縮機Cは、三台の窒素コンプレッサーと、四台のコークス炉ガスコンプレッサーであり、七台の圧縮機Cは全て、レシプロコンプレッサー(往復圧縮機)である。
また、着脱対象となる弁は、圧縮機Cのシリンダ1が備える弁2のうち、シリンダ1の下方で上昇及び下降させてシリンダ1に着脱する四つの弁2であり、吸入弁及び吐出弁である。
シリンダ1に対する弁2の着脱作業は、圧縮機Cの定期点検・検査時に行い、その頻度は、七台の圧縮機Cに対し、それぞれ、二年に一回とする。したがって、一年間に行う、シリンダ1に対する弁2の着脱作業は、3.5回となる。
次に、従来の方法を用いて、シリンダ1に対する弁2の着脱作業を行った結果と、第一実施形態で説明したものと同様の構成を有する弁着脱装置D(以下「本発明の弁着脱装置D」と記載する)を用いて、シリンダ1に対する弁2の着脱作業を行った結果を比較する。
・作業時間
一台の圧縮機Cに対して、四つの弁2の着脱作業、すなわち、四回の取り付け作業と、四回の取り外し作業の、計八回の着脱作業を行った結果、従来の方法では、計八回の着脱作業に対し、約240分の時間を要していたところ、本発明の弁着脱装置Dでは、計八回の着脱作業に対し、約80分の時間で行うことが可能となった。
具体的には、従来の方法では、一回の取り付け作業または取り外し作業に対し、約30分の時間を要していたが、本発明の弁着脱装置Dでは、一回の取り付け作業または取り外し作業に対し、約10分の時間で行うことが可能となった。
これにより、従来の方法では、一台の圧縮機Cに対する作業全体に対し、約56時間を要していたが、本発明の弁着脱装置Dでは、一台の圧縮機Cに対する作業全体を、約53時間20分で行うことが可能となった。
・補修費
また、従来の方法では、弁2の着脱作業に、三人の作業員を必要としていたが、本発明の弁着脱装置Dでは、弁2の着脱作業を、二人の作業員で行うことが可能となった。
これにより、弁2の着脱作業に要する補修費を、一台の圧縮機Cに対する作業に対し、三万円ほど削減することが可能となった。
したがって、本発明の弁着脱装置Dでは、従来の方法と比較して、一年間に行うシリンダ1に対する弁2の着脱作業に対する補修費を、十万五千円ほど削減することが可能となった。
以上の結果から、本発明の弁着脱装置Dを用いて、圧縮機Cのシリンダ1に対する弁2の着脱作業を行うことにより、従来の方法を用いる場合と比較して、作業効率の向上及び補修費の削減が可能であることを確認した。
1 シリンダ
2 弁
10 弁本体(大径部10a、小径部10b)
12 弁押え
16 円環部
18 支持脚部
20 弁固定片
22 固定ピン
24 弁配置凹部(小径凹部24a、大径凹部24b、フランジ部24c)
26 弁保持部
28 揺動部
30 上側水平移動部
32 昇降部
34 下側水平移動部
36 揺動角度規制部材
38 揺動部側水平移動規制部材
40 台座部
42 保持バー
46 上側貫通孔
48 台座部側貫通孔
50 水平移動規制ピン
52 保持用ボルト
54 保持爪
56 傾斜軸
58 軸受台座部
60 球状部
62 軸受孔
64 上側案内レール
66 上側枠体部
74 アーム部
76 上側支持部
78 下側支持部
80 昇降操作部
90 下側案内レール
94 下側ロックピン
96 下側枠体部
104 工具取り付け部
106 ボルト挿通孔
110 規制部材形成部(半円本体部110a、規制部材側フランジ部110b)
112 水平移動規制フレーム部
114 規制板材
C 圧縮機
B 圧縮機の設置面
D 弁着脱装置

Claims (5)

  1. 圧縮機の下側から取り付ける弁を上昇及び下降させて前記圧縮機に着脱する圧縮機の弁着脱装置であって、
    前記弁を保持可能な弁保持部と、当該弁保持部を支持する上側支持部の上昇及び下降が可能な昇降部と、前記圧縮機を設置した設置面上に取り付けられ、且つ前記昇降部を水平移動可能に支持する下側水平移動部と、前記弁保持部を揺動可能に支持する揺動部と、当該揺動部を水平移動可能に支持する上側水平移動部と、を備え、
    前記揺動部及び前記上側水平移動部を、前記弁保持部と前記昇降部との間に介装したことを特徴とする圧縮機の弁着脱装置。
  2. 前記弁保持部の揺動角度を規制する揺動角度規制部材を備え、
    前記揺動角度規制部材を、前記揺動部に対して着脱自在とすることを特徴とする請求項1に記載した圧縮機の弁着脱装置。
  3. 前記揺動部の水平移動を規制する揺動部側水平移動規制部材を備え、
    前記揺動部側水平移動規制部材を、前記弁保持部及び前記上側水平移動部に対して着脱自在とすることを特徴とする請求項1または2に記載した圧縮機の弁着脱装置。
  4. 前記昇降部の水平移動を規制する昇降部側水平移動規制部材を備えることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載した圧縮機の弁着脱装置。
  5. 前記圧縮機を、往復圧縮機とし、
    前記弁を、吸入弁及び吐出弁のうち少なくとも一方とすることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載した圧縮機の弁着脱装置。
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