JP5228839B2 - 電動機及び電気自動車用ホイールモータ - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、電動機を構成する円筒状出力軸の廻りからの液体や塵埃などの侵入を阻止する効果を向上させることができる電動機及び電気自動車用ホイールモータを提供することを目的としている。
さらに、請求項3に係る電動機は、請求項2に係る発明において、前記リング状突条の上面が先端に行くに従い上方に高くなる先上がり傾斜面に形成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動機は、請求項1に係る発明において、前記外側ダストカバーの内周端側が前記リング状突条の下面に近接対向されていることを特徴としている。
また、請求項8に係る電気自動車用ホイールモータは、請求項1から7の何れか1つの電動機の構成を有する。
図1は、本発明をダイレクトドライブモータに適用した場合の第1の実施形態を示す電動機の斜視図、図2は電動機の縦断面図、図3はダストカバーの斜視図、図4は図2のラビリンス構造の拡大断面図である。
図中、1は産業機械用のメガトルクモータ、電気自動車用ホイールモータ、等の高トルク・高剛性を有する電動機であるモータ負荷直結形駆動方式を採用するダイレクトドライブモータを示す。このダイレクトドライブモータ1は、図1及び図2示すように、固定部に固定されるベース2と、このベース2の外周側上面に固定された円筒状のアウターハウジング3と、前記ベース2に一体に形成されアウターハウジング3と所定間隔を保って対向する円筒状のインナーハウジング4と、このインナーハウジング4に例えばクロスローラ形ベアリングで構成される軸受5を介して回転自在に支持され、アウターハウジング3及びインナーハウジング4間に配設された出力軸となる円筒状の円筒状出力軸6とで構成されている。
アウターハウジング3は、ベース2のリング状板部2aの上面に形成された凹部2eに嵌合されるステ-タヨークとなる円筒部3aと、この円筒部3aの内周面に円周方向に所定間隔を保って多数配設された磁脚3bと、各磁脚3bに巻装されたステータコイル3cとで構成されている。
また、リング状突条6cの上面と外側ダストカバー11の内周端部とで略L字状のラビリンス構造が形成され、このラビリンス構造がロータ6bを構成する永久磁石Mgと上方から対向している。このリング状突条6cは、その先端側外周面がロータ6bを構成する永久磁石Mgの外周面より僅かに外側に突出するように形成することが好ましい。また、リング状突条6cは、その上面が先端に行くに従い高くなる先上がりの傾斜面すなわち円筒状出力軸6の軸芯に対して例えば85度の鋭角に形成された傾斜面6dとされているとともに、下面にR面取り部6eが形成されている。このR面取り部6eは、リング状突条6cの剛性を高めながら、ステータコイル3aから所定の絶縁距離を確保するように形成されている。なお、リング状突条6cの下面は、R面取り部6eに代えてC面取り部を形成するようにしてもよい。
このため、ダイレクトドライブモータ1の上方から侵入する液体や塵埃等がラビリンス構造で阻止されてロータ6bの永久磁石Mgの外周面に付着することを確実に阻止することができ、侵入する液体や塵埃によって永久磁石Mgの外周面とステータを構成する磁脚3bとの間のギャップ長が変化したり、永久磁石Mgや磁脚3bの対向面が損傷されたりすることを確実に防止することができる。
そして、外側突条部6gの上端面が外部機器を固定する取付面6iとされているとともに、外側突条部6gの外周面及び内周面に外側インロー結合部6j及び内側インロー結合部6kが夫々形成されている。ここで、取付面6iには位置決めピンを挿通するピン挿通孔6m及び雌ネジ6nが形成されている。
また、前述したインナーハウジング4の上端面にレゾルバ20を覆うように外周縁が円筒状出力軸6の上端側に近接する皿状の内側ダストカバー30がネジ留めされている。
今、ダイレクトドライブモータ1の円筒状出力軸6に、図2で一点鎖線図示のように、底面側に円筒状出力軸6の外側インロー結合部6jにインロー結合するインロー孔部40aを有する基部40bと、この基部40bの底面側の外周面に外側ダストカバー11の取付ネジ12より半径方向外方に突出するアーム部40cを有する外部機器40を連結するものとする。
なお、上記第1の実施形態においては、リング状突条6cの傾斜面6dの傾斜角を85度の鋭角に設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、リング状突条6cの上面を円筒状出力軸6の軸芯に対して直角に設定したり、85度以外の鋭角としたり、任意の傾斜角とすることができ、また、リング状突条6cの上面を平坦面ではなく凹凸状や波状に形成するようにしてもよい。
この第2の実施形態は、円筒状出力軸6の外周面に形成されたリング状突条6cの下面側に外側ダストカバー11の内周端部を近接対向させたものである。
すなわち、第2の実施形態においては、図5〜図7に示すように、円筒状出力軸6の外周面に上下方向に比較的幅広のリング状突条6cを形成し、このリング状突条6cの下面6oに外側ダストカバー11の内周端部を近接対向させて、この外側ダストカバー11とリング状突条6cとで逆L字状のラビリンス構造を形成したことを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。なお、ラビリンス構造は、ステータコイル3cの内周縁に対向しており、ロータ3bを構成する永久磁石Mgの外周面とステータを構成する磁極3bの内周面との間のギャップに対して外側にずれて形成されている。
この第2の実施形態においては、外側ダストカバー11の内周側端部を内周端面に向かうに従って先上がりの傾斜面に形成することにより、前述した第1の実施形態と同様に液体や塵埃等の侵入をより確実に阻止することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、円筒状出力軸6の外周面にリング状突条6cを形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図8に拡大図示するように、円筒状出力軸6の外周面に円周凹溝50を形成し、この円周凹溝50内に外側ダストカバー11の内周側端部を挿入することにより、凹状のラビリンス構造を形成するようにしてもよい。この場合はラビリンス構造が凹状となるので、液体や塵埃の侵入をより確実に阻止することができる。さらには、外側ダストカバー11の内周側端部に複数の段部を形成し、これに応じて円筒状出力軸6の外周面にも外側ダストカバー11の段部に対向する複数の段部を形成して複数段のラビリンス構造を形成することもできる。
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、外部機器40が基部40bから半径方向外方に突出するアーム部40cを有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、外側ダストカバー11に対向する底面を有する基部を備えた割出テーブルである場合にも本発明を適用することができ、要は取付ネジ12の頭部12aが回転面に含まれる場合に本発明を適用できるものである。
なおさらに、上記第1及び第2の実施形態においては、円筒状出力軸6をインナーハウジング4に回転自在に保持する軸受5としてクロスローラ形軸受を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の軸方向の剛性が高いアンギュラー玉軸受等を適用することができる。
さらに、外側ダストカバー11をアウターハウジング3に取付ける取付部材としては取付ネジ12に限定されるものではなく、取付ボルト等の他の部材を適用することができる。さらには、外側ダストカバー11をアウターハウジング3の円筒部3bの上面に直接固定した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図示しないが円筒部3bの上面に固定したスタッドボルト等の連結部材を介して外側ダストカバー11を固定するようにしてもよい。
Claims (8)
- アウターハウジング及びインナーハウジング間に円筒状出力軸を回転自在に支持し、前記円筒状出力軸と前記アウターハウジングとの間にロータ及びステータが配置されている電動機であって、
前記円筒状出力軸の外周面にリング状突条を形成し、前記アウターハウジングの上端を覆う外側ダストカバーの内周端側を前記リング状突条に近接対向させて、当該リング状突条と外側ダストカバーの内周端側とでラビリンス構造を形成したことを特徴とする電動機。 - 前記外側ダストカバーの内周端側が前記リング状突条の上面に近接対向されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
- 前記リング状突条の上面が先端に行くに従い上方に高くなる先上がり傾斜面に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電動機。
- 前記リング状突条の下面がR又はC面取りされていることを特徴とする請求項3に記載の電動機。
- 前記外側ダストカバーの内周端側が前記リング状突条の下面に近接対向されていることを特徴とする請求項1に記載の電動機。
- アウターハウジング及びインナーハウジング間に円筒状出力軸を回転自在に支持し、前記円筒状出力軸と前記アウターハウジングとの間にロータ及びステータが配置されている電動機であって、
前記円筒状出力軸の外周面に円周凹溝を形成し、前記アウターハウジングの上端を覆う外側ダストカバーの内周端側を前記円周凹溝の内の壁面に近接対向させて、当該円周凹溝と外側ダストカバーの内周端側とでラビリンス構造を形成したことを特徴とする電動機。 - 前記ラビリンス構造は、前記円筒状出力軸に形成したロータを構成する永久磁石と対向して配設されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電動機。
- 前記請求項1から7の何れか1項の電動機の構成を有する電気自動車用ホイールモータ。
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