JP5228728B2 - シール構造及びシールリング - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール性能を全周に亘って安定させることを目的とする。
姿勢保持部は、変形方向規制手段により一定の方向へ変位して弾性変形し、この姿勢保持部の弾性復元力により、シールリングが第1、第2のシール面に対して一定の姿勢に保持される。これにより、両シール面に対するシールリングの密着状態、即ちシール性能が全周に亘って安定する。
また、両姿勢保持部の変形は第1のシール面上で拡がるようにしてなされるので、シール面上における両姿勢保持部の当接位置間の距離が拡大し、したがってシールリングは、より安定した姿勢に保持される。
さらに、両姿勢保持部の間には第1リップ部が形成されるので、第1のシール面に対する第1リップ部の弾性変形の仕方が安定し、高いシール性能が発揮される。さらにまた、姿勢保持部は、シールリングの姿勢を保持する機能に加えて、シール機能も兼ね備えているので、シールリングの形状の簡素化を維持しながらシール性能の向上を図ることができる。
また、第2リップ部は、嵌合溝内の異なる2位置に当接するので、姿勢保持部と同様、嵌合溝内においてシールリングの姿勢を保持する機能を発揮する。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図5を参照して説明する。図1及び図2に示すのは、ゴム製のシールリング10である。シールリング10は、リング状をなすベース部11の外面に、一対の姿勢保持部12と、1つの第1リップ部16と、一対の第2リップ部18とを一体に形成したものである。図3〜5に示すように、これらの姿勢保持部12と第1リップ部16と第2リップ部18は、いずれも、周方向(ベース部11の長さ方向)に沿ってベース部11からリブ状に突出しているとともに、ベース部11の全周に亘って連続した形態で形成されている。また、姿勢保持部12と第1リップ部16と第2リップ部18を突出形成したことにより、シールリング10の周方向(長さ方向)と交差する断面形状は、全体として概ねW形をなしている。
第1部材20は、シールリング10の正面側に対向するように配置され、本実施形態では貫通形態の取付孔21が形成されたパネルからなる。この第1部材20の背面(シールリング10と対向する後面面)のうち取付孔21の開口縁部は、リング状をなす第1シール面22となっている。
第1部材20と第2部材23を組み付ける際には、第1シール面22に対して第2シール面25と押圧面26が平行となるようにしながら、第1部材20に対し、後方から第2部材23を第1シール面22と略直角に接近させる。この過程では、図4に示すように、第1シール面22に対して一対の姿勢保持部12の当接部14が当接する。この当接部14は、第1シール面22と平行な方向において、姿勢保持部12の基端部13(傾動支点)から離れた位置に配置されているので、姿勢保持部12は、第1シール面22と平行な方向において当接部14を基端部13から離間させる方向へ変位させる向きに傾動するように弾性変形する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では一対の姿勢保持部を対称な形態としたが、一対の姿勢保持部は非対称な形態であってもよい。
(2)上記実施形態では第1シール面を有する第1部材が、取付孔を有するパネルである場合について説明したが、本発明は、第1部材が、パネル以外の種々の形態や機能を有するものである場合にも適用できる。
(3)上記実施形態では第2シール面を有する第2部材が、コネクタである場合について説明したが、本発明は、第2部材が、コネクタ以外の種々の形態や機能を有するものである場合にも適用できる。
11…ベース部
12…姿勢保持部
15…変形方向規制手段
16…第1リップ部
18…第2リップ部
22…第1シール面(第1のシール面)
23…第2部材(第2シール面が形成されている部材)
25…第2シール面(第2のシール面)
26…押圧面
24…嵌合溝
Claims (2)
- 互いに対向する、第1のシール面及びこの第1のシール面と対向する面が押圧面となりかつ前記第1のシール面へ向けて開口するようにして凹設された嵌合溝の内面に形成された第2のシール面と、
前記両シール面の間で弾性的に挟み付けられるシールリングとを備え、
前記シールリングには、
ベース部と、
前記ベース部から前記シールリングの厚み方向であって前記第1のシール面に向けて一対が突出した形態であり、そのうちの一方が前記ベース部から前記シールリングの内周側へ傾いた方向へ延出し、他方が前記ベース部から前記シールリングの外周側へ傾いた方向へ延出して、それぞれの基端部と突出端とが前記第1のシール面と平行な方向に離間して位置することで前記第1のシール面における異なる2位置に対して押圧されたときに、これらの弾性変位方向が相互に離間する方向となるように規制する変形方向規制手段を構成しつつ前記第1のシール面と前記押圧面との間で液密状に挟み付けて前記両シール面に対するシールを行う一対の姿勢保持部と、
前記両姿勢保持部の間に配置され前記第1のシール面へ向けて突出して前記第1のシール面に対して弾性的に密着し前記ベース部からの突出寸法が前記姿勢保持部の前記ベース部からの突出寸法よりも小さい寸法に設定された第1リップ部と、
前記ベース部から前記両姿勢保持部とは反対向きに突出した形態であり、かつ前記ベース部と共に前記嵌合溝内に嵌合され前記第2のシール面の異なる2位置に液密状に当接可能な一対の第2リップ部とを備えたシール構造であって、
前記両姿勢保持部と前記第1リップ部との間にはそれぞれ第1溝部が形成され、両第1溝部は前記両姿勢保持部及び前記第1リップ部とが前記第1のシール面に当接した状態では前記第1シール面及び両姿勢保持部とによって密閉空間を構成するようになっているとともに、前記両第2リップ部は、前記第1溝部によって構成される前記両密閉空間に対し前記シールリングの厚み方向下方に位置するとともに、
前記両第2リップ部の間には第2溝部が形成され、この第2溝部は前記ベース部と共に前記両第2リップ部が前記嵌合溝に嵌合された状態では前記両第2リップ部及び前記嵌合溝の底面とによって他の密閉空間を構成するようになっているとともに、前記第1リップ部は前記他の密閉空間に対し前記シールリングの厚み方向上方に位置することを特徴とするシール構造。 - 互いに対向する、第1のシール面及びこの第1のシール面と対向する面が押圧面となりかつ前記第1のシール面へ向けて開口するようにして凹設された嵌合溝の内面に形成された第2のシール面との間で弾性的に挟み付けられるシールリングであって、
ベース部と、
前記ベース部から前記シールリングの厚み方向であって前記第1のシール面に向けて一対が突出した形態であり、そのうちの一方が前記ベース部から前記シールリングの内周側へ傾いた方向へ延出し、他方が前記ベース部から前記シールリングの外周側へ傾いた方向へ延出して、それぞれの基端部と突出端とが前記第1のシール面と平行な方向に離間して位置することで前記第1のシール面における異なる2位置に対して押圧されたときに、これらの弾性変位方向が相互に離間する方向となるように規制する変形方向規制手段を構成しつつ前記第1のシール面と前記押圧面との間で液密状に挟み付けて前記両シール面に対するシールを行う一対の姿勢保持部と、
前記両姿勢保持部の間に配置され前記第1のシール面へ向けて突出して前記第1のシール面に対して弾性的に密着し前記ベース部からの突出寸法が前記姿勢保持部の前記ベース部からの突出寸法よりも小さい寸法に設定された第1リップ部と、
前記ベース部から前記両姿勢保持部とは反対向きに突出した形態であり、かつ前記ベース部と共に前記嵌合溝内に嵌合され前記第2のシール面の異なる2位置に液密状に当接可能な一対の第2リップ部とを備え、
前記両姿勢保持部と前記第1リップ部との間にはそれぞれ第1溝部が形成され、両第1溝部は前記両姿勢保持部及び前記第1リップ部とが前記第1のシール面に当接した状態では前記第1シール面及び両姿勢保持部とによって密閉空間を構成するようになっているとともに、前記両第2リップ部は、前記第1溝部によって構成される前記両密閉空間に対し前記シールリングの厚み方向下方に位置するとともに、
前記両第2リップ部の間には第2溝部が形成され、この第2溝部は前記ベース部と共に前記両第2リップ部が前記嵌合溝に嵌合された状態では前記両第2リップ部及び前記嵌合溝の底面とによって他の密閉空間を構成するようになっているとともに、前記第1リップ部は前記他の密閉空間に対し前記シールリングの厚み方向上方に位置することを特徴とするシールリング。
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