JP2010065836A - シール構造及びシールリング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに対応する一対のシール面22,25の間で弾性的に挟み付けられるシールリング10には、第1シール面22に押圧されることにより弾性変形する姿勢保持部12と、姿勢保持部12の弾性変形時の変位方向を特定の向きに規制する変形方向規制手段15とが設けられ、姿勢保持部12の弾性復元力により、一対のシール面22,25に対してシールリング10が一定の姿勢に保持される。これにより、一対のシール面22,25に対するシールリング10の密着状態、即ちシール性能が全周に亘って安定する。
【選択図】図5
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、シール性能を全周に亘って安定させることを目的とする。
姿勢保持部は、変形方向規制手段により一定の方向へ変位して弾性変形し、この姿勢保持部の弾性復元力により、シールリングが一対のシール面に対して一定の姿勢に保持される。これにより、一対のシール面に対するシールリングの密着状態、即ちシール性能が全周に亘って安定する。
一対の姿勢保持部は、シール面上で拡がるように弾性変形するので、シール面上における一対の姿勢保持部の当接位置間の距離が大きくなる。したがって、シールリングは、より安定した姿勢に保持される。
一対の姿勢保持部の間にリップ部が形成されているので、シール面に対するリップ部の弾性変形の仕方が安定し、高いシール性能が発揮される。
姿勢保持部は、シールリングの姿勢を保持する機能に加えて、シール機能も兼ね備えているので、シールリングの形状の簡素化を維持しながらシール性能の向上を図ることができる。
一対のリップ部は、第2のシール面における異なる2位置に当接するので、姿勢保持部と同様、嵌合溝内においてシールリングの姿勢を保持する機能を発揮する。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図5を参照して説明する。図1及び図2に示すのは、ゴム製のシールリング10である。シールリング10は、リング状をなすベース部11の外面に、一対の姿勢保持部12と、1つの第1リップ部16と、一対の第2リップ部18とを一体に形成したものである。図3〜5に示すように、これらの姿勢保持部12と第1リップ部16と第2リップ部18は、いずれも、周方向(ベース部11の長さ方向)に沿ってベース部11からリブ状に突出しているとともに、ベース部11の全周に亘って連続した形態で形成されている。また、姿勢保持部12と第1リップ部16と第2リップ部18を突出形成したことにより、シールリング10の周方向(長さ方向)と交差する断面形状は、全体として概ねW形をなしている。
第1部材20は、シールリング10の正面側に対向するように配置され、本実施形態では貫通形態の取付孔21が形成されたパネルからなる。この第1部材20の背面(シールリング10と対向する後面面)のうち取付孔21の開口縁部は、リング状をなす第1シール面22となっている。
第1部材20と第2部材23を組み付ける際には、第1シール面22に対して第2シール面25と押圧面26が平行となるようにしながら、第1部材20に対し、後方から第2部材23を第1シール面22と略直角に接近させる。この過程では、図4に示すように、第1シール面22に対して一対の姿勢保持部12の当接部14が当接する。この当接部14は、第1シール面22と平行な方向において、姿勢保持部12の基端部13(傾動支点)から離れた位置に配置されているので、姿勢保持部12は、第1シール面22と平行な方向において当接部14を基端部13から離間させる方向へ変位させる向きに傾動するように弾性変形する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、姿勢保持部として、シールリングの取付け母体(第2部材)とは反対側の第1シール面に押圧するもののみを設けたが、姿勢保持部は、シールリングの取付け母体側の第2シール面に押圧するもののみを設けてもよく、第1シール面に押圧する姿勢保持部と第2シール面に押圧する姿勢保持部の双方を設けてもよい。
(2)上記実施形態では姿勢保持部を一対(2つ)設けたが、1つのシールリングに設ける姿勢保持部の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。
(3)上記実施形態では一対の姿勢保持部を対称な形態としたが、一対の姿勢保持部は非対称な形態であってもよい。
(4)上記実施形態では一対の姿勢保持部が互いに反対方向へ弾性変形するようにしたが、一対の姿勢保持部が互いに同じ方向へ弾性変形するようにしてもよい。
(5)上記実施形態では一対の姿勢保持部が互いに相手側から離れる方向へ弾性変形するようにしたが、一対の姿勢保持部が相手側の姿勢保持部に近づく方向へ弾性変形するようにしてもよい。
(6)上記実施形態では姿勢保持部を押圧する第1シール面に密着する第1リップ部を、一対の姿勢保持部の間に配置したが、第1リップ部は一対の姿勢保持部の間とは異なる位置に配置されていてもよい。
(7)上記実施形態では姿勢保持部がシール機能を兼ね備えるようにしたが、姿勢保持部は、シール性能を発揮せず、シールリングの姿勢を保持する機能のみを有するものであってもよい。
(8)上記実施形態では第1シール面に対し姿勢保持部とは別に第1リップ部を当接させるようにしたが、第1リップ部を設けずに、第1シール面とのシールを姿勢保持部だけで行うようにしてもよい。
(9)上記実施形態では第2シール面に対して一対の第2リップ部が当接するようにしたが、第2のシール面に当接する第2リップ部の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。
(10)上記実施形態では第2シール面に当接する第2リップ部が、シールリングの姿勢を保持する機能を発揮するようにしたが、第2リップ部は、姿勢保持機能を有せず、シール機能のみを発揮するものであってもよい。
(11)上記実施形態では、姿勢保持部における第1シール面との当接部と姿勢保持部の基端部(傾動支点)とを、第1部材と第2部材の組み付け方向と直角な方向(即ち、第1シール面と平行な方向)において互いに離間した位置に配置することによって、変形方向規制手段が構成されているが、これに限らず、姿勢保持部のうち第1シール面と交差する向きの外面に溝状の切欠部を形成し、この切欠部を変形方向規制手段として機能させてもよい。この場合、姿勢保持部は、切欠部においてその溝幅を狭めるような形態で座屈し易くなるので、確実に一定の方向に弾性変形するようになる。
(12)上記実施形態では第1シール面を有する第1部材が、取付孔を有するパネルである場合について説明したが、本発明は、第1部材が、パネル以外の種々の形態や機能を有するものである場合にも適用できる。
(13)上記実施形態では第2シール面を有する第2部材が、コネクタである場合について説明したが、本発明は、第2部材が、コネクタ以外の種々の形態や機能を有するものである場合にも適用できる。
11…ベース部
12…姿勢保持部
15…変形方向規制手段
16…第1リップ部
18…第2リップ部
22…第1シール面(第1のシール面)
23…第2部材(第2シール面が形成されている部材)
25…第2シール面(第2のシール面)
26…押圧面
24…嵌合溝
Claims (10)
- 互いに対応する一対のシール面と、
前記一対のシール面の間で弾性的に挟み付けられるシールリングとを備え、
前記シールリングには、
前記一対のシール面のうち少なくとも一方の前記シール面に対して押圧されることにより弾性変形する姿勢保持部と、
前記姿勢保持部の弾性変形時の変位方向を特定の向きに規制する変形方向規制手段とが設けられ、
前記姿勢保持部の弾性復元力により、前記一対のシール面に対して前記シールリングが一定の姿勢に保持されるようになっていることを特徴とするシール構造。 - 前記姿勢保持部が、前記シール面における異なる2位置に当接するように一対設けられ、
前記変形方向規制手段が、前記一対の姿勢保持部を互いに相手側の姿勢保持部から離れる方向へ弾性変形させるようになっていることを特徴とする請求項1記載のシール構造。 - 前記シールリングには、前記シール面に対して弾性的に密着するリップ部が、前記一対の姿勢保持部の間に配置されて形成されていることを特徴とする請求項2記載のシール構造。
- 前記一対のシール面のうち前記姿勢保持部を弾性変形させる第1の前記シール面とは反対側の第2の前記シール面が形成されている部材には、前記姿勢保持部を、前記第1のシール面との間で弾性的に且つ液密状に挟み付ける押圧面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシール構造。
- 前記一対のシール面のうち前記姿勢保持部を弾性変形させる第1の前記シール面とは反対側の第2の前記シール面を有する部材には、前記シールリングのベース部を嵌合するための嵌合溝が形成され、
前記嵌合溝の内面が前記第2のシール面となっており、
前記ベース部には、前記第2のシール面における異なる2位置に液密状に当接可能な一対のリップ部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のシール構造。 - 互いに対応する一対のシール面の間で弾性的に挟み付けられるシールリングであって、
前記一対のシール面のうち少なくとも一方の前記シール面に対して押圧されることにより弾性変形する姿勢保持部と、
前記姿勢保持部の弾性変形時の変位方向を特定の向きに規制する変形方向規制手段とを備え、
前記姿勢保持部の弾性復元力により、前記一対のシール面に対して一定の姿勢に保持されるようになっていることを特徴とするシールリング。 - 前記姿勢保持部が、前記シール面における異なる2位置に当接するように一対設けられ、
前記変形方向規制手段が、前記一対の姿勢保持部を互いに相手側の姿勢保持部から離れる方向へ弾性変形させるようになっていることを特徴とする請求項6記載のシールリング。 - 前記一対の姿勢保持部の間には、前記シール面に対して弾性的に密着するリップ部が形成されていることを特徴とする請求項7記載のシールリング。
- 前記姿勢保持部は、
前記一対のシール面のうち前記姿勢保持部を弾性変形させる第1の前記シール面と、前記第1のシール面とは反対側の第2の前記シール面が形成されている部材に形成した押圧面との間で、弾性的に且つ液密状に挟み付けられるようになっていることを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のシールリング。 - 前記一対のシール面のうち前記姿勢保持部を弾性変形させる第1の前記シール面とは反対側の第2の前記シール面を有する部材に形成されて、内面が前記第2のシール面となっている嵌合溝に対し、ベース部を嵌合させるようになっているシールリングであって、
前記ベース部には、前記第2のシール面における異なる2位置に液密状に当接可能な一対のリップ部が形成されていることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のシールリング。
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