JP5228539B2 - 研削加工方法および研削加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワーク外周に溝等を研削加工する研削加工方法および研削加工装置に関し、
特に、研削焼け防止に好適な研削加工方法および研削加工装置に関するものである。
ワ−ク研削時、ワ−クと砥石車との研削点の摩擦を減少させ、かつ、切り屑の逃げをよくする目的と、切り屑が砥石車の砥粒切刃へ溶着するのを防ぐ冷却を行うために、ワ−クと砥石車の研削点に研削液(研削油剤)が供給される。研削液は、円筒研削盤のときは研削点に向けて自由落下させ、平面研削盤のときは研削点に研削液が届くように15〜30度の角度で研削液をノズルより供給される。しかしながら、回転している砥石車はその外周研削面にある空気をつれ巻き込み、回転している砥石車がワ−クに近づくにつれてつれ廻しされた空気の圧力が研削開始点近傍に発生し、研削液が研削点から遠ざかり、研削点には十分な量の研削液が供給されない現象が発生する。
上記空気の連れ廻りを防止するため、回転する円板状砥石車の研削面に研削液を供給し、該砥石車の研削面をワ−クに当ててワ−ク表面を研削する円筒研削盤または平面研削盤において、砥石車の研削面に研削液を供給するノズルの近傍であって、砥石車のワ−クの研削点に対しノズルよりは遠い位置の砥石研削面近傍に減圧管を設けた研削盤が提案されている(特許文献1参照)。
前記研削液を供給するノズルは、砥石車両側の前方の一部を囲む砥石車両側面に平行に設けられた側板、砥石車研削面に対して0.5〜15mmのクリアランスを有して設けられた底板、外板および該外板よりは内側で砥石車の外周面よりは外側に設けられた内板とから形成され、前記底板は砥石車の軸心の中心点とワ−クの軸心とを結ぶ直線と砥石車の軸心の中心点と底板を結ぶ線とが30〜60度の傾斜を有するよう構成されている。
特開2000−296466号公報
しかしながら、上記従来例においても、限られた板厚を備えるワークの外周面に板厚方向に沿って任意の形状の溝等を形成する目的で、板厚方向と直交する砥石軸に砥石車を保持させて板厚方向に平面研削加工もしくは溝研削加工を行なう場合に、クーラントが供給される側(砥石の回転方向上流側)のワークの縁から離れた部位では、ワーク外周面と砥石車との間に研削液が研削点に向かって流れ込むくさび状の空間が形成でき、研削点に十分な研削液を供給でき、その冷却能力を発揮させて研削焼けが発生しない。しかしながら、研削点がクーラントが供給される側(砥石車の回転方向上流側)のワークの縁近傍にある場合には、研削点直前(砥石回転方向上流側)の砥石車外周面はワークの側面より外側に露出し、砥石車とワークの間に研削液が入り込む隙間が無くなるため、供給された研削液の大部分はワークの側面に突き当たり、砥石車外周面から剥離されてワークの側面に沿って流出し、当該研削点での研削液による冷却不足を生じ、研削焼けを発生する課題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、研削焼けの防止に好適な研削加工方法および研削加工装置を提供することを目的とする。
本発明は、ワーク外周のX軸方向に溝を研削する研削加工方法および研削加工装置であり、軸とこのX軸に対して直交するY軸とから構成されるX−Y平面内においてY軸に対して傾斜させて砥石軸を配置すると共に砥石軸に砥石車を支承させ、砥石台をX軸方向に往復移動させると共に、砥石車のX軸方向の移動方向上流側からワークへの研削点に回転方向ノズルにより研削液を供給して、研削対象である溝の幅方向の中央領域を境にして、一方の片側壁面を対面している砥石車の一方の軸方向領域により研削加工すると共に、他方の片側壁面を対面している砥石車の他方の軸方向領域により研削加工することにより、ワーク外周に溝を研削するようにした。
したがって、本発明では、ワークのX軸とこのX軸に対して直交するY軸とから構成されるX−Y平面内においてY軸に対して傾斜させて砥石軸を配置すると共に砥石軸に砥石車を支承させ、石台をX軸方向に往復移動させると共に、砥石車のX軸方向の移動方向上流側からワークへの研削点に回転方向ノズルにより研削液を供給して、研削対象である溝の幅方向の中央領域を境にして、一方の片側壁面を対面している砥石車の一方の軸方向領域により研削加工すると共に、他方の片側壁面を対面している砥石車の他方の軸方向領域により研削加工することにより、ワーク外周に溝を研削するため、砥石車の移動方向前方にクーラントの溜まりが形成でき、研削中のワークの冷却能力を向上でき、研削焼けを防止することができる。
以下、本発明の研削加工方法および研削加工装置の一実施形態を示す図1〜図5に基づいて説明する。図1は本発明を適用した研削加工装置を示す概略構成図である。
図1において、研削加工装置は、ワークWの外周面に板厚方向(ワーク軸W1)に沿って任意形状の溝W2を形成するよう、砥石台1をワークWの板厚方向(ワーク軸W1)に対して平行に移動させるNC−X軸と、砥石台1をワークWの板厚方向(ワーク軸W1)に対して直交する方向に移動させるNC−Y軸と、砥石台1をNC−X−Y平面に対して直交する方向に移動させるNC−Z軸とを備えるX−Yの2軸またはX−Y−Zの3軸NC制御機構10を備え、NCプログラムによる創成研削ができるようにすることで、任意のなだらかなR形状断面を有する溝研削加工にも対応できるように構成されている。
前記砥石台1は、X−Y平面内で砥石軸2をNC−Y軸に対して所定角度だけ傾斜させて回転駆動可能に支承して備え、傾斜した砥石軸2に砥石車3を回転駆動可能に固定して備える。砥石軸2とワークWの板厚方向(ワーク軸W1)とは直交せず、砥石軸2に固定された砥石車3はその中心面とワークWの板厚方向(ワーク軸W1)とは前記所定角度をもって交差するよう構成としている。このため、砥石車3は、ワークWの板厚方向(ワーク軸W1)からは、図2に示すように、NC−Y軸方向で短軸となり、NC−Z軸方向に長径となる楕円形状となっており、その長径の先端側(研削部4)でワークWの外周面に対して溝等の研削加工を実施するように構成されている。この時の砥石断面形状は、ワークWに形成させたい溝形状に対して砥石軸2が傾いた分の形状補正を行なったものとなる。
また、砥石台1には、傾斜した砥石車3の回転方向前方の側面から砥石車3のワークWへの研削点にクーラントを矢印L1,L2に示すように供給する一対の前方ノズル5A,5B(回転方向ノズル)と、砥石車3の側方からワークWの研削点に向かってクーラントを矢印L3,L4に示すように供給する一対の側方ノズル6A,6Bと、を備える。
NC制御装置10には、砥石台1をY軸方向に移動させて砥石車3のZ軸方向下端の研削部4の位置をワーク軸W1の中心に位置させ、砥石台1をX軸方向に移動させてワークW上に移動させる位置決めプログラムと、砥石車3を回転させた状態で、そのZ軸方向下端の研削部4をワークW上でX軸方向に往復移動するよう(Y軸方向にトラバースさせて溝W2を創成研削する場合もある)砥石台1を移動させつつZ軸方向に粗研削送りして、ワークW外周面に溝W2を粗研削する粗研削プログラムと、粗研削終了後に同様にX軸方向に往復移動するよう(Y軸方向にトラバースさせて溝W2を創成研削する場合もある)砥石台1を移動させつつZ軸方向に仕上げ研削送りして、ワークW外周面に溝W2を仕上げ研削する仕上げ研削プログラムと、仕上げ研削終了後に砥石台1をX軸方向に移動させて砥石車3をワークW上から待避させる待避プログラムと、が記憶されている。
次に、上記実施形態の作動について説明する。先ず、ワークWを図示しないチャックにより位相決めを行って把持させ、起動釦を押すと、NC制御装置10は前記位置決めプログラムを実行する。砥石台1はY軸方向に移動されて砥石車3のZ軸方向下端の研削部4の位置がワーク軸W1に位置され、次いで、砥石台1はX軸方向に移動されてワークW上に移動される。
次いで、粗研削プログラムが実行され、砥石車3が回転されると共にそのZ軸方向下端の研削部4がワークW上でX軸方向に往復移動するよう(Y軸方向にトラバース研削する場合もある)砥石台1を移動させ、同時に砥石台1をZ軸方向に粗研削送りして、ワークW外周面に溝W2を粗研削する。また、一対の前方ノズル5A,5Bおよび一対の側方ノズル6A,6BのうちのX軸方向の移動方向前方にあるノズルよりクーラントが砥石車3の研削部4に向かって供給される。
この粗研削において、ワークWの外周面に形成される研削部4は、砥石車3がワークWの(ワーク軸W1)に対して傾斜された状態で接触するため、図2に示すように、NC−Y軸方向で短軸となり、NC−Z軸方向に長径となる楕円形状となっており、その長径の先端側が研削部4を構成し、ワークWの外周面に対して溝研削加工が実施される。この研削部4はワークWに形成される研削溝W2に対して、図1に示すように、傾斜された四角形状の領域として形成される。砥石車3は、矢印に示すように、前記した傾斜した研削部4の一端から他端に向かって砥石車3の表面を接触させて粗研削が実施される。また、砥石台1をY軸方向にトラバースさせて溝W2を創成研削することもできる。
図3(A)および(B)は、研削点を拡大して示す平面図および研削点に沿った断面図である。図(A)に示すように、砥石車3は研削溝W2に対して傾斜しているため、研削溝W2の溝幅方向の概略中央を境にして、一方の片側壁面Cは前記所定角度で対面している砥石車3の一方の縁領域Dにより主に研削加工され、他方の片側壁面Eは前記所定角度で対面している砥石車3の他方の縁領域Fにより主に研削加工される。前記砥石車3の研削溝W2の概略中央では研削溝W2に接触し、一方の縁領域Dに連なる縁領域(隙間G部分)および他方の縁領域Fに連なる縁領域(隙間H部分)は、それぞれ、中央位置から離れるに連れて研削溝W2の表面から徐々に離れる隙間G,Hが形成される。また、研削溝W2に対して砥石車3が傾斜しているため、砥石車3の幅方向の中心面での砥石車3と研削溝W2とを断面すると、図(B)に示すように、研削溝W2の概略中央領域Jでは砥石車3の表面に接触し、中央領域から離れるに連れて研削溝W2の壁面と砥石車3の表面とが徐々に離れる楔状の隙間G,Hが形成される。
結果として、研削溝W2と砥石車3とは、領域Dと領域Fと中央領域Jとの三箇所の研削点が存在することとなる。また、砥石車3の外周面と研削溝W2との間には、隙間G部分から背面の領域Fの手前に向かい且つ中央領域Jの手前に向かう楔状の隙間を備えると共に、隙間H部分から背面の領域Dの後方に向かい且つ中央領域Jの後方に向かう楔状の隙間を備えることとなる。
ここで、図3中左方向への移動中においては、前記砥石車3のX軸方向の移動方向前方にある左側前方ノズル5Aより供給したクーラントは、研削溝W2の表面に案内されて研削点である領域DおよびそのX軸移動方向の前方に供給されて、研削溝W2内にクーラント溜まりを形成し、領域Dにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。前記砥石車3の移動方向側方に配置した左側側方ノズル6Aより供給したクーラントは、前記領域DのX軸移動方向の前方にクーラントの溜まりを大きく形成して、左側前方ノズル5Aより供給したクーラントと相まって領域Dへの入り込みをより促進させる。
また、X軸方向の移動方向前方に形成されたクーラント溜まりのクーラントは、研削溝W2と隙間をもつ隙間Gを通過して砥石車3の外周面と研削溝W2との間の楔状隙間(研削溝W2の中央領域Jおよび他方の領域FのX軸方向前方である)にも供給され、砥石車3のX軸方向移動および砥石車3の回転による引き込みにより、研削溝W2の中央領域Jにおける研削点、および、砥石車3の他方の縁領域Fと研削溝W2とで構成する研削点にも、供給されて中央領域Jおよび領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。
そして、前記砥石車3のX軸方向の移動方向後方にある右側前方ノズル5Bおよび右側側方ノズル6Bからもクーラントを供給すると、領域Fの後方の研削溝W2にもクーラント溜まりを形成でき、他方の研削点である領域Fを背面からも冷却することができる。
また、図3中右方向への移動中においては、前記砥石車3のX軸方向の移動方向前方にある右側前方ノズル5Bより供給したクーラントは、研削溝W2の表面に案内されて研削点である領域FおよびそのX軸移動方向の前方に供給されて領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。前記砥石車3の移動方向側方に配置した右側側方ノズル6Bより供給したクーラントは、前記領域FのX軸移動方向の前方にクーラントの溜まりを形成して、右側前方ノズル5Bより供給したクーラントと相まって領域Fへの入り込みをより促進させる。
また、X軸方向の移動方向前方にある右側前方ノズル5Bより供給されX軸移動方向前方のクーラントの溜まりは、研削溝W2との隙間Hを通過して砥石車3の外周面と研削溝W2との間の楔状隙間(研削溝W2の中央領域Jおよび一方の領域DのX軸方向前方である)にも供給され、砥石車3のX軸方向移動により、研削溝W2の中央領域Jにおける研削点の背面側、および、砥石車3の一方の縁領域Dと研削溝W2とで構成する研削点の背面側にも、供給されて中央領域Jおよび領域Dにおける砥石車3と研削溝W2とを背面側から冷却する。
そして、前記砥石車3のX軸方向の移動方向後方にある左側前方ノズル5Aおよび左側側方ノズル6Aからもクーラントを供給すると、領域Dの後方の研削溝W2にもクーラント溜まりを形成でき、一方の研削点である領域Dも背面から冷却することができる。同時に、X軸方向の移動方向後方に形成されたクーラント溜まりのクーラントは、研削溝W2との隙間Gを通過して砥石車3の外周面と研削溝W2との間の楔状隙間(研削溝W2の中央領域Jおよび他方の領域FのX軸方向後方である)にも供給され、砥石車3の回転による引き込みにより、研削溝W2の中央領域Jにおける研削点、および、砥石車3の他方の縁領域Fと研削溝W2とで構成する研削点にも、供給されて中央領域Jおよび領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。
従って、従来例のように、供給したクーラントがワークWの側面に突き当たり砥石車の外周面から剥離されてワークの側面に沿って流出する事態が生ずることがなく、当該研削点でのクーラントによる冷却不足が解消され、研削焼けが発生することを防止することができる。
前記砥石車3の外周面の形状として、上記した実施例では、円筒面を備えるものについて説明したが、図4に示すように、円弧状の断面形状を備えるものであってもよい。このように、円弧状の断面形状を備える場合には、円弧状断面の中央部を含んでその一方側の領域Dにより研削溝W2の一方の片側壁面Cが研削加工され、円弧状断面の中央部を含んでその他方側の領域Fにより研削溝W2の他方の片側壁面Eが研削加工されることになる。この場合においては、砥石車3が円弧状の断面形状を備えるため、前記領域D,Fの研削点はその周辺領域において、研削溝W2との間に、研削点から離れるに連れて拡がる楔状の隙間を形成して備えるものとなる。
従って、図5中左方向への移動中においては、X軸方向への移動方向の前方ノズル5Aより供給したクーラントは、研削溝W2の表面に案内されて研削点である領域DおよびそのX軸移動方向の前方に供給されて、研削溝W2内にクーラント溜まりを形成し、領域Dに至る楔状隙間に案内されて領域Dにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。また、前記砥石車3の移動方向前方に配置した側方ノズル6Aより供給したクーラントは、前記領域DのX軸移動方向の前方にクーラントの溜まりを大きく形成して、左側前方ノズル5Aより供給したクーラントと相まって領域Dへの入り込みをより促進させる。
また、X軸方向の移動方向前方に形成されたクーラント溜まりのクーラントは、同様にして楔状の隙間を介して研削溝W2の他方の領域FのX軸方向前方にも供給され、砥石車3のX軸方向移動および砥石車3の回転による引き込みにより、砥石車3の他方の縁領域Fと研削溝W2とで構成する研削点にも供給されて、領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。
そして、前記砥石車3のX軸方向の移動方向後方にある右側前方ノズル5Bおよび右側側方ノズル6Bからもクーラントを供給すると、領域Fの後方の研削溝W2にもクーラント溜まりを形成でき、他方の研削点である領域Fを背面からも冷却することができる。
また、図5中右方向への移動中においては、前記砥石車3のX軸方向の移動方向前方にある右側前方ノズル5Bより供給したクーラントは、研削溝W2の表面に案内されて研削点である領域FおよびそのX軸移動方向の前方に供給されて領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。前記砥石車3の移動方向側方に配置した右側側方ノズル6Bより供給したクーラントは、前記領域FのX軸移動方向の前方にクーラントの溜まりを形成して、右側前方ノズル5Bより供給したクーラントと相まって領域Fへの入り込みをより促進させる。
また、X軸方向の移動方向前方にある右側前方ノズル5Bより供給されX軸移動方向前方のクーラントの溜まりは、研削溝W2との間に楔状の隙間をもって一方の領域DのX軸移動方向前方にも供給され、砥石車3のX軸方向移動により、砥石車3の一方の縁領域Dと研削溝W2とで構成する研削点の背面側にも、供給されて領域Dにおける砥石車3と研削溝W2とを側面側から冷却する。
そして、前記砥石車3のX軸方向の移動方向後方にある左側前方ノズル5Aおよび左側側方ノズル6Aからもクーラントを供給すると、領域Dの後方の研削溝W2にもクーラント溜まりを形成でき、一方の研削点である領域Dも背面から冷却することができる。同時に、X軸方向の移動方向後方に形成されたクーラント溜まりのクーラントは、砥石車3の外周面と研削溝W2との間の楔状隙間(他方の領域FのX軸方向後方である)にも供給され、砥石車3の回転による引き込みにより、砥石車3の他方の縁領域Fと研削溝W2とで構成する研削点にも、供給されて領域Fにおける砥石車3と研削溝W2とを冷却する。
従って、従来例のように、供給したクーラントがワークWの側面に突き当たり砥石車3の外周面から剥離されてワークWの側面に沿って流出する事態が生ずることがなく、当該研削点でのクーラントによる冷却不足が解消され、研削焼けが発生することを防止することができる。
前記砥石台1のZ軸方向への予め設定した粗研削送りによる粗研削が終了すると、仕上げ研削プログラムが実行され、ノズル5A,5B,6A,6Bによるクーラントの供給が継続されるとともに、同様にX軸方向に往復移動するよう(Y軸方向にトラバース研削する場合もある)砥石台1を移動させつつZ軸方向に仕上げ研削送りして、ワークW外周面の研削溝W2を仕上げ研削する。この仕上げ研削においては、Z軸方向への研削送りは研削溝W2を仕上げ研削するために微少送りされるため、軽研削であり、砥石車3と研削溝W2との間に研削焼けを発生することはない。
前記砥石台1のZ軸方向への予め設定した仕上げ研削送りによる仕上げ研削が終了すると、待避プログラムにより砥石台1をX軸方向に移動させて砥石車3をワークW上から待避させ、ノズルからのクーラント供給も停止され、研削溝W2の研削加工が完了する。
なお、上記した実施形態では、ワーク外周をX軸方向に溝を形成するものについて説明したが、図示しないが、ワーク外周をX軸方向に研削するものであれば、その他の形状、例えば、平面研削加工であってもよい。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)ワークWの外周をX方向に沿って、例えば、溝W2を研削する研削加工方法および研削加工装置において、前記X軸とこのX軸に対して直交するY軸とから構成されるX−Y平面内においてY軸に対して傾斜させて砥石軸2を配置すると共に前記砥石軸2に砥石車3を支承させ、前記砥石台1をX軸方向に往復移動させると共に、前記砥石車3のX軸方向の移動方向前方側からワークWへの研削点に回転方向ノズル5A,5Bにより研削液を供給して、前記ワークW外周を研削するようにした。このため、砥石車3の移動方向前方にクーラントの溜まりが形成でき、研削中のワークWの冷却能力を向上でき、研削焼けを防止することができる。
(イ)砥石車3のX軸方向の移動方向後方側からもワークWへの研削点に回転方向ノズル5B,5Aにより研削液を供給して、前記ワークW外周に溝W2を研削することにより、背面側からも研削点を冷却することができ、研削中のワークWの冷却能力を向上でき、研削焼けを防止することができる。
(ウ)砥石車3の側面方向から砥石車3の研削点に研削液を供給する側面ノズル6A,6Bを設け、前記砥石車3のX軸方向移動の前方側に位置する側面ノズル6A,6Bからも砥石車3の研削点に研削液を供給することにより、砥石車3の移動方向前方から研削点に流入するクーラントの流れを形成でき、より一層研削点の冷却能力を向上させることができる。また、砥石車3の移動方向前方の研削溝W2内にクーラントの溜まりを大きく形成でき、広い範囲の研削点にクーラントを行き渡らせて供給することができ、研削中のワークWの冷却能力を更に向上でき、研削焼けを防止することができる。さらに、砥石車3の幅を薄くすることが可能になり、ダイヤモンド砥石やCBN砥石などの高価な砥石車3を使用する場合に、砥石車3の価格を低減することができる。
(エ)砥石車3の両側面方向から砥石車3の研削点に研削液を供給する側面ノズル6A,6Bを設け、前記両側面ノズル6A,6Bからも砥石車3の研削点に研削液を供給することにより、砥石車3の移動方向前方および移動方向後方から研削点に流入するクーラントの流れを形成でき、より一層研削点の冷却能力を向上させることができる。また、砥石車3の移動方向前方および移動方向後方の研削溝W2内にクーラントの溜まりを大きく形成でき、広い範囲の研削点にクーラントを行き渡らせて供給することができ、研削中のワークWの冷却能力を更に向上でき、研削焼けを防止することができる。
本発明の一実施形態を示す研削加工装置の概略構成図。 砥石車のワークに対する姿勢状態を示す平面図(A)および側面図(B)。 砥石車によるワークの研削状態を示す平面図(A)および断面図(B)。 円弧状断面形状を備える砥石車による研削状態を示す正面図。 円弧状断面形状を備える砥石車による研削状態を示す平面図。
符号の説明
W ワーク
W1 ワーク軸
W2 溝、研削溝
1 砥石台
2 砥石軸
3 砥石車
4 研削部
5A,5B 前方ノズル、回転方向ノズル
6A,6B 側方ノズル

Claims (5)

  1. ワーク外周のX軸方向に溝を研削する研削加工方法において、
    前記X軸とこのX軸に対して直交するY軸とから構成されるX−Y平面内においてY軸に対して傾斜させて砥石軸を配置すると共に前記砥石軸に砥石車を支承させ、
    前記砥石台をX軸方向に往復移動させると共に、前記砥石車のX軸方向の移動方向前方側からワークへの研削点に回転方向ノズルにより研削液を供給して、
    前記研削対象である溝の幅方向の中央領域を境にして、一方の片側壁面を対面している砥石車の一方の軸方向領域により研削加工すると共に、他方の片側壁面を対面している砥石車の他方の軸方向領域により研削加工することにより、前記ワーク外周に溝を研削することを特徴とする研削加工方法。
  2. 前記砥石車のX軸方向の移動方向後方側からもワークへの研削点に回転方向ノズルにより研削液を供給して、前記ワーク外周に溝を研削することを特徴とする請求項1に記載の研削加工方法。
  3. 前記砥石車の側面方向から砥石車の研削点に研削液を供給する側面ノズルを備え、前記砥石車のX軸方向移動の上流側に位置する側面ノズルからも砥石車の研削点に研削液を供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研削加工方法。
  4. 前記砥石車の両側面方向から砥石車の研削点に研削液を供給する側面ノズルを備え、前記両側面ノズルからも砥石車の研削点に研削液を供給することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の研削加工方法。
  5. ワーク外周のX軸方向に溝を研削する研削加工装置において、
    前記X軸とこのX軸に対して直交するY軸とから構成されるX−Y平面内においてY軸に対して傾斜させて砥石軸を配置すると共に前記砥石軸に砥石車を支承させ、
    前記砥石車の両側面の研削点へ研削液を供給する一対のノズルを配置し、
    前記砥石台をX軸方向に往復移動させると共に、前記砥石車のX軸方向の移動方向上流側のノズルからワークへの研削点に研削液を供給して、
    前記研削対象である溝の幅方向の中央領域を境にして、一方の片側壁面を対面している砥石車の一方の軸方向領域により研削加工すると共に、他方の片側壁面を対面している砥石車の他方の軸方向領域により研削加工することにより、前記ワーク外周に溝を研削することを特徴とする研削加工装置。
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