JP5228274B2 - ニッケル水素蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル水素蓄電池に関する。
近年、ポータブル機器や携帯機器などの電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として、様々な二次電池が提案されている。このうち、ケースの内圧が所定値を超えた場合に、ケース内のガスを外部に排出してケースの内圧の過昇圧を防止する安全弁を備えた二次電池が、多数提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開平6−36752号 特開平5−62664号
特許文献1のリチウムイオン二次電池は、封口体2の放圧用の孔6を閉塞する位置にステンレス等の金属からなる薄膜9をレーザ溶接により取り付けている。この薄膜9は、周囲よりも膜厚を薄くされた弁膜8を含んでいる。このため、電池の内圧が所定値を超えた場合には、この弁膜8が確実に破断し、電池内のガスを外部に排出できることが記載されている。
特許文献2の二次電池は、封口板Fの開口を閉塞する位置に、可撓性を有する安全弁体膜1を設けている。この安全弁体膜1は、その上面全体に良導電性の金属箔で形成された導電性層1aが粘着されたラミネートシートで構成されている。さらに、安全弁体膜1の上方には切り刃6が設けられている。このため、電池の内圧が上昇するにしたがって安全弁体膜1が上方に変形し、やがて、切り刃6に接触して破断することで、電池内のガスを外部に排出できる。
ここで、特許文献1,2の電池に設けられている安全弁のように、弁部材(弁膜8や安全弁体膜1)が破断して電池内のガスを排出する使い切りタイプの安全弁を、破断型安全弁と呼ぶことにする。
また、破断型安全弁とは異なり、電池内のガスを排出した後、再びガスを排出する前の状態に復帰し、電池内のガスを何度も排出することが可能とされた安全弁(これを復帰型安全弁と呼ぶことにする)についても多数提案されている。例えば、コイルバネ等の弾性部材を用いて、弁部材をガス排出孔の周囲の孔周囲部に向けて押圧することでガス排出孔を封止し、ケースの内圧が所定値を超えると、コイルバネ等の弾性部材が収縮して弁部材が孔周囲部から離間することでガス排出孔の封止を開放し、ケース内のガスを排出するように構成されている。しかしながら、復帰型安全弁は、破断型安全弁に比べて、部品点数が多くコスト高となり、しかも安全弁自身が大型になる。このため、近年では、二次電池の小型化、低価格化の要求に応えるべく、破断型安全弁を備えた二次電池の開発が進められている。
ところで、ニッケル水素蓄電池では、一般に、負極の容量を正極の容量よりも大きくしている。これにより、電池の放電容量は、正極の容量によって制限される(以下、これを正極規制ともいう)。このように、正極規制とすることにより、過充電時及び過放電時における内圧の上昇を抑制することができる。なお、充電可能な過剰な負極容量は、充電リザーブと呼ばれ、放電可能な過剰な負極容量は、放電リザーブと呼ばれている。
このニッケル水素蓄電池では、使用に伴い、負極の水素吸蔵合金が腐食し、その副反応として水素吸蔵合金に水素が吸蔵される。これに伴い、特に、金属ケースのニッケル水素蓄電池では、水素吸蔵合金の水素吸蔵量が次第に増加していく。その結果、負極の放電リザーブが増加する一方、充電リザーブが減少してしまい、充電時に水素ガスが発生して電池の内圧が上昇し易くなる。また、放電リザーブが増加すると、電池容量が低下するので、ハイブリッド自動車などに用いた場合には、燃費の低下等の問題が生じる虞がある。
上述した特許文献1,2にかかる金属製(金属を含む)の弁部材を有する破断型安全弁をニッケル水素蓄電池に用いた場合には、弁部材が破断するまでは電池内に発生した水素ガスを外部に排出することができない。このため、負極の水素吸蔵合金の腐食に伴って電池内の水素ガスが増加し、その結果、負極の放電リザーブが増加して、電池特性が低下してしまう。さらには、充電リザーブが消滅してしまい、その結果、満充電時などにおいて、負極から生じた大量の水素ガス等により電池の内圧が過昇圧となり、安全弁が開弁してしまうこともあった。具体的には、弁部材(弁膜8や安全弁体膜1)が破断することで、電池寿命が早期に尽きてしまうことがあった。
このように、破断型安全弁を備えたニッケル水素蓄電池では、水素吸蔵合金の腐食に伴って発生する水素ガスの影響により、電池特性が低下し、早期に電池寿命が尽きてしまう問題があった。特に、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として用いる場合には、10年以上の寿命が要求されるため、上記問題は深刻であった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、破断型安全弁を備えつつも、負極の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制することができるニッケル水素蓄電池を提供することを目的とする。
その解決手段は、電極体と、電解液と、上記電極体及び電解液を収容するケースであって、当該ケース自身を貫通して当該ケースの内部と外部とを連通するガス排出孔を有するケースと、上記ガス排出孔を封止する弁部材を有する安全弁であって、上記ケースの内圧が所定値を超えると、上記弁部材の少なくとも一部が破断して上記ガス排出孔の封止を開放し、上記ケース内のガスを排出する安全弁と、を備えるニッケル水素蓄電池であって、上記弁部材は、上記ケースの内圧が上記所定値以下のときでも、水素ガスの透過により、上記ケース内の水素ガスを外部に漏出させる水素透過部を含み、上記水素透過部の厚みを、0.15〜0.20mmの範囲内の値としてなり、上記弁部材の上記水素透過部は、薄肉のゴムからなり、上記安全弁は、上記ケースの内圧上昇に伴う上記水素透過部の膨張により、上記水素透過部を破断させるように構成されてなるニッケル水素蓄電池である。
本発明のニッケル水素蓄電池は、ケースの内圧が所定値を超えると、弁部材の少なくとも一部が破断してガス排出孔の封止を開放し、ケース内のガスを排出する安全弁(破断型安全弁)を有している。この破断型安全弁は、復帰型安全弁に比べて、部品点数(コイルバネ等)を削減できると共に、安全弁の小型化を図ることができる点で好ましい。
さらに、本発明のニッケル水素蓄電池では、弁部材が、ケースの内圧が所定値以下のときでも、水素ガスの透過により、ケース内の水素ガスを外部に漏出させる水素透過部を含んでいる。これにより、ケースの内圧が所定値以下のときでも、弁部材の水素透過部(水素ガスが透過する部位)を通じて、徐々に、ケース内の水素ガスを外部に漏出させることができるので、負極の水素吸蔵合金の腐食に伴う電池内の水素ガスの増加を抑制することができる。従って、負極の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制することができる。
なお、弁部材の水素透過部の材質としては、例えば、水素透過性ゴムを挙げることができる。特に、ニッケル水素蓄電池では、アルカリ性電解液を用いるので、耐アルカリ性の高い水素透過性ゴム(例えば、EPDMなど)を用いるのが好ましい。
また、水素透過部は、水素透過性を高めるべく肉厚を薄くすることから、肉厚の薄い水素透過部において、確実に、破断させることができる。特に、水素透過部の厚みを0.15〜0.20(mm)とすることで、破断圧Pのバラツキを極めて小さくすることができる。
また、電極体としては、例えば、複数の正極板、負極板、及びセパレータを積層した積層体や、正極板、負極板、及びセパレータを捲回した捲回体を挙げることができる。
さらに、本発明のニッケル水素蓄電池は、安全弁が、ケースの内圧上昇に伴うゴム製の水素透過部の膨張により、この水素透過部を破断させるように構成されている。水素透過部を薄肉ゴム製とすることで、ケースの内圧上昇に伴って水素透過部が風船のように膨張することとなる。従って、やがて水素透過部が膨張の限界に達して破裂(破断)することで、確実に、ケース内の水素ガスを外部に排出することができる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、前記ケースは、金属製であるニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池では、ケースが金属製である。このため、電池の冷却性が極めて良好となり、電池の過昇温を防止することができる。
ところで、従来、金属ケースを備えるニッケル水素蓄電池では、特に、ケース内の水素ガスを、ケースの壁部を透過させて外部に排出することが困難であるため、負極の放電リザーブが増加する一方で、充電リザーブが減少してゆき、使用に伴い電池特性が著しく低下していた。これに対し、本発明のニッケル水素蓄電池では、前述のように、弁部材がケース内の水素ガスを外部に漏出させる水素透過部を有しているため、金属ケースであっても、負極の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制できる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、充放電を行った後SOC60%まで充電した当該電池の、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池容量あたりの水素漏出速度V1(μl/h/Ah)が、2≦V1≦14の関係を満たすニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池は、SOC60%、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池容量あたりの水素漏出速度V1(μl/h/Ah)が、2≦V1≦14の関係を満たす。水素漏出速度V1をこのような範囲とすることで、水素ガスが電池の内部から外部へ漏出することによる水素の減少量と、負極の水素吸蔵合金の腐食に伴う電池内の水素の増加量との平衡を保つことができる。これにより、負極の放電リザーブ及び充電リザーブの変動を抑制し、長期間にわたって電池特性の低下を抑制できる。
なお、SOCは、State Of Chargeの略である。
さらに、上記のニッケル水素蓄電池であって、前記水素漏出速度V1(μl/h/Ah)は、3.5≦V1≦10の関係を満たすニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池は、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)が、3.5≦V1≦10の関係を満たす。水素漏出速度V1をこのような範囲に限定することで、負極の放電リザーブ及び充電リザーブの変動を小さくすることができ、より一層長期間にわたって電池特性の低下を抑制することができる。
あるいは、前記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、充放電を行った後SOC60%まで充電した当該電池の、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池体積あたりの水素漏出速度V2(μl/h/cm3)が、0.2≦V2≦1.8の関係を満たすニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池は、SOC60%、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池体積あたりの水素漏出速度V2(μl/h/cm3)が、0.2≦V2≦1.8の関係を満たす。水素漏出速度V2をこのような範囲とすることで、水素ガスが電池の内部から外部へ漏出することによる水素の減少量と、負極の水素吸蔵合金の腐食に伴う電池内の水素の増加量との平衡を保つことができる。これにより、負極の放電リザーブ及び充電リザーブの変動を抑制し、長期間にわたって電池特性の低下を抑制できる。
なお、電池体積とは、ケースの内部体積(容積)のことをいう。
さらに、上記のニッケル水素蓄電池であって、前記水素漏出速度V2(μl/h/cm3)は、0.4≦V2≦1.1の関係を満たすニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池は、水素漏出速度V2(μl/h/cm3)が、0.4≦V2≦1.1の関係を満たす。水素漏出速度V2をこのような範囲に限定することで、負極の放電リザーブ及び充電リザーブの変動を小さくすることができ、より一層長期間にわたって電池特性の低下を抑制することができる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、前記弁部材の前記水素透過部は、屈曲及び盤曲の少なくともいずれかの形態をなし、前記ケースをなす壁部と前記弁部材とで包囲された内部空間に接する内側接触面積及び外気に接する外側接触面積が、屈曲及び盤曲していない形態に比べて増大されている面積増大部を含んでなるニッケル水素蓄電池とすると良い。
本発明のニッケル水素蓄電池では、弁部材の水素透過部が、屈曲及び盤曲の少なくともいずれかの形態をなし、内側接触面積及び外側接触面積が、屈曲及び盤曲していない形態に比べて増大されている面積増大部を含んでいる。このため、水素透過部が屈曲及び盤曲していない場合(例えば、平板形状)に比べて、内側接触面積及び外側接触面積(すなわち、水素透過面積)を大きく確保することができる。これにより、弁部材の水素透過部を透過する水素透過量をさらに増大させることができるので、ケース内の水素ガスを、より一層外部に漏出させ易くなる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、前記弁部材の前記水素透過部は、周囲よりも薄肉の薄肉部を含んでなるニッケル水素蓄電池とするのが好ましい。
上述のニッケル水素蓄電池では、弁部材の水素透過部が、周囲よりも薄肉の薄肉部を含んでいる。水素透過部の肉厚を薄くするほど水素透過性は向上することから、薄肉部を設けることなく一定の肉厚で水素透過部を構成する場合に比べて、薄肉部から水素が透過し易くなる分、水素透過部を透過する水素透過量を増大させることができる。これにより、ケース内の水素ガスを、より一層外部に漏出させ易くなる。
さらに、上記いずれかのニッケル水素蓄電池であって、前記弁部材は、前記ケースのうち前記ガス排出孔の周囲に位置する孔周囲部に、弾性的に密着可能に構成されてなるシール部を含み、前記安全弁は、上記弁部材の上記シール部を、上記ケースの上記孔周囲部に向けて押圧固定し、上記ケース内の電解液が上記ガス排出孔を通じて外部に漏出するのを防止するように、上記シール部自身の弾性により上記シール部のシール面を上記孔周囲部に密着させる押圧固定部材を有するニッケル水素蓄電池とすると良い。
従来のニッケル水素蓄電池では、電解液のクリーピング等により、ケース内の電解液がガス排出孔を通じて(弁部材のシール部と孔周囲部との間を経由して)外部に漏出してしまうことがあった。例えば、復帰型安全弁を備えるニッケル水素蓄電池では、コイルバネの弾性力(電池内圧上昇時に収縮してしまう程度の押圧力)のみで、弁部材を孔周囲部に押圧することで封止しているので、ケース内の電解液がガス排出孔を通じて、弁部材のシール部と孔周囲部との間を経由して、外部に漏出してしまうことがあった。
これに対し、本発明のニッケル水素蓄電池では、安全弁が、弁部材のシール部を、ケースの孔周囲部に向けて押圧固定し、ケース内の電解液がガス排出孔を通じて外部に漏出するのを防止するように、シール部自身の弾性によりシール部のシール面を孔周囲部に密着させる押圧固定部材を有している。これにより、ケース内の水素ガスを、ガス排出孔及び弁部材の水素透過部を通じて外部に漏出させつつも、クリーピング等により、ケース内の電解液がガス排出孔を通じて(シール部と孔周囲部との間を経由して)外部に漏出するのを防止することができる。
なお、ケース内の電解液がガス排出孔を通じて外部に漏出するのを防止するためには、自然状態(組み付け前)において断面U字状等の凸状で環状のシール面を有する弁部材を用い、このシール面を押圧固定部材の押圧により弾性変形させつつ孔周囲部に密着させるようにすると良い。これにより、例えば、平面状をなすシール面を有する弁部材を用いた場合と比べて、シール面の一部(U字の頂点部部分等、自然状態において最も突出していた部位)の面圧を高め、孔周囲部への密着力を高めることができるからである。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態1のニッケル水素蓄電池100は、図1に示すように、封口板120及び電槽130を有するケース102と、安全弁101と、ケース102(電槽130)内に配置された電極体150及び電解液(図示しない)とを備える角形密閉式ニッケル水素蓄電池である。
電極体150は、正極板151と負極板152と袋状のセパレータ153とを備えている。このうち、正極板151は袋状のセパレータ153内に挿入されており、セパレータ153内に挿入された正極板151と、負極板152とが交互に積層されている。正極板151及び負極板152は、それぞれ集電されて、図示しない正極端子及び負極端子に接続されている。
なお、本実施形態1のニッケル水素蓄電池100では、正極容量を6.5Ah、負極容量を11.0Ahとしている。従って、本発明の実施形態1のニッケル水素蓄電池は、いずれも、正極規制で、電池容量を6.5Ahとしている。
正極板151としては、例えば、水酸化ニッケルを含む活物質と、発泡ニッケルなどの活物質支持体とを備える電極板を用いることができる。負極板152としては、例えば、水素吸蔵合金などを負極構成材として含む電極板を用いることができる。セパレータ153としては、例えば、親水化処理された合成繊維からなる不織布を用いることができる。電解液としては、例えば、KOHを含む比重1.2〜1.4のアルカリ水溶液を用いることができる。
電槽130は、金属(具体的には、ニッケルめっき鋼板)からなり、矩形箱形状を有している。封口板120は、金属(具体的には、ニッケルめっき鋼板)からなり、矩形略板形状を有している。封口板120には、図2に示すように、ケース102の内部と外部とを連通するガス排出孔122が形成されている。この封口板120は、図2に示すように、電槽130の開口端面131上に載置されて全周溶接され、電槽130の開口部132を封止している。これにより、封口板120と電槽130とは、隙間なく一体化して、ケース102をなしている。本実施形態1では、ケース102全体を金属(金属壁部のみ)によって形成しているため、電池の冷却性が極めて良好となり、電池の過昇温を防止することができる。
安全弁101は、図2に示すように、弁部材110と押圧固定部材140とを有している。押圧固定部材140は、金属(具体的には、ニッケルめっき鋼板)からなり、有底円筒状を有している。この押圧固定部材140の天井部144の中心位置には、円形状の貫通孔144bが形成されている。この押圧固定部材140は、封口板120の外面127上に固着されている。
弁部材110は、ゴム(具体的には、EPDM)からなり、薄肉(例えば、0.15mm)で円盤状の水素透過部118と、この外側に位置する厚肉で円環状のシール部115とを有している。ここで、ニッケル水素蓄電池100に組み付ける前の状態(自然状態)の弁部材110を、図3に示す。図3に示すように、弁部材110のシール部115は、断面U字凸状で環状のシール面115bを有している。
この弁部材110は、図2に示すように、円環状のシール部115が、押圧固定部材140により、封口板120のうちガス排出孔122の周囲に位置する孔周囲部121に向けて押圧されて、シール部115が弾性的に圧縮変形した状態で押圧固定されている。これにより、シール部115のシール面115bが、封口板120の孔周囲部121に隙間なく密着するので、ガス排出孔122を封止することができる。
特に、本実施形態1では、上述のように、シール部115のシール面115bを、断面U字凸状としている(図3参照)ので、例えば、シール面全体を平面状とした場合と比べて、シール面115bのうちU字の頂点部分115cの面圧が高まり、孔周囲部121への密着力を高めることができる。これにより、クリーピング等により、ケース102内の電解液が、ガス排出孔122を通じて(シール面115bと孔周囲部121との間を経由して)、外部に漏出するのを防止できる。
上述の安全弁101は、ケース102の内圧が所定値を超えると、弁部材110が破断し、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出する破断型安全弁である。具体的には、図4に示すように、ケース102の内圧上昇に伴い、弁部材110の水素透過部118が、押圧固定部材140の貫通孔144bを通じて、風船のように大きく膨張してゆく。やがて、水素透過部118が膨張の限界に達したときに、この水素透過部118が破裂(破断)することで、確実に、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出することができる。
ところで、本実施形態1の安全弁101では、図2に示すように、弁部材110が、薄肉のゴム(具体的には、EPDM)からなる水素透過部118を有している。このため、ケース102内からガス排出孔122を通じて安全弁101内に導いた水素ガスHGを、水素透過部118を透過させて、押圧固定部材140の貫通孔144bを通じて電池外部に漏出させることができる。
このように、本実施形態1のニッケル水素蓄電池100では、ケース102内が過昇圧に至らない状態(ケース102の内圧が所定値以下のとき)でも、ケース102内の水素ガスを、安全弁101を通じて徐々に電池外部へ漏出させることができる。これにより、負極板152の水素吸蔵合金の腐食に伴う電池内の水素の増加を抑制することができる。従って、負極板152の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制することができる。
本実施形態1のニッケル水素蓄電池100は、次のようにして製造することができる。
まず、袋状とした複数のセパレータ153内に、それぞれ正極板151を挿入する。次いで、正極板151が挿入された複数のセパレータ153と複数の負極板152とを交互に積層し、電極体150を作成する(図1参照)。その後、この電極体150を電槽130内に挿入した後、正極板151と図示しない正極端子とをリード線で接続すると共に、負極板152と図示しない負極端子とをリード線で接続する。次いで、別途用意した封口板120を、電槽130の開口端面131上に載置して全周溶接し、電槽130の開口部132を封止する(図2参照)。これにより、封口板120と電槽130とは、隙間なく一体化して、ケース102をなす。次いで、封口板120に形成されているガス排出孔122から、電解液として、比重約1.3のアルカリ水溶液を注液する。
次いで、別途用意した押圧固定部材140内に、弁部材110を挿入配置する。次いで、弁部材110を挿入配置した押圧固定部材140を、その中心軸がガス排出孔122の中心軸に一致するように封口板120の外周面127上に載置する。そして、図2に示すように、弁部材110のシール部115を、封口板120の孔周囲部121に向けて押圧した状態で、レーザー溶接により、押圧固定部材140を封口板120(ケース102)に固着する。これにより、本実施形態1のニッケル水素蓄電池100が完成する。
(水素漏出量の測定)
次に、本実施形態1のニッケル水素蓄電池100について、水素漏出量を測定した。具体的には、弁部材110の水素透過部118の厚みTを、0.15mm、0.20mmと異ならせた種類のニッケル水素蓄電池100、及び、厚みTを0.30mmとした参考形態のニッケル水素蓄電池(これらをサンプル1〜3とする)を用意し、サンプル1〜3について水素漏出量を測定した。サンプル1〜3については、予め、充放電を行うことにより活性化させており、いずれも、SOC(State Of Charge)60%まで充電した状態とした。このサンプル1〜3について、それぞれ、特開2001−236986に開示されている測定装置を用いて、水素漏出量の測定を行った。なお、サンプル1〜3では、いずれも、SOC100%=6.5Ahである。
測定装置1は、図5に示すように、密閉容器3と、これに接続される真空排気管4、及び開閉弁6を備える大気開放口5とを有している。真空排気管4には、密閉容器3側から順に、気圧計7、開閉弁8、真空ポンプ9、切替弁10、及び水素濃度センサ11が直列に配設されている。切替弁10は、真空ポンプ9の出口を大気開放口12と接続した状態と、真空ポンプ9の出口を水素濃度センサ11に接続した状態と、大気開放口12を水素濃度センサ11に接続した状態とに切替え可能に構成されている。また、図示していないが、密閉容器3内には、赤外線ヒータが配設されており、密閉容器3内に配置されたサンプルSを加熱して昇温させることができるように構成されている。
次に、この測定装置1を用いた水素漏出量の測定方法について、詳細に説明する。
まず、測定装置1の切替弁10を、大気開放口12と水素濃度センサ11とが連通する状態に切替え、大気中の水素濃度を測定し、その値を大気水素濃度bとする。次に、充放電終了後のニッケル水素蓄電池(サンプル1〜3)を、密閉容器3内に配置した後、大気開放口5の開閉弁6を閉じる。そして、図示しない赤外線ヒータを用いて、密閉容器3内に配置したニッケル水素蓄電池(サンプル1〜3)を45℃まで昇温させる。そして、真空排気管4の開閉弁8を開き、切替弁10を真空ポンプ9の出口と大気開放口12とが連通する状態に切替えた後、真空ポンプ9を作動させて、密閉容器3内を10kPaまで減圧する。
次いで、15分間、密閉容器3内を10kPaに保持した後、切替弁10を切替えて、真空ポンプ9の出口を水素濃度センサ11に接続した状態とする。そして、密閉容器3内のガスを水素濃度センサ11内に取り入れて、密閉容器3内の水素濃度を測定し、その値を容器内水素濃度cとする。次いで、大気水素濃度bと容器内水素濃度cとの差に基づいて、ニッケル水素蓄電池(サンプル1〜3)からの水素漏出量M(μl)を算出する。このようにして取得した、サンプル1〜3の水素漏出量M(μl)に基づいて、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)、及び水素漏出速度V2(μl/h/cm3)を算出した。
具体的には、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)は、水素漏出量M(μl)に基づいて1時間当たりの水素漏出量を算出し、これを電池容量6.5Ahで除した値である。また、水素漏出速度V2(μl/h/cm3)は、水素漏出量M(μl)に基づいて1時間当たりの水素漏出量を算出し、これをケースの内部体積(具体的には、53.6cm3)で除した値である。この結果を表1に示す。
Figure 0005228274
表1に示すように、水素透過部118の厚みTを0.15mmとしたサンプル1では、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)=8.25,V2(μl/h/cm3)=1.00となった。
また、水素透過部118の厚みTを0.20mmとしたサンプル2では、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)=6.19,V2(μl/h/cm3)=0.75となった。
また、水素透過部118の厚みTを0.30mmとしたサンプル3では、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)=4.12,V2(μl/h/cm3)=0.50となった。
この結果より、ニッケル水素蓄電池では、水素透過部118の厚みTを0.15〜0.30mmとすることで、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)を、2以上14以下、さらには、3.5以上10以下にできるといえる。あるいは、水素漏出速度V2(μl/h/cm3)を、0.2以上1.8以下、さらには、0.4以上1.1以下にできるといえる。
(負極の放電リザーブ量の測定)
次に、サンプル1〜3について、それぞれ、放置試験後の負極の放電リザーブ量を測定した。具体的には、まず、サンプル1〜3をそれぞれ2ヶずつ用意し、サンプル1〜3からなる組を2組用意する。そして、各組のサンプル1〜3をそれぞれSOC80%まで充電した後、1組目のサンプル1〜3は3ヶ月間、2組目のサンプル1〜3は6ヶ月間、65℃の恒温槽内に放置した。なお、恒温槽内の温度を65℃と比較的高温としたのは、負極板152の水素吸蔵合金の腐食を促進させると共に、水素漏出量を増加させるためである。また、この放置試験では、電池の深放電を防止するため(電池電圧が1Vを下回り劣化するのを防止するため)に、1ヶ月ごとに、電池を完全放電(SOC0%)した後、SOC80%まで再充電している。
次いで、3ヶ月間または6ヶ月間、65℃の恒温槽内に放置したサンプル1〜3について、それぞれ、電池電圧が1Vになるまで放電した。その後、各サンプル1〜3について、電池上部に孔を空け、この孔から電解液を補充して電解液が過剰に存在する状態とした。次いで、ケース内の電解液中に、図示しないHg/HgO参照極を浸漬させ、放電容量を測定しながら過放電させた。ここで、放電リザーブ量は、次式に基づいて算出した。(放電リザーブ量)=(参照極の電位に対する負極板152の電位が−0.7Vになるまでの放電容量)−(参照極に対する正極板151の電位が−0.5Vになるまでの放電容量)。なお、放置前のサンプル1〜3の放電リザーブ量は、いずれも、2.5Ahであった。
サンプル1〜3では、いずれも、期間が経過するにしたがって負極の放電リザーブ量が増加したものの、いずれのサンプルにおいても、3ヶ月後及び6ヶ月後の放電リザーブ量が3.5Ah以下となり、負極の放電リザーブの増加量を1.0Ah以下に抑制することができた。また、負極の充電リザーブ量は、放電リザーブ量の増加に伴い減少したものの、いずれのサンプルにおいても、6ヶ月間の放置試験を行った後でも、負極の充電リザーブ量が1.0Ah以上残存していた。なお、充電リザーブ量は、次式に基づいて算出することができる。
(充電リザーブ量)=(負極容量)−(正極容量)−(放電リザーブ量)
これは、前述のように、水素透過部118の厚みTを0.15〜0.30mmとすることで、水素漏出速度V1(μl/h/Ah)を、2以上14以下、さらには、3.5以上10以下にしたためと考えられる。あるいは、水素漏出速度V2(μl/h/cm3)を、0.2以上1.8以下、さらには、0.4以上1.1以下にしたためと考えられる。これにより、負極の水素吸蔵合金の腐食に伴う電池内の水素の増加量と、水素ガスHGが電池の内部から外部へ漏出することによる水素の減少量との平衡を保つことができ、放電リザーブ量の増加を抑制できたと考えられる。
以上の結果より、本実施形態1のニッケル水素蓄電池100は、長期間にわたって電池特性の低下を抑制できるといえる。
また、3ヶ月間及び6ヶ月間の放置試験を行ったサンプル1〜3について、安全弁101からの電解液漏れの有無を調査したところ、いずれのサンプルにおいても、電解液漏れは検出されなかった。これは、前述のように、弁部材110について、シール部115のシール面115bを、断面U字凸状としている(図3参照)ためと考えられる。これにより、シール面115bのうち特にU字の頂点部分115cの面圧が高まり、シール面115bの孔周囲部121への密着力を高めることができたと考えられる。このため、クリーピング等により、ケース102内の電解液が、ガス排出孔122を通じて(シール面115bと孔周囲部121との間を経由して)、外部に漏出するのを防止できたといえる。
(弁部材の破断圧の測定)
次に、サンプル1〜3について、弁部材110の破断圧P(MPa)を調査した。具体的には、水素透過部118の厚みTを0.15,0.20,0.30(mm)と異ならせたサンプル1〜3を、それぞれ20ヶずつ用意し、各サンプルの内圧を上昇させてゆき、弁部材110が破断したときの内圧を測定した。この結果を表2に示す。
Figure 0005228274
表2に示すように、水素透過部118の厚みTを0.15mmとした20ヶのサンプル1では、弁部材110の破断圧Pの最大値が1.28(MPa)、最小値が1.11(MPa)で、平均値が1.24(MPa)となった。
また、水素透過部118の厚みTを0.20mmとしたサンプル2では、弁部材110の破断圧Pの最大値が1.67(MPa)、最小値が1.47(MPa)で、平均値が1.63(MPa)となった。
また、水素透過部118の厚みTを0.30mmとしたサンプル3では、弁部材110の破断圧Pの最大値が2.36(MPa)、最小値が2.10(MPa)で、平均値が2.24(MPa)となった。
このように、いずれのサンプルにおいても、内圧を上昇させてゆくと、確実に、弁部材110が破断(破裂)し、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出することができた。詳細には、破断した弁部材110を調査したところ、弁部材110のうち肉厚の薄い水素透過部118において破断(破裂)が生じていた。
さらに、表2に示すように、20ヶのサンプル1について、弁部材110の破断圧Pの標準偏差σを算出したところ、0.04(MPa)となった。同様に、サンプル2でも、標準偏差σが0.04(MPa)となった。また、サンプル3では、標準偏差σが0.07(MPa)となった。この結果より、水素透過部118の厚みTを0.15〜0.30(mm)とすることで、破断圧Pのバラツキを小さくすることができ、特に、水素透過部118の厚みTを0.15〜0.20(mm)とすることで、破断圧Pのバラツキを極めて小さくすることができるといえる。
ここで、水素透過部118の厚みT(mm)と弁部材110の破断圧Pの平均値(MPa)との関係を図6に示す。図6に示すように、水素透過部118の厚みT(mm)を厚くするにしたがって、弁部材110の破断圧P(MPa)が上昇することがわかる。この結果より、ニッケル水素蓄電池100のケース102の耐圧強度に応じて、水素透過部118の厚みT(mm)を選択することができる。すなわち、ケース102の破壊圧(MPa)よりも弁部材110の破断圧P(MPa)が小さくなるように、水素透過部118の厚みT(mm)を選択することで、ケース102の破壊圧に達する前に、確実に、弁部材110を破断させることができる。これにより、過昇圧によるケース102の破壊を防止することができる。但し、負極板152の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制するためには、前述のように、水素透過部118の厚みT(mm)を、0.15〜0.30(mm)の範囲で選択するのが好ましい。
例えば、ケース102の破壊圧が3.0(MPa)である場合には、水素透過部118の厚みTを、0.15〜0.30(mm)の範囲で選択すれば、いずれの厚みを選択しても、ケース102の破壊圧3.0(MPa)に達する前に、確実に、弁部材110を破断させることができる。このようなニッケル水素蓄電池100では、長期にわたり、負極152の放電リザーブの増加を抑制し、電池特性の低下を抑制できると共に、何かの原因でケース102の内圧が上昇して過昇圧となった場合でも、水素透過部118が破裂(破断)することで、安全に、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出することができる。
(変形形態1)
次に、上述した実施形態1にかかるニッケル水素蓄電池100の第1の変形形態について説明する。本変形形態1のニッケル水素蓄電池200は、図1に示すように、実施形態1のニッケル水素蓄電池100と比較して、安全弁のみが異なり、その他の部位については同様である。具体的には、本変形形態1のニッケル水素蓄電池200では、図2に示すように、実施形態1の安全弁101に代えて、安全弁201を設けている。この安全弁201は、実施形態1の安全弁101と比較して、弁部材110に代えて弁部材210を有している点のみが異なる。
弁部材210は、図7に示すように、水素透過部218が、周囲よりも薄肉の薄肉部218bを含んでいる。表1に示したように、水素透過部の肉厚を薄くするほど水素透過性(水素漏出速度)は向上することから、弁部材210では、薄肉部を設けることなく一定の肉厚で水素透過部を構成した弁部材110に比べて、薄肉部218bから水素が透過し易くなる分、水素透過部218を透過する水素透過量を増大させることができる。これにより、本変形形態1のニッケル水素蓄電池200は、実施形態1のニッケル水素蓄電池100に比べて、ケース102内の水素ガスHGを外部に漏出させ易くなる。
また、本変形形態1の安全弁201も、実施形態1の安全弁101と同様に、ケース102の内圧が所定値を超えると、弁部材210が破断し、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出する破断型安全弁である。具体的には、図4に示すように、ケース102の内圧上昇に伴い、弁部材210の水素透過部218が、押圧固定部材140の貫通孔144bを通じて、風船のように大きく膨張してゆく。やがて、水素透過部218が膨張の限界に達したときに、この水素透過部218が破裂(破断)することで、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出することができる。なお、本変形形態1では、水素透過部218が薄肉部218bを有しているので、強度の弱い薄肉部218bにおいて、確実に、水素透過部218が破裂(破断)することとなる。
(変形形態2)
次に、実施形態1にかかるニッケル水素蓄電池100の第2の変形形態について説明する。本変形形態2のニッケル水素蓄電池300は、実施形態1のニッケル水素蓄電池100と比較して、安全弁のみが異なり、その他の部位については同様である。具体的には、本変形形態2のニッケル水素蓄電池300は、図8に示すように、実施形態1の安全弁101に代えて、安全弁301を有している。
安全弁301は、図9に示すように、弁部材310と押圧固定部材340とを有している。押圧固定部材340は、金属(具体的には、ニッケルめっき鋼板)からなり、有底長円筒状を有している。この押圧固定部材340の天井部344の中心位置には、円形状の貫通孔344bが形成されている。この押圧固定部材340は、封口板120の外面127上に固着されている。
弁部材310は、ゴム(具体的には、EPDM)からなり、図10に示すように、薄肉の水素透過部318と、この外側に位置する厚肉で長円環状のシール部315とを有している。このうち、水素透過部318は、図9に示すように、実施形態1の水素透過部118と異なり、封口板120の外面127に沿う方向(図9において左右方向)に、蛇腹状に盤曲して延びる2つの面積増大部318cと、これらの間に位置する平坦部318dとを有している。詳細には、面積増大部318cは、封口板120の外面127に沿う方向(図9において左右方向)に見て、封口板120からの距離が繰り返し変動するように蛇腹状に盤曲している。
このように、水素透過部318に、蛇腹状に盤曲して延びる面積増大部318cを設けることで、ケース102をなす壁部(封口板120)と弁部材301とで包囲された内部空間Cに接する内側接触面積及び外気に接する外側接触面積を増大させることができる。このため、屈曲及び盤曲していない(面積増大部を有しない)実施形態1の水素透過部118に比べて、内側接触面積及び外側接触面積(すなわち、水素透過面積)を大きく確保することができる。これにより、本変形形態2のニッケル水素蓄電池300では、実施形態1のニッケル水素蓄電池100に比べて、水素透過部を透過する水素透過量を増大させることができるので、ケース101内の水素ガスHGを外部に漏出させ易くなる。
また、本変形形態2の安全弁301も、実施形態1の安全弁101と同様に、ケース102の内圧が所定値を超えると、弁部材310が破断し、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出する破断型安全弁である。具体的には、図11に示すように、ケース102の内圧上昇に伴い、弁部材310のうち水素透過部318の平坦部318dが、押圧固定部材340の貫通孔344bを通じて、風船のように大きく膨張してゆく。やがて、水素透過部318が膨張の限界に達したときに、水素透過部318の平坦部318dが破裂(破断)することで、確実に、ケース102内のガス(水素ガスHG等)を外部に排出することができる。
以上において、本発明を実施形態1及び変形形態1,2に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態等では、ケース102の全体を金属によって形成したが、金属と樹脂とによって、あるいは、樹脂のみによって形成するようにしても良い。
また、実施形態等では、押圧固定部材140,340の天井部144,344に、貫通孔144b,344bを1ヶのみ形成したが、複数形成するようにしても良い。貫通孔144b,344bの数を増やすことにより、水素ガスHGが電池外部に漏出し易くなる。
実施形態1及び変形形態1にかかるニッケル水素蓄電池100,200の部分破断斜視図である。 実施形態1及び変形形態1にかかる安全弁101,201の縦断面図である。 実施形態1にかかる弁部材110の断面図である。 過昇圧時の実施形態1及び変形形態1にかかる安全弁101,201の縦断面図である。 ニッケル水素蓄電池100の水素漏出量を測定する測定装置1の概略図である。 実施形態1にかかるニッケル水素蓄電池100の水素透過部118の肉厚Tと弁部材110の破断圧Pとの関係、及び水素透過部118の肉厚Tと破断圧Pの標準偏差σとの関係を示すグラフである。 変形形態1にかかる弁部材210の断面図である。 変形形態2にかかるニッケル水素蓄電池300の部分破断斜視図である。 変形形態2にかかる安全弁301の断面図であり、図8のH−H断面図である。 変形形態2にかかる弁部材310の斜視図である。 過昇圧時の変形形態2にかかる安全弁301の縦断面図である。
符号の説明
100,200,300 ニッケル水素蓄電池
101,201,301 安全弁
102 ケース
110,210,310 弁部材
115,315 シール部
115b,315b シール面
118,218,318 水素透過部
120 封口板
121 孔周囲部
122 ガス排出孔
130 電槽
144,344 押圧固定部材
150 電極体
218b 薄肉部
318c 面積増大部

Claims (8)

  1. 電極体と、
    電解液と、
    上記電極体及び電解液を収容するケースであって、当該ケース自身を貫通して当該ケースの内部と外部とを連通するガス排出孔を有するケースと、
    上記ガス排出孔を封止する弁部材を有する安全弁であって、上記ケースの内圧が所定値を超えると、上記弁部材の少なくとも一部が破断して上記ガス排出孔の封止を開放し、上記ケース内のガスを排出する安全弁と、
    を備えるニッケル水素蓄電池であって、
    上記弁部材は、上記ケースの内圧が上記所定値以下のときでも、水素ガスの透過により、上記ケース内の水素ガスを外部に漏出させる水素透過部を含み、
    上記水素透過部の厚みを、0.15〜0.20mmの範囲内の値としてなり、
    上記弁部材の上記水素透過部は、薄肉のゴムからなり、
    上記安全弁は、上記ケースの内圧上昇に伴う上記水素透過部の膨張により、上記水素透過部を破断させるように構成されてなる
    ニッケル水素蓄電池。
  2. 請求項1に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    前記ケースは、金属製である
    ニッケル水素蓄電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    充放電を行った後SOC60%まで充電した当該電池の、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池容量あたりの水素漏出速度V1(μl/h/Ah)が、2≦V1≦14の関係を満たす
    ニッケル水素蓄電池。
  4. 請求項3に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    前記水素漏出速度V1(μl/h/Ah)は、3.5≦V1≦10の関係を満たす
    ニッケル水素蓄電池。
  5. 請求項1または請求項2に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    充放電を行った後SOC60%まで充電した当該電池の、電池温度45℃、10kPaの減圧雰囲気下での単位電池体積あたりの水素漏出速度V2(μl/h/cm3)が、0.2≦V2≦1.8の関係を満たす
    ニッケル水素蓄電池。
  6. 請求項5に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    前記水素漏出速度V2(μl/h/cm3)は、0.4≦V2≦1.1の関係を満たす
    ニッケル水素蓄電池。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    前記弁部材の前記水素透過部は、
    屈曲及び盤曲の少なくともいずれかの形態をなし、前記ケースをなす壁部と前記弁部材とで包囲された内部空間に接する内側接触面積及び外気に接する外側接触面積が、屈曲及び盤曲していない形態に比べて増大されている面積増大部を含んでなる
    ニッケル水素蓄電池。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のニッケル水素蓄電池であって、
    前記弁部材は、前記ケースのうち前記ガス排出孔の周囲に位置する孔周囲部に、弾性的に密着可能に構成されてなるシール部を含み、
    前記安全弁は、上記弁部材の上記シール部を、上記ケースの上記孔周囲部に向けて押圧固定し、上記ケース内の電解液が上記ガス排出孔を通じて外部に漏出するのを防止するように、上記シール部自身の弾性により上記シール部のシール面を上記孔周囲部に密着させる押圧固定部材を有する
    ニッケル水素蓄電池。
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