JP5227303B2 - 3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で植物組織を培養する共存工程を含む、植物の形質転換効率を上昇させる方法 - Google Patents

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    • C12N15/8205Agrobacterium mediated transformation

Description

本出願は、2007年2月28日に出願された日本国特許出願2007−49161に基づく優先権を主張する。
本発明は、アグロバクテリウム菌による植物の形質転換効率を上昇させる方法に関する。
主要穀類であるトウモロコシ、イネなどの単子葉植物の形質転換方法としては、従来より、エレクトロポレーション法、パーティクルガン法などが知られている。しかし、これらの物理的遺伝子導入方法は多コピーの遺伝子が導入されてしまう、遺伝子の挿入がインタクトな形でなされない、形質転換植物に奇形や不稔が多くみられるなどの問題を有する。
アグロバクテリウム細菌を用いた遺伝子導入法は、双子葉植物の形質転換法として普遍的に用いられている。アグロバクテリウム属細菌の宿主は双子葉植物のみに限られ、単子葉植物には寄生しないとされている(非特許文献1)が、アグロバクテリウムにより単子葉植物を形質転換する試みがなされている。
Grimsley et al.はアグロバクテリウムのT−DNAの中にトウモロコシストリークウイルス(Maize streak virus)のDNAを挿入したものをトウモロコシ生長点に接種したところ、トウモロコシストリークウイルスの感染を確認したことを報告している。トウモロコシストリークウイルスのDNAを接種しただけでは、このような感染症状が認められないことから、上の観察はアグロバクテリウムがトウモロコシにDNAを導入することができることを示すものと解釈している(非特許文献2)。しかし、ウイルスは核ゲノムに組み込まれなくても増殖する可能性があるので、この結果はT−DNAが核に組み込まれたものを示すものではない。Grimsley et al.はさらに感染効率はトウモロコシの茎頂の生長点に接種したときが最も高く(非特許文献3)、感染にはアグロバクテリウムのプラスミドのVir C遺伝子が必須であることを示した(非特許文献4)。
Gould et al.はトウモロコシの生長点に針で傷を付けた後、カナマイシン抵抗性遺伝子とGUS遺伝子を持った強病原性アグロバクテリウムEHA1を接種し、処理後の生長点をカナマイシンで選抜したところ、抵抗性を示す植物を得た。この後代の種子が導入した遺伝子を持つことを確認するためサザン分析を行ったところ、一部の種子で導入遺伝子が確認された(非特許文献5)。このことは、アグロバクテリウム処理された生長点からカナマイシン選抜により得られた植物体には形質転換細胞と非形質転換細胞が混在していたことを示す(キメラ現象)。
Mooney et al.は、アグロバクテリウムを用いてコムギの胚にカナマイシン抵抗性遺伝子の導入を試みた。まず、胚を酵素で処理することにより、細胞壁に傷を付け、その後アグロバクテリウムを接種した。処理したカルスのうち極めて少数のカナマイシン抵抗性と思われるカルスが増殖したが、このカルスから植物体の再生はできなかった。また、カナマイシン抵抗性遺伝子の存在をサザン分析で確認したところ、全ての抵抗性カルスで導入遺伝子の構造変異がみられた(非特許文献6)。
Raineri et al.はイネの胚盤に傷を付けた後、強病原性のアグロバクテリウムA281(pTiBo542)をイネの8品種に処理したところ、日本晴、藤坂5号の2品種で腫瘍状の組織の増殖がみられた。さらに、T−DNAからホルモン合成遺伝子を除いたTiプラスミドにカナマイシン抵抗性遺伝子とGUS遺伝子を挿入したプラスミドを持つアグロバクテリウムをイネの胚に接種したところカナマイシン抵抗性カルスの増殖がみられた。この抵抗性カルスでは、GUS遺伝子の発現が認められたが、形質転換植物を得ることはできなかった。これらのことから、アグロバクテリウムのT−DNAがイネの細胞に導入されたと解釈している(非特許文献7)。
このように、イネ、トウモロコシ、コムギ等のイネ科の作物でもアグロバクテリウムによる遺伝子導入が可能であることを示唆する研究報告がなされているが、何れも再現性に問題があるほか、導入した遺伝子の確認についても不完全で、説得できる結果が示されていなかった(非特許文献8)。
Chan et al.は2,4−D共存下で2日間培養したイネ未熟胚に付傷後、ジャガイモ懸濁培養細胞を含む培地中でnpt II遺伝子とGUS遺伝子を持ったアグロバクテリウムを接種した。処理した未熟胚をG418添加培地上で培養したところ、誘導されたカルスから再分化植物体が得られた。再分化植物体およびその後代の植物体でのGUS遺伝子の所在をサザン分析で確認したところ、再分化当代、後代いずれの植物体でも導入遺伝子の存在が認められたことを報告している(非特許文献9)。この結果は、アグロバクテリウムによるイネの形質転換を支持するものであるが、形質転換効率は1.6%と非常に低く、供試した未熟胚数250に対し、正常な生長を示した再生植物体は1個体にすぎなかった。イネの未熟胚を摘出するには多大な労力を要するため、このように低い形質転換効率では実用的なレベルにあるとは言い難い。
近年、強病原性アグロバクテリウムの病原性遺伝子の一部を有するスーパーバイナリーベクターの利用により、イネ、トウモロコシなどの単子葉植物においても、安定して、高効率で形質転換のなされることが報告された(非特許文献10および11)。これらの報告では、アグロバクテリウムによる形質転換は、安定して、高効率で形質転換がなされる他に、得られた形質転換植物に変異が少なく、導入された遺伝子はコピー数が少なく、かつインタクトな形のものが多いという利点をもつとしている。イネ、トウモロコシでの成功に続いて、主要な穀類であるコムギ(非特許文献12)、オオムギ(非特許文献13)およびソルガム(非特許文献14)でのアグロバクテリウムによる形質転換の報告がなされた。
Ishida et al. (1996)は、トウモロコシインブレッドを材料にアグロバクテリウムによる形質転換を行った。その後、引き続きアグロバクテリウムによるトウモロコシの形質転換の報告がなされている(非特許文献15−21)。アグロバクテリウムによるトウモロコシ形質転換の効率を改善する試みとしては、N6基本培地での形質転換細胞の選抜(非特許文献20)、培地へのAgNO3およびカルベニシリンの添加(非特許文献20、22)、共存培地へのシステインの添加(非特許文献21)などがなされてきた。Ishida et al. (2003)(非特許文献22)は共存培養後のトウモロコシ未熟胚をAgNO3およびカルベニシリンを含む培地で選抜することによりトウモロコシの形質転換効率が向上することを報告した。
このように培地組成や選抜マーカー遺伝子の改変により、アグロバクテリウムによるトウモロコシの形質転換においても効率の向上および適応品種の拡大がなされている。しかし、その効率はトウモロコシと同じ単子葉作物のイネに比べるとまだ低く、単離した新規な遺伝子の効果を調べる試験研究や新規なトウモロコシ品種を遺伝子組換えにより作出する場合など、さらに高い効率で形質転換のなされる方法の開発が望まれている。
ダイカンバ(3,6−ジクロロ−o−アニシン酸)は2,4−D(2,4−ジクロロフェノキシ酢酸)と同様に植物ホルモンのオーキシンとして植物の組織培養に用いられている。トウモロコシの組織培養においてもダイカンバは使用されている。Duncanらは4.5μMの2,4−Dと15μMのダイカンバをそれぞれ含む培地でトウモロコシの未熟胚を培養し、2,4−Dに比べダイカンバを含む培地では再分化能を有するカルスの形成率が高まることを報告した(非特許文献23)。しかし、近年報告されているアグロバクテリウムによるトウモロコシの形質転換ではそのほとんどが未熟胚の培養は2,4−Dを含む培地で行われている(非特許文献15−21、24および25)。Frameらは2,4−Dとダイカンバをそれぞれ含む培地でアグロバクテリウムによるトウモロコシの形質転換を行い、ダイカンバを含む培地の方が形質転換効率の高まることを報告した。しかし、Frameらの比較した培地は2,4−Dの濃度は6.75μMであるのに対し、ダイカンバの濃度は15μMと2倍以上異なり、さらに2,4−Dとダイカンバ以外にも組成の異なる点がある。そして、形質転換効率に差の生じたのはダイカンバを含む培地の硝酸銀の濃度が2,4−Dを含む培地に比べ高いことが原因であると考察しており、オーキシンの違いによる効果に関する記述はない(非特許文献26)。
以上のように、アグロバクテリウムによるトウモロコシの形質転換においてこれまでになされている方法は安定して形質転換植物が得られるものの、同じ単子葉作物のイネに比して形質転換効率は低く、さらに高い効率で形質転換体の得られる方法の開発が望まれていた。
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本発明は、従来公知のアグロバクテリウム法に比べて、植物の形質転換効率を上昇させる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために鋭意研究に努めた結果、アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸(ダイカンバ)を含む共存培地で培養する共存工程を含む形質転換方法により、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)を使用する従来法に比べて、植物の形質転換効率が上昇することを見いだし、本発明を想到した。本発明は、好ましくは以下に記載するような態様により行われるが、これに限定されるものではない。
本発明は、アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程を含む、植物の形質転換効率を上昇させる方法を提供する。
本発明の好ましい態様において、共存培地中には3,6−ジクロロ−o−アニシン酸以外のオーキシン類は含まない。
また、本発明の好ましい態様において、共存培地中の3,6−ジクロロ−o−アニシン酸の濃度は0.5−3.0mg/lである。
また、本発明の好ましい態様において、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸のみを共存培地中のオーキシン類として使用する場合と比較して、植物の形質転換効率は1.3倍以上、さらに好ましくは2.4倍以上上昇する。
また、本発明の好ましい態様において、アグロバクテリウム菌が接種される植物組織が単子葉植物の組織由来であり、さらに好ましい態様において、アグロバクテリウム菌が接種される植物は、トウモロコシ、コムギまたはオオムギである。アグロバクテリウム菌が接種される単子葉植物の組織は、未熟胚、カルス、花芽または完熟種子の発芽部位であり、最も好ましくは未熟胚である。
さらに、本発明の好ましい態様において、植物組織は熱処理および/または遠心処理されている。
また、本発明の好ましい態様において、共存培地は硝酸銀および/または硫酸銅をさらに含む。
本発明の別の態様において、本発明は、以下の工程:
(i)アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程;
(ii)(i)で得られた組織をオーキシンを含む培地で培養し、形質転換体を薬剤選抜する選抜工程;および、
(iii)(ii)で選抜された組織を選抜薬剤を含む再分化培地で培養し再分化させる再分化工程;を含む、形質転換植物の作成方法を提供する。
以下に、本発明の構成を具体的に説明する。
本発明は、アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程を含む、植物の形質転換効率を上昇させる方法を提供する。
アグロバクテリウム菌を用いた植物組織の形質転換は、通常以下の工程により行われる。即ち、(i)植物組織へアグロバクテリウム菌を接種する接種工程、(ii)2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)を含む共存培地で培養する共存工程、(iii)2,4−Dおよび選抜薬剤を含む選抜培地で培養する選抜工程、および(iv)選抜薬剤を含む再分化培地で培養する再分化工程である。
上記のような従来の形質転換方法では、共存工程においてオーキシン類としては2,4−Dが多くの場合使用されており、その他のオーキシン類が2,4−Dの代わりに、または2,4−Dと同時に共存培地中で使用することはほとんど行われていなかった。なお、本明細書において、「オーキシン」および「オーキシン類」とは、当該技術分野において公知である天然に由来するオーキシンおよび人工的に合成されたオーキシンのいずれをも含み、例えば、2,4−D、ダイカンバ、4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸(picloram;ピクロラム)、2,3,5−トリヨード安息香酸(TIBA)、2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)、およびインドール酢酸(IAA)、インドール酪酸(IBA)およびナフタレン酢酸(NAA)等が含まれる。
本発明においては、共存培地中に3,6−ジクロロ−o−アニシン酸(ダイカンバ)が含まれることを特徴の1つとし、これにより植物の形質転換効率が上昇する。本発明のさらに好ましい態様においては、共存培地中には3,6−ジクロロ−o−アニシン酸(ダイカンバ)以外のオーキシン類は含まない。
植物が形質転換されたか否かは、公知の種々の方法により決定可能である。例えば、形質転換する遺伝子をGUS(β−グルクロニダーゼ)遺伝子、ルシフェラーゼ遺伝子あるいはGFP遺伝子などのレポーター遺伝子とすることにより、簡便な公知の方法でこれらのレポーター遺伝子の発現部位を目視により形質転換の有無について確認することが可能である。また、抗生物質抵抗性遺伝子や除草剤抵抗性遺伝子などの選抜マーカー遺伝子の発現を抗生物質あるいは除草剤を含む培地で植物細胞を培養することにより、あるいは抗生物質溶液や除草剤溶液を植物に処理することにより、その抵抗性の発現を指標に形質転換の有無を確認することも可能である。
より確実な形質転換がされたか否かの決定は、例えば、サザンハイブリダイゼーション法による植物染色体への導入遺伝子の組み込み、および後代植物での導入遺伝子の発現確認(後代への遺伝)などにより行うことができる。サザンハイブリダイゼーション法は広く知られた方法により行うことができ、例えば、Molecular Cloning (非特許文献29)に記載される方法により行われる。また、後代植物における発現の確認はGUS遺伝子などレポーター遺伝子の発現や除草剤耐性遺伝子など選抜マーカー遺伝子の発現を調査する方法により実行可能である。具体的には、非特許文献11に記載されている方法により行われるが、これに限定されるものではない。
形質転換効率は、当業者に一般に使用されている計算方法により決定することができる。例えば、形質転換された植物数を、アグロバクテリウム菌を接種した外植片数で除することにより算出した値により求めることが可能である。
本発明において、「植物の形質転換効率が上昇」とは、上記のような共存培地中に2,4−Dのみをオーキシンとして含む従来のアグロバクテリウム菌による形質転換方法と比較して、形質転換効率が上昇することをいう。本発明の方法を使用すると、実施例1においては2,4−Dを用いる方法に比べて1.3倍、実施例2においては2.4倍形質転換効率が上昇している。したがって、本発明によれば、好ましくは1.3倍以上、より好ましくは2.0倍以上、さらに好ましくは2.4倍以上、形質転換効率が上昇する。
以下において、本発明の植物の形質転換効率を上昇させる方法の各工程について説明する。
(1)アグロバクテリウム菌の接種工程
本発明において使用される植物組織はアグロバクテリウム菌を接種される。本明細書で使用する「接種する」とは、アグロバクテリウム菌を植物組織に接触させることをいい、当該技術分野においては種々のアグロバクテリウム菌を接種する方法が公知である。当該方法としては、例えば、アグロバクテリウム菌を液体培地に懸濁した懸濁液に植物組織を加える方法、共存培地上の植物組織にアグロバクテリウム菌の懸濁液を直接滴下する方法、植物組織中にアグロバクテリウム菌懸濁液を注入する方法、およびアグロバクテリウム菌懸濁液中に植物組織を浸漬し減圧する方法等があげられる。しかしながら、本発明において使用されるアグロバクテリウム菌を接種された植物組織は、これらの方法によりアグロバクテリウム菌を接種された植物組織に限定されない。
当該アグロバクテリウム菌の接種工程においては、アグロバクテリウム菌による形質転換効率を改善するために、例えば、アセトシリンゴン、界面活性剤、多孔性セラミックス等の種々の添加剤をアグロバクテリウム菌の懸濁液中に含ませることが可能である。
本発明に使用可能なアグロバクテリウム菌は公知のいずれのアグロバクテリウム菌であってよい。本発明の好ましい態様において、アグロバクテリウム菌は、例えば、LBA4404、EHA101およびAGL1、C58C1等であるが、これに限定はされない。ベクターにスーパーバイナリーベクター(非特許文献10および11)を使用しない場合には、形質転換効率の観点から、アグロバクテリウムA281(非特許文献31)が有するTiプラスミドpTiBo542を含む菌株を用いることが好ましい。
アグロバクテリウム菌は、アグロバクテリウム菌内のプラスミドのT−DNAの中に挿入された遺伝子を植物のゲノム中に導入する性質を有することが公知である。そのため、本発明で使用可能なアグロバクテリウム菌は、発現させることを意図する遺伝子をT−DNA中に挿入したプラスミドを有する。そして、当該プラスミドを有するアグロバクテリウム菌を植物組織に接種することにより植物を形質転換可能である。これにより、組織中の植物細胞に好ましい形質が付与される。本発明において使用可能なアグロバクテリウム菌用のプラスミドは、例えば、pSB131、U0009B、U0017S、pSB134、pNB131およびpIG121Hm等があげられるが、これに限定される訳ではない。アグロバクテリウム菌株にTiプラスミドpTiBo542を含む菌株を使用しない場合には、形質転換効率の観点から、スーパーバイナリーベクター(非特許文献10および11)を使用することが好ましい。
本発明において使用可能な植物組織が由来する植物は、単子葉植物および双子葉植物であり、好ましくは単子葉植物であり、さらに好ましくはトウモロコシ、コムギ、オオムギであり、最も好ましくはトウモロコシである。また、本発明において使用可能な植物組織は、例えば、植物の細胞、葉、根、茎、実、未熟胚、カルス、花芽、完熟種子の発芽部位、その他いずれの部位の植物組織であってよく、好ましくは未熟胚、花芽および完熟種子の発芽部位であり、最も好ましくは未熟胚である。本明細書において、未熟胚とは受粉後の登熟過程にある未熟種子の胚をいう。本発明の方法に供される未熟胚のステージ(熟期)は特に限定されるものではなく、受粉後いかなる時期に採取されたものであってもよい。もっとも受粉後7から14日後のものが好ましい。
上記のような植物組織は、形質転換効率を上昇させるために様々な処理をされていることもまた可能である。そのような処理としては、例えば、加熱処理(特許文献1)、遠心処理(特許文献2)、熱および遠心処理(特許文献4)、並びに加圧処理(特許文献5)などがあげられる。
(2)共存工程
本工程は、上記のようにアグロバクテリウム菌を接種した植物細胞を、アグロバクテリウム菌の共存下にて、オーキシン類を含む培地で培養することにより、植物細胞へのアグロバクテリウム菌からDNAの導入を確実にする工程である。本工程で使用される培地は、本明細書中では「共存培地」という。共存培地は、植物細胞を培養するために通常使用されるものでよく、例えば、LS無機塩類(非特許文献30)やN6無機塩類(非特許文献31)を基本とする培地、具体的にはLS−AS培地等があげられる。
共存培地中には、従来の形質転換法によれば、オーキシン類として2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)が添加される。本発明では、共存培地中に3,6−ジクロロ−o−アニシン酸(ダイカンバ)を含むことを特徴の1つとする。本発明の好ましい態様においては、共存培地中にはダイカンバ以外のオーキシン類は含まない。
ダイカンバの共存培地中における量は、従来の方法における2,4−Dの量と同様であってよく、好ましくは、0.5−3.0mg/l、さらに好ましくは、0.5−2.5mg/l、より好ましくは、1.0−2.0mg/l、最も好ましくは、1.5mg/lである。
共存培地中には、ダイカンバ以外にも、形質転換効率を上昇させるために種々の添加剤を加えることも可能である。このような添加剤は、例えば、硝酸銀(特許文献3)、硫酸銅(非特許文献6)、およびシステイン(非特許文献21)等があげられる。
本工程においては、共存培地中にはオーキシン類としてはダイカンバのみであるか、あるいはダイカンバおよびその他のオーキシン類を含む。オーキシン類は一般に植物組織を脱分化させる作用を有するために、本工程および続く選抜工程において、ほとんどの植物組織は一部または全部が脱分化組織(カルス)となる。本明細書で使用する、「脱分化組織」または「カルス」の用語は、分化した植物組織の一部(外植片)をオーキシン、サイトカイニン等の植物生長調節物質を含む培地で培養することにより得られる組織で、元来の植物組織としての形態を有さない無定形で未分化状態の細胞塊をいう。したがって、脱分化組織の状態で共存工程を開始する場合、および分化している植物組織が共存工程中または続く選抜工程中にすべてが脱分化および一部が脱分化する場合等の、脱分化組織が関係するいかなる態様も本発明の範囲内である。
本工程における「培養」とは、固化した共存培地の上または液体状の共存培地の中に植物組織を置床し、適切な温度、明暗条件および期間で生育させることをいう。共存培地の固化は、当該技術分野において公知の固化剤を添加することにより行うことができ、そのような固化剤としては、例えばアガロース等が知られている。本工程における培養温度は、適宜選択可能であり、好ましくは20℃−35℃、さらに好ましくは25℃で行われる。また、本工程の培養は好ましくは暗所で行われるが、これに限定されない。本工程の培養期間もまた適宜選択可能であり、好ましくは1日−10日、より好ましくは7日である。
(3)選抜工程
本発明は、以上に記載した共存工程を特徴とするものである。以下に記載する選抜工程および再分化工程は、アグロバクテリウム菌による植物の形質転換方法において一般に行われている方法である。したがって、以下の記載は例示のためのものであり、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
本工程は、上記工程により得られた組織を、オーキシン類を含む培地で培養し、形質転換体を遺伝子の導入の有無により選抜する工程である。本工程で使用される培地は、本明細書中では「選抜培地」という。選抜培地として使用可能な培地は、例えば、LS無機塩類(非特許文献30)やN6無機塩類(非特許文献31)を基本とする培地、例えば具体的にはLSD1.5培地等があげられる。選抜培地中には、定法によればオーキシン類、好ましくは2,4−Dが添加される。本発明においても、本選抜工程で使用されるオーキシン類は特に限定はされず、好ましくは2,4−Dである。さらに、必要に応じて、種々の添加物を加えることが可能である。
形質転換植物の選抜は、例えば、適当な選抜薬剤を含む選抜培地で、上記共存工程を経た植物を培養し、選抜薬剤に対する耐性の有無により行うことができる。本工程に使用可能な選抜薬剤は、当該技術分野で通常使用されるものを用いることが可能である。例えば、選抜薬剤としては、抗生物質および/または除草剤を使用可能である。抗生物質としては、例えば、ハイグロマイシン、カナマイシン、またはブラストサイジンS等が使用可能である。さらに、除草剤としては、例えば、フォスフィノスライシン、ビアラフォス、またはグリホセート等が使用可能である。
本選抜工程のために、アグロバクテリウム菌中のT−DNA中に挿入したDNAは、植物に発現させることを意図する遺伝子のみならず、例えば、選抜薬剤に対する耐性遺伝子等を含むことが必要である。このような選抜薬剤に対する耐性遺伝子は当該技術分野においては公知である。本工程において、例えばハイグロマイシンを含む選抜培地において選抜が行われる場合、植物にはアグロバクテリウム菌からハイグロマイシン耐性遺伝子が導入されていることが必要である。
あるいは、形質転換植物の選抜は、植物細胞の糖要求性に基づいて行うことが可能である。植物細胞が利用できる糖はシュークロース、グルコースなどがあるが、マンノースは利用できないことが知られている。したがって、マンノースのみを炭素源とする培地で植物組織を培養すると、利用できる糖がないために植物組織は枯死する。糖要求性に基づく選抜はこの原理を利用するものである。即ち、この選抜方法を利用するためには、アグロバクテリウム菌中のT−DNA中に挿入したDNAは、植物に発現させることを意図する遺伝子のみならず、リン酸化マンノースイソメラーゼ(phosphomannose isomerase:PMI)遺伝子を含むことが必要となる。ここで、PMI遺伝子を導入された植物細胞は、マンノースを炭素源として利用できるようになる。したがって、上記のようなアグロバクテリウム菌により形質転換された植物組織のみが、マンノースのみを炭素源とする培地で生育することが可能となり、これにより形質転換植物組織のみを選抜することが可能となる(非特許文献16)。このような方法は、他の糖についても行うことができる。例えば、キシロースイソメラーゼ遺伝子を導入された植物細胞は炭素源としてキシロースを利用することが可能となるため、このような方法に適用可能である。
したがって、糖要求性に基づき形質転換植物の選抜を行う場合には、植物組織には、アグロバクテリウム菌から通常植物細胞が利用できない糖類を利用可能にする遺伝子が導入されている。このような遺伝子は当該技術分野において公知であり、例えば、PMI遺伝子、キシロースイソメラーゼ遺伝子等が使用可能である。また、選抜培地においては、植物細胞が通常使用可能であり、培地中に通常含まれるシュークロースおよびグルコース等が除かれており、代わりに炭素源としては通常の植物細胞が利用できない糖類のみを含む。ここで、「通常の植物細胞が利用できない糖類」とは、野生型の植物細胞には代謝酵素をコードする遺伝子がないために栄養源とすることのできない糖類をいい、例えば、マンノース、キシロース等が含まれる。
また、容易に検出可能な遺伝子をスクリーニングの指標として導入し、当該遺伝子の発現の有無により選抜することも可能である。このようなスクリーニングの指標となる遺伝子としては、GFP遺伝子等があげられる。これらの遺伝子を発現する細胞・組織を検出する方法は当該技術分野において公知である。上記のような遺伝子の発現部位をモニターし、発現部位を切り分けるなどして選抜することも可能である。
本工程は、培地の成分組成を変更して、複数回繰り返して行うことも可能である。例えば、複数回の選抜工程では、選抜薬剤の濃度を各選抜工程で上昇させることにより、薬剤選抜の確実性が増し、形質転換をした植物体を得られる可能性を上昇させることが可能となる。本選抜工程は、好ましくは少なくとも2回、より好ましくは3回行われる。また、複数回選抜工程を行う場合には、選抜薬剤を含む培地で培養した組織のうち増殖した部分を切り取り、当該増殖部分のみを次の選抜工程に供することにより、効率よく形質転換組織を獲得することも可能である。
本工程における「培養」とは、固化した選抜培地の上または液体状の選抜培地の中に植物組織を置床し、適切な温度、明暗条件および期間にて生育させることをいう。選抜培地の固化は、上記のように例えばアガロース等により行うことが可能である。本工程における培養温度は、適宜選択可能であり、好ましくは20℃−35℃、さらに好ましくは25℃で行われる。また、本工程の培養は好ましくは暗所で行われるが、これに限定されない。本工程の培養期間もまた適宜選択可能であり、例えば、3回選抜工程が行われる場合には、1次選抜は2週間、2次選抜は3週間、そして3次選抜は3週間の計8週間行われる。また、複数回の選抜工程全体では好ましくは6−10週間、より好ましくは7−9週間行われる。また、複数回の選抜を行う場合には、各回毎に培養期間、温度および明暗条件を変更することも可能である。
(4)再分化工程
本工程は、上記選抜工程により選抜された組織を、培地で培養し再分化させる工程である。本工程で使用される培地は、本明細書中では「再分化培地」という。再分化培地は、オーキシン類は含まない。再分化培地として使用可能な培地は、例えば、LS無機塩類やN6無機塩類を基本とする培地、例えば具体的にはLSZ培地等があげられる。
本工程は一般に、再分化培地は選抜薬剤を含む。本工程において使用可能な選抜薬剤は、選抜工程において定義したものと同様である。しかしながら、本工程において必ずしも選抜工程で用いた選抜薬剤と同じ選抜薬剤を用いなくとも良い。その場合には、植物にはアグロバクテリウム菌から、2種類以上の選抜薬剤に対する耐性遺伝子が導入されている必要がある。
本発明における「再分化」とは、全部または一部が脱分化していた植物組織が、再び元の植物組織または植物体の性質を獲得することをいう。本発明においては、共存工程および選抜工程中のオーキシン類の作用により、ほとんどのアグロバクテリウム菌を接種した植物組織の全部または一部において脱分化している。したがって、本工程に供することにより、脱分化組織が再分化することにより、完全な形質転換植物体を得ることが可能となる。
本工程における「培養」とは、固化した再分化培地の上または液体状の再分化培地の中に植物組織を置床し、適切な温度、明暗条件および期間にて生育させることをいう。再分化培地の固化は、上記のように例えばアガロース等により行うことが可能である。本工程における培養温度は、適宜選択可能であり、好ましくは20℃−35℃、さらに好ましくは25℃で行われる。また、本工程の培養は好ましくは16−24時間/日の照明下で行われるが、これに限定されない。本工程の培養期間もまた適宜選択可能であり、好ましくは7日−21日、より好ましくは14日である。
本工程の後においては、当該技術分野において公知の方法を用いることにより容易に完全な形質転換植物体を得ることが可能である。したがって、以下の工程:
(i)アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程;
(ii)(i)で得られた組織をオーキシンを含む培地で培養し、形質転換体を薬剤選抜する選抜工程;および、
(iii)(ii)で選抜された組織を選抜薬剤を含む再分化培地で培養し再分化させる再分化工程;を含む、形質転換植物の作成方法もまた、本発明により提供される。
本発明により、植物の形質転換効率を上昇させることが可能となった。これにより、効率よく形質転換した植物体を得ることが可能となり、当該植物体を得るためのコストを削減することも可能となる。
図1はトウモロコシ形質転換効率に及ぼす共存培地中のオーキシンの種類の影響を示すグラフである。各区33−35未熟胚を供試した。縦軸は形質転換効率(各区で得られたGUS陽性植物数を接種未熟胚数で除した)を、横軸は共存培養培地に含まれるオーキシンの種類を示す。共存培地中のオーキシンの濃度はいずれも1.5mg/lとした。 図2はアグロバクテリウム菌系LBA4404(U0009B)が保持するプラスミドU0009Bの構造を示す図である。
プラスミド名: U0009B.prj
プラスミドサイズ: 12347bp
図3は滴下接種法によるトウモロコシ形質転換効率に及ぼす共存培地中のオーキシンの種類の影響を示すグラフである。各区25−26未熟胚を供試した。縦軸は形質転換効率(各区で得られたGUS陽性植物数を接種未熟胚数で除した)を、横軸は共存培養培地に含まれるオーキシンの種類を示す。共存培地中のオーキシンの濃度はともに1.5mg/lとした。
以下、実施例によって本発明を説明するが、実施例は例証のためのものであり、本発明を制限するものではない。本発明の範囲は、請求の範囲の記載に基づいて判断される。さらに、当業者は本明細書の記載に基づいて、容易に修正、変更を加えることが可能である。
実施例1
種々のオーキシンを添加した共存培地の形質転換効率に及ぼす効果
材料および方法
受粉後7から14日目のトウモロコシ(品種:A188)の未熟胚(大きさ1.0−1.5 mm)を無菌的に採取し、LS−inf液体培地(非特許文献11)で1回洗浄した。遺伝子導入効率を高めるための前処理(46℃、3分間の熱処理および15,000 rpm、10分間の遠心処理)を行った。100μMアセトシリンゴンを含むLS−inf液体培地に約1.0x109cfu/mlでアグロバクテリウム菌系 LBA4404 (pSB131) (非特許文献11)を懸濁し接種源とした。熱・遠心処理した未熟胚に接種源を加え、30秒間撹拌した後、5分間室温で静置した。2,4−Dを除き、5μM AgNO3および5μM CuSO4を含むLS−AS培地(非特許文献11、固化剤は8g/lアガロース)に1.5mg/lの濃度で2,4,5−T(2,4,5−トリクロロフェノキシ酢酸)、ピクロラム(4−アミノ−3,5,6−トリクロロピコリン酸)、TIBA(2,3,5−トリヨード安息香酸)、ダイカンバをそれぞれ添加した共存培地にアグロバクテリウムを接種した未熟胚を胚盤が上になるように置床した。対照の培地は5μM AgNO3および5μM CuSO4を含むLS−AS培地(固化剤は8g/lアガロース)とした。
25℃、暗黒下で7日間培養した未熟胚を5μM AgNO3、5mg/lフォスフィノスライシン(PPT)、250mg/l カルベニシリン、100mg/l セフォタキシムを含むLSD1.5培地(非特許文献11)に置床し、25℃、暗黒下で10日間培養した。PPTの濃度を10mg/lとした同培地に未熟胚を移し、同条件で3週間培養した。増殖のみられたカルスをメスで切り取り、同組成の培地に置床し、条件で3週間培養した。増殖したカルスを切り取り、10μM CuSO4、5mg/l PPTを含むLSZ培地(非特許文献11)に置床し、25℃、照明下で約2週間培養した。植物体の再分化のみられた未熟胚の数を調査するとともに、再分化した植物の葉の一部を切り取り、0.1%のTriton X−100を含む0.1Mリン酸緩衝液(pH 6.8)に浸漬し、37℃で1時間静置した。リン酸緩衝液を除いた後、1.0mM 5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−グルクロン酸(X−gluc)および20%メタノール含むリン酸緩衝液を添加した。37℃で24時間処理した後、GUS遺伝子の発現を調査した。
結果
2,4−Dをオーキシンとした対照の共存培地で培養した未熟胚からは20.6%の効率で形質転換植物が得られた。これに対し、ダイカンバをオーキシンとして添加した共存培地で培養した未熟胚の形質転換効率は27.3%と高く、共存培地のオーキシンをダイカンバにすることにより、形質転換効率の向上することが明らかとなった。したがって、共存培地にオーキシンとしてダイカンバを含ませることにより、2,4−Dを使用する従来法に比べ、27.3/20.6=1.33倍形質転換効率が上昇することが明らかとなった。一方、2,4,5−Tおよびピクロラムをオーキシンとした培地での形質転換効率は対照に比べ劣った。TIBAを添加した培地で共存培養を行った未熟胚からは形質転換植物は得られなかった(図1)。
実施例2
滴下接種法での形質転換効率に及ぼす共存培地中のダイカンバと2,4−Dの影響
材料および方法
pSB11(非特許文献27)を基本骨格とするベクターに必要なエレメントを付加し、図2、配列番号1のベクターU0009Bを構築した。実施例1と同様の方法で調整したアグロバクテリウム菌系LBA4404(U0009B)の接種源1mlに約80mgのハイドロキシアパタイト(Bio−Rad)を添加した。遺伝子導入効率を高めるための前処理(46℃、3分間の熱処理および15,000rpm、10分間の遠心処理)を行った未熟胚(品種A188)を2,4−Dを除き、5μM AgNO3および5μM CuSO4を含むLS−AS培地(非特許文献11、固化剤は8g/lアガロース)に1.5mg/lの濃度ダイカンバを添加した共存培地に胚盤が上になるように置床した。対照の培地は5μMAgNO3および5μMCuSO4を含むLS−AS培地(固化剤は8g/lアガロース)とした。接種源中のハイドロキシアパタイトが均等に分散するようにボルテックスミキサーで撹拌した後、5μlの接種源を未熟胚上に滴下した。滴下した接種源が乾いた後、未熟胚を同培地上の別の場所に移動した。培養器をシールした後、25℃、暗黒下で7日間共存培養を行った。共存培養後の未熟胚を実施例1と同様の方法で培養し、再分化植物を得るとともに再分化植物の葉でのGUS遺伝子の発現を調査した。
結果
2,4−Dをオーキシンとした対照の共存培地で培養した未熟胚からは11.5%の効率で形質転換植物が得られた。これに対し、ダイカンバをオーキシンとして添加した共存培地で培養した未熟胚の形質転換効率は28.0%と高く、共存培地のオーキシンをダイカンバにすることにより、滴下接種法による形質転換においても効率の向上することが明らかとなった(図3)。本方法によれば、共存培地にダイカンバを添加することにより、2,4−Dを使用する従来法に比べ、28.0/11.5=2.43倍形質転換効率が上昇した。
実施例3
サザン分析
材料および方法
実施例1で得られたGUS遺伝子の発現を示す形質転換植物の葉から小鞠らの方法(非特許文献28)に従いDNAを抽出した。抽出したDNAに制限酵素BamHIを処理し、GUS遺伝子をプローブとしたサザン法による導入遺伝子の検出を行った。サザン法はMolecular Cloning(非特許文献29)に記載の方法に従って行った。
結果
いずれの形質転換体もGUSプローブにハイブリダイズするバンドを示した。そのパターンは形質転換体ごとに異なり、導入遺伝子が植物の染色体上にランダムに挿入されていることが示された。GUS陽性を示した個体のバンド数は1−3本で、挿入された導入遺伝子のコピー数はいずれも少ないことが明らかとなった(表1)。
Figure 0005227303

Claims (10)

  1. アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程、および、共存工程で得られた組織を2,4−ジクロロフェノキシ酢酸を含む選抜培地で培養する選抜工程を含む、植物の形質転換効率を上昇させる方法。
  2. 共存培地中に3,6−ジクロロ−o−アニシン酸以外のオーキシン類は含まない、請求項1の方法。
  3. 共存培地中の3,6−ジクロロ−o−アニシン酸の濃度が0.5−3.0mg/lである、請求項1または2の方法。
  4. 2,4−ジクロロフェノキシ酢酸のみを共存培地中のオーキシン類として使用する場合と比較して、植物の形質転換効率が少なくとも1.3倍上昇する、請求項1−3のいずれか1項の方法。
  5. 植物組織が単子葉植物の組織由来である、請求項1−4のいずれか1項の方法。
  6. 植物組織が熱処理および/または遠心処理されている、請求項1−5のいずれか1項の方法。
  7. 共存培地が、硝酸銀および/または硫酸銅をさらに含む、請求項1−6のいずれか1項の方法。
  8. 植物組織が、トウモロコシ組織である、請求項1−7のいずれか1項の方法。
  9. 以下の工程:
    (i)アグロバクテリウム菌を接種した植物組織を、3,6−ジクロロ−o−アニシン酸を含む共存培地で培養する共存工程;
    (ii)(i)で得られた組織を2,4−ジクロロフェノキシ酢酸を含む培地で培養し、形質転換体を薬剤選抜する選抜工程;および、
    (iii)(ii)で選抜された組織を選抜薬剤を含む再分化培地で培養し再分化させる再分化工程;
    を含む、形質転換植物の作成方法。
  10. 植物がトウモロコシである、請求項の方法。
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