JP5226964B2 - コンクリート構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造体に関する。
壁体、床スラブ、基礎スラブ、屋根スラブなどのように面内・面外のせん断力を受けたり、遮蔽機能を有する従来のコンクリート構造体としては、複数の横材と複数の縦材とを組み合わせてなる格子状配筋(例えば、壁配筋やスラブ配筋など)を二重に配置した鉄筋コンクリート構造体が一般的である(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
ところで、この種のコンクリート構造体においては、応力やコンクリートの乾燥収縮等に起因するひび割れが少なからず発生する。適正量の格子状配筋を有するものであれば、ひび割れが適度に分散するので、コンクリート構造体の耐久性や性能(放射線の遮蔽性能や遮音性能など)に大きな影響を及ぼすことはないが、耐久性や遮蔽性能のさらなる向上や美観を維持する場合には、配筋量を増やすなどの対策を講じる必要がある。
特開2000−328788号公報 特開2004−190228号公報(段落[0010])
格子状配筋の配筋量を増大させることで、ひび割れの発生を抑制することはできるが、材料費や施工費が嵩むとともに、構造上必要とされる配筋量を大幅に上回ることになるので、不経済になる虞がある。
このような観点から、本発明は、格子状配筋を多重に配したコンクリート構造体であって、配筋量を大幅に増大させることなくひび割れの発生や拡幅を抑制することが可能なコンクリート構造体を提供することを課題とする。
このような課題を解決すべく創案された本発明に係るコンクリート構造体は、第一横材と第一縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する密配筋部と、第二横材と第二縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する粗配筋部と、を具備するコンクリート構造体であって、前記密配筋部の前記格子状配筋および前記粗配筋部の前記格子状配筋は、間隔をあけて対峙するとともに、地震時のせん断力を負担し、前記第一横材の配筋間隔が、前記第二横材の配筋間隔よりも狭く、かつ、前記第一横材が、前記第二横材よりも細径であることを特徴とする。
なお、密配筋部および粗配筋部の「密」および「粗」は、配筋間隔の粗密に基づいて定義されるものであり、配筋量の「多い」「少い」とは必ずしも合致しない。また、密配筋部および粗配筋部の「密」および「粗」は、相対的なものであり、一般的な格子状筋からみた絶対的な粗密ではない。
本発明によれば、密配筋部に配筋される第一横材の配筋間隔を粗配筋部に配筋される第二横材の配筋間隔よりも狭めることで、密配筋部側のコンクリート面(壁面に現れるひび割れ(主として縦方向)を抑制するとともに、発生したひび割れ幅を小さくすることが可能となるが、第一横材を第二横材よりも細径にしているので、配筋量が大幅に増大することはない。つまり、配筋量を大幅に増大させることなくひび割れの発生を抑制することが可能となり、ひいては、その耐久性や遮蔽性能などを高めることが可能となる。また、本発明においては、多重に配置された格子状配筋のうち一部(すなわち、密配筋部の格子状配筋)についてだけ、横材の配筋間隔を狭めているので、多重に配置された格子状配筋の各々において一律に横材の配筋間隔を狭める場合よりも、配筋作業の煩雑さを軽減することが可能となる。なお、本発明に係るコンクリート構造体は、建築構造物のみならず、土木構造物にも適用できる。また、本発明に係るコンクリート構造体は、荷重に対して設計される耐力壁に適用できる。
コンクリート構造体の一方の面が、他方の面側よりも劣悪な環境に暴露される場合には、より劣悪な環境に暴露される一方の面側に前記密配筋部を形成し、他方の面側に前記粗配筋部を形成することが望ましい。このようにすると、劣悪な環境に曝されるコンクリート面(例えば、雨水、海水、汚水等に曝される面)に開口するようなひび割れの発生を効果的に抑制でき、長寿命化を図ることが可能となる。
原子炉や放射線を発する機器を囲うコンクリート構造体などは、その厚さが一般建築物のものよりも大きく、格子状配筋が三重以上になる場合があるが、このような場合には、前記密配筋部を機器側の表層部に形成するとよい。マスコンクリートのような極厚のコンクリート構造体になると、温度応力によるひび割れの発生が懸念されるが、密配筋部を表層部に形成すれば、温度応力によるひび割れの発生を効果的に抑制することができ、その耐久性や遮蔽性能などを高めることが可能となる。
なお、前記第一横材の配筋間隔は、300mm以下であることが望ましく、より好適には、前記第一横材の公称径の15倍以下であることが望ましい。このような条件を満たすように第一横材を配筋すれば、ひび割れの発生をより一層効果的に抑制することが可能となる。
なお、横材や縦材を鉄筋とするのが一般的であるが、同等の剛性や強度を有するものであれば、これに限定されることはない。
本発明において、前記第一縦材の配筋間隔を、前記第二縦材の配筋間隔よりも狭くするとともに、前記第一縦材を、前記第二縦材よりも細径とすれば、密配筋部側のコンクリート面に現れる横方向のひび割れをも抑制することが可能となる。
なお、横方向のひび割れが主となる場合には、これと交差する方向の前記第一縦材の配筋間隔のみを、前記第二縦材の配筋間隔よりも狭くするとともに、前記第一縦材のみを前記第二縦材よりも細径にすることで、同様に横方向のひび割れの発生を効果的に抑制することが可能となる。
本発明に係るコンクリート構造体によれば、配筋量を大幅に増大させることなくひび割れの発生を抑制することが可能となる。
(第一の実施形態)
第一の実施形態において例示するコンクリート構造体は、原子力発電所や放射線を発する機器を備えた施設(PET(陽電子放射断層撮影施設)、RI(放射線同位元素)施設等)において放射線を遮蔽することを目的として構築されるコンクリート製の遮蔽壁(壁体)である。この種の遮蔽壁においては、その壁厚が1000〜3000mm程度になることも珍しくない。なお、本実施形態では、コンクリート構造体が極厚の遮蔽壁である場合を例示するが、その使用目的や厚さ寸法の大きさを限定する趣旨ではない。
本実施形態に係るコンクリート構造体は、必要耐力から算出される壁厚よりも厚く形成されていて、地震時水平力(例えば、想定しているベースシアから定まる水平力)に対する平均せん断応力度が、打設するコンクリートの短期許容せん断応力度以下に制限されている。
図1および図2に示すように、本実施形態に係るコンクリート構造体W1は、格子状配筋である壁配筋10,20を具備する一対の補強コンクリート部R,Rと、この補強コンクリート部R,R間に設けられた無筋コンクリート部Cとを備えて構成されている。無筋コンクリート部Cは、鉄筋や鉄骨などの補強部材を含まない部位であり、本実施形態では、コンクリートのみから構成されている。なお、補強コンクリート部R,R間に鉄筋等が配置されていても、その鉄筋等の存在が構造設計に反映されていない場合には、無筋コンクリート部Cとみなすことができる。
補強コンクリート部Rは、その表層部に形成された密配筋部1と、この密配筋部1よりも無筋コンクリート部C側に形成された粗配筋部2とを備えて構成されている。つまり、本実施形態に係るコンクリート構造体W1は、一対の表層部の各々に形成された密配筋部1,1と、この一対の密配筋部1,1間に形成された一対の粗配筋部2,2とを具備していることになる。
密配筋部1は、複数の第一横材1a,1a,…と複数の第一縦材1b,1b,…とを格子状に組み合わせてなる壁配筋10を有する部位である。壁配筋10は、コンクリートとともに地震等のせん断力を負担するとともに、コンクリート構造体W1の表層部に発生するひび割れを抑制することを目的として設けられ、壁面(コンクリート面)Waと実質的に平行となるように配置されている。第一横材1aは、第一縦材1bよりも壁面Wa側において横方向(本実施形態では略水平方向)に配置されていて、縦方向(本実施形態では上下方向)に入るひび割れを抑制する役割を担っている。第一縦材1bは、第一横材1aよりも壁芯側において上下方向に配置されていて、同様に、横方向に入るひび割れを抑制する。
粗配筋部2は、複数の第二横材2a,2a,…と複数の第二縦材2b,2b,…とを格子状に組み合わせてなる壁配筋20を有する部位であり、密配筋部1の厚さ方向(壁厚方向)の内側(無筋コンクリート部C側)に形成されている。壁配筋20は、密配筋部1の壁配筋10と同様に、せん断力を負担するとともに、コンクリート構造体W1の表層部に発生するひび割れを抑制することができ、壁面Waと実質的に平行となるように配置され、かつ、密配筋部1の壁配筋10と厚さ方向に間隔をあけた状態で対峙している。第二横材2aは、第二縦材2bよりも壁芯側において横方向に配置され、上下方向に入るひび割れを抑制する。第二縦材2bは、第二横材2aよりも壁面Wa側において上下方向に配置されていて、横方向に入るひび割れを抑制する。
なお、壁配筋10,20の配筋量は、建物の必要保有水平耐力に対してコンクリート構造体W1が負担する水平力を壁配筋10,20のみで保持できる量とすることもできるが、厚さ寸法が大きい場合など、コンクリートの耐力を期待できるような場合には、前記した量にこだわる必要はない。
第一横材1a、第一縦材1b、第二横材2aおよび第二縦材2bは、本実施形態ではいずれも異径鉄筋からなるが、コンクリートよりもヤング係数の大きい材質(カーボン、アラミド、強化プラスチックなど)の棒材や繊維などで構成してもよい。
図1に示すように、第一横材1aの配筋間隔(鉄筋間隔)d1aは、第二横材2aの配筋間隔(鉄筋間隔)d2aよりも狭くなっている。また、第一横材1aは、第二横材2aよりも細径である。
第一横材1aの配筋間隔d1aは、コンクリート構造体W1に要求される性能、コンクリートの流動性、粗骨材の最大粒径、配筋作業の容易さといった様々な要因を考慮して設定すればよいが、ひび割れの発生を効果的に抑制するという観点から、第一横材1aの公称径の15倍以下で、かつ、300mm以下とすることが望ましい。なお、第一横材1aの公称径が第二横材2aの公称径の1/2以下である場合には、第一横材1aの配筋間隔d1aを、第二横材2aの配筋間隔d2aの1/2以下とすることが望ましい。
第一横材1aの公称径(有効径)は、コンクリート構造体W1に要求される性能(強度、耐久性、遮蔽性など)、コンクリートとの付着強度、かぶり厚さといった様々な要因を考慮して設定すればよいが、例えば、密配筋部1におけるかぶり厚さ(すなわち、第一横材1aのかぶり厚さ)eの2/5以下で、かつ、29mm以下とすることが望ましく、より好適には、第二横材2aの公称径の1/2以下とすることが望ましい。
図2に示すように、第一縦材1bの配筋間隔(鉄筋間隔)d1bは、第二縦材2bの配筋間隔(鉄筋間隔)d2bよりも狭くなっている。また、第一縦材1bは、第二縦材2bよりも細径である。
第一縦材1bの配筋間隔d1bは、コンクリート構造体W1に要求される性能、コンクリートの流動性、粗骨材の最大粒径、配筋作業の容易さといった様々な要因を考慮して設定すればよいが、第一縦材1bの公称径の15倍以下で、かつ、300mm以下とすることが望ましく、さらに、第一縦材1bの公称径が第二縦材2bの公称径の1/2以下である場合には、第二縦材2bの配筋間隔d2bの1/2以下とすることが望ましい。なお、本実施形態では、第一縦材1bの配筋間隔d1bを第一横材1aの配筋間隔d1a(図1参照)と同一にしている。
第一縦材1bの公称径も、コンクリート構造体W1に要求される性能やかぶり厚さといった様々な要因を考慮して設定すればよいが、第一横材1aと同様に、密配筋部1におけるかぶり厚さeの2/5以下で、かつ、29mm以下とすることが望ましく、より好適には、第二縦材2bの公称径の1/2以下とすることが望ましい。なお、本実施形態では、縦断面と横断面とで鉄筋比が同一になるように、第一縦材1bの公称径を第一横材1aの公称径と同一にしている。
第二横材2aの公称径や配筋間隔d2a(図1参照)および第二縦材2bの公称径や配筋間隔d2b(図2参照)は、コンクリート構造体W1に要求される性能、コンクリートの流動性、配筋作業の容易さ等を考慮して設定すればよい。なお、図1に示すように、第一縦材1bと第二縦材2bとの配筋間隔d12は、コンクリートの流動性や粗骨材の最大粒径などを考慮して設定すればよいが、本実施形態では、第一横材1aの配筋間隔(鉄筋間隔)d1aと同一にしている。
以上のように構成されるコンクリート構造体W1は、粗配筋部2の壁配筋20,20を組み立てるとともに、その外側に密配筋部1の壁配筋10,10を組み立て、その後、これらを挟むように図示せぬ型枠を設置し、コンクリートを打設することで構築する。
なお、壁配筋10,20は、打設場所で組み立ててもよいし、他の場所で組み立てたものを建て込んでもよい。また、補強コンクリート部R,Rおよび無筋コンクリート部Cとなる領域に対して一括してコンクリートを打設してもよいが、別々にコンクリートを打設してもよい。例えば、無筋コンクリート部Cとなる領域を挟むように設置した図示せぬ型枠間にコンクリートを打設し、型枠を脱型した後に、無筋コンクリート部Cの両側の各々において壁配筋10,20を組み立て、その後、補強コンクリート部Rとなる領域にコンクリートを打設してもよいし、あるいは、補強コンクリート部R,Rを構築した後に、補強コンクリート部R,R間にコンクリートを打設して無筋コンクリート部Cを構築してもよい。
以上説明した第一の実施形態に係るコンクリート構造体W1によると、密配筋部1の壁配筋10の配筋間隔d1a,d1bをそれぞれ粗配筋部2の壁配筋20の配筋間隔d2a,d2bよりも狭めるとともに、各補強コンクリート部Rにおいて密配筋部1を粗配筋部2よりも壁面Wa側に形成したので、壁面Waに現れるひび割れを抑制するとともに、発生したひび割れ幅を小さくすることが可能となるが、第一横材1aおよび第一縦材1bをそれぞれ第二横材2aおよび第二縦材2bよりも細径にしているので、配筋量が大幅に増大することはない。つまり、配筋量を大幅に増大させることなくひび割れの発生を抑制し、ひいては、その耐久性や遮蔽性能を高めることが可能となる。
加えて、第一横材1aおよび第一縦材1bを鉄筋にて構成した第一の実施形態においては、密配筋部1の壁配筋10の配筋間隔d1a,d1bをそれぞれ粗配筋部2の壁配筋20の配筋間隔d2a,d2bよりも狭めたことで、狭めない場合に比べて、電磁波に対する遮蔽性能が向上することになる。
また、第一の実施形態に係るコンクリート構造体W1においては、多重に配置された壁配筋10,10,20,20のうち一部(すなわち、密配筋部1の壁配筋10,10)についてだけ、配筋間隔d1a,d1bを狭めているので、多重に配置された壁配筋10,10,20,20の各々において一律に配筋間隔を狭める場合よりも、配筋作業の煩雑さを軽減することが可能となる。
なお、コンクリート構造体W1の壁厚が1000〜3000mm程度になると、温度応力によるひび割れの発生が懸念されるが、一対の表層部の各々に密配筋部1を形成しておけば、温度応力によるひび割れの発生を効果的に抑制することができる。
(変形例)
第一の実施形態においては、第一横材1aおよび第一縦材1bの両方を密に配置し、かつ細径にした場合を例示したが、これに限定されることはない。例えば、横方向のひび割れの発生があまり問題にならない場合には、第一縦材1bの配筋間隔および公称径を第二縦材2bと同じにしてもよい。また、例えば、縦方向のひび割れよりも横方向のひび割れの方が発生し易いような場合であれば、第一横材1aの配筋間隔および公称径を第二横材2aと同じにしてもよい。なお、縦方向のひび割れよりも横方向のひび割れの方が発生し易いような場合には、第一縦材1bを、第一横材1aよりも壁面Wa側に配置するとよい。
また、第一の実施形態においては、補強コンクリート部R,Rの間に無筋コンクリート部Cを設けた場合を例示したが、これに限定されることはなく、第一の実施形態において無筋コンクリート部Cとした領域に、格子状配筋(壁配筋)を配置しても差し支えない。
また、第一の実施形態では、補強コンクリート部R,Rの各々に密配筋部1を設けた場合を例示したが、これに限定されることはなく、一方の補強コンクリート部Rのみに密配筋部1を設けてもよい。
また、第一の本実施形態では、密配筋部1の壁配筋10が一列である場合を例示したが、これに限定されることはなく、二列以上であっても差し支えない。
(第二の実施形態)
図3に示すように、第二の実施形態に係るコンクリート構造体W2は、マスコンクリートにならない程度の厚さを具備するコンクリート製の構造壁(耐力壁)である。
コンクリート構造体W2は、表裏一対の壁面Wa,Wbのうち、より劣悪な環境(例えば、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食が進行しやすい環境)に暴露される壁面(コンクリート面)Wa側に形成された密配筋部1と、他方の壁面(コンクリート面)Wb側に形成された粗配筋部2とを備えて構成されている。
なお、「劣悪」であるか否かは、絶対的なものではなく、コンクリート構造体W2の使用目的等に応じて定まる相対的なものである。例えば、通常の建物の外壁である場合は、風雨に曝される室外側の壁面が「より劣悪な環境に暴露される壁面」となり、海洋構造物や下水処理施設などの場合であれば、一方の壁面が風雨に曝されていたとしても、海水や汚水に曝される他方の壁面が「より劣悪な環境に暴露される壁面」となる。
密配筋部1は、第一横材1a,1a,…と複数の第一縦材1b,1b,…とを格子状に組み合わせてなる壁配筋10を有する部位である。壁配筋10は、コンクリートとともにせん断力を負担するとともに、主として壁面Wa側に発生するひび割れを抑制するもので、壁芯よりも壁面Wa側において壁面Waと実質的に平行となるように配置されている。
粗配筋部2は、複数の第二横材2a,2a,…と複数の第二縦材2b,2b,…とを格子状に組み合わせてなる壁配筋20を有する部位である。壁配筋20は、コンクリートとともにせん断力を負担するとともに、主として壁面Wb側に発生するひび割れを抑制するもので、壁芯よりも壁面Wb側において壁面Wbと実質的に平行となるように配置されていて、密配筋部1の壁配筋10と厚さ方向に間隔をあけた状態で対峙している。
第一横材1a、第一縦材1b、第二横材2aおよび第二縦材2bについての説明は、前記した第一の実施形態のものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。なお、壁配筋10,20の配筋量(鉄筋量)は、建物の必要保有水平耐力に対してコンクリート構造体W2が負担する水平力を壁配筋10,20のみで保持できる量とするのが一般的である。
以上説明した第二の実施形態に係るコンクリート構造体W2によれば、密配筋部1側の壁面Waに現れるひび割れが粗配筋部2側の壁面Wb側よりも抑制されることになるが、第一横材1aおよび第一縦材1bをそれぞれ第二横材2aおよび第二縦材2bよりも細径にしているので、配筋量が大幅に増大することはない。つまり、配筋量を大幅に増大させることなくひび割れの発生を抑制し、ひいては、その耐久性や遮蔽性能を高めることが可能となる。
しかも、第二の実施形態に係るコンクリート構造体W2においては、より劣悪な環境に暴露される壁面Wa側に開口するようなひび割れを密配筋部1によって効果的に抑制することが可能となるので、その長寿命化を図ることが可能となる。
第一の実施形態に係るコンクリート構造体を縦方向に切断した状態を示す断面図である。 第一の実施形態に係るコンクリート構造体を横方向に切断した状態を示す横断面図であって、図1のI−I断面図である。 第二の実施形態に係るコンクリート構造体を縦方向に切断した状態を示す縦断面図である。
符号の説明
W1,W2 コンクリート構造体
Wa,Wb 壁面(コンクリート面)
1 密配筋部
1a 第一横材
1b 第一縦材
2 粗配筋部
2a 第二横材
2b 第二縦材
10,20 壁配筋(格子状配筋)

Claims (4)

  1. 第一横材と第一縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する密配筋部と、
    第二横材と第二縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する粗配筋部と、を具備するコンクリート構造体であって、
    前記密配筋部の前記格子状配筋および前記粗配筋部の前記格子状配筋は、間隔をあけて対峙するとともに、地震時のせん断力を負担し、
    前記第一横材の配筋間隔が、前記第二横材の配筋間隔よりも狭く、かつ、
    前記第一横材が、前記第二横材よりも細径であることを特徴とするコンクリート構造体。
  2. より劣悪な環境に暴露される一方の面側に、前記密配筋部が形成されており、他方の面側に、前記粗配筋部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造体。
  3. 前記密配筋部が表層部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート構造体。
  4. 第一横材と第一縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する密配筋部と、
    第二横材と第二縦材とを組み合わせてなる格子状配筋を有する粗配筋部と、を具備するコンクリート構造体であって、
    前記密配筋部の前記格子状配筋および前記粗配筋部の前記格子状配筋は、間隔をあけて対峙するとともに、地震時のせん断力を負担し、
    前記第一縦材の配筋間隔が、前記第二縦材の配筋間隔よりも狭く、かつ、
    前記第一縦材が、前記第二縦材よりも細径であることを特徴とするコンクリート構造体。
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