JP5226902B1 - 非水電解液電池 - Google Patents
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Abstract
捲回体が均一に膨張し、うねりの発生を防止できる非水電解液電池を供給する。非水電解液電池(1)は、正極(31)および負極(32)がセパレータ(33),(34)を介して捲回された扁平形状の捲回体(30)と、前記負極(32)に接合され、前記捲回体(30)の捲回軸方向に延在した負極タブ(36)とを備える。前記正極(31)は、帯形状の正極集電体(310)と、前記正極集電体(310)の一方の面に形成された第1正極合剤層(311)と、前記正極集電体(310)の他方の面に形成された第2正極合剤層(312)とを含み、前記第1正極合剤層(311)の捲回終端部(311b)は、幅方向(x方向)において、前記負極タブ(36)よりも前記捲回体(30)の内周側に位置し、前記第2正極合剤層(312)の捲回終端部(312b)は、幅方向(x方向)において、前記負極タブ(36)よりも前記捲回体(30)の外周側に位置している。
Description
本発明は、非水電解液電池に関し、より詳しくは、扁平形状の捲回体を備える非水電解液電池に関する。
従来、正極および負極がセパレータを介して捲回された捲回体を備えた非水電解液電池の構成が知られている。また、電池を角型または薄型にするため、捲回体を扁平形状にした構成が知られている。
特開2001−273881号公報には、捲回式の極群を備えた電池、特に扁平形の捲回式電極を備えた電池に関し、内部短絡の発生を防ぎ、信頼性の高い電池を供給することを目的とした技術が開示されている。
特開2005−222884号公報には、正極と負極とが短絡することを防止でき、正極リード端子側および負極リード端子側の厚さを平均化させ、安全で体積エネルギー密度の高い電極積層型電池に関する技術が開示されている。
特開2007−26939号公報には、扁平な巻き芯によって扁平に巻かれた電極体を有する捲回電池であっても、電池特性等に影響を与えることなく、巻き終わり端部を所望の位置に配置させることができる捲回型電池に関する技術が開示されている。
捲回体に用いられる正極および負極は、帯形状の集電体の少なくとも片面に、活物質を有する合剤層を塗布して形成される。そのため、捲回体は、これらの合剤層の塗布端に、合剤層の厚さによる段差を有している。特に、集電体の両面に合剤層を形成した場合であって、両面に形成された合剤層の塗布端の位置が揃っているときは、この段差はより大きくなる。
非水電解液電池は、正極と負極との間で、ゲストの授受を行うことで充放電を行う。例えばリチウムイオン電池では、充電時にリチウムイオンが負極に収蔵される。これにより、負極が膨張する。負極の膨張により、捲回体全体が膨張しようとする。しかし、捲回体は通常、電池ケースに殆ど隙間のない状態で収容されている。そのため、捲回体は電池ケースから、膨張を抑制する方向に圧力を受ける。
ここで、上記のように捲回体に段差が存在していると、この段差の両側で、電池ケースから受ける圧力が不均一になる。不均一な圧力を受けることによって、負極が不均一に膨張し、捲回体にうねりが生じる。
さらに、捲回体内部には、正極に接合された正極タブと、負極に接合された負極タブとが存在している。捲回体のうねりによって、集電タブ(正極タブまたは負極タブ)にねじれが生じる場合がある。集電タブのねじれは、非水電解液電池を放電させて捲回体の膨張を取り除いても、回復しない場合がある。
このような捲回体のうねりと集電タブのねじれは、非水電解液電池の電池特性を悪化させる。また、電池ケースからの圧力に抗して捲回体が局所的に膨張するため、厚みが均一で薄い電池を製造することができない。
本発明の目的は、捲回体が均一に膨張し、うねりの発生を防止できる非水電解液電池を供給することである。
ここに開示する非水電解液電池は、正極および負極がセパレータを介して捲回された扁平形状の捲回体と、前記負極に接合され、前記捲回体の捲回軸方向に延在した負極タブとを備える。前記正極は、帯形状の正極集電体と、前記正極集電体の一方の面に形成された第1正極合剤層と、前記正極集電体の他方の面に形成された第2正極合剤層とを含み、前記捲回体の主面と平行で、かつ捲回軸方向と垂直な方向を幅方向とし、前記第1正極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記負極タブよりも前記捲回体の内周側に位置し、前記第2正極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記負極タブよりも前記捲回体の外周側に位置している。
上記の構成によれば、正極集電体の一方の面に形成された正極合剤層(第1正極合剤層)の捲回終端部と、正極集電体の他方の面に形成された正極合剤層(第2正極合剤層)の捲回終端部とは、捲回体の幅方向において、離れて形成される。これにより、正極合剤層の端部による段差が、捲回体の幅方向に分散される。したがって、充放電時に捲回体が膨張する際に電池ケースから受ける圧力が不均一になるのを緩和できる。その結果、特に、負極合剤層に印加される力が均一になる。そのため、捲回体30の膨張が均一になり、捲回体30のうねりが抑制される。捲回体30のうねりが抑制されることによって、負極タブ36のねじれも抑制される。
より具体的には、第1正極合剤層の捲回終端部は、捲回体の幅方向において、負極タブよりも捲回体の内周側に位置する。そして、第2正極合剤層の捲回終端部は、捲回体の幅方向において、負極タブよりも捲回体の外周側に位置する。すなわち、負極タブの両側に正極合剤層の捲回終端部を配置する。これにより、負極タブが受ける圧力を均一化させることができる。
以上のように、本発明によれば、捲回体が均一に膨張し、うねりが生じることを防止できる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1の実施形態]
[全体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる非水電解液電池1の概略構成を示す斜視図である。非水電解液電池1は、有底筒状の外装缶10と、外装缶10の開口を覆う蓋板20と、外装缶10内に収容される捲回体30とを備えている。外装缶10に蓋板20を取り付けることによって、内部に空間を有する電池ケースCが構成される。なお、この電池ケースC内には、捲回体30以外に、非水電解液も封入されている。
[全体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる非水電解液電池1の概略構成を示す斜視図である。非水電解液電池1は、有底筒状の外装缶10と、外装缶10の開口を覆う蓋板20と、外装缶10内に収容される捲回体30とを備えている。外装缶10に蓋板20を取り付けることによって、内部に空間を有する電池ケースCが構成される。なお、この電池ケースC内には、捲回体30以外に、非水電解液も封入されている。
外装缶10は、例えば、アルミニウム合金で形成されている。外装缶10は、底面11と、側壁12とを有している。側壁12は、対向して配置される一対の平面部121と、平面部121同士を接続する半円筒部122とを有している。
ここで、外装缶10の底面11と蓋板20とを結ぶ方向をz方向と呼んで参照する。z方向と垂直な方向であって、外装缶10の平面部121と平行な方向をx方向と呼んで参照する。z方向およびx方向の両方に垂直な方向を、y方向と呼んで参照する。外装缶10のy方向の寸法は、x方向の寸法よりも小さい。すなわち、外装缶10は、扁平形状である。
外装缶10は、後述するように、非水電解液電池1の正極としての機能を兼ねている。
蓋板20は、例えば、外装缶10と同様にアルミニウム合金で形成されている。蓋板20は、外装缶10の開口部に嵌合し、溶接によって接合されている。
蓋板20のx方向の中央部分には、貫通孔20aが形成されている。貫通孔20aには、ポリプロピレン製の絶縁パッキング21およびステンレス鋼製の負極端子22が挿通されている。具体的には、概略柱状の負極端子22が挿通された概略円筒状の絶縁パッキング21が、貫通孔20aに挿通されている。
蓋板20には、貫通孔20aと並んで、非水電解液の注入口20bが形成されている。注入口20bは、封止栓23によって封止されている。注入口20bの周縁部と封止栓23の外周部とは、溶接によって接合されている。
図2は、図1におけるA−A断面図(xz面断面図)である。捲回体30は、それぞれ帯形状に形成された正極31、負極32および2枚のセパレータ33,34を有している。捲回体30は、負極32、セパレータ33、正極31、およびセパレータ34を、この順番で積層し、負極32を内側にして、z方向の周りに捲回したものである。なお、図2では、捲回体30の内周側の図示を省略している。捲回体30の巻き数は任意である。
捲回体30のy方向の寸法は、x方向の寸法よりも小さい。すなわち、捲回体30は、扁平形状である。ここで、捲回体30を直方体で近似した場合における、最も面積の大きい一対の面(y方向に垂直な面)を、捲回体30の主面と呼ぶ場合がある。また、x方向を捲回体30の幅方向、y方向を捲回体30の厚さ方向と呼ぶ場合がある。また、z方向を、捲回体30の捲回軸方向と呼ぶ場合がある。
正極31の捲回終端部近傍に、正極タブ35が接合されている。一方、負極32の捲回始端部近傍に、負極タブ36が接合されている。なお、正極タブ35は、本来は図2の面上には存在していないが、説明の便宜のため、図2に一点鎖線で図示している。
捲回体30、正極タブ35、および負極タブ36の詳しい構成については後述する。
正極タブ35は、捲回体30の外部へ引き出され、蓋板20に接続されている。これにより、正極31と蓋板20とが導通している。蓋板20と外装缶10とが接合されているため、正極31と外装缶10とも導通している。そのため、外装缶10は、既述のように正極としての機能を兼ねている。
負極タブ36は、捲回体30の外部へ引き出され、リード板25を介して、負極端子22に接続されている。これにより、負極32と負極端子22とが導通している。なお、リード板25と蓋板20との間には絶縁体24が形成されている。これにより、リード板25と蓋板20との間が絶縁されている。
捲回体30と外装缶10の底面11との間には、ポリエチレンシートからなる絶縁体13が形成されている。これにより、外装缶10を介して正極31と負極32とが短絡しないようになっている。
[捲回体30の構成]
以下、図3を参照して、捲回体30の構成について詳しく述べる。図3は、図1におけるB−B断面図(xy面断面図)である。図3では、捲回体30の最内周側から約1周分の領域、および最外周側から約1周分の領域のみを図示し、途中は省略している。また、負極32、セパレータ33、正極31、およびセパレータ34は、実際は殆ど隙間なく密着しているが、図3では、見易くするためにこれらをそれぞれ少しずつ離して示している。
以下、図3を参照して、捲回体30の構成について詳しく述べる。図3は、図1におけるB−B断面図(xy面断面図)である。図3では、捲回体30の最内周側から約1周分の領域、および最外周側から約1周分の領域のみを図示し、途中は省略している。また、負極32、セパレータ33、正極31、およびセパレータ34は、実際は殆ど隙間なく密着しているが、図3では、見易くするためにこれらをそれぞれ少しずつ離して示している。
正極31は、帯形状の正極集電体310と、正極集電体310の両面に形成された正極合剤層311および312とを含んでいる。なお、正極合剤層311は、正極集電体310の表裏の面のうちの、捲回体30の捲回中心から遠い方の面(外側の面)に形成されている。正極合剤層312は、正極集電体310の表裏の面のうちの、捲回体30の捲回中心に近い方の面(内側の面)に形成されている。
正極集電体310として、例えば、アルミニウムまたはチタン等の箔、平織金網、エキスパンドメタル、ラス網、またはパンチングメタル等を用いることができる。正極集電体310の厚さは、例えば、5〜30μmである。
正極合剤層311および312は、正極活物質と、導電電助剤と、バインダとを混合して形成される。正極活物質として、マンガン酸リチウム、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、酸化バナジウム、または酸化モリブデン等を用いることができる。導電助剤として、黒鉛、カーボンブラック、またはアセチレンブラック等を用いることができる。バインダとして、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を、単独または混合して用いることができる。
正極合剤層311および312は、カレンダ処理によって所定の密度に調整されている。正極合剤層311および312の密度は、2.0〜3.5g/cm3であり、より好ましくは、2.3〜3.3g/cm3である。正極合剤層311および312の厚さは、例えば、それぞれ20〜200μmである。
正極31は、捲回終端部側において、正極集電体310の一部が露出しており、かつ、表裏の面において合剤層の端部の位置が捲回体30の幅方向(x方向)において異なっている。すなわち、図3に示すように、正極集電体310の捲回終端部310bと、正極合剤層311の捲回終端部311bと、正極合剤層312の捲回終端部312bとは、捲回体30の幅方向(x方向)において、それぞれ異なる位置にある。
一方、正極集電体310の捲回始端部310aと、正極合剤層311の捲回始端部311aと、正極合剤層312の捲回始端部312aとは、捲回体30の幅方向(x方向)において、概略同じ位置にある。しかし、正極31の捲回始端部側の構成は任意である。捲回始端部310a、311a、および312aは、捲回体30の幅方向(x方向)において、それぞれ異なる位置にあっても良い。もっとも、これらが全て同じ位置にある場合には、正極集電体310を露出させる必要がないため、製造工程を簡略化できる。
負極32は、帯形状の負極集電体320と、負極集電体320の両面に形成された負極合剤層321および322とを含んでいる。なお、負極合剤層321は、負極集電体320の表裏の面のうちの、捲回体30の捲回中心から遠い方の面(外側の面)に形成されている。負極合剤層322は、負極集電体320の表裏の面のうちの、捲回体30の捲回中心に近い方の面(内側の面)に形成されている。
負極集電体320として、銅、ニッケル、またはステンレス等の箔、平織金網、エキスパンドメタル、ラス網、またはパンチングメタル等を用いることができる。負極集電体320の厚さは、例えば、5〜150μmである。
負極合剤層321および322は、負極活物質と、バインダとを混合して形成される。負極活物質として、天然黒鉛、メソフェーズカーボン、または非晶質カーボン等を用いることができる。バインダとして、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびヒドロキシメチルセルロース(HPC)等のセルロース、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム等のゴムバインダ、PTFE、ならびにPVDF等を、単独または混合して用いることができる。
負極活物質として、上記した炭素系の負極材料にかえて、金属材料(Li,Si,Al,Ge,Pb,As,Sb等)を含むいわゆる合金系の負極材料、または酸化物(SiO,TiO2,Nb2O5,MoO2等)を含む酸化物系の負極材料を用いても良い。また、これらを混合して用いても良い。
負極合剤層321および322は、カレンダ処理によって所定の密度に調整されている。負極合剤層321および322の密度は、使用する材料により最適に合わせる必要がある。例えば黒鉛材料であれば、1.0〜1.8g/cm3であり、より好ましくは、1.2〜1.6g/cm3である。負極合剤層321および322の厚さは、例えば、それぞれ20〜200μmである。
負極32は、捲回始端部側において、負極集電体320の一部が露出しており、かつ、表裏の面において合剤層の端部の位置が捲回体30の幅方向(x方向)において異なっている。すなわち、図3に示すように、負極集電体320の捲回始端部320aと、負極合剤層321の捲回始端部321aと、負極合剤層322の捲回始端部322aとは、捲回体30の幅方向(x方向)において、それぞれ異なる位置にある。
また、負極集電体320の捲回終端部320bと、負極合剤層321の捲回終端部321bと、負極合剤層322の捲回終端部322bとも、捲回体30の幅方向(x方向)において、それぞれ異なる位置にある。
捲回体30の最外周側において、正極集電体310の露出部分に、正極タブ35が接合されている。本実施形態では、正極集電体310の、正極合剤層312が形成される側の面に正極タブ35が接合されている。しかし、正極集電体310の、正極合剤層311が形成される側の面に正極タブ35が接合されていても良い。
図4Aは、正極タブ35の正面図であって、正極31の捲回終端部近傍を抜き出して示した図である。図4Aに示すように、正極タブ35は、捲回体30の捲回軸方向(z方向)に延在している。正極タブ35として、アルミニウムまたはチタン等を用いることができる。正極タブ35の厚さは、例えば2〜10μmである。
正極タブ35の一方の端部35aは、正極31の捲回軸方向(z方向)の一方の端部(底面11側の端部)31cの近傍に位置している。正極タブ35の端部35aと正極31の端部31cとの間の間隔g1は、3mm以下であることが好ましい。より好ましくは、1mm以下で正極集電体310から突出してはならない。
正極タブ35の他方の端部35bは、正極31の捲回軸方向(z方向)の一方の端部(蓋板20側の端部)31dから突出している。正極タブ35の端部35bと正極31の端部31dとの間の間隔g2は、10mm程度であることが好ましい。より好ましくは、3〜10mmである。
正極タブ35は、正極31の捲回軸方向(z方向)の両端部近傍のみで接合され、中央部分は接合されていないことが好ましい。より具体的には、正極タブ35と正極31の正極集電体310とは、図4Aにおいて一点鎖線で囲って示した領域S1とS2においてのみ接合されている。
さらに、底面11側の端部の領域S1の面積は、18〜27mm2であることが好ましい。より好ましくは、20〜25mm2である。また、蓋板20側の端部の領域S2の面積は、9〜18mm2であることが好ましい。より好ましくは、12〜15mm2である。
捲回体30の最内周側において、負極集電体320の露出部分に、負極タブ36が接合されている。本実施形態では、負極集電体320の、負極合剤層322が形成される側の面に負極タブ36が接合されている。しかし、負極集電体320の、負極合剤層321が形成される側の面に負極タブ36が接合されていても良い。
図4Bは、負極タブ36の正面図であって、負極32の捲回始端部近傍を抜き出して示した図である。図4Bに示すように、負極タブ36は、捲回体30の捲回軸方向(z方向)に延在している。負極タブ36として、銅、ニッケル、またはステンレス等を用いることができる。負極タブ36の厚さは、例えば2〜10μmである。
負極タブ36の一方の端部36aが、負極32の捲回軸方向(z方向)の一方の端部(底部11側の端部)32cの近傍に位置している。負極タブ36の端部36aと負極32の端部32cとの間の間隔g3は、3mm以下であることが好ましい。より好ましくは、1mm以下で負極集電体320から突出してはならない。
負極タブ36の他方の端部36bは、負極32の捲回軸方向(z方向)の一方の端部(蓋板20側の端部)32dから突出している。負極タブ36の端部36bと負極32の端部32dとの間の間隔g4は、10mm程度であることが好ましい。より好ましくは、3〜10mmである。
負極タブ36は、負極32の捲回軸方向(z方向)の両端部近傍のみで接合され、中央部分は接合されていないことが好ましい。より具体的には、負極タブ36と負極32の負極集電体320とは、図4Bにおいて一点鎖線で囲って示した領域S3とS4においてのみ接合されている。
さらに、底面11側の端部の領域S3の面積は、18〜27mm2であることが好ましい。より好ましくは、20〜25mm2である。また、蓋板20側の端部の領域S4の面積は、9〜18mm2であることが好ましい。より好ましくは、12〜15mm2である。
再び図3を参照して、捲回体30の説明を続ける。セパレータ33および34として、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、またはポリフェニルサルフィド(PPS)等の、多孔性フィルムまたは不織布を用いることができる。セパレータ33および34の厚さは、例えば5〜30μmである。より好ましくは10〜20μmである。
捲回体30とともに電池ケースCに封入されている非水電解液は、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液である。有機溶媒として、ビニレンカーボネート(VC)、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、またはγ‐ブチロラクトン等を、単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。リチウム塩として、LiPF6、LiBF4、またはLiN(CF3SO2)2等を用いることができる。
捲回体30において、負極合剤層321は、セパレータ33を間に介して、正極合剤層312と対向するように配置されている。負極合剤層322は、セパレータ34を間に介して、正極合剤層311と対向するように配置されている。非水電解液電池1の充放電では、正極合剤層311と負極合剤層322とが対向している部分、および正極合剤層312と負極合剤層321とが対向している部分において、ゲスト(例えば、リチウムイオン)の授受が行われる。
なお、正極合剤層311と負極合剤層322との対において、ゲストの受け側である負極合剤層322の面積は、正極合剤層311の面積よりも大きい必要がある。そのため、本実施形態では、負極合剤層322の捲回始端部322aは、正極合剤層311の捲回始端部311aよりも、負極集電体320の捲回始端部320a側にある。また、負極合剤層322の捲回終端部322bは、正極合剤層311の捲回終端部311bよりも、負極集電体320の捲回終端部320b側にある。
同様に、負極合剤層321の面積は、正極合剤層312の面積よりも大きい必要がある。そのため、本実施形態では、負極合剤層321の捲回始端部321aは、正極合剤層312の捲回始端部312aよりも、負極集電体320の捲回始端部320a側にある。また、負極合剤層321の捲回終端部321bは、正極合剤層312の捲回終端部312bよりも、負極集電体320の捲回終端部320b側にある。
非水電解液電池1では、正極合剤層311の捲回終端部311bは、捲回体30の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体30の内周側に位置している。さらに、正極合剤層312の捲回終端部312bは、捲回体30の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体30の外周側に位置している。換言すれば、負極タブ36は、捲回終端部311bと312bとの間に位置している。
[非水電解液電池1の製造方法]
以下に開示する製造方法は、例示であって本発明を限定するものではない。
以下に開示する製造方法は、例示であって本発明を限定するものではない。
正極活物質、導電助剤、およびバインダを、純水または有機溶媒中で十分に混合し、分散体(スラリー)を作製する。スラリーを、ダイコータ、スリットコータ、またはディップコータ等を用いて、正極集電体310の両面に塗布する。塗布後、スラリーを乾燥させ、続いて、カレンダ処理を行って所定の厚さおよび密度に調整する。これにより、正極集電体310に正極合剤層311および312が形成された正極31が得られる。正極31の、正極集電体310の露出部に、溶接または導電性接着材等により、正極タブ35を接合する。
負極活物質およびバインダを、純水または有機溶媒中で十分に混合し、分散体(スラリー)を作製する。スラリーを、ダイコータ、スリットコータ、またはディップコータ等を用いて、負極集電体320の両面に塗布する。塗布後、スラリーを乾燥させ、続いて、カレンダ処理を行って所定の厚さおよび密度に調整する。これにより、負極集電体320に負極合剤層321および322が形成された負極32が得られる。負極32の、負極集電体320の露出部に、溶接または導電性接着材等により、負極タブ36を接合する。
負極32、セパレータ33、正極31、およびセパレータ34を、この順番で積層する。積層体を、円形または楕円形の巻き芯を用いて、捲回機で捲回する。捲回後、巻き芯を抜き、一方向に圧力をかけて捲回体30を扁平形状にする。または、上記積層体を、扁平形状の巻き芯を用いて捲回機で捲回して、扁平形状の捲回体30を作製しても良い。
正極タブ35の端部35bと蓋板20とを溶接し、負極タブ36の端部36bとリード板25とを溶接する。捲回体30を外装缶10に収容し、外装缶10と蓋板20とを溶接する。蓋板20の注入口20bから、非水電解液を注入する。注入後、注入口20bを封止栓23によって封止し、注入口20bの周縁部と封止栓23の外周部とを溶接する。
[非水電解液電池1の効果]
非水電解液電池1の構成によれば、正極集電体310の一方の面に形成された正極合剤層311の捲回終端部311bと、正極集電体310の他方の面に形成された正極合剤層312の捲回終端部312bとは、捲回体30の幅方向(x方向)において、離れて形成される。これにより、捲回終端部311bによる段差と捲回終端部312bによる段差とが、捲回体30の幅方向(x方向)において分散される。したがって、充放電時に捲回体30が膨張する際に電池ケースCから受ける圧力が不均一になるのを緩和できる。その結果、特に、負極合剤層321および322に印加される力が均一になる。そのため、捲回体30の膨張が均一になり、捲回体30のうねりが抑制される。捲回体30のうねりが抑制されることによって、負極タブ36のねじれも抑制される。
非水電解液電池1の構成によれば、正極集電体310の一方の面に形成された正極合剤層311の捲回終端部311bと、正極集電体310の他方の面に形成された正極合剤層312の捲回終端部312bとは、捲回体30の幅方向(x方向)において、離れて形成される。これにより、捲回終端部311bによる段差と捲回終端部312bによる段差とが、捲回体30の幅方向(x方向)において分散される。したがって、充放電時に捲回体30が膨張する際に電池ケースCから受ける圧力が不均一になるのを緩和できる。その結果、特に、負極合剤層321および322に印加される力が均一になる。そのため、捲回体30の膨張が均一になり、捲回体30のうねりが抑制される。捲回体30のうねりが抑制されることによって、負極タブ36のねじれも抑制される。
より具体的には、正極合剤層311の捲回終端部311bは、捲回体30の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体30の内周側に位置する。そして、正極合剤層312の捲回終端部312bは、捲回体30の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体30の外周側に位置する。すなわち、負極タブ36の両側に捲回終端部311bおよび312bを配置する。これにより、負極タブ36が受ける圧力を均一化させることができる。
捲回体30は、捲回軸方向(z方向)、および捲回体幅方向(x方向)にも膨張する。そのため、図4Aに示したように、正極タブ35は、正極31の捲回軸方向(z方向)の両端部近傍のみで接合され、中央部分は接合されていないことが好ましい。全面を固定しないことによって、ひずみを緩和できるからである。負極タブ36についても同様に、負極32の捲回軸方向(z方向)の両端部近傍のみで接合され、中央部分は接合されていないことが好ましい。
この発明は、負極活物質として、金属または酸化物を含む材料を用いた場合に、特に好適に用いることができる。これらの負極活物質を含んだ負極32は、充電時の膨張率が特に大きいためである。一例を挙げれば、炭素系の負極材料の膨張率が約120%であるのに対し、金属材料を用いた負極材料では膨張率が200%に達する場合もある。
[比較形態]
ここで、本実施形態にかかる非水電解液電池1の効果を説明するため、仮想的な比較形態について述べる。図5は、比較形態にかかる非水電解液電池9の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池9は、非水電解液電池1が備えている捲回体30に代えて、捲回体90を備えている。
ここで、本実施形態にかかる非水電解液電池1の効果を説明するため、仮想的な比較形態について述べる。図5は、比較形態にかかる非水電解液電池9の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池9は、非水電解液電池1が備えている捲回体30に代えて、捲回体90を備えている。
捲回体90は、正極集電体910ならびに正極合剤層911および912からなる正極91と、負極集電体920ならびに負極合剤層921および922からなる負極92と、セパレータ33および34とを含んでいる。図5において、910a、911a、912a、920a、921a、および922aは、それぞれ正極集電体910、正極合剤層911、正極合剤層912、負極集電体920、負極合剤層921、および負極合剤層922の捲回始端部を示す参照符号である。910b、911b、912b、920b、921b、および922bは、それぞれ正極集電体910、正極合剤層911、正極合剤層912、負極集電体920、負極合剤層921、および負極合剤層922の捲回終端部を示す参照符号である。
捲回体90では、正極合剤層911の捲回終端部911bと正極合剤層912の捲回終端部912bとは、捲回体90の幅方向(x方向)において、概略同じ位置にある。そのため、この位置において、正極合剤層911および912の厚さを合わせた比較的大きな段差が存在する。さらに、捲回終端部911bおよび912bは、両方とも、捲回体90の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体90の外周側に位置している。
図6Aおよび図6Bは、非水電解液電池9において発生する捲回体90のうねりと、負極タブ36のねじれを説明するための図である。図6Aおよび図6Bは、非水電解液電池9の構成から、正極合剤層911の捲回終端部911bおよび正極合剤層912の捲回終端部912bの周辺と、負極タブ36とを抜き出して模式的に示した断面図である。図6Aおよび図6Bでは、正極集電体910、負極集電体920、ならびにセパレータ33および34の図示を省略している。
非水電解液電池9を充電すると、図6Aに矢印で示したように、負極92が膨張する。負極92の膨張により、捲回体90全体が膨張しようとする。しかし、捲回体90は通常、電池ケースCに殆ど隙間のない状態で収容されている。そのため、捲回体90は電池ケースC(図6Aでは電池ケースCの側壁12の平面部121)から、膨張を抑制する方向に圧力を受ける。
ここで、捲回体90には、正極合剤層911の捲回終端部911bと、正極合剤層912の捲回終端部912bとによる、比較的大きな段差が存在している。この段差の両側で、電池ケースCから受ける圧力が不均一になる。不均一な圧力を受けることによって、負極合剤層921および922は、不均一に膨張する。その結果、図6Bに示すように、捲回体90にうねりが生じる。
さらに、非水電解液電池9では、捲回終端部911bおよび912bは、両方とも、捲回体90の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体90の外周側に位置している。そのため、負極タブ36の両側で負極合剤層層921および922は、不均一に膨張する。すなわち、負極タブ36は、捲回体90のうねりを介して、捲回体90の幅方向(x方向)において、不均一な力を受ける。その結果、負極タブ36にねじれが生じる。負極タブ36のねじれは、非水電解液電池9を放電させて捲回体90の膨張を取り除いても、回復しない場合がある。
このような捲回体90のうねりと負極タブ36のねじれとは、非水電解液電池9の電池特性を悪化させる。また、電池ケースCからの圧力に抗して捲回体90が局所的に膨張し、非水電解液電池9は、厚み仕様に対して満足しない場合がある。
本実施形態にかかる非水電解液電池1の構成によれば、捲回終端部311bによる段差と捲回終端部312bによる段差とが、捲回体30の幅方向(x方向)において分散される。したがって、充放電時に捲回体30が膨張する際に電池ケースCから受ける圧力が不均一になるのを緩和できる。さらに、負極タブ36の両側に捲回終端部311bおよび312bを配置する。これにより、負極タブ36が受ける圧力を均一化させることができる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態にかかる非水電解液電池2の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池2は、非水電解液電池1が備える捲回体30に代えて、捲回体40を備えている。
図7は、本発明の第2の実施形態にかかる非水電解液電池2の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池2は、非水電解液電池1が備える捲回体30に代えて、捲回体40を備えている。
捲回体40は、捲回体30と比較して、負極の構成が異なっている。すなわち、捲回体40は、負極32に代えて、負極42を含んでいる。負極42は、負極集電体420と、負極合剤層421および422とを含んでいる。図7において、420a、421a、および422aは、それぞれ負極集電体420、負極合剤層421、および負極合剤層422の捲回始端部を示す参照符号である。420b、421b、および422bは、それぞれ負極集電体420、負極合剤層421、および負極合剤層422の捲回終端部を示す参照符号である。
本実施形態では、負極合剤層421の捲回終端部421bは、捲回体40の幅方向(x方向)において、正極合剤層312の捲回終端部312bと負極タブ36の間に位置している。これにより、負極合剤層421の捲回終端部421bは、捲回体40の幅方向(x方向)において、負極タブ36の両端の間に位置していない。なお、負極合剤層422の捲回終端部422bは、捲回体40の幅方向(x方向)において、正極合剤層311の捲回終端部311bと正極タブ35との間に位置している。
非水電解液電池2の構成によれば、負極合剤層421の捲回終端部421bおよび負極合剤層422の捲回終端部422bの両方が、捲回体40の幅方向(x方向)において、負極タブ36の両端の間に位置していない。換言すれば、捲回終端部421bおよび422bの両方が、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっていない。これにより、負極42が膨張した際、捲回終端部421bおよび422bの両側での膨張差によって、負極タブ36がねじれるのを防止することができる。
さらに非水電解液電池2の構成によれば、負極タブ36は、捲回体40の幅方向(x方向において、正極合剤層311の捲回終端部311bと正極合剤層312の捲回終端部312bとの間に位置しているだけでなく、負極合剤層421の捲回終端部421bと負極合剤層422の捲回終端部422bとの間にも位置している。これにより、負極タブ36の両側において、捲回体40から受ける圧力を対称にすることができる。そのため、負極タブ36がねじれるのを防止できる。
非水電解液電池2の構成は、非水電解液電池1の構成よりも好ましい。非水電解液電池1(図3)では、負極合剤層321の捲回終端部321bが、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっているからである。また、非水電解液電池1では、負極タブ36は、捲回終端部321bと322bとの間に位置していないからである。すなわち、非水電解液電池1の構成では、負極タブ36の一方側に一つの捲回終端部(312b)が存在し、他方側には2つの捲回終端部(311bおよび322b)が存在しているのに対し、非水電解液電池2の構成では、負極タブ36の両側に捲回終端部が2つづつ(312bと421b、および311bと422b)存在する。これにより、非水電解液電池2では、負極タブ36が受ける力が対称になる。そのため、非水電解液電池2の構成は、非水電解液電池1の構成よりも、負極タブ36にねじれが生じにくい。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる非水電解液電池3の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池3は、非水電解液電池1が備える捲回体30に代えて、捲回体50を備えている。
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる非水電解液電池3の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池3は、非水電解液電池1が備える捲回体30に代えて、捲回体50を備えている。
捲回体50は、捲回体30と比較して、負極の構成が異なっている。すなわち、捲回体50は、負極32に代えて、負極52を含んでいる。負極52は、負極集電体520と、負極合剤層521および522とを含んでいる。図8において、520a、521a、および522aは、それぞれ負極集電体520、負極合剤層521、および負極合剤層522の捲回始端部を示す参照符号である。520b、521b、および522bは、それぞれ負極集電体520、負極合剤層521、および負極合剤層522の捲回終端部を示す参照符号である。
本実施形態では、負極合剤層521の捲回終端部521bは、捲回体50の幅方向(x方向)において、負極タブ36と正極タブ35との間に位置している。なお、負極合剤層522の捲回終端部522bは、捲回体50の幅方向(x方向)において、正極合剤層311の捲回終端部311bと正極タブ35との間に位置している。
非水電解液電池3の構成によれば、非水電解液電池2と同様に、負極合剤層521の捲回終端部521bおよび負極合剤層522の捲回終端部522bの両方が、捲回体50の幅方向(x方向)において、負極タブ36の両端の間に位置していない。換言すれば、捲回終端部521bおよび522bの両方が、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっていない。これにより、負極52が膨張した際、捲回終端部521bおよび522bの両側での膨張差によって、負極タブ36がねじれるのを防止することができる。
非水電解液電池3の構成によれば、さらに、捲回終端部521bおよび522bは、両方とも正極タブ35と負極タブ36との間に位置している。正極タブ35および負極タブ36はそれぞれ一定の厚さを持っているため、正極タブ35と負極タブ36との間の部分において、捲回体50の厚さ(y方向の寸法)は最も薄くなる。この部分に捲回終端部521bおよび522bを位置させることで、捲回体50の最厚部の厚さを薄くできる。したがって、非水電解液電池3の構成は、非水電解液電池1および2の構成よりも好ましい。
なお、本実施形態では、負極集電体520の捲回終端部520bと、負極合剤層521の捲回終端部521bと、負極合剤層522の捲回終端部522bとは、捲回体50の幅方向(x方向)において、それぞれ異なる位置にある。しかし、負極52の捲回終端部側の構成は任意である。捲回終端部520b、521b、および522bのいずれかの一組または全てが、捲回体50の幅方向(x方向)において、同じ位置にあっても良い。特に、これらが全て同じ位置にある場合には、負極集電体520を露出させる必要がないため、製造工程を簡略化できる。
[非水電解液電池1〜3の変形例]
図9〜図11は、非水電解液電池1〜3の変形例にかかる非水電解液電池4〜6の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池4〜6は、それぞれ、捲回体60,70,80を備えている。
図9〜図11は、非水電解液電池1〜3の変形例にかかる非水電解液電池4〜6の概略構成を示す断面図である。非水電解液電池4〜6は、それぞれ、捲回体60,70,80を備えている。
捲回体60,70,80は、共通して、正極61ならびにセパレータ33および34を含んでいる。正極61は、正極集電体610と、正極合剤層611および612とを含んでいる。図9〜図11において、610a、611a、および612aは、それぞれ正極集電体610、正極合剤層611、および正極合剤層612の捲回始端部を示す参照符号である。610b、611b、および612bは、それぞれ正極集電体610、正極合剤層611、および正極合剤層612の捲回終端部を示す参照符号である。
非水電解液電池4〜6において、正極合剤層612の捲回終端部612bは、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体60(70,80)の内周側に位置する。さらに、正極合剤層611の捲回終端部611bは、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体60(70,80)の外周側に位置する。換言すれば、負極タブ36は、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において、捲回終端部611bと612bとの間に位置する。
これにより、非水電解液電池1〜3と同様に、捲回終端部611bによる段差と捲回終端部612bによる段差とが、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において分散される。したがって、充放電時に捲回体60(70,80)が膨張する際に電池ケースCから受ける圧力が不均一になるのを緩和できる。さらに、負極タブ36の両側に捲回終端部611bおよび612bを配置することにより、負極タブ36が受ける圧力を均一化させることができる。
非水電解液電池4〜6では、捲回体60(70,80)の外周側にある正極合剤層612の捲回終端部612bが、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において、負極タブ36よりも捲回体60(70,80)の内周側に位置している。
負極タブ36が捲回終端部611bと612bとの間に位置する構成としては、(A)捲回終端部612bが負極タブ36よりも外周側にあり、捲回終端部611bが負極タブ36よりも内周側にある構成、および(B)捲回終端部612bが負極タブ36よりも内周側にあり、捲回終端部611bが負極タブ36よりも外周側にある構成、が考えられる。非水電解液電池1〜3の構成は(A)の構成に相当し、非水電解液電池4〜6の構成は(B)の構成に相当する。
図9〜図11を参照すれば明らかなように、(B)の構成では、捲回体60(70,80)の内周側にある捲回終端部611bが、その外側にある捲回終端部612bよりも、捲回体60(70,80)の幅方向(x方向)において、外周側に位置している。そのため、正極61、負極62(72,82)、セパレータ33および34を隙間なく密着させて捲回した場合、捲回終端部611bにより、少なくとも正極合剤層612に屈曲部が生じる。一方、図3、図7および図8を参照すれば明らかなように、(A)の構成では、このような屈曲部は生じない。したがって、(B)の構成よりも、(A)の構成の方が好ましい。
図9を参照して、非水電解液電池4が備える捲回体60は、負極62を含んでいる。負極62は、負極集電体620と、負極合剤層621および622とを含んでいる。図9において、620a、621a、および622aは、それぞれ負極集電体620、負極合剤層621、および負極合剤層622の捲回始端部を示す参照符号である。620b、621b、および622bは、それぞれ負極集電体620、負極合剤層621、および負極合剤層622の捲回終端部を示す参照符号である。
非水電解液電池1と同様に、負極合剤層622の面積は、対向する正極合剤層611の面積より大きい必要があるため、負極合剤層622の捲回終端部622bは、正極合剤層611の捲回終端部611bよりも、負極集電体620の捲回終端部620b側にある。負極合剤層621の面積は、対向する正極合剤層612の面積より大きい必要があるため、負極合剤層621の捲回終端部621bは、正極合剤層612の捲回終端部612bよりも、負極集電体620の捲回終端部620b側にある。
図10を参照して、非水電解液電池5が備える捲回体70は、負極72を含んでいる。負極72は、負極集電体720と、負極合剤層721および722とを含んでいる。図10において、720a、721a、および722aは、それぞれ負極集電体720、負極合剤層721、および負極合剤層722の捲回始端部を示す参照符号である。720b、721b、および722bは、それぞれ負極集電体720、負極合剤層721、および負極合剤層722の捲回終端部を示す参照符号である。
負極合剤層722の捲回終端部722bは、捲回体70の幅方向(x方向)において、正極合剤層611の捲回終端部611bと負極タブ36との間に位置している。これにより、負極合剤層722の捲回終端部722bは、捲回体70の幅方向(x方向)において、負極タブ36の両端の間に位置していない。なお、負極合剤層721の捲回終端部721bは、捲回体70の幅方向(x方向)において、正極合剤層612の捲回終端部612bと正極タブ35との間に位置している。
非水電解液電池5の構成によれば、捲回終端部721bおよび722bの両方が、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっていない。これにより、負極72が膨張した際、捲回終端部721bおよび722bの両側での膨張差によって、負極タブ36がねじれるのを防止することができる。また、負極タブ36が、捲回終端部721bと722bとの間に位置している。これにより、負極タブ36の両側において、捲回体70から受ける圧力を対称にすることができる。したがって、非水電解液電池5の構成は、非水電解液電池4の構成よりも好ましい。非水電解液電池4(図9)では、負極合剤層622の捲回終端部622bが、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっているからである。また、非水電解液電池4では、負極タブ36は、捲回終端部621bと622bとの間に位置していないからである。すなわち、非水電解液電池4の構成では、負極タブ36の一方側に一つの捲回終端部(611b)が存在し、他方側には2つの捲回終端部(612bおよび621b)が存在しているのに対し、非水電解液電池5の構成では、負極タブ36の両側に捲回終端部が2つづつ(611bと722b、および612bと721b)存在する。これにより、非水電解液電池5では、負極タブ36が受ける力が対称になる。そのため、非水電解液電池5の構成は、非水電解液電池4の構成よりも、負極タブ36にねじれが生じにくい。
図11を参照して、非水電解液電池6が備える捲回体80は、負極82を含んでいる。負極82は、負極集電体820と、負極合剤層821および822とを含んでいる。図11において、820a、821a、および822aは、それぞれ負極集電体820、負極合剤層821、および負極合剤層822の捲回始端部を示す参照符号である。820b、821b、および822bは、それぞれ負極集電体820、負極合剤層821、および負極合剤層822の捲回終端部を示す参照符号である。
負極合剤層822の捲回終端部822bは、捲回体80の幅方向(x方向)において、負極タブ36と正極タブ35との間に位置している。なお、負極合剤層821の捲回終端部821bは、捲回体80の幅方向(x方向)において、正極合剤層612の捲回終端部612bと正極タブ35との間に位置している。
非水電解液電池6の構成によれば、非水電解液電池5と同様に、捲回終端部821bおよび822bの両方が、xz平面に投影したときに、負極タブ36と重なっていない。これにより、負極82が膨張した際、捲回終端部821bおよび822bの両側での膨張差によって、負極タブ36がねじれるのを防止することができる。
非水電解液電池6の構成によれば、さらに、捲回終端部821bおよび822bは、両方とも正極タブ35と負極タブ36との間に位置している。正極タブ35および負極タブ36はそれぞれ一定の厚さを持っているため、正極タブ35と負極タブ36との間の部分において、捲回体80の厚さ(y方向の寸法)は最も薄くなる。この部分に捲回終端部821bおよび822bを位置させることで、捲回体80の最厚部の厚さを薄くできる。したがって、非水電解液電池6の構成は、非水電解液電池4および5の構成よりも好ましい。
以上を整理すると、本明細書で開示した実施形態は、好ましい順番に、非水電解液電池3(図8)、非水電解液電池2(図7)、非水電解液電池1(図3)、非水電解液電池6(図11)、非水電解液電池5(図10)、非水電解液電池4(図9)となる。
[その他の実施形態]
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態にのみ限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
以上、本発明についての実施形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態にのみ限定されず、発明の範囲内で種々の変更が可能である。
非水電解液電池1〜6で示したように、本発明にかかる非水電解液電池は、一方の正極合剤層の捲回終端部(311b,612b)が、捲回体の幅方向において、負極タブよりも捲回体の内周側にあり、他方の正極合剤層の捲回終端部(312b,611b)が、捲回体の幅方向において、負極タブよりも捲回体の外周側にあれば良い。これにより、捲回終端部の段差を分散できるからである。
上記の構成において、非水電解液電池1〜3で示したように、捲回体の幅方向において、負極タブよりも捲回体の外周側に位置している正極合剤層の捲回終端部(312b)は、他方の正極合剤層の捲回終端部(311b)よりも、捲回体の外周側にあることが好ましい。これにより、外側の正極合剤層に屈曲部が存在しなくなるからである。
上記の構成において、非水電解液電池2,3,5,6で示したように、一方の負極合剤層の捲回終端部(421b,521b,722b,822b)は、捲回体の幅方向において、対向する正極合剤層の捲回終端部と正極タブとの間に位置し、かつ、負極タブの両端の間に位置せず、他方の負極合剤層の捲回終端部(422b,522b,721b,821b)は、捲回体の幅方向において、対向する正極合剤層の捲回終端部と正極タブとの間に位置していることが好ましい。負極合剤層の捲回終端部の両側での膨張差によって、負極タブがねじれるのを防止できるからである。
上記の構成において、非水電解液電池3および6で示したように、両方の捲回終端部が、前記幅方向において、正極タブと負極タブとの間に位置していることが好ましい。捲回体の最厚部の厚さを薄くできるからである。
本明細書では、正極タブが捲回体の最外周側に形成された構成を例示している。しかし、正極タブは、捲回体の最内周側(正極の捲回始端部側)に形成されていても良い。
本明細書では、捲回体がアルミニウム合金等で形成された外装缶と蓋板とからなる電池ケースに収容された構成を例示している。しかし、本発明はこれに限定されず、捲回体がラミネート外装体等に収容されている構成であっても良い。
本明細書では、非水電解液電池が、リチウムイオン二次電池である場合を例示している。本発明は、非水電解液電池が、リチウムイオン二次電池である場合に特に好適に用いることができる。しかし、本発明はこれに限定されず、発明の範囲で種々の非水電解液電池として実施が可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例]
<正極の作製>
「Li1.0Ni0.5Co0.2Mn0.3O2」と「Li1.036Co0.0991Al0.004Mg0.002Sr0.001Ti0.002Zr0.001O2」とを3:7の割合(質量比)で混合した正極活物質100質量部と、バインダであるPVDFを10質量%の濃度で含むN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、さらにNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
<正極の作製>
「Li1.0Ni0.5Co0.2Mn0.3O2」と「Li1.036Co0.0991Al0.004Mg0.002Sr0.001Ti0.002Zr0.001O2」とを3:7の割合(質量比)で混合した正極活物質100質量部と、バインダであるPVDFを10質量%の濃度で含むN‐メチル‐2‐ピロリドン(NMP)溶液20質量部と、導電助剤である人造黒鉛1質量部およびケッチェンブラック1質量部とを、二軸混練機を用いて混練し、さらにNMPを加えて粘度を調節して、正極合剤含有ペーストを調製した。
前記正極合剤含有ペースト(スラリー)を、厚みが15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した後、100℃で7時間の真空乾燥を行って、アルミニウム箔の両面に正極合剤層を形成した。その後、プレス(カレンダ)処理を行って、正極合剤層の厚さおよび密度を調節し、アルミニウム箔の露出部にニッケル製の正極タブを溶接して、長さ543mm、幅50mmの帯状の正極を作製した。得られた正極における正極合剤層は、片面あたりの厚みが65mmであった。
<負極の作製>
負極活物質である平均粒子径D50%が8μmであるSiO表面を炭素材料で被覆した複合体(複合体における炭素材料の量が10質量%)と、平均粒子径D50%が16μmである黒鉛とを、SiO表面を炭素材料で被覆した複合体の量が3.75質量%となる量で混合した混合物97.5質量部と、バインダであるSBR1.5質量部と、増粘剤であるCMC1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。
負極活物質である平均粒子径D50%が8μmであるSiO表面を炭素材料で被覆した複合体(複合体における炭素材料の量が10質量%)と、平均粒子径D50%が16μmである黒鉛とを、SiO表面を炭素材料で被覆した複合体の量が3.75質量%となる量で混合した混合物97.5質量部と、バインダであるSBR1.5質量部と、増粘剤であるCMC1質量部とに、水を加えて混合し、負極合剤含有ペーストを調製した。
前記負極合剤含有ペースト(スラリー)を、厚みが8μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布した後、160℃で24時間の真空乾燥を行って、銅箔の両面に負極合剤層を形成した。その後、プレス(カレンダ)処理を行って、負極合剤層の厚さおよび密度を調節し、銅箔の露出部にニッケル製の負極タブを溶接して、長さ626mm、幅51mmの帯状の負極を作製した。得られた負極における負極合剤層は、片面あたりの厚みが60μmであった。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との容積比3:7の混合溶媒に、LiPF6を1.1mol/Lの濃度で溶解させて、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を2.0質量%となる量、およびビニレンカーボネート(VC)を2.0質量%となる量で、それぞれ添加して、非水電解液を調製した。
エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との容積比3:7の混合溶媒に、LiPF6を1.1mol/Lの濃度で溶解させて、フルオロエチレンカーボネート(FEC)を2.0質量%となる量、およびビニレンカーボネート(VC)を2.0質量%となる量で、それぞれ添加して、非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
前記帯状の正極を、厚みが16μmのリチウム二次電池用PE製セパレータを介して前記帯状の負極に重ね、捲回した後、偏平状になるように加圧した。捲回体は、構造が第1の実施形態にかかる捲回体30(図3)に準ずるように作製した。
前記帯状の正極を、厚みが16μmのリチウム二次電池用PE製セパレータを介して前記帯状の負極に重ね、捲回した後、偏平状になるように加圧した。捲回体は、構造が第1の実施形態にかかる捲回体30(図3)に準ずるように作製した。
次に、外寸が厚み4.4mm、幅45.8mm、高さ55.3mmのアルミニウム合金製の角型の電池ケースに前記電極捲回体を挿入し、集電タブの溶接を行うとともに、アルミニウム合金製の蓋板を電池ケースの開口端部に溶接した。その後、蓋板に設けた注入口から前記非水電解液を注入し、1時間静置した後注入口を封止した。その後、化成工程を経て、図1に示す構造のリチウム二次電池を得た。
[比較例]
捲回体を、構造が比較形態にかかる捲回体90(図5)に準ずるように作製した。それ以外は実施例と同様にして、リチウム二次電池を得た。
捲回体を、構造が比較形態にかかる捲回体90(図5)に準ずるように作製した。それ以外は実施例と同様にして、リチウム二次電池を得た。
[膨れ量測定]
厚み測定器として、デジタルマイクロメータ(ミツトヨ製)を用いた。測定端子はφ6mm、測定圧は5〜10Nとし、実施例および比較例で作製した電池各10個の厚みを測定した。
厚み測定器として、デジタルマイクロメータ(ミツトヨ製)を用いた。測定端子はφ6mm、測定圧は5〜10Nとし、実施例および比較例で作製した電池各10個の厚みを測定した。
図12は、膨れ量測定における、厚みの測定箇所を示す図である。図12(a)はリチウム二次電池の正面図であり、図12(b)は平面図であり、それぞれ寸法を付して示している。図12(a)には、正極タブ35および負極タブ36の位置に、ハッチングを付して模式的に示している。各電池について、負極タブ36の近傍の12点(P1〜P12)の厚みを化成前後で測定した。各点の厚みは、5回測定して平均値を求めた。化成前後で厚みの差が最も大きかった点における、化成前後の厚みの差(膨れ量)を調べた。
実施例で作製した電池10個のそれぞれについて、上記のように膨れ量(mm)を求め、平均値を算出した。比較例で作製した電池10個のそれぞれについても同様に、上記のように膨れ量(mm)を求め、平均値を算出した。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例のリチウム二次電池は、比較例のリチウム二次電池と比較して、膨れ量が小さかった。本発明により、捲回体が均一に膨張し、うねりの発生が防止できたためであると考えられる。
本発明は、扁平形状の捲回体を備える非水電解液電池として産業上の利用が可能である。
Claims (7)
- 正極および負極がセパレータを介して捲回された扁平形状の捲回体と、
前記負極に接合され、前記捲回体の捲回軸方向に延在した負極タブとを備え、
前記正極は、帯形状の正極集電体と、前記正極集電体の一方の面に形成された第1正極合剤層と、前記正極集電体の他方の面に形成された第2正極合剤層とを含み、
前記捲回体の主面と平行で、かつ捲回軸方向と垂直な方向を幅方向とし、
前記第1正極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記負極タブよりも前記捲回体の内周側に位置し、
前記第2正極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記負極タブよりも前記捲回体の外周側に位置し、
前記負極タブは、前記捲回体の最内周側において、前記負極の集電体の露出部分に接合されている、非水電解液電池。 - 前記第2正極合剤層の捲回終端部は、前記第1正極合剤層の捲回終端部よりも、前記捲回体の外周側にある、請求項1に記載の非水電解液電池。
- 前記正極に接合され、前記捲回体の捲回軸方向に延在した正極タブをさらに備え、
前記正極タブは、前記捲回体の最外周側において、前記正極集電体の露出部分に接合されており、
前記負極は、帯形状の負極集電体と、前記セパレータを介して前記第2正極合剤層と対向するように前記負極集電体の一方の面に形成された第1負極合剤層と、前記負極集電体の他方の面に形成された第2負極合剤層とを含み、
前記第1負極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記第2正極合剤層の捲回終端部と前記正極タブとの間に位置し、かつ、前記負極タブの両端の間に位置せず、
前記第2負極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記第1正極合剤層の捲回終端部と前記正極タブとの間に位置している、請求項1または2に記載の非水電解液電池。 - 前記第1負極合剤層の捲回終端部は、前記幅方向において、前記正極タブと前記負極タブとの間に位置している、請求項3に記載の非水電解液電池。
- 前記負極タブは、一方の端部が前記負極の捲回軸方向の一方の端部近傍に位置するように形成され、他方の端部が前記負極の捲回軸方向の他方の端部から突出するように形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非水電解液電池。
- 前記負極タブは、前記負極の捲回軸方向の両端部近傍のみで接合され、中央部分は接合されていない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非水電解液電池。
- 前記第1および第2負極合剤層は、金属または酸化物を含んでいる、請求項3〜6のいずれか一項に記載の非水電解液電池。
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