JP5226540B2 - インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム - Google Patents

インバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム Download PDF

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Description

本発明は、直流電力を交流電力に変換するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路、このインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステム、このインバータ制御回路を実現するためのプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体に関する。
従来、太陽電池などによって生成される直流電力を交流電力に変換して出力するインバータシステムが開発されている。
図6は、従来の系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。系統連系インバータシステム100は、太陽電池を備えた直流電源110により生成された直流電力を、インバータ回路120で交流電力に変換し、商用電力系統150に供給するものである。インバータ制御回路160は、インバータ回路120を制御するPWM信号を生成するものである。系統連系インバータシステム100の電源容量は商用電力系統150の電源容量と比べて十分小さいものなので、系統連系インバータシステム100の出力の規定内の電圧変動や周波数変動は商用電力系統150に影響を与えない。また、商用電力系統150での負荷変動は商用電力系統150内で補償されるため、系統連系インバータシステム100が商用電力系統150の電圧制御や周波数制御を行う必要はない。したがって、インバータ制御回路160は、電流制御に関する補償のみを実施すればよいので、電流センサ170で計測した出力電流が目標電流となるように、フィードバック制御を行なっている。
近年、太陽光などの自然エネルギーを用いた分散型電源と負荷とを持つ小規模系統で、電源および熱源を一括管理し、既存の商用電力系統から独立して運転可能な電力供給システムである「マイクログリッド」という概念が注目されている。
図7は、小規模回転機形発電機系統に系統連系インバータを連系させた状態を説明するための図である。これは、マイクログリッドの自立状態や、離島などの小規模系統での電力供給システムを表している。小規模回転機形発電機系統は、複数の回転機形発電機DG(Diesel Generator)、複数の分散型電源DPS(Dispersed-type Power Source)、および、複数の負荷Lを備えている。回転機形発電機DGは、燃料の燃焼によりタービンを回転させて発電するものであり、例えば、ディーゼル発電機などである。分散型電源DPSは、太陽光や風力などの自然エネルギーを系統に供給可能な電力に変換するものであり、例えば、太陽電池を有する系統連系インバータシステムなどである。小規模回転機形発電機系統では、回転機形発電機DGの負担を低減して燃料を節約するために分散型電源DPSが積極活用され、系統内の不足電力分を回転機形発電機DGで補うような運用が行なわれる。
特開2000‐83324号公報
図7の小規模回転機形発電機系統において、分散型電源DPSとして系統連系インバータシステム100(図6参照)を用いた場合、所定の目標電流に制御された交流電力が小規模回転機形発電機系統に供給される。したがって、直流電源110が生成する直流電力が変動すると、系統連系インバータシステム100の供給電圧が変動する。系統連系インバータシステム100の電源容量は、小規模回転機形発電機系統の電源容量と比較して十分小さいとはいえないので、系統連系インバータシステム100の供給電圧の変動により、小規模回転機形発電機系統の電圧が変動する。また、回転機形発電機DGが電圧制御および周波数制御を行うが、出力特性の応答が遅いため、系統内で負荷変動が生じた場合の変動抑制制御を充分にすることができない。したがって、系統に接続された負荷Lに過電圧が印加されたり、電圧不足となって、誤動作などを引き起こす場合がある。
また、小規模回転機形発電機系統において負荷が増加した場合、負荷変動時に応答速度の速い系統連系インバータシステム100が多くの電力供給を行おうと動作する。これにより、系統連系インバータシステム100が許容範囲を超えた電力供給を行うこととなって、保護機能により系統から解列される場合がある。1つのインバータシステムが解列されるとさらに電力供給バランスがくずれ、系統上のインバータシステムが次々と解列される系統擾乱が発生するという問題がある。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、小規模回転機形発電機系統で使用された場合に、回転機形発電機DGと協調して系統に安定した電力供給を行うことができるインバータシステムのインバータ制御回路を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路は、直流電源で生成される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路であって、前記直流電源の直流電圧とその目標電圧とから、前記インバータ回路の出力電圧信号の角周波数と前記電力系統の系統電圧信号の角周波数との必要な角周波数差を算出する角周波数差算出手段と、前記系統電圧信号の角周波数を検出する角周波数検出手段と、前記角周波数検出手段によって検出された角周波数に前記角周波数差を加算した修正角周波数から指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、を備えていることを特徴とする。
この構成によると、前記直流電源の直流電圧とその目標電圧とから算出された角周波数差に基づいて前記インバータ回路の出力電流が変化し、前記直流電源の直流電圧が前記目標電圧となるように制御される。したがって、前記直流電源の直流電圧が増加すると、前記インバータ回路の出力電圧信号の角周波数が上昇して、前記直流電源が出力する有効電力を積極的に前記電力系統に供給することができる。また、周波数制御を行うので、前記電力系統に接続された回転機形発電機と同様の特性を持つことになり、前記回転機形発電機と協調して前記電力系統に安定した電力供給を行うことができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記角周波数差算出手段は、前記直流電源の直流電圧と前記目標電圧との偏差に基づいてフィードバック制御を行って直流電圧補正値を算出する直流電圧補正値算出手段と、前記直流電圧補正値算出手段によって算出された直流電圧補正値に所定値を乗じて前記角周波数差を算出する乗算手段と、を備えており、前記所定値は、前記目標電圧に乗算した積が前記系統電圧信号の角周波数と一致するように設定されている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記角周波数差算出手段は、前記直流電圧補正値算出手段の制御の時定数を設定する時定数設定手段をさらに備えており、前記時定数設定手段は、負荷変動時や前記直流電源の出力変動時に、前記時定数を小さな値に設定する。
この構成によると、負荷変動時や前記直流電源の出力変動時に、制御の応答速度を速くすることができるので、変動に追従することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記時定数設定手段は、前記時定数として、前記インバータ回路の出力電流の微分値に応じた値を設定する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記インバータ回路の出力電流から無効分電流を算出する無効分電流算出手段と、前記系統電圧信号と目標系統電圧との偏差から系統電圧補正値を算出する系統電圧補正値算出手段と、前記系統電圧補正値から修正補正値を算出して出力する算出手段と、前記算出手段から出力される修正補正値とゼロ出力とを切り替えて目標無効分電流として出力する目標切替手段と、前記無効分電流算出手段によって算出された無効分電流と前記目標切替手段によって出力された目標無効分電流との偏差から無効分電流補正値を算出する無効分電流補正値算出手段と、をさらに備えており、前記算出手段は、前記系統電圧補正値と前回の修正補正値との間の値を前記修正補正値として算出し、前記指令値信号生成手段は、前記修正角周波数と前記無効分電流補正値とから指令値信号を生成し、前記角周波数差算出手段は、前記直流電圧補正値算出手段の制御の時定数を2つの値で切り替える時定数切替手段をさらに備えており、前記目標切替手段が出力をゼロ出力に切り替え、前記時定数切替手段が前記時定数を小さい方の値に切り替えた第1の状態と、前記目標切替手段が出力を前記算出手段から出力される修正補正値に切り替え、前記時定数切替手段が前記時定数を大きい方の値に切り替えた第2の状態とを選択できる。
この構成によると、前記第1の状態と前記第2の状態とを切り替えることができるので、出力する無効電力をゼロとし積極的に有効電力を出力する必要がある小規模回転機形発電機系統にも、制御の応答速度を遅くする必要がある小規模単独系統にも連系することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記角周波数差算出手段は、前記時定数を設定する時定数設定手段をさらに備えており、前記第1の状態においては、前記時定数切替手段が前記時定数を小さい方の値に切り替える代わりに、前記時定数設定手段が時定数を設定する。
この構成によると、前記第1の状態に切り替えられているときに、負荷変動時や前記直流電源の出力変動時に、制御の応答速度を速くすることができるので、変動に追従することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記角周波数検出手段はPLL回路である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記指令値信号生成手段は、前記修正角周波数を角周波数とする正弦波を生成する。
本発明の第2の側面によって提供される系統連系インバータシステムは、本発明の第1の側面によって提供されるインバータ制御回路を備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記直流電源と前記インバータ回路との間にDC/DCコンバータ回路が設けられており、前記インバータ回路は、入力端に並列接続されたコンデンサを備えている。
この構成によると、前記コンデンサの容量に応じた慣性力を有する回転機形発電機と同様の特性を有する。また、前記DC/DCコンバータ回路がコンバータ出力電流をインバータ入力電流に制御するので、コンデンサ容量、すなわち慣性力を制御することができる。
本発明の第3の側面によって提供されるプログラムは、コンピュータを、直流電源で生成される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、前記直流電源の直流電圧とその目標電圧とから、前記インバータ回路の出力電圧信号の角周波数と前記電力系統の系統電圧信号の角周波数との必要な角周波数差を算出する角周波数差算出手段と、前記系統電圧信号の角周波数を検出する角周波数検出手段と、前記角周波数検出手段によって検出された角周波数に前記角周波数差を加算した修正角周波数から指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、して機能させる。
本発明の第4の側面によって提供される記録媒体は、本発明の第3の側面によって提供されるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴とする。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明に係るインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステムの第1実施形態を説明するためのブロック図である。 PLL回路の一例を説明するための図である。 本発明に係る系統連系インバータシステムの第2実施形態を説明するための回路構成例である。 小規模単独系統に系統連系インバータシステムを連系させた状態を説明するための図である。 本発明に係る系統連系インバータシステムの第3実施形態を説明するためのブロック図である。 従来の系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。 小規模回転機形発電機系統に系統連系インバータシステムを連系させた状態を説明するための図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係るインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステムの第1実施形態を説明するためのブロック図である。
系統連系インバータシステムAは、直流電源A1、インバータ回路A2、フィルタ回路A3、変圧回路A4、インバータ制御回路A5、直流電圧センサA6、電流センサA7、系統電圧センサA8を備えている。直流電源A1は、インバータ回路A2に接続している。インバータ回路A2、フィルタ回路A3、および変圧回路A4は、この順で、U相、V相、W相の出力電圧の出力ラインに直列に接続されている。インバータ回路A2にはインバータ制御回路A5が接続されている。系統連系インバータシステムAは、直流電源A1により生成された直流電力を、インバータ回路A2で交流電力に変換し、小規模回転機形発電機系統B(以下、場合により「系統B」と省略する。)に供給するものである。
直流電源A1は、直流電力を生成するものであり、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池を備えている。
インバータ回路A2は、三相インバータであり、図示しない3組6個のスイッチング素子を備えたPWM制御型インバータ回路である。インバータ回路A2は、インバータ制御回路A5から入力されるPWM信号に基づいて各スイッチング素子をオンオフ動作させることで、直流電源A1から入力される直流電力を交流電力に変換する。
フィルタ回路A3は、リアクトルとキャパシタとを備えたローパスフィルタである。フィルタ回路A3は、インバータ回路A2から出力される交流電圧に含まれるスイッチングノイズを除去する。変圧回路A4は、フィルタ回路A3から出力される交流電圧を系統電圧とほぼ同一のレベルに昇圧または降圧する。
直流電圧センサA6は、直流電源A1から出力される直流電圧を検出するものである。検出された直流電圧信号は、インバータ制御回路A5に入力される。電流センサA7は、変圧回路A4から出力される交流電流を検出するものである。検出された交流電流信号は、インバータ制御回路A5に入力される。系統電圧センサA8は、系統Bの各相の電圧(以下、「系統電圧」という。)を検出するものである。検出された系統電圧信号は、インバータ制御回路A5に入力される。
インバータ制御回路A5は、インバータ回路A2のスイッチング素子のオンオフ動作を制御するPWM信号を生成するものである。インバータ制御回路A5は、直流電圧センサA6から直流電圧信号を入力され、電流センサA7から交流電流信号を入力され、系統電圧センサA8から系統電圧信号を入力され、これらの信号を用いてPWM信号を生成して、インバータ回路A2に出力する。インバータ制御回路A5は、PI制御回路11、時定数設定回路12、乗算器13、PLL(Phase-Locked Loop)回路14、αβ変換回路21、dq変換回路22、PI制御回路23、指令値信号生成回路31、およびPWM信号生成回路32を備えている。
PI制御回路11は、直流電圧センサA6が検出した直流電圧Eiと予め設定されている目標直流電圧E*との偏差に基づいてPI制御を行い、補正値を乗算器13に出力するものである。時定数設定回路12は、電流センサA7が検出した交流電流信号に基づいて、PI制御回路11の時定数を設定するものである。本実施形態においては、交流電流信号の微分値の絶対値に応じて、当該絶対値が大きい場合は時定数が小さな値となり、当該絶対値が小さい場合は時定数が大きな値となるように設定している。なお、負荷変動があったときや、直流電源A1の生成電力が急変したときに、PI制御回路11の時定数を小さくして応答速度を早くすることが目的なので、時定数の設定の方法はこれに限られない。たとえば、直流電圧センサA6が検出した直流電圧信号や、系統電圧センサA8が検出した系統電圧信号に基づいて時定数を設定するようにしてもよい。
乗算器13は、PI制御回路11から入力される補正値に所定の値Kを乗算することで、電力供給バランスに必要な、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数と系統電圧信号の角周波数との角周波数差Δωを擬似的に算出して出力するものである。所定の値Kは、目標直流電圧E*に乗算した積(K・E*)が系統電圧信号の角周波数ω0と一致するように設定されている。
PLL回路14は、系統電圧センサA8より入力される系統電圧信号から、系統電圧信号の角周波数ω0を検出するものである。検出された角周波数ω0は、乗算器13から出力された角周波数差Δωと加算される。
図2は、PLL回路14の一例を説明するための図である。PLL回路14は、αβ変換回路141、dq変換回路142、PI制御回路143、VCO(Voltage Controlled Oscillator)回路144を備えている。αβ変換回路141は、系統電圧センサA8より入力される3相の電圧信号Vu、Vv、Vwを2相の電圧信号Vα、Vβに変換するものである。dq変換回路142は、αβ変換回路141から電圧信号Vα、Vβが入力され、VCO回路144から位相θが入力される。dq変換回路142は、電圧信号Vα、Vβの位相θとの位相差成分Vdと同相成分Vqとを算出する。PI制御回路143は、位相差成分VdがゼロとなるようにPI制御を行ない、補正値を出力する。この補正値を系統電圧信号の目標角周波数ωs *に加算した角周波数ω0が、VCO回路144に出力される。VCO回路144は、入力に応じた位相θをdq変換回路142に出力する。このフィードバック制御により、位相差成分Vdがゼロになったところでロックされる。このとき、位相θが系統電圧の位相と一致する。したがって、PLL回路14から出力される角周波数ω0は、系統電圧信号の角周波数と一致することになる。
図1に戻って、αβ変換回路21は、電流センサA7より入力される3相の電流信号Iu、Iv、Iwを2相の電流信号Iα、Iβに変換するものである。dq変換回路22は、αβ変換回路21から電流信号Iα、Iβが入力され、VCO回路144から位相θが入力される。dq変換回路22は、電流信号Iα、Iβの位相θとの位相差成分Idと同相成分Iqとを算出する。この位相差成分Idは、インバータ回路A2の出力電流のうちの出力電圧と位相が異なる電流成分であり、無効電力となるものなので、以下、無効分電流という。PI制御回路23は、無効分電流Idと目標無効分電流との偏差に基づいてPI制御を行い、補正値を指令値信号生成回路31に出力するものである。
本実施形態では、目標無効分電流をゼロとしている。これは、小規模回転機形発電機系統Bには回転機形発電機が接続されているので、無効電力を回転機形発電機に供給させ、系統連系インバータシステムAが出力電力をすべて有効電力として出力できるようにするためである。
指令値信号生成回路31は、PLL回路14が検出する系統電圧信号の角周波数ω0に乗算器13から出力される角周波数差Δωを加算した修正角周波数(ω0+Δω)、およびPI制御回路23が出力する補正値が入力され、指令値信号を生成するものである。具体的には、指令値信号生成回路31は、入力される修正角周波数(ω0+Δω)を時間tで積分したものを位相とし、入力される補正値に基づいて振幅を変化された正弦波を生成する。指令値信号生成回路31は、この正弦波をU相の指令値信号として、PWM信号生成回路32に出力する。また、指令値信号生成回路31は、U相の指令値信号より位相が(1/3)π遅れた正弦波をV相の指令値信号として、(2/3)π遅れた正弦波をW相の指令値信号として、PWM信号生成回路32に出力する。
PWM信号生成回路32は、指令値信号生成回路31より入力されるU相、V相、W相の指令値信号と予め設定されているキャリア信号との差分に基づいて、デッドタイムを付加したU相、V相、W相のパルス信号をそれぞれ生成する。PWM信号生成回路32は、生成されたU相、V相、W相のパルス信号をそれぞれU相、V相、W相のPWM信号としてインバータ回路A2に出力する。インバータ回路A2のU相、V相、W相のスイッチング素子は、それぞれU相、V相、W相のPWM信号に基づいてオンオフ動作する。なお、PWM信号生成回路32は、U相、V相、W相のパルス信号を反転したパルス信号も生成し、逆相のPWM信号としてインバータ回路A2に出力する。インバータ回路A2のU相、V相、W相の各スイッチング素子に直列接続されているスイッチング素子は、それぞれ逆相のPWM信号に基づいて、U相、V相、W相の各スイッチング素子とは反対にオンオフ動作する。
次に、系統連系インバータシステムAの動作について説明する。
インバータ回路A2は、直流電源A1が出力する直流電力を交流電力に変換する。フィルタ回路A3は、インバータ回路A2が出力する交流電圧のスイッチングノイズを除去する。変圧回路A4は、フィルタ回路A3が出力する交流電圧を変圧して、系統Bに供給する。インバータ制御回路A5は、直流電圧センサA6が検出した直流電圧信号、電流センサA7が検出した交流電流信号、および系統電圧センサA8が検出した系統電圧信号に基づいてPWM信号を生成し、インバータ回路A2に出力する。
例えば日射強度が増加するなどして、直流電源A1の出力する直流電圧Eiが目標直流電圧E*より大きくなった場合、直流電圧の増加量がPI制御回路11に入力され、プラスの値の補正値が出力される。乗算器13は、この補正値に対応するプラスの角周波数差Δωを出力する。したがって、指令値信号生成回路31が出力する正弦波は、この角周波数差Δωの分だけ角周波数が大きいものとなる。インバータ制御回路A5は、出力するPWM信号を変化させて、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数を指令値信号生成回路31が出力する正弦波に応じて大きくする。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が増加されて、直流電源A1の出力する直流電圧Eiが減少する。一方、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数の増加による系統電圧信号の角周波数ω0の増加は、系統Bで吸収されて、目標角周波数ωs *に制御される。
逆に、直流電圧Eiが目標直流電圧E*より小さくなった場合、指令値信号生成回路31が出力する正弦波は、角周波数が小さいものとなる。インバータ制御回路A5は、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数を指令値信号生成回路31が出力する正弦波に応じて小さくする。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が減少されて、直流電圧Eiが増加する。一方、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数の減少による系統電圧信号の角周波数ω0の減少は、系統Bで吸収されて、目標角周波数ωs *に制御される。
負荷の変動により系統Bで有効電力の需要が増加した場合、系統電圧信号の角周波数が減少するので、PLL回路14が出力する系統電圧信号の角周波数ω0が減少する。すると、指令値信号生成回路31が出力する正弦波は、角周波数ω0の減少分だけ角周波数が小さいものとなり、インバータ回路A2の出力電圧の角周波数も小さくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が減少されて、直流電圧Eiが増加する。直流電圧Eiの増加により、乗算器13が出力する角周波数差Δωが増加し、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数が大きくなって、有効電力が系統Bに供給される。
逆に、有効電力の需要が減少した場合、系統電圧信号の角周波数が増加するので、PLL回路14が出力する系統電圧信号の角周波数ω0が増加する。すると、指令値信号生成回路31が出力する正弦波は、角周波数ω0の増加分だけ角周波数が大きいものとなり、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数も大きくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する電流が増加されて、直流電圧Eiが減少する。直流電圧Eiの減少により、乗算器13が出力する角周波数差Δωが減少し、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数が小さくなって、系統Bへの有効電力の供給が抑制される。
負荷の変動により系統Bで無効電力の需要が増加した場合でも、インバータ制御回路A5は出力する無効電力をゼロにする制御を行なっているので、系統連系インバータシステムAは無効電力の供給を行わない。具体的には、電流センサA7により検出された交流電流信号から、αβ変換回路21およびdq変換回路22により、無効分電流Idが算出される。無効分電流Idがプラスの場合、PI制御回路23はマイナスの補正値を出力する。これにより、指令値信号生成回路31から出力される正弦波の振幅が小さくなる。インバータ制御回路A5は、出力するPWM信号を変化させて、インバータ回路A2の出力電圧の振幅を指令値信号生成回路31が出力する正弦波に応じて小さくする。これにより、インバータ回路A2が出力する無効分電流が減少する。
逆に、無効分電流Idがマイナスの場合、PI制御回路23はプラスの補正値を出力し、指令値信号生成回路31から出力される正弦波の振幅が大きくなる。インバータ制御回路A5は、インバータ回路A2の出力電圧の振幅を指令値信号生成回路31が出力する正弦波に応じて大きくする。これにより、インバータ回路A2が出力するマイナスの無効分電流が減少する。なお、無効電力は、系統Bに接続されている回転機形発電機DGが供給する。
次に、系統連系インバータシステムAの作用について説明する。
本実施形態において、系統連系インバータシステムAのインバータ制御回路A5は、直流電源A1の出力電圧Eiを用いて周波数制御を行なう。これにより、系統連系インバータシステムAは、回転機形発電機DGと同様の特性を持つことになり、回転機形発電機DGと協調して小規模回転機形発電機系統Bに安定した電力供給を行うことができる。
また、インバータ制御回路A5は、直流電源A1の出力電圧Eiが目標直流電圧E*より大きくなったときに、インバータ回路A2の出力電圧信号の角周波数を上昇させるように制御するので、直流電源A1が出力する有効電力を積極的に小規模回転機形発電機系統Bに供給することができる。また、インバータ制御回路A5は、無効電力の出力をゼロにするように制御するので、直流電源A1の生成した電力がすべて有効電力として出力される。したがって、回転機形発電機DGが出力すべき有効電力は抑制されて、必要な燃料を抑制することができる。
また、インバータ回路A2のスイッチング素子に流れる無効分電流が抑制されるので、過電流に対する保護機能によりインバータ回路A2が停止されることを抑制することができる。
本実施形態において、時定数設定回路12は、インバータ回路A2の出力電流が急変した場合にその変化率に応じて、PI制御回路11の時定数を小さな値に設定する。したがって、負荷変動や直流電源A1の出力変動があったときには、PI制御回路11の応答速度が速くなり、変動に追従することができる。なお、時定数設定回路12を設けずに、時定数を充分小さな固定値としてもよい。この場合は、出力電流の変化率に応じて応答速度を変更することはできないが、応答速度の速い制御をすることができる。
上記第1実施形態において、系統連系インバータシステムAは周波数制御で電力授受を実現している。この制御系は回転機形発電機DGと共通しているので、系統連系インバータシステムAは、小規模回転機形発電機系統Bにおいて、回転機形発電機DGと同様に考えることができる。ところで、回転機形発電機DGの特性、特にロバスト性は、回転子の慣性力によって大きく左右される。そこで、系統連系インバータシステムAを回転機形発電機DGと同様に考えた場合の回転機特性を左右する要因を以下に検討する。
回転機形発電機DGの運動方程式は、下記(1)式のように表される。
Figure 0005226540
一方、系統連系インバータシステムAの特性方程式が、以下により導き出せる。
図1に示す乗算器13は、インバータ回路A2に入力される直流電圧Eiと目標直流電圧E*との偏差から、下記(2)式により、角周波数差Δωを算出する。(2)式の両辺を時間tで微分すると、下記(3)式が導き出される。
Figure 0005226540
次に、キルヒホフの法則から、下記(4)式が導き出される。なお、Cはインバータ回路A2の入力端に並列に設けられた図示しないコンデンサの容量であり、IcおよびIiは当該コンデンサを流れる電流およびインバータ回路A2に流れる電流であり、EsおよびRsは直流電源A1が生成した直流電圧および直流電源A1の抵抗である。
Figure 0005226540
(3)式の両辺にCをかけて、(4)式を代入すると下記(5)式が導き出される。
Figure 0005226540
(2)式を変形して、(5)式に代入すると、下記(6)式が導き出される。
Figure 0005226540
ここで、系統電圧とインバータ回路A2の出力電圧の位相差をδとすると、下記(7)式となる。(7)式の両辺を時間tで微分すると、下記(8)式が導き出される。(7)、(8)式を(6)式に代入して変形すると、下記(9)式が導き出される。
Figure 0005226540
回転機形発電機DGの運動方程式である(1)式と、系統連系インバータシステムAの特性方程式である(9)式とを比較すると、回転機形発電機DGの慣性定数Jsおよび制動係数Dsは、それぞれ系統連系インバータシステムAのCおよび1/Rsに対応する。すなわち、系統連系インバータシステムAが慣性力の大きな回転機形発電機DGと同様の振る舞いをするためには、容量の大きなコンデンサが必要となる。また、系統連系インバータシステムAの安定性を向上させるためには慣性力を増減することが必要である。インバータ回路2の入力端に高速応答が可能なDC/DCコンバータ回路を設置し、コンバータ出力電流をインバータ入力電流に制御することにより、当該制御の際の位相遅れがコンデンサ容量、すなわち慣性力を制御することになる。
図3は、本発明に係る系統連系インバータシステムの第2実施形態の一例を説明するための回路構成例である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。系統連系インバータシステムA’は、直流電源A1とインバータ回路A2との間にDC/DCコンバータ回路A9を設けた点と、インバータ回路A2の入力端に並列に接続されたコンデンサの容量を充分な大きさのものとした点で、第1実施形態とは異なる。
本実施形態においては、インバータ回路2に設けられたコンデンサの容量Cが大きいので、系統連系インバータシステムA’は慣性力の大きな回転機形発電機DGと同様の振る舞いをする。また、DC/DCコンバータ回路A9がコンバータ出力電流Idcをインバータ入力電流Iiに制御することにより、コンデンサ容量が制御されるので、系統連系インバータシステムA’の慣性力が制御されることになる。
図4は、系統連系インバータシステムを小規模単独系統に連系させた状態を説明するための図である。小規模単独系統は、複数の分散型電源DPS、および、複数の負荷Lを備えている。分散型電源DPSは、太陽光や風力などの自然エネルギーを系統に供給可能な電力に変換するものであり、例えば、太陽電池を有する系統連系インバータシステムなどである。各分散型電源DPSは、電力蓄積装置BATを併設しているので、電力蓄積装置BATに電力を蓄積し電力蓄積装置BATから電力を放出することで、生成した電力の変動を補正することができる。
小規模単独系統では、電源が全て分散型電源DPSなので、無効電力も分散型電源DPSが供給する必要がある。したがって、各分散型電源DPSは無効電力を制御するために電圧制御を行なう必要がある。小規模単独系統に複数の電圧制御を行う分散型電源DPSが存在する場合、負荷Lから各分散型電源DPSまでの線路インピーダンスおよび各分散型電源DPSの機器インピーダンスにより、各分散型電源DPSが供給する電力は異なる。供給電力に偏りがあると、各電力蓄積装置BATの蓄電量に偏りが生じる。また、供給電力が過負荷耐量を超えると、分散型電源DPSが系統から解列してしまい系統擾乱が発生する場合がある。したがって、各分散型電源DPSが供給する電力に偏りがないようにする必要がある。
以下、このような小規模単独系統に連系させることができる系統連系インバータシステムについて説明する。
図5は、本発明に係るインバータ制御回路を備えた系統連系インバータシステムの第3実施形態を説明するためのブロック図である。なお、同図において、上記第1実施形態と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。系統連系インバータシステムA”は、小規模単独系統B’に連系させることができる点で、第1実施形態とは異なる。具体的には、インバータ制御回路A5’において、時定数設定回路12が時定数切替回路15に変更された点と、系統電圧抽出回路41、PI制御回路42、遅延回路43、目標切替回路44が設けられた点とが、第1実施形態のインバータ制御回路A5とは異なる。
時定数切替回路15は、PI制御回路11の時定数を予め設定されている大きい値と小さい値とで切り替えるものである。なお、時定数設定回路12をさらに設けて、時定数切替回路15が時定数を小さい値に切り替える代わりに、時定数設定回路12が時定数を設定するようにしてもよい。
系統電圧抽出回路41は、系統電圧センサA8より入力される系統電圧信号から、例えばU相の正相電圧信号を抽出して出力するものである。系統電圧抽出回路41は、図示しないαβ変換回路およびdq変換回路により、不平衡電圧から正相分を抽出する。
PI制御回路42は、系統電圧抽出回路41から出力される系統電圧信号と、目標系統電圧との偏差に基づいてPI制御を行い、補正値を出力するものである。遅延回路43は、PI制御回路42より出力される補正値から修正補正値を算出して出力するものである。遅延回路43は、いわゆるリファレンスガバナであり、例えば、ローパスフィルタで構成されている。すなわち、遅延回路43は、PI制御回路42より入力される補正値と前回の修正補正値との間の値であり、前回の修正補正値に最も近い修正補正値を最適化計算により算出し、この修正補正値を出力する。したがって、PI制御回路42より入力される補正値が急変しても、遅延回路43から出力される修正補正値は、ゆっくり変化することになる。なお、特許請求の範囲における算出手段は、遅延回路43を示している。目標切替回路44は、遅延回路43から入力される修正補正値とゼロ出力とを切り替えて、目標無効分電流として出力するものである。
系統連系インバータシステムA”が小規模回転機形発電機系統Bに連系される場合、時定数切替回路15はPI制御回路11の時定数を予め設定されている小さい値に切り替え、目標切替回路44は目標無効分電流をゼロ出力に切り替える。この場合、インバータ制御回路A5’は上記第1実施形態のインバータ制御回路A5と同様の構成となる。したがって、系統連系インバータシステムA”の動作および作用効果は上記第1実施形態の系統連系インバータシステムAと同様となるので、説明を省略する。
一方、系統連系インバータシステムA”が小規模単独系統B’ (以下、場合により「系統B’」と省略する。)に連系される場合、時定数切替回路15はPI制御回路11の時定数を予め設定されている大きい値に切り替え、目標切替回路44は目標無効分電流を遅延回路43から入力される修正補正値に切り替える。この場合の系統連系インバータシステムA”の動作および作用効果について、上記第1実施形態の系統連系インバータシステムAと異なる点について、以下に説明する。なお、時定数切替回路15および目標切替回路44の切り替えは、連系する系統に応じて取り付け時に切り替えるようにしてもよいし、連系した系統に応じて自動的に切り替わる構成としてもよい。
負荷の変動により系統B’の系統電圧が変化した場合、系統連系インバータシステムA”は、系統電圧を目標系統電圧とするように制御する。具体的には、系統電圧が低下した場合、系統電圧センサA8から入力される系統電圧と目標系統電圧との偏差がプラスになる。したがって、PI制御回路42から出力される補正値が大きくなり、遅延回路43を介して目標切替回路44から出力される目標無効分電流が大きくなる。そうすると、dq変換回路22から出力される無効分電流Idと目標無効分電流との偏差は大きくなり、PI制御回路23が出力する補正値が大きくなる。したがって、指令値信号生成回路31から出力される正弦波の振幅が大きくなり、インバータ回路A2の出力電圧の振幅が大きくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する無効分電流が増加し、無効電力が系統に供給されて、系統電圧が上昇する。
逆に、系統電圧が上昇した場合、系統電圧センサA8から入力される系統電圧と目標系統電圧との偏差がマイナスになる。したがって、PI制御回路42から出力される補正値が小さくなり、遅延回路43を介して目標切替回路44から出力される目標無効分電流が小さくなる。そうすると、dq変換回路22から出力される無効分電流Idと目標無効分電流との偏差は小さくなり、PI制御回路23が出力する補正値が小さくなる。したがって、指令値信号生成回路31から出力される正弦波の振幅が小さくなり、インバータ回路A2の出力電圧の振幅が小さくなる。これにより、インバータ回路A2が出力する無効分電流が減少し、系統に供給される無効電力が減少されて、系統電圧が低下する。
時定数切替回路15がPI制御回路11の時定数を大きい値に切り替えているので、PI制御回路11の応答速度が遅くなる。したがって、系統B’に連系された系統連系インバータシステムA”の機器インピーダンスおよび負荷L(図4参照)までの線路インピーダンスが小さい場合でも、負荷変動時に有効電力供給を行うタイミングが遅れることにより、他の分散型電源DPSと有効電力供給のバランスをとることができる。また、遅延回路43により目標無効分電流の変化をゆっくりとした変化にすることができるので、無効電力の供給の偏りも少なくなる。これにより、特定の系統連系インバータシステムA”に電力供給の負担が集中して解列してしまうことを抑制することができる。
また、上記のように、系統連系インバータシステムA”は、PI制御回路11における時定数を時定数切替回路15により切り替え、目標無効分電流を目標切替回路44により切り替えることにより、小規模回転機形発電機系統Bにも小規模単独系統B’にも連系することができる。また、系統連系インバータシステムA”は、商用電力系統に連系することもできる。この場合、系統連系インバータシステムA”は周波数制御および電圧制御を行っているので、負荷変動に高い耐性を有し、不要解列を低減することができる。
なお、上記実施形態では、系統連系インバータシステムに本発明のインバータ制御回路を用いた場合について説明したが、従来のインバータ制御回路に上述した方法でPWM制御を行なわせるプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録したROMなどの記録媒体からコンピュータに読み込んで、そのプログラムを実行させることにより、本発明のインバータ制御回路を実現してもよい。
本発明に係るインバータ制御回路は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るインバータ制御回路の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A,A’,A” 系統連系インバータシステム
A1 直流電源
A2 インバータ回路
A3 フィルタ回路
A4 変圧回路
A5,A5’ インバータ制御回路
11 PI制御回路(角周波数差算出手段、直流電圧補正値算出手段)
12 時定数設定回路
13 乗算器(角周波数差算出手段、乗算手段)
14 PLL回路(角周波数検出手段)
141 αβ変換回路
142 dq変換回路
143 PI制御回路
144 VCO回路
15 時定数切替回路
21 αβ変換回路(無効分電流算出手段)
22 dq変換回路(無効分電流算出手段)
23 PI制御回路(無効分電流補正値算出手段)
31 指令値信号生成回路
32 PWM信号生成回路
41 系統電圧抽出回路
42 PI制御回路(系統電圧補正値算出手段)
43 遅延回路
44 目標切替回路
A6 直流電圧センサ
A7 電流センサ
A8 系統電圧センサ
A9 DC/DCコンバータ回路
B 小規模回転機形発電機系統
B’ 小規模単独系統

Claims (12)

  1. 直流電源で生成される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路であって、
    前記直流電源の直流電圧とその目標電圧とから、前記インバータ回路の出力電圧信号の角周波数と前記電力系統の系統電圧信号の角周波数との必要な角周波数差を算出する角周波数差算出手段と、
    前記系統電圧信号の角周波数を検出する角周波数検出手段と、
    前記角周波数検出手段によって検出された角周波数に前記角周波数差を加算した修正角周波数から指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    を備えていることを特徴とするインバータ制御回路。
  2. 前記角周波数差算出手段は、
    前記直流電源の直流電圧と前記目標電圧との偏差に基づいてフィードバック制御を行って直流電圧補正値を算出する直流電圧補正値算出手段と、
    前記直流電圧補正値算出手段によって算出された直流電圧補正値に所定値を乗じて前記角周波数差を算出する乗算手段と、
    を備えており、
    前記所定値は、前記目標電圧に乗算した積が前記系統電圧信号の角周波数と一致するように設定されている、
    請求項1に記載のインバータ制御回路。
  3. 前記角周波数差算出手段は、前記直流電圧補正値算出手段の制御の時定数を設定する時定数設定手段をさらに備えており、
    前記時定数設定手段は、負荷変動時や前記直流電源の出力変動時に、前記時定数を小さな値に設定する、
    請求項2に記載のインバータ制御回路。
  4. 前記時定数設定手段は、前記時定数として、前記インバータ回路の出力電流の微分値に応じた値を設定する、
    請求項3に記載のインバータ制御回路。
  5. 前記インバータ回路の出力電流から無効分電流を算出する無効分電流算出手段と、
    前記系統電圧信号と目標系統電圧との偏差から系統電圧補正値を算出する系統電圧補正値算出手段と、
    前記系統電圧補正値から修正補正値を算出して出力する算出手段と、
    前記算出手段から出力される修正補正値とゼロ出力とを切り替えて目標無効分電流として出力する目標切替手段と、
    前記無効分電流算出手段によって算出された無効分電流と前記目標切替手段によって出力された目標無効分電流との偏差から無効分電流補正値を算出する無効分電流補正値算出手段と、
    をさらに備えており、
    前記算出手段は、前記系統電圧補正値と前回の修正補正値との間の値を前記修正補正値として算出し、
    前記指令値信号生成手段は、前記修正角周波数と前記無効分電流補正値とから指令値信号を生成し、
    前記角周波数差算出手段は、前記直流電圧補正値算出手段の制御の時定数を2つの値で切り替える時定数切替手段をさらに備えており、
    前記目標切替手段が出力をゼロ出力に切り替え、前記時定数切替手段が前記時定数を小さい方の値に切り替えた第1の状態と、前記目標切替手段が出力を前記算出手段から出力される修正補正値に切り替え、前記時定数切替手段が前記時定数を大きい方の値に切り替えた第2の状態とを選択できる、
    請求項2に記載のインバータ制御回路。
  6. 前記角周波数差算出手段は、前記時定数を設定する時定数設定手段をさらに備えており、
    前記第1の状態においては、前記時定数切替手段が前記時定数を小さい方の値に切り替える代わりに、前記時定数設定手段が時定数を設定する、
    請求項5に記載のインバータ制御回路。
  7. 前記角周波数検出手段はPLL回路である、請求項1ないし6のいずれかに記載のインバータ制御回路。
  8. 前記指令値信号生成手段は、前記修正角周波数を角周波数とする正弦波を生成する、請求項1ないし7のいずれかに記載のインバータ制御回路。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のインバータ制御回路を備えている系統連系インバータシステム。
  10. 前記直流電源と前記インバータ回路との間にDC/DCコンバータ回路が設けられており、
    前記インバータ回路は、入力端に並列接続されたコンデンサを備えている、
    請求項9に記載の系統連系インバータシステム。
  11. コンピュータを、
    直流電源で生成される直流電力を交流電力に変換して電力系統に供給するインバータ回路をPWM制御するためのインバータ制御回路として機能させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記直流電源の直流電圧とその目標電圧とから、前記インバータ回路の出力電圧信号の角周波数と前記電力系統の系統電圧信号の角周波数との必要な角周波数差を算出する角周波数差算出手段と、
    前記系統電圧信号の角周波数を検出する角周波数検出手段と、
    前記角周波数検出手段によって検出された角周波数に前記角周波数差を加算した修正角周波数から指令値信号を生成する指令値信号生成手段と、
    前記指令値信号に基づいてPWM信号を生成するPWM信号生成手段と、
    して機能させるためのプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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